本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、酸化窒化シリコン膜とは、その組成において、酸素と、窒素と、シリコンと、を成分として含有し、且つ、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多い膜である。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成において、窒素と、酸素と、シリコンと、を成分として含有し、且つ、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多い膜である。また、酸化シリコン膜とは、酸素と、シリコンと、を成分として含有した膜である。
例えば、酸化窒化シリコン膜は、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0原子%以上10原子%以下の範囲で含まれる膜である。また、窒化酸化シリコン膜は、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上25原子%以下の範囲で含まれる膜である。また、酸化シリコン膜は、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0原子%以上0.5原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0原子%以上5原子%以下、Arが0原子%以上5原子%以下の範囲で含まれる膜である。
但し、上記範囲は、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry、ラザフォード後方散乱法)や、HFS(Hydrogen Forward Scattering、水素前方散乱法)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の含有比率は、その合計が100原子%を超えない値をとる。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置の一例について、図1および図2を用いて説明する。
図1はトランジスタ200を有する半導体装置の断面図である。トランジスタ200は、絶縁表面を有する基板100上のゲート電極102と、ゲート電極102上の酸化物半導体膜106と、ゲート電極102と酸化物半導体膜106の間のゲート絶縁膜104と、酸化物半導体膜106と接するソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bを有する。また、トランジスタ200上には、保護膜が設けられている。より具体的には、酸化物半導体膜106に接して第1の保護膜110が設けられ、第1の保護膜110上に第2の保護膜112が設けられている。
ここで、積層された保護膜のうち、トランジスタ200から見て外側である第2の保護膜112に、密度の高い酸化窒化シリコン膜を用いる。具体的には密度が2.32g/cm3以上、好ましくは2.36g/cm3以上の酸化窒化シリコン膜を用いる。
酸化窒化シリコン膜の密度を高めることで、水を含む雰囲気下であっても、水の混入を防ぐ効果が高く、膨潤が少ない膜とすることができる。具体的には、密度の高い酸化窒化シリコン膜を用いることで、加速試験の一種であるPCT(Pressure Cooker Test、プレッシャークッカー試験)またはHAST(Highly Accelerated Stress Test、高加速ストレス試験)を行ったとき、試験後の膨潤率が4体積%以下、好ましくは2体積%以下の膜とすることができる。
なお本明細書等において特に言及しない場合、PCTおよびHASTは下記の条件で行うこととする。
PCT:温度130℃、相対湿度100%、試験時間12時間
HAST:温度130℃、相対湿度85%、試験時間12時間
また、酸化窒化シリコン膜の膨潤率は、PCTおよびHAST等の試験前と試験後に分光エリプソメータにより膜厚を測定し、下記の数式1を用いて求めた値とする。
膨潤率(体積%)=(試験後膜厚−試験前膜厚)/(試験前膜厚)×100 (数式1)
ただし膜厚の測定方法は分光エリプソメータに限定されず、XRR(X線反射率法)、TEM(透過型電子顕微鏡)等により測定してもよい。
高密度な酸化窒化シリコン膜を第2の保護膜112に用いることで、トランジスタ200を有する半導体装置への水の混入を低減することができる。そのため、酸化物半導体膜106への水素原子の混入を低減し、トランジスタ200の特性の変動を抑制することができる。
図1のトランジスタ200を有する半導体装置は、積層された2層の保護膜(第1の保護膜110および第2の保護膜112)を有している。このように保護膜を積層して設ける場合、密度の高い酸化窒化シリコン膜をトランジスタから見て外側、すなわち第2の保護膜112に用いることで、半導体装置に水の混入を防ぐ効果を高めることができる。
また、積層された保護膜のうち酸化物半導体膜106と接する第1の保護膜110は、加熱により酸素を放出する絶縁膜であることが好ましい。酸化物半導体膜106と、熱が与えられることにより酸素を放出する絶縁膜とを接して設けることにより、後述する加熱処理の際に、絶縁膜から酸素を放出し酸化物半導体に拡散(又は供給)させることができる。これにより、酸化物半導体の酸素欠損密度を低減することができる。また絶縁膜と酸化物半導体の界面準位密度を低減することができる。この結果、トランジスタの動作などに起因して生じうる電荷などが、絶縁膜及び酸化物半導体の界面に捕獲されることを抑制することができる。これにより、例えばトランジスタ200がnチャネル型トランジスタのとき、しきい値電圧がマイナス方向へシフトすることを抑制することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、しきい値電圧の制御が難しくノーマリオン型になりやすい傾向がある。しかしながら、第1の保護膜110を酸化物半導体膜106に接して設けることで、酸素欠損密度を低減し、ノーマリオフ型のトランジスタとすることが容易となる。
熱が与えられることにより酸素を放出する絶縁膜としては、化学量論比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁膜を用いることが好ましい。材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム等を用いることができる。
本実施の形態では、第1の保護膜110に加熱により酸素放出可能な酸化シリコンを用いることとする。
このようにトランジスタ200上に、第1の保護膜110および第2の保護膜112を積層して設けることで、電気的特性の安定した、ノーマリオフ型のトランジスタとすることが容易となる。
酸化物半導体膜106に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)または亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInおよびZnを含むことが好ましい。また、それらに加えて、酸素を強く結びつけるスタビライザーを有することが好ましい。スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)およびアルミニウム(Al)の少なくともいずれかを有すればよい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物や、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物や、In−Ga系の材料、一元系金属の酸化物であるIn系酸化物、Sn系酸化物、Zn系酸化物などを用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、In、GaおよびZnを主成分として有する酸化物という意味であり、In、GaおよびZnの比率は問わない。
また、酸化物半導体として、InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5(ZnO)n(n>0)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=3:1:2、In:Ga:Zn=1:1:1またはIn:Ga:Zn=2:2:1の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。または、In:Sn:Zn=1:1:1、In:Sn:Zn=2:1:3またはIn:Sn:Zn=2:1:5の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、
