JP6091461B2 - スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物 - Google Patents

スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム電池の正極活物質として用いることができ、特に電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)等に搭載される電池の正極活物質として好適に用いることができるスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物に関する。
リチウム電池、特にリチウム二次電池は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しているため、ビデオカメラ等の家電製品や、ノート型パソコン、携帯電話機等の携帯型電子機器、パワーツールなどの電動工具などの電源として広く用いられており、最近では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などに搭載される大型電池へも応用されている。
リチウム二次電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして溶け出して負極へ移動して吸蔵され、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池であり、その高いエネルギー密度は正極材料の電位に起因することが知られている。
この種のリチウム二次電池の正極活物質としては、層構造をもつLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2などのリチウム遷移金属酸化物のほか、LiMn24、LiNi0.5Mn1.54などのマンガン系のスピネル構造(Fd-3m)を有するリチウム遷移金属酸化物(本発明では「スピネル型リチウム遷移金属酸化物」或いは「LMO」とも称する)が知られている。
マンガン系のスピネル型リチウム遷移金属酸化物(LMO)は、原料価格が安く、毒性がなく安全であり、しかも過充電に強い性質を有することから、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの大型電池用の次世代正極活物質として着目されている。また、3次元的にLiイオンの挿入・脱離が可能なスピネル型リチウム遷移金属酸化物(LMO)は、層構造をもつLiCoO2などのリチウム遷移金属酸化物に比べて出力特性に優れているため、EV用電池、HEV用電池などのように優れた出力特性が要求される用途に利用が期待されている。
スピネル型リチウム遷移金属酸化物(LMO)に関しては、従来、例えば特許文献1において、組成式Li1+xMn2-xu-yy(但し、0.02≦x,0.1≦y≦u,3≦(2u−y−1−x)/(2−x)≦4,3.9≦u≦4.1である。)で示され、平均粒径が1〜20μmの範囲であるリチウムマンガン複合酸化物が開示されている。
また、特許文献2には、組成式Li1+xMn2-x-yMgy4(x=0.03〜0.15,y=0.005〜0.05)で示され、比表面積が0.5〜0.8m2/gであり、且つナトリウム含有量が1000ppm以下であるLi−Mn系スピネル化合物が開示されている。
特許文献3には、粒度分布がシャープで且つ流動性が高いリチウムマンガン複合酸化物として、LixMn2-yMeyO4-z(式中、MeはMn以外の原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素であり、xは0<x<2.0、yは0≦y<0.6、zは0≦z<2.0の値をとる。)で示されるリチウムマンガン複合酸化物において、平均粒子径が0.1〜50μm、ロジン・ラムラーによるn値が3.5以上、且つ、BET比表面積が0.1〜1.5m2/gであり、60°以下であるリチウムマンガン複合酸化物が開示されている。
特許文献4には、電解二酸化マンガンを400℃〜900℃の酸素含有雰囲気において熱処理した後に、水洗処理したものをリチウム化合物とともに焼成して得られたリチウムマンガン複合酸化物であって、イオウ含有量が0.32重量%以下であり、平均細孔径が120nm以上であり、Li1+xMn2-xO4(0.032≦x≦0.182)で表されることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物が開示されている。
特開平11−045710号公報 特開2002−033101号公報 特開2001−122626号公報 特許3456181号公報
自動車に搭載される電池、例えば電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などに搭載される電池への利用を考えると、電池の寿命が長いこと、言い換えればサイクル時の容量維持率が高いこと、並びに、電池を使用しているうちに抵抗が上昇しないこと、言い換えれば、サイクル時の出力維持率が高いことの両方の特性が求められる。しかし、サイクル時の容量維持率を高める一方で、サイクル時の出力維持率を高くすることは、容易なことではない。
本発明は、サイクル時の容量維持率が高くすることができ、しかもサイクル時の出力維持率を高くすることができる、新たなスピネル型リチウム遷移金属酸化物を提供せんとするものである。
本発明は、安息角が50〜75°であり、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)が0ppmより多く且つ400ppm未満であることを特徴とするスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物を提案する。
本発明は、スピネル型リチウム遷移金属酸化物において、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)を400ppm未満に制御すると共に、安息角を比較的高い範囲に調整することにより、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、サイクル時の容量維持率が高くしつつ、サイクル時の出力維持率を高くすることに成功した。よって、本発明が提案するスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物は、リチウム電池の正極活物質、中でも電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)等に搭載される電池の正極活物質として好適に用いることができる。
実施例の電池特性評価で使用した電気化学評価用セルの構造を説明した図である。 実施例1で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物のSEM写真(1000倍)である。 実施例1で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物のSEM写真(5000倍)である。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本リチウム遷移金属酸化物>
本実施形態のスピネル型(Fd-3m)リチウム遷移金属酸化物(以下「本リチウム遷移金属酸化物」という)は、所定範囲の安息角を有し、かつ、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)が所定範囲であることを特徴とするリチウムマンガン遷移金属酸化物である。
<組成>
本リチウム遷移金属酸化物は、スピネル型(Fd-3m)の結晶構造を有していれば、特に組成を限定するものではない。カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)と安息角を調整することで、サイクル時の容量維持率を高くしつつ、サイクル時の出力維持率を高くすることができるという効果は、結晶構造が共通していれば組成が異なっていても同様の効果を得ることができると考えられるからである。
ただし、リチウム電池の正極活物質として用いた場合の総合的な特性を考慮すると、一般式(1)・・Li1+x2-x4-δ(但し、式中のMは、Mn、Al及びMgを含む遷移金属である。)で表わされるスピネル型(Fd-3m)リチウム遷移金属酸化物であるのが好ましい。
