JP6097958B2 - 化粧品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ベンケイソウ科植物のアポプラストに存在する成分を、不純物が混入することなく抽出することにより、安全性の高い植物成分を用いて活性酸素の除去を行い、生体防御機能を高めることが可能な化粧品の製造方法に関する。
生体成分の酸化あるいは過酸化を防御する目的として従来、アスコルビン酸やαトコフェロールなど、還元効果のあるビタミン類の投与が主として行われている。これらの成分は、微量で効果の高い優れた成分であるが、安定性の観点や高濃度の使用に関しては問題があるため、より安全性、確実性に優れたものが求められている。また、微生物由来の活性酸素除去システムの成分は複雑な工程を経て精製されており、極微量の副生成物等の付着を避けることが難しいという問題がある。
活性酸素は核酸やタンパク質の分子構造を傷つけたり、膜の脂質過酸化を引き起こしたりして、各種の細胞障害をもたらす。活性酸素の中では過酸化水素が最も安定して存在しており、細胞の中では呼吸作用で消費される酸素のおよそ5%の過酸化水素が生成される。また、雨、雲、霧の中にも10〜100μMの過酸化水素が存在しており、大気汚染が進むとさらに過酸化水素濃度は高くなると予想される。
通常の皮膚細胞は、外界からの紫外線や熱のほか、石油化学由来製品やバクテリア等との接触などの外的ストレス、また心的なストレスなどにより、容易に活性酸素をその細胞内に発生させる。この活性酸素は、肌細胞を直接的に傷つけるため、肌荒れや痒み、シミなどの原因物質となる。
このことから、これら皮膚細胞中の活性酸素を効率的に除去し続けることができれば、傷んだ肌環境を整え、自然治癒力の機能を向上させ、本来の健康的な肌をよみがえらせることが可能となるため、安全性を指向した健康指向製品の成分によって皮膚を保護する技術が求められている。
特許文献1には、植物由来の物質を用いて、活性酸素捕捉除去作用によって過酸化脂質生成抑制効果を持たせた技術の一例として、ペラルゴニウム属植物の抽出物を過酸化脂質生成抑制剤に配合した過酸化脂質生成抑制剤が開示されている。
特開平6−183987号公報
特許文献1においては、ペラルゴニウム属植物から活性酸素捕捉除去作用を有する成分を抽出する方法として、ペラルゴニウム属植物の葉を粉砕する方法を採っている。より詳しくは、ペラルゴニウム属植物の葉を粉砕する際、葉を粉砕し易くするために、例えば、液体窒素で凍結する等の前処理を行うとよく、次に、抽出溶媒に粉砕したペラルゴニウム属植物を入れて抽出を行い、その後、必要に応じて濃縮乾固させると記載されている。
しかし、細胞を磨砕する方法によって成分の抽出を行うと、短時間で抽出を行うことは可能であるが、細胞内の他の成分が混入して、有効成分を高純度で抽出することができない。抽出された有効成分の純度が低下すると、充分に活性酸素を除去することができず、皮膚の老化や障害を防御する機能が低下する。
植物のアポプラストは、細胞の構造を維持する細胞壁空間であり、一般的には不活性なイメージがあるが、必要成分の細胞への取り込みや不要成分の排除等のような、細胞間の物質の移動や生体防御などにおいて、多様で重要な機能を有しており、細胞内で処理しきれない活性酸素はアポプラストヘ移動し、ここでイオン結合性酵素等により解毒化される。特に、ベンケイソウ科植物のような多肉植物では、アポプラストがよく発達しており、このような多肉植物のアポプラスト内の有効成分を取り出して利用することができれば極めて有効である。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ベンケイソウ科植物のアポプラストに存在する成分を、不純物が混入することなく抽出することにより、安全性の高い植物成分を用いて活性酸素の除去を行って生体防御機能を高め、肌細胞の活性化により皮膚の老化や障害を防御する機能を備えた化粧品の製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の化粧品の製造方法は、ベンケイソウ科植物の組織または組織片を、磨砕することなく用い、前記組織または組織片に中性領域のリン酸緩衝液を添加して、10分以上60分以下の時間でインキュベ一卜し、冷却遠心分離により上澄み液を採取して1次抽出液を抽出する第1工程と、前記第1工程の後に、前記組織または組織片にNaClを含む中性領域のリン酸緩衝液を添加して、1時間以上8時間以下の時間でインキュベ一卜し、冷却遠心分離により上澄み液を採取してゲル濾過により塩を除去し、タンパク質分画により2次抽出液を抽出する第2工程とを有し、前記1次抽出液と前記2次抽出液とを主材料として化粧品を製造することを特徴とする。
