JP6013056B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
駆動軸から従動軸への回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにしたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、外輪とその内側に組み込まれた内輪との間に制御保持器と回転保持器とを、各保持器に形成された柱部が周方向で交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に対向一対のローラを組込み、その一対のローラを、その対向部間に組み込まれた弾性部材で離反する方向に付勢して、外輪の内周に形成された円筒面と内輪の外周に形成されたカム面に係合する位置にスタンバイさせ、上記内輪の一方向への回転により一方のローラを円筒面およびカム面に係合させ、内輪の回転を外輪に伝達するようにしている。
また、内輪が設けられた入力軸上に電磁クラッチを設け、その電磁クラッチにより制御保持器を軸方向に移動させ、その制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に設けられたトルクカムの作用によりポケットの周方向幅が小さくなる方向に制御保持器と回転保持器とを相対回転させて、各保持器の柱部で一対のローラを係合解除位置まで移動させ、内輪から外輪への回転伝達を遮断するようにしている。
上記回転伝達装置においては、電磁クラッチにより制御保持器のフランジが回転保持器のフランジから離反する方向に制御保持器を移動させると、対向一対のローラ間に組み込まれた弾性部材の押圧作用により制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラが円筒面およびカム面に直ちに係合するため、回転方向ガタがきわめて小さく、応答性に優れているという特徴を有している。
特開2009−293679号公報
ところで、上記特許文献1に記載された回転伝達装置においては、制御保持器および回転保持器の全体を熱処理して硬度を高めると、靱性が低下し、ローラを中立位置に押圧変位させる際、柱部の付け根部分に応力が集中して亀裂が生じ易くなる。このため、制御保持器および回転保持器は、熱処理することのない未処理の状態で用いるようにしている。
この場合、トルクカムを形成するカム溝のボールが転がり移動する表面の硬度が低いため、ボールとの接触によってその表面が摩耗し易い。また、ボールと接触する部位に窪みが生じ、その窪みに対するボールの係合により制御保持器と回転保持器の相対回転が阻害されて2方向クラッチの機能に影響を及ぼし、それぞれの保持器の耐久性を向上させる上において改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、制御保持器および回転保持器の耐久性の向上を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、入力軸から、その入力軸と同軸上に配置された出力軸への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、フランジの片面外周部に柱部を設けた制御保持器およびフランジの片面外周部に柱部を設けた回転保持器を有し、その両保持器の軸方向で対向するフランジの対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込んで、前記制御保持器の軸方向への移動により制御保持器と回転保持器とを相対回転させて、制御保持器の柱部と回転保持器の柱部間に組み込まれた係合子を、出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周に係合させる構成とされ、前記電磁クラッチが、電磁石を有し、その電磁石に対する通電により2方向クラッチの制御保持器を軸方向に移動させるようにした回転伝達装置において、前記制御保持器および回転保持器に形成された前記カム溝の表面のみを熱処理して硬度を高めるようにした構成を採用したのである。
上記のように、制御保持器および回転保持器のカム溝の表面のみを熱処理する局部的な熱処理とすることにより、柱部の付け根に影響を与えることがなく、その付け根の靱性を確保する状態でカム溝表面の硬度を高めることができる。このため、カム溝の表面の摩耗や変形および柱部の付け根の損傷を防止し、耐久性に優れた保持器を得ることができる。
ここで、熱処理深さを、0.3〜0.8mmの範囲とすることにより、柱部の付け根に与える影響を効果的に避けることができる。また、トルクカムを制御保持器および回転保持器の柱部に対して周方向に位置をずらして形成しておくと、柱部への熱処理の影響をより効果的に避けることができる。
上記熱処理として、高周波焼入れやレーザー焼入れを採用することができる。
この発明においては、上記のように、制御保持器および回転保持器に形成されたカム溝の表面のみを熱処理したことにより、柱部の付け根の靱性を確保する状態でカム溝の表面のみを局部的に硬化させることができ、カム溝表面の摩耗や変形および柱部の付け根の損傷を防止し、耐久性に優れた制御保持器および回転保持器を図ることができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の2方向クラッチ部を拡大して示す断面図 図2のトルクカム部を拡大して示す断面図 (a)は、図1のIV−IV線に沿った断面図、(b)は、ローラの係合状態を示す断面図 図1のV−V線に沿った断面図 図5のVI−VI線に沿った断面図 図1のVII−VII線に沿った断面図 (c)は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図、(d)は、(c)の作動状態
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、入力軸1と、その入力軸1と同軸上に配置された出力軸2と、その両軸の軸端部を覆うハウジング3と、そのハウジング3内に組み込まれて入力軸1から出力軸2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50とからなる。