(a―A)2+(b―B)2+(c―C)2≦r2
を満たすことをいい、rは、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
しかし、これらに限られず、必要とする電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする電気特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、酸化物半導体を高純度化することにより、オフ電流(ここでは、オフ状態のとき、たとえばソース電位を基準としたときのゲート電位との電位差がしきい値電圧以下のときのドレイン電流とする)を十分に低くすることが可能である。例えば、加熱成膜により酸化物半導体にとって悪性の不純物である水素や水酸基を膜中に含ませないようにし、または成膜後の加熱により膜中から除去し、高純度化を図ることができる。高純度化されることにより、チャネル形成領域にIn−Ga−Zn系酸化物を用いたトランジスタで、チャネル長が10μm、半導体膜の膜厚が30nm、ドレイン電圧が1V〜10V程度の範囲である場合、オフ電流を、1×10−13A以下とすることが可能である。またチャネル幅あたりのオフ電流(オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した値)を1×10−23A/μm(10yA/μm)から1×10−22A/μm(100yA/μm)程度とすることが可能である。
酸化物半導体は非単結晶であり、結晶性を有することが好ましい。非晶質でも多結晶でもよく、非晶質中に結晶性領域を含むなど、完全な非晶質でなくてもよい。
また酸化物半導体膜106は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とすることが好ましい。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全なアモルファスでもない。CAAC−OS膜は、結晶部およびアモルファス部を有する結晶−アモルファス混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれるアモルファス部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、且つab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部がアモルファス化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
本実施の形態では、酸化物半導体膜106としてIn:Ga:Zn=1:1:1の原子数比の酸化物半導体を用いることとする。
基板100に用いるものとして、材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを、基板100として用いてもよい。また、炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウムなどの化合物半導体基板などを適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板100として用いてもよい。また図2(A)のように、これらの基板上に絶縁膜101が形成されたものを用いてもよい。
ゲート電極102、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bの材料としては、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いることができる。またこれらの材料を2層以上積層して用いてもよい。たとえば図2(B)に示すように、導電膜108a1、導電膜108a2、および導電膜108a3を積層したソース電極またはドレイン電極108a、ならびに導電膜108b1、導電膜108b2、および導電膜108b3を積層したドレイン電極またはソース電極108bとしてもよい。
ゲート絶縁膜104の材料としては、第1の保護膜110または第2の保護膜112と同様の材料を用いることができる。また、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などを用いてもよい。
さらにこれらの材料を2層以上積層して用いてもよい。たとえば図2(C)に示すように、絶縁膜104aおよび絶縁膜104bを積層したゲート絶縁膜104としてもよい。積層して用いる場合は、酸化物半導体膜106と接する絶縁膜104bに、加熱により酸素を放出する絶縁膜、たとえば化学量論比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化シリコン膜を用いることが好ましい。また絶縁膜104bの下の絶縁膜104aには、被覆性のよい膜、たとえば酸化窒化シリコン膜を用いることが好ましい。
また図2(D)に示すように、酸化物半導体膜106の一部に接して、チャネルストップ膜114aを設けてもよい。チャネルストップ膜114aを設けることで、作製工程における酸化物半導体膜106の汚染を低減し、トランジスタ200の特性を向上させることができる。また、図2(E)に示すように、チャネルストップ膜114a、114b、114cを設けてもよい。図2(E)の構成では酸化物半導体膜106の端部がチャネルストップ膜114b、114cにより覆われているため、酸化物半導体膜106の汚染をさらに低減することができ、よりトランジスタ200の特性を向上させることができる。チャネルストップ膜114a、114b、114cの材料としては、ゲート絶縁膜104と同様の材料を用いることができる。
また、図1、図2(A)乃至(E)のトランジスタ200を有する半導体装置の構成の特徴を組み合わせて用いてもよい。
なお、図1、図2(A)乃至(E)では逆スタガ型(ボトムゲート型ともいう)のトランジスタ200上に第1の保護膜110および第2の保護膜112を有する半導体装置の構成について説明したが、これに限らない。半導体装置の構成要素の積層順を逆にしても同様の効果が得られる。たとえばスタガ型(トップゲート型)のトランジスタを有する半導体装置の場合は、トランジスタの下に第2の保護膜112および第1の保護膜110を有する構成とすることができる。
密度の高い酸化窒化シリコン膜をトランジスタから見て外側、すなわち第2の保護膜112に用いることで、半導体装置に水の混入を防ぐ効果を高めることができる。
また、酸化物半導体膜106に接する第1の保護膜110に、熱が与えられることにより酸素を放出する絶縁膜を適用することで、酸素欠損密度を低減し、ノーマリオフ型のトランジスタとすることが容易となる。
そのためスタガ型のトランジスタを有する半導体装置の場合は、トランジスタ200の下に、第1の保護膜110および第2の保護膜112を積層して設けることで、電気的特性の安定した、ノーマリオフ型のトランジスタとすることが容易となる。
より具体的には、図3(A)のように、基板100上に第2の保護膜112を設け、第2の保護膜112上に第1の保護膜110を設け、第1の保護膜110上にスタガ型のトランジスタ200を設けた半導体装置としてもよい。トランジスタ200は、第1の保護膜110と接する酸化物半導体膜106と、酸化物半導体膜106と接するソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bと、酸化物半導体膜106上のゲート電極102と、酸化物半導体膜106とゲート電極102の間に設けられたゲート絶縁膜104を有する。
また図3(B)のように、ゲート電極102と、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bが重畳しない構成としてもよい。このような構成とすることで、トランジスタ200の寄生容量を低減することができる。このとき酸化物半導体膜106は、ゲート電極102と重畳しない領域に一対の不純物領域106bを有していることが好ましい。一対の不純物領域106bは、LDD(Lightly Doped Drain)領域として機能させることができ、トランジスタ200の特性の劣化を抑制できる。
一対の不純物領域106bに添加する不純物としては、リン、ホウ素、窒素、炭素、アルゴン、金属等を用いることができる。
