JP2008156413A - 塗料と積層膜及びその製造方法並びに積層膜付き基材 - Google Patents

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直 根矢
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Abstract

【課題】1回の塗布で2層構造の積層膜を安価かつ容易に作製することが可能な塗料と積層膜及びその製造方法並びに積層膜付き基材を提供する。
【解決手段】本発明の塗料は、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有してなる塗料であり、この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量は0.5以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料と積層膜及びその製造方法並びに積層膜付き基材に関し、更に詳しくは、1回の塗布で2層構造の積層膜を容易に作製することが可能な塗料、この塗料を用いて得られた積層膜及びその製造方法、この積層膜を基材上に形成した積層膜付き基材に関するものである。
従来、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムやポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のフィルム、あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等のシートからなるプラスチック基材上に、ハードコート、帯電防止等の複数の機能を有する単一膜を形成した膜付きプラスチック基材が提供されている。
この膜付きプラスチック基材は、プラスチック基材の表面に、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂と、スズ含有酸化インジウム(ITO)や銀(Ag)等の導電性粒子とを含有した塗料を塗布し、その後硬化させることにより得られるもので、単一の塗料を用い、しかも一回の塗工により、プラスチック基材にハードコート機能、帯電防止機能等の複数の機能を付与することができる。
このような膜付きプラスチック基材の一例として、表面に、帯電防止性を有するハードコート膜が形成された帯電防止性プラスチックが提案されている。この帯電防止性プラスチックは、一次粒子径が0.5ミクロン以下のアンチモン酸亜鉛を、分散剤を用いて、分子中に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性(メタ)アクリレート中に分散させたヘイズ(曇価)が1.5以下の透明性を有する帯電防止性ハードコート樹脂組成物を、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート等のプラスチック表面に塗布し、その後硬化させることにより得られる(特許文献1)。
また、上記のプラスチック基材上に、ハードコート機能、帯電防止機能、高屈折率機能等を有する積層膜を形成した膜付きプラスチック基材も提供されている。
この膜付きプラスチック基材の例として、プラスチックフィルムの一面に、ハ−ドコート層と、導電性とハードコート性を有する帯電防止性ハードコート層とを積層した帯電防止性ハードコートフィルム(特許文献2)、透明基材フィルムの上面に、透明導電層とハードコート層とを積層した帯電防止性ハードコートフィルム(特許文献3)等が提案されている。
特開平10−231444号公報 特開2002−329598号公報 特開平11−42729号公報
ところで、従来の帯電防止性プラスチックでは、単一の組成物である帯電防止性ハードコート樹脂組成物をプラスチック表面に塗布するという一回の塗工により、ハードコート機能と、帯電防止機能を同時にプラスチックに付与することができるという利点を有するものの、このプラスチックに十分な帯電防止機能を発現させるためには、アンチモン酸亜鉛を、紫外線硬化性(メタ)アクリレート1重量部に対して1.5重量部以上添加しなければならず、アンチモン酸亜鉛を多量に含んでいる分、製造コストが上昇し、製膜性も低下する虞があるという問題点があった。
また、従来の帯電防止性ハードコートフィルムでは、積層膜のうち帯電防止性ハードコート層や透明導電層を、導電性無機粒子を含む塗料を用いて作製することにより、膜全体の無機粒子含有量を低減することができるという利点を有するものの、積層膜を構成する層の数だけ塗工を繰り返す必要があり、工程数が増加し、製造コストも上昇するという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、1回の塗布で2層構造の積層膜を安価かつ容易に作製することが可能な塗料と積層膜及びその製造方法並びに積層膜付き基材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有する塗料に含まれる全樹脂成分の水酸基のモル当量を0.5以下とすれば、光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層及び無機粒子を主成分とする無機粒子層の2層構造の積層膜が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の塗料は、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有してなる塗料であって、この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量は、0.5以下であることを特徴とする。
前記無機粒子は、インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、チタンの群から選択される1種または2種以上を含む金属酸化物粒子であることが好ましい。
前記光硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
前記溶媒は、アルコール、ケトン、エステル、モノエーテルの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の積層膜は、本発明の塗料を用いて形成してなる積層構造の塗膜であって、前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなることを特徴とする。
本発明の積層膜の製造方法は、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することにより、前記溶媒を散逸させるとともに前記基材上に、前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなる積層膜を形成することを特徴とする。
