JP2015197503A - 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透湿度が低く、かつ高い表面硬度を有し、生産性にも優れた偏光板保護フィルムを提供すること。また、偏光板保護フィルムの製造方法、偏光板保護フィルムを用いた偏光板、偏光板を用いた高温高湿環境経時後の画像品位に優れる液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法に関する。
近年、液晶表示装置は、液晶テレビや、パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの液晶パネル等の用途で広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。ここで、偏光板は偏光子と少なくとも1枚の保護フィルム(偏光板保護フィルム)とを含んでなる。
近年の液晶表示装置は、高品質化とともに、用途も多様化し、耐久性への要求が厳しくなってきている。例えば、屋外用途での使用においては環境変化に対する安定性が求められ、液晶表示装置に用いられる偏光板用保護フィルムについても温度や湿度変化に対する寸法や光学特性の変化を抑えることが求められている。
特許文献1には、透明基材上に低透湿性を有する被覆層が複数形成された偏光板保護フィルムにより、液晶表示装置の環境変化に起因する表示画像品質の劣化を抑制できることが記載されている。
また、特許文献2には、ハードコート層を有するフィルム基材からなるハードコートフィルムに粘着剤層が設けられた保護粘着フィルムにおいて、ハードコート層とフィルム基材との密着性確保のために、ハードコート層に変性ロジン、重合ロジン等を配合してもよいことが記載されている。
更に、特許文献3には、表示装置の表示パネルと保護板とを一体化させるために用いられる紫外線硬化型樹脂組成物であって、可塑剤としてロジンエステル系樹脂を含有する紫外線硬化型樹脂組成物が記載されている。
特開2008−256747号公報 特開2008−95064号公報 特開2012−201786号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された偏光板保護フィルムの被覆層の表面硬度よりも、更に表面硬度が高く、かつ低い透湿性を有する偏光板保護フィルムが求められるようになってきた。
上記のような状況に鑑みて、本発明の目的、すなわち本発明が解決しようとする課題は、透湿度が低く、かつ高い表面硬度を有し、生産性にも優れた偏光板保護フィルムを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記偏光板保護フィルムを用いた偏光板、上記偏光板を用いた高温高湿環境経時後の画像品位に優れる液晶表示装置を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、基材フィルム上に、(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物とを特定の範囲の割合で含有する硬化性組成物から得られる硬化層を有する偏光板保護フィルムを用いることで、上記の課題を解決できることを見出した。さらに、そのような偏光板保護フィルムを用いることで高温高湿環境経時後の光漏れが改善された液晶表示装置を提供できることを見出し、本発明に至った。
本発明が解決しようとする課題は、下記の手段である本発明により解決することができる。
[1]
基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
[2]
上記硬化性組成物が、上記(A)として(メタ)アクリレート化合物及びウレタン(メタ)アクリレート化合物のうち少なくとも1種を含む[1]に記載の偏光板保護フィルム。
[3]
上記(B)が、ロジン、水添ロジン、及び酸変性ロジンから選ばれる少なくとも1種のロジン化合物である、[1]又は[2]に記載の偏光板保護フィルム。
[4]
上記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板保護フィルム。
[5]
上記基材フィルムが、主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板保護フィルム。
[6]
基材フィルム上に、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
[7]
偏光子と、少なくとも1枚の[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板保護フィルムとを含む偏光板。
[8]
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された[7]に記載の偏光板を有し、上記偏光板の上記偏光板保護フィルムが上記液晶セルとは反対側の最表面に配置された液晶表示装置。
本発明により、透湿度が低く、かつ高い表面硬度を有し、生産性にも優れた偏光板保護フィルムを提供することができる。また、偏光子と上記偏光板保護フィルムを有する偏光板、及び上記偏光板を有する液晶表示装置を提供することができ、これにより、高温高湿環境経時後の光漏れ発生が抑えられた液晶表示装置を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「アクリル樹脂」とはメタクリル酸又はアクリル酸の誘導体を重合して得られる樹脂、及びその誘導体を含有する樹脂を意味するものとする。また、特に限定しない場合には、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を表す。
更に、フィルムの「遅相軸方向」とはフィルム面内で屈折率が最大となる方向で、「進相軸方向」とはフィルム面内で遅相軸と直交する方向を意味するものとする。
[偏光板保護フィルム]
本発明の偏光板保護フィルムは、
基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルムである。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