その中でも、一般式(2)・・Li(LixMgAlMn2-x-y-z)O4-δで表わされるリチウム遷移金属酸化物であるのがさらに好ましい。
一般式(1)及び(2)において、「x」は0.01〜0.09であるのが好ましい。Liを多く含んでいると、洗浄してもLiが抜け難くなり、水などの溶媒に対する耐性が高まるからである。よってかかる観点から、「x」は、中でも0.02以上或いは0.08以下、中でも0.07以下、その中でも0.05以下であるのがより好ましい。
一般式(2)において、「y」は、0〜0.07であるのが好ましく、中でも0.05以下、特に0.003以上或いは0.04以下、その中でも0.038以下、その中でも0.02以下、その中でも0.011以下であるのがより好ましい。別の表現をすれば、Mgを0.5wt%未満、中でも0wt%より多いか或いは0.05wt%以下、その中でも0.05wt%以上或いは0.4wt%以下、その中でも0.3wt%以下、その中でも0.15wt%以下の割合で含有するのが好ましい。
また、一般式(2)において、「z」は、0.01〜0.13であるのが好ましく、中でも0.02以上或いは0.12以下、その中でも特に0.04以上或いは0.10以下、その中でも0.045以上或いは0.085以下、中でも0.055以上、中でも0.07以上であるのがより好ましい。別の表現をすれば、Alを0.5〜2.0wt%、中でも0.6wt%以上或いは1.8wt%以下、その中でも0.6wt%以上或いは1.4wt%以下、中でも0.7wt%以上或いは1.3wt%以下、中でも0.9wt%以上、その中でも1.1wt%以上の割合で含有するのが好ましい。
また、本リチウム遷移金属酸化物粉末には、5V級スピネル(すなわち、金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を有するスピネル型リチウムマンガンニッケル含有複合酸化物)の粉末も包含される。
5V級スピネルの一般式を例示すると、LiNi0.5Mn1.54などや、LiMn24-δにおけるMnサイトの一部を、Liと、Niを含む金属元素M1と、他の金属元素M2とで置換してなる結晶相を含むスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物を主成分として含有する粉末を挙げることができる。
この際、金属元素M1は、主に金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を発現させるのに寄与する置換元素であり、Ni、Co及びFeなどを挙げることができる。Niを必須成分として含み、必要に応じてCo及びFeのうちの少なくとも一種を含んでいればよく、M1として他の金属元素を含んでいてもよい。
金属元素M2は、主に結晶構造を安定化させて特性を高めるのに寄与する置換元素であり、例えば容量維持率向上に寄与する置換元素として、例えばMg、Ti、Al、Ba、Cr及びNbなどを挙げることができる。これらMg、Ti、Al、Ba、Cr及びNbのうちの少なくとも一種を含んでいればよく、M2として他の金属元素を含んでいてもよい。
例えば、5V級スピネルの一例として、一般式(3)・・・Li[LiaMn2-a-b-cM1bM2c]O4-δ(但し、式中の「a」は0.00〜1.0であり、「b」は0.30〜0.70、「c」は0.00≦c)で表されるスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物などを挙げることができる。
なお、一般式(3)において、M2の含有量を示す「c」は、0.001以上或いは0.400以下であるのが特に好ましい。
また、5V級スピネルは、一般式(3)で示される母相のほかに、Ni、Mn及びBを含む複合酸化物相を含有してもよい。このようなNi、Mn及びBを含む複合酸化物は、スピネル粒子の表面や粒界に存在しているものと推察される。
「Ni、Mn及びBを含む複合酸化物相」としては、例えばNi5MnO4(BO32の結晶相を挙げることができる。
Ni5MnO4(BO32の結晶相を含有することは、X線回折(XRD)により得られた回折パターンを、PDF(Powder Diffraction File)番号「01−079−1029」と照合することにより確認することができる。
なお、スピネル構造のものは一般的に酸素欠損を含むため、上記一般式(1)(2)及び(3)において酸素の原子比は多少の不定比性(4−δ(0≦δ))を有してもよいし、酸素の一部がフッ素で置換されていてもよい。
<安息角>
本リチウム遷移金属酸化物は、安息角が50〜75°であるのが好ましい。安息角がこのような範囲であれば、本リチウム遷移金属酸化物をリチウム電池の正極活物質として用いた場合に、充填性が高く、容量維持率を高めることができ、サイクル時の出力維持率を高めることができる。このような知見は、従来、安息角は低い方が好ましいとされてきた点からすると、逆の知見であると言える。そして、水分量を下記の範囲に制御しつつ安息角をこのような範囲に調整することにより、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、サイクル時の容量維持率が高くしつつ、サイクル時の出力維持率を高めることができたのである。
かかる観点から、上記範囲の中でも、本リチウム遷移金属酸化物の安息角は54°以上或いは70°以下であるのがさらに好ましく、中でも57°以上、その中でも60°以上であるのが好ましい。
なお、5V級スピネルの場合は、安息角が50°〜70°であるのがさらに好ましく、中でも51°以上であるのが好ましい。
本リチウム遷移金属酸化物の安息角を上記範囲に調整するためには、所定条件で解砕した後、所定条件で洗浄し、所定条件で乾燥し、その後、磁選によって表面の磁着物を除去するようにすればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
安息角の測定に関しては、吸着水分により影響を受けるため、ばらつきを抑制するため、測定環境は例えば25℃で湿度60%以下になるように制御すると共に、測定前に吸着水分が増加しないように、測定サンプルを乾燥剤入りのデシケーター中に入れて25℃で一昼夜乾燥させた後に安息角を測定するのが好ましい。
安息角の測定は、例えばホソカワミクロン社製パウダーテスタ(登録商標)を用いて、測定サンプル(試料)をパウダーテスタ(登録商標)付属のロートより投入し、受け皿に十分な山を形成するまで測定サンプル(試料)の供給を行い、形成した山の角度を測定するように行えばよい。
<水分量>
本リチウム遷移金属酸化物は、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)が0ppmより多く且つ400ppm未満であるのが好ましい。
カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)は、本リチウム遷移金属酸化物に物理的に吸着している水分、及び表面に化学的に吸着している水分の両方を含むものであり、かかる水分量を0ppmより多く、且つ400ppm未満に制御しつつ安息角を上記範囲に調整することで、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、サイクル時の容量維持率が高くしつつ、サイクル時の出力維持率を高くすることができる。
かかる観点から、本リチウム遷移金属酸化物において、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)は、上記範囲の中でも、300ppm以下であるのがより一層好ましく、その中でも240ppm以下であるのが特に好ましい。
さらに、カールフィッシャー法により測定される水分量(200〜300℃)を0ppm以上(好ましくは0ppmより多く)且つ150ppm未満に制御するのがより一層好ましい。
カールフィッシャー法により測定される水分量(200℃〜300℃)は、本リチウム遷移金属酸化物の表面に化学的に吸着している水分であり、かかる水分量を0ppm以上(好ましくは0ppmより多く)且つ150ppm未満に規定することにより、電池の正極活物質として使用した場合の上記特性をさらに高めることができる。
かかる観点から、本リチウム遷移金属酸化物において、カールフィッシャー法により測定される水分量(200℃〜300℃)は、上記範囲の中でも、60ppm以下であるのがより一層好ましく、その中でも40ppm以下であるのが特に好ましい。
