JP6095761B1 - 炭素系導電材料が添着した顆粒状組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素系導電材料の減容化による取扱い性の改善、炭素系導電材料の供給安定性、並びに炭素系導電材料を含む製品物性の均質及び安定化の内の少なくとも1つを改善する、炭素系導電材料が添着した顆粒状組成物及びその製造方法の提供。【解決手段】本開示による顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含み、粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、炭素系導電材料が、粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する組成物である。【選択図】図5

Description

本開示は炭素系導電材料が添着した顆粒状組成物及びその製造方法に関する。
近年、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」という場合がある。)等の炭素系導電材料は、その優れた強度や導電性を活かすために、樹脂材料に混練して使用されてきている。例えば、各種の樹脂にCNTを数%配合したコンパウンドは、表面抵抗率で1×10〜1×10程度の導電性を示すことが公知であり、該コンパウンドから成形される材料は、電子部品材料、自動車部品材料等、各種の用途で採用されている。
例えば、特許文献1には、フッ素含有官能基で化学修飾されたナノカーボンと高圧二酸化炭素とを混合して、ナノカーボン含有流体を調製し、前記ナノカーボン含有流体を、溶融された熱可塑性樹脂を有する可塑化シリンダに供給し、前記可塑化シリンダ内で、前記溶融された熱可塑性樹脂と前記ナノカーボン含有流体とを接触混錬して、前記ナノカーボンを前記溶融された熱可塑性樹脂に分散させ、前記ナノカーボンを分散させた熱可塑性樹脂を成形する、ナノカーボン分散成形体の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、直径が0.5nm以上500nm以下の単数または複数のカーボンナノチューブをポリマーマトリックスと混合し、粒子径が0.3mm以上10mm以下で、粒硬度が0.2g重以上200g重以下に造粒化して得られる粒状カーボンナノチューブが、ポリマーマトリックス中に分散されている、ポリマー組成物が開示されている。
特開2010−253738号公報 特開2010−043169号公報
しかしながら、CNT等の炭素系導電材料は極めて微細な粉末であり、飛散し易く、計量しづらいため、その取り扱いは非常に困難であった。また、炭素系導電材料が飛散すると、作業環境を汚染したり、作業者の健康を害する恐れがあるので、工場において大掛かりな集塵設備などを用意する必要があった。したがって、これらに対する設備投資等が別途必要となるため、コスト増等の一因となっていった。
また、炭素系導電材料、特にCNTは、一般的に、見かけ密度が小さく嵩張るため、例えば、押出成形等でCNTを含むコンパウンドを製造する際において、CNTを減容化する技術及び供給を安定化させる技術が求められている。
さらに、炭素系導電材料を樹脂材料等に練りこむ際、例えば、CNTは繊維状の微細構造であり強く絡み合いほぐれにくい性質を有するため、樹脂に均質に分散されず、CNTの固まり(以下、「ブツ」という場合がある。)が成形品内に生じ、それらが成形品の外観や機械物性等に悪影響を与える場合があった。また、柔軟で絡み合いのあるタイプのCNTは一般的に絡み合いを機械的なせん断で完全にほぐすことが難しく、しかも強くせん断を加えすぎると、導電性能が失われる傾向もあった。したがって、炭素系導電材料を樹脂全体に均質に分散させてブツの発現を低減させると共に、導電性能の低下を抑制するために、炭素系導電材料を含む樹脂材料から得られる製品の物性の均質化及び安定化を図る技術も求められている。
本開示は、上記課題に鑑みて、炭素系導電材料の減容化による取扱い性の改善、炭素系導電材料の供給安定性、並びに炭素系導電材料を含む製品物性の均質及び安定化の内の少なくとも1つを改善する、炭素系導電材料が添着した顆粒状組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施態様によれば、粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む、顆粒状組成物であって、前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、粉末状熱可塑性樹脂、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミド(以下、「BBSA」という場合がある。)