JP2017181806A - 光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、光学フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、光学フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法 Download PDF

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Kazuo Kamohara
一男 蒲原
二村 恵朗
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Abstract

【課題】透湿度が低く、ヘイズが低く、透過光の視認性に優れ、重ねて保管した際及びロール形態で保管した際の張り付きの発生が抑制され、偏光子と積層して偏光板とした際の偏光子との密着性に優れ、かつ打ち抜き加工時のデラミネーションの発生が抑制された光学フィルム等。
【解決手段】セルロースアシレート含有支持体と、下記条件(1)及び(2)を満たす領域Aを含む機能性層とを有し、ヘイズが2.00%未満である光学フィルム、上記光学フィルムを含む偏光板、液晶表示装置、上記光学フィルムの製造方法及び上記偏光板の製造方法。
条件(1):領域Aは、機能性層の支持体側の界面とは反対側の表面を含み、表面から支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μm以内の領域。
条件(2):領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを含有し、ゴム質弾性体の含有率が領域Aの全体積に対して2.5体積%以上の領域。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、光学フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法に関する。
近年、液晶表示装置は、液晶テレビ、パソコン、携帯電話、及びデジタルカメラなどの用途で広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。ここで、偏光板は偏光子と保護フィルム(偏光板保護フィルム)とを含んでなり、保護フィルムとしてはセルロースアシレートフィルムなどが用いられている。
液晶表示装置は、高品質化とともに、用途も多様化し、耐久性への要求が厳しくなってきている。例えば、屋外用途での使用においては環境変化に対する安定性が求められ、液晶表示装置に用いられる偏光板用保護フィルムなどの光学フィルムについても耐久性の向上が求められている。
光学フィルムについては、水分を透過させない性能が重要になっており、特に、セルロースアシレートフィルムは、その他の樹脂フィルム(例えばアクリル系樹脂フィルムなど)に比べて透湿度が高いため、透湿度が低い層をセルロースアシレートフィルム上に設けることにより、全体としての透湿度を低くすることが検討されている。
例えば、特許文献1には、透湿度が低い偏光板保護フィルムを用いた液晶表示装置が記載されており、これにより、高温高湿環境下でのパネルの反りに基づく光ムラを低減できることが記載されている。
また、特許文献2には、透湿度に関する記載はないが、アクリル系樹脂にゴム弾性体粒子が配合されたアクリル系樹脂組成物からなるシート状のアクリル系樹脂フィルムが記載されており、紫外線硬化型接着剤を介して偏光子と積層することが記載されている。
特開2015−22200号公報 特開2012−180422号公報
本発明者らは、新たな構成の偏光板として、セルロースアシレートを含有する支持体上に透湿度が低い層(低透湿層)を有する光学フィルムの低透湿層と、偏光子とを、紫外線硬化型接着剤を介して積層することを検討した。そして、この検討において、低透湿層と偏光子との密着性を確保することが問題であること、特に打ち抜き加工時の偏光板の端部におけるデラミネーション(層間剥離)の発生が問題になることが分かった。
また、上記密着性及びデラミネーションの問題を解決しつつ、ヘイズが低く透過光の視認性に優れ、かつ重ねて保管した際及びロール形態で保管した際の張り付きの発生が抑制された光学フィルムが望まれる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、透湿度が低く、ヘイズが低く、透過光の視認性に優れ、重ねて保管した際及びロール形態で保管した際の張り付きの発生が抑制され、偏光子と積層して偏光板とした際の偏光子との密着性に優れ、かつ打ち抜き加工時のデラミネーションの発生が抑制された光学フィルム、上記光学フィルムを含む偏光板、及び液晶表示装置、並びに上記光学フィルムの製造方法及び上記偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は、下記の手段により解決することができる。
<1>
セルロースアシレートを含有する支持体と、下記条件(1)及び(2)を満たす領域Aを含む機能性層とを有し、ヘイズが2.00%未満である光学フィルム。
条件(1):領域Aは、上記機能性層の上記支持体側の界面とは反対側の表面を含み、上記表面から上記支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域である。
条件(2):領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを含有し、上記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、上記ゴム質弾性体の面積が上記領域Aの全面積に対して2.5%以上である。
<2>
上記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、上記領域A中の上記ゴム質弾性体の面積が上記領域Aの全面積に対して30%以下である<1>に記載の光学フィルム。
<3>
上記機能性層の厚さが3μm以上15μm以下である<1>又は<2>に記載の光学フィルム。
<4>
上記ゴム質弾性体が、下記一般式(B)で表される繰り返し単位を含有する重合体を含む<1>〜<3>のいずれかに記載の光学フィルム。
一般式(B)
Figure 2017181806
一般式(B)中、Rb1は、水素原子又はメチル基を表す。
<5>
上記ゴム質弾性体が、コア−シェル構造を有する粒子である<1>〜<4>のいずれかに記載の光学フィルム。
<6>
上記重合性基を2つ以上有する化合物が、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基とを有する化合物である<1>〜<5>のいずれかに記載の光学フィルム。
<7>
上記機能性層が低透湿層である<1>〜<6>のいずれかに記載の光学フィルム。
<8>
<1>〜<7>のいずれかに記載の光学フィルムと、偏光子とを含む偏光板であって、
上記光学フィルムの上記機能性層と、上記偏光子とが接着剤層を介して貼り合わされている偏光板。
<9>
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された<8>に記載の偏光板とを含む液晶表示装置。
<10>
セルロースアシレートを含有する支持体上に、重合性基を2つ以上有する化合物を含有する第一層形成用組成物を塗布し、硬化させて、第一層を形成する工程、及び、