本発明の積層膜付き基材は、基材上に、本発明の塗料を用いて塗膜が形成され、この塗膜は、基材上に形成された前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、この樹脂層上に形成された前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなることを特徴とする。
本発明の塗料によれば、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有してなる塗料に含まれる光硬化性樹脂の水酸基のモル当量を、0.5以下としたので、この塗料における光硬化性樹脂と無機粒子との親和性が低下することにより、この光硬化性樹脂と無機粒子が分散した溶媒との間に相分離が生じ、その結果、溶媒より比重の高い光硬化性樹脂が膜の下方に、無機粒子が分散した溶媒が膜の上方に、それぞれ移動することとなり、よって、光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、無機粒子を主成分とする無機粒子層の2層構造の積層膜が容易に得られる。したがって、1回の塗布で2層構造の積層膜を安価かつ容易に作製することができる。
本発明の積層膜によれば、本発明の塗料を用いて、光硬化性樹脂を主成分とする光硬化性樹脂層と、無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなる積層構造の塗膜としたので、1つの積層膜で複数の機能を発現することができ、従来では複数の機能を発現させるために多量に必要であった無機粒子の含有率を低下させることができる。
また、1回の塗布で作製可能であるので、製造工程の短縮を図ることができ、その結果、製造コストを削減することができる。
本発明の積層膜の製造方法によれば、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することにより、前記溶媒を散逸させるとともに前記基材上に、前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなる積層膜を形成するので、1回の塗布で2層構造の積層膜を作製することができる。したがって、製造工程を短縮することができ、製造コストを低減することができる。
本発明の積層膜付き基材によれば、基材上に、本発明の塗料を用いて、光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、無機粒子を主成分とする無機粒子層とを積層した2層構造の塗膜を形成したので、1つの積層膜で複数の機能を発現することができ、しかも、製造工程の短縮、製造コストの削減を図ることができる。
本発明の塗料と積層膜及びその製造方法並びに積層膜付き基材を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の塗料は、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有してなる塗料であり、この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量が0.5以下、好ましくは0.3以下である塗料である。
ここで、光硬化性樹脂とは、紫外線、近赤外線、遠赤外線等の光を照射することで硬化する樹脂のことであり、紫外線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂、遠赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。
この光硬化性樹脂が複数種の光硬化性樹脂を含む場合には、これら全光硬化性樹脂の全体量における水酸基のモル当量が0.5以下、好ましくは0.3以下である。
ここで、この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量を0.5以下と限定した理由は、モル当量が0.5を越えると、光硬化性樹脂と無機粒子との親和性が大きくなり、したがって、この無機粒子が光硬化性樹脂中に均一に分散した状態となり、その結果、この光硬化性樹脂と無機粒子が分散した溶媒との間に相分離が生じ難くなり、光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、無機粒子を主成分とする無機粒子層の2層構造の積層膜が得られないからである。
この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量を0.5以下、好ましくは0.3以下とするためには、主成分である光硬化性樹脂の水酸基のモル当量を実質的に0とすることが好ましい。すなわち、実質的に水酸基を分子中に含有しない光硬化性樹脂が好ましい。
この光硬化性樹脂が1種類の光硬化性樹脂からなる場合、あるいは複数種(n種類)の光硬化性樹脂を混合してなる場合、のいずれにおいても、この光硬化性樹脂の全樹脂成分の水酸基のモル当量CEOHは、含まれるn種類の樹脂Rn各々の一分子中の水酸基の数Nと、各樹脂Rnのモル数Mnを用いた下記式(1)にて算出することができる。
Figure 2008156413
このような光硬化性樹脂としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
これらの樹脂は、樹脂層に付与される特性に応じて適宜選択することができる。
無機粒子としては、インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、チタンの群から選択される1種または2種以上を含む金属酸化物粒子が好ましい。
例えば、帯電防止機能及び高屈折率機能を付与するためには、アンチモン添加酸化スズ(ATO)、スズ添加酸化インジウム(ITO)、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモン、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、亜鉛添加酸化インジウム(IZO)等が好適に用いられ、また、高屈折率機能及びハードコート機能を付与するためには、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が好適に用いられる。
これら光硬化性樹脂と無機粒子との比率は、本発明の塗料を用いて得られる積層膜が所望の特性を発現することができるように、設定される光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層及び無機粒子を主成分とする無機粒子層各々の膜厚から設定される。
例えば、帯電防止機能及び高屈折率機能を有する積層膜の場合、光硬化性樹脂(R)と無機粒子(I)との重量比(R:I)は、99:1〜50:50等である。
