JP6103905B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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この発明は、回転の伝達と遮断の切換えを行なうことができるようにした回転伝達装置に関する。
駆動軸から従動軸への回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにしたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、外輪とその内側に組み込まれた内輪との間に制御保持器と回転保持器とを、各保持器に形成された柱部が周方向で交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に対向一対のローラを組込み、その一対のローラを、その対向部間に組み込まれた弾性部材で離反する方向に付勢して、外輪の内周に形成された円筒面と内輪の外周に形成されたカム面に係合する位置にスタンバイさせ、上記内輪の一方向への回転により一方のローラを円筒面およびカム面に係合させ、内輪の回転を外輪に伝達するようにしている。
また、内輪が設けられた入力軸上に電磁クラッチを設け、その電磁クラッチの電磁石に対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に設けられた運動変換機構としてのトルクカムの作用によりポケットの周方向幅が小さくなる方向に制御保持器と回転保持器とを相対回転させ、各保持器の柱部で一対のローラを係合解除位置まで移動させて、内輪から外輪への回転伝達を遮断するようにしている。
上記回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁石に対する通電を解除すると、対向一対のローラ間に組み込まれた弾性部材の押圧作用により制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラが円筒面およびカム面に直ちに係合するため、回転方向ガタがきわめて小さく、応答性に優れているという特徴を有している。
特開2009−293679号公報
ところで、上記特許文献1に記載された回転伝達装置においては、電磁クラッチが、制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向する電磁石とで形成され、その電磁石の電磁コイルに対する通電により、ロータにアーマチュアを吸引して、制御保持器を軸方向に移動させるようにしているが、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量は、弾性部材の弾性力を考慮することなく管理していたため、電磁石に通電してもアーマチュアが吸着されない場合があり、その不完全な吸着によって2方向クラッチを制御することができず、その信頼性を高める上において改善すべき点が残されていた。
この発明の課題は、電磁クラッチによって2方向クラッチの係合および係合解除を制御する回転伝達装置の信頼性を高めることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアにロータを軸方向で対向し、そのロータに電磁石を対向し、その電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる構成とされ、前記電磁石への通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その移動により制御保持器と回転保持器をポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転させて一対の係合子を外輪の内周および内輪の外周に対して係合解除させるようにした回転伝達装置において、前記ロータと待機位置に位置するアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量を、前記電磁石に対する通電により、その電磁石が2方向クラッチにおける前記弾性部材の弾性力に抗してアーマチュアを吸引可能とする大きさに管理した構成を採用したのである。
上記のように、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量を、電磁石に対する通電により、その電磁石が2方向クラッチにおける弾性部材の弾性力に抗してアーマチュアを吸引可能とする大きさに管理することによって、電磁石に対する通電によりアーマチュアを確実に吸引することができ、電磁クラッチによって2方向クラッチを確実に制御することができる。
ここで、制御保持器に設けられた筒部にアーマチュアの外周部に設けられた連結筒を圧入し、その圧入量を管理することによって、ロータとアーマチュア間に形成される軸方向すきまのすきま量を管理することができる。この場合、ロータと入力軸の外周に形成されたロータ位置決め用の段部間に、アーマチュアを移動自在に支持する断面矩形の支持リングを組み込み、その支持リングのロータと対向する一側面の内周部に、前記軸方向すきまのすきま量に対応する突出高さの環状突出部を設け、その環状突出部で前記ロータを軸方向に位置決めし、その支持リングの一側面と前記アーマチュアの一側面が同一面を形成する位置まで連結筒を制御保持器の筒部に圧入して、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量の管理とすることにより、軸方向すきま量を容易に管理することができる。
また、ロータと入力軸の外周に形成されたロータ位置決め用の段部間に、アーマチュアを移動自在に支持し、かつ、ロータを軸方向に位置決めする断面矩形の支持リングを嵌合し、前記アーマチュアを軸方向に押圧する押圧面の外周部に前記軸方向すきまのすきま量に対応する突出高さの環状突出部を有する圧入冶具が上記支持リングのロータ対向面で受け止められる位置までその圧入冶具でアーマチュアを軸方向に押し込むことにより連結筒を前記筒部に圧入して、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量の管理とすることにより、この場合においても、軸方向すきま量を容易に管理することができる。
