JP2014192206A - 配線の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱(焼成)処理温度約80℃という低温でも十分な導電性を有する配線の形成方法の提供。
【解決手段】銀化合物が配合されてなる銀インク組成物により配線を形成する方法であって、基材上に前記銀インク組成物を付着させる付着工程、乾燥により金属銀からなる膜を形成する第一の乾燥工程、所定時間溶媒に浸漬させる溶媒浸漬工程、溶媒浸漬工程の後に再び乾燥させる第二の乾燥工程からなることを特徴とする配線の形成方法を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】銀化合物が配合されてなる銀インク組成物により配線を形成する方法であって、基材上に前記銀インク組成物を付着させる付着工程、乾燥により金属銀からなる膜を形成する第一の乾燥工程、所定時間溶媒に浸漬させる溶媒浸漬工程、溶媒浸漬工程の後に再び乾燥させる第二の乾燥工程からなることを特徴とする配線の形成方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、銀インク組成物を焼成して得られる配線の形成方法に関する。
金属銀は、記録材料や印刷刷版の材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く使用されている。
これまでに金属銀の一般的な形成方法としては、例えば、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀、β−ケトカルボン酸銀等の有機酸銀を用いる方法が開示されている。例えば、β−ケトカルボン酸銀は、約210℃以下の低温で加熱処理しても速やかに金属銀を形成する。このような優れた特性を生かして、β−ケトカルボン酸銀を溶媒に溶解させて銀インク組成物を調製し、これを基材上に印刷して、得られた印刷物を加熱(焼成)処理することで、金属銀を形成する方法が開示されている(特許文献1参照)。
これまでに金属銀の一般的な形成方法としては、例えば、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀、β−ケトカルボン酸銀等の有機酸銀を用いる方法が開示されている。例えば、β−ケトカルボン酸銀は、約210℃以下の低温で加熱処理しても速やかに金属銀を形成する。このような優れた特性を生かして、β−ケトカルボン酸銀を溶媒に溶解させて銀インク組成物を調製し、これを基材上に印刷して、得られた印刷物を加熱(焼成)処理することで、金属銀を形成する方法が開示されている(特許文献1参照)。
一方で、金属銀形成時の加熱(焼成)処理については、加熱(焼成)温度のさらなる低温化が期待されている。その理由は、加熱(焼成)温度が低温となることで、銀インク組成物を印刷して加熱(焼成)処理を行う基材の材質に関する制約が少なくなり、耐熱性が高くない材質の基材も用いることができるようになり、銀インク組成物の利用範囲が大きく広がるからである。例えば、通信機器の筐体に、このような耐熱性が高くない材質を用いた場合に、筐体の一部を電子回路の基材として用いることが可能になるなど、通信機器の設計の自由度が飛躍的に向上する。
通信機器の筐体に使われる樹脂としては、比較的耐熱性の低いポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイなどが開示されている(特許文献2参照)。
通信機器の筐体に使われる樹脂としては、比較的耐熱性の低いポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイなどが開示されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献1に記載のインクおよび形成方法では、特許文献2記載のポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイへの導電配線を形成することができない場合がある、という問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加熱(焼成)処理温度約80℃という低温でも十分な導電性を有する配線の形成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、銀化合物が配合されてなる銀インク組成物により配線を形成する方法であって、基材上に前記銀インク組成物を付着させる付着工程、乾燥により金属銀からなる膜を形成する第一の乾燥工程、所定時間溶媒に浸漬させる溶媒浸漬工程、溶媒浸漬工程の後に再び乾燥させる第二の乾燥工程からなることを特徴とする配線の形成方法を提供する。
本発明の配線の形成方法においては、前記溶媒浸漬工程の溶媒が、極性溶媒であることが好ましい。
本発明の配線の形成方法においては、前記極性溶媒がアセトンであることが好ましい。
本発明の配線の形成方法においては、前記銀インク組成物が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀からなる群から選択される一種以上の銀化合物と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物からなる群から選択される一種以上の還元性化合物と、が配合されてなるインクであることが好ましい。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
本発明によれば、ポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイに加熱(焼成)処理温度約80℃という低温で導電配線を形成することができる。
本発明は配線を形成する方法であって、銀インク組成物を基材上に付着させる付着工程、前記インク組成物が付着された基材を乾燥させる第一の乾燥工程、塗膜形成された基材を所定時間溶媒に浸漬させる溶媒浸漬工程、溶媒浸漬させた基材を再び乾燥させる第二の乾燥工程を含む。
<銀インク組成物>
本発明で用いられる銀インク組成物は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀(以下、単に「カルボン酸銀」と略記することがある)と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)と、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)と、が配合されてなることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
本発明で用いられる銀インク組成物は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀(以下、単に「カルボン酸銀」と略記することがある)と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)と、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)と、が配合されてなることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
前記還元性化合物を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成しやすくなり、例えば、低温短時間での加熱(焼成)処理で十分な導電性を有する金属銀(導電体)を形成しやすくなる。
[カルボン酸銀]
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。本発明において、前記カルボン酸銀は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。本発明において、前記カルボン酸銀は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY2−」、「CY3−」、「R1−CHY−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY−」若しくは「R6−C(=O)−CY2−」で表される基である。