JP6267962B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
入力軸から出力軸への回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、入力軸と出力軸とを結合および解除する2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにしたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、出力軸の軸端部に設けられた外輪と入力軸の軸端部に設けられた内輪との間に制御保持器と回転保持器とを、各保持器に形成された柱部が周方向で交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に対向一対のローラを組込み、その一対のローラを、その対向部間に組み込まれた弾性部材で離反する方向に付勢して、外輪の内周に形成された円筒面と内輪の外周に形成されたカム面に係合する位置にスタンバイさせ、上記内輪の一方向への回転により一方のローラを円筒面およびカム面に係合させ、内輪の回転を外輪に伝達するようにしている。
また、内輪が設けられた入力軸上に電磁クラッチを設け、その電磁クラッチの電磁コイルに対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に設けられたトルクカムの作用によりポケットの周方向幅が小さくなる方向に制御保持器と回転保持器とを相対回転させて、各保持器の柱部で一対のローラを係合解除位置まで移動させ、内輪から外輪への回転伝達を遮断するようにしている。
上記回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁コイルに対する通電を解除すると、対向一対のローラ間に組み込まれた弾性部材の押圧作用により制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラが円筒面およびカム面に直ちに係合するため、回転方向ガタがきわめて小さく、応答性に優れているという特徴を有している。
特開2012−149746号公報
ところで、上記特許文献1に記載された従来の回転伝達装置においては、電磁クラッチが、制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアとの間に間隙をおいて軸方向に対向配置されたロータと、静止部材に支持されてロータと軸方向で対向する電磁石を有し、上記電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着して、そのアーマチュアと共に制御保持器を軸方向に移動させるようにしており、上記アーマチュアがロータに吸着される際、アーマチュアがロータに衝撃的に当接するため、衝突音や振動が発生して、不快感や不安感を与えるおそれがあり、改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、アーマチュアがロータに吸着される際に生じる衝突音や振動の低減を図ることができるようにした回転伝達装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアとの間に間隙をおいて軸方向に対向配置されたロータと、静止部材に支持されてロータと軸方向で対向し、通電により前記アーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる電磁石とからなり、前記電磁石に対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その軸方向への移動を運動変換機構により制御保持器と回転保持器をポケットの周方向幅が小さくなる方向の相対回転運動に変換して一対の係合子を係合解除させるようにした回転伝達装置において、前記ロータの前記アーマチュアと対向するアーマチュア吸着面の外周部に緩衝部材を取り付け、その緩衝部材が、環状板部の外周に円筒部が設けられた環体と、その環体における環状板部の内表面に設けられた弾性を有する突出部からなり、前記環体の円筒部を前記ロータの外周に嵌合して前記突出部がアーマチュア吸着面に接触し、前記環状板部の外表面がアーマチュア吸着面から突出する取り付けとした構成を採用したのである。
上記の構成からなる回転伝達装置において、電磁クラッチの電磁石に通電すると、アーマチュアに磁気吸引力が付与され、アーマチュアがロータに向けて移動してロータに吸着される。アーマチュアがロータに吸着される少し手前の位置でアーマチュアは環状板部を押圧し、その押圧により弾性を有する突出部が弾性変形する。その弾性変形によりアーマチュアがロータに吸着される際の衝撃が吸収され、衝突音や振動の発生が抑制される。
ここで、ロータに対する緩衝部材の取り付けに際し、環体における円筒部の内径面に形成された複数の突起部をロータの外周に形成された環状溝に係合させるスナップフィットの取り付けとすることにより、緩衝部材を簡単に取り付けることができる。
上記緩衝部材は、アーマチュアの被吸着面側の端部外周に取り付けることによってアーマチュアの吸着時における衝撃を緩衝することができるが、この場合、緩衝部材がアーマチュアと制御保持器の連結を阻害して組立てに手間が係ることになる。この発明のように、ロータに緩衝部材を取り付けることにより、アーマチュアと制御保持器を容易に連結することができ、組立性の向上を図ることができる。
この発明に係る回転伝達装置において、弾性を有する衝撃緩衝用の突出部は周方向に連続する環状とされたものであってもよく、周方向に不連続な環状配置の複数の突起からなるものであってもよい。上記突出部は、環体の環状板部の内表面に接着により固着されたものであってもよく、単に、例えば、リング状のゴムが環状板部とロータのアーマチュア吸着面間に介在されたものであってもよい。