この発明に係る回転伝達装置において、2方向クラッチは、係合子をローラとするローラタイプのものであってもよく、あるいは、係合子をスプラグとするスプラグタイプのものであってもよい。
この発明においては、上記のように、ロータと待機位置に位置するアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量を、電磁石の電磁コイルに対する通電により、その電磁石が2方向クラッチにおける弾性部材の弾性力に抗してアーマチュアを吸引可能とする大きさに管理したことにより、2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチによって確実に制御することができ、信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の一部を拡大して示す断面図 図1のIII−III線に沿った断面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 図4のV−V線に沿った断面図 図1のVI−VI線に沿った断面図 (a)は、図6のVII−VII線に沿った断面図、(b)は、作動状態を示す断面図 アーマチュアとロータ間に形成する軸方向すきまの管理手段の他の例示す断面図 2方向クラッチの他の例を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、入力軸1と、その入力軸1と同軸上に配置された出力軸2と、その両軸の軸端部を覆うハウジング3と、そのハウジング3内に組み込まれて入力軸1から出力軸2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50とからなる。
図1乃至図3に示すように、2方向クラッチ10は、出力軸2の軸端部に設けられた外輪11の内周に円筒面12を設け、入力軸1の軸端部に設けられた内輪13の外周に複数のカム面14を周方向に等間隔に形成し、その複数のカム面14のそれぞれと円筒面12間に一対の係合子としてのローラ15と弾性部材21とを組込み、そのローラ15を保持器16で保持し、上記内輪13の一方向への回転により一対のローラ15の一方を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達し、また、内輪13の他方向への回転時に他方のローラ15を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達するようにしている。
ハウジング3は円筒状をなし、その一端部には小径の軸受筒4が設けられている。軸受筒4の内周には位置決めリング5が設けられ、その位置決めリング5からインナー側に出力軸2を回転自在に支持する軸受6が組み込まれ、その軸受6と位置決めリング5間に弾性部材7が組み込まれている。
弾性部材7は、2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50をハウジング3の他端開口部の内周に取付けられた止め輪からなる抜止めリング8に向けて付勢して、電磁クラッチ50を抜止めリング8に押し付けている。このため、ハウジング3内に組込まれた2方向クラッチ10と電磁クラッチ50からなる内蔵部品は、ガタツキのない組込みとされている。
図1に示すように、外輪11には、閉塞端部の内面側に小径の凹部18が形成され、その凹部18内に組み込まれた軸受19によって入力軸1の軸端部が回転自在に支持されている。
図1では、入力軸1の軸端部に内輪13を一体に設けた例を示しているが、入力軸1に対して内輪13を別体とし、その内輪13の内側に入力軸1の軸端部を嵌合し、その嵌合面間に形成されたセレーションにより内輪13と入力軸1とを連結一体化してもよい。
図3に示すように、内輪13の外周に形成されたカム面14は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜面14a、14bから形成されて外輪11の円筒面12との間に周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成しており、上記一対の傾斜面14a、14b間には内輪13の接線方向に向く平坦なばね支持面20が設けられ、そのばね支持面20によって弾性部材21が支持されている。
弾性部材21は、上記支持面20で支持されるようにして一対のローラ15間に組込まれ、その弾性部材21により一対のローラ15は離反する方向に付勢されている。
図1および図2に示すように、保持器16は、制御保持器16Aと、回転保持器16Bとからなる。図1および図6に示すように、制御保持器16Aは、環状のフランジ24の片面外周部にカム面14と同数の柱部25を周方向に等間隔に設け、その隣接する柱部25間に円弧状の長孔26を形成し、フランジ外周には柱部25と反対向きに筒部27を設けた構成とされている。
一方、回転保持器16Bは、環状のフランジ28の外周にカム面14と同数の柱部29を周方向に等間隔に設けた構成とされている。
制御保持器16Aと回転保持器16Bは、制御保持器16Aの長孔26内に回転保持器16Bの柱部29が挿入されて、その柱部25、29が周方向に交互に並ぶ組み合わせとされている。そして、その組み合わせ状態で柱部25、29の先端部が外輪11と内輪13間に配置され、制御保持器16Aのフランジ24および回転保持器16Bのフランジ28が入力軸1の外周に嵌合された支持リング30と外輪11間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器16A、16Bの組込みによって、図3に示すように、制御保持器16Aの柱部25と回転保持器16Bの柱部29間にポケット31が形成され、そのポケット31は内輪13のカム面14と径方向で対向し、各ポケット31内に対向一対のローラ15および弾性部材21が組込まれている。
