JP2018169974A - 透明導電性基板 - Google Patents
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Abstract
Description
容量結合方式のタッチパネルは、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が、誘電体を介してタッチパネルに接触(あるいは接近)する際、新たに寄生容量が発生する。この寄生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネル上における外部導体の位置が検出される。このような投影型容量結合方式のタッチパネルは、例えば、透明基材と、透明基材上に設けられた複数の導電性細線からなる導電パターンと、を備えた透視性電極を含んでいる。導電パターンは、例えば、透光性および導電性を有するITO(Indium Tin Oxide、酸化インジウムスズ)からなる透明導電材料から構成される。
また、導電パターンの電気抵抗値を低くし、これによってタッチ位置の検出精度を向上させるために、導電パターンを構成する材料として、透明導電材料よりも高い導電性を有する銀や銅等の金属材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の透明導電性基板は、一対の透明基材と、該一対の透明基材の間に設けられた複数の導電性細線と、を備え、前記導電性細線の線幅の平均値が5.2μm以下、隣り合う前記導電性細線間の間隔が前記線幅の平均値の24倍以上、前記導電性細線の線幅の最大値と最小値の差が1.3μm以下である。
図1は、本実施形態の透明導電性基板を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の透明導電性基板10は、第一の透明基材20と、第一の透明基材20の一方の主面20aに並列に形成された複数の導電性細線30と、導電性細線30上に、透明な接着層40を介して積層された第二の透明基材50とから概略構成されている。
すなわち、透明導電性基板10は、第一の透明基材20と第二の透明基材50との間に、複数の導電性細線30を備えた積層構造をなしている。
導電性細線30の線幅は、導電性細線30の延在する方向と直交する方向の長さである。
導電性細線30の線幅の平均値が5.2μmを超えると、隣り合う複数の導電性細線30が1本の線のように視認され易くなり、導電性細線30の骨見え性が悪くなるとともに、透明導電性基板10の透過率が低下する。また、導電性細線30の線幅の平均値が3.8μm未満では、導電性細線30が断線しやすくなる。
なお、それぞれの導電性細線30は、その長手方向において、線幅に1μm以下のばらつきがある。そのため、それぞれの導電性細線30の線幅の最大値は、その導電性細線30の線幅が最大となる部分の長さである。また、それぞれの導電性細線30の線幅の最小値は、その導電性細線30の線幅が最小となる部分の長さである。
また、第一の透明基材20に対する導電性細線30の接着性を高めるために、第一の透明基材20の一方の主面20aに高周波処理またはプライマー(Primer)処理を施してもよい。
基材20の構成材料に合成樹脂が含まれる場合、第一の透明基材20は合成樹脂の成形体であることが好ましい。
なお、本明細書においては、第一の透明基材20の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「全ての層が同一であってもよいし、全ての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料および厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
第一の透明基材20が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい第一の透明基材20の厚さとなるようにするとよい。
前記粘着剤層には、例えば、ガラス、プラスチック等からなる透明基材(図示略)を貼り合わせてもよい。
導電性細線30の長さ方向は、導電性細線30の延在方向であって、図1に示すY方向である。導電性細線30は、例えば、直線的に延在している。導電性細線30の幅方向は、第一の透明基材20の一方の主面20aに沿う面内において導電性細線30の長さ方向に対して直交する方向であって、図1に示すX方向である。
微細配線30の厚さは、0.03μm〜2.0μmであることが好ましく、0.05μm〜1.0μmであることがより好ましい。
また、図2に示すように、複数の導電性細線30は、互いに平行な複数の直線状の第1の導電性細線33と、互いに平行な複数の直線状の第2の導電性細線34とを含んでいてもよい。
第1の導電性細線33と第2の導電性細線34とは互いに交差しており、全体として格子状(または網目状)に形成されている。第1の導電性細線33と第2の導電性細線34とが交差する角度は、例えば、90°である。導電性細線30は、メッシュ(Mesh)構造(網目構造)をなす電極を構成する。なお、第1の導電性細線33と第2の導電性細線34とが交差する角度は、90°に限定されない。
金属インク組成物としては、例えば、金属の形成材料が配合されてなる組成物が挙げられる。
前記金属の形成材料は、該当する金属原子(元素)を有し、分解等の構造変化によって金属を生じるものであればよい。このような金属の形成材料としては、例えば、金属塩、金属錯体、有機金属化合物(金属−炭素結合を有する化合物)等が挙げられる。前記金属塩および金属錯体は、有機基を有する金属化合物および有機基を有しない金属化合物のいずれであってもよい。なかでも金属の形成材料は、金属塩であることが好ましく、銀塩または銅塩であることがより好ましく、銀塩であることが特に好ましい。
前記有機銀化合物は、1分子中に有機基および銀原子を有し、分解等の構造変化によって金属銀を生じる化合物である。このような有機銀化合物としては、例えば、有機酸の銀塩、有機銀錯体等が挙げられる。これらのなかでも、有機酸の銀塩が好ましく、カルボン酸銀(カルボン酸の銀塩)がより好ましい。
なお、本明細書において、「ナノ粒子」とは、粒径が1nm以上1000nm未満、好ましくは1nm〜100nmである粒子を意味し、「ナノワイヤー」とは、幅が1nm以上1000nm未満、好ましくは1nm〜100nmであるワイヤーを意味する。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。これらのなかでも、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、反応によって金属銀を形成する、金属銀の形成材料であり、一般式(1)で表される。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
Rにおける前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が挙げられる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR2は、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR3は、炭素原子数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、例えば、炭素原子数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR4およびR5は、それぞれ独立に炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4およびR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、例えば、炭素原子数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR6は、炭素原子数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基または式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1における炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1におけるフェニル基およびベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が挙げられ、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基またはジフェニル基である場合、これらの、X1において隣接する基または原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基および3−チエニル基のいずれでもよい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀およびアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物(A1)の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