ハウジング3は円筒状をなし、その一端部には小径の軸受筒4が設けられ、その軸受筒4内に組み込まれた軸受5によって出力軸2が回転自在に支持されている。
図1、図2および図4に示すように、2方向クラッチ10は、出力軸2の軸端部に設けられた外輪11の内周に円筒面12を設け、入力軸1の軸端部に設けられた内輪13の外周に複数のカム面14を周方向に等間隔に形成し、その複数のカム面14のそれぞれと円筒面12間に係合子としての一対のローラ15と弾性部材20とを組込み、そのローラ15を保持器16で保持し、上記内輪13の一方向への回転により一対のローラ15の一方を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達し、また、内輪13の他方向への回転時に他方のローラ15を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達するようにしている。
ここで、外輪11の閉塞端部の内面側には小径の凹部17が形成され、その凹部17内に組み込まれた軸受18によって入力軸1の軸端部が回転自在に支持されている。
内輪13は入力軸1に一体に形成されている。その内輪13の外周に形成されたカム面14は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜面14a、14bから形成されて外輪11の円筒面12との間に周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成しており、上記一対の傾斜面14a、14b間には内輪13の接線方向に向く平坦なばね支持面19が設けられ、そのばね支持面19によって弾性部材20が支持されている。
弾性部材20はコイルばねからなる。この弾性部材20は一対のローラ15間に配置される組込みとされ、その弾性部材20で一対のローラ15は離反する方向に付勢されて、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ位置に配置されている。
保持器16は、制御保持器16Aと、回転保持器16Bとからなる。図2および図7に示すように、制御保持器16Aは、環状のフランジ21の片面外周部にカム面14と同数の柱部22を周方向に等間隔に設け、その隣接する柱部22間に円弧状の長孔23を形成し、外周には柱部22と反対向きに筒部24を設けた構成とされている。
一方、回転保持器16Bは、環状のフランジ25の外周にカム面14と同数の柱部26を周方向に等間隔に設けた構成とされている。
制御保持器16Aと回転保持器16Bは、制御保持器16Aの長孔23内に回転保持器16Bの柱部26が挿入されて、その柱部22、26が周方向に交互に並ぶ組み合わせとされている。そして、その組み合わせ状態で柱部22、26の先端部が外輪11と内輪13間に配置され、制御保持器16Aのフランジ21および回転保持器16Bのフランジ25が入力軸1の外周に嵌合された支持リング28と外輪11間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器16A、16Bの組込みによって、図4に示すように、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間にポケット27が形成され、そのポケット27は内輪13のカム面14と径方向で対向し、各ポケット27内に対向一対のローラ15および弾性部材20が組込まれている。
図2に示すように、制御保持器16Aのフランジ21および回転保持器16Bのフランジ25は入力軸1の外周に形成されたスライド案内面29に沿ってスライド自在に支持され、上記回転保持器16Bのフランジ25と入力軸1に嵌合された上述の支持リング28間にスラスト軸受30が組み込まれている。
スラスト軸受30は、回転保持器16Bが電磁クラッチ50側に移動するのを防止する状態で、その回転保持器16Bを回転自在に支持している。
図2および図7に示すように、制御保持器16Aのフランジ21と回転保持器16Bのフランジ25間には、トルクカム40が設けられている。図8(c)、(d)に示すように、トルクカム40は、制御保持器16Aにおけるフランジ21と回転保持器16Bにおけるフランジ25の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝41、42を設け、その対向一対のカム溝41、42間にボール43を組み込んだ構成としている。
カム溝41、42として、ここでは円弧状の溝を示したが、V溝であってもよい。
上記トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に制御保持器16Aが軸方向に移動した際に、図8(c)に示すように、ボール43がカム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bをポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
図2、図5および図6に示すように、内輪13の軸方向一端面とスライド案内面29の交差部には、そのスライド案内面29より大径の円筒形のホルダ嵌合面44が形成され、そのホルダ嵌合面44にばねホルダ45が嵌合されている。
ばねホルダ45は、ホルダ嵌合面44に対して回り止めされ、かつ、軸方向に非可動の支持とされ、その外周には、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間に配置される複数の回り止め片46が形成されている。
複数の回り止め片46は、制御保持器16Aと回転保持器16Bとがポケット27の周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、制御保持器16Aの柱部22および回転保持器16Bの柱部26を両側縁で受け止めて対向一対のローラ15を中立位置に保持するようになっている。
ばねホルダ45の外周部には複数の弾性部材20のそれぞれ外径側に張り出すばね保持片47が設けられ、そのばね保持片47によって弾性部材20は一対のローラ15間より外径側に逃げ出るのが防止されている。
図1に示すように、電磁クラッチ50は、制御保持器16Aに形成された筒部24の端面と軸方向で対向するアーマチュア51と、そのアーマチュア51と軸方向で対向するロータ52と、そのロータ52と軸方向で対向する電磁石53とを有している。