また図3(C)のように、絶縁膜116に形成されたコンタクトホールを介して、酸化物半導体膜106と、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bが接する構成としてもよい。
また図3(D)のように、酸化物半導体膜106の下面と、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bが接する構成としてもよい。また第1の保護膜110は、トランジスタ200の酸化物半導体膜106のうちチャネル形成領域に接していればよい。そのため第1の保護膜110は、図3(D)のように、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bと重畳していなくてもよい。
<半導体装置の作製方法>
次に、図1に示すトランジスタ200を有する半導体装置の作製方法について、図4および図5を用いて説明する。
まず、基板100上に、スパッタリング法などにより導電膜を形成し、該導電膜をエッチングなどにより加工することでゲート電極102を形成する(図4(A)参照)。基板100およびゲート電極102に用いる材料については図1についての記載を参酌することができる。
次に、ゲート電極102上にゲート絶縁膜104を形成する(図4(B)参照)。ゲート絶縁膜104に用いる材料については図1についての記載を参酌することができる。
形成方法としては、PECVD、高密度プラズマCVDをはじめとするCVD法、またはスパッタリング法等を用いることができる。
CVD法を用いる場合、酸化シリコン膜は、例えばSiH4等のガスを用いて形成することができる。酸化窒化シリコン膜は、例えばシラン(SiH4)、亜酸化窒素(N2O)、アンモニア(NH3)、窒素(N2)等のガスを用いて形成することができる。
また、ゲート絶縁膜104は化学量論比より酸素の含有量が過剰な領域が含まれていることが好ましい。例えば、組成がSiOx(x>0)で表現される酸化シリコン膜の場合、酸化シリコンの化学量論比はSi:O=1:2であるので、xが2を超える酸素過剰領域を有する酸化シリコン膜を用いることが好ましい。このような酸素過剰領域は、酸化シリコン膜の一部(界面も含む)に存在していればよい。
後に形成される酸化物半導体膜106と接するゲート絶縁膜104が化学量論比より酸素の含有量が過剰な領域を有していると、酸化物半導体膜106からこれと接するゲート絶縁膜104への酸素の移動を抑制することができ、かつ、酸化物半導体膜106と接するゲート絶縁膜104から酸化物半導体膜106への酸素の供給を行うこともできるためである。
次にゲート絶縁膜104が形成された基板100に対して、水分や水素などを除去するための加熱処理を行ってもよい。
なお、加熱処理としては、電気炉、もしくは抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いることができる。例えば、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
例えば、加熱処理として、熱せられた不活性ガス雰囲気中に被処理物を投入し、数分間熱した後、当該不活性ガス雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、被処理物の耐熱温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に不活性ガスを、酸素を含むガスに切り替えても良い。酸素を含む雰囲気において加熱処理を行うことで、膜中の欠陥密度を低減することができる。
なお、不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分とする雰囲気であって、水分、水素などが含まれない雰囲気を適用するのが望ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
加熱処理温度は、基板100として、マザーガラスを用いた場合、処理温度が高く、処理時間が長いと大幅に収縮するため、200℃以上450℃以下、さらに好ましくは、250℃以上350℃以下である。
なお、加熱処理を行うことで、ゲート絶縁膜104中の水分や水素等の不純物を除去することができる。また、当該加熱処理により、膜中の欠陥密度を低減することができる。ゲート絶縁膜104は、膜中の不純物、または膜中の欠陥密度が低減することにより、トランジスタの信頼性が向上する。例えば、半導体装置の信頼性試験の一つである光負バイアスストレス試験におけるトランジスタの劣化を抑制させることができる。
ところで、上述の加熱処理には水分や水素などを除去する効果があるから、当該加熱処理を、脱水化処理や、脱水素化処理などと呼ぶこともできる。また、このような脱水化処理、脱水素化処理は、一回に限らず複数回行っても良い。
次に、酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜を加工して酸化物半導体膜106を形成する(図4(C)参照)。
酸化物半導体膜に用いる材料としては、図1についての記載を参酌することができる。酸化物半導体膜の形成方法としては、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、PLD(Pulse Laser Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
酸化物半導体膜は、好ましくはスパッタリング法により、基板加熱温度を100℃以上600℃以下、好ましくは150℃以上550℃以下、さらに好ましくは200℃以上500℃以下とし、酸素ガス雰囲気で成膜する。酸化物半導体膜の厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは3nm以上30nm以下とする。成膜時の基板加熱温度が高いほど、得られる酸化物半導体膜の不純物濃度は低くなる。また、酸化物半導体膜中の原子配列が整い、高密度化され、多結晶酸化物半導体膜またはCAAC−OS膜が形成されやすくなる。さらに、酸素ガス雰囲気で成膜することでも、希ガスなどの余分な原子が含まれないため、多結晶酸化物半導体膜またはCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ただし、酸素ガスと希ガスの混合雰囲気としてもよく、その場合は酸素ガスの割合は30原子%以上、好ましくは50原子%以上、さらに好ましくは80原子%以上とする。なお、酸化物半導体膜は薄いほど、トランジスタの短チャネル効果が低減される。ただし、薄くしすぎると界面散乱の影響が強くなり、電界効果移動度の低下が起こることがある。
酸化物半導体膜としてIn−Ga−Zn系酸化物をスパッタリング法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、4:2:3、3:1:2、1:1:2、2:1:3、または3:1:4で示されるIn−Ga−Znターゲットを用いる。また加熱処理によってターゲットにおけるZnの原子数比よりも、成膜した酸化物半導体におけるZnの原子数比が小さくなる場合がある。そのため、所望の原子数比より、Znの原子数比を大きくしたターゲットを用いてもよい。前述の原子数比を有するIn−Ga−Znターゲットを用いて酸化物半導体を成膜することで、多結晶酸化物半導体膜またはCAAC−OS膜が形成されやすくなる。
また、酸化物半導体としてIn−Sn−Zn系酸化物をスパッタリング法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Sn:Zn=1:1:1、2:1:3、1:2:2、または20:45:35で示されるIn−Sn−Znターゲットを用いる。また所望の原子数比より、Znの原子数比を大きくしたターゲットを用いてもよい。前述の原子数比を有するIn−Sn−Znターゲットを用いて酸化物半導体を成膜することで、多結晶酸化物半導体膜またはCAAC−OS膜が形成されやすくなる。
また、CAAC−OS膜をより好適に成膜するため、以下の条件を適用することが好ましい。
まず、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用い、スパッタリング法によって成膜することが好ましい。
多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面から劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。この場合、当該平板状のスパッタリング粒子が、結晶状態を維持したまま基板に到達することで、スパッタリング用ターゲットの結晶状態が基板に転写され、CAAC−OS膜を成膜することができる。
