JP6096555B2 - 銀インク組成物及び導電体 - Google Patents

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本発明は、保存中又は印刷中の粘度の変化が抑制された銀インク組成物、並びに該銀インク組成物を用いて得られた導電体に関する。
金属銀は、記録材料や印刷刷版の材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く使用されている。
これまでに金属銀の製造方法としては、銀インク組成物を各種印刷法により基材上に塗工して加熱処理することにより、金属銀を形成する方法が開示されており、銀インク組成物としては、酢酸銀等の銀化合物とアミン類を混合し、さらに還元剤を作用させて、微小な銀粒子を析出させ、次いでデカンテーション、洗浄等の精製操作を経てから、最終的に溶媒と混合することにより得られたものが開示されている(特許文献1)。この方法では、加熱処理時に残留して金属銀の形成を阻害する不純物を除くために、上記の精製操作が必要とされ、溶媒との混合は最後に行われる。一方で、特許文献1には、精製操作を行わずに溶媒を混合することについては、一切開示されていない。
また、これ以外の銀インク組成物としては、銀化合物としてベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀、β−ケトカルボン酸銀等の有機酸銀を用いたものが開示されている。これらの中でも、例えば、β−ケトカルボン酸銀は、約210℃以下の低温で加熱処理しても速やかに金属銀を形成する(特許文献2参照)。
一方、上記のような銀インク組成物は、印刷法に供した場合に良好な印刷適性を有するように、粘度を調節することが望まれる。これは、保存中又は印刷中に銀インク組成物中の溶媒成分が揮発することで、銀インク組成物の粘度が上昇してしまい、安定して印刷することが困難になるからである。粘度が高い銀インク組成物を用いた場合には、印刷時に工程不良が発生し易いだけでなく、印刷パターンの形状に乱れが生じ、その結果、所望の形状の金属銀が得られないこともある。そこで、このような問題点を解決するために、各種溶媒等の希釈剤を配合するか、又は希釈剤を兼ねた成分を多めに配合して、粘度が適正に調節された銀インク組成物を用いることが望まれる。
特開2012−246560号公報 国際公開第2007/004437号
上記の有機酸銀、特にβ−ケトカルボン酸銀等の特定の有機酸銀を用いた銀インク組成物は、加熱処理時に残留して金属銀の形成を阻害する不純物の量を極めて少なくできるため、デカンテーション、洗浄等の精製操作を行うことなく、一層低温で金属銀を形成できる可能性があるが、保存中又は印刷中の経時による粘度の安定性と、粘度を安定化させる方法については、これまでに具体的に検討されてこなかった。そこで、低温で金属銀を形成でき、経時による粘度の変化が抑制された新規の銀インク組成物が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温での加熱処理を行うことなく金属銀を形成可能で、経時による粘度の変化が抑制された銀インク組成物、及び該銀インク組成物を用いて得られた導電体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、還元剤と、が配合されて原料組成物とされ、さらに、前記原料組成物と、炭素数17以下の炭化水素、炭素数11以下の水酸基を有する化合物、炭素数11以下のカルボニル基を有する化合物、炭素数15以下のアミド結合を有する化合物、及び炭素数20以下のエーテル結合を有する化合物からなる群から選択される一種以上の液状の希釈剤と、が配合されてなり、前記カルボン酸銀が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀であり、前記還元剤が、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ホルムアミド及びシュウ酸からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする銀インク組成物を提供する。
Figure 0006096555
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R −CY −」、「CY −」、「R −CHY−」、「R O−」、「R N−」、「(R O) CY−」若しくは「R −C(=O)−CY −」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R 及びR はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R O−」、「R S−」、「R −C(=O)−」若しくは「R −C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
本発明の銀インク組成物においては、前記希釈剤が、n−ドデカン、シクロオクタン、2,2,4,4−テトラメチルペンタン、2−メチルオクタン、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ヘキサノール、2−プロパノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、4−ヘプタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とする導電体を提供する。
本発明によれば、高温での加熱処理を行うことなく金属銀を形成可能で、経時による粘度の変化が抑制された銀インク組成物、及び該銀インク組成物を用いて得られた導電体が提供される。
<<銀インク組成物>>
