JP6532011B2 - 電極およびタッチパネル - Google Patents

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本発明は、電極およびタッチパネルに関する。
コンピュータの発達に伴って、コンピュータの補助装置も共に開発されている。パーソナルコンピュータ、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの種々の入力装置(Input Device)により、テキストおよびグラフィック処理が行われる。
しかし、情報化社会の急速な発達により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、キーボードやマウスだけでは、効率的に装置を駆動させることが難しくなりつつある。そこで、誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を越えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されている。このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置としてタッチパネル(Touch Panel)が開発されている。
タッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置、PDP(Plasma Display
Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などのディスプレイの表示面に設けられ、ユーザがディスプレイを見ながら所望の情報を選択するために利用される機器である。
タッチパネルの種類は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁方式、表面弾性波方式および赤外線方式に区分される。このようなタッチパネルは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性、経済性などを考慮して電子製品に採用される。現在、最も幅広い分野で用いられているタッチパネルは、抵抗膜方式タッチパネルおよび静電容量方式タッチパネルである。
こうしたタッチパネルは、タッチ位置の検出を行うための電極が所定のパターンとなるように形成されている。タッチパネルに用いる電極としては、下層に形成された液晶表示装置の画像などを視認可能するために、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)など、金属酸化物からなる透明電極膜が広く用いられている。しかしながら、金属酸化物を用いた透明電極膜は導電性が低いという課題がある。このため、金や銀など導電性に優れた金属を樹脂組成物に分散させた導電インクを用いて、極細幅でかつ薄膜の低視認性の電極を形成したタッチパネルが知られている。
タッチパネルを構成する電極の形成パターンは、互いに異なる方向に延びる帯状電極を交差させた格子状パターンや、屈曲部を複数組み合わせた波線の帯状電極を所定の間隔で一方向に並べた波形パターンなどが挙げられる。
しかしながら、帯状電極を規則的に配列してなる電極パターンは、その形状によっては特定の個所で電極の一部が認識されやすくなり、結果として表示画像の視認性を妨げるという課題がある。こうした電極パターンの一部が認識されやすくなることを防止するために、例えば、特許文献1では、波形に形成された配線パターン部と、電極パターン部との間に非連続な島部を形成して帯状電極の一部が太く見えてしまうことを防止する構成が開示されている。
特開2014−89585号公報
しかしながら、特許文献に記載されている構成では、波形に形成された配線パターン部において、屈曲部の頂点が並ぶ方向に沿って、人間の錯視によって直線状の仮想パターンが認識されることがある。こうした錯視による仮想パターンによって、タッチパネルの視認性が低下するという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、形成が容易で、かつ、電極パターンの視認性を高めることができる電極およびタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明の電極は、複数の屈折部を電極形成面の第一方向に沿って組み合わせた波線を成す帯状電極を、前記第一方向と直角な第二方向に沿って所定の間隔を開けて複数本配列してなる電極であって、前記屈折部の近傍に、前記帯状電極と離隔し、点状または前記第二方向に対して傾斜した方向に延びる帯状の導電体が設けられ、前記帯状の導電体は、互いにランダムな方向に延びることを特徴とする。
本発明のタッチパネルは、透明基材と、該透明基材に形成された、前記各項に記載の電極と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、形成が容易で、かつ、電極パターンの視認性を高めることができる電極およびタッチパネルを提供することができる。
第一実施形態のタッチパネル用電極およびタッチパネルを示す概略平面図である。 図1のA−A’線に沿う断面図である。 図1のD領域を拡大した要部拡大平面図である。 第二実施形態のタッチパネル用電極およびタッチパネルを示す要部拡大平面図である。 第三実施形態のタッチパネル用電極およびタッチパネルを示す要部拡大平面図である。 第四実施形態のタッチパネル用電極およびタッチパネルを示す要部拡大平面図である。 第一実施形態の変形例のタッチパネル用電極およびタッチパネルを示す概略平面図である。
本発明の電極およびタッチパネルの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
以下、本発明の電極の一実施形態として、タッチパネル向けの電極と、この電極を備えたタッチパネルを例示して説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態におけるタッチパネル向けの電極を備えたタッチパネルを示す概略平面図である。図2は、図1のA−A’線に沿った断面図である。図3は、図1中の点線Dで囲まれた領域を拡大した平面図である。
本実施形態のタッチパネル10は、透明基材(基板)20と、この透明基材20の一面である電極形成面20aに形成されたタッチパネル用電極(電極)50とを備えている。タッチパネル用電極50は、複数配列された帯状電極30と、この帯状電極30に対して離隔して設けられた導電体40とから構成されている。なお、透明基材(基板)20の下部(下層)には、例えば、液晶表示パネル(図示略)などか配置される。
帯状電極30は、複数の屈折部31を電極形成面20aの第一方向(本実施形態ではY方向と称する)沿って複数組み合わせた非直線状の波線を成すように形成されている。タッチパネル用電極50は、こうした波線に形成された帯状電極30を電極形成面20aの第二方向(本実施形態ではX方向と称する)沿って、所定の間隔(所定ピッチ)を保って複数本配列されている。
帯状電極30の屈折部31は、例えば内角θが90゜より大きい角度で屈折した領域である。屈折部31の内角θは、例えば120°〜150°程度であればよいが、特に限定されるものでは無い。本実施形態においては、複数の帯状電極30は、屈折部31の頂点PがX方向に沿った一線上に位置するように配列されている。
導電体40は、帯状電極30に対して離隔して多数配置される。個々の導電体40は、帯状に形成された導電材料からなる。導電体40は、帯状電極30の屈折部31の頂点Pに隣接して、その長辺がX方向に対して傾斜した方向に延びるように、多数配置されている。即ち、本実施形態においては、導電体40は、長辺がX方向に対して90°傾斜したY方向に沿うように、多数配置されている。