なお、本リチウム遷移金属酸化物の水分量を上記範囲に制御するには、所定条件で洗浄した後、所定条件で乾燥する方法を好ましい方法の一例として挙げることができる。
上記の水分量の測定は、カールフィッシャー水分計を用いて、窒素雰囲気中で200℃にした装置内で、測定サンプル(試料)を30分間加熱した際に放出される水分量を測定し、続いて300℃に昇温した後、300℃で30分間加熱した際に放出される水分量を測定するように行えばよい。そしてこの際、窒素雰囲気中で200℃にした装置内で、測定サンプル(試料)を30分間加熱した際に放出される水分量を「カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜200℃)」とし、300℃で30分間加熱した際に放出される水分量を「カールフィッシャー法により測定される水分量(200℃〜300℃)」とし、前記「25℃〜200℃の水分量(ppm)」と前記「200℃〜300℃の水分量(ppm)」の合計量を「25〜300℃の水分量(ppm)」として算出すればよい。
<硫黄含有量>
本リチウム遷移金属酸化物は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により測定される硫黄含有量が0wt%より多く且つ0.3wt%未満であるのが好ましい。
誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析にて測定される硫黄含有量は、粒子表面に付着しているLi2SO4などの不純物量の代替指標と考えられる。この硫黄含有量を0.3wt%未満にすることにより、粒子表面に付着している不純物の量を所望基準より少なくすることができ、その結果、電池特性、具体的にはサイクル時の出力維持率などの特性をさらに高めることできる。
かかる観点から、本リチウム遷移金属酸化物の硫黄含有量が0.1wt%以下であるのがさらに好ましく、中でも0.03wt%以下、その中でもさらに0.01wt%以下であるのがさらに好ましい。
<比表面積>
本リチウム遷移金属酸化物のBET比表面積は0.60m2/g以下であるのが好ましく、中でも0.05m2/g以上或いは0.55m2/g以下、その中でも0.08m2/g以上或いは0.50m2/g以下、中でも特に0.10m2/g以上或いは0.40m2/g以下、中でも特に0.20m2/g以上であるのが好ましく、その中でも特に0.23m2/g以上或いは0.37m2/g以下であるのがさらに好ましい。
なお、5V級スピネルの場合は、中でも0.05m2/g以上或いは0.55m2/g以下、特に0.10m2/g以上或いは0.50m2/g以下であるのが好ましい。
本リチウム遷移金属酸化物のBET比表面積を上記範囲に調整するには、焼成温度や原料粒度などを適宜調整すればよい。
<1次粒子の平均粒径>
本リチウム遷移金属酸化物の1次粒子の平均粒径は、0.5μm〜5μmであるのが好ましく、特に0.7μm以上或いは4.0μm以下、中でも特に1.0μm以上或いは3.0μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、1次粒子の平均粒径は、走査電子顕微鏡(HITACHI S‐3500N)を使用し、加速電圧20kV、倍率3000倍にて観察し、電子顕微鏡写真の1次粒子像を画像解析ソフト(OLYMPUS製 analysis FIVE)を用いて算出して求めることができる。
本リチウム遷移金属酸化物の1次粒子の平均粒径を上記範囲に調整するには、焼成温度や原料粒度などを適宜調整すればよい。中でも、焼成温度の影響が最も大きい。
<磁着物量>
磁着物とは、鉄やステンレス鋼などのように、磁力によって磁石に付着する物質の意味である。具体的には、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、及びそれらの元素を含有する化合物である。
本リチウム遷移金属酸化物においては、例えば高温充電時保存時の電圧低下が生じ難いという点などから、所定の方法で測定される磁着物量が0ppbより多く且つ450ppb未満であるのが好ましい。磁着物量の下限値はゼロであるのが好ましいが、現実的には0ppbとすることは極めて難しいため、実現性を考慮すると、0ppb<磁着物量<450ppb、より現実的には2ppb〜450ppbであるのが好ましい。但し、除去するためのコストを考慮すると、さらに5ppb〜250ppb或いは10ppb以上或いは100ppbの範囲に調整するのが好ましい。
なお、当該磁着物量を測定することで、設備の異常発生有無の判断にもなる。
上記の磁着物量は、次のような方法で測定される値である。
すなわち、上記の磁着物量は、500cc蓋付き樹脂性容器を用いて、正極活物質材料(粉体)100gに、イオン交換水500ccと、テトラフルオロエチレンで被覆された円筒型攪拌子型磁石(KANETEC社製TESLA METER 型式TM−601を用いて磁力を測定した場合に、磁力範囲が100mT〜150mTに入る磁石)1個を加えて、ボールミル回転架台にのせ、回転させてスラリー化する。次に、磁石を取り出し、イオン交換水に浸して超音波洗浄機にて、磁石に付着した余分な粉を除去する。次に、磁石を取り出し、王水に浸して王水中で80℃、30分間加温して磁着物を溶解させ、磁着物が溶解している王水をICP発光分析装置にて鉄、ニッケル、クロム及び亜鉛の量を分析し、これらの合計量を磁着物量として正極活物質材料重量当りの磁着物量を算出することにより求めることができる。
但し、5V級スピネルの場合は、Niを主成分として含有するため、鉄、クロム及び亜鉛の量を分析し、これらの合計量を磁着物量とすればよい。
上記の測定方法は、JIS G 1258:1999を参酌して、磁石に付着した磁着物量を酸溶解して磁着物量を定量する方法である。
磁石に付着した磁着物は微量であるため、磁石ごと酸性溶液に浸漬させて磁着物を酸溶解させる必要がある。そこで、磁石には、テトラフルオロエチレンで被覆された磁石を用い、測定前に各磁石の強度を測定するのが好ましい。
なお、磁石の磁力は、例えば130mTの磁力を有する磁石として市販されている同じ種類の磁石であっても、KANETEC社製TESLA METER 型式TM−601を用いて磁力を測定してみると、100mT〜150mT程度の範囲で測定値がズレることが分かっている。その一方、このように測定した磁力が100mT〜150mT程度の範囲内にある磁石であれば、本発明が規定する磁着物量は同様になることを確認しているため、本発明では、磁着物量の測定方法における磁石の磁力を100mT〜150mTという範囲をもって規定するものである。
<製造方法>
次に、本リチウム遷移金属酸化物の製造方法について説明する。
本リチウム遷移金属酸化物は、マンガン化合物、リチウム塩などの原料を混合する工程(原料混合工程)と、混合した原料を焼成する工程(焼成工程)と、得られたスピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物の粉末を、水などの極性溶媒と接触させて洗浄する工程(洗浄工程)と、120〜700℃に加熱して乾燥する工程(乾燥工程)と、必要に応じて磁選工程とを経て製造することができる。但し、このような製法に限定されるものではない。
(原料混合工程)
出発原料としては、少なくともリチウム原料及びマンガン原料を適宜選択すればよい。
リチウム原料は、特に限定するものではなく、リチウム塩、例えば水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、硝酸リチウム(LiNO3)、LiOH・H2O、酸化リチウム(Li2O)、その他脂肪酸リチウムやリチウムハロゲン化物等が挙げられる。中でもリチウムの水酸化物塩、炭酸塩、硝酸塩が好ましい。
マンガン原料としては、二酸化マンガン、四酸化三マンガン、三酸化二マンガン、炭酸マンガン等のマンガン化合物のいずれか、或いはこれらのうちから選択される二種類以上の組合せからなる混合物を用いることができる。
二酸化マンガンとしては、化学合成二酸化マンガン(CMD)、電解によって得られる電解二酸化マンガン(EMD)、炭酸マンガン或いは天然二酸化マンガンを用いることができる。中でも、電解二酸化マンガンは、前述のように硫酸マンガン電解浴中で生成されるため、粒子内部にSO4などの硫化物が比較的多く存在することになるため、本発明の効果をより一層享受できる点で好ましい。
その他、マグネシウム原料やアルミニウム原料を配合することもできる。