本発明に係る銀インク組成物は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀(以下、単に「カルボン酸銀」と略記することがある)と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)と、還元剤と、が配合されて原料組成物とされ、さらに、前記原料組成物と、炭素数17以下の炭化水素、炭素数11以下の水酸基を有する化合物、炭素数11以下のカルボニル基を有する化合物、炭素数15以下のアミド結合を有する化合物、及び炭素数20以下のエーテル結合を有する化合物からなる群から選択される一種以上の液状の希釈剤(以下、単に「希釈剤」と略記することがある)と、が配合されてなることを特徴とする。
本発明に係る銀インク組成物は、前記カルボン酸銀及び還元剤を併用することで、より温和な条件での後処理でも金属銀(導電体)を形成できる。また、本発明に係る銀インク組成物は、前記希釈剤を用いることで、保存中又は印刷中の経時による粘度の変化(特に粘度の上昇)が抑制される。
<原料組成物>
本発明において、原料組成物とは、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤が配合されてなるものであり、次工程で前記希釈剤と共に配合されるものである。
以下、まず、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤について説明する。
[カルボン酸銀]
前記カルボン酸銀は、金属銀の形成材料であり、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
本発明において、前記カルボン酸銀は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Figure 0006096555
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
Figure 0006096555
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−COOAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」、「CY−」及び「R−C(=O)−CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R−C(=O)−CY−」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、ベンジル基、又は一般式「R−C(=O)−」で表される基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−アセチルピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、2−アセチルイソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましく、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、又はアセトンジカルボン酸銀であることがより好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、前記還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−COOAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、前記還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
[含窒素化合物]
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本発明において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記銀インク組成物において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.2〜15モルであることが好ましく、0.3〜5モルであることがより好ましい。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、高温による加熱処理を行わなくても、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。
[還元剤]
前記還元剤は、前記銀インク組成物が金属銀を形成し易くする成分であり、例えば、低温での加熱処理や常温での乾燥処理のみでも、銀インク組成物は十分な導電性を有する金属銀(導電体)を形成できる。
前記還元剤は、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)であることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
(還元性化合物)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(HN−NH)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。
21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基が例示できる。
21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(HN−NH・HO)を用いてもよい。
前記還元性化合物は、ギ酸(H−C(=O)−OH)、ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCHCH)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CHCH)、プロパナール(H−C(=O)−CHCH)、ブタナール(H−C(=O)−(CHCH)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CHCH)、ホルムアミド(H−C(=O)−NH)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH)又はシュウ酸であることが好ましい。
