JP6086607B2 - 低透湿性フィルム、光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに低透湿性フィルムの製造方法 - Google Patents

低透湿性フィルム、光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに低透湿性フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低透湿性フィルム、光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに低透湿性フィルムの製造方法に関する。
近年、液晶表示装置は、液晶テレビや、パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの液晶パネル等の用途で広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。ここで、偏光板は偏光子とその両側の保護フィルムとからなり、一般的な偏光子は延伸されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムをヨウ素又は二色性色素で染色することにより得られ、保護フィルムとしてはセルロースエステルフィルムなどが用いられている。
最近の液晶表示装置は、高品質化とともに、用途も多様化し、耐久性への要求が厳しくなってきている。例えば、屋外用途での使用においては環境変化に対する安定性が求められ、液晶表示装置に用いられる上記の偏光板用保護フィルムや光学補償フィルムなどの光学フィルムについても温度や湿度変化に対する寸法や光学特性の変化を抑えることが求められる。
特許文献1には偏光板の表面フィルムを低透湿性フィルムとすることで、液晶表示装置の環境変化に起因する表示画像品質の劣化を抑制できることが記載されている。
特許文献2には特定の環状脂肪族炭化水素基を有し、分子内に2個の不飽和二重結合基を有する化合物を含有する硬化性組成物を透明基材フィルム上に塗布、硬化させて得られる硬化層を有する低透湿性フィルムが記載されている。
特開2008−256747号公報 特開2006−083225号公報
特許文献2の方法で得られる低透湿性フィルムを液晶表示装置等の表面に配置される光学フィルムとして用いる場合、上記硬化層上にハードコート層を積層する必要がある。
しかしながら、特許文献2の方法で得られる低透湿性フィルムの上記硬化層上にハードコート層を積層すると、ハードコート層の割れに起因する脆性悪化(折り曲げた時にハードコート層や防眩層にクラックが発生しやすくなる)が起きることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
脆性が悪いと偏光板加工や液晶パネル貼り付け時にクラックが発生し易くなり、得率低下等により生産性の低下を引き起こす。
また、近年急速に広まっているタブレットPCやモバイル用途など中小型では薄型化・液晶表示装置内の省スペース要求が高いため、高温高湿環境経時後の光漏れの問題解決が強く望まれている。液晶表示装置の液晶セルの反りや光漏れの発生は、偏光板およびそれを構成する光学フィルム、特に偏光子が水分を吸収及び放出することにより、液晶表示装
置の液晶セルの前面および背面の偏光板に収縮差が生じてバランスが崩れ液晶セルが反り、液晶セルの四隅や四辺が筐体や背面側の部材と接触して光漏れが生じることが原因と考えられている。このため、偏光板の保護フィルムに対しては、湿度依存性や湿熱耐久性の改善が求められてきたが、抜本的な改良のためには、環境変化で水分の吸収及び放出を抑制する必要があり、特に偏光板の最表面の光学フィルムには更なる透湿度の低減が求められる。
特許文献2の技術を用いて更に透湿度を低減するためには上記硬化層の膜厚を増加する必要があるが、膜厚を増加すると更に脆性が悪化する。
一方、近年液晶表示装置の低価格化が進んでおり、光学フィルム等の部材にも生産性の向上への寄与が求められて来ている。従って、透湿度の低下と共に脆性が良好で生産性の良好なフィルムの開発が求められている。
上記のような状況に鑑みて、本発明の目的、すなわち本発明が解決しようとする課題は、透湿度が低く、かつ脆性が良好な光学フィルムを提供し得る低透湿性フィルムを提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記低透湿性フィルムに更にハードコート層を設けた透湿度が低く、かつ脆性が良好な光学フィルムを提供することである。
さらに、本発明の別の目的は、上記光学フィルムを用いた偏光板、上記偏光板を用いた高温高湿環境経時後の画像品位に優れる液晶表示装置を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、基材フィルム上に、特定の構造を有するモノマーと、ポリエステルウレタンとを特定の範囲の割合で含有する硬化性組成物から得られる硬化層を有する低透湿性フィルムを用いることで、上記硬化層上にハードコート層を設けて光学フィルムとした際の脆性を改善でき、かつ透湿度を低減できることを見出した。さらに、そのような光学フィルムを偏光板の保護フィルムとして用いることで高温高湿環境経時後の光漏れが改善された液晶表示装置を提供できることを見出し、本発明に至った。
本発明が解決しようとする課題は、下記の手段である本発明により解決することができる。
<1>
基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を5595質量%、下記(B)を1〜30質量%、及び下記(C)を1〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する低透湿性フィルム。
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)ポリエステルウレタン
(C)軟化点が70℃以上であるロジン化合物
<2>
上記環状脂肪族炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である<1>に記載の低透湿性フィルム。
Figure 0006086607

一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
<3>
上記(A)が、分子内にエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である、<1>又は<2>に記載の低透湿性フィルム。

上記ロジン化合物が、ロジン、水添ロジン、酸変性ロジン及びエステル化ロジンから選ばれる1種以上のロジン化合物である、<1>〜<3>のいずれかに記載の低透湿性フィルム。

上記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである<1>〜<>のいずれかに記載の低透湿性フィルム。

上記ポリエステルウレタンが、少なくとも、ジオール、ジカルボン酸、及びジイソシアナートをモノマーとして合成されたものである<1>〜<>のいずれかに記載の低透湿性フィルム。

<1>〜<>のいずれかに記載の低透湿性フィルムの上記(A)、(B)、及び(C)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層上に、ハードコート層を更に有する光学フィルム。

基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を5595質量%、(B)を1〜30質量%、及び下記(C)を1〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する低透湿性フィルムの製造方法。
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)ポリエステルウレタン
(C)軟化点が70℃以上であるロジン化合物

偏光子と、上記偏光子の保護フィルムとして<>に記載の光学フィルムとを少なくとも1枚含む偏光板。
10
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された<>に記載の偏光板とを含み、上記光学フィルムが最表面に配置された液晶表示装置。
なお、本発明は上記<1>〜<10>に関するものであるが、参考のためその他の事項(下記[1]〜[9]に記載した事項等)についても記載した。
[1]
基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜99質量%及び下記(B)を1〜30質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する低透湿性フィルム。
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)ポリエステルウレタン
[2]
上記環状脂肪族炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である[1]に記載の低透湿性フィルム。
Figure 0006086607