たとえば多結晶であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを製造するには、InOX粉末、GaOY粉末およびZnOZ粉末を所定の比率で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすればよい。なお、X、YおよびZは任意の正数である。他の元素を含む多結晶であるスパッタリングターゲットも同様に製造することができる。
次に、成膜時の不純物濃度を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制することが好ましい。
例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板付着後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、平らな面が基板に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
次に、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理は、減圧雰囲気、不活性雰囲気または酸化性雰囲気で行う。加熱処理により、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低減することができる。
加熱処理は、減圧雰囲気または不活性雰囲気で加熱処理を行った後、温度を保持しつつ酸化性雰囲気に切り替えてさらに加熱処理を行うと好ましい。これは、減圧雰囲気または不活性雰囲気にて加熱処理を行うと、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することができるが、同時に酸素欠損も生じてしまうためであり、このとき生じた酸素欠損を、酸化性雰囲気での加熱処理により低減することができる。
酸化性雰囲気とは酸化性ガスを含む雰囲気である。酸化性ガスとは、酸素、オゾンまたは亜酸化窒素などであって、水、水素などが含まれないことが好ましい。例えば、加熱処理装置に導入する酸素、オゾン、亜酸化窒素の純度を、8N(99.999999%)以上、好ましくは9N(99.9999999%)以上とする。酸化性雰囲気は、酸化性ガスを不活性ガスと混合して用いてもよい。その場合、酸化性ガスが少なくとも10ppm以上含まれるものとする。
ここで、不活性雰囲気とは、窒素、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)などの不活性ガスを主成分とする雰囲気である。具体的には、酸化性ガスなどの反応性ガスが10ppm未満とする。
酸化物半導体は、成膜時の基板加熱に加えて、成膜後の加熱処理を行うことで、膜中の不純物準位を極めて小さくすることが可能となる。
加熱処理を行うことによって、より非晶質領域に対して結晶領域の割合の多い酸化物半導体膜とすることができる。加熱処理は、例えば200℃以上基板の歪み点未満で行えばよい。好ましくは、250℃以上450℃以下とする。酸化性雰囲気、不活性雰囲気または減圧雰囲気(10Pa以下)で行うことが好ましい。処理時間は3分〜24時間とする。処理時間を長くするほど非晶質領域に対して結晶領域の割合の多い酸化物半導体膜を形成することができるが、24時間を超える加熱処理は生産性の低下を招くため好ましくない。
酸化物半導体膜を、エッチングなどにより加工して島状の酸化物半導体膜106とすることができる。
次に、酸化物半導体膜106上に導電膜を形成し、該導電膜を加工してソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bを形成する(図4(D)参照)。
ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108bの材料および形成方法については、図1の記載およびゲート電極102についての記載を参酌することができる。
次に、酸化物半導体膜106、ソース電極またはドレイン電極108a、およびドレイン電極またはソース電極108b上に、第1の保護膜110を形成する(図5(A)参照)。
第1の保護膜110に用いる材料については、図1についての記載を参酌することができる。第1の保護膜110は、PECVD法やスパッタリング法等により形成することができる。特に、スパッタリング法を用いると、化学量論比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁膜を形成することができるため好ましい。
次に、第1の保護膜110上に、第2の保護膜112を形成する(図5(B)参照)。
第2の保護膜112に用いる材料については、図1についての記載を参酌することができる。第2の保護膜112は、PECVD法やスパッタリング法により形成することができる。特にCVD法を用いると、高密度な酸化窒化シリコン膜を、生産性よく形成することができ好ましい。第2の保護膜112の厚さは、十分に水の混入を低減し、かつ生産性よく形成するため、500nm以上700nm以下が好ましい。
またPECVD法により形成する場合、シラン/亜酸化窒素流量比(SiH4/N2O)を0.01以下とすることで、高密度な酸化窒化シリコン膜とすることができる。また、SiH4/N2Oは0.0066以上であると、生産性が高いため好ましい。また、電力を高めることでも高密度な酸化窒化シリコン膜とすることができる。たとえば電力1000Wで行うことで、SiH4/N2Oが0.01以上の場合でも高密度な酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
このようにして、酸化物半導体を用いた半導体装置への水の混入を低減し、特性の変動の少ないトランジスタ200を有する半導体装置を作製することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1で例示したトランジスタを用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、トランジスタを含む駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
図6(A)において、第1の基板301上に設けられた画素部302を囲むようにして、シール材305が設けられ、第2の基板306によって封止されている。図6(A)においては、第1の基板301上のシール材305によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成された走査線駆動回路304、信号線駆動回路303が実装されている。また、別途形成された信号線駆動回路303と、走査線駆動回路304または画素部302に与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circuit)318a、FPC318bから供給されている。
図6(B)、図6(C)において、第1の基板301上に設けられた画素部302と、走査線駆動回路304とを囲むようにして、シール材305が設けられている。また、画素部302と、走査線駆動回路304の上に第2の基板306が設けられている。よって、画素部302と、走査線駆動回路304とは、第1の基板301とシール材305と第2の基板306とによって、表示素子と共に封止されている。図6(B)、図6(C)においては、第1の基板301上のシール材305によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路303が実装されている。図6(B)、図6(C)においては、別途形成された信号線駆動回路303と、走査線駆動回路304または画素部302に与えられる各種信号および電位は、FPC318から供給されている。
また、図6(B)、図6(C)においては、信号線駆動回路303を別途形成し、第1の基板301に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB(Tape Automated Bonding)方法などを用いることができる。図6(A)は、COG方法により信号線駆動回路303、走査線駆動回路304を実装する例であり、図6(B)は、COG方法により信号線駆動回路303を実装する例であり、図6(C)は、TAB方法により信号線駆動回路303を実装する例である。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPCもしくはTABテープもしくはTCPが取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