及び炭素系導電材料を含む、顆粒状組成物であって、前記粉末状熱可塑性樹脂にフルオレン系分散剤又はBBSAが添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはBBSAに添着し、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記顆粒状組成物を含むコンパウンドであって、該コンパウンドをTダイ押し出し成形法によって形成した200μ厚のフィルムに対してA4サイズに切り出したものを評価した場合において、平均径1mm以上のブツが存在せず、かつ平均径1mm未満のブツが15個未満であり、また、表面抵抗値が1×1010Ω/□以下を満足する、コンパウンドが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む、顆粒状組成物の製造方法であって、粉末状熱可塑性樹脂をミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで又はガラス転移点の±20℃まで加熱し、混合する工程(1)、及び前記工程の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、前記顆粒状組成物は、前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物の製造方法が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、粉末状熱可塑性樹脂、フルオレン系分散剤又はBBSA、及び炭素系導電材料を含む顆粒状組成物の製造方法であって、粉末状熱可塑性樹脂とフルオレン系分散剤又はBBSAをミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで若しくはガラス転移点の±20℃まで、又はフルオレン系分散剤が存在する場合には、該分散剤の少なくとも軟化開始点まで加熱し、混合する工程(1’)、及び前記工程(1’)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、前記顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂に、フルオレン系分散剤又はBBSAが添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはBBSAに添着され、かつ、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物の製造方法が提供される。
本開示の顆粒状組成物は、押し出し機等の混練機への導入の前段階において、飛散し易く、嵩張る、CNT等の微細な炭素系導電材料を粉末状熱可塑性樹脂に事前に添着させ、凝集する粉末状熱可塑性樹脂同士の間に炭素系導電材料が取り込まれるような構成で形成されるので、見かけ密度が低く、大容積(嵩張る)状態の炭素系導電材料は、粉末状熱可塑性樹脂とほぼ同じ容積まで減容化することができる。このため、混練機の使用を伴うコンパウンド等の製造において、ハンドリングの改善及び供給の安定性を達成することができる。また、本開示の顆粒状組成物を採用することによって、炭素系導電材料の飛散が抑えられるので、作業者に対する安全衛生面の向上効果だけでなく、集塵設備等の別途の設備が不要となるので、設備コストの軽減効果も期待できる。
また、本開示の顆粒状組成物を含むコンパウンドから製造される製品は、樹脂と炭素系導電材料とを同時に混合して得られる従来のコンパウンドから製造される製品と比べて、ブツに伴う外観不良が生じ難く、導電性にも優れるので、製品物性の均質化及び安定化を図ることができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の方法における設備概要の概略図である。 粉末状熱可塑性樹脂の写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び分散剤(MF−11)を小型ミキサーで高速混合した後の顆粒状組成物の写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を小型ミキサーで低速混合した後の顆粒状組成物の写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び分散剤(MF−11)を小型ミキサーで高速混合した後に炭素系導電材料を低速混合した後の顆粒状組成物の写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び分散剤(MF−11)をヘンシェルミキサーで高速混合した後に炭素系導電材料を低速混合した後の顆粒状組成物の写真である。 添着状態を示す写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び分散剤(BBSA)を小型ミキサーで高速混合した後の顆粒状組成物の写真である。 粉末状熱可塑性樹脂及び分散剤(BBSA)を小型ミキサーで高速混合した後に炭素系導電材料を低速混合した後の顆粒状組成物の写真である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示の一実施態様の顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含み、粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在するものである。
