JP2018070197A - 合成樹脂系袋 - Google Patents

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隆之 野口
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Abstract

【課題】合成樹脂系袋について、開封用の傷に依存せずとも開封が容易であること、袋の健全性を高めて信頼性を向上させること、外観上の体裁をより良好にすること、開封操作性を向上させること、耐久性を向上させること、開封構成の簡潔化をはかること、袋製上の製造難易度を緩和させること、製品のコストダウンをはかることなどを満足させる。
【解決手段】袋体11の胴部21かつ袋体11の縁よりも内側の部位には、袋体11の他の部分よりも低強度であるという低強度条件と開封用加工傷がないという無傷条件とを満足させる開封用の細長い無傷状弱質開封予定部22・23が設けられている。無傷状弱質開封予定部22・23の一端部は開封用の開始部として袋体11の縁にあり、無傷状弱質開封予定部22・23の中間部や他端部はその一端部の反対領域に伸びている。無傷状弱質開封予定部22・23をその長さ方向に沿って切り裂くことで袋体11が開封される。
【選択図】図1

Description

本発明の一つは包装・収納・その他に用いて好適な合成樹脂系袋に関し、本発明の他の一つはこの種の合成樹脂系袋にあって袋内部に開閉具を備えたものに関する。
合成樹脂製を含む合成樹脂系の袋については多種多様のものが提供され、それぞれが広く用いられている。とくに、包装の分野などでは、チャック・ファスナー・ジッパー・咬合具などとも称される開閉具を備えた包装用袋が汎用されている。
上述の袋を利用する袋詰め商品については、開閉具の有無を問わず、商品を詰めた後の袋に封をするのが一般である。この際の封はかなり厳重なものである。ゆえに、商品の購入者などがこれを開封するときには、それなりの煩わしい手数を要することとなる。
その対策として下記の特許文献1〜3に開示されたものは、簡単容易に開封するため、つぎのような工夫を袋に施している。
まず、特許文献1の場合、これは袋の両側部にわたる開封予定領域にカットテープを主体にした構成を有するものである。特許文献1のものは、カットテープに沿ってスムーズに袋を引き裂き開封することができるとされている。
つぎに特許文献2の場合、これは両側端縁シール部に一の字状ノッチが千鳥足状の多数配列で刻設されているものである。特許文献2のものは、多数配列ノッチを介して安全かつ衛生的に袋を開封することができるとされている。
さらに、特許文献3のものでは、袋の引き裂き開口部に段差を生じさせるために、袋の開口箇所に第1切目線や第2切目線が設けられている。特許文献3の袋の場合、第1切目線を備える面を手前に向けた後、第1切目線よりも上端側の領域を手前に引き裂くとか奥側に引き裂くとかする。かかる包装袋を構成する両積層体のうちで手前側の積層体は、上記前者の引き裂き操作において起点側の一本の切目線と下端側に膨れる切目線と終点側の一本の切目線に沿って引き裂き線が形成されたり、また、上記後者の引き裂き操作において起点側の一本の切目線と上端側に膨れる切目線と終点側の一本の切目線に沿って引き裂き線が形成されたりする。この包装袋において、引き裂き開封が容易であったり引き裂き開口部が美麗であったりするのは、包装袋を切目線から外れることなく引き裂かれるためであるとされている。
特許文献1〜3に開示された各袋は応分の効果を有するものである。しかしながらこれらには、それぞれ改善すべき課題が残されている。以下その課題点について指摘する。
[特許文献1について]
<01> 特許文献1に開示された袋の場合、袋上部における一方の内面に二本のカット溝を形成するため、平行間隔を保持した三本のテープ(カットテープ・上部ガイドテープ・下部ガイドテープ)を設けたり、また、袋上部における他方の内面にイージーピールテープを設けたりしている。これは包装袋の引き裂き開封が容易に行えるとはいえ、多くのテープを要したり、その多くのテープを所定部位に張り付けたりしなければならないので、製袋を煩雑なものにしたり工程数を増加させたりすることとなる。もちろんこれは、製品のコストアップ要因にもなる。
<02> 特許文献1に開示された袋は、上述のとおり、袋内上部側のカット溝部分を引き裂いて開封するものである。かかるカット溝部分の場合、テープ張り付け部分に比して相対的に肉薄となっているが、この部分自体は応分の強度を有する袋表用フィルムまたは袋裏用フィルムからなる。したがって、カット溝部分を強い力で引き裂いたときに永久歪みが残留して引き裂き痕に皺が発生することもある。
[特許文献2について]
<03> 特許文献2に開示された袋は、その両側端縁のシール部に多数のノッチを設けている。このノッチの場合、袋の開封を容易にすることはプラス要因になるものの、袋強度の低下がマイナス要因となるため、これを採用する上で十分な技術的配慮が強いられる。ゆえに、袋を容易に開封するための手段としては、ノッチのような傷を付さないものが希求されている。
[特許文献3について]
<04> 特許文献3のものは、袋を開封したときにその箇所を美麗な段差状に開口することができるが、そのために第1切目線や第2切目線を袋の所定部に形成しているのである。この場合の切目線も傷にほかならない。しかも傷であるところの切目線は、第1切目線や第2切目線というように、袋の全幅にわたる長いものを二本も要することとなる。したがって、特許文献3のような袋開封手段も、これを採用する上で十分な技術的配慮が強いられる。
特開2009−051556号公報 特開2010−228817号公報 特開2012−096839号公報
本発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、開封用の傷に依存せずとも袋の開封が容易に行えること、袋の健全性を高めて信頼性を向上させること、外観上の体裁をより良好なものにすること、開封操作性を向上させること、耐久性を向上させること、開封構成の簡潔化をはかること、袋製上の製造難易度を緩和させること、製品のコストダウンをはかることなど、これらを満足させることのできる合成樹脂系袋を提供しようとするものである。
本発明に係る合成樹脂系袋は、所期の目的を達成するための課題解決手段として下記の第1項〜第9項に記載された技術内容を特徴とするものである。
<第1項>
袋詰め状態において開口部が封をされる袋体について、この袋体が合成樹脂系の製袋用材料からなるとともに袋詰め可能な袋状の構造を有するものであること、および、
前記袋体の胴部であって当該袋体の縁よりも内側の部位には、その袋体の他の部分よりも低強度であるという低強度条件と開封用加工傷がないないという無傷条件とを満足させる開封用の細長い無傷状弱質開封予定部が設けられていること、および、
細長い前記無傷状弱質開封予定部について、当該無傷状弱質開封予定部の一端部が開封用の開始部として袋体の縁にあるとともに当該無傷状弱質開封予定部の中間部や他端部がその一端部の反対領域に伸びていること、および、
前記無傷状弱質開封予定部をその無傷状弱質開封予定部の長さ方向に沿って切り裂くことにより前記袋体が開封されるものであること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第2項>
第1項に記載された合成樹脂系袋において、
合成樹脂系の前記製袋用材料が単層のフィルムからなるものであること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第3項>
第1項に記載された合成樹脂系袋において、
合成樹脂系の前記製袋用材料が積層された複層のフィルムからなるものであること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第4項>
第1項〜第3項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体の袋口を開閉するための開閉具を構成要素として具備するものであること、および、
前記開閉具が合成樹脂製の長い雄開閉部材と合成樹脂製の長い雌開閉部材とからなるものであり、かつ、この雌雄一対の両開閉部材が対面状態において互いに咬み合い自在に対応するものであること、および、