この際、マグネシウム原料としては、特に限定するものではなく、例えば酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、硝酸マグネシウム(Mg(NO32)などを用いることができ、中でも酸化マグネシウムが好ましい。
アルミニウム原料としては、特に限定するものではない。例えば水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、フッ化アルミニウム(AlF)などを用いることができ、中でも水酸化アルミニウムが好ましい。
なお、5V級スピネル型リチウムマンガンニッケル含有複合酸化物の場合は、上記M1金属塩化合物又は上記M2金属塩化合物として、例えばM1又はM2の炭酸塩、硝酸塩、塩化物、オキシ水酸化塩、水酸化物などを用いることができる。
また、ホウ素化合物を配合してもよい。
ホウ素化合物を添加して焼成することで、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の結晶粒子が集合した微粒子の焼結を促進でき、緻密な凝集微粒子(2次粒子)を形成できるため、充填密度(タップ密度)を高めることができる。同時に、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の結晶の生成および成長を促進できるため、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の結晶子サイズを大きくすることができ、一次粒子内の界面の数を減らして高負荷放電(3C)での放電容量を高めることができる。
この際、ホウ素化合物は、ホウ素(B元素)を含有する化合物であればよい。焼成前に添加したホウ素化合物は焼成によって形態が変化するものと考えられるが、その形態を正確に特定することは困難である。但し、当該ホウ素(B元素)は水で溶出される状態で存在していることから、当該B元素はスピネル構成元素ではなく、何らかの形態のホウ素化合物としてスピネルの外に存在していることが確認されている。よって、スピネル中にホウ素(B元素)は存在せず、結晶粒子の表面と内部においてホウ素(B元素)の明確な濃度勾配が存在することもない。
但し、5V級スピネルの場合は、添加したホウ素(B元素)は、NiやMnと反応してNi、Mn及びBを含む複合酸化物相を形成し、スピネル粒子の表面や粒界などに存在するものと推察される。
ホウ素化合物は、上記の如くスピネル型リチウム遷移金属酸化物を焼成する際にホウ素化合物を添加して焼成することで、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の焼結を促進する役割を果たすため、同様の効果を有する他の物質、すなわち融点が焼成温度以下の物質、例えばバナジウム化合物(V25)、アンチモン化合物(Sb23)、リン化合物(P25)などの化合物も同様の効果を得ることができるものと考えられる。
その他、リチウム遷移金属酸化物の出発原料として知られている物質を配合することが
可能である。
原料の混合は、均一に混合できれば、その方法を特に限定するものではない。例えばミキサー等の公知の混合機を用いて各原料を同時又は適当な順序で加えて湿式又は乾式で攪拌混合すればよい。置換し難い元素、例えばアルミニウムなどを添加する場合には湿式混合を採用するのが好ましい。
乾式混合としては、例えば高速で混合粉を回転させる精密混合機を使用した混合方法を例示することができる。
他方、湿式混合としては、水や分散剤などの液媒体を加えて湿式混合してスラリー化させ、得られたスラリーを湿式粉砕機で粉砕する混合方法を例示することができる。特にサブミクロンオーダーまで粉砕するのが好ましい。サブミクロンオーダーまで粉砕した後、造粒及び焼成することにより、焼成反応前の各粒子の均一性を高めることができ、反応性を高めることができる。
(造粒)
上記の如く混合した原料は、必要に応じて所定の大きさに造粒した後、焼成してもよい。但し、造粒は必ずしもしなくてもよい。
造粒方法は、前工程で粉砕された各種原料が分離せずに造粒粒子内で分散していれば湿式でも乾式でもよく、押し出し造粒法、転動造粒法、流動造粒法、混合造粒法、噴霧乾燥造粒法、加圧成型造粒法、或いはロール等を用いたフレーク造粒法でもよい。但し、湿式造粒した場合には、焼成前に充分に乾燥させることが必要である。
この際の乾燥方法としては、噴霧熱乾燥法、熱風乾燥法、真空乾燥法、フリーズドライ法などの公知の乾燥方法によって乾燥させればよく、中でも噴霧熱乾燥法が好ましい。噴霧熱乾燥法は、熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いて行なうのが好ましい。熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いて造粒することにより、粒度分布をよりシャープにすることができるばかりか、丸く凝集してなる凝集粒子(2次粒子)を含むように2次粒子の形態を調製することができる。
(焼成工程)
焼成は、例えば大気雰囲気下で、700〜1050℃、中でも710℃以上或いは980℃以下、その中でも720℃以上或いは970℃以下、その中でも特に740℃以上或いは960℃以下、中でも750℃以上或いは950℃以下、その中でも940℃以下で焼成するのが好ましい。
なお、この焼成温度とは、焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させて測定される焼成物の品温を意味する。
焼成時間、すなわち上記焼成温度を保持する時間は、焼成温度にもよるが、0.5時間〜90時間、中でも1時間以上或いは80時間以下、その中でも4時間以上或いは30時間以下とするのが好ましい。
焼成後の降温速度は、少なくとも500℃までは10℃/min以下の冷却速度でゆっくり冷却するのが好ましく、中でも0.1℃/min以上或いは8℃/min以下、その中でも特にも0.5℃/min以上或いは5℃/min以下に制御するのがさらに好ましい。
焼成炉の種類は特に限定するものではない。例えばロータリーキルン、静置炉、その他の焼成炉を用いて焼成することができる。
(解砕若しくは粉砕)
焼成後、必要に応じて、得られたスピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物を解砕若しくは粉砕するのが好ましい。
この際、解砕若しくは粉砕の程度は一次粒子を崩壊させないようにするのが好ましい。
(洗浄工程)
本製造方法では、上記のようにして得られたスピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物の粉末(「本リチウム遷移金属酸化物粉末」とも称する)を、極性溶媒と接触させて、粉末中に含まれる不純物を離脱させるように洗浄することが好ましい。
なお、本リチウム遷移金属酸化物粉末には、上述したように5V級スピネルの粉末も包含される。
例えば本リチウム遷移金属酸化物粉末と極性溶媒とを混合し攪拌してスラリーとし、得られたスラリーをろ過などによって固液分離して不純物を除去するようにすればよい。この際、固液分離は後工程で行ってもよい。
なお、スラリーとは、極性溶媒中に本リチウム遷移金属酸化物粉末が分散した状態を意味する。
洗浄に用いる極性溶媒としては、水を用いるのが好ましい。
水としては、市水でもよいが、フィルターまたは湿式磁選機を通過させたイオン交換水や純水を用いるのが好ましい。
水のpHは4〜10であるのが好ましく、中でも5以上或いは9以下であるのがさらに好ましい。
洗浄時の液温に関しては、洗浄時の液温が低ければ電池特性がより良好になることが確認されているため、かかる観点から、5〜70℃であるのが好ましく、中でも60℃以下であるのがより一層好ましく、その中でも特に45℃以下であるのがより一層好ましい。
さらには特に30℃以下であるのがより一層好ましい。
洗浄時の液温が低ければ電池特性がより良好になる理由は、液温が高過ぎると、リチウム遷移金属酸化物中のリチウムがイオン交換水のプロトンとイオン交換してリチウムが抜けて高温特性に影響するためであると推定できる。
本リチウム遷移金属酸化物粉末と接触させる極性溶媒の量については、極性溶媒に対する本リチウム遷移金属酸化物粉末の質量比(「スラリー濃度」とも称する)が10〜70wt%となるように調整するのが好ましく、中でも20wt%以上或いは60wt%以下、その中でも30wt%以上或いは50wt%以下となるように調整するのがより一層好ましい。極性溶媒の量が10wt%以上であれば、SO4などの不純物を溶出させることが容易であり、逆に60wt%以下であれば、極性溶媒の量に見合った洗浄効果を得ることができる。
