JP6093488B2 - ジフルオロリン酸塩の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電解液溶媒及び添加剤や、機能性材料中間体及び医薬品用中間体等に使用が期待されるジフルオロリン酸塩の製造方法に関するものである。
現在、リチウムイオン二次電池は、携帯電話、ビデオカメラやデジタルカメラ、ノートパソコン等の比較的小型な電子機器の電源として広く普及している。また近年、環境保全問題やエネルギー問題から、電気自動車やパワーツール、夜間電力用の安価で安全性の高い大型リチウムイオン二次電池の開発も展開されており、今後さらに需要が拡大するものと思われる。これら多様化し、高性能化するリチウムイオン二次電池に対する性能要求は日増しに高まっている。特に、高性能化に向けた出力密度やエネルギー密度の向上、並びに高信頼性に向けた高温時や低温時の容量劣化の抑制、サイクル寿命の向上や安全性のさらなる向上が要求されている。
これまで、上記課題を克服するため様々な試みがなされ、改善がなされている。改善する手段として正極材料や負極材料等の活物質をはじめとするリチウムイオン二次電池の構成部材の最適化が検討されてきた。電解液についても検討され、塩を溶解させるために使用される各種溶媒、例えば環状のエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等や鎖状のジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等から選ばれた1種類又は数種類の組み合わせや配合比率、各種電解質として溶解される塩、例えばヘキサフルオロリン酸リチウムや四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等の1種類又は数種類の組み合わせや配合比率、また、上記特性を改善するための添加剤としてフルオロエチレンカーボネートやtrans-ジフルオロエチレンカーボネート等の組み合わせや配合比率の提案がされてきた。
このようなリチウムイオン二次電池用非水電解液は上記電解液や電解質、添加剤の組み合わせや配合比率により電極表面で電解液が分解や劣化することを抑制することができる。この効果は、リチウムイオン二次電池の性能や信頼性等の特性を大きく向上させる要因となる。
こうした中で、特許文献1には、添加剤としてモノフルオロリン酸リチウムやジフルオロリン酸リチウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を添加した非水系電解液を用いると、この添加剤が電極として用いられているリチウムと反応し、良質な被膜が正極及び負極界面に形成されること、及び、この被膜が、充電状態の活物質と有機溶媒との接触を抑制して、活物質と電解液との接触を原因とする非水系電解液の分解を抑制し、電池の保存特性を向上させることが記載されている。
上述のジフルオロリン酸リチウム等のジフルオロリン酸塩の製造方法として、これまで様々な手法が検討され、開発がなされている。例えば、特許文献2〜5には、ヘキサフルオロリン酸リチウムを原料としてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が記載されている。
特許文献2にはヘキサフルオロリン酸リチウムにホウ酸塩を反応させる方法が、特許文献3にはヘキサフルオロリン酸リチウムに二酸化ケイ素を反応させる方法が、また、特許文献4にはヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩をそれぞれ非水溶媒中で反応させてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が開示されている。しかし、いずれも反応時間に長時間を要し生産性の面から有用な方法とは言い難い。
また、特許文献5には、ヘキサフルオロリン酸リチウムと水にハロゲン化物を添加し、非水溶媒中で反応させてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が開示されている。しかし、目的のジフルオロリン酸リチウムで反応を停止するために厳密な反応制御が必要となり、多くの場合、過反応によりモノフルオロリン酸塩、リン酸リチウムが副生する。
特許文献6には、リンのオキソ酸とヘキサフルオロリン酸塩とアルカリ塩とをフッ化水素存在下で反応させてジフルオロリン酸塩を製造する方法が開示されている。ヘキサフルオロリン酸塩をスカベンジャーとして用いているものの、反応からは水が多く副生するため、多くの場合、過反応によりモノフルオロリン酸塩が副生する。さらに、当該特許の比較例ではスカベンジャーとしてヘキサフルオロリン酸塩を用いないと純度が大きく下がるという問題点も記載されている。
また、特許文献2から6では、出発原料にヘキサフルオロリン酸リチウムを使用しているため、製造コストが高いという問題がある。
一方、特許文献7には、原材料にヘキサフルオロリン酸リチウムを用いない方法として、炭酸塩とオキシフッ化リンと接触させてジフルオロリン酸塩を製造する方法が開示されている。しかし、原材料であるオキシフッ化リンは高価なうえ入手困難である。
また、特許文献8には、原材料であるオキシフッ化リンを自製する方法が開示されているが、リン酸カルシウムとフルオロ硫酸との反応は、用いる原材料が高価であることや収率が低いこと等から、この方法は、工業的製造には不向きであると言えなくもない。
また、特許文献9には、炭酸リチウムにオキシ塩化リンを作用させてジクロロリン酸リチウムを合成した後、フッ化水素を接触させてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が開示されている。しかし、この方法ではジクロロリン酸リチウムを合成する段階で塩化リチウムが大量に副生し分離の負担が重いことから、効率的な手法とは言い難い。
また、リチウム塩に加えて、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム、ジフルオロリン酸アンモニウムといった他のジフルオロリン酸塩を効率よく工業スケールで製造する方法も同様に求められている。
特開平11−67270号公報 特開2005−53727号公報 特開2005−219994号公報 特開2005−306619号公報 特開2008−222484号公報 特開2010−155774号公報 特開2006−143572号公報 米国特許3428422号公報 特開2014−015343号公報
本発明の目的は、前記の課題を解決するべくなされたものであり、安価な原材料のみを用いて、煩雑な操作を必要としないジフルオロリン酸塩の簡便な製造手法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、鋭意検討した。その結果、原材料となる塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩と、リン源となるリン化合物として、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種と、水とフッ化水素とを反応させることで簡潔安価にジフルオロリン酸塩が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩と、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種のリン化合物と、水とフッ化水素とを反応させることを特徴とするジフルオロリン酸塩の製造方法を提供するものであり、下記[1]〜[9]を提供するものである。
