JP2015194180A - 回転伝達装置 - Google Patents

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恭兵 笹沼
Kyohei Sasanuma
恭兵 笹沼
慎太朗 石川
Shintaro Ishikawa
慎太朗 石川
真理名 福成
Marina FUKUNARI
真理名 福成
得田 亮
Akira Tokuda
亮 得田
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Abstract

【課題】2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチで制御する回転伝達装置において、2方向クラッチの係合状態への切り換え時に制御保持器の衝突によって発生する衝突音の低減化を図る。
【解決手段】電磁クラッチによって係合および係合解除が制御され、入力軸と出力軸との間で回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチの保持器を電磁クラッチにより軸方向に移動される制御保持器と回転保持器とで形成し、制御保持器と回転保持器をフランジの外周部に形成された柱部が外輪11と内輪間において周方向に交互に並ぶ組み合わせとし、隣接する柱部間に形成されたポケット内に一対のローラと弾性部材とを組み込む。2方向クラッチの係合状態への切換え時に外輪側に移動して、外輪に衝突する制御保持器と外輪の衝突面における少なくとも一方に緩衝材層33を設け、緩衝材層により制御保持器の衝突時の衝撃力を緩衝して、衝突音の発生を抑制する。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
入力軸から出力軸への回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、入力軸と出力軸とを結合および解除する2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにしたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、出力軸の軸端部に設けられた外輪と入力軸の軸端部に設けられて上記外輪の内側に組み込まれた内輪との間に制御保持器と回転保持器とを、各保持器に形成された柱部が周方向で交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に対向一対のローラを組込み、その一対のローラを、その対向部間に組み込まれた弾性部材で離反する方向に付勢して、外輪の内周に形成された円筒面と内輪の外周に形成されたカム面に係合する位置にスタンバイさせ、上記内輪の一方向への回転により一方のローラを円筒面およびカム面に係合させ、内輪の回転を外輪に伝達するようにしている。
また、内輪が設けられた入力軸上に電磁クラッチを設け、その電磁クラッチの電磁コイルに対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に設けられたトルクカムの作用によりポケットの周方向幅が小さくなる方向に制御保持器と回転保持器とを相対回転させて、各保持器の柱部で一対のローラを係合解除位置まで移動させ、内輪から外輪への回転伝達を遮断するようにしている。
上記回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁コイルに対する通電を解除すると、対向一対のローラ間に組み込まれた弾性部材の押圧作用により制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、一対のローラが係合位置に向けて変位される。
このとき、一対のローラのそれぞれが外輪の円筒面および内輪のカム面に係合すると、入力軸の回転により一対のローラのそれぞれがさらに強固に噛み込む係合状態になって、電磁コイルに対する通電時にローラの係合を解除することができなくなる可能性がある。
そのような不都合の発生を防止するため、弾性部材の押圧作用によって一対のローラを離反させ、回転保持器に対して相対回転しつつ軸方向に移動する制御保持器を外輪の開口端面に当接させ、その当接部の摩擦作用により制御保持器を停止状態に保持して、対向一対のローラのそれぞれを円筒面およびカム面との間に数10μm〜数100μmの微小な間隙が形成されるスタンバイ位置において停止させ、入力軸の一方向への回転により、一方のローラのみを係合させるようにしている。
特開2009−293679号公報
ところで、上記特許文献1に記載された回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁コイルに対する通電の解除時、制御保持器は外輪の開口端面に当接するため、不快な衝突音を発生させることになり、その衝突音の低減化を図る上において改善すべき点が残されていた。
