JP2015197503A - 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 - Google Patents
偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015197503A JP2015197503A JP2014074483A JP2014074483A JP2015197503A JP 2015197503 A JP2015197503 A JP 2015197503A JP 2014074483 A JP2014074483 A JP 2014074483A JP 2014074483 A JP2014074483 A JP 2014074483A JP 2015197503 A JP2015197503 A JP 2015197503A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polarizing plate
- protective film
- plate protective
- mass
- liquid crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L33/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L33/04—Homopolymers or copolymers of esters
- C08L33/06—Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
- C08L33/08—Homopolymers or copolymers of acrylic acid esters
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L33/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L33/04—Homopolymers or copolymers of esters
- C08L33/14—Homopolymers or copolymers of esters of esters containing halogen, nitrogen, sulfur, or oxygen atoms in addition to the carboxy oxygen
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/10—Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
- G02B1/14—Protective coatings, e.g. hard coatings
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2203/00—Applications
- C08L2203/16—Applications used for films
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/31504—Composite [nonstructural laminate]
- Y10T428/31855—Of addition polymer from unsaturated monomers
- Y10T428/3188—Next to cellulosic
- Y10T428/31884—Regenerated or modified cellulose
- Y10T428/31891—Where addition polymer is an ester or halide
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/31504—Composite [nonstructural laminate]
- Y10T428/31855—Of addition polymer from unsaturated monomers
- Y10T428/31909—Next to second addition polymer from unsaturated monomers
- Y10T428/31928—Ester, halide or nitrile of addition polymer
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Nonlinear Science (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
【解決手段】基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
【選択図】なし
Description
更に、特許文献3には、表示装置の表示パネルと保護板とを一体化させるために用いられる紫外線硬化型樹脂組成物であって、可塑剤としてロジンエステル系樹脂を含有する紫外線硬化型樹脂組成物が記載されている。
また、本発明の別の目的は、上記偏光板保護フィルムを用いた偏光板、上記偏光板を用いた高温高湿環境経時後の画像品位に優れる液晶表示装置を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記の手段である本発明により解決することができる。
基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
[2]
上記硬化性組成物が、上記(A)として(メタ)アクリレート化合物及びウレタン(メタ)アクリレート化合物のうち少なくとも1種を含む[1]に記載の偏光板保護フィルム。
[3]
上記(B)が、ロジン、水添ロジン、及び酸変性ロジンから選ばれる少なくとも1種のロジン化合物である、[1]又は[2]に記載の偏光板保護フィルム。
[4]
上記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板保護フィルム。
[5]
上記基材フィルムが、主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板保護フィルム。
[6]
基材フィルム上に、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
[7]
偏光子と、少なくとも1枚の[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板保護フィルムとを含む偏光板。
[8]
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された[7]に記載の偏光板を有し、上記偏光板の上記偏光板保護フィルムが上記液晶セルとは反対側の最表面に配置された液晶表示装置。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「アクリル樹脂」とはメタクリル酸又はアクリル酸の誘導体を重合して得られる樹脂、及びその誘導体を含有する樹脂を意味するものとする。また、特に限定しない場合には、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を表す。
更に、フィルムの「遅相軸方向」とはフィルム面内で屈折率が最大となる方向で、「進相軸方向」とはフィルム面内で遅相軸と直交する方向を意味するものとする。
本発明の偏光板保護フィルムは、
基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルムである。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
本発明の偏光板保護フィルムは、上記(A)と(B)とを特定の含有量で含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有することにより、上記(A)と(B)の相乗効果で低透湿度かつ高表面硬度を達成することができる。
本発明の偏光板保護フィルムは、透湿度が5.0〜200g/m2/dayであることが好ましい。
ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
本発明の偏光板保護フィルムの透湿度は、180g/m2/day以下であることがより好ましく、150g/m2/day以下であることが更に好ましく、130g/m2/day以下であることが特に好ましい。透湿度が200g/m2/day以下であれば、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の液晶セルの反りに伴う光漏れを抑制できる。
本発明の偏光板保護フィルムにおける低透湿層は、硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して上記(A)を50〜90質量%、及び上記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層である。低透湿層形成用硬化性組成物には必要に応じて更に、重合開始剤、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有することができる。また、基材フィルムと低透湿層とは直接積層されていてもよいし、間に他の層を介していてもよい。
以下、上記(A)を(A)成分ともいう。
(A)成分は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
さらに上記に加え、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#3PA、V#400、V#36095D、V#1000、V#1080等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。
また、3官能以上のポリエステル(メタ)アクリレート化合物としては、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KRM−8307(ダイセルサイテック(株)製)などのなども好適に使用することができる。
以下、上記(B)を(B)成分ともいう。
低透湿層形成用硬化性組成物に(B)成分を含有することで、透湿度をより低下させることができる。
(B)成分の酸価はJIS K5601−2−1 記載の方法に則って測定した値である。
ロジンとしては、アビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、或いはジヒドロアビエチン酸など樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンが挙げられる。
水添ロジンとは、上記ロジンを水素化したものをいう。テトラヒドロアビエチン酸等のテトラヒドロ体を高含量(例えば50質量%以上)含むもの等が挙げられる。
酸変性ロジンとしては、ディールス・アルダー付加反応によりマレイン酸、フマル酸やアクリル酸などの不飽和酸を付加した不飽和酸変性ロジンが挙げられ、より具体的にはロジンにマレイン酸を付加したマレオピマール酸、フマル酸を付加したフマロピマール酸、アクリル酸を付加したアクリロピマール酸等が挙げられる。エステル化ロジンとしては、ロジンのアルキルエステル、ロジンとグリセリンとをエステル化反応させて得られるグリセリンエステル、ロジンとペンタエリスリトールとをエステル化して得られるペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。
ロジン化合物の軟化点は、70〜170℃が好ましい。ロジン化合物の軟化点が70℃以上であると、硬化層が柔らかくならずブロッキング性に優れる。軟化点が170℃未満であると溶剤に対する溶解性を保つことができ、硬化層のヘイズが上昇しづらい利点がある。
本発明においてロジン化合物の軟化点は、JIS K−2531の環球法により測定することができる。
(B)成分の含有量は、低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、透湿度低減の顕著性の観点から、全固形分に対して10〜40質量%含有する。(B)成分の含有量は全固形分に対して10〜35質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが更に好ましい。
本発明においては、低透湿層に透光性粒子を含有させてもよい。
低透湿層に透光性粒子を含有させることで、低透湿層表面に凹凸形状を付与したり、内部ヘイズを付与することもできる。
透光性粒子としては、特開2008−262187号公報、特開2010−079098号公報、特開2007−148398号公報等に記載のものを用いることができる。
本発明の低透湿層の透湿度を更に低減するためには、低透湿層に無機層状化合物を分散することも好ましい。
無機層状化合物としては、特開平9−127313号公報、特開2009−298977号公報、特開2012−234094号公報等に記載のものを用いることができる。
本発明における低透湿層形成用硬化性組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。 重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
低透湿層を含む本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、低透湿層に紫外線吸収剤を含有することで、偏光板保護フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
紫外線吸収剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。
低透湿層形成用硬化性組成物は、溶剤を含有することができる。
溶剤としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性、透光性粒子の分散性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
低透湿層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。低透湿層の積層方法は特に限定されないが、低透湿層を基材フィルム上に塗布にて設けることが好ましい。
低透湿層の膜厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜18μmであることが更に好ましく、3〜17μmであることが特に好ましい。
複合フィルムの気体透過式より(「包装材料のバリア性の科学(包装学基礎講座5)」p68〜72 仲川勤著 日本包装学会)、定常状態の偏光板保護フィルムの透湿度をJf、基材フィルムの透湿度をJs、偏光板保護フィルムを基材フィルムと低透湿層に分離したときの低透湿層の透湿度をJbとしたときに、以下の式が成り立つ。
1/Jf=1/Js+1/Jb ・・・・・式(1)
偏光板保護フィルムの透湿度Jfと基材フィルムの透湿度Jsは直接測定することができ、それらの測定値を基に、低透湿層の透湿度Jbを計算で求めることができる。
本発明において、低透湿層の透湿度が5.0〜100g/m2/dayであることが好ましい。
一般に透湿度は膜厚に反比例することが知られている。従って、上記膜厚の範囲で低透湿層が到達できる透湿度は材料の特性値である単位膜厚当たりの透湿度で決まり、その値が小さいほどより低い透湿度に到達することができる。一方、上記の関係を基に低透湿層の膜厚調整で透湿度の調整をすることができるが、単位膜厚当たりの透湿度が低過ぎると偏光板保護フィルムの透湿度の制御が難しくなる。
両者を考慮して、低透湿層の膜厚10μmあたりの透湿度は5.0〜150g/m2/dayが好ましく、10〜100g/m2/dayがより好ましく、20〜90g/m2/dayがより好ましく、30〜80g/m2/dayが特に好ましい。
ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
なお、低透湿層の膜厚10μm当たりの透湿度は基材フィルムと偏光板保護フィルムの透湿度、低透湿層の膜厚から以下のように見積もられる。
Cb(10μm)=Jb×db/10 [g/m2/day]・・・・・式(2)
