JP4683509B2 - リチウムマンガン複合酸化物複合体、その製造方法、リチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池 - Google Patents
リチウムマンガン複合酸化物複合体、その製造方法、リチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンガンの溶出が少なく、リチウム二次電池の正極活物質とて有用なリチウムマンガン複合酸化物複合体及びその製造方法、これを含有するリチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進むに従い、小型電子機器の電源としてリチウム二次電池が実用化されはじめている。このリチウム二次電池については、1980年に水島等によりコバルト酸リチウムがリチウム二次電池の正極活物質として有用であるとの報告(「マテリアル リサーチブレティン」vol 115,783〜789頁(1980年))がなされて以来、リチウム系複合酸化物に関する研究開発が活発に進められており、これまでに正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム及びマンガン酸リチウムなどが知られている。このうちマンガン酸リチウムは、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムと比較すると、原料が安価で製造コストが低くなるため、従来より、種々の提案がされている。
【0003】
しかし、LiMn2 O4 は充放電により結晶構造が歪んだ際に、Liイオンが安定な形で結晶構造の中に取り込まれてしまうため、充放電を繰り返すうちにLiイオンが放出されにくくなり、これがサイクル特性の劣化につながることが知られている。
【0004】
このため、例えば、Mn原子の一部をCo、Ni、Cr、Feなどの元素と置換してリチウムマンガン複合酸化物の結晶構造を安定化させる方法(特開平2−278661号公報、特開平3−219571号公報、特開平4−160769号公報)等が提案されている。
【0005】
また、充放電を繰り返すことによりMnイオン原子が電解質層に溶出する現象も知られている。
【0006】
このため、例えば、リチウムマンガン複合酸化物にある種の添加剤を添加する方法やリチウムマンガン複合酸化物の表面を被覆処理する方法が提案されている。
【0007】
リチウムマンガン複合酸化物にある種の添加剤を添加する方法としては、例えば、LiMn2 O4 に、Na、Na化合物、アンモニア化合物を含有させる方法(特開平11−45702号公報)、燐酸アンモニウム、燐酸アンモニウム化合物、ポリ燐酸アンモニウム化合物を正極板または負極板に含有させる方法(特開平11−154535号公報)、正極中にマンガン成分を捕捉する捕捉剤として、燐酸リチウム、タングステン酸リチウム、珪酸リチウム、アルミナイト、ホウ酸リチウム、モリブデン酸リチウム、陽イオン交換樹脂の群から選ばれる少なくとも1種以上を含有させる方法(特開2000−11996号公報)、LiMn2 O4 に燐または燐酸化物を添加する方法(特開平9−259863号公報)、正極、負極、非水電解質、及びセパレータからリチウム二次電池の内部に、少なくともバリウム化合物、ビスマス化合物、マグネシウム化合物、チタン化合物、カルシウム化合物の1種以上を添加する方法(特開平11−204145号公報)等が提案されている。
【0008】
リチウムマンガン複合酸化物の表面を被覆処理する方法としては、例えば、LiMn2 O4 の表面にLiMnO3 層を形成させる方法(特開平6−111819号公報)、LiMn2 O4 の表面をホウ素で被覆する方法(特開平9−265984号公報)、Li(1+x) Mn(2-x) O(4-y) (式中、0≦x≦0.3333、−0.1≦y≦0.2)で表されるスピネル構造を有する酸化物粉体の表面にLiV2 O4 層を形成させる方法(特開平2000−3709号公報)等が提案されている。
【0009】
Mn原子の一部をCo、Ni、Cr、Feなどの元素と置換してリチウムマンガン複合酸化物の結晶構造を安定化させる方法は、マンガンの一部をCo、Ni、Cr、Fe等で置換することで、格子定数を小さくさせ、結晶構造をより強固なものにすることで、結晶構造の破壊による放電容量の低下を防ぐことが知られている。
【0010】
しかしながら、こうしたMnの一部をCo、Ni、Cr、Fe等の元素と置換したリチウムマンガン複合酸化物に至っても、充放電サイクルの進行や放置期間の長期化にともない、Mnイオンの溶出が起こり、表面を被覆したリチウムマンガン複合酸化物においても、必ずしも十分な改善には至っていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いた時に、Mnイオンの溶出が少なく、電池性能、特に容量維持率が高いリチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウムマンガン複合酸化物複合体、その製造方法、これを含有する正極活物質および該正極活物質を用いるリチウム二次電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定構造式で表されるリチウムマンガン複合酸化物の表面に、特定構造のリチウムマンガン複合酸化物の層が形成されているリチウムマンガン複合酸化物複合体は、Mnイオンの溶出量が少なく、更に、これをリチウム二次電池正極活物質として用いることにより、電池性能、特に容量維持率、サイクル特性が優れたリチウム二次電池となることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、下記一般式(1);
Lix Mn2-y Mey O4-z (1)
(式中、Meはマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上であり、xは0<x<2.0、yは0<y<0.6、zは0≦z≦2.0の値をとる。)で表されるスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物の表面に、下記一般式(2);
Lia Mn2 O4 (2)