上記第一層上に、重合性基を2つ以上有する化合物とゴム質弾性体とを含有し、上記ゴム質弾性体の含有率が全固形分に対して2.5質量%以上である第二層形成用組成物を直接塗布し、硬化させて、膜厚3μm以下の第二層を形成する工程を有する、光学フィルムの製造方法。
<11>
<1>〜<7>のいずれかに記載の光学フィルムの上記機能性層と、偏光子とを紫外線硬化型接着剤により貼り合わせる工程を有する、偏光板の製造方法。
本発明により、透湿度が低く、ヘイズが低く、透過光の視認性に優れ、重ねて保管した際及びロール形態で保管した際の張り付きの発生が抑制され、偏光子と積層して偏光板とした際の偏光子との密着性に優れ、かつ打ち抜き加工時のデラミネーションの発生が抑制された光学フィルム、上記光学フィルムを含む偏光板、及び液晶表示装置、並びに上記光学フィルムの製造方法及び上記偏光板の製造方法を提供することができる。
本発明の光学フィルムの一例の光学フィルム表面に垂直な方向の断面を示す模式図である。 本発明の偏光板の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを表す。「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、セルロースアシレートを含有する支持体と、下記条件(1)及び(2)を満たす領域Aを含む機能性層とを有し、ヘイズが2.00%未満である光学フィルムである。
条件(1):領域Aは、上記機能性層の上記支持体側の界面とは反対側の表面を含み、上記表面から上記支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域である。
条件(2):領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを含有し、上記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、上記ゴム質弾性体の面積が上記領域Aの全面積に対して2.5%以上である。
<セルロースアシレートを含有する支持体>
本発明の光学フィルムはセルロースアシレートを含有する支持体(以下、単に「支持体」とも呼ぶ)を有する。
支持体に含まれるセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基にアシル基が置換したものであり、アシル基の炭素数は2〜22が好ましい。炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく、1種類でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、又は芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、i−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。更に好ましい基はアセチル基、プロピオニルで基あり、最も好ましい基はアセチル基である。
セルロースの水酸基へのアシル基の置換度は特に限定されないが、2.50〜3.00であることが好ましく、2.75〜3.00であることがより好ましく、2.85〜3.00であることが更に好ましい。
セルロースの水酸基へのアシル基の置換度については、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTM D−817−91に準じて実施することができる。
セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法{宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁(1962年)}により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
セルロースアシレートの分子量分布は、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel(登録商標)Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いて評価される。溶離液は臭化リチウム10mmol/LのNMP溶液を用いる。多分散性指数Mw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがさらに好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
支持体中のセルロースアシレートの含有率は、支持体の全質量に対して60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、75〜100質量%であることが更に好ましい。
支持体の厚さは、20μm〜1000μmであることが好ましく、20μm〜70μmであることがより好ましい。
支持体は、透明性が高いことが好ましく、可視光(波長400〜800nm)の平均の透過率が80%以上であるものが好ましい。
<機能性層>
本発明の光学フィルムは、下記条件(1)及び(2)を満たす領域Aを含む機能性層を有する。
条件(1):領域Aは、上記機能性層の上記支持体側の界面とは反対側の表面を含み、上記表面から上記支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域である。
条件(2):領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを含有し、上記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、上記ゴム質弾性体の面積が上記領域Aの全面積に対して2.5%以上である。
本発明の光学フィルムにおいて、支持体と機能性層とは接していてもよいし、支持体と機能性層の間に他の層を有していていもよい。
(領域A)
機能性層に含まれる領域Aについて説明する。
条件(1)に示すとおり、領域Aは、機能性層の支持体側の界面とは反対側の表面を含むものであり、その表面から機能層の支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域である。
また、条件(2)に示すとおり、領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを少なくとも含有し、かつ光学フィルムの表面に垂直な方向の断面を観察した場合に、ゴム質弾性体の面積が領域Aの全面積に対して2.5%以上である。すなわち、下記式(A1)で表される領域A中のゴム質弾性体の面積比率が、2.5%以上である。
100×領域Aに含まれるゴム質弾性体の面積/領域Aの全面積 式(A1)
領域A中のゴム質弾性体の面積比率は、2.5%以上30%以下であることが好ましく、15%以上30%以下であることが更に好ましい。
領域A中のゴム質弾性体の面積比率は、光学フィルムの表面に垂直な方向の断面を切り出し透過型電子顕微鏡により5万倍で10枚測定し、この撮影画像の全面積に対する、ゴム質弾性体部の総面積を算出したものである。
(領域B)
機能性層は、領域A以外の領域を含んでいることが好ましい。領域A以外の領域を領域Bと呼ぶ。
領域Bの厚さは3μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましく、3μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
