JP2014080581A - 銀インク組成物及び加熱処理物 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法への適用に好適な銀インク組成物の提供。
【解決手段】式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、前記アセチレンアルコール類の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり、0モルより多く、0.1モル未満であり、20℃における粘度が0.2Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物。(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
[化1]
Figure 2014080581

【選択図】なし

Description

本発明は、銀インク組成物及び加熱処理物に関する。
金属銀は、記録材料や印刷刷版の材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く使用されている。
金属銀の一般的な製造方法としては、これまで、無機化合物である酸化銀を還元剤の存在下で加熱処理する方法が幅広く適用されている。このような条件下で加熱することにより、酸化銀が還元され、生じた金属銀が相互に融着して、金属銀を含む被膜が形成される。しかし、この方法では、還元剤が必要であり、約300℃程度と極めて高温で加熱する必要がある。さらに、金属銀を導電性材料として使用する場合には、抵抗を低減するために、微細な酸化銀粒子を使用する必要がある。
これに対して、このような問題点を解決するために、例えば、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀、β−ケトカルボン酸銀等の有機酸銀を用いる方法が開示されている。例えば、β−ケトカルボン酸銀は、約210℃以下の低温で加熱処理しても速やかに金属銀を形成する(特許文献1参照)。このような優れた特性を生かして、β−ケトカルボン酸銀を溶媒に溶解させて銀インク組成物を調製し、これを基材上に印刷して、得られた印刷物を加熱(焼成)処理することで、金属銀を形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。
国際公開第07/004437号 特開2009−114232号公報
しかし、特許文献2に記載の銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降を伴うことなく調製できる濃度が比較的低く、高粘度のものが得られない。そのため、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等、高粘度インクを使用して基材上にインクを厚盛りすることが必要な印刷法へは適用できず、基材への印刷方法が限定されるという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法への適用に好適な銀インク組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、前記アセチレンアルコール類の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり、0モルより多く、0.1モル未満であり、20℃における粘度が0.2Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物を提供する。
Figure 2014080581
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
本発明の銀インク組成物においては、前記カルボン酸銀が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
Figure 2014080581
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
Figure 2014080581
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−COOAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
本発明の銀インク組成物においては、前記一般式(1)におけるRは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はフェニル基であることが好ましく、前記一般式(1)におけるXは水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましい。
本発明の銀インク組成物においては、前記カルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、アセトンジカルボン酸銀、ピルビン酸銀、酢酸銀、酪酸銀、イソ酪酸銀、2−エチルへキサン酸銀、ネオデカン酸銀、シュウ酸銀及びマロン酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明の銀インク組成物においては、前記アミン化合物として、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択される一種以上が配合されたことが好ましい。
本発明において、前記アセチレンアルコール類は、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3−メチル−1−ペンチン−3−オールからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記銀インク組成物を加熱し、金属銀を形成して得られたことを特徴とする加熱処理物を提供する。
本発明によれば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法への適用に好適な銀インク組成物が提供される。
<銀インク組成物>
本発明に係る銀インク組成物は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、前記アセチレンアルコール類の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり、0モルより多く、0.1モル未満であり、20℃における粘度が0.2Pa・s以上であることを特徴とする。
Figure 2014080581
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
[カルボン酸銀]
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
本発明において、前記カルボン酸銀は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」ではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Figure 2014080581
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又は水酸基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