図2に示すように、制御保持器16Aのフランジ24および回転保持器16Bのフランジ28は入力軸1の外周に形成されたスライド案内面32に沿ってスライド自在に支持され、上記回転保持器16Bのフランジ28と入力軸1に嵌合された支持リング30間にスラスト軸受33が組み込まれている。
図1、図5および図7(b)に示すように、制御保持器16Aのフランジ24と回転保持器16Bのフランジ28間には、制御保持器16Aの軸方向の移動を回転保持器16Bの回転運動に変換する運動変換機構としてのトルクカム40が設けられている。トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ24と回転保持器16Bのフランジ28の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝41、42を設け、一方のカム溝41の一端部と他方のカム溝42の他端部間にボール43を組み込んだ構成としている。
カム溝41、42として、ここでは円弧状の溝を示したが、V溝であってもよい。
上記トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ24が回転保持器16Bのフランジ28に接近する方向に制御保持器16Aが軸方向に移動した際に、図7(a)に示すように、ボール43がカム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bをポケット31の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
図2および図5に示すように、内輪13に形成されたカム面14の軸方向他側には小径の円筒面45が形成され、その円筒面45に環状の保持プレート46が嵌合されて内輪13に固定されている。図4および図5に示すように、保持プレート46の外周面には、制御保持器16Aの柱部25と回転保持器16Bの柱部29間の各ポケット31内に配置される複数の回り止め片47が形成されている。
複数の回り止め片47は、制御保持器16Aと回転保持器16Bとがポケット31の周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、制御保持器16Aの柱部25および回転保持器16Bの柱部29を両側縁で受け止めて対向一対のローラ15を中立位置に保持するようになっている。
保持プレート46の外周部には複数の弾性部材21のそれぞれ外径側に張り出すばね押えアーム48が設けられ、そのばね押えアーム48によって弾性部材21は一対のローラ15間より外径側に逃げ出るのが防止されている。
図2に示すように、電磁クラッチ50は、制御保持器16Aに形成された筒部27の端面と軸方向で対向するアーマチュア51と、そのアーマチュア51と軸方向で対向するロータ52と、そのロータ52と軸方向で対向する電磁石53とを有している。
アーマチュア51は、支持リング30の外周に嵌合されて回転自在に、かつ、スライド自在に支持され、そのアーマチュア51の外周部に設けられた連結筒54が制御保持器16Aの筒部27に圧入されて制御保持器16Aとアーマチュア51が連結一体化されている。その連結によってアーマチュア51は、支持リング30の円筒状外径面35と入力軸1の外周のスライド案内面32の軸方向の2箇所においてスライド自在の支持とされている。
ロータ52は、入力軸1に圧入され、その入力軸1に嵌合された前述の支持リング30によって位置決めされている。
ここで、支持リング30は、断面が矩形とされ、入力軸1におけるスライド案内面32の軸方向他側に形成された段部34によって軸方向に位置決めされている。また、支持リング30には、ロータ52と対向する一側面の内周部に、ロータ52が衝合される環状突出部36が形成され、その環状突出部36によってロータ52を軸方向に位置決めしている。
ロータ52とアーマチュア51の対向面間には軸方向すきま55が形成されている。軸方向すきま55のすきま量δは、電磁石53に対する通電により、その電磁石53が2方向クラッチ10における弾性部材21の弾性力に抗してアーマチュア51を吸引可能とする大きさに管理されている。
また、軸方向すきま55は、制御保持器16Aの筒部27に圧入される連結筒54の圧入しろの管理によって、そのすきま量δが管理されており、図2では、支持リング30の一側面とアーマチュア51の一側面が同一面を形成する位置まで筒部27に連結筒54を圧入して、環状突出部36の突出高さhに相当する大きさの軸方向すきま55を形成するようにしており、その軸方向すきま55のすきま量δは、1mm程度の大きさとされている。
支持リング30は、非磁性体から形成されている。非磁性体は、非磁性金属であってもよく、樹脂であってもよい。
図1および図2に示すように、電磁石53は、電磁コイル53aと、その電磁コイル53aを支持するコア53bとからなり、上記コア53bの外側端面には筒部57が形成され、その筒部57内に組み込まれた軸受58は、筒部57の内周に取付けられた止め輪59によって筒部57から抜け出るのが防止されている。また、軸受58は、入力軸1の外径面に形成された段部60と上記止め輪59によって軸方向に位置決めされ、その軸受58によって電磁石53と入力軸1は相対的に回転自在とされている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1は、電磁石53の電磁コイル53aに対する通電の遮断状態を示し、アーマチュア51はロータ52から離反し、その対向面間に軸方向すきま55が形成されている。また、2方向クラッチ10の対向一対のローラ15は、図3に示すように、外輪11の円筒面12および内輪13のカム面14に対して係合するスタンバイ位置に位置している。
2方向クラッチ10のスタンバイ状態において、電磁コイル53aに通電すると、アーマチュア51に吸引力が作用し、アーマチュア51が軸方向に移動してロータ52に吸着される。