ここで、db[μm]は低透湿層の膜厚であり、上記の通り、低透湿層積層前後の膜厚差から求めることができる。
基材フィルムを形成する材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は上記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。また本発明の基材フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
セルロースアシレートフィルムとしては、例えば特開2013−228720号公報の段落番号[0072]〜[0075]に記載のものを用いることができる。
基材フィルムは、(メタ)アクリル系ポリマーから形成されることも好ましい。
CH2=C(X)R201
式中、R201は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−CN基、−CO−R202基、又は−O−CO−R203基を表し、R202及びR203は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。
(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
一般式(201)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖に環構造を有するものが好ましい。主鎖に環構造を導入することで、主鎖の剛直性を高め、耐熱性を向上することができる。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーの中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体、主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体のいずれかであることが好ましい。中でも主鎖にラクトン環構造を形成する重合体であることがより好ましい。
以下のこれらの主鎖に環構造を有する重合体について順に説明する。
主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降ラクトン環含有重合体とも称す)は、主鎖にラクトン環を有する(メタ)アクリル系ポリマーであり、特開2006−096960号公報、特開2007−063541号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体とは、グルタル酸無水物単位を有する重合体であり、特開2009−210905号公報、特開2009−030001号公報等に記載された樹脂を用いることができる。
主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以降グルタルイミド系樹脂とも称す)は、主鎖にグルタルイミド環構造を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。
基材フィルムは紫外線吸収剤を含有してもよい。
基材フィルムに好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。基材フィルムを含む本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板または液晶表示用部材等に使用することができるが、偏光板または液晶セル等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。紫外線吸収剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
基材フィルムには、マット剤、ゴム状粒子、レターデーション発現剤、可塑剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤などの添加剤を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。更にまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、偏光板保護フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されている。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
(基材フィルムの厚さ)
基材フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmが更に好ましく、20〜60μmが特に好ましい。膜厚を上記の範囲に制御することで低透湿層を積層した後に液晶表示装置の置かれる環境、すなわち温湿度変化に伴うパネルのムラを小さくすることができる。
基材フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、基材フィルムと低透湿層との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、1.33×10−1〜2.67×103Paの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明の偏光板保護フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、25〜75μmが特に好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムは、基材フィルムの一方の面上に低透湿層を有する積層体であり、基材フィルムと低透湿層とが直接接していてもよいし、基材フィルムと低透湿層との間に他の層を介していてもよい。
本発明において、偏光板保護フィルムは、低透湿層以外の他の層としてさらに機能層を有してもよい。機能層としては、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、密着層(基材フィルムと低透湿層の密着性を向上させる層)などが挙げられる。
機能層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。機能層の積層方法は特に限定されない。
基材フィルム上に、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法である。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物
本発明の偏光板保護フィルムの製造方法においては、基材フィルムに低透湿層形成用硬化性組成物を塗布して、塗膜に光を照射することで硬化させることが好ましい。
低透湿層形成用硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられる。
本発明の偏光板は、偏光子と、少なくとも1枚の本発明の偏光板保護フィルムとを含む。
本発明において、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られた偏光板保護フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。また上記のような表面処理を行ってもよい。偏光板保護フィルムの偏光子との貼合面は本発明の低透湿層を積層した面でもよいし、低透湿層を積層していない面であってもよい。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含み、上記偏光板中に含まれる本発明の偏光板保護フィルムが最表層となるように配置されたことを特徴とする。
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、及び必要に応じて上記液晶セルと上記偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の偏光板保護フィルムを配置することが特に好ましい。
