JP2018199218A - グラビアオフセット印刷方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のグラビアオフセット印刷方法は、配線パターンを被印刷物に印刷するグラビアオフセット印刷方法であって、グラビア版に設けられた凹部にインクを充填し、グラビア版における凹部以外の領域にあるインクを除去するドクタリング工程と、グラビア版からブランケットにインクを移動させる受理工程と、ブランケットから被印刷物にインクを移動させる転写工程と、を有し、グラビア版は、凹部の間に多数設けられ、凹部の底面よりも前記グラビア版の厚さ方向に突出する凸部を有する。
図1は、本実施形態のグラビアオフセット印刷方法で用いられるグラビア版の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図1に示すグラビア版10は、平面視長方形状の配線パターン部20を有する。この配線パターン部20の平面視形状は、グラビア版10によって形成される配線パターンの平面視形状と同一の形状をなしている。
配線パターン部20は、インクが充填される凹部30と、凹部30の間に多数設けられ、凹部30の底面30aよりもグラビア版10の厚さ方向に突出する凸部40と、を有する。
また、多数の凸部40同士の平面視形状は、同一であっても、異なっていてもよい。
金属インク組成物としては、例えば、金属の形成材料が配合されてなる組成物が挙げられる。
前記金属の形成材料は、該当する金属原子(元素)を有し、分解等の構造変化によって金属を生じるものであればよい。このような金属の形成材料としては、例えば、金属塩、金属錯体、有機金属化合物(金属−炭素結合を有する化合物)等が挙げられる。前記金属塩および金属錯体は、有機基を有する金属化合物および有機基を有しない金属化合物のいずれであってもよい。なかでも金属の形成材料は、金属塩であることが好ましく、銀塩または銅塩であることがより好ましく、銀塩であることが特に好ましい。
前記有機銀化合物は、1分子中に有機基および銀原子を有し、分解等の構造変化によって金属銀を生じる化合物である。このような有機銀化合物としては、例えば、有機酸の銀塩、有機銀錯体等が挙げられる。これらのなかでも、有機酸の銀塩が好ましく、カルボン酸銀(カルボン酸の銀塩)がより好ましい。
なお、本明細書において、「ナノ粒子」とは、粒径が1nm以上1000nm未満、好ましくは1nm〜100nmである粒子を意味し、「ナノワイヤー」とは、幅が1nm以上1000nm未満、好ましくは1nm〜100nmであるワイヤーを意味する。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。これらのなかでも、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、反応によって金属銀を形成する、金属銀の形成材料であり、一般式(1)で表される。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
Rにおける前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が挙げられる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR2は、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR3は、炭素原子数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、例えば、炭素原子数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR4およびR5は、それぞれ独立に炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4およびR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、例えば、炭素原子数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR6は、炭素原子数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基または式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1における炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1におけるフェニル基およびベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が挙げられ、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基またはジフェニル基である場合、これらの、X1において隣接する基または原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基および3−チエニル基のいずれでもよい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀およびアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物(A1)の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
前記含窒素化合物は、炭素原子数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素原子数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素原子数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、およびアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
前記アミン化合物は、炭素原子数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素原子数が4〜25である。前記アミン化合物および第4級アンモニウム塩は、鎖状および環状のいずれでもよい。また、アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基は、単環状および多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、フラニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、チエニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、例えば、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素原子数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン等が挙げられる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素原子数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素原子数が1〜19であることが好ましい。
また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム1分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、全てが同じでもよいし、全てが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、例えば、ピリジン等が挙げられる。
また、置換基である前記アリール基およびアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、例えば、2−ブロモベンジルアミン等が挙げられる。ここで、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに金属銀からなる層の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、例えば、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、例えば、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが挙げられる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩およびアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
本発明における還元剤は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)および下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素原子数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基またはアミノ基である。)
すなわち、配合される還元剤は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、例えば、炭素原子数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のもの等が挙げられる。
アセチレンアルコール(2)は、一般式(2)で表される。
R’およびR’’における炭素原子数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。R’およびR’’における前記アルキル基としては、例えば、Rにおける前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
