JP6089676B2 - ポリフェニレンサルファイド繊維 - Google Patents

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本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維に関する。詳しくは、ゴムとの接着性が良好であるポリフェニレンサルファイド繊維に関する。
従来、ポリフェニレンサルファイドは、耐熱性、耐薬品性、耐油性などに優れ、これらの特性を生かしたエンジニアリングプラスチックなどとして使用されている。また、ポリフェニレンサルファイドは、たとえば特許文献1に記載されるとおり、汎用熱可塑性ポリマーと同様な溶融紡糸法により容易に繊維化できることが知られている。そしてポリフェニレンサルファイド繊維にポリエステル繊維を撚り合わせ、ポリエポキシド化合物を含む第1処理液で処理した後、RFL混合液を含む第2処理液で処理する手法が開示されている。(特許文献2)。
一方、合成繊維の接着性を改良する試みとしては、繊維に、減圧下、アルゴン雰囲気中においてプラズマ処理を施し、その後ジエン系モノマーおよびグリシジル基を有するモノマーと反応させ、次いでRFL混合液で処理する手法が開示されている(特許文献3)。
また、繊維に、減圧下、酸素と四塩化炭素を含む雰囲気中においてプラズマ処理を施し、その後RFL混合液で処理する手法が開示されている(特許文献4)。特許文献3、4には、用い得る繊維としてポリフェニレンサルファイド繊維も例示されているが、実際に処理された例は開示されていない。
特開昭49−54617号公報 特開平11−279880号公報 特開昭63−223043号公報 特開平4−249545号公報
ポリフェニレンサルファイド繊維の表面が不活性なことから、ゴムとの接着性に乏しいという問題を有している。このポリフェニレンサルファイド繊維の接着性を改良するために上記特許文献3、4の手法をそのまま適用しても、必ずしも接着性が十分でなかったり、強度等が劣化しやすくなる等の問題を有していた。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ゴムとの接着性が良好で、強度低下の少ないポリフェニレンサルファイド繊維を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)XPSで測定した酸素の割合がモル基準で5〜20%であり、かつC=O基およびO−C=O結合が存在すること、およびXPSで測定したC(1s)のピーク分割によって得られるC=OピークとO−C=Oピークの割合の和が、ピークの積分値基準で3〜20%であること、およびO−C=Oピークの割合が2%以上であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維
すなわち、本発明は、C=O基を含んだ上で、酸素の含有量を限られた範囲に制御することによって、従来ポリフェニレンサルファイド繊維においてどうしても達成できなかった、ゴムとの十分な接着性を満足することを可能にしたものである。
本発明によれば、ゴムとの接着性が良好なポリフェニレンサルファイド繊維を提供することができる。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、自動車用ホース、ベルト用途として、産業上実用的なコードを創出すべく、鋭意検討した結果、ゴムとの良好な接着性を有するポリフェニレンサルファイド繊維を得るに至ったものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるポリフェニレンサルファイド繊維は、繊度、フィラメント数、断面形状等の制約を受けないが、通常、繊度としては、200〜5000dtexが好ましく、特に250〜3000dtexが好ましい。フィラメント数としては、30〜1000フィラメントが好ましく、特に50〜500フィラメントが好ましい。断面形状としては、円断面糸が好ましい。
本発明において、ポリフェニレンサルファイド繊維中の酸素の割合を増加させる方法としては、例えばプラズマ処理によって、ポリフェニレンサルファイド繊維の酸素量を増やすことが挙げられる。
ポリフェニレンサルファイド繊維の酸素含有量は、XPSで測定した場合の酸素含有量がモル基準で全元素量100%に対し5〜20%である必要があり、好ましくは8〜17%である。この範囲より少ないと、接着力が低下することがあり、この範囲より多いと、ポリフェニレンサルファイド繊維の強度が低下することがある。
また、ポリフェニレンサルファイド繊維はC=O基を有する必要がある。C=O基を有さない場合、接着力が低下することがある。さらに、O−C=O結合を有することが好ましい。
本発明においては接着力が特に優れ、強度低下も特に抑制される点からXPSで測定したC1sピーク分割の、C1sピークに対するC=OピークとO−C=Oピークの割合の和が、ピークの積分値基準で3〜20%の範囲であることが好ましく、5〜15%であることが好ましい。
プラズマ処理に際しては、コロナ放電、グロー放電などもしくはそれらの組み合わせによって発生させたプラズマを用いるのが便利である。
プラズマ処理としては真空低圧プラズマ、減圧酸素プラズマ等があるが、減圧・雰囲気置換等にかかるコストの点、およびC=O基等の化学結合を導入する効果が大きい点、繊維表面のダメージが小さい点等から大気圧で行ういわゆる大気圧プラズマ処理であることが好ましい。