領域Bは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物を含有することが好ましい。
領域Bはゴム質弾性体を含有していてもよいが、光学フィルムの表面に垂直な方向の断面を観察した場合に、下記式(B1)で表される領域B中のゴム質弾性体の面積比率は、2.5%未満であり、2%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、領域Bにはゴム質弾性体が存在しないことが最も好ましい。
100×領域Bに含まれるゴム質弾性体の面積/領域Bの全面積 式(B1)
機能性層の厚さは3μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましく、3μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
機能性層(領域A及び領域Bの少なくともいずれか)は、必要に応じて更に、無機フィラー、紫外線吸収剤、界面活性剤を含有してもよい。
機能性層は、低透湿層であることが好ましい。
本明細書において、「低透湿層」とは、透湿度が、日本工業規格(JIS) Z−0208(1976)の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後、200g/m/day以下であることを意味するものとする。低透湿層の透湿度は、50g/m/day以上150g/m/day以下であることが好ましい。また、光学フィルムの「透湿性が低い(低透湿性)」とは、透湿度が500g/m/day以上である支持体に対して低透湿層を形成し、光学フィルムの透湿度を前述と同様に評価した場合に200g/m/day以下であることを意味するものとする。光学フィルムの透湿度は、50g/m/day以上200g/m/day以下であることが好ましく、50g/m/day以上150g/m/day以下であることがより好ましい。
図を用いて、本発明の光学フィルムについてより具体的に説明する。
図1は、本発明の光学フィルムの一例の光学フィルム表面に垂直な方向の断面を示す模式図である。図1の光学フィルム10は、セルロースアシレートを含有する支持体1と、機能性層2とを有している。機能性層2は、符号Aで示した領域Aと符号Bで示した領域Bとを有している。
領域Aは、ゴム質弾性体3と図示しない重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とを含有している。
領域Aの厚みは機能性層2の支持体1側の界面とは反対側の表面を含み、上記表面から支持体1側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmである(表面から図1に示された一点鎖線までの厚さtaの領域であり、ta=0.2μmである)。
領域Aは、ゴム質弾性体3の面積が領域Aの全面積に対して2.5%以上の領域である。
なお、図1においては、便宜上領域Aと領域Bの境界線を一点鎖線で示しているが、実際には領域Aと領域Bとの界面は存在しない場合もある。
領域Aの機能性層2の支持体1側の界面とは反対側の表面がゴム質弾性体3によって形成された凹凸を有する場合は、その凹凸における最も高い(機能性層2の支持体1側の界面から最も遠い)点を基準として厚さtaを定義するものとする。図1においては、領域Bの厚さはtbであり、機能性層全体の厚さはta+tbである。
(ゴム質弾性体)
ゴム質弾性体としては、芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有するゴム質弾性体であることが好ましい。
「芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合」とは、炭素−炭素二重結合のうち、芳香環に含まれるものを除いたものである。ゴム質弾性体としては、重合体であることが好ましく、主鎖に芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有することがより好ましく、下記一般式(B)で表される繰り返し単位を含有することがさらに好ましい。
一般式(B)
Figure 2017181806
一般式(B)中、Rb1は、水素原子又はメチル基を表す。
b1は水素原子であることが好ましい。
ゴム質弾性体は、コア−シェル粒子又はゴム質重合体であることが好ましい。
後述するように、本発明では、溶液製膜法を用いて光学フィルムを製造することが好ましいが、領域Aを形成する組成物に含有されるゴム質弾性体が、芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有することにより、溶液への溶解性及び分散性が優れたものとなり、得られる光学フィルムのヘイズ(特に内部ヘイズ)を低下させることができる。
<コア−シェル粒子>
本発明では、ゴム質弾性体としてコア−シェル構造を有する粒子(コア−シェル粒子)を用いることができる。コア−シェル粒子は、種々のポリマーの2種類(コアと1つのシェル)または3種類以上(コアと、2つ以上のシェル)の交互層を有する。コア−シェル粒子は、個々の層が、異なるガラス転移温度(Tg)のポリマーから構成されていることが好ましい。
ガラス転移温度の低いポリマーを、コアとなるゴム相と称し、ガラス転移温度の高いポリマーを、シェルとなる硬質相(hard phase)と称することとする。
コア−シェル粒子は、例えば、エマルション重合により製造することができる。コア−シェル粒子の形とサイズが、ブレンド中に変化しないように、1種以上の層を製造時に化学的に架橋させてもよい。
架橋型のコア−シェル粒子を用いることにより、製膜時に粒子径が変化することがないため、光学フィルム中に存在するコア−シェル粒子の粒子径制御が行いやすくなる。
(ゴム相)
架橋したゴム相に使用できる未架橋のベース材料は、そのガラス転移温度が好ましくは0℃未満、より好ましくは−20℃未満、特に好ましくは−40℃未満のポリマーである。
ゴム相のガラス転移温度は、個々に測定できないことが多いが、関連するモノマー組成物のエマルションポリマーを製造し、単離し、次いでガラス転移温度の測定により決定することができる。ゴム相のガラス転移温度を測定する別の方法は、新規ポリマーブレンドの動的機械的特性と、マトリックスポリマー単独の動的機械的特性を測定するものである。動的損失曲線(mechanical loss factor curves)の最大値は、ガラス転移温度の尺度として考えることができる。
コア−シェル粒子に存在するゴム相は、粒子の全体積を基準として、10〜90体積%であることが好ましく、20〜70体積%であることがより好ましく、30〜60体積%であることが更に好ましい。
コア−シェル粒子に存在する硬質相は、粒子の全体積を基準として、90〜10体積%であることが好ましく、80〜30体積%であることがより好ましく、70〜40体積%であることが更に好ましい。
コア−シェル粒子の製造方法は公知であり、その詳細は、例えば、米国特許出願第US−A−3,833,682号、同第3,787,522号、ドイツ特許出願第DE−A−2 116 653号、同第22 53 689号、同第41 32 497号、同第41 31 738号、同第40 40 986号、米国特許出願第US−A−3,125,1904号及びドイツ特許出願第DE−A−33 00 526に記載されている。