粉末状熱可塑性樹脂の樹脂材料としては、用途に応じて種々のものを採用し得るが、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS樹脂」という場合がある。)、ポリアミド、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、及びこれらの混合物を使用することができる。中でも、ポリカーボネートが好ましい。また、粉末状熱可塑性樹脂とは、粉状のものに限らず、顆粒状のものや、粉砕された状態のものも含まれ、その形状は、均一な球形のものに限らず、楕円形、角形、凹凸形状等の異形状のものも含み得る。粉末状熱可塑性樹脂の大きさは、ミキサーで混合可能であればいかなる大きさでも構わないが、取り扱い性や混合性等を考慮すると、平均粒径が0.5mm以下のものを使用することが好ましい。
炭素系導電材料としては、ファーネス炉で製造されるファーネスブラックやケッチェンブラック、さらにアセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、ナノカーボンなどが挙げられる。これらの炭素材料の中でもナノカーボンが好適であり、ナノカーボンの中でもカーボンナノチューブが好適である。ここでいう「ナノカーボン」とは、1000nm以下の直径を有する炭素材料を意味し、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン又はフラーレンを挙げることができる。
本発明で使用するカーボンナノチューブは、炭化水素触媒分解法、レーザーアブレーション法、アーク放電法などにより得られる、直径が100nm以下の、グラファイトの一枚面を巻いた構造を持つ単層カーボンナノチューブ若しくは二層以上で巻いた多層カーボンナノチューブであって、長さが直径の10倍以上である円筒状の中空繊維状のものである。また、直径100〜500nmのカーボンナノファイバーも本発明において、カーボンナノチューブに含まれる場合がある。要求性能にもよるが、カーボンナノチューブの中でも、樹脂コンパウンドの導電性能に対して有効であり、また安全衛生面でも優位であると報告されている、絡み合いのある柔軟なタイプの1〜20nm径のグレードのものが好ましい。なお、カーボンナノチューブの長さ、直径は、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、所定範囲内に存在する100個以上の構造体について測定し、90%以上の個数が入る範囲とする。
炭素系導電材料の配合量は、用途に応じた要求性能や採用する樹脂との混和性等で種々変動し得るが、導電性や機械的強度等を考慮し、粉末状熱可塑性樹脂100質量部に対し、25質量部以下、好ましくは、0.1〜25質量部、より好ましくは、0.1〜15質量部の量で含まれる。
本開示の別の実施態様の顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂にフルオレン系分散剤又はBBSAが添着され、かつ、炭素系導電材料が、粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはBBSAに添着し、かつ、前記炭素系導電材料が前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在するものである。
フルオレン系分散剤及びBBSAは、ミキサーに炭素系導電材料を配合する前の任意の段階(粉末状熱可塑性樹脂と同時に又は別個の段階)において、粉末状熱可塑性樹脂と共に配合される剤である。これらの剤は、その作用効果について明確には解明されてはいないが、ミキサー混合時の摩擦熱やヒーターによる加熱によって、粉末状熱可塑性樹脂の表面に前記の剤が添着して各粉末状熱可塑性樹脂同士を結合(凝集)させて顆粒状組成物に成長させることに加え、配合される炭素系導電材料をほぐしながら各粉末状熱可塑性樹脂に分散性よく添着させる作用効果を奏すると考えている。なお、炭素系導電材料は、その一部又は全部が、加熱によって粘着性を有する粉末状熱可塑性樹脂の表面に直接添着される場合もあるし、該樹脂に添着した前記剤を介して添着される場合がある。
フルオレン系分散剤としては、フルオレン系骨格を有する剤であればいかなるものでも使用し得るが、中でも、フルオレン系骨格を有するビスフェノール・アルコールモノマーが好ましく、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンがより好ましい。
フルオレン系分散剤及びBBSAの配合量は、用途に応じた要求性能や採用する樹脂との混和性等で種々変動し得るが、粉末状熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部の量で含まれる。
フルオレン系分散剤及びBBSAの配合は、炭素系導電材料の分散不良に基づくブツの発生を抑制することなどに加え、得られる顆粒組成物の溶融粘度を低減させる作用もある。この作用により、顆粒状組成物を混練してコンパウンドを形成する場合において、摩擦等に伴う樹脂の過度な発熱を抑えられる、即ち、樹脂の劣化を抑制することができ、また、炭素系導電材料にかかるせん断力を低減させ得るので、導電性の低下も抑制することができる。