前記銀インク組成物において、還元剤の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.04〜3.5モルであることが好ましく、0.06〜2.5モルであることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物は、より容易に、より安定して導電体を形成できる。
例えば、前記カルボン酸銀及び還元剤を共に配合した場合、得られる混合物(原料組成物)は比較的発熱し易い。そして、これらを配合時の温度が高い場合、この混合物は、後述する銀インク組成物の加熱処理時と同様の状態になるため、前記還元剤による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する原料組成物を用いることで、得られる銀インク組成物も金属銀を含有するものとなり、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、後述する導電体の製造時において、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電体(金属銀)を形成できることがある。また、還元剤の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電体を形成できることがある。このように、前記カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱処理で、あるいは加熱処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電体を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
[原料組成物製造時のその他の成分]
前記原料組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
原料組成物の製造時における前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
原料組成物の製造時において、配合成分の総量(前記カルボン酸銀、含窒素化合物、還元剤及びその他の成分の総配合量)に対するその他の成分の配合量の割合([その他の成分の配合量(質量部)]/[配合成分の総量(質量部)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物の経時による粘度の変化を抑制する効果がより高くなる。
[原料組成物の製造方法]
原料組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物、還元剤、及び必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
原料組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
配合時の条件は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、得られる原料組成物の組成が均一となるように調節することが好ましい。
このような観点から、配合時の温度は、−5〜60℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、1〜24時間であることが好ましい。そして、これら配合時間のうち、すべての成分を添加後に混合する時間が、0.1〜10時間であることが好ましい。
<銀インク組成物>
本発明に係る銀インク組成物は、さらに前記原料組成物及び希釈剤が配合されてなるものである。次に、前記希釈剤について説明する。
[希釈剤]
前記希釈剤は、銀インク組成物の経時による粘度の変化を抑制する成分である。
希釈剤は、具体的には、炭素数17以下の炭化水素(以下、単に「炭化水素」と略記することがある)、炭素数11以下の水酸基を有する化合物(以下、「水酸基含有化合物」と略記することがある)、炭素数11以下のカルボニル基を有する化合物(以下、「カルボニル基含有化合物」と略記することがある)、炭素数15以下のアミド結合を有する化合物(以下、「アミド結合含有化合物」と略記することがある)、及び炭素数20以下のエーテル結合を有する化合物(以下、「エーテル結合含有化合物」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の液状のものである。すなわち、配合される希釈剤は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記希釈剤は、配合条件下において液状であればよく、標準大気圧(101325Pa、1atm)下で20〜25℃で液状であるものが好ましい。
(炭化水素)
前記炭化水素は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、飽和炭化水素及び不飽和炭化水素のいずれでもよいし、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素のいずれでもよい。
直鎖状及び分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素(アルカン)は、炭素数が6〜17であることが好ましく、具体的には、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、3−エチル−2−メチルペンタン、3−エチル−3−メチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン、n−ノナン、2−メチルオクタン、3−メチルオクタン、4−メチルオクタン、2,2−ジメチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメチルヘプタン、2,5−ジメチルヘプタン、2,6−ジメチルヘプタン、3,3−ジメチルヘプタン、3,4−ジメチルヘプタン、3,5−ジメチルヘプタン、4,4−ジメチルヘプタン、2,2,4,4−テトラメチルペンタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカンが例示できる。