[1]
(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩と、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種のリン化合物と、水との反応によってジクロロリン酸塩を生成させる工程と、(2)当該ジクロロリン酸塩にフッ化水素を反応させる工程とを含むことを特徴とするジフルオロリン酸塩の製造方法。
[2]
(1)リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種のリン化合物と、水との反応によってジクロロリン酸を生成させる工程と、(2)当該ジクロロリン酸と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩との反応によりジクロロリン酸塩を生成させる工程と、(3)当該ジクロロリン酸塩にフッ化水素を反応させる工程とを含むことを特徴とするジフルオロリン酸塩の製造方法。
[3]
フッ化水素が、無水フッ化水素、無水フッ化水素と有機溶媒との混合溶液、無水フッ化水素と不活性ガスとの混合ガスからなる群より選択される何れかである、[1]又[2]に記載の方法のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[4]
反応に使われる塩が、アルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[5]
反応に使われる塩が、アルカリ金属のハロゲン化物及び炭酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[6]
リン化合物が、塩化ホスホリルである、[1]〜[5]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[7]
リン化合物と水との反応温度が−50℃〜50℃の範囲であることを特徴とする、[1]〜[6]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[8]
ジクロロリン酸塩とフッ化水素とを接触させた後に、80℃〜250℃の温度範囲を維持することを特徴とする、[1]〜[7]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
[9]
ジクロロリン酸塩とフッ化水素との接触温度として−50℃〜130℃の範囲で接触させた後、生成物の組成を収束させる温度として80℃〜250℃の範囲に維持することを特徴とする、[1]〜[8]の何れかに記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法によれば、高価なヘキサフルオロリン酸塩を用いず、安価な原材料のみで高純度なジフルオロリン酸塩を簡便に製造することが可能である。
また、本発明の方法では副生物が低沸点な塩化水素となることから、反応系内に残留することがない。そのため、酸によりジフルオロリン酸塩が分解されるおそれがなく、高純度のジフルオロリン酸塩を得ることができる。さらに、ワンポットにて製造可能であり、工業的に有利である。
また、本発明の方法によれば反応系内でジフルオロリン酸塩の分解が発生しないことから、分解物による電池サイクル特性の悪化や電解液の着色といった問題も生じない。
以下、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて詳述するが、本発明はこれらの内容に限定されない。
まず、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、原材料として使われる塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種と、リン源となるリン化合物として、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種と、水とフッ化水素とを反応させることを特徴とする。
本発明における反応機構の詳細は明らかではないが、原材料の塩が塩化リチウム(LiCl)、リン化合物が塩化ホスホリル(POCl3)である場合の反応を例に取ると、以下の(i)〜(iii)のような段階的な反応が進行していると考えられる。
(化1)
POCl3 + H2O → HPO2Cl2 + HCl (i)
HPO2Cl2 + LiCl → LiPO2Cl2 + HCl (ii)
LiPO2Cl2 + 2HF → LiPO22 + 2HCl (iii)
即ち、本発明の製造方法においては、上記(i)〜(iii)の通り、リン化合物は実質的に略すべてがジフルオロリン酸塩になる。また、反応に不要なClは略すべてHClになり気化するため、生成するジフルオロリン酸塩中に含まれることがない。
また、他の原材料となる塩を用いた場合には、二段階目(上記(ii))の副生物が異なる。
例えば、フッ化リチウム(LiF)を用いた場合にはフッ化水素が、炭酸リチウム(Li2CO3)を用いた場合には水と炭酸ガスが、それぞれ副生する。
更に上述したように、ジクロロリン酸塩がジフルオロリン酸塩となる反応は不明な点が多いが、加熱することでモノクロロモノフルオロリン酸塩やモノフルオロリン酸塩等の不純物が減少し、ジフルオロリン酸塩へと組成が収束(convergent synthesis)することがわかっている。
原材料となる塩(以下、原料塩とも表記する)は、市販されているグレードのものであれば特に制限無く使用することができるが、当然に、高純度の原料を使用すれば、高純度の製品(生成物)を特別な精製方法を経ることなく得られるため、高純度の原料塩を用いることが好ましい。
本発明では、場合により、
1)アルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物又は酸化物、2)アルカリ土類金属のハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物又は酸化物、
3)オニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物又は酸化物、より選択される少なくとも一種類を原料塩として使用することができる。
アルカリ金属としては、具体的に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムが挙げられる。入手の容易さ及びコストの優位性の観点から選択すれば、リチウム、ナトリウム、又はカリウムが好ましい。
アルカリ土類金属としては、具体的に、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムが挙げられる。入手の容易さ、コストの優位性及び安全性の観点から選択すれば、マグネシウム、又はカルシウムが好ましい。