この発明の課題は、2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチで制御する回転伝達装置において、2方向クラッチの係合状態への切り換え時に制御保持器の外輪に対する衝突によって発生する衝突音の低減化を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器のフランジに設けられた複数の柱部および回転保持器のフランジに設けられた複数の柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向し、通電によりロータにアーマチュアを吸着させる電磁石とからなり、前記電磁石に対する通電によりアーマチュアと共にロータに向けて移動する制御保持器の直線運動を制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅を小さくする方向の相対的な回転運動に変換する運動変換機構を設け、前記電磁石に対する通電の解除時に、前記弾性部材の復元弾性より制御保持器を外輪の開口端面に衝突する位置まで移動させて前記一対の係合子を係合位置にスタンバイさせるようにした回転伝達装置において、前記外輪と前記制御保持器の衝突面における少なくとも一方に、前記制御保持器の衝突時の衝撃力を弾性変形によって緩衝する緩衝材層を設けた構成を採用したのである。
上記の構成からなる回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁石に対する通電を解除すると、弾性部材の弾性力により一対の係合子が離反する方向に移動して制御保持器および回転保持器がポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、運動変換機構の作動により制御保持器がロータから離反する方向に移動して外輪の開口端面に当接し、一対の係合子は、外輪の内周と内輪の外周間に微小な間隙を形成して直ちに係合可能な係合位置にスタンバイされ、入力軸の回転により一方の係合子が瞬時に係合する。その係合によって、入力軸の回転は出力軸に伝達される。
ここで、2方向クラッチにおいては、上記のように、一対の係合子が係合位置にスタンバイされる係合状態への切換え時、制御保持器が外輪の開口端面に当接する。このとき、制御保持器の衝突面には緩衝材層が設けられているため、制御保持器は緩衝材層に衝突し、その衝突時に緩衝材層が弾性変形する。このため、制御保持器の衝突時における衝撃力は緩衝されることになり、その緩衝によって衝突音の低減が図られる。
緩衝材層として、有機高分子を採用することができる。その有機高分子として、合成樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ガラス繊維やアラミド繊維の合成繊維を挙げることができる。
ガラス繊維やアラミド繊維の有機高分子によって形成されるクラッチフェーシングを緩衝材層として採用すると、そのクラッチフェーシングにおいては適度な摩擦係数を有するため、外輪に対する制御保持器の当接時、外輪に対して制御保持器が相対回転するのを防止することができる。このため、外輪の内周および内輪の外周に対して微小な間隙を形成するスタンバイ位置に一対の係合子を確実に保持することができ、入力軸の回転によって一対の係合子の一方を外輪内周および内輪外周に確実に係合させることができる。
上記緩衝材層は、断面矩形の環状シートとし、あるいは、周方向に間隔をおいて環状の配置とされる断面矩形の複数の円弧状シートとして、接着により固着するものであってもよく、あるいは、溶射により形成される溶射被膜からなるものであってもよい。
この発明においては、上記のように、電磁クラッチの電磁石への通電を解除すると、弾性部材により一対の係合子が互いに離反する方向に移動し、その一対の係合子が外輪の内周と内輪の外周間に微小な間隙が形成されるスタンバイ位置に配置されると、制御保持器が回転保持器に対して相対回転しつつロータから離反する方向に移動して外輪に衝突し、その衝突時に緩衝部材が弾性変形するため、制御保持器の衝突時の衝撃力を緩衝することができ、衝突音の低減を図ることができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の外輪と制御保持器の接触部を拡大して示す断面図 (a)は図2のII−II線に沿った断面図、(b)は緩衝材層の他の例を示す断面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 図4に示すローラが係合解除位置に配置された状態を拡大して示す断面図 図1のVI−VI線に沿った断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図 図1のVIII−VIII線に沿った断面図 (a)は図8のIX−IX線に沿った断面図、(b)はトルクカムの作動前の状態を示す断面図 制御保持器が外輪の開口端面に衝突した際の音圧測定結果を示すグラフ
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、入力軸1と、その入力軸1と同軸上に配置された出力軸2と、その両軸の軸端部を覆うハウジング3と、そのハウジング3内に組み込まれて入力軸1から出力軸2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50とからなる。
ハウジング3は円筒状をなし、その一端部には小径の軸受筒4が設けられ、その軸受筒4内に組み込まれた軸受5によって出力軸2が回転自在に支持されている。