また、第1の基板301上に設けられた画素部302および走査線駆動回路304は、トランジスタを複数有しており、実施の形態1で例示したトランジスタを適用することができる。
表示装置に設けられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子(発光表示素子ともいう)、を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機EL等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
半導体装置の一形態について、図7および図8を用いて説明する。図7および図8は、図6(B)のQ−Rにおける断面図に相当する。
図7および図8で示すように、半導体装置は接続端子電極膜315および端子電極膜316を有しており、接続端子電極膜315および端子電極膜316はFPC318が有する端子と異方性導電膜319を介して、電気的に接続されている。
接続端子電極膜315は、第1の電極膜330と同じ導電膜から形成され、端子電極膜316は、トランジスタ310、トランジスタ311のソース電極膜およびドレイン電極膜と同じ導電膜で形成されている。
また、第1の基板301上に設けられた画素部302と、走査線駆動回路304は、トランジスタを複数有しており、図7および図8では、画素部302に含まれるトランジスタ310と、走査線駆動回路304に含まれるトランジスタ311とを例示している。図7では、トランジスタ310、トランジスタ311上には保護膜320、保護膜324が設けられ、図8ではさらに、絶縁膜321が設けられている。なお、絶縁膜323は下地膜として機能する絶縁膜である。
本実施の形態では、トランジスタ310、トランジスタ311として、実施の形態1で示したトランジスタを適用することができる。
トランジスタ310およびトランジスタ311は酸素欠損の形成を抑制および水分や水素の混入を抑えた酸化物半導体膜を有するトランジスタである。よって、トランジスタ310およびトランジスタ311は、電気的特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
よって、図7および図8で示す本実施の形態の半導体装置として信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
画素部302に設けられたトランジスタ310は表示素子と電気的に接続し、表示パネルを構成する。表示素子は表示を行うことができれば特に限定されず、様々な表示素子を用いることができる。
図7に表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を示す。図7において、表示素子である液晶素子313は、第1の電極膜330、第2の電極膜331、および液晶層308を含む。なお、液晶層308を挟持するように配向膜として機能する絶縁膜332、絶縁膜333が設けられている。第2の電極膜331は第2の基板306側に設けられ、第1の電極膜330と第2の電極膜331とは液晶層308を介して積層する構成となっている。
また、柱状のスペーサ335は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られ、液晶層308の厚さ(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお、球状のスペーサを用いていても良い。
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。酸化物半導体膜を用いるトランジスタは、静電気の影響によりトランジスタの電気的な特性が著しく変動して設計範囲を逸脱する恐れがある。よって酸化物半導体膜を用いるトランジスタを有する液晶表示装置にブルー相の液晶材料を用いることはより効果的である。
また、液晶材料の固有抵抗は、1×109Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
液晶表示装置に設けられる保持容量の大きさは、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間電荷を保持できるように設定される。保持容量の大きさは、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。酸素過剰領域を有する酸化物半導体膜を有するトランジスタを用いることにより、各画素における液晶容量に対して1/3以下、好ましくは1/5以下の容量の大きさを有する保持容量を設ければ充分である。
本実施の形態で用いる酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有するトランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本実施の形態で用いる酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有するトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを液晶表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバートランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
液晶表示装置には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。また、VA型の液晶表示装置にも適用することができる。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設ける。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す)、またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透光性であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側および基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図8に表示素子として発光素子を用いた発光装置の例を示す。表示素子である発光素子353は、画素部302に設けられたトランジスタ310と電気的に接続している。なお、発光素子353の構成は、第1の電極膜330、電界発光層352、第2の電極膜331の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光素子353から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子353の構成は適宜変えることができる。
隔壁351は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極膜330上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
電界発光層352は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子353に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極膜331および隔壁351上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC(Diamond Like Carbon)膜等を形成することができる。また、第1の基板301、第2の基板306、およびシール材305によって封止された空間には充填材354が設けられ密封されている。このように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材354としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば、充填材として窒素を用いればよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
なお、図7および図8において、第1の基板301、第2の基板306としては、ガラス基板の他、可撓性を有する基板も用いることができ、例えば透光性を有するプラスチック基板などを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