環状の飽和脂肪族炭化水素は、単環状及び多環状のいずれでもよく、シクロアルカンでもよいし、シクロアルカンの1個以上の水素原子が直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和脂肪族炭化水素基で置換されたものでもよい。ここで、「直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和脂肪族炭化水素基」としては、上記の直鎖状、分岐鎖状又は環状の飽和脂肪族炭化水素から1個の水素原子を除いてなる基が例示できる。
環状の飽和脂肪族炭化水素は、単環状であることが好ましく、炭素数が5〜8であることが好ましく、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが例示できる。
不飽和脂肪族炭化水素としては、直鎖状、分岐鎖状及び環状の前記飽和脂肪族炭化水素の炭素原子間の1個以上の単結合(C−C)が、不飽和結合(二重結合(C=C)、三重結合(C≡C))に置換されたものが例示できる。
不飽和脂肪族炭化水素は、炭素原子間の不飽和結合として、二重結合及び三重結合のいずれか一方のみを有していてもよいし、両方を有していてもよく、不飽和結合の数及び位置は特に限定されないが、不飽和結合の数は1又は2であることが好ましい。また、前記不飽和結合として二重結合を有する場合、前記不飽和炭化水素は、cis型及びtrans型のいずれでもよい。
不飽和脂肪族炭化水素は、アルケン又はアルキンであることが好ましく、炭素数が6以上のアルケン又は炭素数が5以上のアルキンであることがより好ましい。
芳香族炭化水素は、単環状及び多環状のいずれでもよく、炭素数が6〜8であることが好ましく、好ましいものとしてはベンゼン、トルエン、o−キシレン(1,2−ジメチルベンゼン)、m−キシレン(1,3−ジメチルベンゼン )、p−キシレン(1,4−ジメチルベンゼン)が例示できる。また、芳香族炭化水素は、芳香族環骨格を形成している炭素原子に結合している1個以上の水素原子が、直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和若しくは不飽和脂肪族炭化水素基、あるいは1価の芳香族炭化水素基で置換されたものでもよい。ここで、「直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和脂肪族炭化水素基」としては、上記と同じものが例示できる。また、「直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の不飽和脂肪族炭化水素基」としては、上記の直鎖状、分岐鎖状又は環状の不飽和脂肪族炭化水素から1個の水素原子を除いてなる基が例示できる。また、「1価の芳香族炭化水素基」としては、上記の芳香族炭化水素から1個の水素原子を除いてなる基が例示できる。
(水酸基含有化合物)
前記水酸基含有化合物は、炭素数が11以下で、少なくとも水酸基(−OH)を有するものであり、鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合には、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、水酸基含有化合物が有する水酸基の数は、1個のみでよいし2個以上でもよく、水酸基の位置は、特に限定されない。
水酸基含有化合物のうち、水酸基を1個のみ有する化合物は、炭素数が11以下であることが好ましく、水酸基を2個以上有する化合物は、炭素数が5以下であることが好ましい。
また、水酸基含有化合物は、炭素数が3以上であることが好ましい。
水酸基含有化合物としては、アルコールが例示できる。
アルコールとしては、上記の希釈剤として例示した炭化水素、並びにn−プロパン、n−ブタン、2−メチルプロパン及びn−ペンタン等の炭素数が3〜5の飽和脂肪族炭化水素において、1個以上の水素原子が水酸基に置換されてなる化合物が例示できる。
アルコールで好ましいものとしては、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール(2−エチルヘキシルアルコール)、1−デカノール、1−ウンデカノール、シクロヘキサノール等の1価アルコール;エチレングリコール、1,5−ペンタンジオール等の多価アルコールが例示できる。
水酸基含有化合物は、分子中に水酸基及び炭化水素基以外の基(以下、「その他の基」と略記することがある)を有するものでもよい。
水酸基含有化合物における前記その他の基は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、複数の原子で構成される原子団であってもよいし、1個の原子でもよい。また、水酸基含有化合物におけるその他の基は、1個のみでよいし2個以上でもよく、2個以上のその他の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、その他の基の位置は、特に限定されない。
水酸基含有化合物におけるその他の基は、アミノ基(−NH)以外の基であることが好ましく、好ましいものとしてはカルボニル基、アミド基(アミド結合)、エーテル基(エーテル結合)が例示できる。
(カルボニル基含有化合物)
前記カルボニル基含有化合物は、炭素数が11以下で、少なくともカルボニル基(−C(=O)−)を有するものである。ただし、本明細書においては、特に断りの無い限り、「カルボニル基」とは、アミド結合(−C(=O)−N(−)−)を構成しているものは含まないものとする。すなわち、カルボニル基含有化合物は、カルボニル基としてアミド結合(−C(=O)−N(−)−)を構成しているもののみを有する化合物ではなく、カルボニル基としてアミド結合を構成していないものを1個以上有する化合物である。
カルボニル基含有化合物は、鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合には、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、カルボニル基含有化合物が有するカルボニル基の数は、1個のみでよいし2個以上でもよく、カルボニル基の位置は、特に限定されない。