本発明の化粧品の製造方法は、ベンケイソウ科植物の組織に緩衝液を添加してインキュベ一卜することにより、浸透圧により組織から有効成分を抽出するものであるため、細胞を磨砕する方法によって得られたもののように有効成分以外の不純物が含まれることがない。そのため、ベンケイソウ科植物のアポプラストに存在する成分を、不純物が混入することなく抽出することができ、活性酸素を除去する効果の高いペルオキシダーゼを、植物エキスから他の主要酵素や栄養成分とともに、高い活性度を保ったままの状態で抽出することができる。これにより、肌細胞に対する障害の原因となる活性酸素を除去し、肌表面の皮脂成分に係る脂質酸化を防止して、肌細胞のターンオーバーを促して活性化することができる。なお、インキュペートとは、細胞内から浸透圧によって有効成分を緩衝液中に抽出することを意味する。また、中性領域は、pHが7.0とその近傍であることを意味する。
本発明の化粧品の製造方法においては、前記1次抽出液は、有機酸、アスコルビン酸、アミノ酸、炭水化物、酵素類を主成分とする可溶性成分である。
リンゴ酸等の有機酸等を主成分とする1次抽出液は、還元力を有しており、脂質過酸化を抑制する機能を有しているため、肌トラブルの改善に寄与する。
本発明の化粧品の製造方法においては、前記2次抽出液は、ペルオキシダーゼを主成分とするタンパク質分画成分である。
2次抽出液は、未変性クンパク質を含んでおり、ペルオキシダーゼ活性を有しているため、生体内に生じる過酸化水素を分解する機能を有し、活性酸素の除去を行って生体防御機能を高め、肌細胞の活性化に大きく寄与する。また、膜の脂質過酸化を抑制する効果を有しており、皮膚組織の細胞における活性酸素に起因する老化や障害を防御することができる。
本発明によると、ベンケイソウ科植物のアポプラストに存在する成分を、不純物が混入することなく抽出することにより、安全性の高い植物成分を用いて活性酸素の除去を行って生体防御機能を高め、肌細胞の活性化により皮膚の老化や障害を防御する機能を備えた化粧品の製造方法を実現することができる。
以下に、本発明の化粧品の製造方法を、その実施形態に基づいて説明する。
多肉植物であるベンケイソウ科植物の一例として、ベンケイソウ科エケベリア属(メキシエンシス Echeveria mexiennsisu)の葉と茎の組織50gを蒸留水で洗浄し、表皮を除去した後、10〜100mMリン酸緩衝液(中性領域)を30〜100ml添加して、低温下(0〜10℃)で10分以上60分以下の時間インキュべ一卜する。この際、振動を与えないように静置して行うが、これは余分な細胞内成分が不純物として混入することを防止するためである。
その後、冷却遠心分離(10,000×g、15分間、0〜10℃)を行って上澄み液を採取する。この第1工程により、浸透圧によって、リンゴ酸等の有機酸、アスコルビン酸、アミノ酸、炭水化物、酵素類を主成分とする可溶性成分が抽出される。この第1工程によって得られる抽出液を、非破壊法による1次抽出液、略して1次抽出液と称する。
この組織片に対して、0.5〜2MのNaClを含む10〜100mMリン酸緩衝液(中性領域)を30〜100ml添加して、低温下(0〜10℃)で1時間以上8時間以下の時間をかけてインキュベートする。この際にも、振動を与えないように静置して行う。これにより、組織片細胞から脱イオン化された有効成分を緩衝液中に抽出する。
その後、冷却遠心分離(10,000×g、15分間、0〜10℃)を行って、上澄み液を採取する。この上澄み液の主成分は、酵素系蛋白質類(高分子成分)、その他低分子物質である。ゲル濾過(セファデックスG−25)により塩を除去し、タンパク質分画により、ペルオキシダーゼ(過酸化水素分解酵素)を主成分とする抽出液が抽出される。この第2工程によって得られる抽出液を、非破壊法による2次抽出液、略して2次抽出液と称する。上述した1次抽出液、2次抽出液を製造する方法として、他に、減圧法、加圧法、遠心法、吸引法等が有効である。
