JP2014170130A - 光学フィルム及びその製造方法、偏光板ならびに液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分の透過を低減することのできる光学フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】基材フィルム上に、下記(A)及び下記(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する光学フィルム。
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム及びその製造方法、偏光板ならびに液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は、液晶テレビや、パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの液晶パネル等の用途で広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。ここで、偏光板は偏光子とその両側の保護フィルムとからなり、一般的な偏光子は延伸されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムをヨウ素又は二色性色素で染色することにより得られ、保護フィルムとしてはセルロースエステルフィルムなどが用いられている。
最近の液晶表示装置は、高品質化とともに、用途も多様化し、耐久性への要求が厳しくなってきている。例えば、屋外用途での使用においては環境変化に対する安定性が求められ、液晶表示装置に用いられる上記の偏光板用保護フィルムや光学補償フィルムなどの光学フィルムについても温度や湿度変化に対する寸法や光学特性の変化を抑えることが求められる。
高温高湿の環境下に晒される液晶表示装置の問題としては、液晶表示装置の液晶セルの反りや光漏れの発生があるが、これは偏光板およびそれを構成する光学フィルム、特に偏光子に水分が吸湿および脱着することにより、液晶表示装置の液晶セルの前面および背面の偏光板に収縮差が生じてバランスが崩れ液晶セルが反り、液晶セルの四隅や四辺が筐体や背面側の部材と接触して光漏れが生じることが原因と考えられている。このため、偏光板の保護フィルムに対しては、湿度依存性や湿熱耐久性の改善が求められてきたが、抜本的な改良のためには、環境変化で水分の吸湿および脱着を抑制する必要があり、特に偏光板の最表面の光学フィルムには、水分を通しにくい性能、すなわち透湿度の低減が求められる。
特許文献1には、透明性が高く、低吸湿性、高耐熱性、力学的強度の高い光学フィルムの提供を目的として、セルロースエステルにポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂を多量添加した光学フィルムが開示されている。
一方、基材フィルム上に、塗布層を設けたフィルムも知られている。例えば、特許文献2には、膜厚80μmのセルロースアシレートである基材フィルム上に、分子内に環状脂肪族炭化水素基と2個以上の不飽和二重結合基を有する化合物を有する組成物から形成されてなる塗布層を設けたフィルムが記載されている。
国際公開第2009/047924号 特開2006−83225号公報
しかしながら、特許文献2の低透湿フィルムは透湿度低減効果が充分ではなく、より低い透湿度を得ようとすると低透湿層(硬化層)の膜厚を厚くする必要があり、フィルムのカールの問題などが起こる。従って、膜厚が薄くても透湿度を充分に低下させることのできる低透湿層を備えた光学フィルムが要求されていた。
上記のような状況に鑑みて、本発明の目的、すなわち本発明が解決しようとする課題は、水分の透過を低減することのできる光学フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、上記光学フィルムを用いた偏光板を提供することである。本発明の更に別の目的は、高温高湿環境経時後の光漏れが改善された液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、基材フィルム上に、トリシクロデカンジアクリレートなどの環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれかを硬化して形成された層を積層したフィルムを出発に、前記層の膜厚を一定として透湿度を低下させること、即ち、前記層の水蒸気バリア性を高める検討を行った。その結果、シリカ微粒子等の無機微粒子は基本的に親水性素材であり、水蒸気バリア性を低下させる、即ち透湿度を上昇させることが分かった一方、驚くべきことに、シリカ微粒子等の無機微粒子が特定サイズ域に限って透湿度を低減する効果があることを偶然見出し、本発明の完成に至った。
本発明が解決しようとする課題は、下記の手段により解決することができる。
[1]
基材フィルム上に、下記(A)及び下記(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する光学フィルム。
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
[2]
上記硬化性組成物が、上記(B)の無機微粒子を硬化性組成物の全固形分に対して10〜80質量%含有する、[1]に記載の光学フィルム。
[3]
上記環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物の環状脂肪族炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
Figure 2014170130

一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
[4]
上記硬化性組成物が、上記(A)の化合物を硬化性組成物の全固形分に対して20〜80質量%含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5]
上記(B)の無機微粒子が、シリカ微粒子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6]
上記(B)の無機微粒子が、シランカップリング剤によって表面処理されたものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム。
[7]
上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物が、活性エネルギー線硬化性組成物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
[8]
上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物が更に(C)ロジン化合物を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルム。
[9]
上記(C)ロジン化合物が酸変性ロジンである、[8]に記載の光学フィルム。
[10]
上記光学フィルムの透湿度が5.0〜100g/m/dayである、[1]〜[9]のいずれかに記載の光学フィルム。
(ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。)
[11]
上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度が5.0〜100g/m/dayである、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学フィルム。
(ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度は以下の式(1)によって算出される。
1/J=1/J+1/J ・・・・・ 式(1)
上記式(1)中、Jは光学フィルムを基材フィルムと、上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とに分離したときの上記層の透湿度を表し、光学フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJとする。)
[12]
上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の膜厚が10μmであるときの上記層の換算透湿度が、5.0〜100g/m/dayである、[1]〜[11]のいずれかに記載の光学フィルム。
(ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。膜厚10μmの上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度は以下の式(2)によって算出される。
×d/10 ・・・・・ 式(2)
上記式(2)中、Jは光学フィルムを基材フィルムと、上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とに分離したときの上記層の透湿度を表し、d[μm]は上記層の膜厚を表す。)