前記開閉具における前記雄開閉部材と前記雌開閉部材とが、咬み合い自在となる対面関係や前記袋体内の両側部にわたる姿勢を保持して、かつ、前記袋体の袋口側に対応して、前記袋体の前記胴部内面に設けられていること、および、
前記袋体における前記袋口側と前記開閉具との間、しかも、前記胴部の一部であって前記開閉具と平行する領域には、前記袋体の両側部にわたる前記無傷状弱質開封予定部が設けられていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第5項>
第1項〜第4項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体における前記無傷状弱質開封予定部の長さ方向に対して直交する当該無傷状弱質開封予定部の幅方向の寸法が1.5mm〜6mmの範囲内で設定されていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第6項>
第1項〜第5項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体における前記無傷状弱質開封予定部の引張強度が、前記袋体におけるその他部の引張強度の[1/4]〜[2/3]の範囲内で設定されていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第7項>
第1項〜第6項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体の内面には、前記無傷状弱質開封予定部よりも袋内側の部位に滑り止め構造が設けられていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第8項>
第1項〜第7項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体の内面を形成しているシーラントフィルムがそのフィルム内面に無傷状弱質開封予定部と開閉具と滑り止め構造とを具備し、かつ、前記開閉具と前記無傷状弱質開封予定部と前記滑り止め構造とがシーラントフィルムの内面に一体形成されていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
<第9項>
第1項〜第7項のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
前記袋体の内面を形成しているシーラントフィルムが、そのフィルム内面に、無傷状弱質開封予定部と開閉具と滑り止め構造とのうちから選択された一つまたは二つのものを具備し、かつ、その選択された一つまたは二つのものがシーラントフィルムの内面に一体形成されていること
を特徴とする合成樹脂系袋。
本発明に係る合成樹脂系袋の場合、下記に述べるような効果を有する。
[袋の開封容易性]
<11> 本発明において袋体に設けられた無傷状弱質開封予定部は、この用語中に「弱質」の語を含んでいる。それは無傷状弱質開封予定部がそのような物性を有しているからであり、かつ、「弱質」が相対的に「低強度」であることを意味する。すなわち、この袋体の無傷状弱質開封予定部の場合、その他部に比して相対的に低強度のものであるから、その他部に比して、ここの引き裂きが行いやすいのである。したがって、本発明に係る合成樹脂系袋の場合、この無傷状弱質開封予定部を引き裂くことにより袋を容易に開封することができる。
[袋に対する信頼性]
<12> 既成袋の場合、袋の開封予定箇所に傷を付してそこを弱体化し、その弱体化された部分を引き裂いて袋を開封するのが一般である。かかる開封用加工傷は、これが適切に形成されるとはいえ傷にほかならないのである。それゆえ、袋詰め商品の製造業者や販売業者、運送御者、また、袋詰め商品の購入者(一般消費者)などは、不測の事態に起因した破袋への不安感が十分に払拭されず、このような開封用加工傷のある既成袋に対しては抵抗感や忌避感をもつものさえ存在する。もちろん、あらゆる原因を想定した破袋防止対策を講じることは技術的に困難であるが、実用上問題のないレベルの袋に対してまで、ユーザーなどに無用の不安感を惹起させるのは望ましくない。
<13> 本発明の袋で低強度化された無傷状弱質開封予定部の場合、弱質であるとはいえ自明の無傷状態であるから、実用上の袋の健全性を確かなものにする。また、このような無傷に依拠した健全袋の場合、この袋に対する無用の不安感とか、抵抗感、忌避感とかを誘発させたり惹起させたりすることがなく、袋詰め業者・ユーザー・その他の者の安心感や信頼感が得やすい。
[無傷状弱質開封予定部の製造難易度の緩和とチェック容易性と品質保証]
<14> 袋の両側端部にわたって一直線状の傷をつけ、そこを開封箇所として弱体化する既成袋の場合、穿孔加工によるミシン目線やレーザ加工による切り込み線などのいずれにしても、高価な加工設備を用いて高精度に仕上げることを要するので、加工上の難易度が高いものになりがちである。その大きな理由は、製袋用材料が極薄のフィルムからなることであり、その極薄フィルムが高精度の微細加工を強いるのである。この種のミシン目線や切り込み線が袋の所定部に適切に形成されているか否かのチェックも、また、それが微細加工であるがゆえに難易度が高いものになる。それに微細加工のバラツキが袋の品質にも影響を与えることとなる。
<15> 本発明に係る合成樹脂系袋の場合、その製袋用材料は単層または複層のフィルムからなるものであり、そのフィルムは周知の押出成形手段で作製されるものである。本発明の袋における無傷状弱質開封予定部は、かかるフィルム段階で設けておけばよいものであり、しかも、共押出成形で無傷状弱質開封予定部とその他部とを同時成形することで無傷状弱質開封予定部の強度をその他部との関係で相対設定することができるので、無傷状弱質開封予定部の開封容易性を所定どおり仕上げるときの製造難易度が緩和される。
<16> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部は傷がないから、製袋後、品質検査する際に、ミシン目線や切り込み線でみられる傷の大きさ・深さなどの厳密チェックが省略できる。すなわち無傷状弱質開封予定部の場合、通常の品質検査と同じく傷の有無をチェックするだけでよいのであるから、製袋後の品質検査におけるチェック容易性を確保しつつ信頼性の高い検査を実施することができる。このような信頼性の高い検査が実施できるときは、また、これに基づく品質保証も信頼性の高いものになる。
[外観の好体裁]
<17> 本発明の袋で傷のない既述の無傷状弱質開封予定部は、既成の袋に比し、ミシン目線や切り込み線のようなものが外部に露呈していない。したがって本発明の袋は、その分だけ外観上の体裁が良好になる。
[開封操作性の向上]
<18> 袋を開封するための既成の構造で、たとえばミシン目線の場合、開封力を要しない目(孔)の部分と、開封力を要する目(孔)以外の部分とが交互するものである。これは力の要不要がノッキング現象のような感じで交互連続するので、開封の円滑性に富むものとはいいがたい。一方で切り込み線のような既成構造も、切り込み線全長にわたる切り込み深さが一様でないことがあり、そのような場合に開封の円滑性を欠いたりする。
<19> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部の場合、押出成形手段で各部を均質な低強度に仕上げることができる。これは無傷状弱質開封予定部の開封開始側から開封終了側までの全領域が均質な低強度となるのであるから、その無傷状弱質開封予定部を一定の引き裂き力できわめて円滑に開封できるようになり、それによって開封操作性が向上するのである。
[耐久性の向上]
<20> 合成樹脂系袋についていうと、製造後直ちに使用されて消尽するものもあるが、中には、製造→ストック(メーカー側)→販売出荷→商品の袋詰め→運送業者→袋詰め商品の卸売り→商品の陳列(小売業者)など、それなりの長期にわたり、包被機能の発揮を余儀なくされるものもある。このような場合に配慮を要求されるのが袋の傷である。すなわち、合成樹脂系袋を長期的にみた場合、傷のある部分は傷のない部分に比して劣化しやすいのである。
<21> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部には既述のように傷がない。それゆえ袋は劣化しやすい部分をもたないのである。これは製造後長期間が経過した袋でも、袋本来の機能に問題が起こりがたいのであり、それが袋の耐久性を向上させることとなる。