前記含窒素化合物は、炭素原子数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素原子数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素原子数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、およびアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
前記アミン化合物は、炭素原子数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素原子数が4〜25である。前記アミン化合物および第4級アンモニウム塩は、鎖状および環状のいずれでもよい。また、アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基は、単環状および多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、フラニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、チエニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、例えば、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素原子数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン等が挙げられる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素原子数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素原子数が1〜19であることが好ましい。
また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム1分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、全てが同じでもよいし、全てが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、例えば、ピリジン等が挙げられる。
また、置換基である前記アリール基およびアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、例えば、2−ブロモベンジルアミン等が挙げられる。ここで、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに金属銀からなる層の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、例えば、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、例えば、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが挙げられる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩およびアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
本発明における還元剤は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)および下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素原子数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基またはアミノ基である。)
すなわち、配合される還元剤は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に選択できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、例えば、炭素原子数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のもの等が挙げられる。
アセチレンアルコール(2)は、一般式(2)で表される。
R’およびR’’における炭素原子数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。R’およびR’’における前記アルキル基としては、例えば、Rにおける前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
また、銀インク組成物(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、β−ケトカルボン酸銀(1)、前記含窒素化合物、前記還元剤およびアセチレンアルコール(2)以外に、さらに他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記他の成分としては、例えば、アセチレンアルコール(2)以外のアルコール(以下、「他のアルコール」と略記することがある)、アセチレンアルコール(2)および前記他のアルコール以外の溶媒等が挙げられる。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、全成分の総配合量に対する、前記他のアルコールおよび溶媒以外の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。また、銀インク組成物(A1)において、全成分の総配合量に対する、前記他のアルコールおよび溶媒以外の成分の配合量の割合の下限値は、特に限定されず、例えば、0質量%であってもよい。
前記他のアルコールは、アセチレンアルコール(2)以外のアルコールであれば特に限定されない。
ただし、前記他のアルコールは、常温で液状であるものが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15℃〜30℃の温度等が挙げられる。
アセチレンアルコール(2)以外のアセチレンアルコールは、前記一般式(2)で表されない、炭素原子間の三重結合(C≡C)を有するアルコールであれば特に限定されない。
アセチレンアルコール(2)以外のアセチレンアルコールは、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよいが、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、炭素原子間の三重結合(C≡C)を有しないアルコールであれば特に限定されず、例えば、一価アルコールおよび二価以上の多価アルコールのいずれでもよく、飽和アルコールおよび不飽和アルコールのいずれでもよく、不飽和アルコールである場合には、脂肪族アルコール(芳香族環式基を有しないアルコール)および芳香族アルコール(芳香族環式基を有するアルコール)のいずれでもよい。
アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。
また、アセチレンアルコール(2)およびそれ以外のアルコールは、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、アセチレンアルコール(2)の配合量に対する、前記他のアルコールの配合量の割合は、1質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、前記他のアルコールを用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、前記割合が前記上限値以下であることで、本発明の効果がより顕著に得られる。
前記溶媒は、アセチレンアルコール(2)および前記他のアルコール以外のもの(水酸基を有しないもの)であれば、特に限定されない。
ただし、前記溶媒は、常温で液状であるものが好ましい。