一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
[3]
上記硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(C)を1〜40質量%含有する[1]又は[2]に記載の低透湿性フィルム。
(C)ロジン化合物
[4]
上記ロジン化合物が、ロジン、水添ロジン、酸変性ロジン及びエステル化ロジンから選ばれる1種以上のロジン化合物である、[3]に記載の低透湿性フィルム。
[5]
上記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである[1]〜[4]のいずれかに記載の低透湿性フィルム。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の低透湿性フィルムの上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層上に、ハードコート層を更に有する光学フィルム。
[7]
基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜99質量%及び下記(B)を1〜30質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する低透湿性フィルムの製造方法。
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)ポリエステルウレタン
[8]
偏光子と、上記偏光子の保護フィルムとして[6]に記載の光学フィルムとを少なくとも1枚含む偏光板。
[9]
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された[8]に記載の偏光板とを含み、上記光学フィルムが最表面に配置された液晶表示装置。
本発明により、透湿度が低く、かつ脆性が良好な光学フィルムを提供し得る低透湿性フィルムを提供することができる。また、上記低透湿性フィルムに更にハードコート層を設けた光学フィルム、及び上記光学フィルムを用いた偏光板、及び上記低透湿性フィルムを用いた液晶表示装置を提供することができ、これにより、高温高湿環境経時後の光漏れ発生が抑えられた液晶表示装置を提供することができる。
以下において、本発明の低透湿性フィルム、光学フィルムやその製造方法、それに用いる添加剤などについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「アクリル樹脂」とはメタクリル酸又はアクリル酸の誘導体を重合して得られる樹脂、及びその誘導体を含有する樹脂を意味するものとする。また、特に限定しない場合には、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を表す。
更に、フィルムの「遅相軸方向」とはフィルム面内で屈折率が最大となる方向で、「進相軸方向」とはフィルム面内で遅相軸と直交する方向を意味するものとする。
[低透湿性フィルム及び低透湿性フィルムの製造方法]
本発明の低透湿性フィルムは、基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜99質量%及び(B)を1〜30質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層(以下、単に「低透湿層」ともいう。)を設けたものである。
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)ポリエステルウレタン
本発明は、上記低透湿性フィルムの低透湿層上にハードコート層を有する光学フィルムに関するものでもある。
また、本発明の低透湿性フィルムの製造方法は、基材フィルム上に上記(A)を硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対し50〜99質量%及び上記(B)を硬化性組成物の全固形分に対し1〜30質量%含有する硬化性組成物を硬化して低透湿層を形成する工程を有する。
本発明の低透湿性フィルムの透湿度は、5.0〜105g/m/dayであることが好ましく、5.0〜90g/m/dayであることがより好ましく、5.0〜75g/m/dayであることが更に好ましく、5.0〜65g/m/day以下であることが特に好ましい。
(光学フィルムの透湿度)
本発明の光学フィルムは、上記(A)と(B)とを上記含有量で低透湿層に含有することにより、上記(A)と(B)の相乗効果により顕著に透湿度低減を達成することができ、耐久性に優れ、透湿度を低減することが出来る。
本発明の光学フィルムは、透湿度が5.0〜105g/m/dayであることが好ましい。
本発明の光学フィルムの透湿度は、5.0〜90g/m/dayであることがより好ましく、5.0〜75g/m/dayであることが更に好ましく、5.0〜65g/m/dayであることが特に好ましく、5.0〜60g/m/dayであることが最も好ましい。透湿度が105g/m/day以下であれば、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の液晶セルの反りに伴う光漏れを抑制できる。
(ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。)
{低透湿層}
本発明の低透湿性フィルムにおける低透湿層は、(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれかを含有し、かつ
(B)ポリエステルウレタンを含有する。必要に応じて更に、ロジン化合物、重合開始剤、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有した硬化性組成物を、基材フィルム上に直接又は他の層を介して塗布・乾燥・硬化することにより形成することができる。以下各成分について説明する。
〔環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物〕
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は、バインダーとして機能し得る。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を用いることによって、低透湿性を実現でき、基材フィルムや他の層と、低透湿層との密着性に優れ、更に偏光板の光漏れを防止できる。詳細は明らかではないが、分子内に環状脂肪族炭化水素基を有する化合物を用いることで、低透湿層に疎水的な環状脂肪族炭化水素基を導入し、疎水化することで、外部から分子の取り込みを防止し、透湿度を低下させ得る。また、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有することで、架橋点密度を上げ、低透湿層中の水分子の拡散経路を制限する。架橋点密度を上げることは、環状脂肪族炭化水素基の密度を相対的に上昇させる効果も有り、低透湿層内をより疎水的にし、水分子の吸着を防止し、透湿度を低下させると考えられる。
架橋点密度を上げるために分子内に有するエチレン性不飽和二重結合の数は2以上であることがより好ましい。
この場合、環状脂肪族炭化水素基を有し、エチレン性不飽和二重結合の数は2以上の化合物と、環状脂肪族炭化水素基を有し、エチレン性不飽和二重結合の数が1の化合物を混合して使うこともできる。
環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数7以上の脂環式化合物から誘導される基であり、より好ましくは炭素数10以上の脂環式化合物から誘導される基であり、さらに好ましくは炭素数12以上の脂環式化合物から誘導される基である。
環状脂肪族炭化水素基としては、特に好ましくは、二環式、三環式等の、多環式化合物から誘導される基である。
より好ましくは、特開2006−215096号公報の特許請求の範囲記載の化合物の中心骨格、特開2001−10999号公報記載の化合物の中心骨格、あるいは、アダマンタン誘導体の骨格等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基としては具体的には、ノルボルナン基、トリシクロデカン基、テトラシクロドデカン基、ペンタシクロペンタデカン基、アダマンタン基、ジアマンタン基等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基(連結基含む)としては、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される基が好ましく、下記一般式(I)、(II)、又は(IV)で表される基がより好ましく、下記一般式(I)又は(IV)で表される基が更に好ましい。
Figure 0006086607
一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜3の整数を表す。
Figure 0006086607
一般式(II)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 0006086607
一般式(III)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 0006086607
一般式(IV)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表し、L’’は水素原子、単結合又は2価以上の連結基を表す。
Figure 0006086607
一般式(V)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。
L、L’及びL’’についての2価以上の連結基としては、炭素数1〜6の置換されていてもよいアルキレン基、N位が置換されていてもよいアミド結合、N位が置換されていてもよいウレタン結合、エステル結合、オキシカルボニル基、エーテル結合等、及びこれらの2以上を組み合わせて得られる基が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。より好ましくは下記の1分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
環状脂肪族炭化水素基を有し、かつ分子内に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、上記の環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基が連結基を介して結合することにより構成される。
これらの化合物は、例えば、上記環状脂肪族炭化水素基を有するジオール、トリオール等のポリオールと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を有する化合物のカルボン酸、カルボン酸誘導体、エポキシ誘導体、イソシアナート誘導体等との一段あるいは二段階の反応により容易に合成することができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの化合物や、WO2012/00316A号記載の化合物(例、1、1―ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート)を用いて、上記環状脂肪族炭化水素基を有するポリオールとの反応させることにより合成することができる。
以下、環状脂肪族炭化水素基を有しエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006086607
Figure 0006086607