[13]
上記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである[1]〜[12]のいずれかに記載の光学フィルム。
[14]
上記基材フィルムが主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である、[1]〜[11]のいずれかに記載の光学フィルム。
[15]
上記光学フィルムが上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層上にハードコート層を更に有する、[1]〜[14]のいずれかに記載の光学フィルム。
[16]
基材フィルム上に下記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する光学フィルムの製造方法。
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
[17]
偏光子と、上記偏光子の保護フィルムとして[1]〜[15]のいずれかに記載の光学フィルムとを少なくとも1枚含む偏光板。
[18]
液晶セルと、上記液晶セルの少なくとも一方に配置された[17]に記載の偏光板とを含み、上記光学フィルムが最表層となるように配置された液晶表示装置。
本発明により、水分の透過を低減することのできる光学フィルムおよびその製造方法を提供することができる。本発明の光学フィルムを用いることで、高温高湿環境経時後の光漏れ発生が抑えられた液晶表示装置を提供することができる。
以下において、本発明の偏光板やその製造方法、それに用いる添加剤などについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「アクリル樹脂」とはメタクリル酸又はアクリル酸の誘導体を重合して得られる樹脂、及びその誘導体を含有する樹脂を意味するものとする。また、特に限定しない場合には、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを表す。
更に、フィルムの「遅相軸方向」とはフィルム面内で屈折率が最大となる方向で、「進相軸方向」とはフィルム面内で遅相軸と直交する方向を意味するものとする。
[光学フィルム及び光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムは、基材フィルム上に、下記(A)及び下記(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層(以下、「低透湿層」ともいう)を有する。
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
本発明において、低透湿層とは、前述のように、前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層をいい、透湿度が5.0〜100g/m/dayであることが好ましい。
本発明は、前記光学フィルムの製造方法に関するものでもある。
本発明の光学フィルムの製造方法は、基材フィルム上に前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して低透湿層を形成する工程を有する。
(光学フィルムの透湿度)
本発明の光学フィルムは、前記(A)と(B)とを含有する硬化性組成物を硬化して形成されることにより、前記(A)と(B)の相乗効果により顕著に透湿度低減を達成することができる。
本発明の光学フィルムは、透湿度が5.0〜100g/m/dayであることが好ましい。ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
本発明の光学フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。
本発明の光学フィルムの透湿度は、90g/m/day以下であることが好ましく、80g/m/day以下であることがより好ましく、70g/m/day以下であることが更に好ましく、60g/m/dayであることが特に好ましい。透湿度が100g/m/day以下であれば、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の液晶セルの反りに伴う光漏れを抑制できる。
{低透湿層}
本発明の光学フィルムの低透湿層は、下記(A)及び下記(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層である。
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
必要に応じて更に、重合開始剤、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有した硬化性組成物を、基材フィルム上に直接又は他の層を介して塗布・乾燥・硬化することにより形成することができる。上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物は、活性エネルギー線硬化性組成物であることが好ましい。以下各成分について説明する。
〔環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物〕
環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物は、バインダーとして機能し得る。
環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物を用いることによって、低透湿性を実現でき、基材フィルムと低透湿層との密着性に優れ、更に偏光板の光漏れを防止できる。詳細は明らかではないが、分子内に環状脂肪族炭化水素基を有する化合物を用いることで、低透湿層に疎水的な環状脂肪族炭化水素基を導入し、疎水化することで、外部から分子の取り込みを防止し、透湿度を低下させ得る。また、分子内に不飽和二重結合基を有することで、架橋点密度を上げ、低透湿層中の水分子の拡散経路を制限する。架橋点密度を上げることは、環状脂肪族炭化水素基の密度を相対的に上昇させる効果も有り、低透湿層内をより疎水的にし、水分子の吸着を防止し、透湿度を低下させると考えられる。
架橋点密度を上げるために分子内に有する不飽和二重結合基の数は2以上であることがより好ましい。
環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数7以上の脂環式化合物から誘導される基であり、より好ましくは炭素数10以上の脂環式化合物から誘導される基であり、さらに好ましくは炭素数12以上の脂環式化合物から誘導される基である。
環状脂肪族炭化水素基としては、特に好ましくは、二環式、三環式等の、多環式化合物から誘導される基である。
より好ましくは、特開2006−215096号公報の特許請求の範囲記載の化合物の中心骨格、特開2001−10999号公報記載の化合物の中心骨格、あるいは、アダマンタン誘導体の骨格等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基(連結基含む)としては、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される基が好ましく、下記一般式(I)、(II)、又は(IV)で表される基がより好ましく、下記一般式(I)で表される基が更に好ましい。
Figure 2014170130
一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表す。nは1〜3の整数を表す。
Figure 2014170130
一般式(II)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2014170130
一般式(III)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
Figure 2014170130
一般式(IV)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、L’’は水素原子または二価以上の連結基を表す。
Figure 2014170130
一般式(V)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表す。
環状脂肪族炭化水素基としては具体的には、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、ペンタシクロペンタデカニル、アダマンチル、ジアマンタニル等が挙げられる。
不飽和二重結合基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
環状脂肪族炭化水素基を有し、かつ分子内に2個以上の不飽和二重結合基を有する化合物は、上記の環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合を有する基が連結基を介して結合することにより構成される。