本発明においては、静置して充分な時間をかけてインキュペートを行うことにより、余分な細胞内成分の溶出を防いで、有効成分のみの抽出を実現している点に大きな特徴がある。余分な細胞内成分には、スキンケアの効果を減少させる物質も存在しているため、細胞内の有効成分を高純度で抽出することは、良好なスキンケアの効果を発揮するためには重要である。
上記の第1工程によって得られた1次抽出液と、第2工程によって得られた2次抽出液とを低温保管する。この1次抽出液と2次抽出液とを、化粧品の主材料とする。
抽出された成分のペルオキシダーゼ活性は、分光光度計を用いて分光学的に測定した。40mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中で、2次抽出液に過酸化水素(1mM)とグアヤコール(1〜10mM)を添加し、酵素標品50μlを加えて全量を1mlとして測定を行うと、著しい470nmの吸収増加が観察された。これはグアヤコールが酸化されてテトラグアヤコールが生成されるとともに、過酸化水素は水へ還元されたことを示すもので、2次抽出液のペルオキシダーゼ活性によるものである。
この酵素反応系へ1次抽出液を添加すると、添加した1次抽出液の量に応じて、470nmの吸収増加の遅延が観察された。これは、1次抽出液に還元性成分が含まれているために、生成したテトラグアヤコールが再還元され、見掛け上、テトラグアヤコールの生成が観察されなかったことを意味する。
1次抽出液は熱処理(100℃、10min)してもこの効果は同様であったことから、この効果は、酵素によるものではない。
1次抽出液の還元力を調べるために、1次抽出液を、2,6−ジクロロフェノール―インドフェノール溶液へ添加すると、600nmの吸収が消失した。これは、1次抽出液によって2,6−ジクロロフェノール―インドフェノール溶液が還元されたことを意味している。アスコルビン酸との還元力の比較から、1次抽出液中に存在する還元力は、アスコルビン酸0.15〜0.2mlに相当するものであった。
本発明の抽出方法によって抽出された成分のペルオキシダーゼ活性について、細胞の磨砕法によって得られたサンプルとの比較を行った。磨砕法によるサンプルは、ベンケイソウ科植物の葉と茎の組織50gを蒸留水で洗浄し、表皮を除去した後、10〜100mMのリン酸緩衝液(中性領域)を30〜100ml加えて、低温下(0〜10℃)でミキサーにより磨砕し、ナイロンネットで濾過して、低温遠心分離(10,000×g、15分間、0〜10℃)を行って得られた上澄み液に対してゲル濾過(セファデックスG−25)を行い、タンパク質分画成分を抽出して得られたものである。この抽出液を以後、磨砕法による抽出液と称する。
なお、一般的に行われている細胞の磨砕による抽出法では、表皮の除去は通常行われていないが、ここでは、本発明における非破壊による抽出法との比較のために、表皮の除去を行っている。
ペルオキシダーゼ活性(単位 μmolTG・(mg protein)−1・min−1)の測定結果を、表1に示す。
Figure 0006097958
このことから、磨砕法による抽出液と比較して、非破壊法による2次抽出液が顕著なペルオキシダーゼ活性を有していることがわかる。
本発明の製造方法によって得られる1次抽出液+2次抽出液によるラット肝臓における脂質過酸化への影響を、チオバルビツール酸(TBA)法によって測定した。0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)2ml中にラット肝臓ミクロソーム(10μl)、エタノール(200μl)に1次抽出液(10μl)+2次抽出液(10μl)を35℃で1時間インキュベートした後、TBA(800μl)、3(2)−t−butyl−4−hydroxyanisol(50μl)を添加して、熱処理した。生成したマロンディアルデヒド(TBA反応物質:TBARS(nmolMDA・(mg protein)−1)は分光光度計を用いて532nmの吸収により測定した。
これと比較するために、磨砕法による抽出液についても同様の試験を行ったところ、目立った効果はみられなかった。
1次抽出液+2次抽出液を添加しない反応系で生成したTBARSは、1nmolMDA/mg proteinであったが、添加した反応系では、0.6nmolMDA/mg proteinであったことから、1次抽出液+2次抽出液が脂質過酸化を抑制することは明らかである。