Figure 0006086607

[フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物]
低透湿層に含有し得る、フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物はバインダーとして機能し得る。また、フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となると同時に低透湿性を付与することができる。
架橋点密度を上げるために分子内に有するエチレン性不飽和二重結合の数は2以上であることがより好ましい。
フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は下記一般式(VI)で表されることが好ましい。
Figure 0006086607
(式(VI)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、一価の置換基を表し、m、n、p及びqはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、R及びRの少なくとも一方は、エチレン性不飽和二重結合を有する一価の有機基を表す。)
分子内にフルオレン骨格とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物として上記一般式(VI)の好ましい態様は下記一般式(VII)で表される。
一般式(VII)
Figure 0006086607
(式中、R、Rは水素又はメチル基を、r、sは0〜5の整数を示す)
(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれかの含有量は、上記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対し50〜99質量%であり、上記(A)と(B)との相乗効果による透湿度低減の顕著性の観点から、50質量%より多く99質量%以下であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることが更に好ましい。
[環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物]
本発明に用いる低透湿層形成用組成物中、分子内に環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を本発明の効果を損なわない範囲において併用できる。
環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKエステル A−TMMT、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA等を挙げることができる。多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様のものを用いることができる。
環状脂肪族炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、水素結合性の置換基を有する化合物であることが、支持体との密着性、低カールの点から好ましい。水素結合性の置換基とは、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどの原子と水素結合とが共有結合で結びついた置換基を指し、具体的には−OH、−SH、−NH−、−CHO、−CONH−、−OCONH−などが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート類や水酸基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。市販されている(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKオリゴ U4HA、同NKエステルA−TMM−3、日本化薬(株)製KAYARAD PET−30等を挙げることができる。
環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する場合の含有量は、上記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分を100質量%としたときに1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
[(B)ポリエステルウレタン]
本発明でポリエステルウレタンとは、1分子中にエステル結合とウレタン結合(−O−CO−NH−)とを持つポリマーである。
本発明でポリエステルウレタンの合成に使用するモノマーは、少なくとも(A2)ジオール、(B2)ジカルボン酸および(C2)ジイソシアナートを含む。これら3種類のモノマーは、好ましくは、分岐していない構造を有する炭化水素基の両末端に、それぞれ(a)ヒドロキシル(−OH)、(b)カルボキシル(−COOH)および(c)イソシアナート(−NCO)が結合している構造を含む。
分岐していない構造を有する炭化水素基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基またはそれらの組み合わせであることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基は、直鎖構造であることが好ましい。
上記炭化水素基がアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基である場合の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましく、2乃至6であることがさらに好ましく、2乃至4であることが最も好ましい。
アリーレン基は、炭素原子数が1乃至8のアルキル基を置換基として有していてもよい。
アリーレン基としては、フェニレン基またはナフチレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがさらに好ましく、p−フェニレン基であることが最も好ましい。
上記炭化水素基としては特に、上記アルキレン基、上記アリーレン基またはそれらの組み合わせが好ましい。
(A2)ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,5−ペンタンジオールが好ましい。
(B2)ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、シュウ酸およびマロン酸が好ましい。
(C2)ジイソシアナートとしては、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソ
シアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、p,p’−ジフェニルメタンジイソシアナートおよび1,5−ナフチレンジイソシアナートが好ましい。
ポリエステルウレタンの数平均分子量(Mn)は、2000乃至100000の範囲であることが好ましく、5000乃至50000の範囲であることがさらに好ましい。本発明における数平均分子量(Mn)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量である。
ポリエステルウレタンの含有量は、低透湿層形成用硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して、1〜20質量%の範囲で使用する。2〜15質量%であることが好ましく3〜10質量%であることが更に好ましい。
ポリエステルウレタンの市販品としては、バイロンシリーズ(商品名):東洋紡(株)製などが挙げられ、バイロンUR−1510、バイロンUR−2300、バイロンUR−3200、バイロンUR−3210、バイロンUR−3260、バイロンUR−6100、バイロンUR−8300、バイロンUR−8700などを好ましく用いることができる。
[(C)ロジン化合物]
本発明では低透湿層形成用硬化性組成物に(C)成分として、ロジン化合物を含有させることも好ましい。ロジン化合物を含有させることで、透湿度をより低下させることができる。
ロジン化合物(C)としては、ロジン、水添ロジン(水素化ロジンとも称する)、酸変性ロジン及びエステル化ロジン(ロジンエステルとも称する)から選ばれる1種類以上であることが好ましい。
ロジンとしては、アビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、或いはジヒドロアビエチン酸など樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンが挙げられる。
水添ロジンとは、上記ロジンを水素化したものをいう。テトラヒドロアビエチン酸等のテトラヒドロ体を高含量(例えば50質量%以上)含むもの等が挙げられる。酸変性ロジンとしては、ディールズ・アルダー付加反応によりマレイン酸、フマル酸やアクリル酸などの不飽和酸を付加した不飽和酸変性ロジンが挙げられ、より具体的にはロジンにマレイン酸を付加したマレオピマール酸、フマル酸を付加したフマロピマール酸、アクリル酸を付加したアクリロピマール酸等が挙げられる。エステル化ロジンとしては、ロジンのアルキルエステル、ロジンとグリセリンとをエステル化反応させて得られるグリセリンエステル、ロジンとペンタエリスリトールとをエステル化して得られるペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。
上記ロジンエステルとしては、スーパーエステルE−720、スーパーエステルE−730−55、スーパーエステルE−650、スーパーエステルE−786−60、タマノルE−100、エマルジョンAM−1002、エマルジョンSE−50(以上全て商品名、特殊ロジンエステルエマルジョン、荒川化学工業(株)製)、スーパーエステルL、スーパーエステルA−18、スーパーエステルA−75、スーパーエステルA−100、スーパーエステルA−115、スーパーエステルA−125、スーパーエステルT−125(以上全て商品名、特殊ロジンエステル、荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、ロジンエステルとして、エステルガムAAG、エステルガムAAL、エステルガムA、エステルガムAAV、エステルガム105、エステルガムHS、エステルガムAT、エステルガムH、エステルガムHP、エステルガムHD、ペンセルA、ペンセルAD、ペンセルAZ、ペンセルC、ペンセルD−125、ペンセルD−135、ペンセルD−160、ペンセルKK(以上全て商品名、ロジンエステル系樹脂、荒川化学工業(株)製)、が挙げられる。
更に、その他のロジンとしては、ロンヂスR、ロンヂスK−25、ロンヂスK−80、ロンヂスK−18(以上全て商品名、ロジン誘導体、荒川化学工業(株)製)パインクリスタルKR−85、パインクリスタルKR−120、パインクリスタルKR−612、パインクリスタルKR−614、パインクリスタルKE−100、パインクリスタルKE−311、パインクリスタルKE−359、パインクリスタルKE−604、パインクリスタル30PX、パインクリスタルD−6011、パインクリスタルD−6154、パインクリスタルD−6240、パインクリスタルKM−1500、パインクリスタルKM−1550(以上全て商品名、超淡色系ロジン誘導体、荒川化学工業(株)製)、アラダイムR−140、アラダイムR−95(以上全て商品名、重合ロジン、荒川化学工業(株)製)、ハイペールCH(以上全て商品名、水素化ロジン、荒川化学工業(株)製)、ビームセット101(以上全て商品名、ロジンアクリレート、荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、本発明においてロジン化合物は酸変性した後に水添処理をしたものを用いるのが好ましい。水添処理を施すことでロジン化合物の残存二重結合が低透湿層内で酸化されフィルムが着色することを防止することが出来る。
ロジン化合物の軟化点は、70〜170℃が好ましい。ロジン化合物の軟化点が70℃以上のであると、硬化層が柔らかくならずブロッキング性に優れる。軟化点が170℃未満であると溶剤に対する溶解性を保つことができ、硬化層のヘイズが上昇しづらい利点がある。本発明においてロジン化合物の軟化点は、JIS K−2531の環球法により測定することができる。
また、透湿度低減と脆性改良効果を両立する観点から酸価は150〜400mgKOH/gが好ましく、200〜400mgKOH/gがより好ましく、280〜400mgKOH/gが更に好ましく、320〜400mgKOH/gが特に好ましい。ロジン化合物の酸価はJIS K−5601−2−1に記載の方法に則って測定することができる。
(C)ロジン化合物の含有量は、上記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、透湿度低減の顕著性の観点から、1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが更に好ましい。
[無機層状化合物]
本発明の低透湿層の透湿度を更に低減するためには、上述の低透湿層に用いることが可能なバインダー中に無機層状化合物を分散することも好ましい。無機層状化合物は親水性の表面を有するため、有機化処理することが好ましい。