(式中、1<a≦1.2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の層が形成されていることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物複合体を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、(A)マンガン化合物を900℃以上の温度に加熱処理してマンガン酸化物を得、次いで、リチウム化合物及びマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物を混合し、500〜1100℃で焼成するか、あるいは(B)マンガン化合物とマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物との混合物を900℃以上の温度に加熱処理し、次いで、リチウム化合物を混合し、500〜1100℃で焼成するかして前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を得、得られたリチウムマンガン複合酸化物をマンガン成分含有水溶液に含浸させ、次いで、アルカリの添加により、該リチウムマンガン複合酸化物の表面にマンガン化合物を析出させた後、乾燥し、次いで、得られるリチウムマンガン複合酸化物とリチウム化合物とを混合し、500〜1100℃で焼成を行うことを特徴とする前記本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の製造方法を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、マンガン化合物とマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物との混合物を900℃以上の温度に加熱処理してマンガン酸化物を得、得られたマンガン酸化物をマンガン成分含有水溶液に含浸させ、次いで、アルカリの添加により、該マンガン酸化物の表面にマンガン化合物を析出させた後、乾燥し、次いで、得られるマンガン酸化物で被覆されたマンガン酸化物とリチウム化合物とを混合し、500〜1100℃で焼成を行うことを特徴とする前記本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の製造方法を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、上記リチウムマンガン複合酸化物複合体を含むことを特徴とするリチウム二次電池正極活物質を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、上記リチウム二次電池正極活物質を用いることを特徴とするリチウム二次電池を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の表面に、前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の層が形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
なお、本発明に係るリチウムマンガン複合酸化物複合体は、上記一般式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物の表面に上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の層が形成されている複合体であるが、調製過程又は使用時において、該リチウムマンガン複合酸化物複合体から上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物が一部剥離して生じる粒状物を含有するものとなっても差し支えない。
【0020】
上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物は、前記一般式(1)中、MeはMn以外の原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素によりMnの占めるサイトが置換されたスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物である。
【0021】
上記一般式(1)において、MeはMn以外の原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素であり、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、鉄、銅、亜鉛、イットリウム、ニオブ、モリブデン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記一般式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物において、MeはMnの占めるサイトに必要により置換されるものである。上記一般式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物のうち、Meが含まれたリチウムマンガン複合酸化物、いわゆるMe置換体は、リチウム二次電池におけるリチウムのインターカレーション・デインターカレーション反応をより円滑、且つより高電位で行えるため好ましく、これらの置換体のうち、アルミニウム原子置換体が特に好ましい。
【0022】
本発明において、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の物性等は特に制限はないが、平均粒子径が通常0.1〜50μm 、好ましくは1〜20μm 、さらに好ましくは4〜20μmであり、比表面積が通常0.1〜2.0m2 /g、好ましくは、0.1〜1.0m2 /g、特に好ましくは0.3〜0.7m2 /gである。
【0023】
前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の式中、aは、通常1<a≦1.40の範囲内であり、好ましくは1.02以上1.20以下であり、さらに好ましくは1.04以上1.14以下である。この理由は、aが1以下であると、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体において、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物のMnイオン溶出量が大きくなり、これを正極活物質とするリチウム二次電池のサイクル特性や放電容量が減少するため好ましくない。