本発明の偏光板保護フィルムにおける、上記(A)及び(B)を特定の含有量で含有する硬化性組成物を硬化して形成される層は、従来のハードコート層に比べ透湿度が低い層であるため、「低透湿層」とも呼ぶ。また、上記硬化性組成物を「低透湿層形成用硬化性組成物」とも呼ぶ。
(偏光板保護フィルムの透湿度)
本発明の偏光板保護フィルムは、上記(A)と(B)とを特定の含有量で含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有することにより、上記(A)と(B)の相乗効果で低透湿度かつ高表面硬度を達成することができる。
本発明の偏光板保護フィルムは、透湿度が5.0〜200g/m/dayであることが好ましい。
ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
本発明の偏光板保護フィルムの透湿度は、180g/m/day以下であることがより好ましく、150g/m/day以下であることが更に好ましく、130g/m/day以下であることが特に好ましい。透湿度が200g/m/day以下であれば、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の液晶セルの反りに伴う光漏れを抑制できる。
{低透湿層}
本発明の偏光板保護フィルムにおける低透湿層は、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して上記(A)を50〜90質量%、及び上記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層である。低透湿層形成用硬化性組成物には必要に応じて更に、重合開始剤、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有することができる。また、基材フィルムと低透湿層とは直接積層されていてもよいし、間に他の層を介していてもよい。
〔(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物〕
以下、上記(A)を(A)成分ともいう。
(A)成分は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
3官能以上の多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
さらに上記に加え、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#3PA、V#400、V#36095D、V#1000、V#1080等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。
次に、3官能以上のウレタンアクリレート化合物としては、紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4858(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904,HDP−4Tなどが挙げられる。
また、3官能以上のポリエステル(メタ)アクリレート化合物としては、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KRM−8307(ダイセルサイテック(株)製)などのなども好適に使用することができる。
この中でも、(メタ)アクリレート化合物及びウレタン(メタ)アクリレート化合物のうち少なくとも1種を(A)成分として用いるのが好ましい。
〔(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物〕
以下、上記(B)を(B)成分ともいう。
低透湿層形成用硬化性組成物に(B)成分を含有することで、透湿度をより低下させることができる。
(B)成分の酸価は透湿度低減効果と高鉛筆硬度を両立する観点から150〜400mgKOH/gであり、200〜400mgKOH/gが好ましく、280〜400mgKOH/gがより好ましく、320〜400mgKOH/gが特に好ましい。
(B)成分の酸価はJIS K5601−2−1 記載の方法に則って測定した値である。
(B)成分としては、ロジン、水添ロジン(水素化ロジンとも称する)、及び酸変性ロジンから選ばれる1種類以上であることが好ましい。
ロジンとしては、アビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、或いはジヒドロアビエチン酸など樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンが挙げられる。
水添ロジンとは、上記ロジンを水素化したものをいう。テトラヒドロアビエチン酸等のテトラヒドロ体を高含量(例えば50質量%以上)含むもの等が挙げられる。
酸変性ロジンとしては、ディールス・アルダー付加反応によりマレイン酸、フマル酸やアクリル酸などの不飽和酸を付加した不飽和酸変性ロジンが挙げられ、より具体的にはロジンにマレイン酸を付加したマレオピマール酸、フマル酸を付加したフマロピマール酸、アクリル酸を付加したアクリロピマール酸等が挙げられる。エステル化ロジンとしては、ロジンのアルキルエステル、ロジンとグリセリンとをエステル化反応させて得られるグリセリンエステル、ロジンとペンタエリスリトールとをエステル化して得られるペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。
更に、(B)成分として、上記のもの以外に、パインクリスタルKR−85(酸価:165〜175mgKOH/g、軟化点:80〜87℃)、パインクリスタルKR−120(酸価:約320mgKOH/g、軟化点:約120℃)、パインクリスタルKR140(酸価:130〜160、軟化点:130〜150℃)、パインクリスタルKR−612(酸価:165〜175、軟化点:80〜90℃)、パインクリスタルKR−614(酸価:170〜180、軟化点:84〜94℃)、パインクリスタルKE−604(酸価:230〜245、軟化点:124〜134℃)、(以上全て商品名、超淡色系ロジン誘導体、荒川化学工業(株)製)、アラダイムR−95(酸価:158〜168、軟化点:93〜103℃)(以上全て商品名、重合ロジン、荒川化学工業(株)製)、ハイペールCH(酸価:145以上、軟化点:65℃以上)(商品名、水素化ロジン、荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