[開封構成の簡潔化]
<22> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部の場合、製袋用材料(フィルム)にミシン目線や切り込み線などのような開封構造を設けるものでなく、また、フィルム面にカットテープ・ガイドテープ・イージーピールテープなどの部材を張り付けて開封構造を設けるものでなく、押出成形手段で無傷状弱質開封予定部を形成するだけのものであるから、開封構成の簡潔化をはかることができる。
[製品のコストダウン]
<23> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部の場合、既述の諸効果を奏するところの有用で有益なものである。かかる無傷状弱質開封予定部につき、加工率の低減につながるように構成を簡潔化したり、製品の歩留まりが高まるように製作難易度を緩和したりするものであるから、当該無傷状弱質開封予定部を有する袋のコストダウンをはかることができる。
[その他]
<24> 本発明の袋において、袋体の内面を形成しているシーラントフィルムがそのフィルム内面に無傷状弱質開封予定部と雌雄一対の開閉具と滑り止め構造とを具備するもの、しかも、開閉具と無傷状弱質開封予定部と滑り止め構造とがシーラントフィルム(最内層)の内面に一体化されているものは望ましい。とくに、この三種の機能性構造がシーラントフィルムの内面に一体形成されているものはより望ましいといえる。その理由の一つは、この三種の機能性構造を有することで、袋の有用性や利便性が飛躍的に向上するからである。他の理由の一つは、この三種の機能性構造を分散させるのでなく、シーラントフィルムの内面に集中ないし集約することで加工効率がアップし、それが袋の生産性を高めたり袋のコスト削減に貢献したりするからである。
<25> 本発明の袋における無傷状弱質開封予定部とその他部については、製袋用材料の押出成形において、無傷状弱質開封予定部その他部とを互いに異色化することで無傷状弱質開封予定部を目視状態で判然とさせることができる。すなわち、かかる異色化が無傷状弱質開封予定部(開封箇所)を判然とさせるための目印になる。また、袋体内面の上記所定部に滑り止め構造が設けられているものの場合、開封後の袋口をしっかりと摘まんで開口することができる。
本発明に係る合成樹脂系袋の一実施形態を示した正面図と要部縦断面図である。 本発明に係る合成樹脂系袋について、製袋用材料としてラミネート加工フィルムを用いる実施形態の第一群を略示したそれぞれ要部縦断面図である。 本発明に係る合成樹脂系袋について、製袋用材料としてラミネート加工フィルムを用いる実施形態の第二群を略示したそれぞれ要部縦断面図である。 図2の合成樹脂系袋と図3の合成樹脂系袋について、それらの要部を示したそれぞれ斜視図である。 本発明に係る合成樹脂系袋として、開閉具と無傷状弱質開封予定部と滑り止め構造とが最内層(シーラントフィルム)の内面に一体形成されたものを略示した要部斜視図である。 本発明に係る合成樹脂系袋について、無傷状弱質開封予定部の設けられる部位がそれぞれ異なる袋の実施形態を示した正面図である。 本発明に係る合成樹脂系袋について、これに用いられる各種製袋用材料を略示した斜視図である。
本発明に係る合成樹脂系袋について、はじめに、基礎となる袋構成と主要な袋構成部材と袋構成材料(製袋用材料)の材質などについて説明する。
本発明に係る合成樹脂系袋の場合、固体・液体・粉体・粒体・固形物・粘性物・気液混合物・固液混合物やその他のものなどを包装したり収納したり保管したりするために用いられるものである。本発明に係る合成樹脂系袋は、また、物の袋詰め後にたとえば密封状態のようにして封が施されるものである。
本発明に係る合成樹脂系袋として、図示すべての実施形態に例示されたものや下記すべての実施形態に例示されたものの場合、その袋体11が、主要な製袋用材料である袋表用フィルム12と袋裏用フィルム13とを主体にして袋状に構成されるものである。本発明に係る合成樹脂系袋については、さらに、袋表用フィルム12および袋裏用フィルム13と、サイドガゼットおよび/またはボトムガゼットとを主体にして袋体11が袋状に構成されるものもある。これら以外として、袋表用フィルム12と袋裏用フィルム13については、二つ折りされた一連(一枚)のフィルムからなるものもある。この場合はフィルムの折り目を堺にして、その一方が袋表用フィルム12となり、その他方が袋裏用フィルム13となる。こうした場合の各構成材料はすべて合成樹脂系であるから、もちろん、袋体11も合成樹脂系である。
本発明に係る合成樹脂系袋は、自明のとおりの合成樹脂系であるが、本発明でいうところの「合成樹脂系」の語は、単一の合成樹脂からなるもの、異種合成樹脂の組み合わせからなるもの、合成樹脂と非合成樹脂とが複合された複合材からなるものなどを含めた上位概念語である。
本発明に係る合成樹脂系袋が合成樹脂のみからなるとき、その合成樹脂は、主に熱可塑性樹脂であるが、場合により熱硬化性樹脂が採用されることもある。より具体的には下記a〜nに列記された合成樹脂のうちから任意のものが選択かつ採用され、袋体11の袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13などは、その合成樹脂がフィルム化されているのである。下記におけるポリエチレンやポリプロピレンなどについては、これらをまとめてポリオレフィンのようにいうことができる。
a.アイオノマー樹脂
b.各種のポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレンなど)
c.ポリ塩化ビニルフィルム
d.ポリ塩化ビニリデンフィルム
e.ポリ塩化ビニルアルコール
f.ポリプロピレン
g.ポリエステル
h.ポリカーボネート
i.ポリスチレン
j.ポリアクリロニトリル
k.エチレン酢酸ビニル共重合体
l.エチレン−ビニルアルコール共重合体
m.エチレン−メタクリル酸共重合体
n.ナイロン(ポリイミド、ポリアミドなど)
本発明に係る合成樹脂系袋が異種合成樹脂の組み合わせからなるとき、その場合の合成樹脂は、たとえば、前記a〜nのうちから選択された二つ以上の合成樹脂の組み合わせからなる。
本発明に係る合成樹脂系袋(袋体11)が複合材からなるとき、その複合材は、非合成樹脂フィルム(シート)の内面に合成樹脂フィルムが内貼りされたラミネート加工フィルム(ラミネートフィルムともいう)からなる。これについては、合成樹脂フィルムと金属箔(例:アルミニウム箔)とによるラミネート加工品、合成樹脂フィルムと織布とによるラミネート加工品、合成樹脂フィルムと不織布とによるラミネート加工品、合成樹脂フィルムと網とによるラミネート加工品、合成樹脂フィルムと紙とによるラミネート加工品などをあげることができる。このようなラミネート加工品における合成樹脂も、前記a〜nに掲げられたものが適宜選択採用される。このほか、本発明におけるこの種の複合材としては、メタライジング処理加工された金属系・非金属系蒸着の合成樹脂や超微粒子化金属系・非金属系素材(例:酸化チタン、シリカグラスなど)を混入・被着させたナノ技術系の新素材からなる合成樹脂も使用することができ、袋詰めの内容物いかんで、それらを前記両フィルム12・13に組み合わせることもできる。
上記のラミネート加工フィルム(ラミネートフィルム)についていうと、袋の表基材として使われるものはベースフィルムと称され、ヒートシール材としてフィルムの内面に使用されるものはシーラントフィルムと称され、さらに、酸素、水蒸気、光などを遮断する目的でベースフィルムとシーラントフィルムとの間にサンドイッチされる中間基材のフィルムはサンドフィルム(バリヤー性サンドフィルム)と称される。