連結基としては、単結合、炭素数1〜6の置換されていてもよいアルキレン基、N位が置換されていてもよいアミド基、N位が置換されていてもよいカルバモイル基、エステル基、オキシカルボニル基、エーテル基等、及びこれらを組み合わせて得られる基が挙げられる。
これらの化合物は、例えば、上記環状脂肪族炭化水素基を有するジオール、トリオール等のポリオールと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を有する化合物のカルボン酸、カルボン酸誘導体、エポキシ誘導体、イソシアナート誘導体等との一段あるいは二段階の反応により容易に合成することができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの化合物や、WO2012/00316A号記載の化合物(例、1、1―ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート)を用いて、上記環状脂肪族炭化水素基を有するポリオールとの反応させることにより合成することができる。
以下、環状脂肪族炭化水素基を有し不飽和二重結合基を有する化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014170130
Figure 2014170130
[フルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物]
低透湿層に含有し得る、フルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物はバインダーとして機能し得る。また、フルオレン環と不飽和二重結合基を有する化合物は、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となると同時に低透湿性を付与することができる。
架橋点密度を上げるために分子内に有する不飽和二重結合基の数は2以上であることがより好ましい。
フルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物は下記一般式(VI)で表されることが好ましい。
Figure 2014170130
(式(VI)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、一価の置換基を表し、m、n、p及びqはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、R及びRの少なくとも一方は、エチレン性不飽和基を有する一価の有機基を表す。)
分子内にフルオレン骨格と不飽和二重結合を有する化合物は下記一般式(VII)で表されることが好ましい。
Figure 2014170130
(式中、R、Rは水素又はメチル基を、r、sは0〜5の整数を示す)
(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の合計の含有量は、透湿度を低下させる観点から、前記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分に対し20〜80質量%であることが好ましい。
また、(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の合計の含有量は透湿度を低下させる観点から無機成分を除いた全固形分に対して30〜99質量%であることが好ましく、50〜98質量%がより好ましく、60〜95質量%が更に好ましい。
[平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子]
本発明の低透湿層形成用の硬化性組成物は、透湿度低減効果を奏するために、平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子を含有する。また、硬化後の低透湿層は平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子を含有する。
前記無機微粒子としては、無機酸化物微粒子やフッ化マグネシウムが用いられる。このなかでも特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。
無機微粒子の平均粒径(1次粒径)は、30〜100nmであることが必要であり、35〜90nmであることがより好ましく、40〜85nmであることが更に好ましい。
無機微粒子の平均粒径が30〜100nmであることで、透湿度低減効果が好ましく発揮される。
なお、平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子が透湿度低減効果を発現する機構に関しては、発明者は以下のように考えている。
低透湿層を有するフィルムの一方の面と他方の面の間に水蒸気分圧差をつけると、それをドライビングフォースに低透湿層内を水分子が通過して行く。低透湿層内に無機微粒子がある場合、水分子は無機微粒子内を通過することが出来ず、層内で通過可能な領域が制限されることで透湿度低減効果が生じると考えられる。
一方で、無機微粒子表面は水酸基で覆われており、水分子が吸着し易く、低透湿層内に水分子が存在し易い。定常状態に於いては、低透湿層内で水分子が無機微粒子表面で吸脱着を繰り返していると考えられる。同じ添加量の無機微粒子を低透湿層内に含有させた場合、無機微粒子の平均粒径が30nm未満であると、無機微粒子の総表面積が大きくなり、更に無機微粒子間の平均距離が短くなることによって、水分子が無機微粒子内を通過できないという、上記の透湿度低減効果が十分に発揮できないと考えられる。
また、無機微粒子の平均粒径が100nmより大きいと、無機微粒子とバインダーの間など層内に隙間ができやすくなり、水分子が隙間を通過することで、透湿度が上昇してしまうと考えられる。
無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わないが単分散であることが好ましい。形状は、不定形であってもよいし、多孔質粒子や中空粒子であっても良いが、水分子の吸着が少ないことが好ましいため球径で内部に空洞のない粒子が最も好ましい。
無機微粒子は、平均粒径が異なるものを2種以上併用して用いることもできる。
ここで、無機微粒子の平均粒径は電子顕微鏡写真やBET法など公知の方法から求めることができるが、本発明ではBET法により平均粒径を求めるものとする。
[無機微粒子の表面処理]
本発明において無機微粒子は常法により表面処理されていることが好ましく、シランカップリング剤により表面処理(表面修飾)されていることが好ましい。
特に、低透湿層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。無機微粒子の表面の処理方法については、特開2008−242314号公報の段落番号[0046]〜[0076]に記載されており、該文献に記載されたオルガノシラン化合物、シロキサン化合物、表面処理の溶媒、表面処理の触媒、金属キレート化合物などは本発明においても好適に用いることができる。
(B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子の含有量は、透湿度を低下効果を得るため、前記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分に対し10〜80質量%であることが好ましく、15〜75質量%がより好ましく、20〜70質量%が更に好ましい。上記範囲の下限以上であると、透湿度低減効果が得られ、上限以下であると、ボイドの発生による透湿度上昇の問題が起こり難い。
[環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない不飽和二重結合基を有する化合物]
本発明に用いる低透湿層形成用組成物中、分子内に環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない不飽和二重結合を有する化合物を本発明の効果を損なわない範囲において併用できる。
環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない不飽和二重結合基を有する化合物としては、環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKエステル A−TMMT、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA等を挙げることができる。多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様である。