オニウムとしては、具体的に、アンモニウム、ホスホニウム、オキソニウム、又はスルホニウム等が挙げられる。
アンモニウムとしては、NH4+、第1級アンモニウム、第2級アンモニウム、第3級アンモニウム、又は第4級アンモニウムが挙げられる。
ホスホ二ウムとしては、第4級ホスホ二ウムが好ましい。
スルホニウムとしては、第3級スルホニウムが好ましい。
ハロゲン化物としては、具体的にフッ化物、塩化物、臭化物、又はヨウ化物が挙げられる。副生物除去の容易さから選択すれば、フッ化物、又は塩化物が好ましい。
ホウ酸塩としては、具体的に、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、又はホウフッ化塩等が挙げられる。入手の容易さ及びコストの優位性の観点からは、オルトホウ酸塩、又はメタホウ酸塩が好ましい。
リン酸塩としては、具体的に、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、ポリリン酸塩、ポリリン酸一水素塩、ポリリン酸二水素塩、ホスフェン酸塩、又はメタホスフェン酸塩等が挙げられる。入手の容易さ及びコストの優位性の観点から言えば、リン酸塩、又はリン酸二水素塩が好ましい。
以上より、原料塩としては、アルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物、又は酸化物が好ましく、その中でもリチウム金属のハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、水酸物、又は酸化物がより好ましい。また塩の種類としては、特にハロゲン化物又は炭酸塩が好ましい。
原料塩として最も好ましいのは、入手の容易さ及びコストの優位性の観点から、フッ化リチウム、塩化リチウム、又は炭酸リチウムである。
また、リン源となるリン化合物は、市販されているグレードのものであれば特に制限無く使用することができるが、前述の通り、高純度の原料を使用すれば、高純度の製品(生成物)を特別な精製方法を経ることなく得られるため、高純度なリン化合物が好ましい。
そして、本発明では場合により、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される少なくとも一種類をリン化合物として使用することができる。
リンのオキシ塩化物としては、具体的に、塩化ホスホリル、リン酸ジクロリドフルオリド、リン酸クロリドジフルオリド、又はジホスホリルクロリド等が挙げられる。
リンの塩化物としては、具体的に、三塩化リン、又は五塩化リン等が挙げられる。
リン化合物としては、入手の容易さ及びコストの優位性の観点から、塩化ホスホリル、三塩化リン、又は五塩化リンが好ましい。その中でも、特に、塩化ホスホリルがより好ましい。
本発明の製造方法では、フッ化水素が使用される。フッ化水素としては、フッ化水素ガス、フッ化水素と不活性ガスとの混合ガス、又はフッ化水素と有機溶媒との混合溶液としての形態の何れか1種であることを選択できる。
本発明では、無水フッ化水素を用いることが、反応の際、加える水との取扱いを区別できるので好ましい。
無水フッ化水素の場合、物質の状態は特に限定されないが、気体として添加してもよく、液体として添加してもよい。
フッ化水素と不活性ガスの混合ガスの場合、不活性ガスとしてはフッ化水素と反応せず、且つ反応に関与しないものであれば特に限定されない。具体的には、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。コストの優位性を考慮すると、窒素がより好ましい。
フッ化水素と有機溶媒との混合溶液の場合、有機溶媒としては、フッ化水素と反応せず、且つ反応に関与しないものであれば特に限定されないが、例えば、炭酸エステル類、エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル化合物、アミド化合物、アルコール類、又はアルカン類等が挙げられる。より具体的には、以下のものが挙げられる。
炭酸エステル類としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、又はプロピレンカーボネートが挙げられる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、亜リン酸トリメチル、又は亜リン酸ジエチルメチル等が挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、又は2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられ、好ましくはジメトキシエタンが挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。
アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
アルカン類としては、ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
上記有機溶媒の中では、電池用の電解液添加剤、特に、二次電池用電解液の添加剤としての利用や、溶媒中へ残留する可能性等の観点から、炭酸エステル類、エステル類が好ましく、より好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、又はジメトキシエタンである。
有機溶媒は一種類のものを単独で使用してもよく、または、2種類以上のものを混合して用いても良い。2種類以上用いる場合は、ジフルオロリン酸塩の良溶媒と貧溶媒とを任意の割合で混合するか、電池で使用する電解液と同じ組成とすることが好ましい。
また、フッ化水素を不活性ガスや有機溶媒に混合して導入する場合、(無水の)フッ化水素の濃度は特に限定されないが、コスト及び導入容易性の観点から濃い濃度であることが好ましい。具体的には1%以上の濃度であることが好ましく、さらに好ましくは10%以上であり、(無水の)フッ化水素の濃度を45%以上の高濃度で使用することが最も好ましい。
本発明の製造方法では、水の添加方法は特に限定されず、一括添加してもよく、逐次添加してもよく、分割添加してもよく、また任意の有機溶媒との混合添加をしてもよい。その中でも、安全性の観点から時間をかけて添加することが好ましく、例えば、逐次添加、分割添加、有機溶媒との混合添加が好ましい。
一般に、反応後に、残存したリン化合物を精製操作で除去することができるため、リン化合物は過剰量であってもよい。一方、水が過剰であるとモノフルオロリン酸塩の副生の原因となりうるが、モノフルオロリン酸塩は洗浄等の精製操作で除去することができる。このため、本発明の製造方法において、実施例1の、リン化合物として塩化ホスホリル、原料塩としてフッ化リチウムを用いた反応を例に取ると、リン化合物と水の仕込み量は、任意に設定することができるが、水をリン化合物1当量あたり、1.2当量以下とすることが好ましく、精製操作の負荷軽減の観点から、0.95〜1.05当量とすることが好ましく、さらには、0.98〜1.02当量とすることが好ましく、特に好ましくは、0.99〜1.01当量とすることである。他のリン化合物を用いた場合、リン化合物の種類、副生する化合物を勘案し当量を変化させてもよい。