(B)成分は酸変性した後に水添処理をしたものを用いるのが好ましい。水添処理を施すことでロジン化合物の残存二重結合が低透湿層内で酸化されフィルムが着色することを防止することが出来る。
ロジン化合物の軟化点は、70〜170℃が好ましい。ロジン化合物の軟化点が70℃以上であると、硬化層が柔らかくならずブロッキング性に優れる。軟化点が170℃未満であると溶剤に対する溶解性を保つことができ、硬化層のヘイズが上昇しづらい利点がある。
本発明においてロジン化合物の軟化点は、JIS K−2531の環球法により測定することができる。
(B)成分の含有量は、低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、透湿度低減の顕著性の観点から、全固形分に対して10〜40質量%含有する。(B)成分の含有量は全固形分に対して10〜35質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが更に好ましい。
[透光性粒子]
本発明においては、低透湿層に透光性粒子を含有させてもよい。
低透湿層に透光性粒子を含有させることで、低透湿層表面に凹凸形状を付与したり、内部ヘイズを付与することもできる。
低透湿層に用いることができる透光性粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子(屈折率1.49)、架橋ポリ(アクリル−スチレン)共重合体粒子(屈折率1.54)、メラミン樹脂粒子(屈折率1.57)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.57)、ポリスチレン粒子(屈折率1.60)、架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)、シリカ粒子(屈折率1.46)、アルミナ粒子(屈折率1.63)、ジルコニア粒子、チタニア粒子、又は中空や細孔を有する粒子等が挙げられる。
なかでも架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子が好ましく用いられ、これらの粒子の中から選ばれた各透光性粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することにより、低透湿層に好適な表面凹凸、表面ヘイズ、内部ヘイズ、全ヘイズを達成することができる。
透光性粒子としては、特開2008−262187号公報、特開2010−079098号公報、特開2007−148398号公報等に記載のものを用いることができる。
[無機層状化合物]
本発明の低透湿層の透湿度を更に低減するためには、低透湿層に無機層状化合物を分散することも好ましい。
無機層状化合物としては、特開平9−127313号公報、特開2009−298977号公報、特開2012−234094号公報等に記載のものを用いることができる。
[重合開始剤]
本発明における低透湿層形成用硬化性組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。 重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
低透湿層形成用硬化性組成物中の光重合開始剤の含有量は、低透湿層形成用硬化性組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させ、かつ開始点が増えすぎないように設定するという理由から、低透湿層形成用硬化性組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
低透湿層を含む本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、低透湿層に紫外線吸収剤を含有することで、偏光板保護フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
紫外線吸収剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。
〔溶剤〕
低透湿層形成用硬化性組成物は、溶剤を含有することができる。
溶剤としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性、透光性粒子の分散性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の溶剤のうち、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、トルエン、キシレンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
低透湿層形成用硬化性組成物の固形分濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶剤を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
(低透湿層の構成及び積層方法)
低透湿層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。低透湿層の積層方法は特に限定されないが、低透湿層を基材フィルム上に塗布にて設けることが好ましい。
(低透湿層の膜厚)
低透湿層の膜厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜18μmであることが更に好ましく、3〜17μmであることが特に好ましい。
(低透湿層の透湿度)
複合フィルムの気体透過式より(「包装材料のバリア性の科学(包装学基礎講座5)」p68〜72 仲川勤著 日本包装学会)、定常状態の偏光板保護フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJ、偏光板保護フィルムを基材フィルムと低透湿層に分離したときの低透湿層の透湿度をJとしたときに、以下の式が成り立つ。
1/J=1/J+1/J ・・・・・式(1)