(磁選工程)
本製造方法では、必要に応じて、磁選すなわち磁石に磁着する不純物を本リチウム遷移金属酸化物粉末から除去する処理を行うのが好ましい。磁選を行うことによって短絡の原因となる不純物を除去することができる。
このような磁選は、本製造方法のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば洗浄工程後や、最後に行う解砕或いは粉砕のその後に磁選を行うのが好ましい。最後の解砕或いは粉砕後に行うことで、解砕機や粉砕機が破損して混入する鉄なども最終的に除去することができる。
磁選方法としては、乾燥した状態の本リチウム遷移金属酸化物粉末を磁石と接触させる乾式磁選法、本リチウム遷移金属酸化物粉末のスラリーを磁石と接触させる湿式磁選法のいずれでもよい。
磁選効率の観点からは、より分散した状態、言い換えれば凝集してない状態の本リチウム遷移金属酸化物粉末を磁石と接触させることができる点で、湿式磁選法の方が好ましい。
なお、洗浄後に磁選を行う場合は、洗浄工程と組み合わせることができる点で、湿式磁選法を選択するのが好ましい。逆に、最後に行う解砕或いは粉砕のその後に磁選を行う場合は、その後に乾燥させる必要がない点で、乾式磁選法を採用するのが好ましい。
洗浄工程と組み合わせて湿式磁選法を行う場合、洗浄工程において本リチウム遷移金属酸化物粉末と極性溶媒とを混合攪拌してスラリーとし、磁選工程で得られたスラリーを湿式磁選器に投入して磁選し、その後にろ過することにより、洗浄工程及び磁選工程で分離した不純物をまとめて本リチウム遷移金属酸化物粉末から分離除去することができる。
湿式磁選器の構造は任意である。例えばパイプ内にフィルター或いはフィン状の磁石を配設してなる構成を備えたような磁選器を例示することができる。
磁選に用いる磁石の磁力(:本リチウム遷移金属酸化物粉末と接触する場所の磁力)は、5000G〜20000G(ガウス)であるのが好ましく、特に10000G以上或いは20000G以下であるのがさらに好ましく、中でも特に12000G以上或いは20000G以下であるのがさらに好ましい。
磁石の磁力が5000G以上であれば、所望の磁選効果を得ることができる一方、磁石の磁力が20000G以下であれば、必要な物までも除去されてしまうことを防ぐことができる。
洗浄工程において本リチウム遷移金属酸化物粉末と極性溶媒とを混合攪拌してスラリーとし、磁選工程で得られたスラリーを湿式磁選器に投入して磁選する場合、磁選に供するスラリーの供給速度は、磁選効率を高める観点から、0.2〜3.0m/secであるのが好ましく、中でも0.3m/sec以上或いは2.0m/sec以下、その中でも0.5m/sec以上或いは1.5m/sec以下とするのが好ましい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、120〜700℃に加熱して乾燥させることが好ましい。この温度は、本リチウム遷移金属酸化物粉末の品温である。
乾燥温度は、上述のように120〜700℃であるのが好ましく、中でも300℃以上、その中でも340℃以上、或いは、第1次酸素放出温度よりも低温領域とするのが好ましい。
「第1次酸素放出温度」とは、スピネル型リチウム遷移金属酸化物を加熱した際に最初に酸素を放出する温度の意味であり、例えばスピネル型リチウム遷移金属酸化物を加熱して600℃〜900℃の範囲で重量減少する開始温度(℃)として求めることができる。
第1次酸素放出温度よりも低温領域に加熱するのが好ましいのは、それ以上の温度に加熱すると酸素欠損が生じるからである。
乾燥させる雰囲気は、酸素を含有する雰囲気、例えば空気中で行うのが好ましい。
また、湿度もできるだけ低い雰囲気で行うのが望ましいため、例えば強制排気装置を備えた加熱装置又は乾燥装置を使用して、平均水蒸気排出速度は0.008g/sec〜300g/sec、中でも0.5g/sec以上或いは200g/sec以下、その中でも1.0g/sec以上或いは150g/sec以下で処理を行うのが好ましい。
なお、水蒸気排出速度とは、単位時間当たりに、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の粉末に含まれている水分を蒸発させることのできる量であり、後述する実施例では、スピネル型リチウム遷移金属酸化物の粉末に含まれている水分の15%量を蒸発させることができる時間を計測して算出している。
(分級)
乾燥後、必要に応じて解砕、粉砕のいずれか或いは両方を行った後、分級するのが好ましい。
そして、上述したように、その後、磁選、特に乾式磁選法を行うのが好ましい。
<特性・用途>
本製造方法で得られたリチウム遷移金属酸化物は、リチウム電池の正極活物質として有効に利用することができる(よって、「本正極活物質」と称する)。
例えば、本正極活物質と、カーボンブラック等からなる導電材と、テフロン(登録商標)バインダー等からなる結着剤とを混合して正極合剤を製造することができる。そしてそのような正極合剤を正極に用い、例えば負極にはリチウムまたはカーボン等のリチウムを吸蔵・脱蔵できる材料を用い、非水系電解質には六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩をエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート等の混合溶媒に溶解したものを用いてリチウム2次電池を構成することができる。但し、このような構成の電池に限定する意味ではない。
<語句の説明>
「リチウム電池」とは、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池など、電池内にリチウム又はリチウムイオンを含有する電池を全て包含する意である。
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。但し、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
炭酸リチウム、磁選処理した電解二酸化マンガン(「磁選済電解二酸化マンガン」と称する)、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび四ホウ酸リチウムを精密混合機で混合後、混合原料を得た。
得られた混合原料を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉中で850℃で15時間焼成し、500℃まで0.5℃/minで降温した後、室温まで自然冷却した。次に、せん断式破砕機で解砕後、気流発生高速回転粉砕機で二次解砕してスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を作製した。
なお、上記の四ホウ酸リチウムは、解砕後のスピネル型リチウム遷移金属酸化物中にホウ素が0.08質量%含有されるように秤量し、添加した。
得られたスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)7000gとイオン交換水(pH5.8)13.5Lとを混合し、10分間攪拌して洗浄を行い、マンガン酸リチウムのスラリーとした(スラリー濃度34質量%)。この時の液温は25℃であった。
このスラリーを湿式磁選器内に1.0m/secの速度で流通させた後、減圧ろ過した。
次に、濾別したスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を、大気中で350℃(品温)を5時間維持するように加熱して水蒸気排出速度1.0g/secで乾燥させた。次いで、分級機によって分級行った後、磁選を行い、325メッシュアンダーの粉末状のスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
得られたスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)の化学分析結果を表1に示した(後述する実施例・比較例も同様)。