Figure 2014080581
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−COOAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」、「CY−」及び「R−C(=O)−CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基、又は式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「「R−C(=O)−CY−」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又は水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、カプロイル酢酸銀(CH(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−アセチルピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、2−アセチルイソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、加熱(焼成)処理により形成された加熱処理物(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、前記還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−COOAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、加熱(焼成)処理により形成された処理物(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、前記還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、アセトンジカルボン酸銀、ピルビン酸銀、酢酸銀、酪酸銀、イソ酪酸銀、2−エチルへキサン酸銀、ネオデカン酸銀、シュウ酸銀及びマロン酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
[アミン化合物、アンモニウム塩]
本発明における炭素数2〜25のアミン化合物は、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、炭素数2〜25のアンモニウム塩とは、かかる炭素数の第4級アンモニウム塩である。前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子の数は一つでもよいし、二つ以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環の骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記第4級アンモニウム塩としては、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。
また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の四つのアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、四つのアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
アミン化合物及びアンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
また、前記アミン化合物は、銀インク組成物の品質がより安定することから、分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
前記銀インク組成物は、例えば、二酸化炭素を供給することで、粘度をさらに高くすることが可能であるが、この二酸化炭素供給時において、銀インク組成物中の成分がより均一に分散して、品質が安定する点において、前記アミン化合物は分岐鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。
前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、いずれも一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記混合物におけるアミン化合物及びアンモニウム塩の総配合量は、カルボン酸銀の配合量1モルあたり1〜12.5モルであることが好ましく、1.5〜10モルであることがより好ましい。下限値以上とすることで、アミン化合物及びアンモニウム塩の使用効果がより高くなり、上限値以下とすることで、より良好に金属銀を形成できる。
[アセチレンアルコール(2)]
本発明において、アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表わされる。
一般式(2)において、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合した一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましい前記アセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
本発明において、アセチレンアルコール(2)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記混合物におけるアセチレンアルコール類の配合量は、カルボン酸銀の配合量1モルあたり0モルより多く、0.1モル未満であり、0.09mol以下が好ましく、0.07mol以下がより好ましく、銀インク組成物を調製後、被膜が発生するまでの時間が十分確保できる点から、0.05mol以下が特に好ましい。また、前記混合物におけるアセチレンアルコール類の配合量は、0.001mol以上が好ましく、0.002mol以上がより好ましく、0.004mol以上が特に好ましい。下限値以上、上限値以下とすることで、印刷後の被膜の形成を抑制することができる。
本発明の銀インク組成物は、被膜の形成を抑制することで、例えば、パッド印刷法において、パッド上において、印刷前における被膜形成も抑制することができる。
(その他の成分)
前記混合物は、前記カルボン酸銀、アミン化合物及び/又はアンモニウム塩、並びにアセチレンアルコール(2)以外に、本発明の効果を妨げない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されていてもよい。
前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、好ましいものとして溶媒が例示できる。
前記溶媒としては、アルコール類(ただし、アセチレンアルコール(2)を除く。)、ケトン類、エーテル類、エステル類、一つ以上の水素原子がシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素又は脂肪族炭化水素等の各種有機溶媒や、水が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