本発明に係る合成樹脂系袋で図示された各実施形態のものでは、袋口開閉のための一つの開閉具31が袋体11の袋口側の内部に設けられるものがある。その場合において、開閉具31が袋体11の袋口側の内部に上下複数段で設けられるものもある。袋口開閉のための開閉具31については種々のものが公知ないし周知であるが、そのうちで多くの開閉具31は、互いに咬み合い自在な横長の雄開閉部材(雄爪)32と横長の雌開閉部材(雌爪)34とからなる。開閉具31の代表的一例として、雄開閉部材32は矢形状の先端部を有しており、雌開閉部材34は開閉自在な一対の鉤形片を有している。一対の鉤形片をもつ雌開閉部材34は、また、その両鉤形片間に、雄開閉部材32の先端部を受け入れるための空間を有している。かかる開閉具31の場合、表裏両フィルム12・13の内面に一体形成されるほか、テープ状をなす雄開閉部材32の基部33や、同じく、テープ状をなす雌開閉部材34の基部33が、表裏両フィルム12・13の内面にヒートシール手段などで接着(接着一体化)されるものである。これについては、また、雄開閉部材32が袋表用フィルム12の内面に接着されるとともに雌開閉部材34が袋裏用フィルム13の内面に接着される例と、逆に、雄開閉部材32が袋裏用フィルム13の内面に接着されるとともに雌開閉部材34が袋表用フィルム12の内面に接着される例とがある。
開閉具31については、既述のとおり、チャック・ファスナー・ジッパーなどと称される一方、咬合具のようにも称されるものである。開閉具31の材料である合成樹脂については、それが表裏両フィルム12・13の内面に一体形成されるものであるとき、当該両フィルム12・13と同材料ないしは同材質のものからなる。表裏両フィルム12・13の内面に接着されたものであるときの開閉具31については、当該両フィルム12・13と同材料ないし同材質のものか、あるいは、当該両フィルム12・13に対して親和性のある合成樹脂が採用される。その場合の具体的な合成樹脂をあげると、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどであり、そのうちから適当なものが選択採用される。
つぎに、本発明に係る合成樹脂系袋について、図1〜図4に例示された実施形態のものをより具体的に説明する。
本発明の実施形態で図1に示された合成樹脂系袋の場合、袋体11は、袋表用フィルム12と袋裏用フィルム13とが互いに重ね合わされたものであるとともに、当該両フィルム12・13の所定の周縁部(単に縁ともいう)が密閉されて袋状をなしているものである。したがって袋体11には、複数のシール箇所がある。より具体的にいうと、袋体11の両側部にはヒートシール手段でサイドシール14・15が施されており、袋体11の上側部や下側部にもヒートシール手段でトップシール16やボトムシール17が施されている。図1において、トップシール16が仮想線(二点鎖線)で示されているのは、未封状態にある袋体上部の袋口が、袋体11内への被包装物袋詰め後にシールされることを意味するものである。さらに、袋表用フィルム12の上端部側の内面や袋裏用フィルム13の上端部側の内面には、凸条12a・13aや凹溝12b・13bが必要に応じて形成されることもある。かかる凸条12a・13aや凹溝12b・13bについては、あとで説明されたりもするが、これは開封後の袋体上部に生じた袋口を指先で摘まんで開くときの滑り止め構造SSとなるものである。したがって凸条12a・13aや凹溝12b・13bの場合、前記両フィルム12・13の上端部側の内面において、袋幅方向にわたる横長状に形成される。この滑り止め構造SSの場合、凸条12a・13aや凹溝12b・13bが両フィルム12・13の上端部側の内面に一体形成されたり、あるいは、凸条12a・13aや凹溝12b・13bを有する合成樹脂製のテープが両フィルム12・13の上端部側の内面に張り付けられたりするものである。さらにいうと、凸条12a・13aや凹溝12b・13bなどは、複数本の平行した各凸条12a・13aを形成することで両凸条12a・12a間に凹溝13aが相対形成されるほか、両凸条13a・13a間に凹溝13bが相対形成されるものである。
上述の滑り止め構造SSについては、また、凸条12a・12aや凹溝12b・13bに代えて、微細な凹凸を有する梨地模様の形状で形成されることもある。この梨地模様の滑り止め構造SSは、外見上、面状を呈するものである。
図1において、袋体11を構成している袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13については、それぞれ単層フィルムからなるものが例示されているが、この両フィルム12・13がそれぞれ複層フィルムからなることもある。
本発明において、袋体11に被包装物を袋詰め密封する際の代表例はつぎのとおりである。その一つは袋体11の底部側(下側部)を被包装物の充填口とするタイプである。このタイプの場合、包装前の状態にある袋体11には、両サイドシール14・15とトップシール16とがすでに形成されているから、被包装物の充填後、袋体11の下側部にボトムシール17が施される。他の一つは袋体11の袋口側(上側部)を被包装物の充填口とするタイプである。このタイプの場合、包装前の状態にある袋体11には、両サイドシール14・15とボトムシール17とがすでに形成されているから、被包装物の充填後に袋体11の下側部にトップシール16が施される。
本発明に係る合成樹脂系袋については、このほか、袋体11内に開閉具31が設けられないタイプの袋、すなわち、開閉具31を備えていない袋もある。
本発明に係る合成樹脂系袋として各図に例示されているものの場合、袋体11は、自明で周知のように、袋詰め可能な袋状の構造を有するとともに袋詰め状態において開口部が封をされるものである。一方、袋体11が合成樹脂系の製袋用材料からなることについては、すでに説明したとおりである。
図1を参照して明らかなように、袋体11の胴部21であって袋体11の縁よりも内側の部位には、袋体11の他部よりも低強度であるという低強度条件や、低強度化のための傷がないという無傷条件を満足させる開封用の細長い無傷状弱質開封予定部22・23が設けられている。図1に例示された各無傷状弱質開封予定部22・23は、袋体11における胴部21の上端部側にあって、それぞれ袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13の一部として、これらと一体形成されているものである。このような無傷状弱質開封予定部22または23については、袋表用フィルム12だけに設けられたり、あるいは、袋裏用フィルム13のだけに設けられたりすることがある。したがって、袋体11の場合、袋表側または袋裏側のみに無傷状弱質開封予定部22または23を有するものもある。
上述の細長い無傷状弱質開封予定部22・23の場合、その一端部が開封用の開始部として袋体11の縁にあり、その一端部の反対領域に当該無傷状弱質開封予定部22・23の中間部や他端部が伸びているものである。この無傷状弱質開封予定部22・23について図1の袋体11を参照すると、無傷状弱質開封予定部22・23の一端部にある開封用の開始部22a・23aは、一方のサイドシール14と交差する態様でそのサイドシール14に存在しており、かつ、無傷状弱質開封予定部22・23の他端部にある開封用の終了部22b・23bは、他方のサイドシール15と交差する態様でそのサイドシール15に存在する。図1のような態様で両サイドシール14・15に存在するときの開封用開始部22a・23aや開封用終了部22b・23bについては、そのうちの一方(22a・23a)とそのうちの他方(22b・23b)とが互いに等価なものであるから、開封用開始部22a・23aを開封用終了部、開封用終了部22b・23bを開封用開始部とそれぞれ変更しても、その内容が実質的に変わるものではない。この細長い無傷状弱質開封予定部22・23については、また、開封用終了部22b・23bが、袋体11の縁にまで達することなくサイドシール14の手前またはサイドシール15の手前でとどまるように形成されることもある。
上述した無傷状弱質開封予定部22・23は袋体11の胴部21にあって、その一端部および/または両端部が袋体11の縁(サイドシール14および/または15)にあればよいものである。かかる無傷状弱質開封予定部22・23の場合、つぎのような事項を不可欠条件とする。その一つは無傷状弱質開封予定部22・23の一端部を除く中間部と他端部とが袋体11の胴部21にあって袋体11の縁よりも内側に存在することであり、他の一つは無傷状弱質開封予定部22・23の両端部を除く中間部が袋体11の胴部21にあって袋体11の縁よりも内側に存在することである。ちなみに、図1の実施形態における無傷状弱質開封予定部22・23は、その両端部が袋体11の縁(サイドシール14・15)にあり、かつ、その両端部を除く中間部が袋体11の上端部側の縁に近接してその上端部側の縁よりも袋体11の内側(内方)に位置しているものである。すなわち、図1に例示された実施形態の場合、袋体11における上端部と開閉具31との間に無傷状弱質開封予定部22・23の中間部が存在しているものである。無傷状弱質開封予定部22・23の一端部とその反対領域との関係についていうと、当該無傷状弱質開封予定部22・23の一端部に対する反対領域には、正反対の領域のほか、斜め方向の反対領域なども含まれるものである。