このように、1次抽出液+2次抽出液は細胞へさまざまな障害をもたらす活性酸素の除去および脂質過酸化を抑制し、また、1次抽出液にはリンゴ酸など有機酸が含まれていることから、肌トラブルの改善および健康指向の製品への利用が可能である。
このようなアポプラスト成分を含むベンケイソウ科の多肉植物の例としては、Echeveria属(E.アガヴオイデス、E.シリアータ、E.デレンベルギー、E.エレガンス、E.ハルムシイ、E.ノドウローサ、E.ピーコッキィー、E.プルヴィナータ、E.セトーサ)、Graptopetalum属(G.ベルム、G.フィリフェラム、G.パラグアイエンス)、Kalannchoe属(K.ベハレンシス、K.ブロスフェルディアナ、K.ダイグレモンティアナ、K.デラゴエンシス、K.エリフォイラ、K.フェドチェンコイ、K.グランディフローラ、K.ジョングマンシアイ、K.ラニアータ、K.マンギニアイ、K.マモラータ、K.セイロンベンケイ、K.プペッセンス、K.プミラ、K.テッサ、K.シルシフローラ、K.トメントーサ、K.ユニフローラ、K.ウェンディ)、Sedum属(S.ベンケイソウ、S.コモチマンネングサ、S.ヒダカミセバヤ、S.キダチペンケイソウ、S.メノマンネングサ、S.ミヤママンネングサ、S.キリンソウ、S.イワレング、S.リディウム、S.マルバマンネングサ、S.オブツサツム、S.シベリアベンケイソウ、S.ミセバヤ、S.シラギク、S.オオベンケイソウ、S.コーカサスキリンソウ、S.ムラサキペンケイソウ、S.タカネマンネングサ、S.ミツバペンケイソウ)を挙げることができ、これらの植物を材料として本発明の製造方法を広く適用することができる。
以下に、上述した1次抽出液と2次抽出液を主材料として製造したスキンケア用試験液の肌細胞への効果について説明する。
それぞれの抽出液について、表2に示すように滅菌処理を行った。
Figure 0006097958
抽出液は酵素等の蛋白質を含むため粘度が高く、最初に0.45μmの濾過フィルターを通し、その後、0.2μmの濾過フィルターを使用して滅菌処理を行った。
モニターに供するスキンケア用の試験液は、滅菌処理した各植物抽出液に加え、ベースとなる溶液(オートクレーブ滅菌処理済み)を、表3に示す割合で加えて作成した。表3中における割合は体積%である。なお、表3中の温泉水は、地下水や水道水に替えることができる。
Figure 0006097958
それぞれの抽出液ごとに、磨砕法による抽出液を含む試験液(以下、「A試験液」という)、非破壊法による1次抽出液を含む試験液(以下、「B試験液」という)、非破壊法による2次抽出液を含む試験液(以下、「C試験液」という)、非破砕法による1次抽出液+2次抽出液を含む試験液(以下、「D試験液」という)の4種類の試験液を作成した。D試験液における1次抽出液と2次抽出液の割合は、細胞中に存在する状態と同様となるように、比率を1:1とし、それぞれ2.5%、抽出液合計で5%とした。
本発明の製造方法によって得られる、B試験液、C試験液、D試験液について、細胞の磨砕によって得られるA試験液と比較して、肌が乾燥しやすい等の悩みを持つ女性モニター20名(40代〜70代)を被験者としてモニター試験を行った。
モニターには、それぞれの試験液を毎日、朝は洗顔後、夜は風呂上がりの清潔な顔(肌)へ2週間継続して薄く塗布してもらった後、肌細胞水分計により目尻の肌水分率を測定した。水分計は、スカラ株式会社製「モイスチャーチェッカーMY−808S」を使用した。この水分計は、肌角質部の水分の誘電率により計測するタイプのものである。水の誘電率が他の物質に比べて極めて高いため、測定対象物質の誘電率を測定すると、水が含まれている割合がわかり、静電容量を計ることにより誘電率を測定することができる。水分率(%)の定義は、特殊な医療用のたんぱく質の膜に含まれる水の割合を基準としている。
目尻を測定部位とした理由は、目尻には一般に皮脂が少なく、年齢による差があまりないとされている部分であることと、角質層が薄く、水分率の表示値がある程度高く示されるため、安定的であり、かつ改善等の変化が数値的に現れやすいためである。また、見た目の点からも皺が目立つ部分でもある。