無機層状化合物とは、単位結晶層が積層した構造を有し、層間に溶媒を配位又は吸収することにより膨潤又はヘキ開する性質を示す無機化合物である。このような無機化合物としては、膨潤性の含水ケイ酸塩、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、パームキュライト群粘土鉱物、カオリナイト群粘土鉱物、フィロケイ酸塩(マイカ等)などが例示できる。また、合成無機層状化合物も好ましく用いられ、合成無機層状化合物としては、合成スメクタイト(ヘクトライト、サポナイト、スティブンサイトなど)、合成マイカなどが挙げられ、スメクタイト、モンモリロナイト、マイカが好ましく、モンモリロナイト、マイカがより好ましい。市販品として使用できる無機層状化合物としては、MEB−3(コープケミカル(株)製合成マイカ水分散液)、ME−100(コープケミカル(株)製合成マイカ)、S1ME(コープケミカル(株)製合成マイカ)、SWN(コープケミカル(株)製合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製合成スメクタイト)、クニピアF(クニミネ化学工業(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲルHV(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲルFW(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト11(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト23(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト25(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル A(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル 2M(ホージュン(株)製精製ベントナイト)等を用いることができる。
また、かかる無機層状化合物は、これら無機層状化合物に有機化処理を施したものであることが好ましい。
上記有機化処理された無機層状化合物としては、特開2012−234094号公報段落0038〜0044に記載の有機化処理された無機層状化合物が挙げられる。
膨潤性層状無機化合物は、低透湿性と基材フィルム−低透湿層間の密着性とを両立させる点から、微粒子化処理されているのが好ましい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物は、通常、板状又は扁平状であり、平面形状は特に制限されず、無定形状などであってもよい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径)は、例えば、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜8μmがより好ましく、0.1〜6μmが特に好ましい。
〔重合開始剤〕
分子内に環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物及び/または分子内にフルオレン骨格とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASF社製(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)の「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア819」、「イルガキュア907」、「イルガキュア1870」(CGI−403/イルガキュア184=7/3混合開始剤)、「イルガキュア500」、「イルガキュア369」、「イルガキュア1173」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア4265」、「イルガキュア4263」、「イルガキュア127」、“OXE01”等;日本化薬(株)製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」など;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
本発明に用いられる分子内に環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物及び/または分子内にフルオレン骨格とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する組成物中の光重合開始剤の含有量は、上記組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させ、かつ開始点が増えすぎないように設定するという理由から、組成物中の全
固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
低透湿層を含む本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、低透湿層に紫外線吸収剤を含有することで、光学フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
紫外線吸収剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例、及び好ましい例としては、{基材フィルム}<紫外線吸収剤>の項において後述する紫外線吸収剤の具体例、及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
〔溶剤〕
低透湿層形成用の硬化性組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性、透光性粒子の分散性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の溶剤のうち、炭酸ジメチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましく、炭酸ジメチル、酢酸メチルの何れかを用いることがより好ましく、酢酸メチルを用いることが特に好ましい。
低透湿層形成用の硬化性組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶剤を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
(低透湿層の構成、製造方法)
本発明の低透湿層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。上記低透湿層の積層方法は特に限定されないが、上記低透湿層を基材フィルムとの共流延として作製すること、または、上記低透湿層を上記基材フィルム上に塗布にて設けることが好ましく、上記低透湿層を上記基材フィルム上に塗布にて設けることがより好ましい。
(低透湿層の膜厚)
本発明の低透湿層の膜厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜18μmであることが更に好ましく、3〜17μmであることが特に好ましい。
(低透湿層の透湿度)
複合フィルムの気体透過式より(「包装材料のバリア性の科学(包装学基礎講座5)」p68〜72 仲川勤著 日本包装学会)、定常状態の光学フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJ、光学フィルムを基材フィルムと低透湿層に分離したときの低透湿層の透湿度をJとしたときに、以下の式が成り立つ。
1/J=1/J+1/J ・・・・・式(1)
光学フィルムの透湿度Jと基材フィルムの透湿度Jは直接測定することができ、それらの測定値を基に、低透湿層の透湿度Jを計算で求めることができる。
本発明において、低透湿層の透湿度が5.0〜100g/m/dayであることが好ましい。
(低透湿層の単位膜厚当たりの透湿度)
一般に透湿度は膜厚に反比例することが知られている。従って、上記膜厚の範囲で低透湿層が到達できる透湿度は材料の特性値である単位膜厚当たりの透湿度で決まり、その値が小さいほどより低透湿度に到達することができる。一方、上記の関係を基に低透湿層の膜厚調整で透湿度の調整をすることができるが、単位膜厚当たりの透湿度が低過ぎると光学フィルムの透湿度の制御が難しくなる。
両者を考慮して、低透湿層の膜厚10μmあたりの透湿度は5.0〜150g/m/dayが好ましく、10〜100g/m/dayがより好ましく、20〜90g/m/dayがより好ましく、30〜80g/m/dayが特に好ましい。
尚、低透湿層の膜厚10μmにあたりの透湿度は基材フィルムと光学フィルムの透湿度、低透湿層の膜厚から以下のように見積もられる。
低透湿層の膜厚10μmに対する透湿度C(10μm)は上記で算出したJを基に以下の式で表すことができる。
(10μm)=J×d/10 [g/m/day]・・・・・式(2)
(ここで、d[μm]は低透湿層の膜厚であり、上記の通り、低透湿層積層前後の膜厚差から求めることができる。)
本発明の低透湿性フィルムの低透湿層は、反射防止機能、防汚機能などを併せて持たせることも好ましい。
{基材フィルム}
[基材フィルムの材質]
基材フィルムを形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は上記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、基材フィルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(特に好ましくは、セルロースアシレート)も好ましく用いることができる。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートフィルムとしては、例えば特開2013−228720号公報の
段落番号[0072]〜[0075]に記載のものを用いることができる。
<(メタ)アクリル系ポリマー>
基材フィルムは、(メタ)アクリル系ポリマーから形成されることも好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマーは、メタクリル系ポリマーとアクリル系ポリマーの両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系ポリマーには、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリル系ポリマーについては、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を主鎖に有し、主鎖には更にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有していてもよい。
(メタ)アクリル系ポリマーは、繰り返し構造単位として、更に、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸及び下記一般式(201)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
一般式(201)
CH=C(X)R201
式中、R201は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−CN基、−CO−R202基、又は−O−CO−R203基を表し、R202及びR203は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
水酸基含有単量体としては、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合工程に供する単量体成分中の水酸基含有単量体の含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
重合工程に供する単量体成分中の不飽和カルボン酸の含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
一般式(201)で表される単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
重合工程に供する単量体成分中の一般式(201)で表される単量体の含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
[主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー]
(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖に環構造を有するものが好ましい。主鎖に環構造を導入することで、主鎖の剛直性を高め、耐熱性を向上することができる。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体、主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体のいずれかであることが好ましい。中でも主鎖にラクトン環構造を形成する重合体であることがより好ましい。
以下のこれらの主鎖に環構造を有する重合体について順に説明する。
(主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー)
主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降ラクトン環含有重合体とも称す)は、主鎖にラクトン環を有する(メタ)アクリル系ポリマーであり、特開2006−096960号公報、特開2007−063541号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
(主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体)