環状脂肪族炭化水素基を有さない不飽和二重結合基を有する化合物としては、水素結合性の置換基を有する化合物であることが、支持体との密着性、低カール、後述する含フッ素又はシリコーン系化合物の固定性の点から好ましい。水素結合性の置換基とは、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどの電気陰性度が大きな原子と水素結合とが共有結合で結びついた置換基を指し、具体的にはOH−、SH−、−NH−、CHO−、CHN−などが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート類や水酸基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。市販されている(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKオリゴ U4HA、同NKエステルA−TMM−3、日本化薬(株)製KAYARAD PET−30等を挙げることができる。
環状脂肪族炭化水素基及びフルオレン環を有さない不飽和二重結合基を有する化合物を含有する場合の含有量は、前記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分に対し1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
[透湿度低減有機化合物]
本発明に用いる低透湿層形成用組成物中に本発明の効果を損なわない範囲において含有させることで、透湿度を低下させることができる透湿度低減有機化合物を併用できる。
本発明の上記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物は(C)ロジン化合物を含有することが好ましく、透湿度低減化合物として(C)ロジン化合物を含むことが好ましい。
〔(C)ロジン化合物〕
低透湿層形成用硬化性組成物に含んでもよい(C)ロジン化合物としては、ロジン、水添ロジン、酸変性ロジン及びエステル化ロジンから選ばれる1種類以上であることが好ましい。
ロジンとしては、アビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、或いはジヒドロアビエチン酸など樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンが挙げられる。
水添ロジンとしては、上記ロジンを水素化したものが挙げられる。酸変性ロジンとしては、ディールズ・アルダー付加反応によりマレイン酸、フマル酸やアクリル酸などの不飽和酸を付加した不飽和酸変性ロジンが挙げられ、より具体的にはロジンにマレイン酸を付加したマレオピマール酸、フマル酸を付加したフマロピマール酸、アクリル酸を付加したアクリロピマール酸等が挙げられる。エステル化ロジンとしては、ロジンとグリセリンをエステル化反応させて得られるグリセリンエステルや、ペンタエリスリトールとエステル化して得られるペンタエリスリトールエステルが挙げられる。
前記ロジンエステルとしては、スーパーエステルE−720、スーパーエステルE−730−55、スーパーエステルE−650、スーパーエステルE−786−60、タマノルE−100、エマルジョンAM−1002、エマルジョンSE−50(以上全て商品名、特殊ロジンエステルエマルジョン、荒川化学工業(株)製)、スーパーエステルL、スーパーエステルA−18、スーパーエステルA−75、スーパーエステルA−100、スーパーエステルA−115、スーパーエステルA−125、スーパーエステルT−125(以上全て商品名、特殊ロジンエステル、荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、ロジンエステルとして、エステルガムAAG、エステルガムAAL、エステルガムA、エステルガムAAV、エステルガム105、エステルガムHS、エステルガムAT、エステルガムH、エステルガムHP、エステルガムHD、ペンセルA、ペンセルAD、ペンセルAZ、ペンセルC、ペンセルD−125、ペンセルD−135、ペンセルD−160、ペンセルKK(以上全て商品名、ロジンエステル系樹脂、荒川化学工業(株)製)、が挙げられる。
更に、その他のロジンとしては、ロンヂスR、ロンヂスK−25、ロンヂスK−80、ロンヂスK−18(以上全て商品名、ロジン誘導体、荒川化学工業(株)製)パインクリスタルKR−85、パインクリスタルKR−120、パインクリスタルKR−612、パインクリスタルKR−614、パインクリスタルKE−100、パインクリスタルKE−311、パインクリスタルKE−359、パインクリスタルKE−604、パインクリスタル30PX、パインクリスタルD−6011、パインクリスタルD−6154、パインクリスタルD−6240、パインクリスタルKM−1500、パインクリスタルKM−1550(以上全て商品名、超淡色系ロジン誘導体、荒川化学工業(株)製)、アラダイムR−140、アラダイムR−95(以上全て商品名、重合ロジン、荒川化学工業(株)製)、ハイペールCH(以上全て商品名、水素化ロジン、荒川化学工業(株)製)、ビームセット101(以上全て商品名、ロジンアクリレート、荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
ロジン化合物の酸価は、150〜400KOHmg/gが好ましく、200〜400KOHmg/gであることがより好ましく、280〜400KOHmg/gであることが特に好ましい。基材がセルロースアシレートフィルムの場合、ロジン化合物の酸価をこの範囲に制御することで硬化層の透湿度低減効果を維持しながら極めて良好な密着効果がえられる。
酸価が上記範囲のロジン化合物としては、前出の酸変性ロジンが挙げられ、特にマレイン酸やフマル酸をディールズ・アルダー反応で付加したロジン化合物が本発明では好ましく用いられる。
また、本発明においてロジン化合物としては酸変性ロジンが好ましく、酸変性した後に水添処理をしたものを用いるのがより好ましい。水添処理を施すことでロジン化合物の残存二重結合が低透湿層内で酸化されフィルムが着色することを防止することが出来る。
ロジン化合物の軟化点は、100〜170℃が好ましい。ロジン化合物の軟化点が100℃未満のであると、硬化層が柔らかくなりブロッキング性が劣る傾向にあり、軟化点が170℃を超えると溶剤に対する溶解性が劣化し、硬化層のヘイズが上昇しやすくなる。
本発明においてロジン化合物の軟化点は、JIS K−2531の環球法により測定することができる。
(B)ロジン化合物の含有量は、前記低透湿層形成用の硬化性組成物の全固形分に対し1〜50質量%であることが好ましく、前記(A)と(B)との相乗効果による透湿度低減の顕著性の観点から、10〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましい。
[無機層状化合物]
本発明の低透湿層の透湿度を更に低減するためには、上述の低透湿層に用いることが可能なバインダー中に無機層状化合物を分散することも好ましい。無機層状化合物は親水性の表面を有するため、有機化処理することが好ましい。
無機層状化合物とは、単位結晶層が積層した構造を有し、層間に溶媒を配位又は吸収することにより膨潤又はヘキ開する性質を示す無機化合物である。このような無機化合物としては、膨潤性の含水ケイ酸塩、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、パームキュライト群粘土鉱物、カオリナイト群粘土鉱物、フィロケイ酸塩(マイカ等)などが例示できる。また、合成無機層状化合物も好ましく用いられ、合成無機層状化合物としては、合成スメクタイト(ヘクトライト、サポナイト、スティブンサイトなど)、合成マイカなどが挙げられ、スメクタイト、モンモリロナイト、マイカが好ましく、モンモリロナイト、マイカがより好ましい。市販品として使用できる無機層状化合物としては、MEB−3(コープケミカル(株)製合成マイカ水分散液)、ME−100(コープケミカル(株)製合成マイカ)、S1ME(コープケミカル(株)製合成マイカ)、SWN(コープケミカル(株)製合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製合成スメクタイト)、クニピアF(クニミネ化学工業(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲルHV(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲルFW(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト11(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト23(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル ブライト25(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル A(ホージュン(株)製精製ベントナイト)、ベンゲル 2M(ホージュン(株)製精製ベントナイト)等を用いることができる。
また、かかる無機層状化合物は、これら無機層状化合物に有機化処理を施したものであることが好ましい。