カルボニル基含有化合物は、炭素数が4以上であることが好ましい。
カルボニル基含有化合物としては、ケトンが例示できる。
ケトンとしては、2個の1価の炭化水素基が1個のカルボニル基の炭素原子に結合してなるものが例示できる。ここで、2個の1価の炭化水素基は、相互に結合して、これらが結合しているカルボニル基と共に環構造を形成していてもよい。ここで、「1価の炭化水素基」としては、上記の希釈剤として例示した炭化水素から1個の水素原子を除いてなる基が例示できる。
ケトンで好ましいものとしては、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、2−ペンタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−デカノン、2−ウンデカノン、シクロヘキサノンが例示できる。
カルボニル基含有化合物は、分子中にカルボニル基及び炭化水素基以外の基(以下、「その他の基」と略記することがある)を有するものでもよい。
カルボニル基含有化合物における前記その他の基は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、複数の原子で構成される原子団であってもよいし、1個の原子でもよい。また、カルボニル基含有化合物におけるその他の基は、1個のみでよいし2個以上でもよく、2個以上のその他の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、その他の基の位置は、特に限定されない。
カルボニル基含有化合物におけるその他の基は、アミノ基(−NH)以外の基であることが好ましく、好ましいものとしては水酸基、アミド基(アミド結合)、エーテル基(エーテル結合)が例示できる。
(アミド結合含有化合物)
前記アミド結合含有化合物は、炭素数が15以下で、少なくともアミド結合(−C(=O)−N(−)−)を有するものであり、鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合には、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、アミド結合含有化合物が有するアミド結合の数は、1個のみでよいし2個以上でもよく、アミド結合の位置は、特に限定されない。
アミド結合含有化合物は、炭素数が1以上である。
アミド結合含有化合物としては、アミド結合「−C(=O)−N(−)−」の、結合相手が特定されていない結合手「−」、すなわち、炭素原子から伸びている1個の結合手(−C)、及び窒素原子から伸びている2個の結合手(N(−)−)に、それぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基が結合してなるものが例示できる。ここで、2個以上の1価の炭化水素基は、相互に結合して、これらが結合している窒素原子、又は窒素原子及び炭素原子と共に、環構造を形成していてもよい。ここで、「1価の炭化水素基」は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素数が1〜10であることがより好ましく、このようなものとして具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基等が例示できる。
アミド結合含有化合物で好ましいものとしては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルドデカンアミドが例示できる。
アミド結合含有化合物は、分子中に水素原子及び炭化水素基以外の基(以下、「その他の基」と略記することがある)を有するものでもよい。
アミド結合含有化合物における前記その他の基は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、複数の原子で構成される原子団であってもよいし、1個の原子でもよい。また、アミド結合含有化合物におけるその他の基は、1個のみでよいし2個以上でもよく、2個以上のその他の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、その他の基の位置は、特に限定されない。
アミド結合含有化合物におけるその他の基は、アミノ基(−NH)以外の基であることが好ましく、好ましいものとしては水酸基、カルボニル基、エーテル基(エーテル結合)が例示できる。
(エーテル結合含有化合物)
前記エーテル結合含有化合物は、炭素数が20以下で、少なくともエーテル結合を有するものであり、鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合には、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、エーテル結合含有化合物が有するエーテル結合の数は、1個のみでよいし2個以上でもよく、エーテル結合の位置は、特に限定されない。
エーテル結合含有化合物は、炭素数が6以上であることが好ましい。
エーテル結合含有化合物としては、各種のエーテルが例示できる。
エーテルとしては、炭化水素の1個以上のメチレン基(−CH−)が酸素原子(−O−)で置換されてなるものが例示でき、エーテルを構成する1価又は2価の炭化水素基は、相互に結合して、これらが結合している酸素原子と共に環構造を形成していてもよい。ここで、「1価又は2価の炭化水素基」は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合には、単環状及び多環状のいずれでもよい。そして、「1価又は2価の炭化水素基」は、炭素数が1〜10であることが好ましい。
「1価の炭化水素基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基、フェニル基、メチルフェニル基(o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基)、ジメチルフェニル基が例示でき、「2価の炭化水素基」としては、エチレン基、プロピレン基等、上記の1価の炭化水素基から1個の水素原子を除いてなる基が例示できる。