偏光板保護フィルムの透湿度Jと基材フィルムの透湿度Jは直接測定することができ、それらの測定値を基に、低透湿層の透湿度Jを計算で求めることができる。
本発明において、低透湿層の透湿度が5.0〜100g/m/dayであることが好ましい。
(低透湿層の単位膜厚当たりの透湿度)
一般に透湿度は膜厚に反比例することが知られている。従って、上記膜厚の範囲で低透湿層が到達できる透湿度は材料の特性値である単位膜厚当たりの透湿度で決まり、その値が小さいほどより低い透湿度に到達することができる。一方、上記の関係を基に低透湿層の膜厚調整で透湿度の調整をすることができるが、単位膜厚当たりの透湿度が低過ぎると偏光板保護フィルムの透湿度の制御が難しくなる。
両者を考慮して、低透湿層の膜厚10μmあたりの透湿度は5.0〜150g/m/dayが好ましく、10〜100g/m/dayがより好ましく、20〜90g/m/dayがより好ましく、30〜80g/m/dayが特に好ましい。
ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
なお、低透湿層の膜厚10μm当たりの透湿度は基材フィルムと偏光板保護フィルムの透湿度、低透湿層の膜厚から以下のように見積もられる。
低透湿層の膜厚10μmに対する透湿度C(10μm)は上記で算出したJを基に以下の式で表すことができる。
(10μm)=J×d/10 [g/m/day]・・・・・式(2)
ここで、d[μm]は低透湿層の膜厚であり、上記の通り、低透湿層積層前後の膜厚差から求めることができる。
本発明の偏光板保護フィルムの低透湿層はハードコート機能、反射防止機能、防汚機能などを併せて持たせることも好ましい。
{基材フィルム}
基材フィルムを形成する材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は上記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。また本発明の基材フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
基材フィルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきたトリアセチルセルロースに代表されるセルロース系ポリマー(特に好ましくは、セルロースアシレート)も好ましく用いることができる。また、近年偏光板保護フィルムとして導入が提案されているアクリル系フィルムにも好ましく用いることができる。以下に、本発明の基材フィルムの例として、主にセルロースアシレートと(メタ)アクリル系ポリマーについて詳細を説明するが、その技術的事項は、他の高分子フィルムについても同様に適用できる。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートフィルムとしては、例えば特開2013−228720号公報の段落番号[0072]〜[0075]に記載のものを用いることができる。
<(メタ)アクリル系ポリマー>
基材フィルムは、(メタ)アクリル系ポリマーから形成されることも好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマーは、メタクリル系ポリマーとアクリル系ポリマーの両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系ポリマーには、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリル系ポリマーについては、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を主鎖に有し、主鎖には更にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有していてもよい。
(メタ)アクリル系ポリマーは、繰り返し構造単位として、更に、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸及び下記一般式(201)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
一般式(201)
CH=C(X)R201
式中、R201は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−CN基、−CO−R202基、又は−O−CO−R203基を表し、R202及びR203は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
水酸基含有単量体としては、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
一般式(201)で表される単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
一般式(201)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
[主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー]
(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖に環構造を有するものが好ましい。主鎖に環構造を導入することで、主鎖の剛直性を高め、耐熱性を向上することができる。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体、主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体のいずれかであることが好ましい。中でも主鎖にラクトン環構造を形成する重合体であることがより好ましい。
以下のこれらの主鎖に環構造を有する重合体について順に説明する。
(主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー)
主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降ラクトン環含有重合体とも称す)は、主鎖にラクトン環を有する(メタ)アクリル系ポリマーであり、特開2006−096960号公報、特開2007−063541号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