図2に示すように、アーマチュア51は、支持リング28の外周に嵌合されて回転自在に、かつ、スライド自在に支持され、そのアーマチュア51の外周部に設けられた連結筒55の内径面に制御保持器16Aの筒部24が圧入されて制御保持器16Aとアーマチュア51が連結一体化されている。その連結によってアーマチュア51は、支持リング28の円筒状外径面54と入力軸1の外周のスライド案内面29の軸方向の2箇所においてスライド自在の支持とされている。
ここで、支持リング28は、入力軸1のスライド案内面29の軸方向他側に形成された段部31によって軸方向に位置決めされている。
ロータ52は、入力軸1に嵌合され、上記支持リング28との間に組み込まれたシム56によって軸方向に位置決めされ、かつ、入力軸1に対して回り止めされている。
図1に示すように、電磁石53は、電磁コイル53aと、その電磁コイル53aを支持するコア53bとからなり、上記コア53bはハウジング3の他端開口内に嵌合され、そのハウジング3の他端部開口内に取付けた止め輪6によって抜止めされている。また、コア53bは入力軸1に嵌合された軸受57を介して入力軸1と相対的に回転自在とされている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1に示す電磁クラッチ50の電磁コイル53aに対する通電の遮断状態で、2方向クラッチ10のローラ15は、図4(b)に示すように、外輪11の円筒面12および内輪13のカム面14に係合する状態にある。
このため、入力軸1が一方向に回転すると、その回転は内輪13から対向一対のローラ15の一方を介して外輪11に伝達され、出力軸2が入力軸1と同方向に回転する。また、入力軸1が逆方向に回転すると、その回転は他方のローラ15を介して出力軸2に伝達される。
2方向クラッチ10の係合状態で、電磁クラッチ50の電磁コイル53aに通電すると、アーマチュア51に吸引力が作用し、アーマチュア51が軸方向に移動してロータ52に吸着される。
このとき、アーマチュア51と制御保持器16Aとは、連結筒55と筒部24の嵌合によって連結一体化されているため、アーマチュア51の軸方向への移動に伴って制御保持器16Aは、そのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に移動する。
制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対移動により、図8(d)に示すボール43が、図8(c)に示すように、カム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bはポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転する。
制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対回転により、図4(b)に示す対向一対のローラ15は制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26で押されて互いに接近する方向に移動する。
このため、ローラ15は、図4(a)に示すように、円筒面12およびカム面14に対して係合解除する中立位置に変位し、2方向クラッチ10は係合解除状態とされる。
2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸1に回転トルクを入力して、その入力軸1を一方向に回転させると、ばねホルダ45に形成された回り止め片46が制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26の一方を押圧するため、入力軸1と共に制御保持器16Aおよび回転保持器16Bが回転する。このとき、対向一対のローラ15は係合解除された中立位置に保持されているため、入力軸1の回転は外輪11に伝達されず、入力軸1はフリー回転する。
ここで、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅を小さくなる方向に相対回転すると、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26がばねホルダ45の回り止め片46の両側縁に当接して相対回転量が規制される。
このため、弾性部材20は必要以上に収縮することはなくなり、伸長と収縮が繰り返し行われても疲労によって破損するようなことはない。
入力軸1のフリー回転状態において、電磁コイル53aに対する通電を解除すると、アーマチュア51は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、弾性部材20の押圧によって制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ15のそれぞれが、図4(b)に示すように、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ状態とされ、その対向一対のローラ15の一方を介して入力軸1の回転が出力軸2に伝達される。
ここで、入力軸1を停止して、その入力軸1の回転方向を切換えると、他方のローラ15を介して入力軸1の回転が出力軸2に伝達される。
このように、電磁コイル53aに対する通電の遮断により、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ15のそれぞれが円筒面12およびカム面14に直ちに噛み込むスタンバイ状態とされるため、回転方向ガタは小さく、内輪13の回転を外輪11に直ちに伝達することができる。
また、入力軸1から出力軸2への回転トルクの伝達は、カム面14と同数のローラ15を介して行われるため、入力軸1から出力軸2に大きな回転トルクを伝達することができる。
なお、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転すると、ボール43は対向一対のカム溝41、42の浅溝部に向けて転がり移動して、図8(d)に示す状態となる。
上記のように、電磁クラッチ50を電磁石53に対する通電の遮断によってOFFにすると2方向クラッチ10が係合し、電磁クラッチ50を電磁石53に対する通電によりONにすると2方向クラッチ10が係合解除するため、フェールセーフ機構が求められる用途にきわめて有効である。