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体とは、グルタル酸無水物単位を有する重合体であり、特開2009−210905号公報、特開2009−030001号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
(主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー)
主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降グルタルイミド系樹脂とも称す)は、主鎖にグルタルイミド環構造を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。
グルタルイミド系樹脂は、米国特許3284425号、米国特許4246374号、特開平2−153904号公報等に記載されており、イミド化可能な単位を有する樹脂としてメタクリル酸メチルエステルなどを主原料として得られる樹脂を用い、上記イミド化可能な単位を有する樹脂をアンモニアまたは置換アミンを用いてイミド化することにより得ることができる。
<紫外線吸収剤>
基材フィルムは紫外線吸収剤を含有してもよい。
基材フィルムに好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。基材フィルムを含む本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板または液晶表示用部材等に使用することができ
るが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。紫外線吸収剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
(その他の添加剤)
上記基材フィルムには、マット剤、レターデーション発現剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤などの添加剤を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。更にまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、光学フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
また上記基材フィルムには、ゴム状粒子を含有しても良い。たとえば、軟質アクリル系樹脂、アクリルゴム、および、ゴム−アクリル系グラフト型コアシェルポリマーなどアクリル粒子、またはスチレン−エラストマー共重合体があげられる。さらに、特公昭60−17406、特公平3−39095号公報等に記載の、耐衝撃性、耐応力白化性が改善す
る添加剤も好ましく用いられる。
上記基材フィルムにおいては、これらの添加剤を添加する場合、添加剤の総量は、基材フィルムに対して50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
これらの添加剤により、フィルムの脆性が改良され、フィルムの耐折試験(180度折り曲げ時の割れ評価など)が大幅に改善する。
また、低ヘイズを達成するためには、上記添加物の屈折率は基材フィルムと略同一の屈折率を持つ事が好ましく、屈折率差は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
<基材フィルムの特性>
(基材フィルムの厚さ)
上記基材フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmが特に好ましく、20〜60μmがより特に好ましい。
(基材フィルムの透湿度)
上記基材フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。
上記基材フィルムの透湿度は、300g/m/day以下であることが好ましく、250g/m/day以下であることがより好ましく、200g/m/day以下であることが更に好ましく、150g/m/day以下であることが特に好ましい。基材フィルムの透湿度を上記範囲に制御することで、低透湿層を積層した光学フィルム(本発明の光学フィルム)を搭載した液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の、液晶セルの反りや、光漏れを抑制できる。
上記基材フィルムの透湿度の下限は特に設けないが、1g/m/day以上であることが好ましい。
(基材フィルムの単位膜厚当たりの透湿度)
低透湿層の(単位膜厚当たりの透湿度)で説明したように、基材フィルム10μmの透湿度は以下の式で与えられる。
(10μm)=J×d/10 [g/m/day]
(ここで、d[μm]は基材フィルムの膜厚であり、Jは基材フィルムの透湿度である。)
基材フィルムの膜厚が10μmに対する透湿度は50〜2000g/m/dayが好ましく、80〜1500g/m/dayがより好ましく、100〜1000g/m/dayがより好ましく、150〜800g/m/dayが特に好ましい。
また、基材フィルムと低透湿層の膜厚が10μmの透湿度C(10μm)/C(10μm)は、1.5〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜10であることが特に好ましい。
下限値以上で充分な低透湿効果が得られ、上限値以下でカールを抑止できる。
(基材フィルムの酸素透過係数)
透湿度を低減するためには、フィルム中の水の拡散を抑える事が好ましく、すなわちフィルムの自由体積を下げる事が好ましい。一般的にフィルムの自由体積はフィルムの酸素透過係数と相関する。
上記基材フィルムの酸素透過係数は、100cc・mm/(m・day・atm)以下が好ましく、30cc・mm/(m・day・atm)以下がより好ましい。
(表面処理)
基材フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、基材フィルムと低透湿層やそれ以外の層(例えば、偏光子、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、上記本発明の低透湿性フィルムの上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層(低透湿層)上に、ハードコート層を更に有することが好ましい。
{光学フィルムの特性}
(光学フィルムの膜厚)
本発明の光学フィルムの膜厚(基材フィルムに低透湿層を積層した後の総膜厚)は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜75μmが特に好ましい。
[光学フィルムの層構成]
本発明の光学フィルムは、基材フィルムの一方の面上に低透湿層を有し、偏光板保護フィルムであり且つ、液晶表示装置の表面フィルムであることが好ましい。本発明の光学フィルムは表面フィルムとして好適に用いるためにハードコート層が積層されていることが好ましい。本発明の光学フィルムの好ましい層構成を以下に示す。
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層
基材フィルム/密着層/低透湿層/ハードコート層
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層/反射防止層
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層/反射防止層/防汚層
[ハードコート層]
本発明の光学フィルムにはハードコート層を有することが好ましい。
本発明において、ハードコート層とは、フィルム上に上記層を形成することでフィルムの鉛筆硬度が上昇する(ハードコート性を付与する)層をいう。本発明において、ハードコート層は、上記ハードコート性を付与する層であれば特に制限はなく、ハードコート性以外の機能を有する層であってもよく、たとえば、防眩性ハードコート層(防眩層ともいう)、帯電防止性ハードコート層(帯電防止性層ともいう)なども含む。実用的には、ハードコート層積層後の鉛筆硬度(JIS K−5400−5−1)はH以上が好ましく、更に好ましくは2H以上であり、最も好ましくは3H以上である。
ハードコート層の厚みは、0.4〜35μmが好ましく、更に好ましくは1〜30μmであり、最も好ましくは1.5〜20μmである。
本発明においてハードコート層は1層でも複数でもかまわない。ハードコート層が複数層の場合、全てのハードコート層の膜厚の合計が上位範囲であることが好ましい。
本発明の光学フィルムのハードコート層の表面は平坦であって凹凸があっても構わない。また、必要に応じて、表面凹凸や内部散乱付与のためにハードコート層に透光性粒子を含有させることもできる。
[ハードコート層形成材料物]
本発明において、ハードコート層は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、重合開始剤、必要に応じて、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有する組成物を、支持体上に直接又は他の層を介して塗布・乾燥・硬化することにより形成することができる。以下各成分について説明する。
[エチレン性不飽和二重結合を有する化合物]
本発明において、ハードコート層形成用組成物にはエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有することができる。エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーであることが好ましい。上記重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーを用いることで、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となる。重合性不飽和基は3つ以上であることがより好ましい。これらモノマーは、1又は2官能のモノマーと3官能以上のモノマーを併用して用いることもできる。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
重合性の不飽和結合を有する化合物の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKエステル A−TMMT、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA等を挙げることができる。多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様である。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、水素結合性の置換基を有する化合物であることが、支持体との密着性、低カール、後述する含フッ素又はシリコーン系化合物の固定性の点から好ましい。水素結合性の置換基とは、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンな
どの電気陰性度が大きな原子と水素結合とが共有結合で結びついた置換基を指し、具体的にはOH−、SH−、−NH−、CHO−、CHN−などが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート類や水酸基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。市販されている(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKオリゴ U4HA、同NKエステルA−TMM−3、日本化薬(株)製KAYARAD PET−30等を挙げることができる。
本発明におけるハードコート層形成用組成物中のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、十分な重合率を与えて硬度などを付与するため、ハードコート層形成用組成物中の無機成分を除いた全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、70〜99質量%が更に好ましく、80〜99質量%が特に好ましい。
本発明ではハードコート層形成用組成物に分子内に環状脂肪族炭化水素とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を用いることも好ましい。このような化合物を用いることで、ハードコート層に低透湿性を付与することができる。ハードコート性を高めるために、分子内に環状脂肪族炭化水素とエチレン性不飽和二重結合を2以上有する化合物を用いることがより好ましい。
ハードコート層形成用組成物が分子内に環状脂肪族炭化水素とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する場合、分子内に環状脂肪族炭化水素とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物はハードコート層形成用組成物中のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物中、1〜90質量%が好ましく、2〜80質量%がより好ましく、5〜70質量%が特に好ましい。
ハードコート層形成用組成物が分子内に環状脂肪族炭化水素とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する場合、更に5官能以上の(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