【0024】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体において、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量と上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量との合計を100重量%とすると、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量は、95〜5重量%、好ましくは80〜20重量%であり、前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量は、通常5〜95重量%であり、好ましくは20〜80重量%である。前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量が5重量%未満では、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物のMnイオン溶出量を十分に低減させることが出来ず、一方、95重量%を越えると、Mnイオンの溶出抑制効果が飽和することから実用的でない。
【0025】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体中の、前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量(下記計算式中では、「含有量」と略記)は、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物及び本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の重量を用いて表すことができ、即ち下記計算式により求められるものである。
含有量(%)=(B−A)× 100/B (3)
A;上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の重量(g)
B;リチウムマンガン複合酸化物複合体の重量(g)
【0026】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の物性としては、平均粒子径が通常1.0〜30μm 、好ましくは5〜20μm であり、BET比表面積が通常0.1〜2.0m2 /g、好ましくは0.4〜1.0m2 /gであることが好ましい。
【0027】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を製造する工程(以下、リチウムマンガン複合酸化物製造工程という)、次いで第1工程及び第2工程を経る第1製造方法、又はマンガン酸化物を製造する工程(以下、マンガン酸化物製造工程という)、次いで第1工程及び第2工程を経る第2製造方法により製造される。以下に、第1製造方法と、第2製造方法を詳細に説明する。なお、上記第1製造方法と、上記第2製造方法とは、リチウムマンガン複合酸化物製造工程と、マンガン酸化物製造工程とが互いに異なっている。従って、リチウムマンガン複合酸化物製造工程と、マンガン酸化物製造工程においてのみ、第1製造方法と、第2製造方法を区別して記載し、第1工程及び第2工程においては、異なる点のみ第1製造方法と第2製造方法を区別する記載とする。
【0028】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の第1製造方法において、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物は、例えば、以下のリチウムマンガン複合酸化物製造工程により得ることができる。すなわち、(A)マンガン化合物を900℃以上の温度に加熱処理してマンガン酸化物を得、次いで、リチウム化合物、又はリチウム化合物及びマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物を混合し、焼成するか、あるいは、(B)マンガン化合物とマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物を900℃以上の温度に加熱処理し、次いでリチウム化合物を混合し、焼成するかして下記一般式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物を得るものである。
【0029】
原料としては、マンガン化合物、リチウム化合物、及び必要に応じてマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物が用いられる。マンガンを除く原子番号11以上の金属元素又は遷移金属元素としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、鉄、銅、亜鉛、イットリウム、ニオブ、モリブデン等が挙げられる。
【0030】
マンガン化合物、リチウム化合物、及びマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物としては、工業的に入手できるものであればどのようなものでもよいが、例えば、それぞれの金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩及び有機酸塩が挙げられる。具体的には、マンガン化合物としては、電解二酸化マンガン及び化学合成二酸化マンガンが工業的に入手し易く、安価であるため好ましい。また、リチウム化合物としては、炭酸リチウムが工業的に入手し易く、安価であるため好ましい。これらの原料は、いずれも製造履歴は問わないが、高純度リチウムマンガン複合酸化物を製造するために、可及的に不純物含有量が少ないものであることが好ましい。また、マンガン化合物及びリチウム化合物は、それぞれの化合物を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、マンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物は、上記例示金属の化合物を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0031】