このような導電体40を帯状電極30に対して離隔して多数配置することによって、波線の帯状電極30を配列したものを観察した際に生じる、錯視による仮想線Oiの視認を防止する。即ち、波線の帯状電極30をX方向に沿って配列すると、互いに隣接する帯状電極30の屈折部31の頂点P同士を結ぶ仮想線Oiが錯視によって見えることがあり、こうした仮想線Oiは、タッチパネル10の視認性を低下させる虞がある。
しかし、本実施形態のように、仮想線Oiの延長方向であるY方向に対して、長辺が傾斜した方向に延びる帯状の導電体40を帯状電極30の屈折部31の近傍に配置することによって、錯視によって仮想線Oiが視認されることを防止できる。これによって、タッチパネル10に表示される画像などをより鮮明に見ることができ、タッチパネル10の視認性を向上させることが可能になる。
透明基材20としては、例えば、ポリチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどからなる基材が挙げられる。
また、透明基材20と、タッチパネル用電極50との接着力を向上させるために、透明基材20に高周波処理またはプライマー(Primer)処理を施してもよい。
帯状電極30および導電体40は、例えば、導電回路の形成に用いられる導電性のインクから構成されている。導電性のインクとしては、例えば、ポリマー型導電インク、銀インク組成物、市販の金属ペースト、金属ナノインク、金属錯体インク等が用いられる。
また、導電性のインクとしては、帯状電極30の幅や厚さおよび導電体40の大きさや厚さよりも粒子径が小さい金属粒子を含むものを用いることが好ましい。なお、導電体40は、タッチパネル用電極50の抵抗値に関与しないため、抵抗値が高くなるインクを用いて形成してもよい。
なお、帯状電極30および導電体40は導電インクを用いた形成に限定されない。例えば、エッチングによる導電体の形成、導電材料の蒸着による導電体の形成、スパッタリングによる導電体の形成など、公知の導電体の形成方法を採用することができる。
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブ等)等の導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば100〜150℃程度で導電回路をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。
また、本実施形態におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂等)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂等)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のもの等が好適に用いられる。
銀インク組成物としては、例えば、後述する金属銀の形成材料が配合されてなるものが用いられる。
本実施形態では、透明基材20の電極形成面20a上に付着させた銀インク組成物を固化処理することにより、導電回路を形成する。
固化処理は、後述するように透明基材20の電極形成面20a上に付着させた銀インク組成物を加熱(焼成)処理することにより行う。
銀インク組成物において、金属銀の形成材料に由来する銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、後述する方法で形成された導電回路は、より品質の優れたものとなる。前記銀の含有量の上限値は、本実施形態の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると25質量%であることが好ましい。
なお、本明細書において、「金属銀の形成材料に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合された金属銀の形成材料中の銀を意味し、配合後に引き続き金属銀の形成材料を構成している銀と、配合後に金属銀の形成材料が分解して生じた分解物中の銀および銀自体と、の両方を含む概念とする。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成するものである。
本実施形態において、金属銀の形成材料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
[カルボン酸銀]
金属銀の形成材料としては、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀を例示できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある。)および下記一般式(2)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(2)」と略記することがある。)からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」および「カルボン酸銀(2)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Figure 0006532011
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基もしくはフェニル基、水酸基、アミノ基、または一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」もしくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基またはフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基または式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、または一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」もしくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、または1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基もしくはジフェニル基である。)
Figure 0006532011
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基または式「−C(=O)−OAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基もしくはフェニル基、水酸基、アミノ基、または一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」もしくは「R−C(=O)−CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状および環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。
また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基および不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を例示できる。