無傷状弱質開封予定部22・23については、上記以外にも、つぎのような不可欠の条件がある。
上記以外の不可欠条件の一つは、自明のとおり、無傷状弱質開封予定部22・23に傷がないということである。すなわち、この無傷状弱質開封予定部22・23という用語における「無傷状」とは、袋の切り裂きや開封を容易にする目的で意図的に付される「ミシン目」や「レーザー切り込み」などのような「加工傷」が袋体にないことを意味するものである。さらに、この無傷状弱質開封予定部22・23という用語における「弱質」の語意について、これは「脆弱」のような意味合いを表すものでなく、袋体11の他部との相対関係で「低強度」を意味するものである。
上記以外の不可欠条件の他の一つは、無傷状弱質開封予定部22・23が袋体11の他の部分よりも低強度に設定されていることである。この場合の袋体11の他の部分とは、袋体11の正面部・背面部・両側面部・底面部などを構成している製袋用材料(単層フィルムまたは積層フィルム)であって、そのうちから無傷状弱質開封予定部22・23を除いた部分を指すものである。この場合、二枚のフィルムが接着一体化されている各シール部(サイドシール14・15・トップシール16・ボトムシール17)や付属品であるところの開閉具31などは、原則として、ここでいう袋体11の他の部分には含まれない。ただし、シール部の場合、その強度を二分した値を袋体11の他の部分の強度とするときには、該シール部を袋体11の他の部分に含めてもかまわない。
袋体11における無傷状弱質開封予定部22・23とその他部との相対的な強度については、無傷状弱質開封予定部22・23の引張強度を[S1]とし、無傷状弱質開封予定部22・23以外の部分の引張強度を[S2]とした場合に、下記不等式(1)を満足させるように設定する。この無傷状弱質開封予定部22・23については、下記不等式(2)を満足させるものがより望ましい。
〔[S2]×[1/4]〕≦[S1]≦〔[S2]×[2/3]〕……(1)
〔[S2]×[1/3]〕≦[S1]≦〔[S2]×[1/2]〕……(2)
袋体11の強度とは、これを構成している製袋用材料が破断・破壊・降伏などを起こす限界応力のことである。ちなみに、実用上の静的な最大荷重下での袋の破断が問題になる場合、製袋用材料の引張強度を適切に設定する必要がある。また、繰返し荷重を受けて袋の疲労が問題になる場合、製袋用材料について疲労限度を考慮に入れた適切な値を採用する必要がある。一方、袋体11(製袋用材料)に作用してよい設計上の応力の大きさの上限値、すなわち、袋体11の許容応力は、設計時に製袋用材料に作用することが予測される応力(使用応力)を指す。この袋体11の許容応力についても、たとえば、荷重を単に断面積で割った平均的な応力なのか各点の局所的な応力なのかを適切に決める必要がある。袋体11(製袋用材料)の強度は、通常、これらの事項やその他の事項を踏まえて基準強度を決定したり、その基準強度に安全率を加算したりして設定する。すなわち、袋体11の強度は、〔[製袋用材料の基準強度]+[製袋用材料の基準強度×安全率]〕のように設定する。さらに、この安全率ついては、材料強度の不確実性・負荷の不確実性・袋詰め対象物の重要性などを考慮に入れて設定している。この安全率が経験則を参照して設定されることもある。
本発明における袋体11の無傷状弱質開封予定部22・23の強度[S1]が上記(1)式や上記(2)式のように設定される理由について説明する。
まず、袋体11(製袋用材料)の強度として設定される上記[S2]についていうと、これは基準強度に安全率が加算されたものであるから、強度上の不足がない。このようして上記[S2]が設定された袋体11(製袋用材料)の場合、実用に十分に耐える。つぎに、無傷状弱質開封予定部22・23の強度として設定される上記[S1]についていうと、これが[S2]の[1/4]を下回るような値に設定された場合には、強度加算された上記安全率の分が消失するばかりか、実用上の強度保証値をかなり下回るような強度減少をきたしたりするおそれもある。すなわち、[S1]<〔[S2]×[1/4]〕となるように上記[S1]が設定された場合には、無傷状弱質開封予定部22・23が破損したり破断したりするリスクが高まる。したがって、上記[S1]の場合、〔[S2]×[1/4]〕≦[S1]となるようにその下限値が設定されることを要する。
さらに、上記[S1]が[S1]>〔[S2]×[2/3]〕のように設定される場合についていうと、これは袋体11(製袋用材料)の基準強度をほぼ上回るような強度レベルであるから、無傷状弱質開封予定部22・23には破損や破断が生じがたいといえる。その反面、袋を開封するときの引き裂き力としてより大きな力を要するので、袋の開封容易性が損なわれる。これに対し、[S1]≦〔[S2]×[2/3]〕となるように上記[S1]が設定された場合、無傷状弱質開封予定部22・23は、その強度が袋体11(製袋用材料)の基準強度を下回るようになるので、この箇所での袋開封が容易に行える。ゆえに、上記[S1]の場合、[S1]≦〔[S2]×[2/3]〕となるようにその上限値が設定されることを要する。
[S2]との関係で定まる[S1]の値が不本意な袋の破損(破断)を防止したり袋の開封容易性を確保したりする上で技術的な対立課題をはらんでいることは、上述の説明から明らかである。したがって、[S1]については、この両方の特性をバランスよく拮抗させることが重要である。かかる検討結果からするとき、[S1]の範囲を規定する下限値と上限値との差が少ないほど、袋の破損防止と袋の開封容易性との双方がより良好な状態で確保できるようになる。ゆえに、本発明に係る合成樹脂系袋において、無傷状弱質開封予定部22・23の強度[S1]が上記(2)式のように設定される袋体11の場合、より望ましいものとなる。
上記[S1]の具体的な引張強度については、50kg/cm〜190kg/cmの範囲内で設定される。より望ましい[S1]の値は70kg/cm〜160kg/cmの範囲内にある。さらに望ましい[S1]の値は80kg/cm〜140kg/cmの範囲内にある。最も望ましい[S1]の値は、90kg/cm〜120kg/cmの範囲内にある。既述の製袋用材料(フィルム)で製袋される袋体11の場合、無傷状弱質開封予定部22・23の引張強度やその他の部分の引張強度は、それらの引き裂き抵抗力とか引き裂き抵抗性とかに比例するものである。したがって、無傷状弱質開封予定部22・23の強度[S1]を引張強度で規定することに特段の問題がない。換言すると、無傷状弱質開封予定部22・23の引き裂き抵抗力を設定するとき、ここに掲げた具体的数値の範囲内で引張強度を設定すればよいである。
袋体11の無傷状弱質開封予定部22・23の幅、すなわち、当該無傷状弱質開封予定部22・23の長さ方向と直交する幅方向の寸法は、袋体11のサイズによって設定値が種々異なるが、ほとんどの袋体11については、1.5mm〜6mmの範囲内で無傷状弱質開封予定部22・23の幅が設定されてよいものである。もちろん、ここに例示されたような寸法幅の範囲内に設定された無傷状弱質開封予定部22・23は、不本意な袋の破損(破断)を防止する点や袋の開封容易性を満足させる点で実用に即するものである。
つぎに、本発明に係る合成樹脂系袋の実施形態について図2の第一群を説明する。
図2の実施形態のものについて共通の事項を先行説明すると、袋体11における袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13は、それぞれ、ラミネート加工(ラミネート)された複層フィルムからなるものである。より具体的には、両フィルム12・13はそれぞれ積層一体化された四層構造のフィルムからなる。このうちで袋表用フィルム12の場合、最外層たる第一層F1はベースフィルム、中間層たる第二層F2と第三層F3はサンドフィルム、最内層たる第四層F4はシーラントフィルムである。袋裏用フィルム13の場合も同様に、最外層たる第一層R1はベースフィルム、中間層たる第二層R2と第三層R3はサンドフィルム、最内層たる第四層R4はシーラントフィルムである。