上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法において、マンガン化合物、又はマンガン化合物とマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物は、他の化合物と混合し焼成する前に900℃以上、好ましくは940℃以上、さらに好ましくは1000〜1200℃に所定時間加熱処理される(以後、「粒子成長加熱処理」とも言う。)。加熱処理は、焼成前の少なくとも一度において加熱処理されればよく、焼成前の二度、またはそれ以上加熱処理されてもよい。
【0032】
マンガン化合物は、加熱処理しない通常の状態においては、粒径が0.1〜20μm程度で、且つ、粒度分布が1μm未満の微小粒子によるピークと1μ以上の粒子によるピークとの複数のピークを有するブロードなものになっている。しかし、本発明の加熱処理により、微小粒子が成長して1μm未満の微小粒子が実質的に存在しなくなると共に粒子径が大きくなるため、粒径が2〜100μm程度で、且つ粒度分布が2μm以上の粒子による1つのピークのみの極めてシャープなものになる。上記加熱処理の温度は900℃未満であるとほとんど粒子成長しないため好ましくない。また、該温度が1200℃を越えると、マンガン化合物が燒結し粒径の制御が困難になるため好ましくない。粒子成長加熱処理の時間は、0.5〜24時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは5〜12時間である。なお、加熱処理の時間が1時間以上になるとマンガン化合物の粒子の成長が略飽和するが、その後も上記温度範囲内で保持し続けると粒子表面が滑らかになるため好ましい。
【0033】
上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法においては、例えば、まず、上記のマンガン化合物、リチウム化合物、及び必要であればマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物を混合する。混合は、乾式又は湿式のいずれの方法でもよいが、製造が容易であるため乾式が好ましい。乾式混合の場合は、原料が均一に混合するようなブレンダーを用いることが好ましい。また、湿式混合の場合、例えば、リチウム塩水溶液にマンガン塩を添加混合して攪拌したり、又はリチウム塩水溶液にマンガン塩とマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物とを添加混合して攪拌したりすることが好ましい。なお、湿式混合の場合、混合後は水分を除去して乾燥した混合物とすることが好ましい。
【0034】
次に混合物を焼成する。焼成条件は、リチウムマンガン複合酸化物を製造可能な温度で行えばよく、焼成温度は500〜1100℃、好ましくは700℃〜900℃である。また、焼成時間は、1〜24時間、好ましくは10〜20時間である。焼成は、大気中又は酸素雰囲気中のいずれで行ってもよく、特に制限されない。
【0035】
焼成後は、適宜冷却し、必要に応じ粉砕して上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を得る。なお、必要に応じ行われる粉砕は、焼成して得られるリチウムマンガン複合酸化物がもろく結合したブロック状のものである場合などに適宜行うが、リチウムマンガン複合酸化物の粒子自体は上記特定の平均粒子径、BET比表面積を有するものである。得られたリチウムマンガン複合酸化物は、平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは4〜20μmであり、ロジン・ラムラーによるn値が好ましくは3.5以上、さらに好ましくは4.0〜6.0であり、BET比表面積が0.1〜2.0m2 /g、好ましくは、0.1〜1m2 /g、さらに好ましくは0.3〜0.7m2 /gである。また、安息角が通常60°以下、好ましくは40〜60°、さらに好ましくは51〜59°である。
【0036】
以下、第2製造方法のマンガン酸化物製造工程について述べる。原料としては、マンガン化合物、及びマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物が用いられる。これらは、第1の製造方法で使用するものと同様の化合物が挙げられるが、マンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物の好ましいものとしては、アルミニウム化合物が挙げられる。
【0037】
マンガン酸化物製造工程においては、例えば、まず、上記のマンガン化合物、及びマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物を混合する。混合は、乾式又は湿式のいずれの方法でもよいが、製造が容易であるため乾式が好ましい。乾式混合の場合は、原料が均一に混合するようなブレンダーを用いることが好ましい。なお、湿式混合の場合、混合後は水分を除去して乾燥した混合物とすることが好ましい。
【0038】
マンガン化合物、又はマンガン化合物とマンガンを除く原子番号11以上の金属化合物又は遷移金属化合物は、他の化合物と混合し焼成する前に900℃以上、好ましくは940℃以上、さらに好ましくは1000〜1200℃に所定時間加熱処理され、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体の原料であるマンガン酸化物が得られる。加熱処理は、少なくとも一度加熱処理されればよく、二度またはそれ以上加熱処理されてもよい。該加熱処理としては、第1製造方法の粒子成長加熱処理と同様の方法が挙げられる。
【0039】
また、マンガン酸化物製造工程で得られたマンガン酸化物は、下記の第1工程及び第2工程において、1μm未満の微小粒子が実質的に存在しない粒径が2〜100μm程度で、且つ粒度分布が2μm以上の粒子によるピークのみの極めてシャープなものを用いることが好ましい。
【0040】
本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物、又は上記マンガン酸化物を、マンガン成分含有水溶液に含浸し、次いで、アルカリを添加することにより、該リチウムマンガン複合酸化物又は該マンガン酸化物の表面に難水溶性のマンガン化合物を析出させ、次いで、乾燥する第一工程、乾燥後のマンガン成分含有リチウムマンガン複合酸化物又は乾燥後のマンガン成分含有マンガン酸化物とリチウム化合物とを混練し、焼成する第二工程を施すことにより製造することができる。以下に第一工程及び第二工程について記載するが、第1製造方法と第2製造方法について特に記載のない場合、両製造方法の工程は同一である。
【0041】