本実施の形態では、保護膜320として酸化シリコンを用い、保護膜324として酸化窒化シリコンを用いる。保護膜320、保護膜324はスパッタリング法やプラズマCVD法によって形成することができる。
酸化物半導体膜上に保護膜324として設けられた酸化窒化シリコンは、膜密度が2.32g/cm3以上、さらに好ましくは2.36g/cm3以上であると好ましい。そうすることにより、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果(ブロック効果)が高い。
従って、酸化窒化シリコン膜は、作製工程中および作製後において、変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体膜への混入、および酸化物半導体膜を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体膜からの放出を防止する保護膜として機能する。
また、保護膜320として酸化物半導体膜と接して設けられた酸化シリコン膜は、酸素を酸化物半導体膜へ供給する機能を有する。よって、保護膜320は酸素を多く含む酸化絶縁膜が好ましい。
トランジスタ310、およびトランジスタ311は、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有する。また、トランジスタ310、およびトランジスタ311は、ゲート絶縁膜として、窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、および金属酸化膜により構成されている。このようなゲート絶縁膜の構成とすることで、特性変動が抑制されており、電気的に安定なトランジスタとすることが可能である。
また、平坦化絶縁膜として機能する絶縁膜321は、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜321の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法)印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
表示装置は光源または表示素子からの光を透過させて表示を行う。よって光が透過する画素部に設けられる基板、絶縁膜、導電膜などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光に対して透光性とする。
表示素子に電圧を印加する第1の電極膜および第2の電極膜(画素電極膜、共通電極膜、対向電極膜などともいう)においては、取り出す光の方向、電極膜が設けられる場所、および電極膜のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極膜330、第2の電極膜331は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物、グラフェンなどの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極膜330、第2の電極膜331はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、またはその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、または複数種を用いて形成することができる。
また、第1の電極膜330、第2の電極膜331として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
以上のように先の実施の形態で示したトランジスタを適用することで、様々な機能を有する半導体装置を提供することができる。
以上のように、膜密度が2.32g/cm3以上、さらに好ましくは2.36g/cm3以上の酸化窒化シリコン膜を形成することにより、トランジスタを用いて表示機能を有する半導体装置において、大気から水分や水素が酸化物半導体膜に侵入し、拡散することを抑制することができる。よって、トランジスタは、電気的特性変動が抑制されており、電気的に安定である。したがって、該トランジスタを用いることで信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合について、図9を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導体装置を適用する場合について説明する。
図9(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体401、筐体402、表示部403、キーボード404などによって構成されている。筐体401と筐体402の少なくとも一つの内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の演算、書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減されたノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
図9(B)は、タブレット型端末410である。タブレット型端末410は、表示部412を有する筐体411と、表示部414を有する筐体413と、操作ボタン415と、外部インターフェイス416を有する。また、タブレット型端末410を操作するスタイラス417などを備えている。筐体411と筐体413の少なくとも一つの内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の演算、書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減された携帯情報端末が実現される。
図9(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍420であり、筐体421と筐体423の2つの筐体で構成されている。筐体421および筐体423には、それぞれ表示部425および表示部427が設けられている。筐体421と筐体423は、軸部437により接続されており、該軸部437を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体421は、電源431、操作キー433、スピーカー435などを備えている。筐体421、筐体423の少なくとも一つの内部には、メモリ回路が設けられており、メモリ回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減された電子書籍が実現される。
図9(D)は、携帯電話機であり、筐体440と筐体441の2つの筐体で構成されている。さらに、筐体440と筐体441は、スライドし、図9(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。また、筐体441は、表示パネル442、スピーカー443、マイクロフォン444、操作キー445、ポインティングデバイス446、カメラ用レンズ447、外部接続端子448などを備えている。また、筐体440は、携帯電話機の充電を行う太陽電池セル449、外部メモリスロット450などを備えている。また、アンテナは、筐体441に内蔵されている。筐体440と筐体441の少なくとも一つの内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の演算、書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減された携帯電話機が実現される。
図9(E)は、デジタルカメラであり、本体461、表示部467、接眼部463、操作スイッチ464、表示部465、バッテリー466などによって構成されている。本体461内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の演算、書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減されたデジタルカメラが実現される。
図9(F)は、テレビジョン装置470であり、筐体471、表示部473、スタンド475などで構成されている。テレビジョン装置470の操作は、筐体471が備えるスイッチや、リモコン操作機480により行うことができる。筐体471およびリモコン操作機480の内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため、情報の演算、書き込みおよび読み出しが高速で、且つ消費電力が十分に低減されたテレビジョン装置が実現される。