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY2−」、「CY3−」、「R1−CHY−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY−」若しくは「R6−C(=O)−CY2−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH2)、アリル基(2−プロペニル基、−CH2−CH=CH2)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH3)、イソプロペニル基(−C(CH3)=CH2)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH2−CH3)、2−ブテニル基(−CH2−CH=CH−CH3)、3−ブテニル基(−CH2−CH2−CH=CH2)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C6H5)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R1−CY2−」、「CY3−」及び「R6−C(=O)−CY2−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるR1は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C6H5−)であり、R1における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R6−C(=O)−CY2−」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、R6は、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C6H5−CH2−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C2H5−O−CH=CH−)、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるR7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(C4H3S−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C6H5−C6H4−)である。R7における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、R7におけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C6H4−NO2」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、ベンジル基、又は一般式「R7−C(=O)−」で表される基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH3)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2CH3)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CH3CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、ピバロイル酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2CH2CH2CH3)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2C6H5)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C6H5−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−アセチルピバロイル酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH(−C(=O)−CH3)−C(=O)−OAg)、2−アセチルイソブチリル酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH(−C(=O)−CH3)−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、前記還元性化合物等の還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−COOAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−COOAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
R8における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH2−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH2−」で表される基だけでなく、式「−CH2−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH2−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH3−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH3−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH3−(CH2)2−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CH3)2CH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH3−(CH2)3−CH(CH2CH3)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH3−(CH2)5−C(CH3)2−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、前記還元性化合物等の還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、アセトンジカルボン酸銀、ピルビン酸銀、酢酸銀、酪酸銀、イソ酪酸銀、2−エチルへキサン酸銀、ネオデカン酸銀、シュウ酸銀及びマロン酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
[含窒素化合物]
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
本発明において、前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH2)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本発明において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF3)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記銀インク組成物において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.2〜15モルであることが好ましく、0.3〜5モルであることがより好ましい。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、高温による加熱(焼成)処理を行わなくても、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、高温による加熱(焼成)処理を行わなくても、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。
[還元性化合物]
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。
R21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基が例示できる。
R21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(H2N−NH2・H2O)を用いてもよい。
前記還元性化合物は、ギ酸(H−C(=O)−OH)、ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH3)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCH2CH3)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CH2)3CH3)、プロパナール(H−C(=O)−CH2CH3)、ブタナール(H−C(=O)−(CH2)2CH3)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CH2)4CH3)、ホルムアミド(H−C(=O)−NH2)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH3)2)又はシュウ酸であることが好ましい。