Rにおける直鎖状または分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基を例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基を例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基を例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基を例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を例示できる。また、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、全ての置換基が同一であってもよいし、全ての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和または不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等を例示でき、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である。そして、一般式「R−CY−」、「CY−」および「R−C(=O)−CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基またはフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
RにおけるRおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基または式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R−C(=O)−CY−」で表される基、水酸基またはフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基または式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、または一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」もしくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。
Xにおけるフェニル基およびベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等を例示でき、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、または1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基もしくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。また、Rにおけるフェニル基およびジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等を例示でき、置換基の数および位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基またはジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基または原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基および3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基を例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、またはベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
前記β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、またはアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60℃〜210℃、より好ましくは60℃〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本実施形態において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(2))
カルボン酸銀(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)または式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものを例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数および位置は特に限定されず、全てのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(2)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、またはマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)およびマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(2)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本実施形態において、カルボン酸銀(2)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
[含窒素化合物]
前記銀インク組成物は、特に金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらに、炭素数25以下のアミン化合物および第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物またはアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される1種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある。)が配合されてなるものが好ましい。
以下、炭素数25以下のアミン化合物を「アミン化合物」、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩を「第4級アンモニウム塩」、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩を「アミン化合物由来のアンモニウム塩」、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩を「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物および第4級アンモニウム塩は、鎖状および環状のいずれでもよい。また、アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等を例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものを例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンを例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子を例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状および多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基を例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基を例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基を例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基を例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基を例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