一般に、反応後に、残存した原料塩をろ過等の精製操作で除去することができるため、原料塩は大過剰であってもよい。一方、原料塩が不足であるとジクロロリン酸等の副生の原因となりうるが、過剰なジクロロリン酸は精製操作で除去することができる。
このため、本発明の製造方法において、実施例1、リン化合物として塩化ホスホリル、原料塩としてフッ化リチウムを用いた反応を例に取ると、原料塩の仕込み量は、任意に設定することができるが、原料として使用される塩を、リン源としてのリン化合物1当量あたり、0.9当量以上とすることが好ましく、精製操作の負荷軽減の観点から0.95〜1.35当量とすることが好ましく、さらには、1.05〜1.15当量とすることが好ましく、特に好ましくは、1.09〜1.11当量とすることである。他の原料塩を用いた場合、原料塩の種類、副生する化合物を勘案し当量を変化させてもよい。
一般に、反応後に残存したフッ化水素は加熱により留去することができるため、フッ化水素は過剰量であってもよい。このため、本発明の製造方法において、実施例1の、リン化合物として塩化ホスホリル、原料塩としてフッ化リチウムを用いた反応を例に取ると、フッ化水素の仕込み量は、任意に設定することができるが、リン化合物1当量あたり、1.1当量以上とすることが好ましく、特に好ましくは1.2〜4.0当量とすることである。他の原料を用いた場合、原料の種類、副生する化合物を勘案し当量を変化させてもよい。
本発明の製造方法においては、リン化合物(a)と水(b)とを反応させ、生成したジクロロリン酸と原料塩(c)との反応によりジクロロリン酸塩を生成させる。その後、フッ化水素(d)とジクロロリン酸塩とを反応させる。この際に、反応はそれぞれの工程で分解して行われてもよく、ワンポットにまとめて行ってもよい。製造容易性の観点からは、ワンポットにまとめて行うことがより好ましい。
本発明の製造方法では、原料であるリン化合物(a)、水(b)、原料塩(c)、フッ化水素(d)の添加順序は特に限定されず、これら四種を同時に混合してもよく、(a)=1、(b)=2、(c)=3、(d)=4の順で混合してもよく、(a)=1、(b)=3、(c)=2、(d)=4の順で混合してもよく、(a)=2、(b)=3、(c)=1、(d)=4の順で混合してもよく、(a)=2、(b)=1、(c)=3、(d)=4の順で混合してもよく、(a)=3、(b)=1、(c)=2、(d)=4の順で混合してもよく、(a)=3、(b)=2、(c)=1、(d)=4の順で混合してもよい。
この中でも、反応制御の容易性の観点から、(a)=1、(b)=2、(c)=3、(d)=4の順、(a)=1、(b)=3、(c)=2、(d)=4の順、(a)=2、(b)=3、(c)=1、(d)=4の順が好ましく、さらには(a)=2、(b)=3、(c)=1、(d)=4の順、(a)=1、(b)=2、(c)=3、(d)=4の順が好ましい。
本発明の製造方法において、反応は、無溶媒で行ってもよく、また適切な溶媒中で行ってもよい。溶媒を使用する場合、溶媒は反応に関与しないものであれば、特に限定されない。例えば、炭酸エステル類、エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル化合物、アミド化合物、アルコール類、又はアルカン類等が挙げられる。より具体的には、以下の化合物が挙げられる。
炭酸エステル類としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、又はプロピレンカーボネートが挙げられる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジエチルメチル等が挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられ、好ましくはジメトキシエタンが挙げられる。 ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる、アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
アルカン類としては、ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
上記の溶媒の中では、二次電池用電解液の添加剤としての利用、溶媒の残留可能性等の観点から、炭酸エステル類、エステル類が好ましく、より好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタンである。また、用いる溶媒の量は特に限定されないが、リン化合物の重量に対して1.0倍量以上用いることが好ましい。さらには2.0〜10.0倍量用いることが好ましく、特に好ましくは2.5〜5.0倍量用いることが好ましい。
上記の溶媒は一種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いても良い。2種類以上用いる場合は、ジフルオロリン酸塩の良溶媒と貧溶媒を任意の割合で混合するか、二次電池で用いる電解液と同じ組成とすることが好ましい。また、溶媒はジフルオロリン酸塩やジクロロリン酸塩を溶解することができてもよく、できなくても撹拌ができる量であればよい。
本発明の製造方法において、反応条件は、任意に設定することができる。水とリン化合物との反応温度は−50〜50℃とすることができるが、安全性の観点から冷却して行うことが好ましい。有機溶媒を使用する場合、融点以上の温度であれば特に限定されないが、例えば、−50〜25℃が好ましく、反応装置の規模や仕込み量の程度によっても適宜、変化させることができる。無溶媒の場合は、−50〜50℃が好ましい。
反応時間は、通常10分〜24時間であるが、副生成物低減の観点から反応時間が短いことが好ましく、10分〜5時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜2時間であるが、反応装置の規模や仕込み量の程度によっても、適宜、変化させることができ、合成反応を収束することができる。
本発明の製造方法において、反応は、大気圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。水及びリン化合物の添加時間は、任意に設定することができるが、安全性の観点から5分以上が好ましく、さらには30分以上の添加時間を取ることが好ましく、反応装置の規模や仕込み量の程度によっても適宜、変化させることができる。
本発明の製造方法において、ジクロロリン酸塩とフッ化水素の接触条件は任意に設定することができる。ジクロロリン酸塩とフッ化水素の接触温度は−50〜130℃の範囲とすることができるが、−35〜60℃がより好ましく、さらには、−20〜30℃が好ましく、反応装置や仕込み量によっても適宜、変化させることもできる。
ジクロロリン酸塩とフッ化水素の接触後に攪拌操作を行うことが好ましく、その撹拌時間は通常10分〜24時間であるが、副生成物の観点から反応時間が短いことが好ましく、10分〜5時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜2時間であるが、反応装置や仕込み量によっても適宜、変化させることもでき、これに限定されない。