第一工程で用いるマンガン成分含有水溶液は、マンガン化合物を水に溶解させた水溶液であり、前記マンガン化合物としては、水に溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン等が挙げられ、これらのうち、1種又は2種以上を使用することができる。これらの中、工業的に入手しやすい硫酸マンガンが好ましい。該マンガン成分含有水溶液のマンガンイオンの濃度は、0.01〜3.0モル/L、好ましくは0.1〜1.0モル/Lとすることが好ましい。
【0042】
アルカリとしては、特に限定はなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。アルカリの濃度は、マンガン化合物を析出させるのに十分な量でよく、マンガン化合物に対して通常1.0〜2.0モル、好ましくは1.2〜1.4モルである。含浸温度は、通常10〜80℃、好ましくは20〜60℃であり、含浸時間は1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。
【0043】
含浸による反応終了後、濾過、洗浄、乾燥する。濾過、洗浄によりリチウムマンガン複合酸化物製造工程で得られたリチウムマンガン複合酸化物又はマンガン酸化物製造工程で得られたマンガン酸化物の表面に、水酸化マンガン、オキシ水酸化マンガン、酸化マンガン等の難不溶性のマンガン化合物が析出したマンガン成分含有リチウムマンガン複合酸化物又はマンガン成分含有マンガン酸化物を得ることが出来る。乾燥は、通常200〜900℃、好ましくは500〜800℃で行うことが好ましく、該乾燥により、前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物又は上記マンガン酸化物の表面に析出した難不溶性のマンガン化合物は、Mn2 O3 となる。
【0044】
第二工程は、第一工程で得られた表面にMn2 O3 を含有するリチウムマンガン複合酸化物又は表面にMn2 O3 を含有するマンガン酸化物とリチウム化合物とを混合し、焼成を行って、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体を得る工程である。
【0045】
原料となるリチウム化合物としては、特に限定はないが、例えば、リチウム金属、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、シュウ酸リチウム、アルキルリチウム等が挙げられるが炭酸リチウムが工業的に入手し易いことから好ましい。リチウム化合物の添加量は、第1製造方法においては、マンガン成分含有水溶液から、マンガン成分含有リチウムマンガン複合酸化物に析出した難溶解性マンガン化合物中のマンガン1モルに対して、リチウム原子として0.5〜0.6モル、好ましくは0.52〜0.57モルであり、一方、第2製造方法においては、原料のマンガン酸化物中のマンガン及びマンガン成分含有マンガン酸化物に析出した難溶解性マンガン化合物中のマンガンを合計したマンガン1モルに対して、リチウム原子として0.5〜0.6モル、好ましくは0.52〜0.57モルである。この理由は、両製造方法において、0.50モル未満になると、サイクル特性が劣化するため好ましくなく、一方、0.60モルを越えると、溶出抑制効果が飽和し、放電容量が減少するため好ましくない。
【0046】
混合は、乾式混合で行えばよく、例えば、表面にMn2 O3 を含有するリチウムマンガン複合酸化物又は表面にMn2 O3 を含有するマンガン酸化物とリチウム化合物とが均一に混合するようなブレンダーを用いることができる。
【0047】
次に、混合物を焼成する。焼成条件は、表面にMn2 O3 を含有するリチウムマンガン複合酸化物又は表面にMn2 O3 を含有するマンガン酸化物を焼成可能な温度で行えばよく、焼成温度は通常、500〜1100℃、好ましくは700〜900℃である。また、焼成時間は、1〜48時間、好ましくは10〜20時間である。焼成は、大気中又は酸素雰囲気中又は不活性雰囲気中のいずれで行ってもよく、特に制限されない。
【0048】
かくすることにより、前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の表面に前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物層を有する本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体が得られる。
【0049】
焼成後は、適宜冷却し、必要に応じ粉砕してリチウムマンガン複合酸化物複合体を得る。
【0050】
このようにして得られる本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、Mnイオンの溶出がほとんどないことからリチウム二次電池の正極活物質として好適に使用することができる。
【0051】
本発明に係るリチウム二次電池正極活物質には、上記リチウムマンガン複合酸化物複合体が用いられる。正極活物質は、後述するリチウム二次電池の正極合剤、すなわち、正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要に応じてフィラー等とからなる正極合剤の一原料である。本発明に係るリチウム二次電池正極活物質は、上記リチウムマンガン複合酸化物複合体からなるため、他の原料と共に混合して正極合剤を調整する際に混練が容易であり、また、得られた正極合剤を正極集電体に塗布する際の塗工性が容易になる。
【0052】
本発明に係るリチウム二次電池は、上記リチウム二次電池正極活物質を用いるものであり、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含有する非水電解質からなる。正極は、例えば、正極集電体上に正極合剤を塗布乾燥等して形成されるものであり、正極合剤は正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要により添加されるフィラー等からなる。本発明に係るリチウム二次電池は、正極に正極活物質であるリチウムマンガン複合酸化物複合体が均一になるように塗布されている。このため、正極に局所的に電流が集中することがなく、放電容量の容量維持率が高い。
【0053】
正極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれは特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの等が挙げられる。