溶媒としては、光硬化性樹脂より比重が低く、無機粒子を凝集させずに均一分散することができ、かつ、光硬化性樹脂を溶解することができるものであれば特に限定されないが、アルコール、ケトン、エーテルの群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
このアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
また、ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等が挙げられる。
また、エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。
また、モノエーテルとしては、β−オキシエチルメチルエーテル(メチルセロソルブ)、β−オキシエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ブチル−β−オキシエチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコールのモノエーテル(セロソルブ)が挙げられる。
この塗料には、用途や仕様に応じて、上記以外の無機化合物、分散剤、硬化剤、重合開始剤等を含有していてもよい。
上記以外の無機化合物としては、マグネシウム、セリウム、ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含む無機化合物が好適に用いられ、例えば、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられる。
本発明の塗料は、光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒と、必要に応じて上記以外の無機化合物や分散剤等をビーズミル等の分散機を用いて均一に分散させることで作製することができる。
次に、本発明の塗料を用いて本発明の積層膜付き基材を製造する方法について図1に基づき説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材1を用意する。この基材1としては、特に限定されず、プラスチック基材、ガラス基材を挙げることができ、その形状としては、平板、フィルム、シート等いずれであってもよい。
このプラスチック基材としては、透明プラスチックシートや透明プラスチックフィルム等が挙げられる。このプラスチック基材の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースアセテート、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテル、ポリイミド、エポキシ、フェノキシ、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン等から適宜選択することができる。
次いで、この基材1上に、本発明の塗料を塗布し、塗布膜2とする。
塗布方法としては、例えば、バーコート法、スピンコート法、ディップ法、グラビアコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ロールコート法、メニスカスコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
次いで、この塗布膜2を室温、大気中にて乾燥するか、あるいは所定の温度、例えば、30℃〜200℃の温度にて乾燥する。
この乾燥過程においては、この塗布膜2、すなわち塗料に含まれる全樹脂成分の水酸基のモル当量を0.5以下としたことにより、この塗布膜2における光硬化性樹脂と無機粒子との親和性が低下し、この塗布膜2中の無機粒子は光硬化性樹脂中に均一分散することなく、この光硬化性樹脂と無機粒子を含む溶媒との間に相分離が生じる。
この相分離により、図1(b)に示すように、溶媒より比重の高い光硬化性樹脂2aが塗布膜2の下方に、無機粒子が分散した無機粒子含有溶媒2bが塗布膜2の上方に、それぞれ移動することとなり、この過程で無機粒子含有溶媒2b中の溶媒が散逸する。これにより、図1(c)に示すように、下方側に光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層3が、上方側に無機粒子を主成分とする無機粒子層4がそれぞれ形成されることとなり、その結果、樹脂層3と無機粒子層4とを積層した2層構造の積層膜5が得られることとなる。
以上により、1回の塗布で2層構造の積層膜5を安価かつ容易に作製することができる。
また、この無機粒子層4の上に低屈折率層を設けることにより、反射防止膜を低コストで作製することができる。
さらに、無機粒子を、導電性粒子、高屈折率粒子のいずれか、あるいは双方を含むものとすれば、帯電防止層、高屈折率層、ハードコート層等を適宜形成することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
ここでは、無機粒子としてアンチモン添加酸化スズ(ATO)を用いた帯電防止性高屈折率層と、紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)を用いたハードコート層とからなる積層膜を作製し、評価した。
[実施例1]
「ATO分散液の調整」
ATO 20重量部
界面活性剤 2重量部
メチルエチルケトン 78重量部
を配合し、この配合物をボールミルにて24時間混合・分散させ、ATO分散液を調整した。
「塗料の調整」
ATO分散液 8重量部
紫外線硬化性樹脂 30重量部
光重合開始剤 3重量部
有機溶媒 59重量部
(エチレングリコールとジアセトンアルコールとメチルエチルケトンの混合物)
を配合し、ロールミルにて攪拌・混合し、塗料Aとした。
なお、紫外線硬化性樹脂としては、KAYARAD DPHA(日本化薬社製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基無し、分子量579)55〜65重量部とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(一分子当り水酸基1個、分子量525)35〜45重量部の混合物)15重量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(水酸基無し、分子量226)15重量部とを混合したものを用いた。
これらジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート各々の水酸基モル当量、及び全樹脂の水酸基モル当量を上記の式(1)を用いて算出したところ、表1のようになった。
Figure 2008156413
「膜付き基材の作製」
次いで、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み80μm、屈折率1.49)の一面に、バーコート法により塗料Aを塗布し、70℃にて3分間加熱乾燥した後、紫外線を照射して硬化させ、実施例1の膜付き基材を得た。