(主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体)
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体とは、グルタル酸無水物単位を有する重合体であり、特開2009−210905号公報、特開2009−030001号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
(主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー)
主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降グルタルイミド系樹脂とも称す)は、主鎖にグルタルイミド環構造を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。
グルタルイミド系樹脂は、米国特許3284425号、米国特許4246374号、特開平2−153904号公報等に記載されており、イミド化可能な単位を有する樹脂としてメタクリル酸メチルエステルなどを主原料として得られる樹脂を用い、上記イミド化可能な単位を有する樹脂をアンモニアまたは置換アミンを用いてイミド化することにより得ることができる。
<紫外線吸収剤>
基材フィルムは紫外線吸収剤を含有してもよい。
基材フィルムに好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。基材フィルムを含む本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板または液晶表示用部材等に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。紫外線吸収剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
(その他の添加剤)
基材フィルムには、マット剤、ゴム状粒子、レターデーション発現剤、可塑剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤などの添加剤を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。更にまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、偏光板保護フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されている。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
<基材フィルムの特性>
(基材フィルムの厚さ)
基材フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmが更に好ましく、20〜60μmが特に好ましい。膜厚を上記の範囲に制御することで低透湿層を積層した後に液晶表示装置の置かれる環境、すなわち温湿度変化に伴うパネルのムラを小さくすることができる。
(表面処理)
基材フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、基材フィルムと低透湿層との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、1.33×10−1〜2.67×10Paの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
(偏光板保護フィルムの膜厚)
本発明の偏光板保護フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、25〜75μmが特に好ましい。
[偏光板保護フィルムの層構成]
本発明の偏光板保護フィルムは、基材フィルムの一方の面上に低透湿層を有する積層体であり、基材フィルムと低透湿層とが直接接していてもよいし、基材フィルムと低透湿層との間に他の層を介していてもよい。
{機能層}
本発明において、偏光板保護フィルムは、低透湿層以外の他の層としてさらに機能層を有してもよい。機能層としては、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、密着層(基材フィルムと低透湿層の密着性を向上させる層)などが挙げられる。
機能層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。機能層の積層方法は特に限定されない。
本発明の偏光板保護フィルムの製造方法は、
基材フィルム上に、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法である。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
本発明の偏光板保護フィルムの製造方法においては、基材フィルムに低透湿層形成用硬化性組成物を塗布して、塗膜に光を照射することで硬化させることが好ましい。
低透湿層形成用硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、少なくとも1枚の本発明の偏光板保護フィルムとを含む。
本発明において、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られた偏光板保護フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。また上記のような表面処理を行ってもよい。偏光板保護フィルムの偏光子との貼合面は本発明の低透湿層を積層した面でもよいし、低透湿層を積層していない面であってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含み、上記偏光板中に含まれる本発明の偏光板保護フィルムが最表層となるように配置されたことを特徴とする。
(一般的な液晶表示装置の構成)