本開示の「顆粒状組成物」とは、粉末状熱可塑性樹脂の各々が凝集して2次粒子化したような構成の凝集物であり、その粒子径は、続く混練作業等を考慮し、0.1〜5mmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜3mmである。また、本開示の「添着」とは、例えば、粉末状熱可塑性樹脂にCNTが添着する場合を想定すると、粉末状熱可塑性樹脂の表面にCNTが単に付着している場合に限らず、CNTの一部又は全部が該樹脂の表面から内部方向まで埋め込まれたような状態のものも含み得ることを意味する。さらに、前述の「添着」にも関連するが、「炭素系導電材料が粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在する」とは、炭素系導電材料が粉末状熱可塑性樹脂の表面に単に付着している状態を意味し、また、「炭素系導電材料が粉末状熱可塑性樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する」とは、炭素系導電材料の割合が粉末状熱可塑性樹脂表面から内部方向に向かって段階的に又は連続的に減少することを意味する。
本開示の顆粒状組成物の粒子径については、JIS Z8801に記載の試験ふるいの目開きを参考に、その粒子径を測定することができる。ただし、JIS Z8801では、6メッシュ(目開き3.35mm、線径1.25mm)、16メッシュ(目開き1mm、線径0.56mm)、32メッシュ(目開き500μm、線径315μm)の篩があり、「ゴム用カーボンブラック−造粒粒子の特性−第4部:造粒粒子の大きさの分布の求め方 JIS K6219−4:2006」に準拠し、16メッシュの篩、必要に応じて、最上部に6メッシュ及び最下部に32メッシュの篩を設置して、粒子径の測定を行うことが望ましい。また、この測定は、手動でもよいが、可能であれば、JIS K6219−4:2006に準拠した方法を取りうる振動ふるい機等を用い、自動で行うことが望ましい。
本開示の顆粒状組成物の製造方法は、粉末状熱可塑性樹脂をミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで又はガラス転移点近傍まで加熱し、混合する工程(1)、又は粉末状熱可塑性樹脂とフルオレン系分散剤若しくはBBSAとをミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで若しくはガラス転移点近傍まで、又はフルオレン系分散剤が存在する場合には、該分散剤の少なくとも軟化開始点まで加熱し、混合する工程(1’)、及び前記工程(1)又は(1’)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)を備える。
また、前記工程(1’)において、フルオレン系分散剤又はBBSAは、粉末状熱可塑性樹脂と同時に又は別個にミキサーに投入されてもよい。
軟化開始点とは、通常は、粉末状熱可塑性樹脂表面、又はフルオレン系分散剤が存在する場合は、フルオレン系分散剤表面に、タック(粘着)性が生じる温度であって、炭素系導電材料が粉末状熱可塑性樹脂又はフルオレン系分散剤の表面に添着を開始する温度を意味する。また、ガラス転移点近傍とは、各樹脂のガラス点移転の±20℃、好ましくは±10℃を意味する。但し、BBSAは液状の剤であって、BBSA自体に粘着性があるので、BBSAが存在する場合は、軟化開始点は、粉末状熱可塑性樹脂表面にタック(粘着)性が生じる温度である必要はなく、単に、混合時の摩擦熱等で粉末状熱可塑性樹脂が柔らかくなる温度でも十分である。
ミキサーとしては、種々のミキサーを使用することができるが、ヒーター等の任意の加熱手段の他に、混合に伴う摩擦熱によって樹脂粉末等の表面を軟化させ得る、高速運転が可能なミキサーが有効である。このような高速ミキサーとしては、小型の高速ミキサー(例えば、燕化学工業社製)や、大型のヘンシェルタイプの高速ミキサー(例えば、三井三池社製の「ヘンシェルミキサー250L」)などを用いることができる。なお、他の混合機を用いる場合には、ジャケット加熱や、ヒーター、温風などで、所定の温度に上昇させることが有効である。
高速ミキサーの回転速度は、700rpm以上、好ましくは700rpm〜1500rpmが有効であり、混合時間は、5分以上、好ましくは10分〜20分が有効である。
本開示の顆粒状組成物は、そのまま成形機に供することもできるが、顆粒状組成物を押し出し機等の各種混練・造粒機を用いてコンパウンド又は該コンパウンドから形成されるペレットの形態で使用することもできる。混練機としては、例えば、東芝機械社製の「TEM48SS」、池貝鉄鋼社製の「PCM30」などを使用することができる。なお、これらの装置を使用した全体の設備概要の概略図の一例を図1に示す。ここで、1は原材料投入部、2はヘンシェルミキサー、3は混合品タンク、4は定量供給フィーダー、5は押し出し機、6は水槽、7はカッター、8は振動篩、9は空送ホッパー、10はペレット空送部、11は製品タンク、12は製品取り出し口、13は計量秤である。
また、本開示の顆粒状組成物又は該組成物から得られるコンパウンドには、その他の各種添加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線防止剤、充填剤、滑剤、着色剤、難燃剤、炭素系導電材料と異なる導電材などを必要に応じて配合することができる。
本開示のコンパウンド又は該コンパウンドから得られるペレットは、公知の方法で成形して成形品として用いることができる。成形方法としては、射出成形、押出成形、シート成形、プレス成形、回転成形、積層成形、トランスファー成形などが挙げられる。成形品には、射出成形品、シート、未延伸フィルム、延伸フィルム、丸棒や異型押出品などの押出成形品、繊維、フィラメントなどが挙げられる。発泡成形や多色成形、インサート成形、アウトサート成形、インモールド成形など公知の複合成形技術を適用することも可能である。