コア−シェル粒子のゴム相として使用するポリマーは、ホモポリマーまたは、2種以上のモノマーから構成されるコポリマー類であってもよい。
ゴム相として使用できるホモポリマー類またはコポリマー類は、以下のモノマー類:
共役ジエンモノマー類(例えば、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン)、モノエチレン性不飽和モノマー類、例えば、アルキル及びアリールアクリレート類(但し、アルキル基は線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、アルキル及びアリールメタクリレート類(但し、アルキル基は、線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、置換アルキル及びアリールメタクリレート及びアクリレート類(但し、置換基は、線状、環式若しくは置換アルキル基または置換アリール基であってもよい)、アクリロニトリル及び置換アクリロニトリル類(例えば、メタクリロニトリル、α−メチレングルタロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−フェニルアクリロニトリル)、アルキル−及びアリールアクリルアミド類及び置換アルキル−及びアリールアクリルアミド類、ビニルエステル及び置換ビニルエステル類、ビニルエーテル類及び置換ビニルエーテル類、ビニルアミド類及び置換ビニルアミド類、ビニルケトン類及び置換ビニルケトン類、ハロゲン化ビニル類及び置換ハロゲン化ビニル類、例えば、オレフィン性ゴムを製造するのに使用するような1つ以上の二重結合を有するオレフィン類、特に、エチレン、プロピレン、ブチレン及び1,4−ヘキサジエン、並びにビニル芳香族化合物類(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロスチレン類及びtert−ブチルスチレン類)から誘導することができる。
また、下記一般式(C)で表されるオルガノポリシロキサン類をベースとするゴム相も、コア−シェル粒子の作製に使用することができる。
一般式(C)
Figure 2017181806
上記一般式(C)中、Rは、1〜10個の炭素原子を有する同一または異なるアルキル若しくはアルケニル基、アリール基または置換炭化水素基である。なお、上記アルキル及びアルケニル基は、線状、分岐または環式であってもよい。nは2以上の自然数を表す。
フッ素化モノエチレン性不飽和化合物、例えば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン及びパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル類などをベースとするゴム相を使用することも可能である。
ゴム相は架橋していてもよく、この使用のために、ドイツ特許出願第DE−A−1 116 653号、米国特許出願第US−A−3,787,522号及び欧州特許出願第EP−A−0 436 080号に記載されているような、多官能性不飽和化合物から製造することもできる。これらの出版物には、グラフト性モノマー(grafting−on monomer)の使用も記載されている。これらの化合物は、所望により、この下にある相に対してさらにシェルを化学的に架橋するのに使用することができる。
本発明において、ゴム質弾性体としてコア−シェル粒子を用いる場合、コアを構成するゴム相は芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有する化合物からなるものであることが好ましいが、特に、ゴム質弾性体のゴム相がブタジエンに由来する繰り返し単位を有するコア−シェル粒子であることが好ましい。
(硬質相)
コア−シェル粒子の硬質相で使用することができるポリマーは、ホモまたはコポリマー類である。コポリマー類は、2種以上のモノマーから構成されていてもよい。ホモポリマー及びコポリマーとしては、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。
硬質相として使用できるホモポリマー及びコポリマー類は、以下のモノマー類:
モノエチレン性不飽和化合物類、例えば、アルキル及びアリールアクリレート類(但し、アルキル基は線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、アルキル及びアリールメタクリレート類(但し、アルキル基は、線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、置換アルキル及びアリールメタクリレート及びアクリレート類(但し、置換基は、線状、環式若しくは置換アルキル基または置換アリール基であってもよい)、アクリロニトリル及び置換アクリロニトリル類(例えば、メタクリロニトリル、α−メチレングルタロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−フェニルアクリロニトリル)、アルキル−及びアリールアクリルアミド類、ビニルエステル及び置換ビニルエステル類、ビニルエーテル類及び置換ビニルエーテル類、ビニルアミド類及び置換ビニルアミド類、ビニルケトン類及び置換ビニルケトン類、ハロゲン化ビニル類及び置換ハロゲン化ビニル類、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン)、環式オレフィン類(例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−ビニルノルボルネン)、フッ素化モノエチレン性不飽和化合物類、例えば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン及びパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル類並びに下記一般式(D)で表されるビニル芳香族化合物から誘導されていてもよい。
一般式(D)
Figure 2017181806
上記一般式(D)中、R、R及びRは、同一または異なっていてもよく、水素原子、または、線状、分岐若しくは環式アルキル基、または置換若しくは非置換アリール基であり、Arは、追加の置換基、例えば、アルキル若しくはハロゲン基などを有していてもよい、炭素数6〜18の芳香族基である。
硬質相は、架橋していてもよく、ドイツ特許出願第DE−A−2 116 653号及び米国特許出願第US−A−3,787,522号及び欧州特許出願第EP−A−0 436 080号に記載されているような多官能性の不飽和化合物から製造してもよい。これらの出版物には、グラフト性モノマーの使用も記載されている。これらの化合物は、所望により、この下にある相に対してさらにシェルを化学的に架橋するのに使用することができる。
硬質相用の未架橋ベース材料であるポリマーは、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上、特に好ましくは100℃以上のガラス転移温度を有する。