ジクロロリン酸塩とフッ化水素の接触は大気圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。接触効率を高めるため、及びフッ化水素を流出させないために、還流をかけることがより好ましい。
還流をかける温度は、組成収束のため(合成反応を収束させるため)、80〜250℃に維持して行うことが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは100℃〜150℃である。
還流をかける時間は副生成物の観点から短いことが好ましく、10分〜3時間が好ましく、さらには10分〜1時間とすることが好ましい。
目的温度までの昇温速度は任意に設定することができるが、1〜200℃/hにて昇温することが好ましく、より好ましくは10〜150℃/hとすることが好ましい。さらには反応装置の規模や仕込み量の程度によっても、適宜、変化させることもでき、良好な条件を選択することができる。
還流塔の塔底の制御温度は−50℃〜20℃が好ましく、さらには、−40℃〜10℃がより好ましく、特に好ましくは−30℃〜5℃である。
反応後に、反応液中に不溶解成分が生成している場合には、通常のろ過操作によってろ別することができる。
また、余剰に存在する反応溶媒は、一般的な加熱操作や減圧操作や晶析ろ過操作によって除去することができる。このときの加熱乾燥温度は、80℃〜250℃が好ましく、さらには、100℃〜180℃がより好ましく、特に好ましくは110℃〜150℃である。
本発明の製造方法において、得られたジフルオロリン酸塩を、さらなる精製工程に付すこともできる。精製方法として、特に限定されず、例えばろ過や洗浄、再結晶といった公知の手法を用いることができる。目的によってはハロゲン交換といった化学的処理によって純度を向上させてもよい。
ろ過としては、ジフルオロリン酸塩を溶解し、フッ化リチウムの溶解度の小さい溶媒を用いる。溶媒に反応物を溶解し、不溶解分を分離し、エバポレーター等で脱溶媒することで高純度なジフルオロリン酸塩を得ることができる。
洗浄としては、例えば、得られた粗ジフルオロリン酸塩に対し、ジフルオロリン酸塩の溶解度の小さい溶媒を用いる。溶媒により洗浄を行うことで不純物を洗い流すことで高純度なジフルオロリン酸塩を得ることができる。
再結晶としては、例えば、ジフルオロリン酸塩を溶解する溶媒を用い、溶解度の温度依存性を利用する。溶媒に反応物を溶解し、加熱及び冷却を行うことで高純度のジフルオロリン酸塩の結晶を析出させることができる。
ろ過や洗浄や再結晶を行う溶媒の種類としては、ジフルオロリン酸塩等と反応するか、分解や変質を生じさせない限り、特に限定されないが、例えば、炭酸エステル類、エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル化合物、アミド化合物、アルコール類、アルカン類等が挙げられる。例えば以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
炭酸エステル類としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、又はプロピレンカーボネートが挙げられる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジエチルメチル等が挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられ、好ましくはジメトキシエタンが挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
アルカン類としては、ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
上記の有機溶媒の中では、二次電池用電解液の添加剤としての利用、溶媒の残留可能性等の観点から、炭酸エステル類、エステル類が好ましく、より好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、又はジメトキシエタンである。
上記の有機溶媒は一種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いても良い。2種類以上用いる場合は、ジフルオロリン酸塩の良溶媒と貧溶媒を任意の割合で混合するか、二次電池で用いる電解液と同じ組成とすることが好ましい。また、溶媒はジフルオロリン酸塩やジクロロリン酸塩を溶解することができてもよく、できなくても撹拌ができる量であればよい。
ハロゲン交換としては、例えば、ジフルオロリン酸塩に対して、塩化物等のハロゲン化物を、溶媒中、もしくは無溶媒で作用させ、残留するフッ化水素を除去し、低酸分のジフルオロリン酸塩を得ることができる。
上記のハロゲン化物としては、特に限定されないが、塩化チオニル、塩化アセチル、テトラクロロシラン等の揮発性の化合物や、塩化リチウム、臭化カルシウム等の有機溶剤に難溶性を示す化合物が容易に除去でき、好ましい。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、かかる実施例に限定されるものではない。反応生成物の分析はVarian社製NMR System300型を用いて19F−NMR、31P−NMRにて行った。生成物の純度は、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを用いて19F−NMR、31P−NMRにより目的物と内部標準物質(ケミカルシフト値−166.8ppm)との積分値比により定量した。水分は三菱化学社製MOdel CA−06を用い定量した。遊離酸分(HF)はNaOHを用いた中和滴定により定量した。
〔実施例1〕
塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。1時間撹拌した後、31P−NMRにて塩化ホスホリルのピークが消失し、ジクロロリン酸のピークが出現したことを確認し、フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)を加えた。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸のピークが消失し、ジクロロリン酸リチウム及びモノクロロモノフルオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 17.0g(フッ化水素換算0.24mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶が15.9g得られた。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。その結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。引き続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を13.2g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例2〕