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、及び必要に応じて上記液晶セルと上記偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶セルを含む基板が配置されているが、本発明の偏光板用保護フィルムは、2枚の偏光板のいずれの保護フィルムとしても用いることができるが、各偏光板の2枚の保護フィルムのうち、偏光子に対して液晶セルの外側に配置される保護フィルムとして用いられることが好ましい。
2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の偏光板保護フィルムを配置することが特に好ましい。
また、2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の偏光板保護フィルムを配置した上で、更にバックライト側偏光板のバックライト側保護フィルムにも本発明の偏光板保護フィルムを配置し、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止することも好ましい態様である。
(液晶表示装置の種類)
本発明の偏光板保護フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の偏光板保護フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
[製造例1]
(精製ロジンRの製造)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管を備えた密封可能な反応容器に、未精製の中国産ガムロジン(酸価171mgKOH/g、軟化点74℃、色調6G)を3000g仕込み、窒素パージ下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価176mgKOH/g、軟化点80.5℃、色調ガードナー2の主留(収率86.3%)を精製ガムロジンRとして得た。樹脂酸価はJIS K−5601−2−1記載の方法に則って測定した値である。また、軟化点はJIS K−5902−5−3の環球法により測定した値である。
(不飽和酸変性ロジンAの作製)
攪拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、上記で作成した精製ガムロジンRを1,000質量部仕込み、これを窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融した。ついで、フマル酸267質量部を仕込み、攪拌下に230℃まで昇温して1時間保温した後、冷却して不飽和酸変性ロジンAの固形樹脂を得た。樹脂酸価は342mgKOH/g、軟化点は125℃であった。
(不飽和酸変性ロジンBの作製)
特開2007−111735号公報の調製例3を参考に、上記の精製ガムロジンRとマレイン酸を用いて、マレイン酸変性ロジンを合成した。樹脂酸価は315mgKOH/g、軟化点は155℃であった。
(不飽和酸変性ロジンCの作製)
特開2007−111735号公報の調製例2を参考に、上記の精製ガムロジンRとアクリル酸を用いて、アクリル酸変性ロジンを合成した。樹脂酸価は241mgKOH/g、軟化点は130℃であった。
〔低透湿層形成用組成物の調製〕
低透湿層形成用組成物を下記に示すように調製した。
(低透湿層形成用組成物BL−1の組成)
A−DPH 77.0質量部
不飽和酸変性ロジンA 20.0質量部
イルガキュア907 3.0質量部
SP−13 0.04質量部
MEK(メチルエチルケトン) 36.7質量部
MIBK(メチルイソブチルケトン) 85.6質量部
低透湿層形成用組成物BL−1と同様に、低透湿層形成用組成物BL−2〜BL−14を調製した。それぞれの組成物割合を表1に示す。表1には各成分の固形分の含有質量比を示した。ここで固形分とは、溶媒(BL−1においては、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン)を除いた組成物のことである。なお、以下の表中において、組成を示す数値の単位は全て質量部である。
使用した材料を以下に示す。
・A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスルトールペンタアクリレートの混合物[新中村化学工業(株)製]。
・UA−306H:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイシシアネートウレタンプレポリマー70質量%と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30質量%の混合物[共栄社化学(株)製]。
・UA−306T:ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイシシアネートウレタンプレポリマー70質量%と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30質量%の混合物[共栄社化学(株)製]。
・UA−306I:ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイシシアネートウレタンプレポリマー70質量%と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30質量%の混合物[共栄社化学(株)製]。
・U−4HA:下記構造の4官能ウレタン(メタ)アクリレート[新中村化学工業(株)製]
Figure 2015197503

・A−200:下記構造のポリエチレングリコールジアクリレート[新中村化学工業(株)製]
Figure 2015197503

・イルガキュア907:重合開始剤[BASF社製]
・SP−13(下記構造のレベリング剤。下記式中、組成比60:40はモル比):
Figure 2015197503
<偏光板保護フィルム101の作製>
基材フィルムとしてフジタックTD60(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ60μm)をロール形態から巻き出して、低透湿層形成用組成物BL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1体積%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量350mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低透湿層を形成し、巻き取った。低透湿層の膜厚は15μmになるよう塗布量を調整し、低透湿層形成用組成物BL−1から形成された低透湿層を有する偏光板保護フィルム101を得た。