【0054】
導電剤としては、例えば、天然黒鉛及び人工黒鉛等の黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維や金属、ニッケル粉等の導電性材料が挙げられ、天然黒鉛としては、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛及び土状黒鉛等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。導電剤の配合比率は、正極合剤中、1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%である。
【0055】
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー等が挙げられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。結着剤の配合比率は、正極合剤中、2〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。
【0056】
フィラーは正極合剤において正極の体積膨張等を抑制するものであり、必要により添加される。フィラーとしては、構成された電池において化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができるが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素等の繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、正極合剤中、0〜30重量%が好ましい。
【0057】
負極は、負極集電体上に負極材料を塗布乾燥等して形成される。負極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれは特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの、及び、アルミニウム−カドミウム合金等が挙げられる。
【0058】
負極材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、炭素質材料や金属複合酸化物、リチウム金属、リチウム合金等が挙げられる。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化炭素材料、黒鉛系炭素材料等が挙げられる。金属複合酸化物としては、例えば、Snp M1 1-pM2 q Or (式中、M1 はMn、Fe、Pb及びGeから選ばれる1種以上の元素を示し、M2 はAl、B、P、Si、周期律表第1族、第2族、第3族及びハロゲン元素から選ばれる1種以上の元素を示し、0<p≦1、1≦q≦3、1≦r≦8を示す。)等の化合物が挙げられる。
【0059】
セパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持った絶縁性の薄膜が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレーターの孔径としては、一般的に電池用として有用な範囲であればよく、例えば、0.01〜10μm である。セパレターの厚みとしては、一般的な電池用の範囲であればよく、例えば5〜300μm てある。なお、後述する電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレーターを兼ねるようであってもよい。また、放電や充放電特性を改良する目的で、ピリジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン等の化合物を電解質に添加してもよい。
【0060】
リチウム塩を含有する非水電解質は、非水電解質とリチウム塩とからなるものである。非水電解質としては、非水電解液又は有機固体電解質が用いられる。非水電解液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトン等の非プロトン性有機溶媒の1種または2種以上を混合した溶媒が挙げられる。
【0061】
有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体又はこれを含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、リン酸エステルポリマー等が挙げられる。リチウム塩としては、上記非水電解質に溶解するものが用いられ、例えば、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、LiAlCl4 、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、四フェニルホウ酸リチウム等の1種または2種以上を混合した塩が挙げられる。
【0062】
その他、本発明の電解液には、例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN,N−置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ポリエチレングルコール、ピロール、2−メトキシエタノール、三塩化アルミニウム、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレンホスホンアミド、トリアルキルホスフィン、モルフォリン、カルボニル基を持つアリール化合物、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフォリン、二環性の三級アミン、オイル、ホスホニウム塩、三級スルホニウム塩、ホスファゼン、リン酸エステル、炭酸エステル等の通常用いられる添加剤が含有されていてもよい。
【0063】
電池の形状はボタン、シート、シリンダー、角等いずれにも適用できる。本発明に係るリチウム二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ノートパソコン、ラップトップパソコン、ポケットワープロ、携帯電話、コードレス子機、ポータブルCDプレーヤー、ラジオ等の電子機器、自動車、電動車両、ゲーム機器等の民生用電子機器が挙げられる。