プラズマ処理においては、主に無機ガスをキャリアガスとして用い、反応性ガスとしては、酸素原子を含むガスを用いるのが好ましい。ここで、無機ガスとは、窒素、アルゴン、ネオン、水素、酸素、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素などが使用でき、また、これらの混合ガスも使用できる。反応性ガスとしての酸素とキャリアガスとして窒素、二酸化炭素を含むことから大気を用いることもできる。プラズマ処理の効率を向上させる観点から、使用するガスは水分を含まないものが望ましい。
多くの場合、ポリフェニレンサルファイド繊維を成形する際に、製糸プロセス上の潤滑もしくは収束のために、油剤を付着させているが、プラズマ処理の効果を向上させる目的から、トリクロロエチレン、ヘキサン、メタノール、アセトン等の有機溶剤もしくは水によって洗浄し、脱油処理して用いることが望ましい。
上記によって得られたプラズマ処理繊維は、下記に説明するようにレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)混合液によって処理される。RFL混合液による処理は、RFL混合液のみによる1浴接着処方による処理でも構わないが、より好ましくは、第1接着処理液で処理した後、RFL混合液を含む第2接着処理液で処理する、2浴接着処方による処理である。
なお、上記第1接着処理液はポリエポキシド化合物を含むことが好ましいが、他にブロックドイソシアネート化合物、オキサゾリン基含有化合物、ゴムラテックスなどを含んでいてもよい。
本発明において処理剤として使用するポリエポキシド化合物は、一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を、ポリエポキシド化合物100gあたり0.1g当量以上含有する化合物を挙げることができる。具体的には、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトールなどの多価アルコール類とエピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酸化または過酸化水素などで不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化合物、すなわち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキリレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペート、フェノールノボラック型、ハイドロキノン型、ビフェニル型、ビスフェノールS型、臭素化ノボラック型、キシレン変性ノボラック型、フェノールグリオキザール型、トリスオキシフェニルメタン型、トリスフェノールPA型、ビスフェノール型のポリエポキシド等の芳香族ポリエポキシド等が挙げられる。
本発明で使用できるブロックドイソシアネート化合物、としては、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネート化合物と、フェノール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類、エチレンイミン化合物などのブロック化剤との反応物などが挙げられる。
本発明で使用できるオキサゾリン基含有化合物とは、一般の有機化合物または有機ポリマー、オリゴマーを主骨格とした物質の末端または側鎖にオキサゾリン基(好ましくは2−オキサゾリン基)を含む化合物をいう。オキサゾリン基は、その骨格に1つまたは2つ以上持つことができるが、接着性能の向上のためには反応性官能基であるオキサゾリン基を多く持つ方がより好ましい。オキサゾリン基含有物質の主鎖の骨格としては、炭化水素鎖、エチレングリコール鎖、ビスフェノールA等のビスフェノール類やフェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などの初期重合物が用いられ、それらの分子骨格中には芳香環や複素環を含む物質も使用される。さらに主成分モノマー及び/またはそれからなるポリマーやオリゴマーの末端や側鎖にオキサゾリン基を含有する物質も有用である。これらのモノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸、エチレン、ブタジエン、アクリルアミドなどが用いられ、これらは単独のポリマー及び/またはオリゴマーとして、さらに共重合物質としても使用される。また、これらの混合物としても使用できる。
ゴムラテックスとしては、特に制限はないが、例として、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系三元共重合体ゴムラテックスなどが挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、プラズマ処理後に、もしくはプラズマ処理後に第1処理液塗布および熱処理後に第2処理液として、RFLを含む混合液で処理することが接着力向上の点で好ましい。
ここで、RFLとは、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスの混合物である。レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とは、アルカリ触媒または酸触媒の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたものであって、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1/0.3〜1/5であることが好ましい。より好ましくは、1/1〜1/3の範囲である。