(実施例2)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、300℃(品温)を5時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例3)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、300℃(品温)を10時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例4)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、400℃(品温)を5時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例5)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、400℃(品温)を10時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例6)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、350℃(品温)を10時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例7)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、水酸化アルミニウムの配合割合を変更すると共に、洗浄後の乾燥条件を、350℃(品温)を10時間維持するようにした以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例8)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更した以外は実施例1と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例9)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび四ホウ酸リチウムを、精密混合機で混合後、混合原料を得た。
得られた混合原料を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉中で900℃で15時間焼成し、500℃まで0.5℃/minで降温した後、室温まで自然冷却した。次に、せん断式破砕機で解砕してスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を作製した。
なお、上記の四ホウ酸リチウムは、解砕後のスピネル型リチウム遷移金属酸化物中にホウ素が0.08質量%含有されるように秤量し、添加した。
得られたスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)7000gとイオン交換水(pH5.8)13.5Lとを混合し、10分間攪拌して洗浄を行い、マンガン酸リチウムのスラリーとした(スラリー濃度40質量%)。この時の液温は25℃であった。
次に、濾別したスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を、大気中で200℃(品温)を5時間維持するように加熱して水蒸気排出速度1.0g/secで乾燥させた。次いで、分級機によって分級を行った後、磁選を行い、325メッシュアンダーの粉末状のスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例11)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更し、洗浄時のスラリー濃度を50質量%とし、洗浄後の乾燥条件を、120℃(品温)を5時間維持するようにした以外は、実施例9と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例12)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更し、洗浄時のスラリー濃度を50質量%とし、洗浄後の乾燥条件を、120℃(品温)を10時間維持するようにした以外は、実施例9と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例13)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更し、洗浄時のスラリー濃度を60質量%とし、洗浄後の乾燥条件を、真空中で200℃(品温)を10時間維持するようにした以外は、実施例9と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例14)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの配合割合を変更し、洗浄時のスラリー濃度を70質量%とし、洗浄後の乾燥条件を、真空中で200℃(品温)を10時間維持するようにした以外は、実施例9と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例15)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび四ホウ酸リチウムを精密混合機で混合後、混合原料を得た。
得られた混合原料を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉中で800℃で20時間焼成し、500℃まで0.5℃/minで降温した後、室温まで自然冷却した。次に、せん断式破砕機で解砕後、気流発生高速回転粉砕機で二次解砕してスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を作製した。
なお、上記の四ホウ酸リチウムは、解砕後のスピネル型リチウム遷移金属酸化物中にホウ素が0.16質量%含有されるように秤量し、添加した。
得られたスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)7000gとイオン交換水(pH5.8)13.5Lとを混合し、10分間攪拌して洗浄を行い、マンガン酸リチウムのスラリーとした(スラリー濃度34質量%)。この時の液温は25℃であった。
このスラリーを湿式磁選器内に1.0m/secの速度で流通させた後、減圧ろ過した。
次に、濾別したスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を、大気中で350℃(品温)を5時間維持するように加熱して水蒸気排出速度1.0g/secで乾燥させた。次いで、分級機によって分級行った後、磁選を行い、325メッシュアンダーの粉末状のスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
(実施例16)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび四ホウ酸リチウムの配合割合を変更すると共に、焼成条件を、電気炉中で750℃で20時間焼成するようにした以外は、実施例15と同様にスピネル型リチウム遷移金属酸化物(サンプル)を得た。
なお、上記の四ホウ酸リチウムは、解砕後のスピネル型リチウム遷移金属酸化物中にホウ素が0.24質量%含有されるように秤量し、添加した。
(実施例17)
炭酸リチウム、磁選処理した電解二酸化マンガン、水酸化ニッケルおよび四ホウ酸リチウムを湿式混合し噴霧乾燥を行い、混合原料を得た。
得られた混合原料を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。 電気炉中で950℃で70時間焼成した後、700℃で70時間熱処理した後、室温まで自然冷却した。熱処理して得られた焼成粉を目開き75μmの篩で分級し、磁選を行い、スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物(粉末)を得た。
得られたスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物粉末1kgを、pH6〜7、温度20℃、容量2000mLの水を入れた取っ手付きプラビーカ(容量:2000mL)の中に投入し、撹拌機(プロペラ面積24cm)を用いて200〜250rpmの回転で10分間撹拌し、撹拌を停止して撹拌機を水中から取り出し、2分間静置させた。そして、5/12高さまでの上澄み液(30〜45%)を、吸引ろ過機(メンブランフィルター0.1μm)を使用して除去し、沈殿物を吸引ろ過機(ろ紙131)を使用して回収し、得られた沈降物を120℃環境下で24時間静置して乾燥させた後、さらに品温が500℃となるように加熱した状態で24時間静置して乾燥させてから、せん断式破砕機で解砕して目開き75μmの篩で分級し、磁選を行い、前述の一般式(3)で示される5V級スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物粉末(サンプル)を得た。