基を例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基を例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基を例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個および窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基を例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミンまたはモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものを例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンを例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等を例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン1分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンを例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン1分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン1分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等を例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン1分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、全てが同じでもよいし、全てが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンを例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本実施形態において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等を例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。
また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム1分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、全てが同じでもよいし、全てが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドを例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物および第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物および第4級アンモニウム塩は、アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状および多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環および芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンを例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンおよび第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位またはアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子の全てが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基は全て同じでもよいし、全て異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物および第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等を例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンを例示できる。
また、置換基である前記アリール基およびアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンを例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンを例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基またはアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンを例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミンまたはN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
また、後述する二酸化炭素供給時において、銀インク組成物(第二の混合物)中の成分がより均一に分散して、品質が安定することから、前記アミン化合物は分岐鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本実施形態において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等を例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本実施形態において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものを例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等を例示できるが、これに限定されない。
本実施形態においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩およびアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩およびアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.4〜15モルであることが好ましく、0.8〜5モルであることがより好ましい。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は安定性がより向上し、導電回路の品質がより向上する。さらに、高温による加熱処理を行わなくても、より安定して導電回路を形成できる。
[還元剤]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものでもよい。還元剤を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、低温での加熱処理でも十分な導電性を有する金属銀(導電体)を形成できる。
そして、前記還元剤は、シュウ酸、ヒドラジンおよび下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)であることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・(3)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基もしくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基またはアミノ基である。)