ハードコート層形成用組成物が更に、5官能以上の(メタ)アクリレートを含有する場合、5官能以上の(メタ)アクリレートは、ハードコート層形成用組成物中のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物中、1〜70質量%が好ましく、2〜60質量%がより好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。
[透光性粒子]
本発明においては、低透湿層に透光性粒子を含有させてもよい。
低透湿層に透光性粒子を含有させることで、低透湿層表面に凹凸形状を付与したり、内部ヘイズを付与することもできる。
低透湿層に用いることができる透光性粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子(屈折率1.49)などの架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)共重合体粒子(屈折率1.54)、メラミン樹脂粒子(屈折率1.57)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.57)、ポリスチレン粒子(屈折率1.60)、架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)、シリカ粒子(屈折率1.46)、アルミナ粒子(屈折率1.63)、ジルコニア粒子、チタニア粒子、又は中空や細孔を有する粒子等が挙げられる。
なかでも架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子が好ましく用いられ、これらの粒子の中から選ばれた各透光性粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することにより、低透湿層に好適な表面凹凸、表面ヘイズ、内部ヘイズ、全ヘイズを達成することができる。
透光性粒子としては、特開2008−262187号公報、特開2010−079098号公報、特開2007−148398号公報等に記載のものを用いることができる。
[無機層状化合物]
本発明の低透湿層の透湿度を更に低減するためには、低透湿層に無機層状化合物を分散することも好ましい。
無機層状化合物としては、特開平9−127313号公報、特開2009−298977号公報、特開2012−234094号公報等に記載のものを用いることができる。
[光重合開始剤]
ハードコート層形成用組成物には光重合開始剤を含有させることが好ましい。低透湿層で説明した光重合開始剤をハードコート層形成用組成物でも好ましく用いることができる。
ハードコート層形成用組成物中の光重合開始剤の含有量は、ハードコート層形成用組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させるのに十分多く、かつ開始点が増えすぎないよう十分少ない量に設定するという理由から、ハードコート層形成用組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、UV硬化を阻害しない範囲でハードコート層に紫外線吸収剤を含有することで、光学フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
[溶剤]
本発明におけるハードコート層形成用組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、透光性粒子の分散性、塗工時の乾燥性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明におけるハードコート層形成用組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶媒を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
{機能層}
本発明の光学フィルムは、さらに機能層を有してもよい。この機能層の種類は特に限定されないが、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、密着層(基材フィルムと低透湿層の密着性を向上させる層)などが挙げられる。
上記機能層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。上記機能層の積層方法は特に限定されない。
機能層は低透湿層を積層していない面に積層しても良い。
[反射防止層]
上記のようにハードコート層上に反射防止層を積層することも本発明の好ましい態様の一つである。本発明では公知の反射防止層を好ましく用いることができる、中でもUV硬化型の反射防止層が好ましい。
反射防止層は1層構成の膜厚λ/4の低反射率層でも多層構成でも良いが、1層構成の膜厚λ/4の低反射率層が特に好ましい。本発明で好ましく使用することが出来る低屈折材料に関し、以下に説明するが本発明は以下に限定されるものではない。
[低屈折率層の材料]
以下に低屈折率層の材料について説明する。
[無機微粒子]
低屈折率化、耐擦傷性改良の観点から、低屈折率層に無機微粒子を用いることが好ましい。上記無機微粒子は、平均粒子サイズが5〜120nmであれば特に制限はないが、低屈折率化の観点からは、無機の低屈折率粒子が好ましい。
無機微粒子としては、低屈折率であることからフッ化マグネシウムやシリカの微粒子が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。これら無機粒子のサイズ(1次粒径)は、5〜120nmが好ましく、より好ましくは10〜100nm、20〜100nm、最も好ましくは30〜90nmである。
無機微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。また、後述の中空シリカ微粒子を用いた場合は粒径が小さすぎると、空腔部の割合が減り屈折率の充分な低下が見込めない。無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、
球径が最も好ましいが、不定形であってもよい。
無機微粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。少なすぎると、充分な低屈折率化が見込めなかったり、耐擦傷性の改良効果が減ったりし、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する。
(多孔質又は中空の微粒子)
低屈折率化を図るには、多孔質又は中空構造の微粒子を使用することが好ましい。特に中空構造のシリカ粒子を用いることが好ましい。これら粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
多孔質又は中空粒子がシリカの場合には、微粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。
また、中空シリカは粒子平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。ここで、中空シリカの平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において中空シリカの比表面積は、20〜300m/gが好ましく、更に好ましくは30〜120m/g、最も好ましくは40〜90m/gである。表面積は窒素を用いBET法で求めることができる。
本発明においては、中空シリカと併用して空腔のないシリカ粒子を用いることができる。空腔のないシリカの好ましい粒子サイズは、30nm以上150nm以下、更に好ましくは35nm以上100nm以下、最も好ましくは40nm以上80nm以下である。
[無機微粒子の表面処理方法]
また、本発明においては無機微粒子は常法によりシランカップリング剤等により表面処理して用いることができる。
特に、低屈折率層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。無機微粒子の表面の処理方法については、特開2008−242314号公報の段落番号[0046]〜[0076]に記載されており、上記文献に記載されたオルガノシラン化合物、シロキサン化合物、表面処理の溶媒、表面処理の触媒、金属キレート化合物などは本発明においても好適に用いることができる。
低屈折率層には、(b2)重合性不飽和基を有する含フッ素又は非含フッ素モノマーを用いることができる。非含フッ素モノマーについては、ハードコート層で使用できるとして説明したエチレン性不飽和二重結合を有する化合物も用いることが好ましい。含フッ素のモノマーとしては、下記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さい含フッ素多官能モノマー(d)を用いることが好ましい。
一般式(1): Rf{−(L)−Y}
(一般式(1)中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、
nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。)
Rfは酸素原子及び水素原子の少なくともいずれかを含んでも良い。また、Rfは鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
Yは、不飽和結合を形成する2つの炭素原子を含む基であることが好ましく、ラジカル重合性の基であることがより好ましく、(メタ)アクリロイル基、アリル基、α−フルオロアクリロイル基、及び−C(O)OCH=CHから選ばれるものが特に好ましい。これらの中でも、重合性の観点から、より好ましいのは、ラジカル重合性を有する(メタ)アクリロイル基、アリル基、α−フルオロアクリロイル基、及びC(O)OCH=CHである。
Lは二価の連結基を表し、詳しくは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、−O−、−S−、−N(R)−、炭素数1〜10のアルキレン基と−O−、−S−又はN(R)−を組み合わせて得られる基、炭素数6〜10のアリーレン基と−O−、−S−又はN(R)−を組み合わせて得られる基を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Lがアルキレン基又はアリーレン基を表す場合、Lで表されるアルキレン基及びアリーレン基はハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例は、特開2010−152311号公報[0121]〜[0163]段落に記載されている。
[光学異方性層]
本発明の光学フィルムに光学異方性層を設けることもできる。光学異方性層としては、一定の位相差を有する膜が面内均一に形成された光学異方性層であっても良いし、遅相軸の方向や位相差の大きさが互いに異なる、位相差領域が規則的に面内に配置されたパターンを形成した光学異方性層であっても良い。
上記のように本発明の光学フィルムは液晶表示装置のハードコート層が積層された表面フィルムであることが好ましい。本発明の光学フィルムがハードコート層と光学異方性層の両方を有する場合、光学異方性層は基材フィルムを介してハードコート層が積層されていない面に形成されていることが好ましい。
本発明の光学フィルムがこのような態様を有する場合、低透湿層は、基材フィルムに対してはハードコート層と同じ側に積層されていても良いし、ハードコート層と反対側に設けられても良いし、基材フィルムの両面に積層されていても良い。
低透湿層が基材フィルムに対してハードコート層と同じ側に積層されている場合の好ましい層構成は、上記のハードコート層を積層する場合の好ましい層構成を用いることができる。
一方、低透湿層が基材フィルムに対してハードコート層と光学異方性層と同じ側に積層されている場合、低透湿層は基材フィルムと光学異方性層の間に積層されていても良いし、基材フィルム、光学異方性層、低透湿層の順に積層されていても良い。
光学異方性層は各種用途に合わせ材料及び製造条件を選択することができるが、本発明では重合性液晶性化合物を用いた光学異方性層が好ましい。その場合、光学異方性層と基材フィルムの間に光学異方性層と接して配向膜が形成されていることも好ましい態様である。
面内均一に形成された光学異方性層を有する好ましい例として、光学異方性層がλ/4膜である態様が挙げられ、特にアクティブ方式の3D液晶表示装置の部材として有用である。λ/4膜の光学異方性層とハードコート層が、基材フィルムを介して反対の面に積層
した態様として特開2012−098721号公報、特開2012−127982号公報に記載されており、本発明の光学フィルムで、このような態様を好ましく用いることができる。
一方、パターンを形成した光学異方性層の好ましい例としては、パターン型のλ/4膜が挙げられ、特許4825934号公報、特許4887463号公報に記載された態様を、本発明の光学フィルムで好ましく用いることができる。
また、特表2012−517024号公報(WO2010/090429号公報)に記載された光配向膜とパターン露光を組み合わせた態様も本発明の光学フィルムで好ましく用いることができる。
[光学異方性層を有する時の光学フィルムの層構成]
本発明の光学フィルムが光学異方性層を有する場合の好ましい層構成を以下に示す。
光学異方性層/基材フィルム/低透湿層/ハードコート層
光学異方性層/基材フィルム/密着層/低透湿層/ハードコート層
光学異方性層/基材フィルム/低透湿層/ハードコート層/反射防止層
光学異方性層/基材フィルム/密着層/低透湿層/ハードコート層/反射防止層
光学異方性層を有する場合、光学異方性が不飽和重合性基等の硬化性基を有する液晶化合物から形成されることが好ましく、液晶層の下層に配向膜が形成されていることが好ましい。本発明では配向膜がラジカル重合性化合物を含む硬化性組成物から形成されることも好ましい。