ここで、アーマチュア51は制御保持器16Aに連結一体化されているため、アーマチュア51の軸方向への移動に伴って制御保持器16Aは、そのフランジ24が回転保持器16Bのフランジ28に接近する方向に移動する。
このとき、図7(b)に示すボール43が、図7(a)に示すように、カム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bは、図3に示す弾性部材21の弾性力に抗してポケット31の周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、図3に示す対向一対のローラ15が制御保持器16Aの柱部25と回転保持器16Bの柱部29で押されて互いに接近する方向に移動する。このため、ローラ15は円筒面12およびカム面14から係合解除して中立状態となり、2方向クラッチ10は係合解除状態とされる。
2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸1に回転トルクを入力して内輪13を一方向に回転すると、図4に示す保持プレート46に形成された回り止め片47が制御保持器16Aの柱部25と回転保持器16Bの柱部29の一方を押圧するため、内輪13と共に制御保持器16Aおよび回転保持器16Bが回転する。このとき、対向一対のローラ15は係合解除された中立位置に保持されているため、内輪13の回転は外輪11に伝達されず、内輪13はフリー回転する。
内輪13のフリー回転状態において、電磁コイル53aに対する通電を解除すると、アーマチュア51は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、弾性部材21の押圧によって制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット31の周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ15のそれぞれが、図3に示すように、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ状態とされ、その対向一対のローラ15の一方を介して内輪13と外輪11の相互間で一方向の回転トルクが伝達される。
ここで、入力軸1を停止して、その入力軸1の回転方向を切換えると、他方のローラ15を介して内輪13の回転が外輪11に伝達される。
このように、電磁コイル53aに対する通電の遮断により、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット31の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ15のそれぞれが円筒面12およびカム面14に直ちに噛み込むスタンバイ状態とされるため、回転方向ガタは小さく、内輪13の回転を外輪11に直ちに伝達することができる。
また、内輪13から外輪11への回転トルクの伝達は、カム面14と同数のローラ15を介して行われるため、内輪13から外輪11に大きな回転トルクを伝達することができる。
なお、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット31の周方向幅が大きくなる方向に相対回転すると、ボール43は対向一対のカム溝41、42の浅溝部に向けて転がり移動して、図7(b)に示す状態となる。
図1に示す実施の形態では、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bを、その柱部25、29が外輪11と内輪13間に位置し、軸方向で対向するフランジ24,28が外輪11とアーマチュア51間に配置される組込みとしているため、外輪11の軸方向長さのコンパクト化と軽量化とを図ることができる。
また、図2に示すように、支持リング30のロータ52と対向する一側面の内周部に、軸方向すきま55のすきま量δに対応する突出高さhの環状突出部36を設け、その環状突出部36でロータ52を軸方向に位置決めし、その支持リング30の一側面とアーマチュア51の一側面が同一面を形成する位置まで連結筒54を制御保持器16Aの筒部27に圧入して、ロータ52とアーマチュア51の対向面間に形成される軸方向すきま55のすきま量δを管理することにより、軸方向すきま55のすきま量δを容易に管理することができる。
ここで、環状突出部36は、外周形状を円形とし、あるいは、角形とするものであってもよく、いずれの場合も、アーマチュア51の内径より小径としておく。また、環状突出部36は、同図に示すように、支持リング30と一体であってもよく、別体でもよい。別体とする場合、リング材やシム材を採用することができ、その材質は、樹脂であってもよく、金属であってもよい。
図8は、軸方向すきま55を管理する管理手段の他の例を示す。この例においては、ロータ位置決め用の支持リング30を断面矩形としている。そして、アーマチュア51を軸方向に押圧する圧入冶具Tの押圧面外周部に軸方向すきま55に対応する突出高さhの環状突出部61を形成し、その圧入冶具Tが支持リング30のロータ位置決め面で受け止められる位置までその圧入冶具Tでアーマチュア51を軸方向に押し込んで筒部27に連結筒54を圧入し、ロータ52とアーマチュア51の対向面間に形成される軸方向すきま55のすきま量δを管理するようにしている。この場合においても、軸方向すきま55のすきま量δを容易に管理することができる。
なお、実施の形態では、軸方向すきま55を圧入しろにて管理する方法を示したが、シムの組込みにより管理する方法でもよい。
図1乃至図3に示す実施の形態においては、2方向クラッチ10として、電磁石53に対する通電により制御保持器16Aを軸方向に移動させて、その制御保持器16Aと回転保持器16Bを相対回転させ、係合子としてのローラ15を外輪11の内周と内輪13の外周に係合させるようにしたローラタイプのものを示したが、2方向クラッチはこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、径の異なる一対の保持器C、Cを内外に配置し、径の大きな外側保持器Cを、図1乃至図3に示す実施の形態と同様に、制御保持器16Aと回転保持器16Bとで形成し、上記制御保持器16Aの柱部25と回転保持器16Bの柱部29間に形成されたポケット31内に一対の係合子としてのスプラグ37と、その一対のスプラグ37間に弾性部材38とを組込み、上記一対のスプラグ37のそれぞれ内端部を小径側保持器Cに形成されたポケット39内に挿入して、その内端部を中心に揺動自在に支持したスプラグタイプのものであってもよい。