(還元性化合物)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(HN−NH)および前記一般式(3)で表される化合物(化合物(3))からなる群から選択される1種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基もしくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基またはアミノ基である。
21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものを例示できる。
21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基を例示できる。
21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものを例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(HN−NH・HO)を用いてもよい。
前記還元性化合物は、ギ酸(H−C(=O)−OH)、ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCHCH)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CHCH)、プロパナール(H−C(=O)−CHCH)、ブタナール(H−C(=O)−(CHCH)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CHCH)、ホルムアミド(H−C(=O)−NH)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH)またはシュウ酸であることが好ましい。
銀インク組成物において、還元剤の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.04〜3.5モルであることが好ましく、0.06〜2.5モルであることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物は、より容易に、より安定して導電回路を形成できる。
[アルコール]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものが好ましい。
前記アルコールは、下記一般式(4)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(4)」と略記することがある)であることが好ましい。
アセチレンアルコール(4)は、上述の銀インク組成物の加熱処理により、黒色層を形成する成分として好適である。
Figure 0006532011
(式中、R’およびR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、または1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
(アセチレンアルコール(4))
アセチレンアルコール(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、R’およびR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、または1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’およびR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。R’およびR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものを例示できる。
R’およびR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和または不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等を例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数および位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’およびR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(4)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールを例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(4)の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.03モル〜0.7モルであることが好ましく、0.05モル〜0.5モルであることがより好ましい。このような範囲とすることで、銀インク組成物の安定性がより向上する。また、このような範囲とすることにより後述する固化処理において、導電回路において、黒色層と金属光沢色層を形成し易くなる。
前記アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合で、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤およびアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましいものとしては、アルコール以外の溶媒を例示でき、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合で、その組み合わせおよび比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物中の成分は、全て溶解していてもよいし、一部または全てが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、および前記金属銀の形成材料以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、全ての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、全ての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子または撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5℃〜30℃であることが好ましい。
また、配合時間(混合時間)も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、5分〜120分であることが好ましい。
[二酸化炭素]
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
二酸化炭素は、銀インク組成物製造時のいずれの時期に供給してもよい。
そして、本実施形態においては、例えば、前記金属銀の形成材料および含窒素化合物が配合されてなる第一の混合物に、二酸化炭素を供給して第二の混合物とし、前記第二の混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコールまたはその他の成分を配合する場合、これらは、第一の混合物および第二の混合物のいずれか一方または両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
前記第一の混合物は、配合成分が異なる点以外は、上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。