また、基材フィルムが光学異方性層を兼ねていても良い。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、上記偏光子の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、偏光板用保護フィルムとして用いることができる。偏光板用保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られた光学フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。また上記のような表面処理を行ってもよい。光学フィルムの偏光子との貼合面は低透湿層積層した面でも良いし、低透湿層を積層していない面であっても構わない。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に上記偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含み、上記偏光板中に含まれる本発明の光学フィルムが最表層となるように配置されたことを特徴とする。
(一般的な液晶表示装置の構成)
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、及び必要に応じて上記液晶セルと上記偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶セルを含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板用保護フィルムは、2枚の偏光板のいずれの保護フィルムとして用いることができるが、各偏光板の2枚の保護フィルムのうち、偏光子に対して液晶セルの外側に配置される保護フィルムとして用いられることが好ましい。
2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを配置することが特に好ましい。
また、2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを配置した上で、更にバックライト側偏光板のバックライト側保護フィルムにも本発明の光学フィルムを配置し、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止することも好ましい態様である。
(液晶表示装置の種類)
本発明のフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の光学フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
〔低透湿層形成用組成物の調製〕
下記に示すように調製した。
(低透湿層形成用組成物BL−1の組成)
A−DCP 87.0質量部
バイロンUR−1510(30%MEK溶液) 33.3質量部
イルガキュア907 3.0質量部
SP−13 0.04質量部
MEK(メチルエチルケトン) 17.6質量部
酢酸メチル 40.9質量部
低透湿層形成用組成物BL−1と同様に、低透湿層形成用組成物BL−2〜BL−12を調製した。それぞれの組成物割合を表1に示す。表1には各成分の固形分の含有質量比を示した。ここで固形分とは、溶媒(BL−1においては、メチルエチルケトン及び酢酸メチル)を除いた組成物のことである。
低透湿層形成用組成物BL−1〜BL−6は、「実施例」とあるのを「参考例」と読み替えるものとする。
Figure 0006086607
使用した材料を以下に示す。
・A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート[新中村化学工業(株)製]
・DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製]
・AA−BPEF:9、9―ビス[4−(2アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン[新中村化学工業(株)製]
・ADDA:1,3−アダマンタンジアクリレート(三菱ガス化学(株)製)
・バイロンUR−1510:ポリエステルウレタン樹脂(30%MEK溶液)、数平均分子量Mn(GPC測定)=24,500、Tg(DMA測定)=65〜70℃[東洋紡績(株)社製]
・バイロンUR−3260:ポリエステルウレタン樹脂(30%MEK溶液)、数平均分子量Mn(GPC測定)=24,500、Tg(DMA測定)=13〜27℃[東洋紡績(株)社製]
・バイロンUR−6100:ポリエステルウレタン樹脂(45%溶液)、数平均分子量Mn(GPC測定)=25,000、Tg(DMA測定)=−30℃、[東洋紡績(株)社製]
・アサプレンT−411:スチレン/ブタジエンブロックコポリマー[旭化成(株)社
製]
・PET30:ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・イルガキュア907:重合開始剤[BASF社製]
・SP−13(レベリング剤。下記式中、組成比60:40はモル比):
Figure 0006086607
〔ハードコート層形成用組成物の調製〕
下記に示すように調製した。
(ハードコート層形成用組成物HC−1の組成)
PET30 97.0質量部
イルガキュア907 3.0質量部
SP−13 0.04質量部
MEK 81.8質量部
<光学フィルム201の作製>
基材フィルムとしてフジタックTD40(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ40μm)をロール形態から巻き出して、上記低透湿層形成用組成物BL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量120mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低透湿層を形成し、巻き取った。低透湿層の膜厚は16μmになるよう塗布量を調整し、低透湿層形成用組成物BL−1からなる低透湿層付きの基材フィルム(低透湿性フィルム)を得た。
上記で作製した、ロール状の低透湿層付きの基材フィルムをロール形態から巻き出して、上記ハードコート層形成用組成物HC−1を使用し、低透湿層を積層している面に、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層を形成し、巻き取った。ハードコート層の膜厚は6μmになるよう塗布量を調整した。
得られたフィルムを実施例の光学フィルム201とした。
<光学フィルム202〜212の作製>
光学フィルム201の作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をBL−2〜BL−12に代えた以外は光学フィルム201と同様にして、光学フィルム202〜212を作製した。
[光学フィルムの評価]
作製した各実施例および比較例の光学フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果は下記表2に示す。
光学フィルム試料No.201〜206は、「実施例」とあるのを「参考例」と読み替えるものとする。
(1)透湿度(40℃90%相対湿度での透湿度)
各実施例及び比較例の光学フィルム試料70mmφを40℃、相対湿度90%でそれぞれ24時間調湿し、JIS Z−0208記載の方法により測定した。
低透湿層の透湿度は、各光学フィルムの基材フィルムの透湿度を測定し、基材フィルムの透湿度と光学フィルムの透湿度から、明細書中で前述した式(1)を用いて算出した。
(2)耐クラック性
各試料を、JIS−K−5600−5−1に記載の塗料一般試験方法―耐屈曲性(円筒形マンドレル法)の方法を用いて評価を行った。
各試料を温度25℃、湿度55%RHの条件下で16時間保存後に、直径(Φ)2、3、4、5、6、8、10、12、14、16mmのマンドレルにそれぞれ巻き付けて、クラックの発生状況を観察し、クラックが発生しなかった最小のマンドレルの直径で耐クラック性評価した。マンドレルの直径が小さいほど性能が優れており、直径が大きい条件でクラックが発生している程、クラックの耐性が弱いことを示す。直径が8mm未満の条件でクラックが発生しないものが耐クラック性があり、脆性が良好といえる。
(鉛筆硬度評価)
耐傷性の指標としてJIS K−5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。光学フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S−6006に規定するH〜5Hの試験用鉛筆を用いて、ハードコート層が積層された面を、4.9Nの荷重にて、以下のとおりの判定で評価し、OKとなる最も高い硬度を評価値とした。試験用鉛筆の硬度が2H以上でOK評価であることが本発明の範囲である。
OK:n=5の評価において傷なしが3つ以上
NG:n=5の評価において傷なしが2つ以下
Figure 0006086607
表2に示す結果から以下のことが明らかである。
1.特定量の(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれかと、特定量の(B)ポリエステルウレタンを含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層と、上記低透湿層上にハードコート層を有する光学フィルムは、透湿度が低く、かつ耐クラック性が優れている。
次に低透湿層に更に(C)ロジン化合物を含むことで、より低透湿化したフィルムについて説明する。
(水添ロジンAの製造)
特開2001−181400号公報の実施例1を参考に、水添ロジンAを合成した。
水添ロジンAの酸価は176mgKOH/g、軟化点は80℃であった。
<基材フィルム(A−1):密着層付きセルロースアシレートフィルムの作製>
(密着層形成用塗布液AL−1の組成)
A−TMMT 3.39質量部
イルガキュア907 0.11質量部
SP−13 0.0007質量部
MEK 18.17質量部
MIBK(メチルイソブチルケトン) 77.20質量部
使用した材料を以下に示す。
・A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート[新中村化学工業(株)製]
フジタックTD40(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ40μm)をロール形態から巻き出して、上記密着層形成用組成物AL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量60mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、密着層を形成し、巻き取った。密着層の膜厚は0.3μmになるよう塗布量を調整した。
得られたフィルムを基材フィルム(A−1)とした。
〔低透湿層形成用組成物の調製〕
下記表3に示した組成物割合で透湿層形成用組成物BL−21〜26を調製した。表3には各成分の全固形分に対する含有質量比を示した。
Figure 0006086607
使用した材料を以下に示す。(既出素材は省略する。)
・パインクリスタルKR614:超淡色ロジン、酸価175mgKOH/g、軟化点88℃[荒川化学工業(株)製]。
・パインクリスタルKE604:酸変性超淡色ロジン、酸価235mgKOH/g、軟化点129℃[荒川化学工業(株)製]。
〔防眩層形成用組成物の調製〕
下記に示すように調製した。
(防眩性ハードコート層形成用組成物AGL−1の組成)
スメクタイト 1.00質量部
(ルーセンタイトSTN、コープケミカル社製)
架橋アクリル−スチレン粒子 8.00質量部
(平均粒径2.5μm 屈折率1.52)
アクリレートモノマー 87.85質量部
(NKエステルA9550、新中村化学工業社製)
イルガキュア907 3.00質量部
レベリング剤(SP−13) 0.15質量部
MIBK(メチルイソブチルケトン) 133.50質量部
MEK(メチルエチルケトン) 16.50質量部
上記防眩性ハードコート層用形成用組成物AGL−1の固形分濃度は40質量%である。なお、樹脂粒子及びスメクタイトは分散状態で添加した。
<光学フィルム401の作製>
基材フィルム(A−1)をロール形態から巻き出して、上記低透湿層形成用組成物BL−21を使用し、密着層を積層した面に、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量120mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低透湿層を形成し、巻き取った。低透湿層の膜厚は16μmになるよう塗布量を調整し、密着層と低透湿層形成用組成物BL−21からなる低透湿層付きの基材フィルム(低透湿性フィルム)を得た。
(防眩性ハードコート層の塗設)
上記で作製した低透湿性フィルムをロール形態で巻き出して、上記防眩性ハードコート層用組成物(AGL−1)を使用し、低透湿層を積層した面に、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量180mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、防眩性ハードコート層を形成し、巻き取った。防眩性ハードコート層の膜厚は6μmになるよう塗布量を調整した。
得られた光学フィルムを光学フィルム401とした。
<光学フィルム402〜406の作製>
光学フィルム401の作製において、低透湿層形成用組成物BL−21をBL−22〜BL−26に代えた以外は光学フィルム401と同様にして、光学フィルム402〜406を作製した。
上記で作製した光学フィルム401〜406を光学フィルム201と同様の方法で評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006086607