この発明に係る回転伝達装置において、アーマチュアのロータと対向する被吸着面の外周部に凹段部を形成して、その凹段部の内側に環状板部の内側に嵌合可能な円形膨出部を設け、その円形膨出部の前記凹段部の軸方向端面からの突出高さを上記環状板部のアーマチュア吸着面からの突出長さより低くしておくのが好ましい。
上記のように、アーマチュアの被吸着面の外周部に凹段部を形成して、その凹段部の内側に円形膨出部を設けると、電磁クラッチの組み立て状態で、アーマチュアとロータの対向部間に、環状板部の突出長さ以下の小さな間隙を確保することが可能となり、アーマチュアに対して大きな磁気吸引力を負荷することができる。
この発明においては、上記のように、ロータのアーマチュア吸着面の外周部に緩衝部材を設けたことにより、ロータに対するアーマチュアの吸着時の衝撃力を緩衝部材に設けられた突出部の弾性変形によって緩衝することができ、衝突音や振動を低減することができる。
また、緩衝部材をロータ側に設けたことにより、その緩衝部材をアーマチュアに設ける場合に比較して、アーマチュアと制御保持器の連結の容易化を図り、組立性の向上を図ることができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図2の一部分を拡大して示す断面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 図4のV−V線に沿った断面図 図1のVI−VI線に沿った断面図 (a)は図6のVII−VII線に沿った断面図、(b)は作動状態を示す断面図 図1に示すロータの緩衝部材の取付け部を拡大して示す断面図 緩衝部材の正面図 図9のX−X線に沿った断面図 (c)、(d)は緩衝部材の他の例を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、入力軸1と、その入力軸1と同軸上に配置された出力軸2と、その両軸の軸端部を覆う静止部材としてのハウジング3と、そのハウジング3内に組み込まれて入力軸1から出力軸2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50とからなる。
ハウジング3は円筒状をなし、その一端部には小径の軸受筒4が設けられ、その軸受筒4内に組み込まれた軸受5によって出力軸2が回転自在に支持されている。
図1および図2に示すように、2方向クラッチ10は、出力軸2の軸端部に設けられた外輪11の内周に円筒面12を設け、入力軸1の軸端部に設けられた内輪13の外周に複数のカム面14を周方向に等間隔に形成し、その複数のカム面14のそれぞれと円筒面12間に一対の係合子としてのローラ15と弾性部材20とを組込み、そのローラ15を保持器16で保持し、上記内輪13の一方向への回転により一対のローラ15の一方を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達し、また、内輪13の他方向への回転時に他方のローラ15を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達するようにしている。
ここで、外輪11の閉塞端部の内面側には小径の凹部17が形成され、その凹部17内に組み込まれた軸受18によって内輪13の端部が回転自在に支持されている。
内輪13は入力軸1の軸端部に対してセレーション嵌合とされて回り止めされているが、入力軸1に一体に設けるようにしてもよい。その内輪13の外周に形成されたカム面14は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜面14a、14bから形成されて外輪11の円筒面12との間に周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成しており、上記一対の傾斜面14a、14b間には内輪13の接線方向に向く平坦なばね支持面19が設けられ、そのばね支持面19によって弾性部材20が支持されている。
弾性部材20はコイルばねからなる。この弾性部材20は一対のローラ15間に配置される組込みとされ、その弾性部材20により一対のローラ15は離反する方向に付勢されて、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ位置に配置されている。
保持器16は、制御保持器16Aと、回転保持器16Bとからなる。図1、図2および図6に示すように、制御保持器16Aは、環状のフランジ21の片面外周部にカム面14と同数の柱部22を周方向に等間隔に設け、その隣接する柱部22間に円弧状の長孔23を形成し、外周には柱部22と反対向きに筒部24を設けた構成とされている。
一方、回転保持器16Bは、環状のフランジ25の外周にカム面14と同数の柱部26を周方向に等間隔に設けた構成とされている。
制御保持器16Aと回転保持器16Bは、制御保持器16Aの長孔23内に回転保持器16Bの柱部26が挿入されて、その柱部22、26が周方向に交互に並ぶ組み合わせとされている。そして、その組み合わせ状態で柱部22、26の先端部が外輪11と内輪13間に配置され、制御保持器16Aのフランジ21および回転保持器16Bのフランジ25が入力軸1の外周に嵌合された支持リング28と外輪11間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器16A、16Bの組込みによって、図2に示すように、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間にポケット27が形成される。ポケット27は内輪13のカム面14と径方向で対向し、各ポケット27内に対向一対の係合子としてのローラ15および弾性部材20が組込まれている。