ゴム質弾性体としては、市販のコア−シェル粒子、例えば、日本特許第17514号または同第129266号に記載の、例えば、カネエースM732(株式会社カネカ製)、TAKEDA Chem. Industires.のStaphyloidグレード、Knae ACE−B製品カタログに記載のKANEKAのKane−Aceグレード、Metablen製品カタログに記載のMETABLEN Company BVのMetablen C、Metablen W及びMetablen Eグレード、例えば、Gachter/Muller Kunststoff−Additive [Plastics Additives]、Carl Hanser、Munich (1983)頁XXIX以下参照またはPARALOID BTA733カタログ、Rohm and HaasのImpact Modifiers forClear Packaging (1987)または、Rohm and HaasのPARALOID BTA−III N2 BTA−702 BTA 715カタログ(1989)に記載のGE PLASTICS製のBlendexグレードまたはROHM and HAAS製のParaloidグレードを用いることができる。
なお、コア−シェル粒子の形態としては、ブタジエンをコアとし、スチレン及びメチルメタクリレートの少なくとも一方(より好ましくはスチレン比率が10モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上)をシェルとするコア−シェル粒子(MBS)を用いることが好ましい。
また、ゴム質弾性体として、市販の重合体粒子を用いることもでき、例えば、アサプレンT439(旭化成ケミカルズ株式会社製)、クインタック3450(日本ゼオン株式会社製)などが挙げられる。
ゴム質弾性体の平均粒子径は200nm以下であることが好ましい。
(重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物)
重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物は、重合性基を2つ以上有する化合物を硬化して得られる。すなわち、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物は硬化性化合物である。硬化性化合物とは、何らかのエネルギー付与により反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はないが、特に、熱、紫外線(UV)又は放射線によって硬化する化合物であることが好ましい。
重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物は、1種類の硬化性化合物のみの硬化物であってもよいし、2種類以上の硬化性化合物の硬化物であってもよい。
重合性基としては、エチレン性不飽和二重結合を有する基が好ましく、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、−C(O)OCH=CHなどが挙げられ、(メタ)アクリロイル基、又は−C(O)OCH=CHが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
重合性基を2つ以上有する化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
光学フィルムの透湿度をより低くするという観点から、重合性基を2つ以上有する化合物は、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物、又は、フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物であることが好ましく、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物であることがより好ましい。
〔環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基とを有する化合物〕
環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数7以上の脂環式化合物から誘導される基であり、より好ましくは炭素数10以上の脂環式化合物から誘導される基であり、さらに好ましくは炭素数12以上の脂環式化合物から誘導される基である。
環状脂肪族炭化水素基としては、特に好ましくは、二環式、三環式等の、多環式化合物から誘導される基である。
より好ましくは、特開2006−215096号公報の特許請求の範囲記載の化合物の中心骨格、特開2001−10999号公報記載の化合物の中心骨格、あるいは、アダマンタン誘導体の骨格等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基としては具体的には、ノルボルナン基、トリシクロデカン基、テトラシクロドデカン基、ペンタシクロペンタデカン基、アダマンタン基、ジアマンタン基等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基(連結基含む)としては、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される基が好ましく、下記一般式(I)、(II)、又は(IV)で表される基がより好ましく、下記一般式(I)で表される基が更に好ましい。
Figure 2017181806
一般式(I)中、L及びLは各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜3の整数を表す。
Figure 2017181806
一般式(II)中、L及びLは各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2017181806
一般式(III)中、L及びLは各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2017181806
一般式(IV)中、L及びLは各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表し、Lは水素原子、単結合又は2価以上の連結基を表す。
Figure 2017181806
一般式(V)中、L及びLは各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。
、L及びLについての2価以上の連結基としては、炭素数1〜6の置換されていてもよいアルキレン基、N位が置換されていてもよいアミド結合、N位が置換されていてもよいウレタン結合、エステル結合、オキシカルボニル基、エーテル結合等、及びこれらの2以上を組み合わせて得られる基が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基を有し、かつ分子内に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する基を有する化合物は、上記の環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基が連結基を介して結合することにより構成される。
これらの化合物は、例えば、上記環状脂肪族炭化水素基を有するジオール、トリオール等のポリオールと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を有する化合物のカルボン酸、カルボン酸誘導体、エポキシ誘導体、イソシアナート誘導体等との一段あるいは二段階の反応により容易に合成することができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの化合物や、WO2012/00316A号記載の化合物(例、1、1―ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート)を用いて、上記環状脂肪族炭化水素基を有するポリオールとの反応させることにより合成することができる。