図1および図4に示すように、2方向クラッチ10は、出力軸2の軸端部に設けられた外輪11の内周に円筒面12を設け、入力軸1の軸端部に設けられた内輪13の外周に複数のカム面14を周方向に等間隔に形成し、その複数のカム面14のそれぞれと円筒面12間に係合子としての一対のローラ15と弾性部材20とを組込み、そのローラ15を保持器16で保持し、上記内輪13の一方向への回転により一対のローラ15の一方を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達し、また、内輪13の他方向への回転時に他方のローラ15を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達するようにしている。
ここで、外輪11の閉塞端部の内面側には小径の凹部17が形成され、その凹部17内に組み込まれた軸受18によって入力軸1の軸端部が回転自在に支持されている。
内輪13は入力軸1に一体に形成されている。その内輪13の外周に形成されたカム面14は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜面14a、14bから形成されて外輪11の円筒面12との間に周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成しており、上記一対の傾斜面14a、14b間には内輪13の接線方向に向く平坦なばね支持面19が設けられ、そのばね支持面19によって弾性部材20が支持されている。
弾性部材20はコイルばねからなる。この弾性部材20は一対のローラ15間に配置される組込みとされ、その弾性部材20で一対のローラ15は離反する方向に付勢されて、図4に示すように、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ位置に配置される。
保持器16は、制御保持器16Aと、回転保持器16Bとからなる。図1および図8に示すように、制御保持器16Aは、環状のフランジ21の片面外周部にカム面14と同数の柱部22を周方向に等間隔に設け、その隣接する柱部22間に円弧状の長孔23を形成し、外周には柱部22と反対向きに筒部24を設けた構成とされている。
一方、回転保持器16Bは、図1に示すように、環状のフランジ25の外周にカム面14と同数の柱部26を周方向に等間隔に設けた構成とされている。
制御保持器16Aと回転保持器16Bは、制御保持器16Aの長孔23内に回転保持器16Bの柱部26が挿入されて、その柱部22、26が周方向に交互に並ぶ組み合わせとされている。そして、その組み合わせ状態で柱部22、26の先端部が外輪11と内輪13間に配置され、制御保持器16Aのフランジ21および回転保持器16Bのフランジ25が入力軸1の外周に嵌合された支持リング28と外輪11間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器16A、16Bの組込みによって、図4に示すように、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間にポケット27が形成され、そのポケット27は内輪13のカム面14と径方向で対向し、各ポケット27内に対向一対のローラ15および弾性部材20が組込まれている。
図1に示すように、制御保持器16Aのフランジ21は入力軸1の外周に形成されたスライド案内面29に沿ってスライド自在に支持され、上記回転保持器16Bのフランジ25と入力軸1に嵌合された上述の支持リング28間にスラスト軸受30が組み込まれている。
スラスト軸受30は、回転保持器16Bが電磁クラッチ50側に移動するのを防止する状態で、その回転保持器16Bを回転自在に支持している。
図1および図8に示すように、制御保持器16Aのフランジ21と回転保持器16Bのフランジ25間には、制御保持器16Aの軸方向への直線運動を制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対的な回転運動に変換する運動変換機構としてのトルクカム40が設けられている。
図9(a)、(b)に示すように、トルクカム40は、制御保持器16Aにおけるフランジ21と回転保持器16Bにおけるフランジ25の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝41、42を設け、その対向一対のカム溝41、42間にボール43を組み込んだ構成としている。
ここで、カム溝41は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜カム面41a、41bにより形成されて断面V字形とされている。一方、カム溝42もカム溝41と同様に、一対の傾斜カム面42a、42bにより形成されて断面V字形とされている。
上記トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に制御保持器16Aが軸方向に移動した際に、図9(a)に示すように、ボール43がカム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bをポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
制御保持器16Aは、弾性部材20の弾性力によって一対のローラ15が互いに離反する方向に移動した際、上記トルククカム40の作動により回転しつつ外輪11に向けて移動する。