前記銀インク組成物において、前記還元性化合物の配合量は、前記還元性化合物中のカルボニル基(−C(=O)−)のモル数が、前記カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基のモル数の、好ましくは0.16〜3倍、より好ましくは0.2〜2.4倍、特に好ましくは0.24〜2倍となるように、調節する。すなわち、本発明において、配合された前記カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基のモル数に対する、配合された前記還元性化合物中のカルボニル基のモル数の比([還元性化合物中のカルボニル基のモル数]/[カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基のモル数]、モル比)が、好ましくは0.16〜3倍、より好ましくは0.2〜2.4倍、特に好ましくは0.24〜2倍である。例えば、還元性化合物がカルボニル基を1個有するもので、カルボン酸銀が式「−COOAg」で表される基を1個有するものである場合には、還元性化合物の配合量をカルボン酸銀の配合量に対して、好ましくは0.16〜3倍モル、より好ましくは0.2〜2.4倍モル、特に好ましくは0.24〜2倍モルとすればよい。また、例えば、還元性化合物がカルボニル基を2個有するもので、カルボン酸銀が式「−COOAg」で表される基を1個有するものである場合には、還元性化合物の配合量をカルボン酸銀の配合量に対して、好ましくは0.08〜1.5倍モル、より好ましくは0.1〜1.2倍モル、特に好ましくは0.12〜1倍モルとすればよい。
前記還元性化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、高温による加熱(焼成)処理を行わなくても、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。また、前記還元性化合物の配合量が多い方が、後述するように前記還元性化合物を滴下しながら配合する場合に、その滴下速度の変動を容易に抑制できる。
前記還元性化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、高温による加熱(焼成)処理を行わなくても、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。また、前記還元性化合物の配合量が多い方が、後述するように前記還元性化合物を滴下しながら配合する場合に、その滴下速度の変動を容易に抑制できる。
[その他の成分]
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元性化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記その他の成分で好ましいものとしては、アルコール及びアルコール以外の溶媒が例示できる。
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元性化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記その他の成分で好ましいものとしては、アルコール及びアルコール以外の溶媒が例示できる。
(アルコール)
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.03〜0.7モルであることが好ましく、0.05〜0.3モルであることがより好ましい。このような範囲とすることで、銀インク組成物製造時における前記還元性化合物配合前の混合物の安定性がより向上する。
(溶媒)
前記溶媒は、前記アルコール以外のものであり、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
前記溶媒は、前記アルコール以外のものであり、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
前記銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
[銀インク組成物の製造方法]
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元性化合物、並びに必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元性化合物、並びに必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい
前記銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10分〜36時間であることが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10分〜36時間であることが好ましい。
例えば、前記カルボン酸銀及び還元性化合物を共に配合した場合、得られる混合物(銀インク組成物)は比較的発熱し易い。そして、これらを配合時の温度が高い場合、この混合物は、後述する銀インク組成物の加熱(焼成)処理時と同様の状態になるため、前記還元性化合物による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する銀インク組成物は、後述する導電体の製造時において、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電体(金属銀)を形成できることがある。また、還元性化合物の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電体を形成できることがある。このように、前記カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱(焼成)処理で、あるいは加熱(焼成)処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電体を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
本発明においては、例えば、前記カルボン酸銀及び含窒素化合物を配合した後、前記還元性化合物を配合して、前記銀インク組成物を製造する場合には、前記還元性化合物を滴下しながら配合することが好ましく、さらに滴下速度の変動を抑制することで、後述する導電体の表面粗さをより低減できる傾向にある。
<配線の形成方法>
本発明に係る配線の形成方法は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成する加熱(焼成)処理として、第一の乾燥工程、溶媒浸漬工程、第二の乾燥工程を含むことを特徴とするものである。ここで、「加熱(焼成)処理」とは、前記銀インク組成物の溶媒を揮発・乾燥させ、金属銀からなる膜を形成する為の処理を意味し、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイの耐熱温度以下であり、加熱(焼成)処理時間短縮の為に、80℃以下であることが好ましい。
また、加熱(焼成)処理の時間は、導電性能が劣化しない限り特に制限されるものではないが、0.2〜12時間であることが好ましい。
本発明に係る配線の形成方法は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成する加熱(焼成)処理として、第一の乾燥工程、溶媒浸漬工程、第二の乾燥工程を含むことを特徴とするものである。ここで、「加熱(焼成)処理」とは、前記銀インク組成物の溶媒を揮発・乾燥させ、金属銀からなる膜を形成する為の処理を意味し、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイの耐熱温度以下であり、加熱(焼成)処理時間短縮の為に、80℃以下であることが好ましい。
また、加熱(焼成)処理の時間は、導電性能が劣化しない限り特に制限されるものではないが、0.2〜12時間であることが好ましい。
前記配線は、例えば、基材上に銀インク組成物を付着させ、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理を適宜選択して行うことで製造できる。加熱(焼成)処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
基材は、フィルム状又はシート状又は筐体のような硬質なものなどが好ましく、厚さが10〜5000μmであることが好ましい。
基材は、フィルム状又はシート状又は筐体のような硬質なものなどが好ましく、厚さが10〜5000μmであることが好ましい。
基材の材質は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、基材の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が例示できる。
また、基材は、ガラスエポキシ樹脂等の、二種以上の材質からなるものでもよい。
また、基材の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が例示できる。
また、基材は、ガラスエポキシ樹脂等の、二種以上の材質からなるものでもよい。