以下、環状脂肪族炭化水素基を有しエチレン性不飽和二重結合を有する基を有する化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017181806
Figure 2017181806
〔フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物〕
フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物において、分子内に有するエチレン性不飽和二重結合の数は2以上であることがより好ましい。
フルオレン環とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は下記一般式(VI)で表されることが好ましい。
Figure 2017181806
一般式(VI)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に一価の置換基を表し、j、k、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R及びRの少なくとも一方はエチレン性不飽和二重結合を有する一価の有機基を表す。
分子内にフルオレン骨格とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物として上記一般式(VI)の好ましい態様は下記一般式(VII)で表される。
一般式(VII)
Figure 2017181806
一般式(VII)中、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、r及びsはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
(ヘイズ)
本発明の光学フィルムのヘイズは2.00%未満である。この場合のヘイズは全ヘイズ(表面ヘイズと内部ヘイズとの合算)である。2.00%未満とすることで、たとえば本発明の光学フィルムを偏光板に加工した際に、透過光による散乱が抑えられるなどの観点から好ましい。また、ヘイズは1.00%未満がより好ましく、0.60%未満がより好ましい。ヘイズは、たとえばスガ試験機(株)製ヘイズメーター“HGM−2DP”を用いJIS K−7316(2000)に従って測定することができる。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムの製造方法は、セルロースアシレートを含有する支持体上に、機能性層を塗布により形成しても良いし、機能層を転写して形成しても良いし、支持体と機能性層を共流延により形成しても良く、その他公知の方法を用い製造することができる。このなかでも、セルロースアシレートを含有する支持体上に、機能性層を塗布により形成することが好ましい。この際、機能性層を1回の塗布で設けても良いし、複数回の塗布により設けても良く、塗布により設けた層上に更に層を転写することで設けても良い。なかでも複数回の塗布により機能性層を設けることが好ましい。
セルロースアシレートを含有する支持体上に、重合性基を2つ以上有する化合物を含有する第一層形成用組成物を塗布し、硬化させて、第一層を形成する工程、及び、上記第一層上に、重合性基を2つ以上有する化合物とゴム質弾性体とを含有し、上記ゴム質弾性体の含有率が全固形分に対して2.5質量%以上である第二層形成用組成物を直接塗布し、硬化させて、膜厚3μm以下の第二層を形成する工程を有する、光学フィルムの製造方法である。
光学フィルムの製造方法において、セルロースアシレートを含有する支持体、重合性基を2つ以上有する化合物、及びゴム質弾性体は、それぞれ前述のものと同様である。
上記光学フィルムの製造方法により得られた第一層と第二層とを合わせた層が前述の機能性層に対応する。
上記光学フィルムの製造方法により得られた光学フィルムにおいて、第一層と第二層との界面は存在しない場合もある。
第二層形成用組成物中のゴム質弾性体の含有率は、第二層形成用組成物の全固形分に対して、2.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
第二層形成用組成物中の重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物の含有率は、第二層形成用組成物の全固形分に対して、50質量%以上97.5質量%以下であることが好ましく、65質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
第一層形成用組成物中の重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物の含有率は、第一層形成用組成物の全固形分に対して、50質量%以上98.5質量%以下であることが好ましい。
第一層形成用組成物はゴム質弾性体を含有していてもよいが、第一層形成用組成物中のゴム質弾性体の含有率は第一層形成用組成物の全固形分に対して2.5質量%未満であり、2質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、第一層形成用組成物はゴム質弾性体を含有しないことが最も好ましい。
第二層の厚さは0.1μm以上3μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることが更に好ましい。
第一層の厚さは3μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましく、3μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
第一層形成用組成物及び第二層形成用組成物は、それぞれ更に重合開始剤及び溶剤を含有することが好ましい。
<重合開始剤>
重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
第一層形成用組成物及び第二層形成用組成物中の重合開始剤の含有率は、それぞれの組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、各種有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MiBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
第一層形成用組成物及び第二層形成用組成物の固形分の濃度はそれぞれ独立に、1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、1〜30質量%であることが更に好ましい。
第一層形成用組成物及び第二層形成用組成物の塗布方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられる。マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号公報参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
第一層形成用組成物及び第二層形成用組成物は、それぞれ塗布された後、溶剤を乾燥するために加熱乾燥されることが好ましい。その際の温度は25℃〜140℃が好ましい。