第一の混合物は、配合成分が全て溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分が全て溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
第一の混合物製造時の配合温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5℃〜30℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5時間〜12時間であることが好ましい。
第一の混合物に供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状および固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状および固形状の両方でもよい。二酸化炭素が供給されることにより、この二酸化炭素が第一の混合物に溶け込み、第一の混合物中の成分に作用することで、得られる第二の混合物の粘度が上昇すると推測される。
二酸化炭素ガスの供給は、液体中にガスを吹き込む公知の各種方法で行えばよく、適した供給方法を適宜選択すればよい。例えば、配管の一端を第一の混合物中に浸漬し、他端を二酸化炭素ガスの供給源に接続して、この配管を通じて二酸化炭素ガスを第一の混合物に供給する方法を例示できる。この時、配管の端部から直接二酸化炭素ガスを供給してもよいが、例えば、多孔質性のもの等、ガスの流路となり得る空隙部が多数設けられ、導入されたガスを拡散させて微小な気泡として放出することが可能なガス拡散部材を配管の端部に接続し、このガス拡散部材を介して二酸化炭素ガスを供給してもよい。また、第一の混合物の製造時と同様の方法で、第一の混合物を撹拌しながら二酸化炭素ガスを供給してもよい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
二酸化炭素ガスの供給量は、供給先の第一の混合物の量や、目的とする銀インク組成物または第二の混合物の粘度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、20℃〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)が5Pa・s以上である銀インク組成物を100g〜1000g程度得るためには、二酸化炭素ガスを100L以上供給することが好ましく、200L以上供給することがより好ましい。なお、ここでは銀インク組成物の20℃〜25℃における粘度について説明したが、銀インク組成物の使用時の温度は、20℃〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
二酸化炭素ガスの流量は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量を考慮して適宜調節すればよいが、第一の混合物1gあたり0.5mL/分以上であることが好ましく、1mL/分以上であることがより好ましい。流量の上限値は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると、混合物1gあたり40mL/分であることが好ましい。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい。
二酸化炭素ガス供給時の第一の混合物の温度は、5℃〜70℃であることが好ましく、7℃〜60℃であることがより好ましく、10℃〜50℃であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、より効率的に二酸化炭素を供給でき、上限値以下とすることで、不純物が少ないより良好な品質の銀インク組成物が得られる。
二酸化炭素ガスの流量および供給時間、並びに二酸化炭素ガス供給時の前記温度は、それぞれの値を相互に考慮しながら適した範囲に調節すればよい。例えば、前記温度を低めに設定しても、二酸化炭素ガスの流量を多めに設定するか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
また、二酸化炭素ガスの流量を少なめに設定しても、前記温度を高めにするか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。すなわち、二酸化炭素ガスの流量、二酸化炭素ガス供給時の前記温度として例示した上記数値範囲の中の数値を、二酸化炭素ガスの供給時間も考慮しつつ柔軟に組み合わせることで、良好な品質の銀インク組成物が効率的に得られる。
二酸化炭素ガスの供給は、第一の混合物を撹拌しながら行うことが好ましい。このようにすることで、供給した二酸化炭素ガスがより均一に第一の混合物中に拡散し、より効率的に二酸化炭素を供給できる。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイス(固形状二酸化炭素)の供給は、第一の混合物中にドライアイスを添加することで行えばよい。ドライアイスは、全量を一括して添加してもよいし、分割して段階的に(添加を行わない時間帯を挟んで連続的に)添加してもよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中および添加後は、第一の混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
第二の混合物の粘度は、銀インク組成物または第二の混合物の取り扱い方法等、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、銀インク組成物をスクリーン印刷法、凹版印刷(グラビア印刷)法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、第二の混合物の20℃〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)は、3Pa・s以上であることが好ましい。なお、ここでは第二の混合物の20℃〜25℃における粘度について説明したが、第二の混合物の使用時の温度は、20℃〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
前記第二の混合物には、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物とする。
このときの銀インク組成物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。そして、得られた銀インク組成物は、配合成分が全て溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分が全て溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
前記還元性化合物配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5℃〜60℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5時間〜12時間であることが好ましい。
前記その他の成分は、先に説明したように、前記第一の混合物および第二の混合物のいずれかの製造時に配合されてもよく、両方の製造時に配合されてもよい。すなわち、第一の混合物および第二の混合物を経て銀インク組成物を製造する過程において、二酸化炭素以外の配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率([その他の成分(質量)]/[金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤、アルコール、およびその他の成分(質量)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