また、銀インク組成物(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、β−ケトカルボン酸銀(1)、前記含窒素化合物、前記還元剤およびアセチレンアルコール(2)以外に、さらに他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記他の成分としては、例えば、アセチレンアルコール(2)以外のアルコール(以下、「他のアルコール」と略記することがある)、アセチレンアルコール(2)および前記他のアルコール以外の溶媒等が挙げられる。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、全成分の総配合量に対する、前記他のアルコールおよび溶媒以外の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。また、銀インク組成物(A1)において、全成分の総配合量に対する、前記他のアルコールおよび溶媒以外の成分の配合量の割合の下限値は、特に限定されず、例えば、0質量%であってもよい。
前記他のアルコールは、アセチレンアルコール(2)以外のアルコールであれば特に限定されない。
ただし、前記他のアルコールは、常温で液状であるものが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15℃〜30℃の温度等が挙げられる。
アセチレンアルコール(2)以外のアセチレンアルコールは、前記一般式(2)で表されない、炭素原子間の三重結合(C≡C)を有するアルコールであれば特に限定されない。
アセチレンアルコール(2)以外のアセチレンアルコールは、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよいが、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、炭素原子間の三重結合(C≡C)を有しないアルコールであれば特に限定されず、例えば、一価アルコールおよび二価以上の多価アルコールのいずれでもよく、飽和アルコールおよび不飽和アルコールのいずれでもよく、不飽和アルコールである場合には、脂肪族アルコール(芳香族環式基を有しないアルコール)および芳香族アルコール(芳香族環式基を有するアルコール)のいずれでもよい。
アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。
また、アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、アセチレンアルコール(2)の配合量に対する、前記他のアルコールの配合量の割合は、1質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、前記他のアルコールを用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、前記割合が前記上限値以下であることで、本発明の効果がより顕著に得られる。
前記溶媒は、アセチレンアルコール(2)および前記他のアルコール以外のもの(水酸基を有しないもの)であれば、特に限定されない。
ただし、前記溶媒は、常温で液状であるものが好ましい。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、前記溶媒の配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり0.5モル〜5モルであることが好ましく、0.5モル〜3.5モルであることがより好ましく、0.5モル〜2モルであることが特に好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、前記溶媒を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
また、前記割合が前記上限値以下であることで、本発明の効果がより顕著に得られる。
混合方法は特に限定されず、撹拌子または撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダーまたはビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
銀インク組成物(A1)において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダーまたはビーズミル等を用いて分散させる方法を適用するのが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されない。銀インク組成物(A1)において、配合時間は10分〜36時間であることが好ましい。
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.45倍モル量)と、n−ヘキサン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.63倍モル量)と、をこの順に加えて、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、液温が50℃以下となるように、ビーカー中に2−メチルアセト酢酸銀を添加した。
2−メチルアセト酢酸銀の添加終了後、同様の状態を維持したまま、ビーカー中にシリンジポンプを用いて、ギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.5倍モル量)を10分かけて滴下し、ギ酸の滴下終了後、さらにそのままの状態で1.5時間撹拌した。
次いで、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(以下、「DMHO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.032倍モル量)および4−エチル−1−オクチン−3−オール(以下、「EOO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.004倍モル量)の混合物をビーカー中に添加し、添加終了後、さらにそのままの状態で5分撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
なお、DMHOとしては、エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」を用い、EOOとしては、東京化成工業社製のものを用いた。
ポリカーボネート製の基材の一方の主面に、グラビアオフセット印刷法により、上記で得られた銀インク組成物を塗工して、基材上に配線パターンを形成した。
印刷方法の詳細は以下の通りである。
印刷に用いたグラビア版は、金属製でその表面に導電性薄膜の型となる凹部を有する。グラビア版としては、図1に示すようなグラビア版10を用いた。グラビア版10の配線パターン部20の長手方向と垂直な方向の幅(図1(b)におけるW3)は70μm、凹部30の幅(図1(a)、(b)におけるW1)は15.3μm、凸部40の幅(図1(a)、(b)におけるW2)は12μmであった。
オフセットロールとしては、金属製の筒体の表面がシリコーン樹脂製のブランケット材で被覆されたものを用いた。
このグラビア版10に銀インク組成物を供給し、ドクターブレードを用いてドクタリングを行うことによって版の溝に銀インク組成物を充填させた。余剰の金属インク組成物は除去した。
前記グラビア版10から転写材(ブランケット)へ前記銀インク組成物を転写し、転写材を乾燥し、導電性の被膜を形成した。
転写した銀インク組成物の乾燥方法は二段階で行った。一段階目の加熱処理では、金属銀の形成ではなく銀インク組成物の乾燥を主に行い、二段階目の加熱処理で、金属銀の形成を最後まで行う。一段階目の加熱処理においては、熱風を用い、加熱温度は120℃、加熱時間は5分間とした。二段階目の加熱処理においては、加熱水蒸気にて加湿処理した。加熱温度は120℃、加熱時間は10分間とした。加湿条件下での加熱処理における相対湿度は30%〜90%とした。
なお、「加湿」とは、特に断りのない限り、湿度を人為的に増大させることを意味し、好ましくは相対湿度を5%以上とすることである。加熱処理時には、処理温度が高いことによって、処理環境での湿度が極めて低くなるため、5%という相対湿度は、明らかに人為的に増大されたものであるといえる。
「配線の観察」
得られた配線パターンを、オリンパス社製のデジタルマイクロスコープ(商品名:DSX100)とキーエンス社製のレーザ顕微鏡(商品名:VK−X600)により観察した。
配線パターンにピンホールが全く発生していない場合を「○」、配線パターンにピンホールが僅かに発生している場合を「△」、配線パターンにピンホールが多数発生している場合を「×」と評価した。結果を表1に示す。
配線パターン部20の凹部30の幅(図1(a)、(b)におけるW1)を14.7μm、凸部40の幅(図1(a)、(b)におけるW2)を13μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、基材上に配線パターンを形成した。
得られた配線パターンを、実施例1と同様にして観察した。結果を表1に示す。
図1に示すように、配線パターン部に凸部が設けられていない(配線パターン部が凹部のみからなる)グラビア版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材上に配線パターンを形成した。
得られた配線パターンを、実施例1と同様にして観察した。結果を表1に示す。
なお、実施例2では、配線パターンにピンホールが僅かに発生していたが、上記の銀インク組成物の粘度を調整することにより、配線パターンにピンホールが発生しなくなるものと思われる。
Claims (1)
- 配線パターンを被印刷物に印刷するグラビアオフセット印刷方法であって、
グラビア版に設けられた凹部にインクを充填し、前記グラビア版における前記凹部以外の領域にあるインクを除去するドクタリング工程と、
前記グラビア版からブランケットにインクを移動させる受理工程と、
前記ブランケットから被印刷物にインクを移動させる転写工程と、を有し、
前記グラビア版は、前記凹部の間に多数設けられ、前記凹部の底面よりも前記グラビア版の厚さ方向に突出する凸部を有することを特徴とするグラビアオフセット印刷方法。
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