本開示のコンパウンドから得られるペレットから形成される成形品(例えば、プレート板やフィルム)の表面抵抗値は、1×1010Ω/□以下、好ましくは1×10Ω/□〜1×10Ω/□、より好ましくは1×10Ω/□〜1×10Ω/□である。
得られる成形品は、電気・電子部品の搬送及び包装用部品、OA機器用部品、静電塗装用の自動車部品など、多くの分野に適用できる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
本実施例において使用した材料を表1に示す。
<評価方法、試験片調整方法>
(1)状態調節及び測定雰囲気:JIS K7100に準拠し、燕化学工業(株)研究所測定室内で実施した。
(2)試験片の射出成形法:JIS K7152−1に準拠し、日本製鋼所製JSW80を用いて実施した。
(3)プレートの射出成形法:日本製鋼所製JSW28SCを用いて実施した。
(4)導電性(表面抵抗値):JIS K7194に準拠し、三菱化学製ロレスタGP MCP−T610を用いて求めた。
(5)MFR:ペレットをそのまま用い、JIS K7210に準拠し、立山科学製 メルトインデクサー L243を用いて求めた。
(6)添着評価:得られたペレットをポリエチレン製バッグに50g採取し、バッグ内に空気を入れた状態で両手で振揺させ、バッグ内面の炭素系導電材料の付着汚れ具合を目視観察して評価した。評価は、バッグに粉末状熱可塑性樹脂と炭素系導電材料とを単に入れて振揺させたときのバッグ内面における付着汚れの割合を基準とし、該基準に対する改善の度合が、10%未満のものを「×」、10%以上30%未満のものを「△」、30%以上50%未満のものを「○」、50%以上のものを「◎」とした。
(7)外観評価:ペレットを用いてTダイ押出機で、巾150mm、厚さ200μのフィルムを作製し、該フィルムの表面状態を30cm離れた位置から目視観察した。フィルム1m当たり(A4サイズの範囲内において)、平均径1mm以上のブツが存在せず、かつ平均径1mm未満のブツが5個未満のものを「◎」、平均径1mm以上のブツが存在せず、かつ平均径1mm未満のブツが5個以上10個未満のものを「○」、平均径1mm以上のブツが存在せず、かつ平均径1mm未満のブツが10個以上15個未満のものを「△」、平均径1mm以上のブツが存在するもの又は平均径1mm以下のブツが15個以上のものを「×」とした。
(実施例1)
図2に記載される粉末状熱可塑性樹脂(1)1kgを小型高速ミキサー(燕化学工業社製)内に仕込み、高速設定(回転速度782rpm)で、5分、10分、15分間混合して粉末状熱可塑性樹脂(1)の凝集物のサンプルを調製した。同様に、粉末状熱可塑性樹脂(1)1kgに分散剤(1)を1質量%添加して凝集物の試料を調製した(一例として、混合時間10分の凝集物を図3に示す)。これら得られた直後のサンプル表面の温度を測定した結果、各試料とも、混合開始前の粉末状熱可塑性樹脂(1)の表面温度20℃から、5分後に35℃、10分後に45℃、15分後に50℃まで加熱されていることが確認できた。また、各試料において、混合時間の経過と共に凝集物のサイズが大きくなる様子が確認できたが、分散剤(1)を添加した系の方が、より大きく成長する様子が確認できた。
粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、0質量部又は0.5質量部の分散剤(1)を250Lのヘンシェルミキサー(三井三池社製)内に仕込み、高速設定(1200rpm)で10分間混合した。表面にタック性を呈する各混合物に炭素系導電材料を2質量部加えさらに低速設定(600rpm)で1分間混合して、顆粒状組成物を作製した。得られた顆粒状組成物は、分散剤(1)の量に応じ、それぞれ(A)及び(B)と表記する。該顆粒状組成物(A)及び(B)を目視で観察したところ、凝集している各粉末状熱可塑性樹脂(1)の表面に炭素系導電材料が分散性良く添着し、炭素系導電材料の減容化が達成されていることが確認された。また、該顆粒状組成物(A)及び(B)の作製において、炭素系導電材料の飛散は抑制され、容器を黒く汚染する様子も改善されていた。
得られた顆粒状組成物(A)及び(B)を二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM48SS)のホッパーから、定量供給を用いて時間当たり150kgで押出機に供給し、スクリュー回転450rpm、設定温度280〜320℃でダイから押し出した後、水冷して固化させてコンパウンドを作製し、該コンパウンドをペレタイザーで3mm長にカットしてペレットを調製した。
(比較例1)
また、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部を高速設定で5分間混合したものを押出機の供給口に供給し、炭素系導電材料を押出機の途中からサイドフィーダで直接供給してペレット化したものを作製した(比較例)。
得られた各ペレットを用いてMFRを評価し、その結果を表2に記載する。