また、2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の偏光板保護フィルムを配置した上で、更にバックライト側偏光板のバックライト側保護フィルムにも本発明の偏光板保護フィルムを配置し、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止することも好ましい態様である。
本発明の偏光板保護フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の偏光板保護フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(精製ロジンRの製造)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管を備えた密封可能な反応容器に、未精製の中国産ガムロジン(酸価171mgKOH/g、軟化点74℃、色調6G)を3000g仕込み、窒素パージ下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価176mgKOH/g、軟化点80.5℃、色調ガードナー2の主留(収率86.3%)を精製ガムロジンRとして得た。樹脂酸価はJIS K−5601−2−1記載の方法に則って測定した値である。また、軟化点はJIS K−5902−5−3の環球法により測定した値である。
攪拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、上記で作成した精製ガムロジンRを1,000質量部仕込み、これを窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融した。ついで、フマル酸267質量部を仕込み、攪拌下に230℃まで昇温して1時間保温した後、冷却して不飽和酸変性ロジンAの固形樹脂を得た。樹脂酸価は342mgKOH/g、軟化点は125℃であった。
特開2007−111735号公報の調製例3を参考に、上記の精製ガムロジンRとマレイン酸を用いて、マレイン酸変性ロジンを合成した。樹脂酸価は315mgKOH/g、軟化点は155℃であった。
特開2007−111735号公報の調製例2を参考に、上記の精製ガムロジンRとアクリル酸を用いて、アクリル酸変性ロジンを合成した。樹脂酸価は241mgKOH/g、軟化点は130℃であった。
低透湿層形成用組成物を下記に示すように調製した。
A−DPH 77.0質量部
不飽和酸変性ロジンA 20.0質量部
イルガキュア907 3.0質量部
SP−13 0.04質量部
MEK(メチルエチルケトン) 36.7質量部
MIBK(メチルイソブチルケトン) 85.6質量部
・A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスルトールペンタアクリレートの混合物[新中村化学工業(株)製]。
・UA−306H:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイシシアネートウレタンプレポリマー70質量%と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30質量%の混合物[共栄社化学(株)製]。
・SP−13(下記構造のレベリング剤。下記式中、組成比60:40はモル比):
基材フィルムとしてフジタックTD60(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ60μm)をロール形態から巻き出して、低透湿層形成用組成物BL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1体積%で出力160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量350mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低透湿層を形成し、巻き取った。低透湿層の膜厚は15μmになるよう塗布量を調整し、低透湿層形成用組成物BL−1から形成された低透湿層を有する偏光板保護フィルム101を得た。
偏光板保護フィルム101の作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をBL−2〜BL−14に代えた以外は同様にして、偏光板保護フィルム102〜114を作製した。
作製した各実施例および比較例の偏光板保護フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果は下記表1に示す。
各実施例及び比較例の偏光板保護フィルム試料を直径70mmの円形に裁断し40℃、相対湿度90%でそれぞれ24時間調湿した後、JIS Z−0208記載の方法により測定した。
耐傷性の指標としてJIS K−5600−5−4に記載の鉛筆硬度評価を行った。偏光板保護フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S−6006に規定するH〜3Hの試験用鉛筆を用いて、低透湿層が積層された面に対して、4.9Nの荷重にてn=5での鉛筆硬度評価を行った。以下のとおりの基準で評価し、評価結果が可となった試験用鉛筆のうち、最も高い鉛筆硬度を評価値とした。
可:n=5の評価において傷なしが3つ以上
不可:n=5の評価において傷なしが2つ以下
1.特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を有する実施例の偏光板保護フィルムは、透湿度が低く、かつ鉛筆硬度が高く優れている。
2.特に成分(A)の一部にウレタンアクリレートを含むものは、それを含まないものに対し、透湿度が低く、且つ鉛筆硬度が高くより優れている。
低透湿層形成用組成物BL−1と同様に、低透湿層形成用組成物BL−21〜BL−14を調製した。それぞれの組成物割合を表2に示す。ここで、BL−21は上記のBL−2と同じ組成である。
・パインクリスタルKE604:酸変性超淡色ロジン、酸価235mgKOH/g、軟化点129℃[荒川化学工業(株)製]。
・パインクリスタルKR614:超淡色ロジン、酸価175mgKOH/g、軟化点88℃[荒川化学工業(株)製]。
・パインクリスタルKE311:超淡色ロジンエステル、酸価6mgKOH/g、軟化点95℃[荒川化学工業(株)製]。
偏光板保護フィルム101の作製において、低透湿層形成用組成物BL−21をBL−2〜BL−26に代えた以外は同様にして、偏光板保護フィルム201−206を作製した。
作製した偏光板保護フィルム201〜206を偏光板保護フィルム101と同様に評価を行った。結果は下記表2に示す。
1.酸価が150mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは透湿度が低く優れている。
2.酸価が250mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは更に透湿度が低く更に優れている。
3.酸価が280mgKOH/g以上のロジン化合物を使用したものは更に透湿度が低いことに加え鉛筆硬度が高く更に優れている。
ただし、上記のロジン化合物はいずれも酸価が400mgKOH/g以下である。
<基材フィルム(A−1)の作製>
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)8000g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)2000gおよび重合溶媒としてトルエン10000gを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート10.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート20.0gとトルエン100gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。重合反応率は96.6%、得られた重合体におけるMHMAの含有率は20.0質量%であった。
偏光板保護フィルム101、102の作製において、基材フィルムをフジタックTD60から上記で作製した基材フィルム(A−1)に代えた以外は偏光板保護フィルム101、102と同様にしてそれぞれ偏光板保護フィルム301、302を作製した。これらの偏光板保護フィルムを偏光板保護フィルム101と同様に評価した。結果を表3に示す。