エーテルで好ましいものとしては、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジデシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、アニソールが例示できる。
エーテル結合含有化合物は、分子中に炭化水素基以外の基(以下、「その他の基」と略記することがある)を有するものでもよい。
エーテル結合含有化合物における前記その他の基は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、複数の原子で構成される原子団であってもよいし、1個の原子でもよい。また、エーテル結合含有化合物におけるその他の基は、1個のみでよいし2個以上でもよく、2個以上のその他の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、その他の基の位置は、特に限定されない。
エーテル結合含有化合物におけるその他の基は、アミノ基(−NH)以外の基であることが好ましく、好ましいものとしては水酸基、カルボニル基、アミド基(アミド結合)が例示できる。
前記炭化水素、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、アミド結合含有化合物及びエーテル結合含有化合物は、いずれも、これらの二種以上に同時に該当するものでもよい。例えば、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)は、水酸基及びエーテル結合を共に有する化合物であり、水酸基含有化合物及びエーテル結合含有化合物のいずれにも該当するが、このような化合物も希釈剤として例示できる。
前記希釈剤は、n−ドデカン、シクロオクタン、2,2,4,4−テトラメチルペンタン、2−メチルオクタン、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ヘキサノール、2−プロパノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、4−ヘプタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
前記希釈剤は、原料組成物製造時の配合成分である前記還元剤に該当するものでもよいが、原料組成物製造時に用いた還元剤と同一の成分ではないことが好ましい。
前記銀インク組成物において、希釈剤の配合量は、例えば、銀インク組成物が所望の粘度となるように、適宜調節すればよいが、前記原料組成物の配合量に対する希釈剤の配合量の割合([希釈剤の配合量(質量)]/[原料組成物の配合量(質量)]×100)は、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、2〜15質量%であることが特に好ましい。希釈剤の配合量の割合が前記下限値以上であることで、銀インク組成物の経時による粘度の変化を抑制する効果がより高くなる。また、希釈剤の配合量の割合が前記上限値以下であることで、銀インク組成物の含有成分がより均一に溶解又は分散し、性状が向上する。
[銀インク組成物製造時のその他の成分]
銀インク組成物は、前記原料組成物及び希釈剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
銀インク組成物の製造時(原料組成物及び希釈剤の配合時)における前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択できるが、原料組成物製造時の配合成分である、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤のいずれにも該当しないものが好ましい。
銀インク組成物の製造時における前記その他の成分は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物の製造時(原料組成物及び希釈剤の配合時)において、配合成分の総量(原料組成物、希釈剤及びその他の成分の総配合量)に対するその他の成分の配合量の割合([その他の成分の配合量(質量部)]/[配合成分の総量(質量部)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物の経時による粘度の変化を抑制する効果がより高くなる。
[銀インク組成物の製造方法]
銀インク組成物は、前記原料組成物、希釈剤、及び必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、1分〜12時間であることが好ましい。
本発明に係る銀インク組成物は、前記原料組成物及び希釈剤が配合されることにより、経時による粘度の変化が抑制されるという優れた効果を奏する。これに対して、希釈剤の全量を原料組成物と共に配合せずに、例えば、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤のいずれかと共に配合した場合や、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤のすべてと共に配合した場合には、得られた銀インク組成物は、上記の効果が得られないか、又は低くなる。
このように、銀インク組成物の製造時には、必須成分(前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤)を添加後に混合して、含有成分の分布に顕著な偏りがない状態とした配合物を、前記原料組成物として用いることが重要となる。換言すると、例えば、希釈剤が前記還元剤に該当するものであっても、原料組成物を得た後に配合するのであれば、このような希釈剤を用いても問題ない。
銀インク組成物の粘度は、公知の方法で測定すればよく、例えば、B型粘度計や振動式粘度計を用いて測定できる。銀インク組成物の粘度がせん断速度により変化する可能性がある場合には、せん断速度を正確に把握できる装置を用いることが好ましく、このような装置としては、粘弾性測定装置(レオメータ)、コーンプレート式粘度計が例示できる。本明細書においては、特定のせん断速度での粘度を「せん断粘度」と略記することがある。