図2の実施形態において、袋表用フィルム12の第四層F4にはその内面に開閉具31の雌開閉部材34が一体成形で形成されている。一方でこの雌開閉部材34と咬合自在に対応するように、袋裏用フィルム13の第四層R4にもその内面に開閉具31の雄開閉部材32が一体成形で形成されている。さらに、各第四層F4・R4の内面には、雄開閉部材32や雌開閉部材34の上位部に、滑り止め構造SSとなる凸条12a・13aや凹溝12b・13bがそれぞれ形成されている。
つぎに、図2(A)〜図2(P)の各実施形態における袋体11の無傷状弱質開封予定部22・23を説明する。まず、各実施形態の共通事項について、袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13に設けられた無傷状弱質開封予定部22・23は、開閉具31とトップシール16との間に存在するものであり、より詳しくは、無傷状弱質開封予定部22・23が滑り止め構造SSとトップシール16との間に存在している。その他の事項は以下のとおりである。
図2(A)の袋体11の場合、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第四層F4のみに一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第四層R4のみに一体形成されている。図2(A)の両無傷状弱質開封予定部22・23は同一寸法のものが同高状態で互いに対面している。
図2(B)の袋体11においては、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第三層F3・第四層F4の二層に一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第三層R3・第四層R4の二層に一体形成されている。この図2(B)の各無傷状弱質開封予定部22・23も上記と同様、同一寸法のものが同高状態となっている。
図2(C)の袋体11においては、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第二層F2・第三層F3・第四層F4の三層に一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23は袋裏用フィルム13の第二層R2・第三層R3・第四層R4の三層に一体形成されている。図2(C)の各無傷状弱質開封予定部22・23も同一寸法のものが同高状態にある。
図2(D)の袋体11においては、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第一層F1・第二層F2・第三層F3・第四層F4の全層に一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第一層R1・第二層R2・第三層R3・第四層R4の全層に一体形成されている。図2(D)の各無傷状弱質開封予定部22・23も同一寸法のものが同高状態にある。
図2(E)の袋体11では、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第四層F4のみに一体形成されているとともに他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第四層R4のみに一体形成されている。図2(E)の両無傷状弱質開封予定部22・23は寸法が互いに同じである。図2(E)の両無傷状弱質開封予定部22・23の場合、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に高位で他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に低位という高低差がある。
図2(F)の袋体11の場合、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第三層F3と第四層F4との二層に一体形成されているとともに他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第三層R3と第四層R4との二層に一体形成されている。図2(F)の各無傷状弱質開封予定部22・23の場合、寸法が互いに同じであるものの、無傷状弱質開封予定部22が相対的に高位であったり無傷状弱質開封予定部23が相対的に低位であったりする。
図2(G)の袋体11の場合、一方の無傷状弱質開封予定部22は袋表用フィルム12の第二層F2と第三層F3と第四層F4との三層に一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23は袋裏用フィルム13の第二層R2と第三層R3と第四層R4との三層に一体形成されている。図2(G)での各無傷状弱質開封予定部22・23も寸法は互いに同じであるが、無傷状弱質開封予定部22が相対的に高位のものとなっており、無傷状弱質開封予定部23が相対的に低位のものとなっている。
図2(H)の袋体11の場合、一方の無傷状弱質開封予定部22が袋表用フィルム12の第一層F1と第二層F2と第三層F3と第四層F4との全層に一体形成されており、他方の無傷状弱質開封予定部23が袋裏用フィルム13の第一層R1と第二層R2と第三層R3と第四層R4との全層に一体形成されている。図2(H)での各無傷状弱質開封予定部22・23も寸法は互いに同じであるが、無傷状弱質開封予定部22が相対的に高位のものとなっており、無傷状弱質開封予定部23が相対的に低位のものとなっている。
図2(I)〜図2(L)の各袋体11は、それぞれ一部の構成相違を除いてみるとき、図2(E)〜図2(H)の各袋体11と実質的に同じものといえる。以下これらについて説明する。図2(I)の袋体11については、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に低位で他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に高位である点を除き、図2(E)の袋体11と実質的に同じものである。図2(J)の袋体11も、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に低位で他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に高位である点を除いて、図2(F)の袋体11と実質的に同じものである。図2(K)の袋体11も、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に低位で他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に高位である点を除いて、図2(G)の袋体11と実質的に同じものである。図2(L)の袋体11も、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に低位で他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に高位である点を除いて、図2(H)の袋体11と実質的に同一である。
図2(M)〜図2(P)の各袋体11も、それぞれ一部の構成相違を除いてみるとき、図2(E)〜図2(H)の各袋体11と実質的に同じものといえる。以下これらについて説明する。図2(M)の袋体11については、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に大きくて他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に小さい点を除き、図2(F)の袋体11と実質的に同じものである。図2(N)の袋体11も、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に大きくて他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に小さい点を除き、図2(F)の袋体11と実質的に同じものである。図2(O)の袋体11も、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に大きくて他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に小さい点を除き、図2(G)の袋体11と実質的に同じものである。図2(P)の袋体11ついても、一方の無傷状弱質開封予定部22が相対的に大きくて他方の無傷状弱質開封予定部23が相対的に小さい点を除き、図2(H)の袋体11と実質的に同一である。
