JP6086673B2 - 嵌合具及び嵌合具付き袋体 - Google Patents
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Description
一方、袋体に取り付けた嵌合具における対向面の開口部側に、リブが設けられた嵌合具が提案されている(例えば、特許文献1)。該嵌合具は、開口部を開く際にリブに指を引っ掛けることができるため、リブがない場合に比べて指が滑り難く、嵌合具を開くことが容易になる。
しかし、特許文献1のような嵌合具を用いた場合でも、開口部を開く際に指が滑ることを抑制する効果が充分でないことがある。そのため、さらに指が滑り難く、容易に開口部を開くことができる嵌合具が求められている。
本発明の嵌合具は、前記リブの曲げ弾性率が300MPa以下であることが好ましい。
また、本発明の嵌合具付き袋体は、袋体の開口部を開く際に指が滑り難く、容易に開口部を開くことができる。
嵌合具10は、図1に示すように、一対の帯状の第1の基材11及び第2の基材12と、第1の基材11及び第2の基材12のそれぞれに設けられた突条の雄側嵌合部13及び雄側嵌合部13に着脱自在に嵌合する雌側嵌合部14と、第1の基材11及び第2の基材12のそれぞれに設けられた第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dと、を有している。
第1のリブ15a〜15dは、第1の基材11の対向面11aにおける一方の側端11c(以下、単に「側端11c」という。)と雄側嵌合部13の間に、第1の基材11の長手方向に沿って設けられている。第2のリブ16a〜16dは、第2の基材12の対向面12aにおける一方の側端12c(以下、単に「側端12c」という。)と雌側嵌合部14の間に、第2の基材12の長手方向に沿って設けられている。
嵌合具10は、第1の基材11の側端11cと第2の基材12の側端12cを袋体に形成する開口部側とし、第1の基材11の他方の側端11d(以下、単に「側端11d」という。)と、第2の基材12の他方の側端12d(以下、単に「側端12d」という。)を袋体の内容物側とするように袋本体に取り付ける。つまり、嵌合具10は、第1のリブ15a〜15dと、第2のリブ16a〜16dが袋体の開口部側となるように取り付けられる。
耐熱層の材質としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
ヒートシール層の材質としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
バリア層の材質としては、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、第1の基材11は、積層フィルムからなる基材には限定されず、単層フィルムからなる基材であってもよい。
第2の基材12としては、第1の基材11と同じ基材が挙げられ、好ましい態様も同じである。
雄側嵌合部13と雌側嵌合部14は、雄側嵌合部13の頭部13bを雌側嵌合部14の凹部14cに嵌め込むことで、着脱自在に嵌合できるようになっている。
雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の材質としては、第1の基材11及び第2の基材12と同じ材質が使用できる。
また、第2の基材12の対向面12aにおける雌側嵌合部14と側端12cとの間には、第2の基材12の長手方向に沿って4本の第2のリブ16a,16b,16c,16dが設けられている。すなわち、第2の基材12の対向面12aにおける雌側嵌合部14よりも開口部側に、第2の基材12の長手方向に沿って4本の第2のリブ16a〜16dが設けられている。
第1の基材11と第2の基材12に、第1のリブ15a〜15dと第2のリブ16a〜16dが設けられていることにより、嵌合具10によって閉じた袋体の開口部を開く際に充分なグリップ力が確保され、指が滑らずに開口部を容易に開くことができる。具体的には、嵌合具10によって閉じた袋体の開口部を開く際、袋本体の開口端と共に第1の基材11及び第2の基材12における雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14よりも開口部側を掴み、第1のリブ15a〜15dと第2のリブ16a〜16dにそれぞれ親指を引っ掛けることにより、指が滑り難くなる。そのため、嵌合具10における第1の基材11及び第2の基材12の開口部側を開いて、嵌合具10の雄側嵌合部13を雌側嵌合部14から脱離させることが容易になる。
従来の嵌合具では、通常、雄側嵌合部及び雌側嵌合部やリブの材質は、基材の対向面側の材質と同じものが使用されており、雄側嵌合部及び雌側嵌合部とリブは同等の硬さになっている。一方、雄側嵌合部と雌側嵌合部は、互いを嵌合するために一定の柔軟性を有しているものの、互いの嵌合によって袋体の開口部をしっかりと閉じる必要があることから、必要以上に変形しすぎることのない材質が選択される。そのため、雄側嵌合部及び雌側嵌合部と同じ材質で形成されるリブも柔軟性が特に大きいものではなく、リブが設けられていても指が滑って開口部を開くことが困難になることがあったと考えられる。
これに対し、嵌合具10では、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dが雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14よりも軟質であることから、第1の基材11と第2の基材12の開口部側を掴んだ際に、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dにおける指で掴まれた部分が指の形状に合わせて変形しやすくなる。その結果、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dに引っ掛けた指が滑り難くなり、第1の基材11と第2の基材12の開口部側を開く力が充分に伝わりやすくなる。
また、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dの曲げ弾性率は、30MPa以上が好ましく、50MPa以上がより好ましく、70MPa以上がさらに好ましい。前記曲げ弾性率が下限値未満であると、成形する際に困難であり好ましくない。