塩化リチウム 7.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 68.5g(フッ化水素換算0.48mol)を加え、10℃で30分撹拌した。その後、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。続いて、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を13.2g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.4g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例3〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.9g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.5g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例4〕
炭酸リチウム 6.0g(0.08mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 1.4g(0.08mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.49mol)を加え、10℃で30分撹拌した。その後、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。続いて、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.8g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.0g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例5〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、1,2−ジメトキシエタン 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素1,2−ジメトキシエタン溶液 35.0g(フッ化水素換算0.49mol)を加え、10℃で30分撹拌した。その後、110℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。続いて、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.1g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を9.3g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例6〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、酢酸エチル 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素酢酸エチル溶液 35.0g(フッ化水素換算0.49mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を15.2g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例7〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジエチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素ジエチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.49mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、110℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.7g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を9.3g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例8〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、を250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃にて無溶媒で振とう攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.2g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.4g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例9〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、を250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃にて無溶媒で振とう攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフロオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、無水フッ化水素 11.0g(0.55mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、130℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.4g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例10〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフロオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、無水フッ化水素 11.0g(0.55mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.4g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例11〕
フッ化リチウム 46g(1.8mol)、塩化ホスホリル 250g(1.6mol)、ジメチルカーボネート 625gを2LのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、20℃で攪拌しながら純水 29g(1.6mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフロオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 170g(フッ化水素換算2.4mol)を加え、20℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を140g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を106g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例12〕