図2(A)〜図2(P)の各袋体11における既述の無傷状弱質開封予定部22・23は、それぞれ袋表用フィルム12の内面や袋裏用フィルム13の内面にあって横長状態を呈しているものである。すなわち、図2(A)〜図2(P)に例示された各袋体11などは、無傷状弱質開封予定部22・23が両サイドシール14・15にわたって横長状態を呈しているものである。そのうちで図2(D)、図2(H)、図2(I)、図2(P)などの袋体11は、これらの一部分が図4(A)に示されている。
つぎに、本発明に係る合成樹脂系袋の実施形態について図3の第二群を説明する。
図3(A)〜図3(P)の各実施形態における袋体11については、滑り止め構造SSが図2(A)〜図2(P)のそれと異なり、滑り止め構造SSを除く部分が図2(A)〜図2(P)のそれと同じものである。たとえば、図3の各図にみられるそれぞれの無傷状弱質開封予定部22・23は、図2(A)〜図2(P)に例示されたものと全く変わるところがない。したがって、図3(A)〜図3(P)の各実施形態については、滑り止め構造SSに関する事項を以下に説明することとし、滑り止め構造SS以外の構成は、図1〜図2とその説明を参照することで省略する。
図3(A)〜図3(P)における滑り止め構造SSは、開閉具31を利用して以下のように構成されている。すなわち、雄開閉部材32と雌開閉部材34とからなる開閉具31において、雄開閉部材32のテープ状をなす扁平な基部33の上部側が増幅されたり、雌開閉部材34のテープ状をなす扁平な基部35の上部側が増幅されたりし、各基部33・35の増幅部表面に滑り止め構造SSが設けられるものである。その一例として、互いに平行する既述の凸条13aと凹溝13bとが、各基部33・35の増幅部表面に交互形成されるものである。他の一例としては、既述の梨地模様形状からなるものが滑り止め構造SSとして各基部33・35の増幅部表面に形成される。さらに、このような滑り止め構造SSを付された雄開閉部材32と雌開閉部材34が、表裏両フィルム12・13の内面にヒートシール手段などで接着(接着一体化)される。
図3(A)〜図3(P)に例示された各袋体11なども、無傷状弱質開封予定部22・23が両サイドシール14・15にわたって横長状態を呈しているものである。そのうちで図2(D)、図2(H)、図2(I)、図2(P)などの袋体11は、これらの一部分が図4(B)に示されている。
さらに、図5(A)(B)の実施形態について説明すると、これは最内層(シーラントフィルム)すなわち第四層F4の内面に、雌雄一対の開閉部材32・34からなる開閉具31と無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SSとが一体化された袋体11について、典型的な二例を示すものである。この実施形態での一体化においては、とくに、開閉具31と無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SSとがシーラントフィルム(最内層)の内面に一体成形(一体形成ともいう)で形成されている。図5のような実施形態は、袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13が単層フィルムからなる場合にも適用することができ、かかる場合は、開閉具31と無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SSとがその単層フィルム(シーラントフィルム)の内面に一体成形で形成されることとなる。図5の実施形態で同図(A)のものと同図(B)のものとの相違点をあげると、同図(A)のものには開閉具31の開閉部材32・34に基板部33・35が存在せず、逆に、同図(B)のものには開閉具31の開閉部材32・34に基板部33・35が存在することである。
上記の実施形態でシーラントフィルムの内面に一体形成された開閉具31と無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SSについて、開閉具31の両開閉部材32・34や滑り止め構造SSの凸条12a・13aなどは、シーラントフィルムの内面から突出しているが、無傷状弱質開封予定部22・23の場合は、通常、シーラントフィルムの内面から突出することなく袋体11の内面に露呈しているだけである。それは、無傷状弱質開封予定部22・23がシーラントフィルムの厚さ方向にわたって形成されていて、無傷状弱質開封予定部22・23の厚さとシーラントフィルムの厚さとが実質的に等しいからである。
袋体11の袋表用フィルム12や袋裏用フィルム13が単層フィルムまたは積層フィルム(ラミネートフィルム)からなる場合においては、また、開閉具31、無傷状弱質開封予定部22・23、滑り止め構造SSのうちから選択されたいずれか一つまたは二つのものが、袋体11の内面を形成しているシーラントフィルムの内面に一体成形(一体形成ともいう)されることもある。その具体的一例では、開閉具31のみ、または、傷状弱質開封予定部22・23のみ、または、滑り止め構造SSのみがシーラントフィルムの内面に一体成形される。他の具体的一例では、無傷状弱質開封予定部22・23と開閉具31、または、無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SS、または、開閉具31と滑り止め構造SSとがシーラントフィルムの内面に一体成形される。
上記一体成形によるものであって、袋体11の内面を形成しているシーラントフィルムに無傷状弱質開封予定部22・23がある袋体11の場合、無傷状弱質開封予定部22・23が袋体11内にあって袋外にさらされるようなことがない。これは無傷状弱質開封予定部22・23が外部の影響を受けがたくなるので望ましい。上記一体成形によるものであって、袋体11の内面を形成しているシーラントフィルムの内面に開閉具31や滑り止め構造SSがある袋体11の場合、それは開閉具31や滑り止め構造SSが袋体11の内面に存在することで所定の機能を奏するので、これも技術的な意義がある。さらに、袋体11の内面を形成しているシーラントフィルムの内面に、開閉具31と無傷状弱質開封予定部22・23と滑り止め構造SSとのうちから選択されたいずれか二つがある場合、これらの加工がシーラントフィルムに集約されるので加工効率がアップする。これは袋の生産性を高めることに通じ、また、袋のコスト削減にも通じる。
本発明に係る合成樹脂系袋については、袋体11から滑り止め構造SSが省略される実施形態もある。
つぎに、無傷状弱質開封予定部22・23の設けられる部位について、図6を参照して説明する。
図6(A)に例示された袋体11の場合、袋体11における一方のサイドシール14の内側縁に沿い、かつ、袋体11のトップシール16とボトムシール17とにわたって無傷状弱質開封予定部22・23が設けられている。この変形例として、袋体11の他方のサイドシール15の内側縁に沿い、かつ、袋体11のトップシール16とボトムシール17とにわたって無傷状弱質開封予定部22・23が設けられるものもある。
図6(B)に例示された袋体11の場合、袋体11におけるボトムシール17の内側縁に沿い、しかも、袋体11の両サイドシール14・15にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が設けられている。
図6(C)に例示された袋体11の場合、袋体11のトップシール16から袋体11の左側サイドシール14の上方部にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が斜状に設けられている。これの変形例として、袋体11のトップシール16から袋体11の右側サイドシール15の上方部にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が斜状に設けられるものもある。