(混合物の調製)
前記混合物は、前記カルボン酸銀、アミン化合物及び/又はアンモニウム塩、アセチレンアルコール(2)並びに必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合成分は、混合物中ですべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、0〜50℃であることが好ましい。
[二酸化炭素の供給]
本発明の銀インク組成物は、20℃における粘度が0.2Pa・s以上となるように、前記混合物に二酸化炭素(CO)を供給して得られたものである。供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状及び固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状及び固形状の両方でもよい。二酸化炭素が供給されることにより、この二酸化炭素が前記混合物に溶け込み、混合物中の成分に作用することで、得られる銀インクの粘度が上昇すると推測される。
二酸化炭素ガスの供給は、液体中にガスを吹き込む公知の各種方法で行えばよく、適した供給方法を適宜選択すればよい。例えば、配管の一端を前記混合物中に浸漬し、他端を二酸化炭素ガスの供給源に接続して、この配管を通じて二酸化炭素ガスを混合物に供給する方法が例示できる。この時、配管の端部から直接二酸化炭素ガスを供給してもよいが、例えば、多孔質性のものなど、ガスの流路となり得る空隙部が多数設けられ、導入されたガスを拡散させて微小な気泡として放出することが可能なガス拡散部材を配管の端部に接続し、このガス拡散部材を介して二酸化炭素ガスを供給してもよい。このようにすることで、前記混合物又は銀インク組成物の粘度をより効率的に上昇させることができる。
二酸化炭素ガスの供給量は、供給先の混合物の量や、目的とする銀インク組成物の粘度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
本発明においては、銀インク組成物の粘度を0.2Pa・s以上とするため、例えば、混合物100gあたり4mL/分以上の流量で、5分以上二酸化炭素を供給することが好ましく、10分以上がより好ましく、30分以上が特に好ましい。また、20℃における粘度が10Pa・s以上である銀インク組成物を5〜15g程度得るためには、二酸化炭素ガスを5L以上供給することが好ましく、7L以上供給することがより好ましい。また、同様の粘度の銀インク組成物を50〜150g程度得るためには、二酸化炭素ガスを50L以上供給することが好ましく、70L以上供給することがより好ましい。
二酸化炭素ガスの流量は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量を考慮して適宜調節すればよいが、混合物1gあたり2mL/分以上であることが好ましく、4mL/分以上であることがより好ましい。流量の上限値は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると、混合物1gあたり40mL/分であることが好ましい。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい。
二酸化炭素ガス供給時の前記混合物又は銀インク組成物の温度は、5〜70℃であることが好ましく、7〜60℃であることがより好ましく、10〜50℃であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、より効率的に粘度を上昇させることができ、上限値以下とすることで、不純物が少ないより良好な品質の銀インク組成物が得られる。
二酸化炭素ガスの流量及び供給時間、並びに二酸化炭素ガス供給時の前記温度は、それぞれの値を相互に考慮しながら適した範囲に調節すればよい。例えば、前記温度を低めに設定しても、二酸化炭素ガスの流量を多めに設定するか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に粘度を上昇させることができる。また、二酸化炭素ガスの流量を少なめに設定しても、前記温度を高めにするか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に粘度を上昇させることができる。すなわち、二酸化炭素ガスの流量、二酸化炭素ガス供給時の前記温度として例示した上記数値範囲の中の数値を、二酸化炭素ガスの供給時間も考慮しつつ柔軟に組み合わせることで、良好な品質の銀インク組成物が効率的に得られる。
二酸化炭素ガスの供給は、前記混合物又は銀インク組成物を撹拌しながら行うことが好ましい。このようにすることで、供給した二酸化炭素ガスがより均一に前記混合物又は銀インク組成物中に拡散し、より効率的に粘度を上昇させることができる。
この時の撹拌方法は、混合物調製時の前記混合方法と同様でよい。
ドライアイス(固形状二酸化炭素)の供給は、混合物中にドライアイスを添加することで行えばよい。ドライアイスは、全量を一括して添加してもよいし、分割して段階的に(添加を行わない時間帯を挟んで連続的に)添加してもよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、混合物を撹拌することが好ましく、例えば、混合物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
本発明において、銀インク組成物の20℃における粘度は、0.2Pa・s以上であり、1Pa・s以上であることが好ましい。粘度が0.2Pa・s以上であることで、銀インク組成物は、基材上にインクを厚盛りすることが必要な印刷法に適したものとなり、例えば、フレキソ印刷法に好適である。そして特に、20℃における粘度が10Pa・s以上である銀インク組成物は、スクリーン印刷法に好適である。スクリーン印刷法では、さらに粘度が20〜40Pa・s等の、20Pa・s以上でより高粘度のインクを使用することがあるが、本発明の銀インク組成物は、二酸化炭素ガスの供給量を増大させることで、このようなより高粘度のものも容易に得られる。また、粘度が1Pa・s以上であることで、銀インク組成物は、製造直後だけでなく、保存後であっても沈殿物の発生が抑制され、安定性がより向上する。そして、銀インク組成物の粘度の上限値は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。なお、ここでは銀インク組成物の20℃における粘度について説明したが、銀インク組成物の使用時の温度は、20℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
粘度が低い銀インク組成物は、銀インク組成物を調製後、加熱処理をするまでの間に被膜が発生しやすく、加熱処理後の金属銀の形状が崩れてしまう。これに対し、本発明の銀インク組成物は、粘度を高くすることで、調製してから加熱処理するまでの間に、例えば、5分以上静置したとしても、表面に被膜が発生しない。そのため、加熱処理後の金属銀は、形状及び品質が安定する。