溶剤の乾燥の後に、電離放射線照射により各層を硬化させることが好ましい。例えば塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプにより10mJ/cm〜1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射して塗膜を硬化するのが好ましい。紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして用いることが好ましい。
[偏光板]
本発明の偏光板は、上記光学フィルムと、偏光子とを含む偏光板であって、上記光学フィルムの機能性層と、偏光子とが接着剤層を介して貼り合わされている偏光板である。
接着剤層を形成するための接着剤としては、特に限定されないが、製造の効率化の観点から、紫外線硬化型接着剤であることが好ましい。
紫外線硬化型接着剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2015−40283号公報、特開2015−187744号公報、特開2015−11094号公報などに記載の紫外線硬化型接着剤を用いることができる。
本発明の偏光板において、偏光子の本発明の光学フィルムと貼り合わされている面とは反対側の面は、別の本発明の光学フィルムと貼り合わされていてもよいし、本発明の光学フィルム以外の保護フィルムと貼り合わされていてもよい。
本発明の偏光板について図を用いて具体的に説明する。
図2は、本発明の偏光板の一例の模式図である。
図2の偏光板20は、光学フィルム10の機能性層2と偏光子5とが、接着剤層4を介して貼り合わされている。また、偏光子5の光学フィルム10と張り合合わされている面とは反対の面は、接着剤層4を介して、保護フィルム6と貼り合わされている。保護フィルム6は、本発明の光学フィルムであってもよいし、その他のフィルムであってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された本発明の偏光板とを含むものであり、耐久性の観点から上記偏光板中に含まれる本発明の光学フィルムが最表面側(偏光子の液晶セルから遠い側)に配置されたものであることが好ましい。
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、及び必要に応じて上記液晶セルと上記偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
本発明では、様々な表示モードの液晶セルを用いることができ、例えば、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
<光学フィルムの作製>
下記表1及び表2に記載の組成にて各成分を混合し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、塗布組成物を調製した。
下記表1及び表2において、固形分とは、塗布組成物中の溶剤を除いた全成分を示す。
Figure 2017181806
Figure 2017181806
・カネエースM732(株式会社カネカ製):ブタジエンをコアとし、メチルメタクリレートをシェルとするコア−シェル粒子(MBS粒子)スチレン比率15モル%、平均粒子径70nm
・アサプレンT439(旭化成ケミカルズ株式会社製):スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)スチレン比率45モル%、重量平均分子量64000、平均粒子径100nm
・クインタック3450(日本ゼオン株式会社製):スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)スチレン比率19モル%、重量平均分子量192000、平均粒子径150nm
・ADCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成株式会社製アロニックスM400)
・PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成株式会社製アロニックスM305)
・Irg127:2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社製IRGACURE127)
支持体としてフジタックTG60(富士フイルム(株)製 厚み60μmのセルロースアシレートフィルム)をロール形態から巻き出して、下記表3に示した塗布組成物を使用し、特開2006−122889号公報実施例1に記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で、支持体上に塗布した。その後、支持体の温度を温度25℃として160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量100mJ/cmの紫外線を照射して塗膜を硬化させ、第一層を形成した。さらに第一層上に直接、下記表3に示した塗布組成物を上記と同様に塗布した。その後支持体の温度を温度25℃として硬化(照度400mW/cm、300mJ/cm)させ、第二層を形成した。その後、得られた積層体を巻き取り、支持体上に第一層及び第二層を有する光学フィルムを得た。ただし、比較例2では第二層を設けなかった。
なお、実施例の光学フィルムにおいては、第一層と第二層を合わせた層が機能性層(低透湿層)である。
(偏光子の作製)
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上のポリビニルアルコールからなる厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。
引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された偏光子を得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行ない、トータルの延伸倍率は5.3倍であった。
(紫外線硬化型接着剤の調製)
下記のように紫外線硬化型接着剤Ad1〜Ad3を調製した。
Ad1:特開2015−40283号公報の実施例2と同様に紫外線硬化型接着剤を調製した。
Ad2:特開2015−187744号公報の実施例1と同様に紫外線硬化型接着剤を調製した。
Ad3:特開2015−11094号公報の実施例1と同様に紫外線硬化型接着剤を調製した。
(環状オレフィン系樹脂フィルムの作製)
環状オレフィン系樹脂であるJSR(株)製の「アートン G7810」をメチレンクロライドに20質量%の固形分濃度で溶解させ、乾燥膜厚が50μmになるようにガラス基板上に塗布し、その後、はぎ取り、120℃で30分乾燥させ、環状オレフィン系樹脂フィルム(50μm)を得た。
(貼り合わせ)
上記で作製した各光学フィルムの第二層(比較例2では第一層)に、VETAPHONE社製VE1A−Aを用いて400W・min/mの条件でコロナ放電照射を施し、紫外線硬化型接着剤を使用し、上記偏光子の片面に貼り合わせた。偏光子のもう一方の面には、同様にコロナ処理された環状オレフィン系樹脂フィルムを貼り合せた。
(ゴム質弾性体の面積比率の測定方法)
光学フィルムの機能性層の表面から機能性層のセルロースアシレートフィルム支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域を領域Aとし、それ以外の領域を領域Bとした。