上記スプラグタイプの2方向クラッチ10においては、電磁クラッチ50の電磁石53に対する通電を解除すると、一対のスプラグ37が弾性部材38の押圧により外端部が離反する方向に揺動して外輪11の内周円筒面12と内輪13の外周円筒面13aに係合し、また、電磁石53に通電し、制御保持器16Aの軸方向への移動により、その制御保持器16Aと回転保持器16Bを相対回転させると、一対のスプラグ37の外端部が各保持器の柱部25、29で押圧されて外端部が近接する方向に揺動し、外輪11の内周円筒面12および内輪13の外周円筒面13aに対して係合解除するようになっている。
1 入力軸
2 出力軸
3 ハウジング
10 2方向クラッチ
11 外輪
13 内輪
15 ローラ(係合子)
16A 制御保持器
16B 回転保持器
21 弾性部材
24 フランジ
25 柱部
27 筒部
29 柱部
30 支持リング
31 ポケット
36 環状突出部
37 スプラグ
38 弾性部材
50 電磁クラッチ
51 アーマチュア
52 ロータ
53 電磁石
54 連結筒
55 軸方向すきま
T 圧入冶具
61 環状突出部

Claims (5)

  1. 入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断
    とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁ク
    ラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸
    端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた
    柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に
    前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子
    を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、
    前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアにロータを軸方向で対
    向し、そのロータに電磁石を対向し、その電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気
    吸引力を付与してロータに吸着させる構成とされ、
    前記電磁石への通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その移動により制御保持器
    と回転保持器をポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転させて一対の係合子を外
    輪の内周および内輪の外周に対して係合解除させるようにした回転伝達装置において、
    前記ロータと待機位置に位置するアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまの
    すきま量、前記電磁石に対する通電により、その電磁石が2方向クラッチにおける前記
    弾性部材の弾性力に抗してアーマチュアを吸引可能とする大きさに管理され、そのすきま量の管理が、前記アーマチュアの外周部に設けられた連結筒を前記制御保持器に設けられた筒部に圧入し、その圧入量の管理によってなされた回転伝達装置。
  2. 前記ロータと入力軸の外周に形成されたロータ位置決め用の段部間に、前記アーマチュ
    アを移動自在に支持する断面矩形の支持リングを組み込み、その支持リングの前記ロータ
    と対向する一側面の内周部に、前記軸方向すきまのすきま量に対応する突出高さの環状突
    出部を設け、その環状突出部で前記ロータを軸方向に位置決めし、その支持リングの一側
    面と前記アーマチュアの一側面が同一面を形成する位置まで連結筒を前記筒部に圧入して
    、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すきまのすきま量の管理とした請求項に記載の回転伝達装置。
  3. 前記ロータと入力軸の外周に形成されたロータ位置決め用の段部間に、前記アーマチュ
    アを移動自在に支持し、かつ、前記ロータを軸方向に位置決めする断面矩形の支持リング
    を嵌合し、前記アーマチュアを軸方向に押圧する押圧面の外周部に前記軸方向すきまのす
    きま量に対応する突出高さの環状突出部を有する圧入冶具が前記支持リングのロータ対向
    面で受け止められる位置までその圧入冶具でアーマチュアを軸方向に押し込むことにより
    連結筒を前記筒部に圧入して、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向すき
    まのすきま量の管理とした請求項に記載の回転伝達装置。
  4. 前記2方向クラッチが、係合子をローラとするローラタイプのものからなる請求項1乃
    のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  5. 前記2方向クラッチが、係合子をスプラグとするスプラグタイプのものからなる請求項
    1乃至のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
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