図1に示すように、制御保持器16Aのフランジ21は、入力軸1の外周に形成されたスライド案内面29に沿ってスライド自在に支持されている。一方、回転保持器16Bは、フランジ25と入力軸1に嵌合された上述の支持リング28間に組み込まれたスラスト軸受30によって回転自在に支持されている。
スラスト軸受30は、回転保持器16Bが電磁クラッチ50側に移動するのを防止する状態で、その回転保持器16Bを回転自在に支持している。
図1に示すように、制御保持器16Aのフランジ21と回転保持器16Bのフランジ25間には、制御保持器16Aの軸方向への移動を、その制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対的な回転運動に変換する運動変換機構としてのトルクカム40が設けられている。
図7(a)、(b)に示すように、トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ21と回転保持器16Bのフランジ25の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝41、42を設け、一方のカム溝41の一端部と他方のカム溝42の他端部間にボール43を組み込んだ構成としている。
ここで、カム溝41は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜カム面41a、41bにより形成されて断面V字形とされている。一方、カム溝42もカム溝41と同様に、一対の傾斜カム面42a、42bにより形成されて断面V字形とされている。
上記トルクカム40は、制御保持器16Aのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に制御保持器16Aが軸方向に移動した際に、図7(b)に示すように、ボール43がカム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bをポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
図1に示すように、内輪13には、入力軸1に形成されたスライド案内面29側の端部に、そのスライド案内面29より少し大径のホルダ嵌合面44が形成され、そのホルダ嵌合面44にローラ15および弾性部材20の軸方向への脱落を防止する環状のばねホルダ45が嵌合されている。
ばねホルダ45は、内輪13の軸方向端面に衝合する状態で軸方向に位置決めされている。図4および図5に示すように、ばねホルダ45の外周には制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26間に配置される複数の回り止め片46が形成されている。
複数の回り止め片46は、制御保持器16Aと回転保持器16Bとがポケット27の周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、制御保持器16Aの柱部22および回転保持器16Bの柱部26を両側縁で受け止めて対向一対のローラ15を係合解除する中立位置に保持するようになっている。
複数の回り止め片46のそれぞれ外周部には、軸方向に延びて弾性部材20の外側に張り出すばね保持片47が形成され、そのばね保持片47の内径側に形成された切欠部48に弾性部材20の外周部が嵌合し、その嵌合によって、弾性部材20はローラ15の軸方向に移動するのが防止され、かつ、対向一対のローラ15間から脱落するのが防止されている。
図1に示すように、電磁クラッチ50は、制御保持器16Aに形成された筒部24の端面と軸方向で対向するアーマチュア51と、そのアーマチュア51と軸方向で対向するロータ52と、そのロータ52と軸方向で対向する電磁石53とを有している。
アーマチュア51は、入力軸1に設けられた前述の支持リング28によって回転自在かつスライド自在に支持され、そのアーマチュア51の外周部に連結筒55が形成され、その連結筒55の内径面に制御保持器16Aの筒部24が圧入されて、制御保持器16Aとアーマチュア51が連結一体化されている。その連結によってアーマチュア51は、支持リング28の外周と入力軸1の外周のスライド案内面29の軸方向の2箇所においてスライド自在の支持とされている。
ここで、支持リング28は、入力軸1のスライド案内面29の軸方向他側に形成された段部31によって軸方向に位置決めされている。
ロータ52は、外周および内周に円筒部52a、52bを有し、上記内周円筒部52bが入力軸1に嵌合され、その嵌合部間にスリーブ54が組み込まれている。また、ロータ52は支持リング28との間に組み込まれたシム56によって軸方向に位置決めされている。
電磁石53は、電磁コイル53aと、その電磁コイル53aを支持するコア53bとからなり、上記コア53bは静止部材としてのハウジング3の他端部開口内に嵌合され、その他端部開口内に取付けた止め輪6によって抜止めされている。また、コア53bは入力軸1に嵌合された軸受57を介して入力軸1と相対的に回転自在とされている。
図8に示すように、ロータ52には、アーマチュア51と対向するアーマチュア吸着面52cの外周部にアーマチュア吸着時の衝撃を緩衝する緩衝部材70が設けられている。
図9および図10に示すように、緩衝部材70は、環状板部72の外周および内周に同方向に向く円筒部73、74が設けられた環体71と、その環体71における環状板部72の内表面に設けられた弾性を有する突出部75からなり、上記環状板部72の外周に形成された外周円筒部73の内径面に複数の突起部76が周方向に間隔をおいて設けられている。
ここで、環体71は金属薄板のプレス成形品とされているが、樹脂の成形品であってもよい。
突出部75はゴムからなり、環状板部72の内表面に加硫接着により固着されている。突出部75として、ここでは、周方向に連続する環状のものが示されている。