さらには、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物として、あらかじめジヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを無触媒または酸性触媒の下で反応させて得られるノボラック型の樹脂を用いることもできる。レゾルシンとホルムアルデヒドのノボラック型樹脂を使用するに際しては、アルカリ触媒水分散液に溶解後、ホルムアルデヒドを添加し、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比を1/1〜1/3に調整することが好ましい。ここで使用するアルカリ触媒としては、アルカリ金属水酸化物であり、好ましくは、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ触媒水分散液の濃度は1〜10モル濃度程度が好ましい。
レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスで使用されるゴムラテックスとしては、特に制限はないが、例として、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系三元共重合体ゴムラテックスなどが挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスのレゾルシン・ホルマリンと、ゴムラテックスの配合比は、固形分重量でレゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックス=1/3〜1/15であることが好ましく、より好ましくは1/5〜1/12、さらに好ましくは1/7〜1/10である。レゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックス比がこの範囲を外れると、接着性が低下したり、工程通過性が悪化したりする可能性がある。 本発明の第2処理液には、接着性を向上させる観点から、イソシアネート、ブロックドポリイソシアネート、エチレン尿素化合物、ハロゲン化フェノール誘導体、カーボンブラック等といった、接着助剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤等が混合されていても良い。これらの混合物は、第2処理液の全固形分100重量%に対して、合計が50重量%を超えない範囲で混合することが好ましい。50重量%を超えると、接着力が低下したり、工程通過性が悪化したり、コードが硬くなる可能性がある。
次に、本発明のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法の概略について説明する。
ポリフェニレンサルファイド繊維に撚りをかけて、未処理コードとする。ここで、撚り形態は、片撚り、諸撚りいずれでも適用できる。脱油処理をする場合は、撚りをかける前でも、撚りをかけた後でも構わないが、撚糸時の工程通過性の観点から、撚りをかけた後に脱油処理することが好ましい。
次に、該未処理コードにプラズマ処理をする。プラズマ処理をする時間やサンプルとの距離等の条件は使用する機器の出力、処理の効率等によって変化するため、所望の酸素含有量になるよう調整すればよい。出力や効率が高い場合は処理時間を短めに設定するかサンプルとの距離を長めに設定することが望ましい。プラズマ処理の効果が低すぎると接着性が低下し、高すぎると、ポリフェニレンサルファイド繊維の強度が低下する可能性がある。
次に、かくして得られるポリフェニレンサルファイド繊維は、前述のRFL処理を実施してコードとすることができる。前述のとおり第1処理液および第2処理液を付与することが好ましい。
本発明で使用する処理液をポリフェニレンサルファイド繊維に付着させるには、浸漬、ノズル噴霧、ローラーによる塗布などの任意の方法を採用することができる。例えば、リツラー社製コンピュートリーターまたは多錘型コードセッター機を用いて処理することができる。
ポリフェニレンサルファイド繊維に対する第1処理剤および第2処理剤の付着量は、各々乾燥重量対比で0.5〜8重量%、特に3〜5重量%の範囲が好ましく、この範囲とすることで、ゴムとの接着性を維持しつつ、工程通過性が良好になる。付着量の制御は例えば、接着剤濃度、接着剤液浸漬後の液除去条件を設定することによって可能である。RFL処理のみを行う場合も上記付着量で行うことが好ましい。
ポリフェニレンサルファイド繊維に第1処理剤および第2処理剤を付与した後の熱処理は、各々80〜180℃で0.5〜5分間、より好ましくは1〜3分間乾燥し、次いで150〜280℃、より好ましくは200℃〜250℃の温度で0.5〜5.0分間、より好ましくは1〜3分間熱処理するのが良い。該熱処理温度が低すぎると、ゴムとの接着が不十分となり、一方、該熱処理温度が高すぎるとポリフェニレンサルファイド繊維が溶融、融着したり、硬くなったり、さらに強力劣化を起こすなど実用に供しなくなる。
以下、実施例により本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
また、本発明においてポリフェニレンサルファイド繊維の評価方法は、以下に示すとおりである。
(1)XPSにおける酸素含有量およびXPSにおけるC(1s)ピーク分割値
X線光電子分光法にて測定した。条件は次の通り。
装置:ESCALAB220iXL(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)
励起X線:monochromatic Al Kα1.2線(1486.6eV)
X線径:1mm
光電子脱出角度:90°
スムージング:C1sメインピークを284.6eVに設定