図6(D)に例示された袋体11の場合、袋体11におけるトップシール16の左側寄りの部位から袋体11の左側サイドシール14の上方部にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が斜状に設けられており、さらに、袋体11におけるトップシール16の右側寄りの部位から袋体11の右側サイドシール15の上方部にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が斜状に設けられているものである。これの変形例として、左右いずれかの無傷状弱質開封予定部22・23が袋体11から省略されるものもある。
図6(E)に例示された袋体11の場合、その正面または背面からみた形状が、三角形からなる多角形をなすものである。図6(E)の実施形態のものは、三角形(多角形の一種)をなす袋体11の上方部側において、一方のサイドシール14から他方のサイドシール15にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が設けられているものである。
図6(F)に例示された袋体11の場合、その正面または背面からみた形状が、五角形からなる多角形をなすものである。図6(F)の実施形態のものは、五角形(多角形の一種)をなす袋体11の上方部側において、山形ないし尖塔形をしたトップシール16の左側傾斜辺部からその右側傾斜辺部にわたって無傷状弱質開封予定部22・23が横一直線状設けられているものである。
図6(E)(F)の例で明らかなように、無傷状弱質開封予定部22・23を有する袋体11については、四角形以外の多角形からなるものもある。
これまでに説述したすべての袋体11についていうと、これらには図6(G)に例示するような実施形態もあり得る。それは図6(G)を参照して明らかなとおり、サイドシール14・15・トップシール16・ボトムシール17など袋体11の縁が袋内方に向けて部分的に凹んでいるとともに、無傷状弱質開封予定部22・23の端部(開始部22a・23aや終了部22b・23bなど)がその凹部24のある縁領域にまで達しているというものである。
つぎに、本発明に係る合成樹脂系袋に用いられる各種製袋用材料について、図7を参照して説明する。
図7(A)に略示されたフィルム状の製袋用材料M1は、共押出成形手段を介して筒状に成形されるものである。製袋用材料M1において、M2は表裏両フィルム12・13として活用される活用部を示し、M3は無傷状弱質開封予定部22・23として活用される活用部を示す。この場合における活用部M3は一本の直線状をなしている。図7(B)に略示されたフィルム状の製袋用材料M1も、両活用部M2・M3を有するものが共押出成形手段を介して筒状に成形されるものである。この場合における直線状の活用部M3は二本ある。
図7(C)に略示されたフィルム状の製袋用材料M1は、両活用部M2・M3を有するものが共押出成形手段を介してシート状に成形されるものである。この場合における直線状の活用部M3は一本である。図7(D)に略示されたフィルム状の製袋用材料M1も、両活用部M2・M3を有するものが共押出成形手段を介してシート状に成形されるものである。この場合における直線状の活用部M3は二本である。
上述のような押出成形手段では、押出成形材料の着色が自由に行える。したがって、両活用部M2・M3を互いに同色としたり互いに異色としたりすることが任意に行える。このような実施形態に基づくものとして、無傷状弱質開封予定部22・23とその他部とが互いに異色となった袋体11もある。
本発明に係る合成樹脂系袋の場合、袋体に無傷状弱質開封予定部が設けられているものである。この無傷状弱質開封予定部によるときは、開封用の傷に依存せずとも開封が容易に行えるものである。しかも、この無傷状弱質開封予定部が、袋の健全性を高めて信頼性を向上させたり袋の耐久性を向上させたりする。ゆえに、本発明に係る合成樹脂系袋の場合、産業上の利用可能性が十分にある。
11 袋体
12 袋表用フィルム
12a 凸条
12b 凹溝
13 袋裏用フィルム
13a 凸条
13b 凹溝
14 サイドシール
15 サイドシール
16 トップシール
17 ボトムシール
21 胴部
22 無傷状弱質開封予定部
22a 開始部
22b 終了部
23 無傷状弱質開封予定部
23a 開始部
23b 終了部
24 凹部
31 開閉具
32 雄開閉部材
33 基部
34 雌開閉部材
35 基部
SS 滑り止め構造

Claims (9)

  1. 袋詰め状態において開口部が封をされる袋体について、この袋体が合成樹脂系の製袋用材料からなるとともに袋詰め可能な袋状の構造を有するものであること、および、
    前記袋体の胴部であって当該袋体の縁よりも内側の部位には、その袋体の他の部分よりも低強度であるという低強度条件と開封用加工傷がないないという無傷条件とを満足させる開封用の細長い無傷状弱質開封予定部が設けられていること、および、
    細長い前記無傷状弱質開封予定部について、当該無傷状弱質開封予定部の一端部が開封用の開始部として袋体の縁にあるとともに当該無傷状弱質開封予定部の中間部や他端部がその一端部の反対領域に伸びていること、および、
    前記無傷状弱質開封予定部をその無傷状弱質開封予定部の長さ方向に沿って切り裂くことにより前記袋体が開封されるものであること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  2. 請求項1に記載された合成樹脂系袋において、
    合成樹脂系の前記製袋用材料が単層のフィルムからなるものであること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  3. 請求項1に記載された合成樹脂系袋において、
    合成樹脂系の前記製袋用材料が積層された複層のフィルムからなるものであること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体の袋口を開閉するための開閉具を構成要素として具備するものであること、および、
    前記開閉具が合成樹脂製の長い雄開閉部材と合成樹脂製の長い雌開閉部材とからなるものであり、かつ、この雌雄一対の両開閉部材が対面状態において互いに咬み合い自在に対応するものであること、および、
    前記開閉具における前記雄開閉部材と前記雌開閉部材とが、咬み合い自在となる対面関係や前記袋体内の両側部にわたる姿勢を保持して、かつ、前記袋体の袋口側に対応して、前記袋体の前記胴部内面に設けられていること、および、
    前記袋体における前記袋口側と前記開閉具との間、しかも、前記胴部の一部であって前記開閉具と平行する領域には、前記袋体の両側部にわたる前記無傷状弱質開封予定部が設けられていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体における前記無傷状弱質開封予定部の長さ方向に対して直交する当該無傷状弱質開封予定部の幅方向の寸法が1.5mm〜6mmの範囲内で設定されていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体における前記無傷状弱質開封予定部の引張強度が、前記袋体におけるその他部の引張強度の[1/4]〜[2/3]の範囲内で設定されていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体の内面には、前記無傷状弱質開封予定部よりも袋内側の部位に滑り止め構造が設けられていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体の内面を形成しているシーラントフィルムがそのフィルム内面に無傷状弱質開封予定部と開閉具と滑り止め構造とを具備し、かつ、前記開閉具と前記無傷状弱質開封予定部と前記滑り止め構造とがシーラントフィルムの内面に一体形成されていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載された合成樹脂系袋において、
    前記袋体の内面を形成しているシーラントフィルムが、そのフィルム内面に、無傷状弱質開封予定部と開閉具と滑り止め構造とのうちから選択された一つまたは二つのものを具備し、かつ、その選択された一つまたは二つのものがシーラントフィルムの内面に一体形成されていること
    を特徴とする合成樹脂系袋。
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