本発明においては、前記合成樹脂等を混合して得られるポリマーアロイが特に好ましい。具体的には、ポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイ(PC/ABSアロイ)、ポリカーボネート(PC)樹脂とポリスチレン樹脂のポリマーアロイ(PC/PSアロイ)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイ(PBT/ABSアロイ)などが例示できる。
基材は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
[付着工程]
銀インク組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
銀インク組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
[乾燥工程]
銀インク組成物の乾燥処理は、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
銀インク組成物の乾燥処理は、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
銀インク組成物を加熱処理する場合、加熱処理時の温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃とすることができる。加熱処理時の温度の下限値は、金属銀を効率的に形成できる限り特に限定されないが、50℃であることが好ましい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよく、例えば、0.1〜6時間とすることができる。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよく、例えば、0.1〜6時間とすることができる。
[溶媒浸漬工程]
本発明に係る溶媒浸漬工程は、公知の方法で行えばよく、例えば溶媒に一定時間ディップする方法が挙げられるが、溶媒を連続して噴霧する方法、溶媒を含ませたスポンジ等で挟み一定時間放置する方法などのいずれでもよい。
また、溶媒浸漬時間は、配線に求められる導電性能に応じて適宜調整すればよく、例えば0.1〜6時間とすることができる。
本発明に係る溶媒浸漬工程は、公知の方法で行えばよく、例えば溶媒に一定時間ディップする方法が挙げられるが、溶媒を連続して噴霧する方法、溶媒を含ませたスポンジ等で挟み一定時間放置する方法などのいずれでもよい。
また、溶媒浸漬時間は、配線に求められる導電性能に応じて適宜調整すればよく、例えば0.1〜6時間とすることができる。
前記溶媒は、乾燥処理の条件に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を含めた非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
液温が50℃以下となるように、2−エチルヘキシルアミン(48.7g)に2−メチルアセト酢酸銀(11.3g)を添加して、15分間撹拌することにより、液状物を得た。この液状物に、反応液の温度が50℃以下となるように、ギ酸(8.04g)を30分間かけて滴下した。ギ酸の滴下終了後、25℃にて反応液をさらに1.5時間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
液温が50℃以下となるように、2−エチルヘキシルアミン(48.7g)に2−メチルアセト酢酸銀(11.3g)を添加して、15分間撹拌することにより、液状物を得た。この液状物に、反応液の温度が50℃以下となるように、ギ酸(8.04g)を30分間かけて滴下した。ギ酸の滴下終了後、25℃にて反応液をさらに1.5時間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
得られた銀インク組成物を使用して、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(東レ社製「ルミラーS10」、厚さ100μm)上にパッド印刷を行った。パッド印刷するパターン版としては、鉄製で版深さ40μm、画線濃度100%、3×60mmの長方形パターンのものを用い、ポリ塩化ビニル製パッドの押し込み量は10mmの条件で印刷した。
次いで、得られた印刷パターンを、80℃で2時間乾燥(加熱焼成処理)した後、25℃環境下でアセトンに2時間浸漬させ、再度80℃で2時間乾燥することにより後処理を行い、金属銀からなる配線を形成した。
形成したパターンについて、線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm2)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、パターンの体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出した。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(三和電気計器社製「PC7000」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて測定した。また、「t=A/線幅W」より厚みtを算出した。
形成したパターンについて、線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm2)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、パターンの体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出した。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(三和電気計器社製「PC7000」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて測定した。また、「t=A/線幅W」より厚みtを算出した。
[比較例1]
25℃環境下でアセトンに2時間浸漬させる工程を省略した以外、すなわち4時間連続して乾燥させた以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、さらに配線の製造および評価を試みた。実施例と比較例の結果を表1に示す。
25℃環境下でアセトンに2時間浸漬させる工程を省略した以外、すなわち4時間連続して乾燥させた以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、さらに配線の製造および評価を試みた。実施例と比較例の結果を表1に示す。
表1に示す通り、実施例の配線の形成方法は、溶媒浸漬工程により80℃という低い加熱焼成温度でも抵抗値を著しく低下させることができ、配線として十分有用な導電性を有することができた。また、印刷する基材をポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム)からポリカーボネート(PC)樹脂やポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイへ替えても、同様の効果を確認することができた。
本発明の配線の形成方法を採用することで、通信機器等の電子機器の筐体として一般的な比較的耐熱性の低いポリカーボネート(PC)樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)のポリマーアロイに高導電性の金属銀のパターン形成が可能である。
Claims (4)
- 銀化合物が配合されてなる銀インク組成物により配線を形成する方法であって、基材上に前記銀インク組成物を付着させる付着工程、乾燥により金属銀からなる膜を形成する第一の乾燥工程、所定時間溶媒に浸漬させる溶媒浸漬工程、溶媒浸漬工程の後に再び乾燥させる第二の乾燥工程からなることを特徴とする配線の形成方法。
- 前記溶媒浸漬工程の溶媒が、極性溶媒であることを特徴とする請求項1記載の配線形成方法。
- 前記極性溶媒が、アセトンであることを特徴とする請求項2記載の配線の形成方法。
- 前記銀インク組成物が、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀からなる群から選択される一種以上の銀化合物と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物からなる群から選択される一種以上の還元性化合物と、が配合されてなるインクであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線の形成方法。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
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