[実施例2]
紫外線硬化性樹脂として、KAYARAD DPHA(日本化薬社製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基無し、分子量579)55〜65重量部とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(一分子当り水酸基1個、分子量525)35〜45重量部の混合物)15重量部と、1,4−ブタンジオールジアクリレート(水酸基無し、分子量198)15重量部とを混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の膜付き基材を得た。
なお、この紫外線硬化性樹脂における全樹脂の水酸基モル当量を上記の式(1)を用いて算出したところ、0.13〜0.15であった。
[実施例3]
紫外線硬化性樹脂として、KAYARAD DPHA(日本化薬社製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基無し、分子量579)55〜65重量部とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(一分子当り水酸基1個、分子量525)35〜45重量部の混合物)15重量部と、ネオペンチルグリコールジアクリレート(水酸基無し、分子量212)15重量部とを混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の膜付き基材を得た。
なお、この紫外線硬化性樹脂における全樹脂の水酸基モル当量を上記の式(1)を用いて算出したところ、0.13〜0.16であった。
[比較例]
紫外線硬化性樹脂として、KAYARAD DPHA(日本化薬社製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基無し、分子量579)55〜65重量部とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(一分子当り水酸基1個、分子量525)35〜45重量部の混合物)28重量部と、KAYARAD R−167(日本化薬社製:1,6-hexanediylbis[oxy(2-hydroxypropane-1,3-diyl)] diacrylate:一分子当り水酸基2個、分子量374)2重量部とを混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例の膜付き基材を得た。
なお、この紫外線硬化性樹脂における全樹脂の水酸基モル当量を上記の式(1)を用いて算出したところ、0.62〜0.71であった。
[膜付き基材の評価]
実施例1〜3及び比較例各々の膜付き基材の積層状態、膜厚、表面抵抗、屈折率及び鉛筆硬度を下記の方法により評価した。
(1)積層状態
透過電子顕微鏡(TEM) H−800(日立製作所社製)を用いて膜付き基材の断面を観察した。
(2)接触測定による膜厚
接触式膜厚測定装置を用いて膜付き基材の厚みを測定し、この測定値から基材の厚みである80μmを差し引いた値を積層膜全体の厚みとした。
(3)分光測定による膜厚
分光光度計 U−3500(日立製作所社製)を用いて膜付き基材の膜の厚みを測定した。
(4)表面抵抗
Hiresta IP(HAプローブ:三菱化学社製)を用いて、四端子法により膜付き基材の膜の表面抵抗を測定した。
(5)屈折率
分光光度計 U−3500(日立製作所社製)を用いて膜付き基材の膜の屈折率を測定した。
(6)鉛筆硬度
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、膜付き基材の膜における鉛筆硬度を測定した。ただし、鉛筆として硬度が2Hの鉛筆を用い、負荷荷重を500gとし、傷の入らなかった本数/試験本数にて評価した。
これらの評価結果を表2に示す。
Figure 2008156413
以上の結果から、実施例1〜3では、接触測定による膜厚よりも分光測定による膜厚が薄いことと、膜付き基材のTEMによる断面観察とから、ATO粒子が膜表面近傍に集合して無機粒子層を形成しており、樹脂層、無機粒子層が積層した2層構造の積層膜が形成されていることが確認された。
一方、比較例では、接触測定による膜厚と分光測定による膜厚とが等しいことと、膜付き基材のTEMによる断面観察とから、ATO粒子が膜全体に分散していることが分かった。
本発明の一実施形態の積層膜付き基材の製造方法を示す過程図である。
符号の説明
1 基材
2 塗布膜
2a 光硬化性樹脂
2b 無機粒子含有溶媒
3 樹脂層
4 無機粒子層
5 積層膜

Claims (7)

  1. 光硬化性樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含有してなる塗料であって、
    この光硬化性樹脂の水酸基のモル当量は、0.5以下であることを特徴とする塗料。
  2. 前記無機粒子は、インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、チタンの群から選択される1種または2種以上を含む金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1記載の塗料。
  3. 前記光硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の塗料。
  4. 前記溶媒は、アルコール、ケトン、エステル、モノエーテルの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の塗料。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の塗料を用いて形成してなる積層構造の塗膜であって、
    前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなることを特徴とする積層膜。
  6. 基材上に、請求項1ないし4のいずれか1項記載の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することにより、前記溶媒を散逸させるとともに前記基材上に、前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなる積層膜を形成することを特徴とする積層膜の製造方法。
  7. 基材上に、請求項1ないし4のいずれか1項記載の塗料を用いて塗膜が形成され、
    この塗膜は、基材上に形成された前記光硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、この樹脂層上に形成された前記無機粒子を主成分とする無機粒子層とからなることを特徴とする積層膜付き基材。
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