なかでも、銀インク組成物(A1)において、前記溶媒の配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり0.5モル〜5モルであることが好ましく、0.5モル〜3.5モルであることがより好ましく、0.5モル〜2モルであることが特に好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、前記溶媒を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
また、前記割合が前記上限値以下であることで、本発明の効果がより顕著に得られる。
混合方法は特に限定されず、撹拌子または撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダーまたはビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
銀インク組成物(A1)において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダーまたはビーズミル等を用いて分散させる方法を適用するのが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されない。銀インク組成物(A1)において、配合時間は10分〜36時間であることが好ましい。
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.45倍モル量)と、n−ヘキサン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.63倍モル量)と、をこの順に加えて、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、液温が50℃以下となるように、ビーカー中に2−メチルアセト酢酸銀を添加した。
2−メチルアセト酢酸銀の添加終了後、同様の状態を維持したまま、ビーカー中にシリンジポンプを用いて、ギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.5倍モル量)を10分かけて滴下し、ギ酸の滴下終了後、さらにそのままの状態で1.5時間撹拌した。
次いで、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(以下、「DMHO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.032倍モル量)および4−エチル−1−オクチン−3−オール(以下、「EOO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.004倍モル量)の混合物をビーカー中に添加し、添加終了後、さらにそのままの状態で5分撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
なお、DMHOとしては、エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」を用い、EOOとしては、東京化成工業社製のものを用いた。
図1に示すように、ポリカーボネート製の第一の透明基材20(厚さ0.4mm)の一方の主面20aに、グラビアオフセット印刷法により、上記で得られた銀インク組成物を塗工して、導電性細線30の印刷パターンを形成した。
なお、導電性細線30の印刷パターンは、図1に示すように導電性細線30が並列に形成されている部分(引出線)と、図2に示すように導電性細線30がメッシュ構造をなすように形成されている部分(メッシュ線)とを有する。
印刷に用いた凹版は、金属製でその表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は10.7μm、深さは1.6μm)を有する。オフセットロールとしては、金属製の筒体の表面がシリコーン樹脂製のブランケット材で被覆されたものを用いた。
この版に銀インク組成物を供給し、ドクターブレードを用いてドクタリングを行うことによって版の溝に銀インク組成物を充填させた。余剰の金属インク組成物は除去した。
前記版から転写材(ブランケット)へ前記銀インク組成物を転写し、転写材を乾燥し、導電性の被膜を形成した。
転写した銀インク組成物の乾燥方法は二段階で行った。一段階目の加熱処理では、金属銀の形成ではなく銀インク組成物の乾燥を主に行い、二段階目の加熱処理で、金属銀の形成を最後まで行う。一段階目の加熱処理においては、熱風を用い、加熱温度は120℃、加熱時間は10分間とした。二段階目の加熱処理においては、加熱水蒸気にて加湿処理した。加熱温度は120℃、加熱時間は10分間とした。加湿条件下での加熱処理における相対湿度は30〜90%とした。
なお、「加湿」とは、特に断りのない限り、湿度を人為的に増大させることを意味し、好ましくは相対湿度を5%以上とすることである。加熱処理時には、処理温度が高いことによって、処理環境での湿度が極めて低くなるため、5%という相対湿度は、明らかに人為的に増大されたものであるといえる。
さらに、その樹脂接着フィルムの上に光学処理を施した、第二の透明基材50としてのPET基材(厚さ0.25μm、商品名:9HPET、MCK社製)を貼付し、タッチパネルセンサー(透明導電性基板10)を作製した。
(1) 導電性細線の線幅の測定
得られた透明導電性基板10について、キーエンス社製のレーザ顕微鏡(商品名:VK−X100)を用いて、導電性細線30の線幅を測定した。
導電性細線30の線幅の測定値に基づいて、複数の導電性細線30の線幅の最大値と最小値の差を算出した。
導電性細線30の線幅の測定値に基づいて、導電性細線30の線幅の平均値を算出した。
結果を表1に示す。
得られた透明導電性基板10について、JIS K7361−1に準拠して、ヘーズメーター(商品名:NDH7000SP、日本電色工業社製)を用いて、全光線透過率を測定した。
全光線透過率の測定は、ポリカーボネート製の第一の透明基材20における導電性細線30が形成された一方の主面20aとは反対側の他方の主面20bから光を照射することにより行った。
図5に示す、9点(丸く破線で示す点101〜109)における全光線透過率を測定し、その平均値を透明導電性基板10の全光線透過率とした。
結果を表1に示す。
得られた透明導電性基板10について、目視により、導電性細線の骨見え性を評価した。導電性細線が視認できない場合は骨見え性が「○」、導電性細線が視認できる場合は骨見え性が「×」と評価した。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は11.3μm、深さは2.3μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は12.0μm、深さは2.2μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は12.5μm、深さは2.3μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は11.3μm〜12.6μm、深さは2.3μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は11.6μm、深さは4.0μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
表面に導電性薄膜の型となる溝(開口幅は15.7μm、深さは2.9μm)を有する凹版を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂接着フィルムの上に、PET基材(厚さ0.25μm、商品名:S10、東レ社製)を貼付したこと以外は実施例1と同様にして、参考例1の透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板について、実施例1と同様にして、導電性細線の線幅の測定、透過率の測定および導電性細線の骨見え性の評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (1)
- 一対の透明基材と、該一対の透明基材の間に設けられた複数の導電性細線と、を備え、
前記導電性細線の線幅の平均値が5.2μm以下、
隣り合う前記導電性細線間の間隔が前記線幅の平均値の24倍以上、
前記導電性細線の線幅の最大値と最小値の差が1.3μm以下であることを特徴とする透明導電性基板。
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