膨潤性層状無機化合物は、低透湿性と基材−低透湿層間の密着性とを両立させる点から、微粒子化処理されているのが好ましい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物は、通常、板状又は扁平状であり、平面形状は特に制限されず、無定形状などであってもよい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径) は、例えば、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜8μmがより好ましく、0.1〜6μm特に好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明の低透湿層形成用硬化性組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASF社製(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))製の「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア819」、「イルガキュア907」、「イルガキュア1870」(CGI−403/イルガキュア184=7/3混合開始剤)、「イルガキュア500」、「イルガキュア369」、「イルガキュア1173」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア4265」、「イルガキュア4263」、「イルガキュア127」、“OXE01”等;日本化薬(株)製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」など;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
本発明の低透湿層形成用硬化性組成物中の光重合開始剤の含有量は、前記組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させ、かつ開始点が増えすぎないように設定するという理由から、組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
低透湿層を含む本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用されるが、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、低透湿層に紫外線吸収剤を含有することで、光学フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
〔溶剤〕
低透湿層形成用の硬化性組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性、透光性粒子の分散性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の溶剤のうち、炭酸ジメチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましく、炭酸ジメチル、酢酸メチルの何れかを用いることがより好ましく、酢酸メチルを用いることが特に好ましい。
低透湿層形成用の硬化性組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶剤を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
(低透湿層の構成、製造方法)
前記低透湿層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。前記低透湿層の積層方法は特に限定されないが、前記低透湿層を基材フィルムとの共流延として作成すること、または、前記低透湿層を前記基材フィルム上に塗布にて設けることが好ましく、前記低透湿層を前記基材フィルム上に塗布にて設けることがより好ましい。
(低透湿層の膜厚)
前記低透湿層の膜厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜18μmであることが更に好ましく、3〜17μmであることが特に好ましい。
(低透湿層の透湿度)
複合フィルムの気体透過式より(例えば、「包装材料のバリア性の科学(包装学基礎講座5)」p68〜72 仲川勤著 日本包装学会)、定常状態の光学フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJ、光学フィルムを基材フィルムと低透湿層に分離したときの低透湿層の透湿度をJとしたときに、以下の式が成り立つ。
1/J=1/J+1/J ・・・・・式(1)
光学フィルムの透湿度Jと基材フィルムの透湿度Jは直接測定することができ、それらの測定値を基に、低透湿層の透湿度Jを計算で求めることができる。
本発明において、低透湿層の透湿度が5.0〜100g/m/dayであることが好ましく、10〜100g/m/dayがより好ましく、15〜90g/m/dayがより好ましく、20〜80g/m/dayが特に好ましい。
(低透湿層の単位膜厚当たりの透湿度)
一般に定常状態に於ける透湿度は膜厚に反比例することが知られている。従って、上記膜厚の範囲で低透湿層が到達できる透湿度は材料の特性値である単位膜厚当たりの透湿度で決まり、その値が小さいほどより低透湿度に到達することができる。一方、上記の関係を基に低透湿層の膜厚調整で透湿度の調整をすることができるが、単位膜厚当たりの透湿度が低過ぎると光学フィルムの透湿度の制御が難しくなる。
両者を考慮して、低透湿層の膜厚10μmあたりの透湿度は5.0〜100g/m/dayが好ましく、10〜100g/m/dayがより好ましく、20〜90g/m/dayがより好ましく、30〜80g/m/dayが特に好ましい。
透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。
尚、低透湿層の膜厚10μmにあたりの透湿度は基材フィルムと光学フィルムの透湿度、低透湿層の膜厚から以下のように見積もられる。
低透湿層の膜厚10μmに対する透湿度C(10μm)は上記で算出したJを基に以下の式で表すことができる。
(10μm)=J×d/10 [g/m/day]・・・・・式(2)
ここで、d[μm]は低透湿層の膜厚であり、上記の通り、低透湿層積層前後の膜厚差から求めることができる。
本発明の光学フィルムの低透湿層は透湿度ハードコート層機能、反射防止機能、防汚機能などを併せて持たせることも好ましい。
{基材フィルム}
[基材フィルムの材質]
基材フィルムを形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、基材フィルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(特に好ましくは、セルロースアシレート)も好ましく用いることができる。また、近年偏光板保護フィルムとして導入が提案されているアクリル系フィルムにも好ましく用いることができる。以下に、本発明の基材フィルムの例として、主にセルロースアシレートと(メタ)アクリル系ポリマーについて詳細を説明するが、その技術的事項は、他の高分子フィルムについても同様に適用できる。
[セルロースアシレート置換度]
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。
セルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることが好ましい。更には置換度が2.75〜3.00であることが好ましく、2.85〜3.00であることがより好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。これらによりアシル化されたセルロースエステルとしては、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれ更に置換された基を有していてもよい。好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。
<セルロースアシレート系基材フィルム>
[セルロースアシレートの重合度]
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。
前記基材フィルムは、(メタ)アクリル系重合体であることも好ましく、主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体であることがより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系重合体は、メタクリル系重合体とアクリル系重合体の両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系重合体には、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
((メタ)アクリル系重合体)
前記(メタ)アクリル系重合体の繰り返し構造単位は、特に限定されない。前記(メタ)アクリル系重合体は、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を有することが好ましい。