例えば、還元剤の配合時には、得られる配合物(銀インク組成物)は比較的発熱し易い。そして、還元剤の配合時の温度が高い場合、この配合物は、後述する銀インク組成物の加熱処理時と同様の状態になるため、還元剤による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する銀インク組成物は、導電回路形成時において、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電回路を形成できることがある。
また、還元剤の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電回路を形成できることがある。このように、前記カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱処理で、あるいは加熱処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電回路を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
本実施形態においては、還元剤を滴下しながら配合することが好ましく、さらに滴下速度の変動を抑制することで、導電回路の表面粗さをより低減できる傾向にある。
また、本実施形態においては、前記金属銀の形成材料、アルコールおよび含窒素化合物が配合されてなる混合物に、二酸化炭素を供給して、銀インク組成物を製造することも好ましい。この場合、二酸化炭素の供給方法としては、前記と同様の方法が採用できる。
二酸化炭素が供給されてなる銀インク組成物は、例えば、銀インク組成物をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、20℃〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)が、1Pa・s以上であることが好ましい。
導電回路形成工程においては、透明基材20の電極形成面20a上に付着させる銀インク組成物の量、または銀インク組成物における前記金属銀の形成材料の配合量を調節することで、導電回路の厚さを調節できる。
透明基材20の電極形成面20a上に付着させた銀インク組成物を固化処理する場合には、公知の方法で行えばよく、例えば、乾燥処理は、常圧下、減圧下および送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下および不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥および常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18℃〜30℃で大気下において乾燥させる方法を例示できる。
透明基材20の電極形成面20a上に付着させた銀インク組成物を加熱(焼成)処理する場合、その条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が50℃〜500℃であることが好ましく、70℃〜300℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、1分〜5時間であることがより好ましい。前記金属銀の形成材料の中でも前記カルボン酸銀、特に、β−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等の金属銀の形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、従来のものより極めて低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は、特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱、遠赤外線照射による加熱、高熱ガスの吹き付けによる加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、加湿条件下で行ってもよい。そして、常圧下および減圧下のいずれで行ってもよい。
銀インク組成物の加熱処理を加湿条件下で行う場合には、相対湿度10%以上の雰囲気下で行うことが好ましく、相対湿度60%以上の雰囲気下で行うことがより好ましく、相対湿度80%以上の雰囲気下で行うことが特に好ましく、100℃以上に加熱した高圧水蒸気の吹き付けにより行ってもよい。このように加湿条件下で加熱処理することにより、短時間で抵抗値が低い(導電性に優れた)導電回路を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理は、二段階で行ってもよい。例えば、一段階目の加熱処理では、導電回路の形成ではなく銀インク組成物の乾燥を主に行い、二段階目の加熱処理で、導電回路の形成を最後まで行う方法を例示できる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、50℃〜500℃であることが好ましく、70℃〜300℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、1分〜5時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、導電回路が良好に形成されるように、インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60℃〜350℃であることが好ましく、70℃〜250℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
以上のような本実施形態のタッチパネル用電極50を備えたタッチパネル10によれば、導電体40を帯状電極30に対して離隔して多数配置することによって、波線の帯状電極30を配列したものを観察した際に生じる、錯視による仮想線Oiの視認を防止する。即ち、仮想線Oiの延長方向であるY方向に対して、長辺が傾斜した方向に延びる帯状の導電体40を帯状電極30の屈折部31の近傍に配置することによって、錯視によって仮想線Oiが視認されることを防止できる。これによって、タッチパネル10に表示される画像などをより鮮明に見ることができ、タッチパネル10の視認性を向上させることが可能になる。
なお、図1〜3に示す実施形態では、屈折部31の全ての対応位置(近傍)に導電体40を形成しているが、一部の屈折部31の近傍だけに導電体40を形成することもできる。例えば、図7に示す第一実施形態の変形例では、ランダムに選択された帯状電極30の屈折部31の近傍だけに導電体40を形成している。導電体40の形成度合いは、例えば、仮想線Oiが視認されるのを防ぐ程度に間引かれた個数にすることができる。
(第二実施形態)
図4は、本発明の第二実施形態のタッチパネル向けの電極を備えたタッチパネルを示す要部拡大平面図である。なお、以下の第二実施形態の説明において、前述した第一実施形態のタッチパネル用電極を備えたタッチパネルと同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のタッチパネル60は、透明基材20と、透明基材20の電極形成面(一面)20aに形成されたタッチパネル用電極(電極)70とを備えている。タッチパネル用電極70は、複数配列された帯状電極30と、この帯状電極30に対して離隔して設けられた導電体80とから構成されている。
帯状電極30は、複数の屈折部31を電極形成面20aの第一方向(本実施形態ではY方向と称する)沿って複数組み合わせた非直線状の波線を成すように形成されている。タッチパネル用電極50は、こうした波線に形成された帯状電極30を電極形成面20aの第二方向(本実施形態ではX方向と称する)沿って、所定の間隔(所定ピッチ)を保って複数本配列されている。