本発明に係る銀インク組成物は、例えば25℃で、せん断速度が1000s−1である場合のせん断粘度(以下、「せん断粘度(1000s−1)」と略記することがある)を測定し、下記式(I)により算出した保存後のせん断粘度の変化率(%)を、好ましくは−30〜30%、より好ましくは−25〜25%とすることができる。
[銀インク組成物のせん断粘度の変化率(%)]={[20℃で7日間保存後の銀インク組成物のせん断粘度(1000s−1)(Pa・s)]−[製造直後の銀インク組成物のせん断粘度(1000s−1)(Pa・s)]}/[製造直後の銀インク組成物のせん断粘度(1000s−1)(Pa・s)]×100 ・・・・(I)
前記カルボン酸銀は、その他の金属銀形成材料よりも低温での後処理によって、高純度の金属銀(導電体)を形成できる点で、極めて優れたものである。一方で、前記カルボン酸銀及び還元剤を併用した場合の銀インク組成物において、経時による粘度の安定性については、これまで検討されていなかった。これに対して、本発明に係る銀インク組成物は、前記カルボン酸銀及び還元剤を併用した場合に、特定の種類の希釈剤をさらに併用し、その配合順序を限定することで、経時による粘度の安定性が顕著に向上したものである。
<導電体及びその製造方法>
本発明に係る導電体は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とし、金属銀を主成分とするものである。ここで、「金属銀を主成分とする」とは、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高いことを意味し、例えば、導電体中の金属銀の比率は99質量%以上であることが好ましい。
前記導電体は、例えば、基材上に銀インク組成物を付着させ、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理を適宜選択して行うことで製造できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
基材は、フィルム状又はシート状であることが好ましく、厚さが10〜5000μmであることが好ましい。
基材の材質は特に限定されず、目的に応じて選択すればよいが、銀インク組成物の加熱処理による導電体形成時に変質しない耐熱性を有するものが好ましい。
基材の材質として具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリシクロオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)、ポリアクリル酸メチル(PMA)、ポリアクリル酸エチル(PEA)、ポリアクリル酸ブチル(PBA)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、基材の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックス;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙類が例示できる。
また、基材は、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等の、二種以上の材質を併用したものでもよい。
基材は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
銀インク組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
銀インク組成物の乾燥処理は、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
銀インク組成物を加熱処理する場合、加熱処理時の温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下とすることができる。加熱処理時の温度の下限値は、金属銀を効率的に形成できる限り特に限定されないが、50℃であることが好ましい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよく、例えば、0.1〜6時間とすることができる。
前記導電体は、金属銀が十分に形成され、導電性が高い、すなわち体積抵抗率が低いものとすることができ、例えば、体積抵抗率を好ましくは20μΩ・cm以下、より好ましくは15μΩ・cm以下、特に好ましくは12μΩ・cmとすることができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<銀インク組成物の製造及びその評価、導電体の製造及びその評価>
[実施例1]
(銀インク組成物の製造)
1000mLのビーカー中の2−エチルヘキシルアミン(広栄化学工業社製)(84.7g、0.66モル)に、2−メチルアセト酢酸銀(365.3g、1.64モル)を50℃以下となるように添加し、20分間撹拌した。次いで、ここへギ酸(和光純薬工業社製)(60.3g、1.31モル)を50℃以下となるように30分間かけて滴下し、2時間撹拌して、原料組成物を得た。
得られた原料組成物について、レオメータ(Anton Paar社製「MCR301」)を用いて、25℃で、せん断速度が1000s−1である場合のせん断粘度(せん断粘度(1000s−1))を測定したところ、1.68Pa・sであった。なお、このときレオメータにおいては、コーンプレートとしてCP25−2(直径25mm、コーン角度2°)を用いた。
次いで、プラスチック製容器中において、得られた原料組成物(10g)に、この原料組成物の6質量%(0.6g)の量のn−ドデカンを添加し、撹拌機(泡とり錬太郎(AR−250))を用いて、20℃で30秒間撹拌した後、30秒間脱泡を行い、銀インク組成物を得た。
(銀インク組成物の評価)
得られた銀インク組成物について、前記原料組成物と同じ方法で、製造直後のせん断粘度(1000s−1)を測定したところ、0.42Pa・sであった。
さらに、得られた銀インク組成物を20℃のインキュベータ中で7日間静置保存した後、前記原料組成物と同じ方法でせん断粘度(1000s−1)を測定したところ、0.44Pa・sであった。