さらに、得られた各ペレットをTダイ押出成形に供して、巾150mm、厚さ200μのフィルムを形成した。得られたフィルムの表面状態の観察結果及び導電性(表面抵抗値)の結果を同様に表2に記載する。
比較例の実施態様では、炭素系導電材料が嵩張り扱いづらく、混練時に炭素系導電材料の飛散がひどかったが、顆粒状組成物(A)及び(B)の実施態様の場合はいずれも、粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が良好に添着していて炭素系導電材料の減容化が達成されて取り扱い易く、炭素系導電材料の飛散も抑制され作業環境等の改善に寄与していることが確認された。また、顆粒状組成物(A)及び(B)を用いて形成されたフィルムは導電性に優れ、かつ、比較例のフィルムに比べ、ブツの不具合が発生しにくく外観に優れることも確認された。
従来の技術では、導電性能を高めようとすると混練を弱める必要があり、そうするとブツが発生し易かった。その一方で、ブツの発生を抑制しようとすると混練を強める必要があり、そうすると炭素系導電材料の粉砕に伴う導電性能の低下が生じ、両者の性能を同時に向上させることは困難であった(比較例は、導電性には優れるが、外観は劣っていることが分かる。)。しかしながら、本開示の顆粒状組成物を採用すると、両者の性能を同時に向上させ得ることが確認できた。
(実施例2)
粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、分散剤(1)を0.5、1、又は2質量部、各々計量して小型高速ミキサー内に仕込み、高速設定(782rpm)で5分間混合した。表面にタック性を呈する各混合物に炭素系導電材料を2質量部加えさらに低速設定(391rpm)で1分間混合して、顆粒状組成物を作製した。得られた顆粒状組成物は、分散剤(1)の量に応じ、それぞれ(D)、(E)、(F)と表記する。該顆粒状組成物(D)〜(F)を目視で観察したところ、凝集している各粉末状熱可塑性樹脂(1)の表面に炭素系導電材料が分散性良く添着している状態が確認された。また、該顆粒状組成物(D)〜(F)の作製時においても、炭素系導電材料の飛散は抑制され、容器を黒く汚染する様子も改善されていた。これらの傾向は、分散剤(1)の量が増加するにつれて良化する傾向にあった。
得られた顆粒状組成物(D)〜(F)を押出機(PCM30)のホッパーから、定量供給を用いて時間当たり5kgで押出機に供給し、スクリュー回転200rpm、設定温度280〜320℃でダイから押し出した後、水冷して固化させてコンパウンドを作製し、該コンパウンドをペレタイザーで3mm長にカットしてペレットを調製した。
得られた各ペレットを用いて、添着状態、MFR、導電性を評価し、その結果を表3に記載する。なお、導電性は各ペレットから形成したプレートの表面抵抗値であり、該プレートは、作製用射出成形機(JSW28SC)において、型締め圧28t、設定温度200℃、射出圧30kgf/cm、型温度30℃の条件で作製された、厚さ3mm×横50mm×縦90mmのプレートである。
表3の結果より、顆粒状組成物(A)及び(D)〜(F)のいずれの場合も、炭素系導電材料の添着状態は良好であり、作業環境等の改善に寄与していることが確認された。また、分散剤(1)の添加量の上昇に伴い、MFRが高くなる傾向があることも確認された。従来、CNTを2部添加し樹脂に分散させると、著しい溶融流動性の低化(すなわち、MFRの低下)を招き、成形しづらくなる現象が知られていた。従って、分散剤(1)の添加に伴うMFRの上昇は、成形性の改善につながり得るといえる。
(実施例3)
粉末状熱可塑性樹脂(2)〜(4)各100質量部に対し、分散剤(1)5質量部を小型高速ミキサー内に仕込み、高速設定(782rpm)で10分間混合した。表面にタック性を呈する各混合物に炭素系導電材料を2質量部加えさらに低速設定(391rpm)で1分間混合して、顆粒状組成物を作製した。得られた顆粒状組成物において、粉末状熱可塑性樹脂の種類に応じ、凝集物へ成長する様子にそれぞれ違いは見られたが、いずれの場合も、粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が良好に添着していて炭素系導電材料の減容化が達成されて取り扱い易く、また、炭素系導電材料の飛散も抑制されて作業環境等の改善に寄与していることが確認された。なお、粉末状熱可塑性樹脂(2)及び(3)の場合は、凝集化の程度が小さく、粉末状熱可塑性樹脂の粒子径と近くなっていたが、このような場合には、分散剤としてBBSAを使用した方が有効であると考えられる。
(比較例2)
粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、炭素系導電材料2質量部を小型ミキサー内に加え、低速設定(600rpm)で2分間混合して組成物を作製した。該組成物の写真を図4に示す。図4より明らかなように、該組成物は顆粒化せず、炭素系導電材料も添着していなかった。
(実施例4)
一方、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、分散剤(1)5質量部を小型ミキサー内に加え、高速設定(782rpm)で5分間混合した後に、炭素系導電材料2質量部を加え、低速設定(391rpm)で1分間混合して形成した組成物(図5)、及び前記小型ミキサーを250Lのヘンシェルミキサーに換え、高速設定を782rpmから1200rpm、低速設定を391rpmから600rpmに変更した以外は同一条件で作製した組成物(図6)の場合はいずれも、顆粒化され、炭素系導電材料が良好に添着していることが分かる。