本発明の銀インク組成物は、例えば、80℃〜200℃等の温度で加熱(焼成)処理することにより、カルボン酸銀を熱分解させ、容易に金属銀を形成できる。したがって、例えば、銀インク組成物をフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の各種印刷法に適用し、得られた印刷パターンを加熱処理することで、金属銀のパターンを形成できる。加熱温度は、ケトカルボン酸銀の種類に応じて、適宜調節すればよい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよい。
本発明の銀インク組成物の保存温度は、−30〜25℃であることが好ましく、−20〜10℃であることがより好ましい。このような範囲とすることで、より良好な品質を長期間維持できる。
液状のアミン化合物に二酸化炭素ガスを供給することで、アミン化合物は粘度が上昇することが知られている。しかし、アミン化合物と他の成分が配合された混合物に二酸化炭素ガスを供給した場合、得られる組成物は、必ずしも安定した品質で高粘度のものになるとは限らない。これは、二酸化炭素ガスを供給する混合物の組成によって、得られる組成物の特性が変化することを示している。例えば、アセチレンアルコール(2)と、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩とが配合され、β−ケトカルボン酸銀(1)は配合されていない混合物に、二酸化炭素ガスを供給し、その後にβ−ケトカルボン酸銀(1)を配合すると、得られる銀インク組成物は発泡し、二酸化炭素ガスが組成物から抜けてしまうことが確認されている。そして、組成物の粘度の値は比較的小さい段階で限界(上限値、例えば、1Pa・s未満)に達する。すなわち、組成物中の二酸化炭素ガスの濃度が十分に上昇しないことで、粘度の上限値が低くなると推測される。このように、二酸化炭素ガスの供給時期によっては、所望の高粘度が得られず、かつ品質が安定しないものとなってしまう。
これに対して、本発明の銀インク組成物は、カルボン酸銀、アセチレンアルコール(2)、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩が配合された混合物に二酸化炭素ガスを供給して得ることで、所望の高粘度と安定した品質を有するものとなる。
本発明の銀インク組成物は、カルボン酸銀の沈降を伴うことなく、粘度を向上させることができるので、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の、高粘度インクを使用して基材上にインクを厚盛りすることが必要な印刷法に適しており、微細なパターンを高精度に印刷できる。そして、得られた印刷パターンを加熱処理することで、容易に金属銀のパターンを形成できる。
<加熱処理物>
本発明に係る加熱処理物は、前記銀インク組成物を加熱(焼成)し、金属銀を形成して得られたことを特徴とする。ここで、「加熱」とは、銀インク組成物から金属銀を主成分とする処理物を得るために必要な操作であり、加熱温度はそのような処理物を得るのに必要な温度である。そして、「金属銀を主成分とする」とは、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高いことを意味し、例えば、加熱処理物中の金属銀の比率は99質量%以上であることが好ましい。
前記銀インク組成物の加熱処理時の温度は、好ましくは210℃以下、より好ましくは180℃とすることができる。加熱処理時の温度の下限値は、金属銀を十分に形成できる限り特に限定されないが、50℃であることが好ましい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよく、例えば、0.5〜6時間とすることができる。
前記加熱処理物は、金属銀が十分に形成され、導電性が高い、すなわち体積抵抗率が低いものとすることができ、例えば、体積抵抗率を好ましくは20μΩ・cm以下、より好ましくは15μΩ・cm以下、特に好ましくは10μΩ・cm以下とすることができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
≪銀インク組成物の製造及び評価≫
[実施例1]
2−エチルヘキシルアミン(55.2g)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(0.14g)をフラスコ内に添加して撹拌し、さらにここへ、温度が10℃〜40℃となるように氷冷下2−メチルアセト酢酸銀(42.4g)を添加して、撹拌することで、混合物を得た。なお、撹拌は、SUS製で長さ25mmの撹拌片を3枚供えた撹拌翼を使用して行った。各成分の配合量(モル数)を表1に示す。
次いで、得られた混合物(100g)を15℃において、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、ここへ650mL/分の流量で、140分間、二酸化炭素(CO)ガスを供給(バブリング)し、銀インク組成物を得た。二酸化炭素ガスは、直径10mm、高さ180mmの円柱形エアストーンを介して、微細な気泡状として供給した。
[実施例2]
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を0.31gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法により、銀インク組成物を製造した。
[実施例3]
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を0.60gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法により、銀インク組成物を製造した。
[比較例1]
二酸化炭素ガスの供給を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、銀インク組成物を製造した。
[比較例2]
二酸化炭素ガスの供給を行わなかったこと以外は、実施例2と同様の方法で、銀インク組成物を製造した。
[比較例3]
二酸化炭素ガスの供給を行わなかったこと以外は、実施例3と同様の方法で、銀インク組成物を製造した。
Figure 2014080581
実施例1〜3の銀インク組成物について、下記方法で製造直後の粘度を測定したところ、10Pa・sであった。これに対し、製造直後の比較例1〜3の銀インク組成物の粘度は、比較例1は120mPa・s、比較例2は100mPa・s、比較例3は95mPa・sと、粘度が低かった。
(粘度の測定方法)
温度20℃の環境下で、測定対象物である5gの前記銀インク組成物中に、超音波振動式粘度計(CBC社製「VISCOMATE VM−10A」)のセンサー(振動体)を挿入して、前記混合物又は銀インク組成物の粘度を測定した。
(安定性評価)
得られた銀インク組成物を、20℃で1日間保存し、保存後の銀インク組成物について、沈殿物の有無を確認した。その結果を表2に示す。
なお、下記表2中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は[沈殿物あり]を示す。
Figure 2014080581
表2に示すように、実施例1〜3の銀インク組成物は、保存の前後で沈殿物は認められなかった。
また、実施例1〜3の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
これに対し、比較例1〜3の銀インク組成物は、保存後、分離していた。