これら測定値から、前記式(I)により、保存後の銀インク組成物のせん断粘度の変化率(%)を算出したところ、5%であった。結果を表4に示す。
(導電体の製造)
20℃で7日間静置保存した後の前記銀インク組成物を使用して、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(東レ社製「ルミラーS10」、厚さ100μm)上にスクリーン印刷を行った。スクリーン版としては、ステンレス製500メッシュのものを使用し、乳剤厚10μmの条件で印刷した。
次いで、得られた印刷パターンを、80℃で2時間焼成(加熱処理)することにより後処理を行い、導電体(金属銀)のパターンを形成した。
(導電体の評価)
形成した導電体のパターンについて、線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、パターンの体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出したところ、8Ω・cmであった。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(三和電気計器社製「PC5000a」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて測定した。結果を表4に示す。
[実施例2〜19、比較例1〜11]
配合成分の種類とその配合量を表1〜3に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同じ方法で銀インク組成物を製造及び評価し、さらに導電体を製造及び評価した。結果を表4に示す。
なお、表1〜3中、含窒素化合物の「モル比」とは、カルボン酸銀の配合量1モルあたりの含窒素化合物の配合量(モル数)([含窒素化合物の配合量(モル)]/[カルボン酸銀の配合量(モル)])を意味する。また、還元剤の「モル比」とは、カルボン酸銀の配合量1モルあたりの還元剤の配合量(モル数)([還元剤の配合量(モル)]/[カルボン酸銀の配合量(モル)])を意味する。また、希釈剤の「対原料組成物質量%」は、原料組成物の配合量(質量)に対する希釈剤の配合量(質量)の割合([希釈剤の配合量(質量)]/[原料組成物の配合量(質量)]×100)を意味する。
Figure 0006096555
Figure 0006096555
Figure 0006096555
Figure 0006096555
Figure 0006096555
上記結果から明らかなように、実施例1〜19の銀インク組成物は、本発明における希釈剤を用いたことにより、製造直後から7日後までの保存中の粘度変化が抑制されていた。また、この銀インク組成物を用いて製造した導電体は、体積抵抗率が低くて導電性に優れていた。
これに対して、比較例1〜11の銀インク組成物は、本発明におけるものとは異なる希釈剤を用いたことにより、製造直後から7日後までの保存中の粘度変化が大きく、導電体を製造する際の製造適性(印刷適性)に劣るものであった。
本発明は、印刷法を適用した導電回路等、高導電性の金属銀のパターン形成に利用可能である。

Claims (3)

  1. 式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、
    炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、
    還元剤と、
    が配合されて原料組成物とされ、
    さらに、前記原料組成物と、
    炭素数17以下の炭化水素、炭素数11以下の水酸基を有する化合物、炭素数11以下のカルボニル基を有する化合物、炭素数15以下のアミド結合を有する化合物、及び炭素数20以下のエーテル結合を有する化合物からなる群から選択される一種以上の液状の希釈剤と、が配合されてなり、
    前記カルボン酸銀が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀であり、
    前記還元剤が、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ホルムアミド及びシュウ酸からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする銀インク組成物。
    Figure 0006096555
    (式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R −CY −」、「CY −」、「R −CHY−」、「R O−」、「R N−」、「(R O) CY−」若しくは「R −C(=O)−CY −」で表される基であり;
    Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R 及びR はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
    Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R O−」、「R S−」、「R −C(=O)−」若しくは「R −C(=O)−O−」で表される基であり;
    は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
  2. 前記希釈剤が、n−ドデカン、シクロオクタン、2,2,4,4−テトラメチルペンタン、2−メチルオクタン、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ヘキサノール、2−プロパノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、4−ヘプタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の銀インク組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とする導電体。
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