表4に示す結果から以下のことが明らかである。
1.特定量の(A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれかと、特定量の(B)ポリエステルウレタンと特定量の(C)ロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層と、上記低透湿層上に防眩性ハードコート層を有する光学フィルムは、(C)ロジン化合物を含まないものに対し、透湿度が更に低く、耐クラック性にも優れていた。
2.特に低透湿層に特定量の(B)ポリエステルウレタンを含有させた時の耐クラック性は(B)を含まないものと比較して効果が顕著である。

Claims (10)

  1. 基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を5595質量%、下記(B)を1〜30質量%、及び下記(C)を1〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する低透湿性フィルム。
    (A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
    (B)ポリエステルウレタン
    (C)軟化点が70℃以上であるロジン化合物
  2. 上記環状脂肪族炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である請求項1に記載の低透湿性フィルム。
    Figure 0006086607

    一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
  3. 前記(A)が、分子内にエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である、請求項1又は2に記載の低透湿性フィルム。
  4. 前記ロジン化合物が、ロジン、水添ロジン、酸変性ロジン及びエステル化ロジンから選ばれる1種以上のロジン化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の低透湿性フィルム。
  5. 前記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである請求項1〜のいずれか1項に記載の低透湿性フィルム。
  6. 前記ポリエステルウレタンが、少なくとも、ジオール、ジカルボン酸、及びジイソシアナートをモノマーとして合成されたものである請求項1〜のいずれか1項に記載の低透湿性フィルム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の低透湿性フィルムの前記(A)、(B)、及び(C)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層上に、ハードコート層を更に有する光学フィルム。
  8. 基材フィルム上に、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を5595質量%、(B)を1〜30質量%、及び下記(C)を1〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する低透湿性フィルムの製造方法。
    (A)環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物及びフルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の少なくともいずれか
    (B)ポリエステルウレタン
    (C)軟化点が70℃以上であるロジン化合物
  9. 偏光子と、該偏光子の保護フィルムとして請求項に記載の光学フィルムとを少なくとも1枚含む偏光板。
  10. 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方に配置された請求項に記載の偏光板とを含み、前記光学フィルムが最表面に配置された液晶表示装置。
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