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、消費電力を低減した電子機器が実現される。
以下の実施例では、実際にPECVD法により各種の酸化窒化シリコン膜を形成し、該酸化窒化シリコン膜の評価を行った結果を示す。また、該酸化窒化シリコン膜を保護膜に用いたトランジスタを作製し、該トランジスタの評価を行った結果を示す。
本実施例では各種の酸化窒化シリコン膜を形成し、酸化窒化シリコン膜の密度と、酸化窒化シリコン膜の膨潤率を測定した結果を、図10および図11を用いて説明する。
本実施例では、ガラス基板上に、PECVD法によりシラン(SiH4)および亜酸化窒素(N2O)を用いて各種の酸化窒化シリコン膜を形成した。主にシラン/亜酸化窒素の流量比(SiH4/N2O)と電力の条件を変更した。
そして該酸化窒化シリコン膜についてXRRで密度を測定した。またPCTおよびHASTを行い、その前後で膜厚を測定して膨潤率を計算した。
PCTおよびHASTの条件は以下の通りとした。
PCT:温度130℃、相対湿度100%、試験時間12時間
HAST:温度130℃、相対湿度85%、試験時間12時間
酸化窒化シリコン膜の具体的な成膜条件、および密度と膨潤率の結果を表1に示す。
図10に成膜時のシラン/亜酸化窒素流量比と酸化窒化シリコン膜の密度の関係を示す。三角形のマーカーは成膜時の電力が150Wのサンプル、四角形のマーカーは同1000Wのサンプルである。電力が1000Wのサンプルの方が、150Wのサンプルよりも密度が高かった。また電力が同じ場合、SiH4/N2Oが小さいほど密度が高い傾向が見られた。
また、図11に酸化窒化シリコン膜の密度と膨潤率の関係を示す。図中の直線502は、15サンプルから求めた近似直線であり、相関関数R2=0.801である。なお、この近似直線と相関関数は、膨潤率が7体積%を超え異常値と考えられる1点501を除いて求めた。このように密度と膨潤率には強い相関関係があり、密度が高くなるほど膨潤率が低くなる傾向があった。
本実施例から、SiH4/N2Oが小さいほど、また電力が高いほど、酸化窒化シリコン膜が高密度となることが明らかとなった。また、酸化窒化シリコン膜が高密度であるほど、膨潤率が低下することが明らかとなった。
本実施例では、実施例1と同様に形成した酸化窒化シリコン膜について、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光法)により赤外吸収スペクトルを測定した結果と、HAST後の膨潤率と、シラン/亜酸化窒素の流量比(SiH4/N2O)について、図12および図13を用いて説明する。
HASTは、実施例1と同様の条件で行った。
形成した酸化窒化シリコン膜の具体的な成膜条件、FT−IRおよびHAST後の膨潤率の結果を表2に示す。
まず、図12(A)に、成膜時の電力を150W、圧力を80Pa、基板温度(Tsub)を220℃とし、シラン/亜酸化窒素流量比を変更して形成した各種サンプルの、FT−IRによる赤外吸収スペクトルを示す。横軸に波数、縦軸に吸光度を示す。シラン/亜酸化窒素流量比の変更は、具体的には全てのサンプルでN2Oを9000sccmとし、SiH4流量を変更することにより行った。図12(A)において、曲線511はSiH4/N2Oが0.02のサンプル、曲線512はSiH4/N2Oが0.016のサンプル、曲線513はSiH4/N2Oが0.013のサンプル、曲線514はSiH4/N2Oが0.01のサンプル、曲線515はSiH4/N2Oが0.0066のサンプル、曲線516はSiH4/N2Oが0.0033のサンプルの赤外吸収スペクトルを示す。
酸化窒化シリコンが有するシリコン原子と酸素原子の結合(Si−O−Si結合)には、複数のモードがあることが知られている。1つはストレッチングモードである。この場合、酸素原子の動きはSi−O−Si結合面内で、Si原子とSi原子を結んだ線に平行である。ストレッチングモードのSi−O−Si結合は、1050cm−1付近に吸収を有する。この目安として、1060cm−1を図12(A)中に点線で示す。
他の1つはベンディングモードである。この場合、酸素原子の動きはSi−O−Si結合面内で、Si−O−Si結合角の二等分線上の方向である。ベンディングモードのSi−O−Si結合は、800cm−1付近に吸収を有する。他のもう1つはロッキングモードである。この場合、酸素原子の動きはSi−O−Si結合面の外の方向である。ロッキングモードのSi−O−Si結合は、450cm−1付近に吸収を有する。
図12(B)に、図12(A)の各サンプルの、SiH4/N2OとストレッチングモードのSi−O−Si結合のピーク波数(極大吸収波数)の関係を示す。横軸はSiH4/N2O、縦軸はピーク波数である。
SiH4/N2Oが0.01以上のとき、SiH4/N2Oが小さいほど、ストレッチングモードのSi−O−Si結合のピークが現れる波数が大きくなった。また、SiH4/N2Oが0.01以下のとき、ピークは1056cm−1以上であった。さらにSiH4/N2Oが0.013以上のとき、ピークは1052cm−1以下であった。なお、SiH4/N2Oが0.003の場合のピークは1056cm−1、SiH4/N2Oが0.007の場合のピークは1063cm−1、SiH4/N2Oが0.01の場合のピークは1066cm−1、SiH4/N2Oが0.013の場合のピークは1052cm−1、SiH4/N2Oが0.017の場合のピークは1046cm−1、SiH4/N2Oが0.02の場合、ピークは1042cm−1であった。
ストレッチングモードのSi−O−Si結合のピーク波数が大きいことは、Si−O−Si結合のSi原子とO原子の結合距離が短いことを意味する。つまり、ストレッチングモードのSi−O−Si結合のピーク波数が大きい酸化窒化シリコン膜は、密度が高い膜であると言える。
次に、図12(A)の各サンプルについてHASTを行い、膨潤率を測定した結果を図12(C)に示す。横軸はSiH4/N2O、縦軸は膨潤率である。
SiH4/N2Oが小さいほど、膨潤率は小さくなった。特にSiH4/N2Oが0.01以下の場合、膨潤率は3.9体積%以下であった。
次に、図13(A)に、成膜時の電力を1000Wとした他は、図12(A)と同様に酸化窒化シリコン膜を形成した各種サンプルの、FT−IRによる赤外吸収スペクトルを示す。図13(A)において、曲線521はSiH4/N2Oが0.02のサンプル、曲線522はSiH4/N2Oが0.016のサンプル、曲線523はSiH4/N2Oが0.013のサンプル、曲線524はSiH4/N2Oが0.01のサンプル、曲線525はSiH4/N2Oが0.0066のサンプル、曲線526はSiH4/N2Oが0.0033のサンプルの赤外吸収スペクトルを示す。
図13(B)に、図13(A)の各サンプルの、SiH4/N2OとストレッチングモードのSi−O−Si結合のピーク波数の関係を示す。
SiH4/N2Oが小さいほど、ストレッチングモードのSi−O−Si結合のピークが現れる波数が大きくなった。また、SiH4/N2Oが0.01以下のとき、ピークは1057cm−1以上であった。さらにSiH4/N2Oが0.013以上のとき、ピークは1055cm−1以下であった。なお、SiH4/N2Oが0.003の場合のピークは1064cm−1、SiH4/N2Oが0.007の場合のピークは1059cm−1、SiH4/N2Oが0.01の場合のピークは1057cm−1、SiH4/N2Oが0.013の場合のピークは1055cm−1、SiH4/N2Oが0.017の場合のピークは1051cm−1、SiH4/N2Oが0.02の場合、ピークは1051cm−1であった。
また電力が150Wの場合よりも1000Wの場合の方が、SiH4/N2Oの変動に伴うピーク波数の変動は少なかった。たとえばSiH4/N2Oが0.0066以上0.02以下のサンプルのピークは全て、1051cm−1以上1059cm−1以下に現れた。
次に、図13(A)の各サンプルについてHASTを行い、膨潤率を測定した結果を図13(C)に示す。
SiH4/N2Oが小さいほど、膨潤率は小さくなった。またSiH4/N2Oが同じ場合、電力が150Wの場合よりも1000Wの場合の方が膨潤率は小さかった。たとえばSiH4/N2Oが0.013以下の場合、膨潤率は1体積%以下であった。
本実施例から、SiH4/N2Oが小さいほど、膨潤率が小さくなることが明らかとなった。また、成膜時の電力を1000Wとした場合、SiH4/N2Oが小さいほど、ストレッチングモードのSi−O−Si結合のピーク波数は大きくなることが明らかとなった。