元素組成は各ピークについてベースラインを設定し、各ピークの面積比から算出した。C=O基はスムージング処理後の287.6eV±0.1eVのピークによって存在を確認した。また、C1sピークを対称形のピークを用いて最小二乗法によって分割し、ピーク面積比から、各ピークの割合を算出した。なお、O−C=Oピークは288.6eV±0.1eVであった。
(2)コード剥離接着力
コードを隙間が無いようにアルミ板に巻き付け、アルミ板の両側に表1に示した配合組成のEPDM系ゴムを張り付け、150℃で30分間プレス加硫を行った。このとき、ゴムの厚さは3mmとし、ゴムと繊維コードの面圧が3MPaとなるように、プレス圧力を調整した。アルミ板の大きさ、繊維コードを巻き付ける面積は任意で構わなく、巻き付け時の張力は0.5cN/dtexとした。放冷後、コードが接着されたゴム側サンプルをアルミ板から取り、更にサンプルを幅20mmに切断した。このサンプルを温度20℃、湿度65%の環境下で50mm/分の速度で、ゴムと繊維コードが90°の角度になるように保ちながら、ゴムから繊維コードを剥離したときの剥離力をN/20mmで表示した。n数は4とした。
(3)処理剤付着量
JIS L1017(2002年)8.15ディップピックアップのb)質量法によって求めた。
(4)強度・強度保持率
JIS L1017(2002年)8.5a)標準時試験に従って、試料をオリエンテック社製“テンシロン”(TENSILON)UTM−100を用い、掴み間隔は25cm、引張り速度は30cm/分で行った。なお、強度保持率は下記の計算式より算出した。
強度保持率(%)=T1/T0×100
T0:プラズマ処理していないコードの引張強度
T1:プラズマ処理したコードの引張強度。
(実施例1)
(A)ポリエポキシド化合物として“デナコール”EX614B(ナガセ化成社製)と、(B)“ニッポール2518FS”(日本ゼオン(株)製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス)、(C)ブロックドポリイソシアネート化合物として“エラストロン”BN27(第一工業製薬株式会社)を固形分でA:B:C=1:3:1の割合で混合した固形分濃度5重量%の第1処理剤を調製した。
次に第2処理剤を以下の方法で調製した。
苛性ソーダ水溶液に、レゾルシン(R)を添加し十分に攪拌し分散させる。これにホルマリン(F)をR/F比が1/1.5(モル比)になるように添加して均一に混合し、温度25℃で4時間熟成させた。次に、“ニッポール2518FS”(日本ゼオン(株)製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス)及び”ニッポールLX−111A”(日本ゼオン(株)製、ポリブタジエンゴムラテックス)を混合したもの(ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス/ポリブタジエンゴムラテックス=50/50(重量比))を、前記レゾルシン・ホルマリン初期縮合物分散液と固形分比率(RF/L比)で1/9の割合で混合し、温度25℃で24時間熟成した。さらに、”デナボンドE”(ナガセ化成工業(株)製、クロロ変性レゾルシン化合物20%溶液)をRFLと固形分比率(RFL/”デナボンド”)で4/1となるように添加し、十分攪拌して、25℃で20時間熟成した。最終処理液濃度は13%であった。
一方、製糸工程において、ポリフェニレンサルファイド繊維(東レ(株)製、トルコン(440dTex))のマルチフィラメント4本を8t/10cmの片撚りを施して未処理コードを得た。
該未処理コードを、25℃下でトリクロロエチレンを用いて震盪機にて洗浄し、脱油処理した。乾燥後、超高密度大気圧プラズマ処理機(富士機械製造株式会社 tough Plasma FPC20)を用いて、10秒間のプラズマ処理を行った。なお、キャリアガスとして窒素ガスを、反応性ガスとして大気を使用した。それぞれの流量は窒素:4.98l/min、大気:20ml/minとした。また、プラズマ処理機のノズル先端とコードの距離は3mmとした。
こうして得られたプラズマ処理コードを、上記のように、酸素含有量およびC(1s)ピーク分割値を測定した。結果を表1に示す。さらに、プラズマ処理コードをコンピュートリーター処理機(CAリッツラー株式会社製)を用いて前記の第1処理剤に浸漬した後、240℃で1分間の熱処理を行った。続いて、第2処理剤に浸漬した後、120℃で1分間乾燥し、引き続き240℃で1分間熱処理を行い、さらに、240℃で1分間熱処理を行った。
このようにして得られたコードを上記のように、コード剥離接着力および強度・伸度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2〜5、比較例1〜4)
実施例1において、プラズマ処理時間を変更し、それによって酸素含有量が変化した以外は実施例1と同様の条件で処理し、同様に評価した。評価結果を表1に併せて示す。
表1に示す評価結果から判るように、本発明によるポリフェニレンサルファイド繊維はゴムとの接着性に優れることがわかる。
Figure 0006089676

Claims (1)

  1. XPSで測定した酸素の割合がモル基準で5〜20%であり、かつC=O基およびO−C=O結合が存在すること、およびXPSで測定したC(1s)のピーク分割によって得られるC=OピークとO−C=Oピークの割合の和が、ピークの積分値基準で3〜20%であること、およびO−C=Oピークの割合が2%以上であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維。
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