確認のため、比較例2の組成物、及び実施例4における小型ミキサーを用いて作製した組成物の添着評価を実施し、その結果を図7に示す。図7から明らかなように、右側の実施例4の組成物の方が左側の比較例2の組成物と比べて、バッグ内面における付着汚れが抑制されていることが分かる。この評価結果より、ミキサーの種類にかかわらず、混合時におけるミキサーの回転速度の条件が、炭素系導電材料の添着性に寄与することが確認された。
(実施例5)
粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、3質量部の分散剤(2)を小型高速ミキサー(燕化学工業社製)内に仕込み、高速設定(回転速度782rpm)で、5分間混合して粉末状熱可塑性樹脂(1)の凝集物のサンプルを調製した(図8)。さらに、表面にタック性を呈する該凝集物に炭素系導電材料を2質量部加え、低速設定(391rpm)で2分間混合して、顆粒状組成物を作製した(図9)。目視で観察の結果、分散剤としてBBSAを採用した場合においても、凝集した粉末状熱可塑性樹脂(1)の表面に炭素系導電材料が分散性良く添着し、炭素系導電材料の減容化が達成されていることが確認された。
(実施例6)
本発明の方法によって得られる各組成物の顆粒化を、16メッシュ(目開き1mm、線径0.56mm)の篩を通過しない粒子の割合によって評価し、その結果を表4に示す。ここで、(I)粉末状熱可塑性樹脂(1)及び分散剤(1)の混合物は、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、1質量部の分散剤(1)を小型高速ミキサー(燕化学工業社製)内に仕込み、高速設定(回転速度782rpm)で10分間混合して作製したものであり、(II)粉末状熱可塑性樹脂(1)、分散剤(1)及び炭素系導電材料の混合物は、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、5質量部の分散剤(1)を250Lのヘンシェルミキサー(三井三池社製)内に仕込み、高速設定(1200rpm)で5分間混合した後、該混合物に炭素系導電材料を2質量部加えさらに低速設定(600rpm)で2分間混合して作製したものであり、(III)粉末状熱可塑性樹脂(1)及び分散剤(2)の混合物は、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、3質量部の分散剤(2)を小型高速ミキサー(燕化学工業社製)内に仕込み、高速設定(回転速度782rpm)で5分間混合して作製したものであり、並びに(IV)粉末状熱可塑性樹脂(1)、分散剤(2)及び炭素系導電材料の混合物は、粉末状熱可塑性樹脂(1)100質量部に対して、3質量部の分散剤(2)を小型高速ミキサー(燕化学工業社製)内に仕込み、高速設定(回転速度782rpm)で5分間混合した後、該混合物に炭素系導電材料を2質量部加えさらに低速設定(391rpm)で2分間混合して作製したものである。
表4の結果からも明らかなように、本発明の方法によって得られる各組成物は、該方法を適用しない原末の粉末状熱可塑性樹脂(1)に比べて粒子残存率の値が大幅に上昇していることから、顆粒化が達成できていることが分かる。
1 原材料投入部
2 ヘンシェルミキサー
3 混合品タンク
4 定量供給フィーダー
5 押し出し機
6 水槽
7 カッター
8 振動篩
9 空送ホッパー
10 ペレット空送部
11 製品タンク
12 製品取り出し口
13 計量秤
本明細書に記載の実施態様の一部を[項目1]−[項目4]に記載する。
[項目1]
粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む、顆粒状組成物であって、
前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、
前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物。
[項目2]
前記粉末状熱可塑性樹脂に、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドがさらに添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはブチルベンゼンスルホンアミドに添着している、項目1に記載の顆粒状組成物。
[項目3]
粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む顆粒状組成物の製造方法であって、
粉末状熱可塑性樹脂をミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで又はガラス転移点の±20℃まで加熱し、混合する工程(1)、及び
前記工程(1)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、
前記顆粒状組成物は、前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物の製造方法。
[項目4]