1.基材フィルムをアクリル系フィルムにした場合もセルロースアシレートを基材フィルムとした場合と同様に特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を有する実施例の偏光板保護フィルムは、透湿度が低く、かつ鉛筆硬度が高く優れている。
特開2013−79995号公報の段落番号[0167]〜[0171]に従って、セルロースアセテートフィルムT1を作製した。
特開2013−79995号公報の段落番号[0171]〜[0191]に従って、上記で作製したセルロースアセテートフィルムT1を用いて、光学基材F1と光学基材F10を作製した。
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層の表面に、低透湿層形成用組成物BL−2を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量350mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取り、偏光板保護フィルム401を得た。低透湿層の膜厚は10μmになるよう塗布量を調整した。
偏光板保護フィルム401に対し、光学基材F1をF10に代えた以外は同様にして偏光板保護フィルム402を作製した。
偏光板保護フィルム401、402に対し、低透湿形成用組成物BL−2を低透湿形成用組成物BL−12に代えた以外は同様にしてそれぞれ、偏光板保護フィルム403と偏光板保護フィルム404を作製した。
偏光板保護フィルム401〜404を偏光板保護フィルム101と同様に透湿度と鉛筆硬度を評価し、特開2013−79995号公報[0215]に記載の方法に対し、光の照射時間を50時間から80時間に変更した以外は同様の方法で、耐光性試験前後の波長550nmにおける正面レターデーションReを評価した。結果を表4に示す。
1.重合性液晶化合物の配向、硬化により形成した光学異方性層上に、特定量の(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物と、特定量の(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物を含有する硬化性組成物を硬化してなる低透湿層を積層した偏光板保護フィルムは耐光性試験後のレターデーション変化が少なく、非常に優れている。
Claims (8)
- 基材フィルムと、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とを有する偏光板保護フィルム。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物 - 前記硬化性組成物が、前記(A)として(メタ)アクリレート化合物及びウレタン(メタ)アクリレート化合物のうち少なくとも1種を含む請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
- 前記(B)が、ロジン、水添ロジン、及び酸変性ロジンから選ばれる少なくとも1種のロジン化合物である、請求項1又は2に記載の偏光板保護フィルム。
- 前記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
- 前記基材フィルムが、主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
- 基材フィルム上に、
硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、全固形分に対して下記(A)を50〜90質量%、及び下記(B)を10〜40質量%含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する偏光板保護フィルムの製造方法。
(A)分子中にエチレン性不飽和二重結合を3個以上有する化合物
(B)酸価が150〜400mgKOH/gのロジン化合物 - 偏光子と、少なくとも1枚の請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムとを含む偏光板。
- 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の面に配置された請求項7に記載の偏光板を有し、前記偏光板の前記偏光板保護フィルムが前記液晶セルとは反対側の最表面に配置された液晶表示装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014074483A JP2015197503A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 |
US14/670,482 US20150274957A1 (en) | 2014-03-31 | 2015-03-27 | Polarizing plate protective film, polarizing plate, liquid crystal display device, and production method of polarizing plate protective film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014074483A JP2015197503A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015197503A true JP2015197503A (ja) | 2015-11-09 |
Family
ID=54189411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014074483A Abandoned JP2015197503A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20150274957A1 (ja) |
JP (1) | JP2015197503A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016043240A1 (ja) * | 2014-09-17 | 2016-03-24 | 株式会社巴川製紙所 | 保護フィルム、フィルム積層体および偏光板 |
JP2017181806A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、光学フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003264367A (ja) * | 2002-03-11 | 2003-09-19 | Tamura Kaken Co Ltd | リフローはんだ付用ソルダーペースト組成物及び回路基板 |
JP2006292834A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板用保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
JP2008247938A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Fujifilm Corp | ハードコート積層体 |
JP2011026569A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-02-10 | Fujifilm Corp | 新規なデヒドロアビエチン酸重合体 |
JP2012521098A (ja) * | 2009-03-17 | 2012-09-10 | スス マイクロテク リソグラフィー,ゲーエムベーハー | 無機基板用のマイクロ電子仮支持体の高速製作 |
JP2012201786A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4315898B2 (ja) * | 2004-12-16 | 2009-08-19 | 株式会社日本触媒 | 光学フィルムの製造方法 |