前記(メタ)アクリル系重合体は、繰り返し構造単位として、更に、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸及び下記一般式(201)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築される繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
一般式(201)
CH=C(X)R201
(式中、R201は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−CN基、−CO−R202基、又は−O−CO−R203基を表し、R202及びR203は水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。)
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
前記水酸基含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
前記不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
前記一般式(201)で表される単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
前記一般式(201)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
[主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体]
(メタ)アクリル系重合体の中でも主鎖に環構造を有するものが好ましい。主鎖に環構造を導入することで、主鎖の剛直性を高め、耐熱性を向上することができる。
本発明では主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体の中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体、主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体のいずれかであることが好ましい。中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体であることがより好ましい。
以下のこれらの主鎖に環構造を有する重合体について順に説明する。
(主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体)
主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体(以降ラクトン環含有重合体とも称す)は、主鎖にラクトン環を有する(メタ)アクリル系重合体であれば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(401)で示されるラクトン環構造を有する。
一般式(401):
Figure 2014170130
一般式(401)中、R401、R402及びR403は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表し、有機残基は酸素原子を含有していてもよい。ここで、炭素原子数1〜20の有機残基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが好ましい。
ラクトン環含有重合体の構造中における上記一般式(401)で示されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。ラクトン環構造の含有割合を5質量%以上とすることにより、得られた重合体の耐熱性、及び表面硬度が向上する傾向にあり、ラクトン環構造の含有割合を90質量%以下とすることにより、得られた重合体の成形加工性が向上する傾向にある。
ラクトン環含有重合体の製造方法については、特に限定はされないが、好ましくは、重合工程によって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(p)を得た後に、得られた重合体(p)を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入するラクトン環化縮合工程を行うことによって得られる。
ラクトン環含有重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。
ラクトン環含有重合体は、ダイナミックTG測定における150〜300℃の範囲内での質量減少率が、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下であるのがよい。ダイナミックTGの測定方法については、特開2002−138106号公報に記載の方法を用いることができる。
ラクトン環含有重合体は、環化縮合反応率が高いので、成型品の製造過程で脱アルコール反応が少なく、該アルコールを原因とした成形後の成形品中に泡や銀条(シルバーストリーク)が入るという欠点が回避できる。さらに、高い環化縮合反応率によって、ラクトン環構造が重合体に充分に導入されるので、得られたラクトン環含有重合体は高い耐熱性を有する。
ラクトン環含有重合体は、濃度15質量%のクロロホルム溶液にした場合、その着色度(YI)が、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、特に好ましくは1以下である。着色度(YI)が6以下であれば、着色により透明性が損なわれるなどの不具合が生じにくいので、本発明において好ましく使用することができる。
ラクトン環含有重合体は、熱質量分析(TG)における5%質量減少温度が、好ましくは330℃以上、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは360℃以上である。熱質量分析(TG)における5%質量減少温度は、熱安定性の指標であり、これを330℃以上とすることにより、充分な熱安定性が発揮されやすい傾向にある。熱質量分析は、上記ダイナミックTGの測定の装置を使用することができる。
ラクトン環含有重合体は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは135℃以上、最も好ましくは140℃以上である。
ラクトン環含有重合体は、それに含まれる残存揮発分の総量が、好ましくは5,000ppm以下、より好ましくは2,000ppm以下、さらに好ましくは1,500ppm、特に好ましくは1,000ppmである。残存揮発分の総量が5,000ppm以下であれば、成形時の変質などによって着色したり、発泡したり、シルバーストリークなどの成形不良が起こりにくくなるので好ましい。
ラクトン環含有重合体は、射出成形により得られる成形品に対するASTM−D−1003に準拠した方法で測定された全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率は、透明性の指標であり、これを85%以上とすると、透明性が向上する傾向にある。
溶剤を用いた重合形態の場合、重合溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;などが挙げられ、これらの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の製造方法の第一の態様では、(メタ)アクリル系樹脂を有機溶媒に溶解させて溶液流延を行って形成するため、(メタ)アクリル系樹脂の合成時における有機溶媒は、溶融製膜を行う場合よりも限定されず、沸点が高い有機溶媒を用いて合成してもよい。
重合反応時には、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
重合開始剤の量の調整により、重合体の重量平均分子量を調整することができる。
重合を行う際には、反応液のゲル化を抑止するために、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50質量%以下となるように制御することが好ましい。具体的には、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50質量%を超える場合には、重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加して50質量%以下となるように制御することが好ましい。重合反応混合物中の生成した重合体の濃度は、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加する形態としては、特に限定されず、連続的に重合溶剤を添加してもよいし、間欠的に重合溶剤を添加してもよい。このように重合反応混合物中の生成した重合体の濃度を制御することによって、反応液のゲル化をより十分に抑止することができる。添加する重合溶剤としては、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤であってもよいし、異なる種類の溶剤であってもよいが、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。また、添加する重合溶剤は、1種のみの溶剤であってもよいし、2種以上の混合溶剤であってもよい。