図2に示すように、外輪11の開口端面には制御保持器16Aのフランジ21が嵌合可能な円形の凹部32が設けられ、その凹部32の閉塞端面に緩衝材層33が設けられている。緩衝材層33は、有機高分子により形成されて弾性を有している。
また、緩衝材層33は、制御保持器16Aが外輪11に向けて移動し、一対のローラ15が外輪11の円筒面12および内輪13のカム面14との間に数10μmm乃至数100μm程度の微小な間隙を形成するスタンバイ位置まで移動した際に制御保持器16Aのフランジ21の衝突により弾性変形して、衝突時の衝撃力を緩衝する。また、緩衝材層33は、一対のローラ15がスタンバイ位置に配置される状態で制御保持器16Aを停止保持するようになっている。
図2および図3(a)では、有機高分子を素材とする断面矩形の環状シートを緩衝材層33とし、接着による手段を介して凹部32の閉塞端面に固着しているが、図3(b)に示すように、断面矩形の円弧状シートとし、その複数の円弧状シートを周方向に間隔をおいて環状に配置し、接着による手段を介して凹部32の閉塞端面に固着してもよい。また、緩衝材層33は、溶射による形成としてもよい。この場合、凹部32の閉塞端面全体に形成し、あるいは、周方向に間隔をおいて設けるようにしてもよい。
有機高分子として、合成樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ガラス繊維やアラミド繊維の合成繊維を挙げることができる。ここで、ガラス繊維やアラミド繊維はクラッチフェーシングとして広く採用される。そのクラッチフェーシングを緩衝材層33とすると、クラッチフェーシングは摩擦係数が高いため、外輪11に対する制御保持器16Aの当接時、外輪11に対して制御保持器16Aが相対回転するのを防止することができる。このため、一対のローラ15をスタンバイ位置において確実に停止保持することができ、入力軸1の回転で一方のローラ15を外輪11の円筒面および内輪13のカム面14に確実に係合させることができる。
図7に示すように、内輪13の軸方向の一端面とスライド案内面29の交差部には、そのスライド案内面29より大径の円筒形のホルダ嵌合面44が形成され、そのホルダ嵌合面44にばねホルダ45が嵌合されている。
ばねホルダ45は、ホルダ嵌合面44に対して回り止めされ、かつ、軸方向に非可動の支持とされ、その外周には、図6に示すように、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間に配置される複数の回り止め片46が形成されている。
複数の回り止め片46は、制御保持器16Aと回転保持器16Bとがポケット27の周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、制御保持器16Aの柱部22および回転保持器16Bの柱部26を両側縁で受け止めて対向一対のローラ15を中立位置に保持するようになっている。
図7に示すように、ばねホルダ45の外周部には複数の弾性部材20のそれぞれ外径側に張り出すばね保持片47が設けられ、そのばね保持片47によって弾性部材20は一対のローラ15間より外径側に逃げ出るのが防止されている。
図1に示すように、電磁クラッチ50は、制御保持器16Aに形成された筒部24の端面と軸方向で対向するアーマチュア51と、そのアーマチュア51と軸方向で対向するロータ52と、そのロータ52と軸方向で対向する電磁石53とを有している。
アーマチュア51は、支持リング28の外周に嵌合されて回転自在に、かつ、スライド自在に支持され、そのアーマチュア51の外周部に設けられた連結筒55の内径面に制御保持器16Aの筒部24が圧入されて制御保持器16Aとアーマチュア51が連結一体化されている。その連結によってアーマチュア51は、支持リング28の円筒状外径面54と入力軸1の外周のスライド案内面29の軸方向の2箇所においてスライド自在の支持とされている。
ここで、支持リング28は、入力軸1のスライド案内面29の軸方向他側に形成された段部35によって軸方向に位置決めされている。
ロータ52は、入力軸1に嵌合され、上記支持リング28との間に組み込まれたシム56によって軸方向に位置決めされ、かつ、入力軸1に対して回り止めされている。
電磁石53は、電磁コイル53aと、その電磁コイル53aを支持するコア53bとからなり、上記コア53bはハウジング3の他端開口内に嵌合され、そのハウジング3の他端部開口内に取付けた止め輪6によって抜止めされている。また、コア53bは入力軸1に嵌合された軸受57を介して入力軸1と相対的に回転自在とされている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1に示す電磁クラッチ50の電磁コイル53aに対する通電の遮断状態では、2方向クラッチ10のローラ15は、図4に示すように、外輪11の円筒面12との間に微小な間隙を形成するスタンバイ状態にある。
このため、入力軸1が一方向に回転すると、一対のローラ15に対して内輪13が相対回転して対向一対のローラ15の一方が係合し、入力軸1の回転が一方のローラ15を介して外輪11に伝達され、出力軸2が入力軸1と同方向に回転する。また、入力軸1が逆方向に回転すると、他方のローラ15が係合して、入力軸1の回転が他方のローラ15を介して出力軸2に伝達される。