ここで、図8に示すトルクカム40においては、上述のように、電磁クラッチ50の電磁コイル53aに対する通電および解除により、ボール43がカム溝41、42に沿って転がり移動して制御保持器16Aと回転保持器16Bとを相対回転させるようになっており、その相対回転時、ボール43は弾性部材20の弾性力が常に負荷される状態で転がり移動するため、カム溝41、42の表面の硬度が低いと、その表面が摩耗し、あるいは、変形する可能性がある。
ここで、カム溝41、42の表面が変形すると、制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対回転が阻害されて、2方向クラッチ10を精度よく作動させることができなくなり、その2方向クラッチ10を精度よく機能させるため、制御保持器16Aと回転保持器16Bの耐久性を考慮する必要がある。
耐久性の向上には、熱処理する方法が一般的に採用される。しかし、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bの全体を熱処理すると、靱性が低下し、ローラ15を中立位置に押圧変位させる際、柱部22、26の付け根部分に応力が集中して亀裂が生じ易くなる。
そこで、実施の形態においては、カム溝41、42の表面のみを熱処理して、図3に示すように、カム溝41、42の表層部に硬化層60を形成している。このとき、熱処理深さδが必要以上に深くなると、柱部22、26の付け根部に影響を及ぼして強度を低下させるため、その熱処理深さδは、0.3〜0.8mmの範囲としている。
上記のように、カム溝41、42の表面のみを熱処理する局部的な熱処理とすることにより、柱部22、26の付け根部の靱性を確保する状態でカム溝41、42の表面のみを局部的に硬化させることができ、カム溝41、42表面の摩耗や変形および柱部22、26の付け根の損傷を防止し、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bの耐久性を向上させることができる。
ここで、熱処理として、高周波焼入れやレーザー焼入れを採用することができる。そのような焼入れを採用するため、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bのそれぞれは炭素鋼で形成されている。炭素鋼として、S35C、S45C、SCM,SUJ2等を挙げることができる。
図7に示すように、トルクカム40を制御保持器16Aおよび回転保持器16Bの柱部22、26に対して周方向に位置ずらして形成しておくと、柱部22、26への熱処理の影響をより効果的に避けることができる。
図1に示す実施の形態では、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bを、その柱部22、26が外輪11と内輪13間に位置し、軸方向で対向するフランジ21,25が外輪11とアーマチュア51間に配置される組込みとしているため、外輪11の軸方向長さのコンパクト化と軽量化とを図ることができる。
実施の形態における回転伝達装置においては、2方向クラッチ10として、電磁石53に対する通電により制御保持器16Aを軸方向に移動させて、その制御保持器16Aと回転保持器16Bを相対回転させ、柱部22、26間に組み込まれた係合子としてのローラ15を外輪11の内周と内輪13の外周に係合させるようにしたローラタイプのものを示したが、2方向クラッチはこれに限定されるものではない。例えば、径の異なる一対の保持器を内外に配置し、径の大きな外側保持器を制御保持器と回転保持器とで形成し、電磁クラッチの電磁石に対する通電の遮断により、制御保持器の柱部と回転保持器の柱部間に組み込まれた係合子としての一対のスプラグを、その対向部間に組み込まれた弾性部材により外輪の内周円筒面と内輪の外周円筒面に係合させ、前記電磁石に対する通電により制御保持器と回転保持器を相対回転させて、一対のスプラグを係合解除させるようにしたスプラグタイプのものであってもよい。
1 入力軸
2 出力軸
10 2方向クラッチ
11 外輪
12 円筒面
13 内輪
14 カム面
15 ローラ(係合子)
16A 制御保持器
16B 回転保持器
21 フランジ
22 柱部
25 フランジ
26 柱部
41 カム溝
42 カム溝
43 ボール
50 電磁クラッチ

Claims (4)

  1. 入力軸から、その入力軸と同軸上に配置された出力軸への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、フランジの片面外周部に柱部を設けた制御保持器およびフランジの片面外周部に柱部を設けた回転保持器を有し、その両保持器の軸方向で対向するフランジの対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込んで、前記制御保持器の軸方向への移動により制御保持器と回転保持器とを相対回転させて、制御保持器の柱部と回転保持器の柱部間に組み込まれた係合子を、出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周に係合させる構成とされ、
    前記電磁クラッチが、電磁石を有し、その電磁石に対する通電により2方向クラッチの制御保持器を軸方向に移動させるようにした回転伝達装置において
    前記制御保持器および回転保持器は、その制御保持器および回転保持器に形成された前記カム溝の表面のみを熱処理して硬度を高めるようにしたことを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記熱処理を行う深さが、0.3〜0.8mmの範囲とされた請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記熱処理が、高周波焼入れからなる請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記対向一対のカム溝が、制御保持器および回転保持器の柱部に対して周方向に位置をずらして形成された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
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