(主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体)
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体とは、グルタル酸無水物単位を有する重合体である。
グルタル酸無水物単位を有する重合体は、下記一般式(101)で表されるグルタル酸無水物単位(以下、グルタル酸無水物単位と呼ぶ)を有することが好ましい。
一般式(101):
Figure 2014170130
一般式(101)中、R31、R32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。R31、R32は、特に好ましくは、同一又は相異なる、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
グルタル酸無水物単位を有する重合体は、グルタル酸無水物単位を含有する(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体としては、耐熱性の点から120℃以上のガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体に対するグルタル酸無水物単位の含有量としては、5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜45質量%である。5質量%以上、より好ましくは10質量%以上とすることにより、耐熱性向上の効果を得ることができ、さらには耐候性向上の効果を得ることもできる。
また、上記の(メタ)アクリル系共重合体は、さらに不飽和カルボン酸アルキルエステルに基づく繰り返し単位を含むことが好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステルに基づく繰り返し単位として、例えば、下記一般式(102)で表されるものが好ましい。
一般式(102):−[CH−C(R41)(COOR42)]−
一般式(102)中、R41は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R42は炭素数1〜6の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、又は1個以上炭素数以下の数の水酸基もしくはハロゲンで置換された炭素数1〜6の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基を表す。
一般式(102)で表される繰り返し単位に対応する単量体は下記一般式(103)で表される。
一般式(103):CH=C(R41)(COOR42
このような単量体の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル及び(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられ、中でもメタクリル酸メチルが最も好ましく用いられる。これらはその1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
上記の(メタ)アクリル系重合体に対する不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の含有量は、50〜95質量%が好ましく、より好ましくは55〜90質量%である。グルタル酸無水物単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位とを有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位と不飽和カルボン酸単位とを有する共重合体を重合環化させることにより得ることができる。
不飽和カルボン酸単位としては、例えば、下記一般式(104)で表されるものが好ましい。
一般式(104):−[CH―C(R51)(COOH)]−
ここでR51は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
不飽和カルボン酸単位を誘導する単量体の好ましい具体例としては、一般式(104)で表される繰り返し単位に対応する単量体である下記一般式(105)で表される化合物、ならびにマレイン酸、及び更には無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。
一般式(105):CH=C(R51)(COOH)
これらはその1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。上記のように、グルタル酸無水物単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位とを有するアクリル系熱可塑性共重合体は、例えば不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位と不飽和カルボン酸単位とを有する共重合体を重合環化させることにより得ることができるものであるから、その構成単位中に不飽和カルボン酸単位を残して有していてもよい。
上記の(メタ)アクリル系重合体に対する不飽和カルボン酸単位の含有量としては10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。10質量%以下とすることで、無色透明性、滞留安定性の低下を防ぐことができる。
また、前記(メタ)アクリル系重合体には、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香環を含まないその他のビニル系単量体単位を有していてもよい。芳香環を含まないその他のビニル系単量体単位の具体例としては、対応する単量体でいうと、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;アリルグリシジルエーテル;無水マレイン酸、無水イタコン酸;N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド;アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル;N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン;2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンなどを挙げることができる。これらはその1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の(メタ)アクリル系重合体に対する、芳香環を含まないその他のビニル系単量体単位の含有量としては、35質量%以下が好ましい。
なお、芳香環を含むビニル系単量体単位(N−フェニルマレイミド、メタクリル酸フェニルアミノエチル、p−グリシジルスチレン、p−アミノスチレン、2−スチリル−オキサゾリンなど)ついては、耐擦傷性、耐候性を低下させる傾向にあるため、前記の(メタ)アクリル系重合体に対する含有量としては1質量%以下にとどめるのが好ましい。
(主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体)
主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体(以降グルタルイミド系樹脂とも称す)は、主鎖にグルタルイミド環構造を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。前記主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、少なくとも下記一般式(301):
一般式(301)
Figure 2014170130
で表されるグルタルイミド単位(但し、式中、R301、R302、R303は独立に水素または炭素数1〜12個の非置換のまたは置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。)を20質量%以上有するグルタルイミド樹脂を含有することが好ましい。
本発明に用いられるグルタルイミド系樹脂を構成する好ましいグルタルイミド単位としては、R301、R302が水素またはメチル基であり、R303がメチル基またはシクロヘキシル基である。該グルタルイミド単位は、単一の種類でもよく、R301、R302、R303が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