≪銀インク組成物の製造及び評価≫
[実施例4〜10]
二酸化炭素の供給時間を変えることで、粘度が表3の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表3に示す。下記表3中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例4〜10の銀インク組成物は、少なくとも製造後しばらくの間は沈殿が生じていなかった。
また、実施例4〜10の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
Figure 2014080581
[実施例11〜17]
二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表4の値となるようにしたこと以外は、実施例3と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表4に示す。下記表4中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例11〜17の銀インク組成物は、少なくとも製造後しばらくの間は沈殿が生じていなかった。
また、実施例11〜17の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
Figure 2014080581
[実施例18〜26、比較例4]
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を0.93gとし、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表5の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表5に示す。下記表5中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例18〜26の銀インク組成物は、少なくとも製造後しばらくの間は沈殿が生じていなかった。そして、銀インク組成物は、粘度が1Pa・s以上となるようにすることで、保存後も沈殿物が発生しないことを確認できた。
また、実施例18〜26の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
Figure 2014080581
[実施例27〜32、比較例5]
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を1.16gとし、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表6の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表6に示す。下記表6中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例27〜32の銀インク組成物は、保存の前後で沈殿物は認められなかった。
また、実施例27〜32の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
Figure 2014080581
[実施例33〜39、比較例6〜7]
(被膜発生時間の評価)
得られた銀インク組成物をそれぞれ使用して、ポリエチレンナフタレート(PEN)製の基材に対してスクリーン印刷を行った。スクリーン版としては、カレンダー処理を行ったステンレス製のものを使用し、乳剤厚10μm、線径18μmの条件で印刷した。その後、アセチレンアルコール(2)の配合量と被膜発生時間の関係を調べた。その結果を表7に示す。
下記表7中、比較例6は、アセチレンアルコールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例33は、上記実施例9と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例34は、上記実施例2と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例35は、上記実施例17と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例36は、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を0.77gとし、二酸化炭素の供給時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例37は、上記実施例26と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例38は、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を1.17gとし、二酸化炭素の供給時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、実施例39は、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を1.75gとし、二酸化炭素の供給時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
下記表7中、比較例7は、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)の添加量を2.33gとし、二酸化炭素の供給時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した、銀インク組成物である。
Figure 2014080581
表7の結果から明らかなように、本発明の銀インク組成物(特に、実施例33〜38)は、印刷後、被膜が発生するまでの時間が十分長く、良好な品質の金属銀(加熱処理物)が得られることを確認できた。
[実施例40〜46、比較例8〜9]
表8に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.19モル)に代えて、イソブチリル酢酸銀(0.19モル)を用い、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの添加量を2−メチルアセト酢酸銀に対して0.006倍モルとするのに代えて、イソブチリル酢酸銀に対して0.025倍モルとし、さらに、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表9の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表9に示す。表9中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例40〜46の銀インク組成物は、保存の前後で沈殿物は認められなかった。
また、実施例40〜46の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
[実施例47〜54、比較例10]