導電体80は、帯状電極30に対して離隔して多数配置される。本実施形態の導電体80は、点状の導電材料が例えばY方向に沿うように配列されて、1つ(一か所)の導電体80を構成している。こうした点状の導電材料を並べてなる導電体80を、帯状電極30の屈折部31の頂点Pに隣接して多数配置している。
このような点状の導電材料からなる導電体80を帯状電極30に対して離隔して多数配置することによって、波線の帯状電極30を配列したものを観察した際に生じる、錯視による仮想線Oiの視認を防止する。即ち、仮想線Oiの延長方向であるY方向に対して、点状の導電材料からなる導電体80を帯状電極30の屈折部31の近傍に配置することによって、錯視によって仮想線Oiが視認されることを防止できる。これによって、タッチパネル60に表示される画像などをより鮮明に見ることができ、タッチパネル60の視認性を向上させることが可能になる。
なお、この実施形態においても、全ての屈折部31に対応する位置に導電体80を形成せずに、任意の屈折部31に対応する位置に導電体80を形成することもできる。
(第三実施形態)
図5は、本発明の第三実施形態のタッチパネル向けの電極を備えたタッチパネルを示す要部拡大平面図である。なお、以下の第三実施形態の説明において、前述した第一実施形態のタッチパネル用電極を備えたタッチパネルと同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のタッチパネル90は、透明基材20と、透明基材20の電極形成面(一面)20aに形成されたタッチパネル用電極(電極)100とを備えている。タッチパネル用電極100は、複数配列された帯状電極30と、この帯状電極30に対して離隔して設けられた導電体110とから構成されている。
帯状電極30は、複数の屈折部31を電極形成面20aの第一方向(本実施形態ではY方向と称する)沿って複数組み合わせた非直線状の波線を成すように形成されている。タッチパネル用電極90は、こうした波線に形成された帯状電極30を電極形成面20aの第二方向(本実施形態ではX方向と称する)沿って、所定の間隔(所定ピッチ)を保って複数本配列されている。
導電体110は、帯状電極30に対して離隔して多数配置される。本実施形態の導電体110は、帯状の導電材料を帯状電極30の屈折部31の頂点Pに隣接して多数配置している。個々の導電体110は、例えば、帯状電極30の屈折部31を構成する一方の向きS1や他方の向きS2に対して長辺が沿うように形成されている。
このような導電体110を帯状電極30に対して離隔して多数配置することによって、波線の帯状電極30を配列したものを観察した際に生じる、錯視による仮想線Oiの視認を防止する。即ち、仮想線Oiの延長方向であるY方向に対して、導電体110を帯状電極30の屈折部31の近傍に配置することによって、錯視によって仮想線Oiが視認されることを防止できる。これによって、タッチパネル90に表示される画像などをより鮮明に見ることができ、タッチパネル90の視認性を向上させることが可能になる。
なお、この実施形態においても、全ての屈折部31に対応する位置に導電体110を形成せずに、任意の屈折部31に対応する位置に導電体110を形成することもできる。
(第四実施形態)
図6は、本発明の第四実施形態のタッチパネル向けの電極を備えたタッチパネルを示す要部拡大平面図である。なお、以下の第四実施形態の説明において、前述した第一実施形態のタッチパネル用電極を備えたタッチパネルと同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のタッチパネル120は、透明基材20と、透明基材20の電極形成面(一面)20aに形成されたタッチパネル用電極(電極)130とを備えている。タッチパネル用電極130は、複数配列された帯状電極30と、この帯状電極30に対して離隔して設けられた導電体140とから構成されている。
帯状電極30は、複数の屈折部31を電極形成面20aの第一方向(本実施形態ではY方向と称する)沿って複数組み合わせた非直線状の波線を成すように形成されている。タッチパネル用電極130は、こうした波線に形成された帯状電極30を電極形成面20aの第二方向(本実施形態ではX方向と称する)沿って、所定の間隔(所定ピッチ)を保って複数本配列されている。
導電体140は、帯状電極30に対して離隔して多数配置される。本実施形態の導電体140は、帯状の導電材料を帯状電極30の屈折部31の頂点Pに隣接して多数配置している。個々の導電体140は、その長辺の向きがX方向に対して傾斜した方向で、かつ形成位置がランダムになるように配置されている。
なお、本実施形態では、個々の導電体140は形成位置がランダムになるように配置されているが、個々の導電体140の向き(X方向に対する角度)がランダムになるように形成することもできる。この場合、導電体140の形成位置か、導電体140の向きの少なくとも一方、あるいは両方がランダムとなるようにすることができる。
このような導電体140を帯状電極30に対して離隔して多数ランダムに配置することによって、波線の帯状電極30を配列したものを観察した際に生じる、錯視による仮想線Oiの視認を防止する。即ち、仮想線Oiの延長方向であるY方向に対して、導電体140を帯状電極30の屈折部31の近傍にランダムに配置することによって、錯視によって仮想線Oiが視認されることを防止できる。これによって、タッチパネル120に表示される画像などをより鮮明に見ることができ、タッチパネル120の視認性を向上させることが可能になる。
以上、本発明の電極およびこの電極を適用したタッチパネルの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、導電体の大きさや形状は特に限定されず、任意のサイズで、かつ任意の形状とすることができる。一例として、導電体が、○点状、三角形状、四角形状、五角形以上の多角形状、星形などであってもよい。
また、それぞれの導電体の形成位置は、波線の帯状電極の屈曲部の近傍であれば特に限定されるものでは無く、屈曲部の近傍の任意の位置において、第二方向に対して任意の角度で傾斜した方向に延びるように形成することができる。
また、透明基材の電極形成面に形成された帯状電極や導電体を覆うように、更に絶縁層が形成されていることも好ましい。
なお、上述した実施形態では、電極の一適用例として、タッチパネル用電極とこれを用いたタッチパネルを例示したが、本発明の電極はタッチパネル用に限定されるものでは無い。例えば、透明性が求められる電磁波シールドや、各種透明電極などに適用することができる。
また、上述した実施形態では、電極形成面を透明基材の一方の面にした例を挙げているが、透明基材の両面を電極形成面とすることもできる。この場合、一方の電極形成面と他方の電極形成面とで形成する電極のパターンは互いに同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。また、電極を複数重ねて積層するなどして、静電容量式のタッチパネルの電極として構成することもできる。
10・・・タッチパネル、20・・・透明基材、30・・・帯状電極、40・・・導電体、50・・・タッチパネル用電極(電極)。

Claims (2)

  1. 複数の屈折部を電極形成面の第一方向に沿って組み合わせた波線を成す帯状電極を、前記第一方向と直角な第二方向に沿って所定の間隔を開けて複数本配列してなる電極であって、
    前記屈折部の近傍に、前記帯状電極と離隔し、点状または前記第二方向に対して傾斜した方向に延びる帯状の導電体が設けられ、
    前記帯状の導電体は、互いにランダムな方向に延びることを特徴とする電極。
  2. 透明基材と、該透明基材に形成された、請求項1に記載の電極と、を備えたことを特徴とするタッチパネル。
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