上記緩衝部材70は、図8に示すように、ロータ52の外周に環体71の外周円筒部73を嵌合し、その外周円筒部73に設けられた突起部76をロータ52の外径面に形成された環状溝77に係合させるスナップフィットの取り付けとされている。その取付け状態において、突出部75の端面がロータ52のアーマチュア吸着面52cに接触し、環状板部72が上記アーマチュア吸着面52cより突出している。δは環状板部72の突出長さを示す。
ロータ52のアーマチュア吸着面52cには、環体71の内周円筒部74と対向する部位に環状溝58が形成されている。一方、アーマチュア51の上記ロータ52と対向する被吸着面51aの外周部には凹段部59が形成され、その凹段部59における軸方向端面59aの内周部に環状溝60が形成され、その環状溝60の内側に円形膨出部61が設けられている。
円形膨出部61の凹段部59における軸方向端面59aからの高さhは環状板部72の突出長さδより低くなり、ロータ52にアーマチュア51が吸着される際に、最初に凹段部59における軸方向端面59aが緩衝部材70の環状板部72を押圧するようになっている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1は、電磁石53の電磁コイル53aに対する通電の遮断状態を示し、アーマチュア51はロータ52から離反する状態にある。また、2方向クラッチ10の対向一対のローラ15は、図3に示すように、外輪11の円筒面12および内輪13のカム面14に係合するスタンバイ位置に位置している。
2方向クラッチ10のスタンバイ状態において、電磁コイル53aに通電すると、アーマチュア51に吸引力が作用し、アーマチュア51が軸方向に移動してロータ52に吸着される。
ここで、アーマチュア51は制御保持器16Aに連結一体化されているため、アーマチュア51の軸方向への移動に伴って制御保持器16Aは、そのフランジ21が回転保持器16Bのフランジ25に接近する方向に移動する。
このとき、図7(a)に示すボール43が図7(b)に示すように、カム溝41、42の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bはポケット27の周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ15は制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26で押されて互いに接近する方向に移動する。このため、ローラ15は、円筒面12およびカム面14から係合解除して中立状態となり、2方向クラッチ10は係合解除状態とされる。
2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸1に回転トルクを入力して内輪13を一方向に回転すると、ばねホルダ45に形成された回り止め片46が制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26の一方を押圧するため、内輪13と共に制御保持器16Aおよび回転保持器16Bが回転する。このとき、対向一対のローラ15は係合解除された中立位置に保持されているため、内輪13の回転は外輪11に伝達されず、内輪13はフリー回転する。
ここで、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅を小さくなる方向に相対回転すると、制御保持器16Aの柱部22と回転保持器16Bの柱部26がばねホルダ45の回り止め片46の両側縁に当接して相対回転量が規制される。
このため、弾性部材20は必要以上に収縮することはなくなり、伸長と収縮が繰り返し行われても疲労によって損傷するようなことはない。
内輪13のフリー回転状態において、電磁コイル53aに対する通電を解除すると、アーマチュア51は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、弾性部材20の押圧によって制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ15のそれぞれが、図2に示すように、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ状態とされ、その対向一対のローラ15の一方を介して内輪13と外輪11の相互間で一方向の回転トルクが伝達される。
ここで、入力軸1を停止して、その入力軸1の回転方向を切換えると、他方のローラ15を介して内輪13の回転が外輪11に伝達される。
このように、電磁コイル53aに対する通電の遮断により、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ15のそれぞれが円筒面12およびカム面14に直ちに噛み込むスタンバイ状態とされるため、回転方向ガタは小さく、また、内輪13は入力軸1に一体化されているため、入力軸1の回転を内輪13から外輪11に直ちに伝達することができる。
また、内輪13から外輪11への回転トルクの伝達は、カム面14と同数のローラ15を介して行われるため、内輪13から外輪11に大きな回転トルクを伝達することができる。
なお、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット27の周方向幅が大きくなる方向に相対回転すると、ボール43は対向一対のカム溝41、42の浅溝部に向けて転がり移動して、図7(a)に示す状態となる。
ここで、電磁コイル53aに対する通電によりロータ52にアーマチュア51が吸着されるとき、アーマチュア51がロータ52に衝撃的に当接すると、大きな衝突音や振動が生じる。