2方向クラッチ10の係合状態で、電磁クラッチ50の電磁コイル53aに通電すると、アーマチュア51に吸引力が作用し、アーマチュア51が軸方向に移動してロータ52に吸着される。
このとき、アーマチュア51と制御保持器16Aとは、連結筒55と筒部24の嵌合によって連結一体化されているため、アーマチュア51の軸方向への移動に伴って制御保持器16Aは、そのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に移動する。
制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対移動により、図9(b)に示すボール43が、図9(a)に示すように、カム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bはポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転する。
制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対回転により、図4に示す対向一対のローラ15が制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26で押されて互いに接近する方向に移動する。
このため、ローラ15は、図5に示すように、円筒面12およびカム面14に対して係合解除する中立位置に変位し、2方向クラッチ10は係合解除状態とされる。
2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸1に回転トルクを入力して、その入力軸1を一方向に回転させると、入力軸1に圧入されたロータ52も同じく回転し、ロータ52に吸着されたアーマチュア51とアーマチュア51に圧入された制御保持器16Aも回転することになり、トルクカム40を通じて回転保持器16Bも回転する。このとき、対向一対のローラ15は係合解除された中立位置に保持されているため、入力軸1の回転は外輪11に伝達されず、入力軸1はフリー回転する。
ここで、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅を小さくなる方向に相対回転すると、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26のどちらか一方がばねホルダ45の制動片46の縁に当接し回転方向規制を受け、もう一方がさらにポケット27の周方向幅を小さくする方向に相対回転する。もう一方はロータ52とアーマチュア51が接触するまで軸方向に動いた分だけトルクカム40を通じて回転し、最終的にほぼ中立状態まで回転する。
このため、弾性部材20は必要以上に収縮することはなくなり、伸長と収縮が繰り返し行われても疲労によって損傷するようなことはない。
入力軸1のフリー回転状態において、電磁コイル53aに対する通電を解除すると、アーマチュア51は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、弾性部材20の押圧によって対向一対のローラ15が離反する方向に移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転すると共に、トルクカム40の作用により制御保持器16Aが外輪11側に移動して、緩衝材層33に衝撃的に当接して停止状態とされる。
また、対向一対のローラ15のそれぞれが、図4に示すように、円筒面12およびカム面14との間に微小な間隙が形成するスタンバイ位置に配置され、入力軸1の回転により、対向一対のローラ15の一方のローラ15が外輪11の円筒面12および内輪13のカム面に直ち係合し、入力軸1の回転が出力軸2に伝達される。
ここで、入力軸1を停止して、その入力軸1の回転方向を切換えると、他方のローラ15を介して入力軸1の回転が出力軸2に伝達される。
このように、電磁コイル53aに対する通電の遮断により、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ15のそれぞれが円筒面12およびカム面14との間に微小間隙を形成して直ちに噛み込むスタンバイ状態とされるため、回転方向ガタは小さく、内輪13の回転を外輪11に直ちに伝達することができる。
また、入力軸1から出力軸2への回転トルクの伝達は、カム面14と同数のローラ15を介して行われるため、入力軸1から出力軸2に大きな回転トルクを伝達することができる。
なお、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転すると、ボール43は対向一対のカム溝41、42の浅溝部に向けて転がり移動して、図9(b)に示す状態となる。
上記のように、電磁石53に対する通電解除によって電磁クラッチ50をOFFにすると2方向クラッチ10が係合し、電磁石53に対する通電によって電磁クラッチ50をONにすると2方向クラッチ10が係合解除するため、フェールセーフ機構が求められる用途にきわめて有効である。
2方向クラッチ10においては、強度を確保するため、外輪11、内輪13、制御保持器16A、回転保持器16B、ローラ15および弾性部材20の構成部品のそれぞれが金属製とされており、電磁コイル53aに対する通電の解除により対向一対のローラ15が弾性部材20の押圧により互いに離反する方向に相対移動し、円筒面12およびカム面14との間に微小間隙を形成する位置まで移動して、制御保持器16Aが外輪11に衝突すると、大きな衝突音が発生することになる。