なお、前記曲げ弾性率は、JIS K7171により規定される値である。
なお、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dの断面形状とは、嵌合具10を幅方向に沿って切断したときの断面形状である。
第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dの幅及び高さは、指を滑り難くする効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
第1の基材11の対向面11aに設けるリブの本数は、特に規定はないが、開口部を開く際に指が滑り難くなることから、1〜10本が好ましく、1〜5本がより好ましい。同様の理由から、第2の基材12の対向面12aに設けるリブの本数は、1〜10本が好ましく、1〜5本がより好ましい。
第1の基材11の対向面11aに設けるリブの本数と、第2の基材12の対向面12aに設けるリブの本数は、同じであっても異なっていてもよい。
また、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dは、直線状に設けてもよく、波線状に設けてもよく、折れ線状に設けてもよく、それらを複合した形状に設けてもよい。また、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dは、第1の基材11及び第2の基材12の長手方向に対して傾斜して設けられてもよい。
また、本実施形態の嵌合具10のように、基材の対向面に複数本のリブを設ける場合、それら複数本のリブは互いに並行して交わらないようになっていてもよく、互いに交わっていてもよい。
以下、本発明の嵌合具付き袋体の一例として、前述した嵌合具10を備えた嵌合具付き袋体1(以下、「袋体1」という。)について説明する。
本実施形態の袋体1は、図2に示すように、内容物を収容する密封された状態の袋本体20と、袋本体20の上部の内面に、横方向に沿って取り付けられた嵌合具10とを具備している。
袋本体20は、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22が重ね合わされ、それらの周縁部23が全てヒートシールされることで形成されており、密封された状態になっている。また、袋本体20における嵌合具10よりも上部側には、横方向に沿って切断補助線24が設けられており、その端部にノッチ25が形成されている。
嵌合具10は、図3に示すように、嵌合具10の第1の基材11の外面11bが袋本体20の第1のフィルム材21に溶着され、嵌合具10の第2の基材12の外面12bが袋本体20の第2のフィルム材22に溶着されている。また、図2に示すように、嵌合具10は、第1の基材11の側端11c及び第2の基材12の側端12cが上部側、第1の基材11の側端11d及び第2の基材12の側端12dが下部側に向くように袋本体20に取り付けられている。すなわち、嵌合具10は、袋体1の上部側に形成される開口部側に第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dが位置するように袋本体20に取り付けられている。
基材層としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等で形成される層が挙げられる。
シーラント層としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等で形成される層が挙げられる。
また、前記積層フィルムには、バリア層等の機能層を設けてもよい。
また、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、シーラント層のみからなる単層フィルムであってもよい。
切断補助線24は、本実施形態では袋本体20の横方向に沿って形成されているが、この形態には限定されず、袋本体20の横方向に対して傾斜して設けられていてもよい。
袋体1は、嵌合具10によって閉じた開口部26を開く際、第1のフィルム材21の開口端21a及び第2のフィルム材22の開口端22aと共に、嵌合具10の第1の基材11及び第2の基材12の開口部側を掴むことで、第1のリブ15a〜15d及び第2のリブ16a〜16dによって指が滑り難い。そのため、嵌合具10の雄側嵌合部13を雌側嵌合部14から脱離させて袋体1の開口部26を容易に開くことができる。
例えば、本発明の効果を損なわない範囲であれば、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を嵌合したときに、第1のリブ15a〜15dと第2のリブ16a〜16dが互いに接触し、第1の基材11と第2の基材12の開口部側が開いた状態になるようにしてもよい。これにより、袋体の開口端同士が密着して該開口端が掴み難くなることが抑制される。
また、リブは、一方の基材の対向面にのみ設けられていてもよい。袋体の開口部をより容易に開くことができる点では、嵌合具10のように、両方の基材の対向面にそれぞれリブが設けられていることが好ましい。
また、嵌合具は、嵌合部が二対以上設けられていてもよい。また、嵌合具は、一対の基材の対向面のそれぞれに複数の雄側嵌合部を設け、それら雄側嵌合部の頭部同士を互いに引っ掛けて嵌合するものであってもよく、一対の基材の対向面のそれぞれに雌側嵌合部を設け、それら雌側嵌合部のアーム同士を引っ掛けて嵌合するものであってもよい。
Claims (3)
- 一対の帯状の基材と、
前記一対の基材のそれぞれの対向面に長手方向に沿って設けられた、互いに着脱自在に嵌合する一対の嵌合部と、
前記一対の基材の少なくとも一方の対向面に長手方向に沿って設けられたリブと、を有し、
前記リブが前記嵌合部よりも軟質であることを特徴とする嵌合具。 - 前記リブの曲げ弾性率が300MPa以下である請求項1に記載の嵌合具。
- 内容物を収容する袋本体と、該袋本体の開口部の内面に設けられた請求項1又は2に記載の嵌合具とを具備する嵌合具付き袋体。
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