モニターには試験液の使用感を記録してもらい、2週間後の「うるおい感」の効果として、「なし」、「小」、「中」、「大」の4段階で判定してもらった。その試験結果を表4に示す。表4における水分率の数値は、被験者20名の平均値である。
Figure 0006097958
肌の水分率は肌の潤いの程度を示しており、通常の判断基準として目尻の場合、水分率が40以下は乾燥肌、52以上は潤い肌とされている。
表4に示すように、A試験液では試験液なしよりも多少改善されているものの、水分率が乾燥肌のレベルであるのに対して、B試験液あるいはC試験液では、A試験液よりも水分率は上昇し、D試験液では、潤い肌とされる基準値に達して顕著な効果を示しており、被験者の反応も格段に向上している。これは、細胞の磨砕によって得られるA試験液は、不純物が混入していることにより肌の水分率向上を阻害する要素があるのに対して、B試験液とC試験液は浸透圧により時間をかけて抽出されたものであるため、肌の水分率を向上させる有効成分の濃度が高いためと考えられる。さらにD試験液では、B試験液とC試験液のそれぞれの有効成分を有しているため、肌の水分率向上には最適であると考えられる。
上述したモニターによる調査試験から、肌環境の水分量の改善により、「うるおい感」の創出効果がみられることはわかったが、この他、実際の肌トラブルに悩むモニターを含んだ40歳代以上の被験者50名余りに、「D試験液」(非破砕法による1次+2次抽出液由来試験液)を使ってもらい、肌環境の改善にどのような効果があるかの聞き取り調査を行った。
使用による効果についての主な印象はとしては、シミの減少、くすみの改善、痒みや発疹の改善が挙げられ、使用感としてはとくに違和感なく使用できたという回答であった。また、虫さされ(ミツバチ)による腫れや痛み、痒みがあり、腫れがなかなか引かなかった状況で試験液を塗布したところ、塗布後1週間で腫れが引いたとの報告があった。また、爪を引っかけて爪の内側で血液が固まっていた状況で、爪周辺部を含む患部に試験液を塗布したところ、1ヶ月後には再生したとの報告があった。
上述の試験結果によると、ベンケイソウ科植物の非破壊的手法で抽出した未変性タンパク質を含む成分は、ヒトの新しいタイプのスキンケア製品として有効に利用することができる。特に、非破壊法による1次抽出液+2次抽出液を用いた「D試験液」は、細胞へさまざまな障害をもたらす活性酸素の除去効果と、脂質過酸化の抑制効果を併せ持つことから、肌細胞のターンオーバーを促し活性化することができるため、スキンケアの効果が顕著である。
このように、40代を超える世代では恒常的に肌の乾燥が進んでおり、この世代に対して本発明の化粧品を使用することにより、肌の水分値が向上し、潤いのある肌とすることができる。また、これより若い世代であっても、皮膚トラブルのある場合には効果がある。また、最近、急増しているペットの皮膚トラブルのスキンケア製品としても使用することができる。
本発明は、安全性の高い植物成分を用いて活性酸素の除去を行って生体防御機能を高め、肌細胞の活性化により皮膚の老化や障害を防御する機能を備えた化粧品の製造方法として広く利用することができ、この製造方法によって得られる成分は、健康指向の各種製品の成分としての利用に大きく貢献できる。

Claims (3)

  1. ベンケイソウ科植物の組織または組織片を、磨砕することなく用い、前記組織または組織片に中性領域のリン酸緩衝液を添加して、10分以上60分以下の時間でインキュベ一卜し、冷却遠心分離により上澄み液を採取して1次抽出液を抽出する第1工程と、前記第1工程の後に、前記組織または組織片にNaClを含む中性領域のリン酸緩衝液を添加して、1時間以上8時間以下の時間でインキュベ一卜し、冷却遠心分離により上澄み液を採取してゲル濾過により塩を除去し、タンパク質分画により2次抽出液を抽出する第2工程とを有し、前記1次抽出液と前記2次抽出液とを主材料として化粧品を製造することを特徴とする化粧品の製造方法。
  2. 前記1次抽出液は、有機酸、アスコルビン酸、アミノ酸、炭水化物、酵素類を主成分とする可溶性成分であることを特徴とする請求項1記載の化粧品の製造方法。
  3. 前記2次抽出液は、ペルオキシダーゼを主成分とするタンパク質分画成分であることを特徴とする請求項1または2記載の化粧品の製造方法。
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