<偏光板保護フィルム102−114の作製>
偏光板保護フィルム101の作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をBL−2〜BL−14に代えた以外は同様にして、偏光板保護フィルム102〜114を作製した。
[偏光板保護フィルムの評価]
作製した各実施例および比較例の偏光板保護フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果は下記表1に示す。
(1)透湿度(40℃90%相対湿度での透湿度)
各実施例及び比較例の偏光板保護フィルム試料を直径70mmの円形に裁断し40℃、相対湿度90%でそれぞれ24時間調湿した後、JIS Z−0208記載の方法により測定した。
(2)鉛筆硬度
耐傷性の指標としてJIS K−5600−5−4に記載の鉛筆硬度評価を行った。偏光板保護フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S−6006に規定するH〜3Hの試験用鉛筆を用いて、低透湿層が積層された面に対して、4.9Nの荷重にてn=5での鉛筆硬度評価を行った。以下のとおりの基準で評価し、評価結果が可となった試験用鉛筆のうち、最も高い鉛筆硬度を評価値とした。
可:n=5の評価において傷なしが3つ以上
不可:n=5の評価において傷なしが2つ以下
Figure 2015197503
表1に示す結果から以下のことが明らかである。
1.特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を有する実施例の偏光板保護フィルムは、透湿度が低く、かつ鉛筆硬度が高く優れている。
2.特に成分(A)の一部にウレタンアクリレートを含むものは、それを含まないものに対し、透湿度が低く、且つ鉛筆硬度が高くより優れている。
次に(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物の種類を変えた例を基に本発明のより良い態様について説明する。
〔低透湿層形成用組成物の調製〕
低透湿層形成用組成物BL−1と同様に、低透湿層形成用組成物BL−21〜BL−14を調製した。それぞれの組成物割合を表2に示す。ここで、BL−21は上記のBL−2と同じ組成である。
使用した材料を以下に示す。但し、既に記載済みのものは省略する。
・パインクリスタルKE604:酸変性超淡色ロジン、酸価235mgKOH/g、軟化点129℃[荒川化学工業(株)製]。
・パインクリスタルKR614:超淡色ロジン、酸価175mgKOH/g、軟化点88℃[荒川化学工業(株)製]。
・パインクリスタルKE311:超淡色ロジンエステル、酸価6mgKOH/g、軟化点95℃[荒川化学工業(株)製]。
<偏光板保護フィルム201−206の作製>
偏光板保護フィルム101の作製において、低透湿層形成用組成物BL−21をBL−2〜BL−26に代えた以外は同様にして、偏光板保護フィルム201−206を作製した。
[偏光板保護フィルムの評価]
作製した偏光板保護フィルム201〜206を偏光板保護フィルム101と同様に評価を行った。結果は下記表2に示す。
Figure 2015197503
表2に示す結果から以下のことが明らかである。
1.酸価が150mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは透湿度が低く優れている。
2.酸価が250mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは更に透湿度が低く更に優れている。
3.酸価が280mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは更に透湿度が低いことに加え鉛筆硬度が高く更に優れている。
ただし、上記のロジン化合物はいずれも酸価が400mgKOH/g以下である。
次に、基材フィルムとしてアクリル系フィルムを用いた実施例を示す。
<基材フィルム(A−1)の作製>
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)8000g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)2000gおよび重合溶媒としてトルエン10000gを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート10.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート20.0gとトルエン100gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。重合反応率は96.6%、得られた重合体におけるMHMAの含有率は20.0質量%であった。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として10gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学工業製、Phoslex A−18)を加え、約80〜100℃の環流下において5時間、環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度260℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、押出機内で環化縮合反応および脱揮を行った。次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレットを得た。この樹脂の重量平均分子量は148000、メルトフローレート(JIS K7120に準拠し、試験温度を240℃、荷重を10kgとして求めた。以降の製造例においても同じ)は11.0g/10分、ガラス転移温度は130℃であった。