表8に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.19モル)に代えて、アセト酢酸銀(0.19モル)を用い、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの添加量を2−メチルアセト酢酸銀に対して0.006倍モルとするのに代えて、アセト酢酸銀に対して0.025倍モルとし、さらに、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表10の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表10に示す。表10中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例47〜54の銀インク組成物は、少なくとも製造後しばらくの間は沈殿が生じていなかった。そして、銀インク組成物は、粘度が1Pa・s以上となるようにすることで、保存後も沈殿物が発生しないことを確認できた。
また、実施例47〜54の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
[実施例55〜61、比較例11〜12]
表8に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.19モル)に代えて、ピバロイル酢酸銀(0.19モル)を用い、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの添加量を2−メチルアセト酢酸銀に対して0.006倍モルとするのに代えて、ピバロイル酢酸銀に対して0.025倍モルとし、さらに、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表11の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、安定性を評価した。その結果を表11に示す。表11中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例55〜61の銀インク組成物は、少なくとも製造後しばらくの間は沈殿が生じていなかった。
また、実施例55〜61の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
[実施例62〜67、比較例13]
表8に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.19モル)に代えて、アセトンジカルボン酸銀(0.048モル)を用い、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの添加量を2−メチルアセト酢酸銀に対して0.006倍モルとするのに代えて、アセトンジカルボン酸銀に対して0.025倍モルとし、さらに、二酸化炭素ガスの供給時間を変えることで、粘度が表12の値となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造した。そして、得られた銀インク組成物の製造直後と20℃で1日保存後の安定性を評価した。その結果を表12に示す。表12中、○は「沈殿物なし」、△は「一部沈殿物あり」、×は「沈殿物あり」を示す。
実施例62〜67の銀インク組成物は、保存の前後で沈殿物は認められなかった。
また、実施例62〜67の銀インク組成物は、保存の前後で粘度の変化が見られず、安定していた。
Figure 2014080581
Figure 2014080581
Figure 2014080581
Figure 2014080581
Figure 2014080581
表8〜12から明らかなように、カルボン酸銀の種類を変えても、粘度が0.2Pa・s以上となるようにした銀インク組成物は、すべて製造直後において沈殿物は発生せず、品質が安定することを確認できた。さらに、粘度が1Pa・s以上となるようにした銀インク組成物は、すべて保存後も沈殿物が発生しないことを確認できた。
本発明は、印刷法を適用した導電回路等、高導電性の金属銀のパターン形成に利用可能である。

Claims (7)

  1. 式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、前記アセチレンアルコール類の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり、0モルより多く、0.1モル未満であり、20℃における粘度が0.2Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物。
    Figure 2014080581
    (式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
  2. 前記カルボン酸銀が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の銀インク組成物。
    Figure 2014080581
    (式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
    Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
    Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
    は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
    Figure 2014080581
    (式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−COOAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
  3. 前記Rが直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はフェニル基であり、前記Xが水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることを特徴とする請求項2に記載の銀インク組成物。
  4. 前記カルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、アセトンジカルボン酸銀、ピルビン酸銀、酢酸銀、酪酸銀、イソ酪酸銀、2−エチルへキサン酸銀、ネオデカン酸銀、シュウ酸銀及びマロン酸銀からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
  5. 前記アミン化合物として、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択される一種以上が配合されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
  6. 前記アセチレンアルコール類が、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3−メチル−1−ペンチン−3−オールからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の銀インク組成物を加熱し、金属銀を形成して得られたことを特徴とする加熱処理物。
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