EP1898240B1 (en) * | 2005-06-21 | 2013-05-01 | Zeon Corporation | Protective film for polarizing plate |
JP2007316366A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 偏光子保護フィルム、偏光板、および画像表示装置 |
JP2009098657A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-05-07 | Fujifilm Corp | 液晶表示装置 |
JP2012177096A (ja) * | 2011-02-04 | 2012-09-13 | Nitto Denko Corp | 表面保護用粘着テープ |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014074483A patent/JP2015197503A/ja not_active Abandoned
-
2015
- 2015-03-27 US US14/670,482 patent/US20150274957A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003264367A (ja) * | 2002-03-11 | 2003-09-19 | Tamura Kaken Co Ltd | リフローはんだ付用ソルダーペースト組成物及び回路基板 |
JP2006292834A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板用保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
JP2008247938A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Fujifilm Corp | ハードコート積層体 |
JP2012521098A (ja) * | 2009-03-17 | 2012-09-10 | スス マイクロテク リソグラフィー,ゲーエムベーハー | 無機基板用のマイクロ電子仮支持体の高速製作 |
JP2011026569A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-02-10 | Fujifilm Corp | 新規なデヒドロアビエチン酸重合体 |
JP2012201786A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016043240A1 (ja) * | 2014-09-17 | 2016-03-24 | 株式会社巴川製紙所 | 保護フィルム、フィルム積層体および偏光板 |
JP2017181806A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、光学フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20150274957A1 (en) | 2015-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101716077B1 (ko) | 광경화성 접착제 조성물, 편광판과 그의 제조법, 광학 부재 및 액정 표시 장치 | |
JP6407708B2 (ja) | 光硬化性接着剤組成物、偏光板とその製造法、光学部材及び液晶表示装置 | |
US10012770B2 (en) | Optical film, method of manufacturing the same, polarizing plate and liquid crystal display device | |
KR101806875B1 (ko) | 광경화성 접착제 조성물, 편광판과 그 제조법, 광학 부재, 및 액정 표시 장치 | |
KR101981078B1 (ko) | 광경화성 접착제 조성물, 편광판과 그 제조법, 광학부재, 및 액정 표시 장치 | |
JP5914440B2 (ja) | ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP6412807B2 (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP6086629B2 (ja) | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP6086607B2 (ja) | 低透湿性フィルム、光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに低透湿性フィルムの製造方法 | |
JP2015102813A (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板保護フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置 | |
WO2014050608A1 (ja) | 光学フィルム及びその製造方法、偏光板並びに液晶表示装置 | |
WO2016052732A1 (ja) | 光学フィルム積層体、その光学フィルム積層体を用いた光学的表示装置、及び透明保護フィルム | |
JP2010265461A5 (ja) | 光学用面状熱可塑性樹脂成形体、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2014170130A (ja) | 光学フィルム及びその製造方法、偏光板ならびに液晶表示装置 | |
WO2012133163A1 (ja) | 偏光板および積層光学部材 | |
JP6053729B2 (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 | |
JP2016033623A (ja) | 光学フィルム及びその製造方法、偏光板並びに液晶表示装置 | |
CN105739002B (zh) | 偏振板 | |
JP6081244B2 (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JPWO2014057950A1 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2015197503A (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法 | |
US9459490B2 (en) | Polarizing plate, image display apparatus, and liquid crystal display apparatus | |
KR20140047548A (ko) | 광학 필름 및 그 제조 방법, 편광판 및 액정 표시 장치 | |
WO2019244915A1 (ja) | 偏光フィルム、粘着剤層付き偏光フィルム、及び画像表示装置 | |
JP5970508B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、光学フィルムの製造方法、及び画表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150828 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160308 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161129 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170123 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20170124 |