実施の形態では、図8に示すように、ロータ52のアーマチュア吸着面52cの外周部に緩衝部材70を設けているため、アーマチュア51の吸着時、アーマチュア51の被吸着面の外周部に形成された凹段部59の軸方向端面59aが緩衝部材70の環状板部72を押圧する。その押圧により、弾性を有する突出部75が弾性変形し、その弾性変形によりアーマチュア51がロータ52に衝撃的に当接するのが防止され、衝突音や振動が大幅に低減される。
上記緩衝部材70の取り付けに際し、環体71における外周円筒部73の内径面に形成された複数の突起部76をロータ52の外周に形成された環状溝77に係合させるスナップフィットの取り付けとしているため、ロータ52に対して緩衝部材70を簡単に取り付けることができる。
緩衝部材70は、アーマチュア51の被吸着面側の端部外周に取り付けることによってもアーマチュア51の吸着時の衝撃を緩衝することができるが、制御保持器16Aの筒部24にアーマチュア51の連結筒55を圧入する連結時、緩衝部材70の存在によってアーマチュア51の外周部を押圧することができない。
このため、アーマチュア51の内周部に押圧力を負荷して圧入嵌合する必要が生じ、その押圧時、アーマチュア51のロータ52に対する面の背面と連結筒55の内径面とが交差する入隅部に応力が集中して、アーマチュア51に変形が生じ、アーマチュア51と制御保持器16Aを容易に連結することができず、組立てが困難である。
しかし、実施の形態では、ロータ52に緩衝部材70を取り付けるようにしているため、アーマチュア51の外周部に押圧力を負荷することができ、アーマチュア51と制御保持器16Aを容易に連結することができるため、組立性の向上を図ることができる。
図9および図10では、弾性変形によって衝撃力を緩衝する突出部75として断面台形状の環状のものを示したが、図11(c)、(d)に示すように、断面が三角形状と四角形状の組合わせから成るもの、さらに当該形状に突起を設けたものなど、様々な断面形状から構成される突出部75であってもよい。
図11(c)、(d)では、高さの異なる2種類の複数の突起からなる突出部75a、75bを周方向に交互に設け、高さの高い突出部75aの先端をロータ52のアーマチュア吸着面52cに接触させる取り付けとして、その突出部75aが所定量弾性変形すると、高さの低い突出部75bが弾性変形し始めるよう、時間差をもって弾性変形させるようにしている。
高さの異なる2種類の複数の突起からなる突出部75a、75bの採用においては、アーマチュア51に負荷される吸引力の弱い段階で高さの高い突出部75aのみが弾性変形し、そのアーマチュア51がロータ52に近づいて吸引力が大きくなると高さの低い突出部75bも弾性変形し出すため、アーマチュア51の吸着が阻害されることがなく、アーマチュア51を確実に吸着することができる。
1 入力軸
2 出力軸
10 2方向クラッチ
11 外輪
13 内輪
15 ローラ(係合子)
16A 制御保持器
16B 回転保持器
20 弾性部材
22 柱部
26 柱部
27 ポケット
40 トルクカム(運動変換機構)
50 電磁クラッチ
51 アーマチュア
51a 被吸着面
52 ロータ
52c アーマチュア吸着面
53 電磁石
59 凹断面
59a 軸方向端面
61 円形膨出部
70 緩衝部材
71 環体
72 環状板部
73 円筒部
75 突出部
76 突起部
77 環状溝

Claims (5)

  1. 入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、
    前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアと、そのアーマチュアとの間に間隙をおいて軸方向に対向配置されたロータと、静止部材に支持されてロータと軸方向で対向し、通電により前記アーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる電磁石とからなり、
    前記電磁石に対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その軸方向への移動を運動変換機構により制御保持器と回転保持器をポケットの周方向幅が小さくなる方向の相対回転運動に変換して一対の係合子を係合解除させるようにした回転伝達装置において、
    前記ロータの前記アーマチュアと対向するアーマチュア吸着面の外周部に緩衝部材を取り付け、その緩衝部材が、環状板部の外周に円筒部が設けられた環体と、その環体における環状板部の内表面に設けられた弾性を有する突出部からなり、前記環体の円筒部を前記ロータの外周に嵌合して前記突出部がアーマチュア吸着面に接触し、前記環状板部の外表面がアーマチュア吸着面から突出することを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記環体が、前記円筒部の内径面に形成された複数の突起部を前記ロータの外周に形成された環状溝に係合させるスナップフィットの取り付けとされた請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記突出部が、周方向に連続する環状とされた請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記突出部が、周方向に不連続な環状配置の複数の突起からなる請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  5. 前記アーマチュアの前記ロータと対向する被吸着面の外周部に凹段部を形成して、その凹段部の内側に環状板部の内側に嵌合可能な円形膨出部を設け、その円形膨出部の前記凹段部の軸方向端面からの突出高さを前記環状板部のアーマチュア吸着面からの突出長さより低くした請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
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