領域A中のゴム質弾性体の面積比率は、光学フィルムの表面に垂直な方向の断面を切り出し透過型電子顕微鏡により5万倍で10枚測定し、この撮影画像の全面積に対する、ゴム粒子(ゴム質弾性体)部の総面積を算出した。
<光学フィルムの評価>
得られた光学フィルム及びそれを用いた偏光板について、透湿度、偏光子剥離力、デラミネーション、ヘイズ、張り付き、及び水滴状ムラを下記方法で評価した。
(透湿度)
直径70mmに切り出した光学フィルム試料を40℃、相対湿度90%で24時間調湿し、JIS Z−0208(1976)記載の方法により測定した。
(偏光子剥離力)
JIS規格:JIS Z−0237(2009)に従い、25mm幅にスリットした偏光板試料の端面のフィルムと偏光子との間にカッターで深さ60μm、長さ25mmの切れ込みを入れ、この切れ込みを入れた部分の光学フィルムと偏光子を把持して光学フィルムを偏光子から光学フィルム表面に垂直な方向に剥離し、その際の剥離力を引っ張り試験機にて算出した。
(デラミネーション)
作製した偏光板を80℃の恒温槽(エスペック(株)製)に24時間入れた後、温度25℃、相対湿度60%の部屋で調湿を1時間行った後に、4cm×4cmのトムソン刃((株)ナカヤマ製)による打ち抜き器によって5枚打ち抜きを行った。
打ち抜いた4cm×4cmの偏光板試料について、その各辺の剥がれ具合を、以下の基準に基づいて点数化した。
0.00点:剥がれ、クラックの発生がない。
0.25点:剥がれ、クラックの発生がしている領域が、一辺の25%以下。
0.50点:剥がれ、クラックの発生がしている領域が、一辺の25%超から50%以下。
0.75点:剥がれ、クラックの発生がしている領域が、一辺の50%超から75%以下。
1.00点:剥がれ、クラックの発生がしている領域が、一辺の75%超。
5枚の偏光板試料のすべての辺の点数を合計し、以下のように評価した。
A:合計点数が0.00〜5.00点
B:合計点数が5.00点より大きい
(張り付き)
10cm×10cmの光学フィルムを2枚、1枚目の第二層(比較例2は第一層)と2枚目の支持体が接触するように積層し、5kg重の荷重を掛けた状態で90℃で2時間経時後の光学フィルム同士の接着面積を積層状態での面内の透過率分布により測定した。光学フィルム同士が接着している部分の透過率は、接着していない場合に比べて上昇することから、上記試験の結果より張り付き面積を算出した。
A:貼りつき面積30%未満
B:貼りつき面積30%以上
(ヘイズ)
ヘイズの測定は、切り出した光学フィルム試料40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%にて、スガ試験機(株)製ヘイズメーター“HGM−2DP”を用いJIS K−7316(2000)に従って測定した。
(水滴状ムラ)
偏光板試料のセルロースアシレートフィルム支持体上に水を湿らせた脱脂綿を配置し水が乾かないように上からカバーをした後、3日間25℃で放置する。経時後、脱脂綿を取り外し水をふき取った後25℃、相対湿度60%で1時間放置した後、白色光源上で別途用意した偏光板(サンリッツ製、スーパーハイコントラスト)を用い、クロスニコル状態で偏光板の色味を観察する。
A:脱脂綿部分に明確な色変化がない場合
B:脱脂綿部分に明確な色変化が観察される場合
(透過光の視認性)
液晶表示装置(LGD製 42LS5600)を用い、この液晶表示装置に組み込まれていた視認側偏光板を、各実施例および比較例の光学フィルムを用いて作製した各偏光板に替えた。この際、各実施例および比較例の光学フィルム側が視認側となるように配置した。
液晶表示装置にてカラーバーや格子線を表示させ、視認性を目視で確認した。
A:透過光に散乱の影響は感じられず問題ない。
B:透過光の散乱がわずかに感じられるが問題ない。
C:透過光が散乱され視認性に若干劣るが問題ない。
D:透過光が散乱され視認性に劣る。
Figure 2017181806
1;セルロースアシレートを含有する支持体
2;機能性層
3;ゴム質弾性体
4:接着剤層
5:偏光子
6:保護フィルム
10:光学フィルム
20:偏光板
A;領域A
B;領域B

Claims (11)

  1. セルロースアシレートを含有する支持体と、下記条件(1)及び(2)を満たす領域Aを含む機能性層とを有し、ヘイズが2.00%未満である光学フィルム。
    条件(1):領域Aは、前記機能性層の前記支持体側の界面とは反対側の表面を含み、前記表面から前記支持体側の界面に向かって膜厚方向に0.2μmの領域である。
    条件(2):領域Aは、重合性基を2つ以上有する化合物の硬化物とゴム質弾性体とを含有し、前記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、前記ゴム質弾性体の面積が前記領域Aの全面積に対して2.5%以上である。
  2. 前記光学フィルムの表面に垂直な方向の断面において、前記領域A中の前記ゴム質弾性体の面積が前記領域Aの全面積に対して30%以下である請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記機能性層の厚さが3μm以上15μm以下である請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記ゴム質弾性体が、下記一般式(B)で表される繰り返し単位を含有する重合体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    一般式(B)
    Figure 2017181806

    一般式(B)中、Rb1は、水素原子又はメチル基を表す。
  5. 前記ゴム質弾性体が、コア−シェル構造を有する粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記重合性基を2つ以上有する化合物が、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基とを有する化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記機能性層が低透湿層である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムと、偏光子とを含む偏光板であって、
    前記光学フィルムの前記機能性層と、前記偏光子とが接着剤層を介して貼り合わされている偏光板。
  9. 液晶セルと、前記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された請求項8に記載の偏光板とを含む液晶表示装置。
  10. セルロースアシレートを含有する支持体上に、重合性基を2つ以上有する化合物を含有する第一層形成用組成物を塗布し、硬化させて、第一層を形成する工程、及び、
    前記第一層上に、重合性基を2つ以上有する化合物とゴム質弾性体とを含有し、前記ゴム質弾性体の含有率が全固形分に対して2.5質量%以上である第二層形成用組成物を直接塗布し、硬化させて、膜厚3μm以下の第二層を形成する工程を有する、光学フィルムの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムの前記機能性層と、偏光子とを紫外線硬化型接着剤により貼り合わせる工程を有する、偏光板の製造方法。
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