【0064】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0065】
参考例1
平均粒径3.2μmの電解合成二酸化マンガン10.0gと平均粒径1.0μmの水酸化アルミニウム0.55gを混合し、1000℃で12時間加熱処理し、冷却した。次いで、該加熱処理物と平均粒径3.2μmの電解合成二酸化マンガン10gと平均粒径1.0μmの水酸化アルミニウム0.55gを混合し、1000℃で12時間加熱処理し、冷却した。次いで該加熱処理物を650℃で8時間加熱処理し、冷却した。該加熱処理した電解合成二酸化マンガンに平均粒径3.0μmの炭酸リチウム4.48gを添加混合してアルミニウムるつぼに入れ、900℃で12時間空気雰囲気下で焼成し、冷却した。得られたAl置換リチウムマンガン複合酸化物は、X線回析でスピネル構造を有するLiMn2 O4 であることが確認された。この化合物の平均粒子径は8.1μm、ロジン・ラムラーn値は3.21、BET比表面積0.68m2 /g、及び安息角58.3°であった。得られたAl置換リチウムマンガン複合酸化物の主要な物性を表1に示す。また、該Al置換リチウムマンガン複合酸化物は、下記のMnイオンの溶出試験におけるMn溶出量を求めた。結果を表1に示す。
【0066】
<Mnイオンの溶出試験>
リチウムマンガン複合酸化物(試料)0.5gを120℃で3日間真空乾燥する。次いで、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比で1:1に混合した溶液にLiPF6 を1mol/Lの濃度で溶解させた溶液を該試料に10ml添加し密閉する。次いで、密閉したままの状態で60℃で24時間放置し、溶液を濾過した後、ろ液1gにエタノール10mlを加え、更に超純水で50mlに希釈したものをICP 法によりMn濃度を測定する。
【0067】
実施例1
MnSO4 ・5H2 O5.0g を超純水500mlに溶解し、その中に参考例1で調製したAl置換したLiMn2 O4 20g を添加し、攪拌しながら0.1NのNaOH水溶液を滴下した。pHが11になるまで滴下し、得られた沈殿物を濾別、十分に洗浄した後600℃で乾燥した。乾燥後の重量は21.3g であった。この粉末にLi2 CO3 0.33g を添加混合してアルミナるつぼに入れ、900℃で12時間空気雰囲気下で焼成し、リチウムマンガン複合酸化物複合体21.5gを得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物複合体の物性及び、上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量及びMnイオンの溶出試験を行った。その結果を表1に併載する。また、上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量は上記一般式(3)により求めた。なお、上記一般式(3)式中の記号Aは、参考例1のリチウムマンガン複合酸化物の重量(g)である。
【0068】
実施例2
MnSO4 ・5H2 O 50g を超純水500mlに溶解し、その中に参考例1で調製したAl置換したLiMn2 O4 20gを添加し、攪拌しながら0.1NのNaOH水溶液を滴下した。pHが11になるまで滴下し、得られた沈殿物を濾別、十分に洗浄した後600℃で乾燥した。乾燥後の重量は33.9g であった。この粉末にLi2 CO3 3.5g を添加混合してアルミナるつぼに入れ、900℃で12時間空気雰囲気下で焼成し、リチウムマンガン複合酸化物複合体36.0gを得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物複合体の物性、上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量、及びMnイオンの溶出試験の結果を表1に併載する。
【0069】
実施例3
平均粒径3.2μm の電解合成二酸化マンガン20.0gと平均粒径1.0μmの水酸化アルミニウム1.11gを混合し、1000℃で12時間加熱処理し、冷却した。次いで、MnSO4 ・5H2 O 50g を超純水500mlに溶解し、その中に該加熱処理した電解合成二酸化マンガンを添加し、攪拌しながら0.1NのNaOH水溶液を滴下した。pH11になるまで滴下し、得られた沈殿物を濾別、十分に洗浄した後600℃で乾燥した。乾燥後の重量は31.7g であった。次いで、Li2 CO3 7.9g を添加混合してアルミナるつぼに入れ、900℃で12時間空気雰囲気下で焼成し、リチウムマンガン複合酸化物複合体33.5gを得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物複合体の物性、上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の含有量、及びMnイオンの溶出試験の結果を表1に併載する。
【0070】
【表1】
【0071】
表1の結果より、Mnの一部をアルミニウム置換したリチウムマンガン複合酸化物は、Mnイオンの溶出量が多いのに対して、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、Mnイオンの溶出量が、低く抑えられていることがわかる。
【0072】
実施例4
<電池性能の評価>
(1)リチウム二次電池の作製
実施例1で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%、黒鉛粉末20重量%、ポリフッ化ビニリデン10重量%混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布した後、乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。この正極板を用いて、セパレーター、負極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を用いてリチウム二次電池を作製した。負極は、結晶化度の高いカーボンを用い、電解液にはジエチルカーボネートとエチレンカーボネートの1:1混合液1リットルにLiPF6 を溶解したものを使用した。得られたリチウム二次電池を50℃で作動させ、容量維持率を測定した。
【0073】
(2)リチウム二次電池の評価方法
・放電容量の測定及び容量維持率の算出