粉末状熱可塑性樹脂、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミド、及び炭素系導電材料を含む顆粒状組成物の製造方法であって、
粉末状熱可塑性樹脂とフルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドとをミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで若しくはガラス転移点の±20℃まで、又はフルオレン系分散剤が存在する場合には、該分散剤の少なくとも軟化開始点まで加熱し、混合する工程(1’)、及び
前記工程(1’)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、
前記顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂に、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドが添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはブチルベンゼンスルホンアミドに添着され、かつ、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の表面に局所的に存在するか、又は該樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在する、顆粒状組成物の製造方法。

Claims (4)

  1. 粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む、押出し機による混練を伴うコンパウンド製造用顆粒状組成物であって、
    前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、
    前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在し、
    前記粉末状熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリオレフィン、及びこれらの混合物から選択される、押出し機による混練を伴うコンパウンド製造用顆粒状組成物。
  2. 前記粉末状熱可塑性樹脂に、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドがさらに添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはブチルベンゼンスルホンアミドに添着している、請求項1に記載の押出し機による混練を伴うコンパウンド製造用顆粒状組成物。
  3. 粉末状熱可塑性樹脂及び炭素系導電材料を含む、押出し機による混練を伴うコンパウンド製造用顆粒状組成物の製造方法であって、
    粉末状熱可塑性樹脂をミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで又はガラス転移点の±20℃まで加熱し、混合する工程(1)、及び
    前記工程(1)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、
    前記顆粒状組成物は、前記粉末状熱可塑性樹脂に炭素系導電材料が添着され、かつ、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在し、
    前記粉末状熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリオレフィン、及びこれらの混合物から選択される、押出し機による混練を伴うコンパウンド製造用顆粒状組成物の製造方法。
  4. 粉末状熱可塑性樹脂、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミド、及び炭素系導電材料を含む、コンパウンド用顆粒状組成物の製造方法であって、
    粉末状熱可塑性樹脂とフルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドとをミキサーに投入し、前記樹脂表面の少なくとも軟化開始点まで若しくはガラス転移点の±20℃まで、又はフルオレン系分散剤が存在する場合には、該分散剤の少なくとも軟化開始点まで加熱し、混合する工程(1’)、及び
    前記工程(1’)の後に、炭素系導電材料を添加して混合する工程(2)、を備え、
    前記顆粒状組成物は、粉末状熱可塑性樹脂に、フルオレン系分散剤又はブチルベンゼンスルホンアミドが添着され、また、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂及び/又はフルオレン系分散剤若しくはブチルベンゼンスルホンアミドに添着され、かつ、前記炭素系導電材料が、前記粉末状熱可塑性樹脂の内部方向に向かって傾斜的に減少するように存在し、
    前記粉末状熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリオレフィン、及びこれらの混合物から選択される、コンパウンド用顆粒状組成物の製造方法。
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