塩化ナトリウム 10.5g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸ナトリウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。100℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸ナトリウムの結晶を17.9g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸ナトリウムの結晶を15.0g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例13〕
フッ化カリウム 10.5g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸カリウム及びモノフロオロリン酸カリウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸カリウムの結晶を19.0g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸カリウムの結晶を16.2g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例14〕
フッ化セシウム 27.3g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸セシウム及びモノフロオロリン酸セシウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸セシウムの結晶を29.7g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸セシウムの結晶を 21.9g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例15〕
リン酸二水素リチウム 18.7g(0.18mol)、塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。続いて、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を13.8g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.3g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例16〕
フッ化リチウム 4.6g(0.18mol)、五塩化リン 33.3g(0.16mol)、ジメチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、10℃で攪拌しながら純水 5.9g(0.33mol)を30分かけて滴下した。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸リチウム及びモノフロオロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、14%フッ化水素ジメチルカーボネート溶液 35.0g(フッ化水素換算0.25mol)を加え、10℃で30分撹拌した。その後、120℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。120℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.4g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を10.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例17〕
フッ化水素との接触温度が−5℃である以外は実施例4と同様に行った。得られた粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶は15.2gであった。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例18〕
フッ化水素との接触温度が100℃である以外は実施例4と同様に行った。得られた粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶は15.7gであった。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を10.4g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔実施例19〕
フッ化水素(流量25mL/min)を窒素(流量100mL/min)で希釈した以外は実施例9と同様に行った。得られた粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶は13.8gであった。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を11.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50wtppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
[実施例20]
塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジエチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、25℃で攪拌しながら純水 1.5g(0.08mol)を30分かけて滴下した。1時間撹拌した後、31P−NMRにて塩化ホスホリルのピークが消失し、ジクロロリン酸のピークが出現したことを確認し、炭酸リチウム 5.9g(0.08mol)を加えた。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸のピークが消失し、ジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、28%フッ化水素ジエチルカーボネート溶液 34.2g(フッ化水素換算0.48mol)加え、25℃で30分撹拌した。続いて、150℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。150℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を15.7g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を13.3g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50重量ppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