(実施例18)
実施例17で得られた粉末を、さらに気流発生高速回転粉砕機で二次解砕して、目開き75μmの篩で分級し、磁選を行い、粒度の異なる粉末状の5V級スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物粉末(サンプル)を得た。
(比較例1)
炭酸リチウム、磁選済電解二酸化マンガン、酸化マグネシウムを、精密混合機で混合後、混合原料を得た。
得られた混合原料を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉中で900℃で15時間焼成し、せん断式破砕機により解砕し、分級機によって分級行い、325メッシュアンダーのスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を作製した。
[評価]
実施例および比較例で得られたスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)に関して、以下に示す方法で諸特性を評価した。
<化学分析測定>
実施例・比較例で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)のリチウム量、マンガン量、マグネシウム量、アルミニウム量、ホウ素量および硫黄量を、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により測定し、表1又は表2に示した。
<安息角の測定>
安息角の測定は吸着水分により影響を受けるため、ばらつきを抑制する観点で、測定環境は25℃、湿度60%以下になるように制御した。また、サンプルは測定前に吸着水分が増加しないように、乾燥剤入りのデシケーター中にて25℃で一昼夜乾燥させた後、ホソカワミクロン社製パウダーテスタ(登録商標)「PT−R型」を用いて安息角を測定した。すなわち、スピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)をパウダーテスタ(登録商標)付属のロートより投入し、受け皿に十分な山を形成するまで試料の供給を行い、形成した山の角度を測定した。
<カールフィッシャー法による水分量の測定方法>
実施例・比較例で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を、カールフィッシャー水分計(三菱化学株式会社製CA−100型)を用いて、窒素雰囲気中で200℃にした装置内で30分間加熱した際に放出される水分量を測定し、続いて300℃に昇温した後、300℃で30分間加熱した際に放出される水分量を測定した。
そして、窒素雰囲気中で200℃にした装置内で30分間加熱した際に放出される水分量の測定値を「25℃〜200℃のKF水分(ppm)」とし、300℃で30分間加熱した際に放出される水分量を「200℃〜300℃のKF水分(ppm)」とし、前記「25℃〜200℃のKF水分(ppm)」と前記「200℃〜300℃のKF水分(ppm)」の合計量を「25〜300℃のKF水分(ppm)」とした。
<BET比表面積(SSA)>
ユアサアイオニクス(株)製のモノソーブ(商品名)を用いて、JISR1626-1996(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)の「6.2流動法の(3.5)一点法」に準拠して、BET比表面積(SSA)の測定を行った。
その際、キャリアガスであるヘリウムと、吸着質ガスである窒素の混合ガスを使用した。
<一次粒子の平均径の測定>
走査電子顕微鏡(HITACHI S-3500N)を使用し、加速電圧20kV、倍率3000倍にて、実施例・比較例で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を観察し、電子顕微鏡写真の1次粒子像を画像解析ソフト(OLYMPUS製 analysisFIVE)を用いて解析し、一次粒子の平均粒径を算出した。
<磁着物量の測定>
実施例・比較例で得たスピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)をスラリー化すると共に、テトラフルオロエチレンで被覆された磁石をスラリーに投入して磁着物を磁石に付着させた後、JIS G 1258:1999を参酌して、磁石に付着した磁着物を酸溶解して磁着物を定量する方法を採用して行った。次に詳細に説明する。
なお、磁石に付着した磁着物は微量であるため、磁石ごと酸性溶液に浸漬させて磁着物を酸溶解させる必要がある。そこで、磁石には、テトラフルオロエチレンで被覆された磁石を用い、測定前に各磁石の強度を測定した。磁石の強度は、KANETEC社製TESLA METER 型式TM−601を用いて測定した。
500cc蓋付き樹脂性容器に、スピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)を100g入れ、そこにイオン交換水500ccと、テトラフルオロエチレンで被覆された円筒型攪拌子型磁石(KANETEC社製TESLA METER 型式TM−601を用いて測定した磁力:132mT)の磁石1個とを入れて、ボールミル回転架台にのせ、予め調整した回転数60rpmで30分間回転させてスラリー化した。次に、磁石を取り出し、100mLビーカーに入れてイオン交換水に浸して超音波洗浄機(型式US-205 株式会社エスエヌディ製)で出力切替2周波の設定にて3分間磁石を洗浄し、磁石に付着した余分な粉を除去した。磁石を浸しているイオン交換水の交換と超音波での洗浄を8回繰り返した。その後、磁石を取り出し、50mLのメスシリンダーに入れ、磁石が完全に水没する量の王水(濃塩酸と濃硝酸とを3:1の体積比で混合した液体)に浸し、王水中で80℃で30分間加温して磁着物を溶解させた。王水から磁石を取り出し、磁着物が溶解している王水をイオン交換水で希釈した。希釈した王水をICP発光分析装置にて鉄、ニッケル、クロム及び亜鉛の量を分析し、これらの合計量を磁着物量として正極活物質材料重量当りの磁着物量を算出し、表中に磁着物量(ppb)として示した。
但し、実施例17及び18の5V級スピネルの場合は、Niを主成分として含有するため、Niを除いて、ICP発光分析装置にて鉄、クロム及び亜鉛の量を分析し、これらの合計量を磁着物量とした。
<電池評価>
(電池の作製)
スピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)8.80gと、アセチレンブラック(電気化学工業製)0.60g及びNMP(N-メチルピロリドン)中にPVDF(キシダ化学製)12wt%溶解した液5.0gとを正確に計り取り、そこにNMPを5ml加え十分に混合し、ペーストを作製した。このペーストを集電体であるアルミ箔上にのせ、250μmのギャップに調整したアプリケーターで塗膜化し、120℃一昼夜真空乾燥した後、φ16mmで打ち抜き、4t/cmでプレス厚密し、正極とした。電池作製直前に120℃で120min以上真空乾燥し、付着水分を除去し電池に組み込んだ。また、予めφ16mmのアルミ箔の重さの平均値を求めておき、正極の重さからアルミ箔の重さを差し引き正極合材の重さを求め、また正極活物質とアセチレンブラック、PVDFの混合割合から正極活物質の含有量を求めた。
負極はφ20mm×厚み1.0mmの金属リチウムとし、これらの材料を使用して図1に示す電気化学評価用セルTOMCEL(登録商標)を作製した。
図1の電気化学用セルは、耐有機電解液性のステンレス鋼製の下ボディ1の内側中央に、前記正極合材からなる正極3を配置した。この正極3の上面には、電解液を含浸した微孔性のポリプロピレン樹脂製のセパレータ4を配置し、テフロン(登録商標)スペーサー5によりセパレータを固定した。更に、セパレータ上面には、下方に金属リチウムからなる負極6を配置し、負極端子を兼ねたスペーサー7を配置し、その上に上ボディ2を被せて螺子で締め付け、電池を密封した。
電解液は、ECとDMCを3:7体積混合したものを溶媒とし、これに溶質としてLiPF6を1moL/L溶解させたものを用いた。