50℃にて正極に対して0.5mA/cm2で4.3V まで充電した後、3.5V まで放電させる充放電を1サイクル行い、放電容量を測定した。次いで、上記放電容量の測定における充放電を20サイクル行い、下記式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(20サイクル目の放電容量)×100/(1サイクル目の放電容量)
【0074】
実施例5
実施例1で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%の代わりに、実施例2で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%を用いた以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池の作製し、放電容量及び容量維持率の測定を行った。結果を表2に併載する。
【0075】
実施例6
実施例1で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%の代わりに、実施例3で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%を用いた以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池の作製し、放電容量及び容量維持率の測定を行った。結果を表2に併載する。
【0076】
参考例2
実施例1で調製したリチウムマンガン複合酸化物複合体試料70重量%の代わりに、参考例1で調製したAl置換したLiMn2 O4 を試料として70重量%用いた以外は、実施例4と同様な操作でリチウム二次電池を作成し、放電容量及び容量維持率を測定した。結果を表2に併載する。
【0077】
【表2】
【0078】
表2の結果より、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体を正極活物質として用いたリチウム二次電池は、正極活物質からのマンガンイオン溶出が抑制させているので、容量維持率が高いことが解る。
【0079】
【発明の効果】
上記したとおり、本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体は、Mnイオンの溶出が少なく、また本発明のリチウムマンガン複合酸化物複合体をリチウム二次電池の正極活物質として用いたリチウム電池は、電池性能、特に容量維持率が高くなるという効果を奏する。
Claims (8)
- 下記一般式(1);
Lix Mn2-y Mey O4-z (1)
(式中、Meはマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上であり、xは0<x<2.0、yは0<y<0.6、zは0≦z≦2.0の値をとる。)で表されるスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物の表面に、下記一般式(2);
Lia Mn2 O4 (2)
(式中、1<a≦1.2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の層が形成されていることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物複合体。 - 前記リチウムマンガン複合酸化物複合体は、前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物が95〜5重量%、前記一般式(2)で表されるリチウムマンガン複合酸化物が5〜95重量%含有されていることを特徴とする請求項1記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体。
- 前記リチウムマンガン複合酸化物複合体は、BET比表面積が0.1〜2.0m2 /gである請求項1又は2記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体。
- 前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の式中のMeは、アルミニウム原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体。
- (A)マンガン化合物を900℃以上の温度に加熱処理してマンガン酸化物を得、次いで、リチウム化合物及びマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物を混合し、500〜1100℃で焼成するか、あるいは(B)マンガン化合物とマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物との混合物を900℃以上の温度に加熱処理し、次いで、リチウム化合物を混合し、500〜1100℃で焼成するかして前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を得、得られたリチウムマンガン複合酸化物をマンガン成分含有水溶液に含浸させ、次いで、アルカリの添加により、該リチウムマンガン複合酸化物の表面にマンガン化合物を析出させた後、乾燥し、次いで、得られるリチウムマンガン複合酸化物とリチウム化合物とを混合し、500〜1100℃で焼成を行うことを特徴とする請求項1記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体の製造方法。
- マンガン化合物とマグネシウム、アルミニウム、銅、亜鉛、イットリウム及びニオブのうちの1種又は2種以上の金属化合物との混合物を900℃以上の温度に加熱処理してマンガン酸化物を得、得られたマンガン酸化物をマンガン成分含有水溶液に含浸させ、次いで、アルカリの添加により、該マンガン酸化物の表面にマンガン化合物を析出させた後、乾燥し、次いで、得られるマンガン酸化物で被覆されたマンガン酸化物とリチウム化合物とを混合し、500〜1100℃で焼成を行うことを特徴とする請求項1記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物複合体を含有することを特徴とするリチウム二次電池正極活物質。
- 請求項7記載のリチウム二次電池正極活物質を正極活物質として用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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