次に、得られたペレットとAS樹脂(東洋スチレン製、商品名:トーヨーAS AS20)を、ペレット/AS樹脂=90/10の重量比で単軸押出機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、ガラス転移温度が127℃の透明なペレットを得た。
上記で作製した樹脂組成物のペレットを、二軸押出機を用いて、コートハンガー型Tダイから溶融押出し、厚さ約160μmの樹脂フィルムを作製した。
次に、得られた未延伸の樹脂フィルムを、縦方向に2.0倍、横方向に2.0倍に同時二軸延伸することにより、透明プラスチックフィルム基材(基材フィルム(A−1))を作製した。このようにして得た二軸延伸性フィルムの厚さは40μm、全光線透過率は92%、ヘイズは0.3%、ガラス転移温度は127℃であった。
<偏光板保護フィルム301、302の作製>
偏光板保護フィルム101、102の作製において、基材フィルムをフジタックTD60から上記で作製した基材フィルム(A−1)に代えた以外は偏光板保護フィルム101、102と同様にしてそれぞれ偏光板保護フィルム301、302を作製した。これらの偏光板保護フィルムを偏光板保護フィルム101と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2015197503
表3に示す結果から以下のことが明らかである。
1.基材フィルムをアクリル系フィルムにした場合もセルロースアシレートを基材フィルムとした場合と同様に特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を有する実施例の偏光板保護フィルムは、透湿度が低く、かつ鉛筆硬度が高く優れている。
次に、重合性液晶化合物の配向、硬化により形成した光学異方性層を有する構成を用いた実施例を示す。
<透明支持体(セルロースアセテートフィルムT1)の作製)>
特開2013−79995号公報の段落番号[0167]〜[0171]に従って、セルロースアセテートフィルムT1を作製した。
<光学基材F1、F10の作製>
特開2013−79995号公報の段落番号[0171]〜[0191]に従って、上記で作製したセルロースアセテートフィルムT1を用いて、光学基材F1と光学基材F10を作製した。
<偏光板保護フィルム401の作製>
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層の表面に、低透湿層形成用組成物BL−2を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量350mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取り、偏光板保護フィルム401を得た。低透湿層の膜厚は10μmになるよう塗布量を調整した。
<偏光板保護フィルム402の作製>
偏光板保護フィルム401に対し、光学基材F1をF10に代えた以外は同様にして偏光板保護フィルム402を作製した。
<偏光板保護フィルム403、404の作製>
偏光板保護フィルム401、402に対し、低透湿形成用組成物BL−2を低透湿形成用組成物BL−12に代えた以外は同様にしてそれぞれ、偏光板保護フィルム403と偏光板保護フィルム404を作製した。
偏光板保護フィルム401〜404を偏光板保護フィルム101と同様に透湿度と鉛筆硬度を評価し、特開2013−79995号公報[0215]に記載の方法に対し、光の照射時間を50時間から80時間に変更した以外は同様の方法で、耐光性試験前後の波長550nmにおける正面レターデーションReを評価した。結果を表4に示す。
Figure 2015197503
表4に示した結果から以下のことが明らかである。
1.重合性液晶化合物の配向、硬化により形成した光学異方性層上に、特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を積層した偏光板保護フィルムは耐光性試験後のレターデーション変化が少なく、非常に優れている。

Claims (8)

  1. 基材フィルムと、
    硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
    (A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
    (B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
  2. 前記硬化性組成物が、前記(A)として(メタ)アクリレート化合物及びウレタン(メタ)アクリレート化合物のうち少なくとも1種を含む請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 前記(B)が、ロジン、水添ロジン、及び酸変性ロジンから選ばれる少なくとも1種のロジン化合物である、請求項1又は2に記載の偏光板保護フィルム。
  4. 前記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
  5. 前記基材フィルムが、主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
  6. 基材フィルム上に、
    硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法。
    (A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
    (B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
  7. 偏光子と、少なくとも1枚の請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムとを含む偏光板。
  8. 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の面に配置された請求項7に記載の偏光板を有し、前記偏光板の前記偏光板保護フィルムが前記液晶セルとは反対側の最表面に配置された液晶表示装置。
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