本実施例では、各種の酸化窒化シリコン膜を保護膜として用いたトランジスタの特性の変動について測定した結果を、図14乃至図18を用いて説明する。
まず図14に、本実施例で作製したトランジスタ200を有する半導体装置の模式図を示す。基板100としてはガラス基板を用い、ゲート電極102としてはタングステン膜(厚さ100nm)を用いた。ゲート絶縁膜104としては高密度プラズマCVDで形成した酸化シリコン膜を用いた。また酸化物半導体膜106としては、In:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)の酸化物半導体を用いた。ソース電極またはドレイン電極108aとしては、導電膜108a3としてチタン膜(厚さ100nm)、導電膜108a2としてアルミニウム膜(厚さ400nm)、導電膜108a1としてチタン膜(厚さ100nm)を積膜したものを用いた。ドレイン電極またはソース電極108bについても同様に、チタン膜、アルミニウム膜、チタン膜を積膜したものを用いた。チャネル長Lを6μm、チャネル幅Wを3μmとした。第1の保護膜110としては、スパッタリング法により形成した酸化シリコン膜(厚さ400nm)を用いた。
第2の保護膜112として、シラン/亜酸化窒素の流量比と電力の条件を変更した、各種の酸化窒化シリコン膜(厚さ600nm)を用いた。
上記のように作製したトランジスタ200を有する半導体装置について、PCTを行い特性の変動を測定した。PCTの条件は実施例1と同様とした。
ここで特性の変動の測定方法について説明する。PCT前後におけるトランジスタのしきい値電圧及びシフト値の変化量は、トランジスタの特性の変動を調べるための重要な指標となる。PCT前後において、しきい値電圧(Vth[V])及びシフト値(Shift[V])の変化量が少ないほどトランジスタの特性の変動が少なく、信頼性が高い。
本明細書中において、しきい値電圧Vthは、ゲート電圧(Vg[V])を横軸、ドレイン電流の平方根(√Id[A])を縦軸としてプロットした曲線250において、最大傾きである√Idの接線251を外挿したときの、接線251とVg軸(即ち、√Idが0A)との交点のゲート電圧で定義する(図15(A)参照)。なお、本明細書中においては、ドレイン電圧Vdを10Vとして、しきい値電圧を算出した。
また、本明細書中において、シフト値は、ゲート電圧(Vg[V])を横軸、ドレイン電流(Id[A])の対数を縦軸にプロットした曲線260において、最大傾きであるIdの接線261を外挿したときの直線Id=1.0×10−12[A]との交点のゲート電圧で定義する(図15(B)参照)。なお、本明細書中においては、ドレイン電圧Vdを10Vとして、シフト値を算出した。
図16乃至図18に測定結果を示す。
図16に、電力を変更し、シラン/亜酸化窒素流量比をSiH4/N2O=90sccm/9000sccmとして各種の酸化窒化シリコン膜を形成し、第2の保護膜112に用いたトランジスタの測定結果を示す。横軸に電力、縦軸にしきい値電圧の変化量ΔVthおよびシフト値の変化量ΔShiftを示す。4サンプルについてそれぞれΔVthとΔShiftを示す。
電力が1000W以上の場合、300W以下よりもΔVthとΔShiftが小さいことが明らかとなった。電力が1000W以上のサンプルは、ΔVthおよびΔShiftが小さく、一部は棒グラフとして表せないほどである。なお、電力1000WのときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.12、サンプル1のΔShiftが0.01、サンプル2のΔVthが−0.57、サンプル2のΔShiftが−0.09、サンプル3のΔVthが−0.12、サンプル3のΔShiftが−0.02、サンプル4のΔVthが−0.04、サンプル4のΔShiftが0.22であった。また電力1500WのときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.08、サンプル1のΔShiftが−0.19、サンプル2のΔVthが−0.09、サンプル2のΔShiftが−0.22、サンプル3のΔVthが−0.05、サンプル3のΔShiftが−0.19、サンプル4のΔVthが−0.04、サンプル4のΔShiftが−0.14であった。
次に図17に、SiH4/N2Oを変更し、電力を150Wとして各種の酸化窒化シリコン膜を形成し、第2の保護膜112としたトランジスタの測定結果を示す。横軸にSiH4/N2O、縦軸にΔVthおよびΔShiftを示す。サンプル数n=4とした。なお、SiH4/N2Oの変更は、N2O流量を9000sccmとし、SiH4流量を変更することにより行った。
また図18に、電力を1000Wとした他は図17と同様に行った測定結果を示す。
図17の結果から、SiH4/N2Oが小さいほど、ΔVthとΔShiftが少ないことが明らかとなった。電力を150W、SiH4/N2Oが0.003であるサンプルは、ΔVthおよびΔShiftが非常に小さく、一部は棒グラフとして表せないほどである。なお、SiH4/N2Oが0.003のときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.07、サンプル1のΔShiftが0.01、サンプル2のΔVthが−0.1、サンプル2のΔShiftが−0.1、サンプル3のΔVthが−0.05、サンプル3のΔShiftが−0.02、サンプル4のΔVthが−0.01、サンプル4のΔShiftが−0.01であった。また図17および図18の結果から、150Wよりも1000Wの方がΔVthとΔShiftが少ないことが明らかとなった。電力を1000Wとしたサンプルは、ΔVthおよびΔShiftが非常に小さく、一部は棒グラフとして表せないほどである。なお、SiH4/N2Oが0.007のときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.08、サンプル1のΔShiftが−0.16、サンプル2のΔVthが−3.18、サンプル2のΔShiftが−3.32、サンプル3のΔVthが−0.04、サンプル3のΔShiftが−0.12、サンプル4のΔVthが−0.05、サンプル4のΔShiftが−0.1であった。また、SiH4/N2Oが0.010のときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.12、サンプル1のΔShiftが0.01、サンプル2のΔVthが−0.57、サンプル2のΔShiftが−0.09、サンプル3のΔVthが−0.12、サンプル3のΔShiftが0.02、サンプル4のΔVthが−0.04、サンプル4のΔShiftが0.22であった。SiH4/N2Oが0.013のときのΔVthおよびΔShiftは、サンプル1のΔVthが−0.08、サンプル1のΔShiftが−0.18、サンプル2のΔVthが−0.1、サンプル2のΔShiftが0.07、サンプル3のΔVthが−0.1、サンプル3のΔShiftが−0.26、サンプル4のΔVthが−0.05、サンプル4のΔShiftが0.24であった。
以上の実施例1乃至実施例3より、酸化窒化シリコン膜が高密度であるほど、トランジスタの特性の変動が少ないことが明らかとなった。また、SiH4/N2Oが小さいほど、酸化窒化シリコン膜が高密度となることが明らかとなった。また電力を高くすると、酸化窒化シリコン膜が高密度となることが明らかとなった。
より具体的には、図17に示すように酸化窒化シリコンの成膜時の電力が150Wの場合、ΔVthとΔShiftの絶対値が3以下と特性の変動の少ないトランジスタとなったのは、SiH4/N2Oが0.01以下のときであった。SiH4/N2Oが0.01以下のときの膨潤率は、図12(C)に示すように4体積%以下であった。より詳しくは、図12(C)において、SiH4/N2Oが0.0033のとき、膨潤率が1.1体積%、SiH4/N2Oが0.0067のとき、膨潤率が3.9体積%、SiH4/N2Oが0.01のとき、膨潤率が3.6体積%であった。また膨潤率が4体積%以下のときの酸化窒化シリコン膜の密度は、図11に示すように2.32g/cm3以上であった。
また酸化窒化シリコンの成膜時の電力を1000Wとすると、図18に示すようにいずれの条件でも特性の変動の少ないトランジスタとなった。このときの膨潤率は図11に示すように1.1体積%以下であった。また膨潤率が1.1体積%以下のときの酸化窒化シリコン膜の密度は、図11に示すように2.35g/cm3以上であった。