しかし、実施の形態においては、図2に示すように、外輪11の開口端面に凹部32を設け、その凹部32の閉塞端面に緩衝材層33を設けているため、制御保持器16Aは上記緩衝材層33に衝突し、その衝突により緩衝材層33が弾性変形して衝撃力を緩衝することになり、衝突音の発生が抑制される。
因みに、No.1乃至No.5の5本の外輪11を用意し、開口端面に緩衝材層33が設けられていない状態での外輪(比較品)のそれぞれを回転伝達装置に組み込んで外輪11の開口端面に対する制御保持器16Aの衝突時の音圧を測定し、その測定後、外輪11の開口端面に緩衝材層33を接着し、それぞれの外輪11(本発明品)を回転伝達装置に組み込んで、外輪11の開口端面に対する制御保持器16Aの衝突時の音圧を再度測定したところ、図10のグラフに示す試験結果を得た。
ここで、外輪11として、外径φが75mm、内径φが58mmとされたものを採用した。
また、本発明品においては、上記外輪11の開口端面に内径φ66mm、深さ1.47mmの凹部32を形成し、その凹部32の底面に外径64mm、内径58mm、厚さ1.4mmの環状の緩衝材を接着により固着した。
また、緩衝材として、フェノール樹脂とガラス繊維からなるフェーシングを採用した。
試験に際し、入力軸1から30mm離れた位置に騒音計の端子端部を配置して、サンプルのそれぞれから出力される騒音を測定した。
測定に際し、入力軸1の基準となる角度(0°)で5回測定し、基準位置から90°回転させたところで5回測定し、さらに、基準位置から180°回転させた位置で5回測定した。その測定値の平均値を求め、その平均値から標準偏差(3σ)を算出して図10に示すグラフとした。
上記の試験結果から、外輪11を同一とするサンプルでも、フェーシングを有する本発明品がフェーシングの無い比較品より34〜56%の音圧が減少していることを確認することができ、フェーシングが音圧の抑制に効果があることが理解できる。
図2では、外輪11に緩衝材層33を設けるようにしたが、制御保持器16Aに緩衝材層33を設け、あるいは、外輪11および制御保持器16Aの双方に緩衝材層33を設けるようにしてもよい。
1 入力軸
2 出力軸
10 2方向クラッチ
11 外輪
12 円筒面
13 内輪
14 カム面
15 ローラ(係合子)
16A 制御保持器
16B 回転保持器
20 弾性部材
21 フランジ
22 柱部
25 フランジ
26 柱部
33 緩衝材層
40 トルクカム(運動変換機構)
50 電磁クラッチ
51 アーマチュア
52 ロータ
53 電磁石

Claims (6)

  1. 入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器のフランジに設けられた複数の柱部および回転保持器のフランジに設けられた複数の柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、
    前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向し、通電によりロータにアーマチュアを吸着させる電磁石とからなり、
    前記電磁石に対する通電によりアーマチュアと共にロータに向けて移動する制御保持器の直線運動を制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅を小さくする方向の相対的な回転運動に変換する運動変換機構を設け、
    前記電磁石に対する通電の解除時に、前記弾性部材の復元弾性より制御保持器を外輪の開口端面に衝突する位置まで移動させて前記一対の係合子を係合位置にスタンバイさせるようにした回転伝達装置において、
    前記外輪と前記制御保持器の衝突面における少なくとも一方に、前記制御保持器の衝突時の衝撃力を弾性変形によって緩衝する緩衝材層を設けたことを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記緩衝材層が、弾性を有する有機高分子からなる請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記有機高分子が、合成樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ガラス繊維やアラミド繊維の合成繊維の一種からなる請求項2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記緩衝材層が、断面矩形の環状シートとされて接着により固着された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  5. 前記緩衝材層が、周方向に間隔をおいて環状の配置とされた断面矩形の複数の円弧状シートとされて接着により固着された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  6. 前記緩衝材層が、環状の溶射被膜からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
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