[実施例21]
塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジエチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、25℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。1時間撹拌した後、31P−NMRにて塩化ホスホリルのピークが消失し、ジクロロリン酸のピークが出現したことを確認し、塩化リチウム 7.6g(0.18mol)を加えた。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸のピークが消失し、ジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、無水フッ化水素 11.1g(0.55mol)加え、25℃で30分撹拌した。続いて、150℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。150℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を14.8g得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を13.3g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50重量ppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
[実施例22]
塩化ホスホリル 25.0g(0.16mol)、ジエチルカーボネート 62.5gを250mLのPFA製容器に量りとった。続いて、窒素シールの下、25℃で攪拌しながら純水 2.9g(0.16mol)を30分かけて滴下した。1時間撹拌した後、31P−NMRにて塩化ホスホリルのピークが消失し、ジクロロリン酸のピークが出現したことを確認し、塩化リチウム 7.6g(0.18mol)を加えた。30分撹拌した後、31P−NMRにてジクロロリン酸のピークが消失し、ジクロロリン酸リチウムのピークが出現することを確認した後、無水フッ化水素 11.1g(0.55mol)加え、25℃で30分撹拌した。続いて、150℃で、窒素シールしながら1時間撹拌し、組成を収束した。150℃で2時間加熱し余剰な溶媒や反応副生物を留去せしめた。その後、室温まで冷却すると粗ジフルオロリン酸リチウムの結晶を12.1得た。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて生成比を算出した。結果、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。続いて精製処理を実施したところ、ジフルオロリン酸リチウムの結晶を9.7g得た。得られた結晶を中和滴定により算出した酸分値は50重量ppm以下、NMRにて算出した純度は99%であった。
〔比較例1〕
水を使用しない以外は実施例3と同様に行った。得られた結晶は5.9gであった。さらに、ジフルオロリン酸リチウムの生成比は63%の比率であった。収率が低く、純度も低いことから反応が十分に進行していないことが確認できた。
〔比較例2〕
組成を収束させる温度を60℃とした以外は実施例9と同様に行った。得られた結晶を19F−NMR、31P−NMRにて分析を行ったところ、ジクロロリン酸リチウムやモノフルオロリン酸リチウムのピークが確認され、ジフルオロリン酸リチウムの生成比は38%であった。純度が低いことから反応が十分に進行していないことが確認できた。
実施例1〜22並びに比較例1及び2の実験条件を表1−1〜表1−3に示す。また、実施例1〜22並びに比較例1及び2の粗ジフルオロリン酸塩結晶についての結果を表2−1〜表2−3に示す。
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Claims (8)

  1. (1)アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩と、リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種のリン化合物と、水との反応によってジクロロリン酸塩を生成させる工程と、(2)当該ジクロロリン酸塩にフッ化水素を反応させる工程とを含み、ジクロロリン酸塩とフッ化水素とを接触させた後、生成物の組成を収束させる温度として80℃〜250℃の範囲に制御することを特徴とするジフルオロリン酸塩の製造方法。
  2. (1)リンのオキシ塩化物及び塩化物からなる群より選択される1種のリン化合物と水との反応によって、ジクロロリン酸を生成させる工程と、(2)当該ジクロロリン酸と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の塩との反応によりジクロロリン酸塩を生成させる工程と、(3)当該ジクロロリン酸塩にフッ化水素を反応させる工程とを含み、ジクロロリン酸塩とフッ化水素とを接触させた後、生成物の組成を収束させる温度として80℃〜250℃の範囲に制御することを特徴とするジフルオロリン酸塩の製造方法。
  3. フッ化水素が、無水フッ化水素、無水フッ化水素と有機溶媒との混合溶液、又は無水フッ化水素と不活性ガスとの混合ガスからなる群より選択される何れかである、請求項1又は2に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
  4. 反応に使われる塩が、アルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、水酸化物、及び酸化物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3の何れか1項に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
  5. 反応に使われる塩が、アルカリ金属のハロゲン化物又は炭酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3の何れか1項に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
  6. リン化合物が、塩化ホスホリルである、請求項1〜5の何れか1項に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
  7. リン化合物と水との反応温度が−50℃〜50℃の範囲であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
  8. ジクロロリン酸塩とフッ化水素との接触温度として−50℃〜130℃の範囲で互いを接触させた後、生成物の組成を収束させる温度として80℃〜250℃の範囲に制御することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のジフルオロリン酸塩の製造方法。
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