但し、実施例17と実施例18の5V級スピネルの電解液については、カーボネート系の混合溶媒に、LiPF6を1moL/Lになるように溶解させた電解液を使用した。
(初期放電容量)
上記のようにして準備した電気化学用セルを用いて次に記述する方法で初期放電容量を求めた。すなわち、20℃にて4.3Vまで0.1Cで充電した状態で、正極中の正極活物質の含有量から、0.1C放電レートになるように電流値を算出した。定電流放電した時の3.0Vまでの放電容量(mAh/g)を測定した。比較例1の初期放電容量を100とした場合の相対値として、各実施例・比較例の初期放電容量を表中に示した。
但し、実施例17と実施例18の5V級スピネルの場合、20℃にて4.9Vまで0.1Cで充電した状態で、正極中の正極活物質の含有量から、0.1C放電レートになるように電流値を算出した。定電流放電した時の3.0Vまでの放電容量(mAh/g)を測定した。
また、高温特性評価は以下の方法で行った。
スピネル型リチウム遷移金属酸化物(粉末)8.80gと、アセチレンブラック(電気化学工業製)0.60gと、NMP(N-メチルピロリドン)中にPVDF(キシダ化学製)12wt%溶解した液5.0gとを正確に計り取り、そこにNMPを5ml加え十分に混合し、ペーストを作製した。このペーストを集電体であるアルミ箔上にのせ、200μm〜310μmのギャップに調整したアプリケーターで塗膜化し、120℃一昼夜真空乾燥した後、φ16mmで打ち抜き、4t/cmでプレス厚密し、正極とした。電池作製直前に120℃で120min以上真空乾燥し、付着水分を除去し電池に組み込んだ。また、予めφ16mmのアルミ箔の重さの平均値を求めておき、正極の重さからアルミ箔の重さを差し引き正極合材の重さを求め、また正極活物質とアセチレンブラック、PVDFの混合割合から正極活物質の含有量を求めた。
負極はφ17.5mmの天然球状グラファイト(パイオ二クス株式会社 電極容量1.6mAh/cm2)とし、負極容量/正極容量比を1.1〜1.15に調整し、電解液は、ECとDMCを3:7体積混合+VC0.5%添加したものを溶媒とし、これに溶質としてLiPF6を1moL/L溶解させたものを用い、図1に示す電気化学評価用セルTOMCEL(登録商標)を作製した。
但し、実施例17と実施例18の5V級スピネルの電解液については、カーボネート系の混合溶媒に、LiPF6を1moL/Lになるように溶解させた電解液を使用した。
(初期活性処理)
上記のようにして準備した電気化学用セルを用いて下記に記述する方法で充放電試験し、初期活性処理を行った。初期活性処理はリチウムイオン電池においては重要である。
電池充放電する環境温度を25℃となるようにセットした環境試験機内にセルを入れ、充放電できるように準備し、セル温度が環境温度になるように1時間静置後、充放電範囲を、マンガン酸リチウム粉体(サンプル)については3.0V〜4.2Vとし(但し、実施例17と実施例18の5V級スピネルの場合の充放電範囲は3.0〜4.9Vとし)、1サイクル目は0.05C 定電流定電圧充電を行い、50〜100時間程度エージング行った後、0.05Cで定電流放電行った後、その後は、0.1Cで定電流定電圧充電0.1Cで定電流放電を2サイクル行った。
(高温サイクル寿命評価)
上記のようにして準備した電気化学用セルを用いて下記に記述する方法で充放電試験し、高温サイクル寿命特性を評価した。
電池充放電する環境温度を45℃となるようにセットした環境試験機内にセルを入れ、充放電できるように準備し、セル温度が環境温度になるように4時間静置後、充放電範囲を、マンガン酸リチウム粉体(サンプル)については3.0V〜4.2Vとし(但し、実施例17と実施例18の5V級スピネルの場合の充放電範囲は3.0〜4.9Vとし)、充電は1.0C定電流定電位、放電は0.1C定電流で1サイクル充放電行った後、SOC0−100%の充放電深度で、1Cにて充放電サイクルを199回行い、200サイクル目は容量確認の為、放電レート0.1Cにて放電を行った。
200サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で割り算して求めた数値の百分率(%)を「200サイクル前後容量維持率(%)」として求め、比較例1の200サイクル前後容量維持率(%)を100.0とした場合の相対値として、各実施例・比較例の200サイクル前後容量維持率を表中に示した。
(サイクル前後出力維持率)
上記初期活性処理行った電気化学用セルを用い、下記に記述する方法で充放電試験行い、出力維持率を求めた。
初期活性処理した電池を25℃となるようにセットした環境試験機内にセルを入れ、初期活性処理で得られて放電容量から、SOC50%となるように充電を行った後、電気化学測定機で3.0C 10秒放電行い、初期出力を求めた。高温(45℃)でサイクル行ったセルを25℃となるように環境試験にセットし、SOC50%となるように充電を行った後、電気化学測定機で3.0C 10秒放電行い、200サイクル後の出力を求めた。
200サイクル後の出力を初期の出力で割り算して求めた数値を「出力維持率(%)」として求め、比較例1の出力維持率(%)を100.0とした場合の相対値として、各実施例・比較例の200サイクル前後出力維持率を表中に示した。
(考察)
今回の試験結果及びこれまで行った試験結果から、スピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物に関しては、安息角を高くし、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)を低減することによって、寿命特性をより一層向上させることができることが分かった。具体的には、今回の実施例と比較例の結果から、安息角が50〜75°であり、カールフィッシャー法により測定される水分量(25℃〜300℃)が400ppm未満であるスピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物であれば、比較例に対して寿命特性をより一層向上させることができると考えられる。
このような点は5V級スピネルでも同様に考えられる。

Claims (3)

  1. マンガン化合物及びリチウム塩を含む原料を混合する原料混合工程と、混合した原料を焼成する焼成工程と、得られたスピネル型(Fd−3m)リチウム遷移金属酸化物の粉末を、極性溶媒と接触させて洗浄する洗浄工程と、300〜700℃に加熱して乾燥する乾燥工程とを備えたリチウム電池正極活物質用スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の製造方法であって、
    前記乾燥工程では、カールフィッシャー法により測定される、乾燥後のスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の水分量(25℃〜300℃)が0ppmより多く且つ400ppm未満となると共に、乾燥後のスピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の水分量(200℃〜300℃)が60ppm未満となるように、スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の乾燥を行うことを特徴とする、リチウム電池正極活物質用スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の製造方法。
  2. 前記乾燥工程は、スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の平均水蒸気排出速度が0.008g/sec〜300g/secとなるように、スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の乾燥を行うことを特徴とする、請求項1記載のリチウム電池正極活物質用スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の製造方法。
  3. 前記乾燥工程は、強制排気装置を備えた加熱装置又は乾燥装置を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム電池正極活物質用スピネル型リチウムマンガン遷移金属酸化物の製造方法。
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