本発明に用いられる、グルタルイミド系樹脂を構成する好ましい第二の構成単位としては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルからなる単位である。好ましいアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル構成単位としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。また、別の好ましいイミド化可能な単位として、N−メチルメタクリルアミドや、N−エチルメタクリルアミドのような、N−アルキルメタクリルアミドが挙げられる。これら第二の構成単位は単独の種類でもよく、複数の種類を含んでいてもよい。
グルタルイミド系樹脂の、一般式(301)で表されるグルタルイミド単位の含有量は、グルタルイミド系樹脂の総繰り返し単位を基準として、20質量%以上である。グルタルイミド単位の、好ましい含有量は、20質量%から95質量%であり、より好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは、60〜80質量%である。グルタルイミド単位がこの範囲より小さい場合、得られるフィルムの耐熱性が不足したり透明性が損なわれることがある。また、この範囲を超えると不必要に耐熱性が上がりフィルム化しにくくなる他、得られるフィルムの機械的強度は極端に脆くなり、また、透明性が損なわれることがある。
グルタルイミド系樹脂は、必要に応じ、更に、第三の構成単位が共重合されていてもかまわない。好ましい第三の構成単位の例としては、スチレン、置換スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を用いることができる。これらはグルタルイミド系樹脂中に、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位と直接共重合してあっても良く、また、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位を有する樹脂に対してグラフト共重合してあってもかまわない。第3成分は、これを添加する場合は、グルタルイミド系樹脂中の含有率は、グルタルイミド系樹脂中の総繰り返し単位を基準として5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。
グルタルイミド系樹脂は、米国特許3284425号、米国特許4246374号、特開平2−153904号公報等に記載されており、イミド化可能な単位を有する樹脂としてメタクリル酸メチルエステルなどを主原料として得られる樹脂を用い、該イミド化可能な単位を有する樹脂をアンモニアまたは置換アミンを用いてイミド化することにより得ることができる。グルタルイミド系樹脂を得る際に、反応副生成物としてアクリル酸やメタクリル酸、あるいはその無水物から構成される単位がグルタルイミド系樹脂中に導入される場合がある。このような構成単位、特に酸無水物の存在は、得られる本発明フィルムの全光線透過率やヘイズを低下させるため、好ましくない。アクリル酸やメタクリル酸含量として、樹脂1g当たり0.5ミリ当量以下、好ましくは0.3ミリ当量以下、より好ましくは0.1ミリ当量以下とすることが望ましい。また、特開平02−153904号公報にみられるように、主としてN−メチルアクリルアミドとメタクリル酸メチルエステルから成る樹脂を用いてイミド化することにより、グルタルイミド系樹脂を得ることも可能である。
また、グルタルイミド系樹脂は、1×10ないし5×10の重量平均分子量を有することが好ましい。
<紫外線吸収剤>
前記基材フィルムに好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。前記基材フィルムを含む本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶表示用部材等に使用されるが、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。紫外線吸収剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
その中でも、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。
紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する構成単位として樹脂に導入することもできる。例えば、重合性基を導入したベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体またはベンゾフェノン誘導体である。導入する重合性基は、樹脂が有する構成単位に応じて、適宜選択できる。
単量体の具体例は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ)エチルフェニル−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製、商品名RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メタクリロイルオキシ)フェニル−2H−ベンゾトリアゾールである。
(その他の添加剤)
前記基材フィルムには、マット剤、レターデーション発現剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤などの添加剤を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。更にまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、光学フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
また前記基材フィルムには、ゴム状粒子を含有しても良い。たとえば、軟質アクリル系樹脂、アクリルゴム、および、ゴム−アクリル系グラフト型コアシェルポリマーなどアクリル粒子、またはスチレン−エラストマー共重合体があげられる。さらに、特公昭60−17406、特公平3−39095号公報等に記載の、耐衝撃性、耐応力白化性が改善する添加剤も好ましく用いられる。
前記基材フィルムにおいては、これらの添加剤を添加する場合、添加剤の総量は、基材フィルムに対して50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが好ましい。
これらの添加剤により、フィルムの脆性が改良され、フィルムの耐折試験(180度折り曲げ時の割れ評価など)が大幅に改善する。
また、低ヘイズを達成するためには、上記添加物の屈折率は基材ポリマーと略同一の屈折率を持つ事が好ましく、屈折率差は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
<基材フィルムの特性>
(基材フィルムの厚さ)
前記基材フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmが特に好ましく、20〜60μmがより特に好ましい。膜厚を前記の範囲に制御することで低透湿層を積層した後に液晶表示装置の置かれる環境、すなわち温湿度変化に伴うパネルのムラ小さくすることができる。
(基材フィルムの透湿度)
前記基材フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。
前記基材フィルムの透湿度は、300g/m/day以下であることが好ましく、250g/m/day以下であることがより好ましく、200g/m/day以下であることが更に好ましく、150g/m/day以下であることが特に好ましい。基材フィルムの透湿度を前記範囲に制御することで、低透湿層を積層した光学フィルム(本発明の光学フィルム)を搭載した液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の、液晶セルの反りや、光漏れを抑制できる。
(基材フィルムの単位膜厚当たりの透湿度)
低透湿層の(単位膜厚当たりの透湿度)で説明したように、基材10μmに透湿度は以下の式で与えられる。
(10μm)=J×d/10 [g/m/day](ここで、d[μm]は基材フィルムの膜厚であり、Jは基材フィルムの透湿度である。)
基材フィルムの膜厚が10μmに対する透湿度は50〜2000g/m/dayが好ましく、80〜1500g/m/dayがより好ましく、100〜1000g/m/dayがより好ましく、150〜800g/m/dayが特に好ましい。(透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。)
また、基材フィルムと低透湿層の膜厚が10μmの透湿度C(10μm)/C(10μm)は、1.5〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜10であることが特に好ましい。
下限値以上で充分な低透湿効果が得られ、上限値以下でカールを抑止できる。
(基材フィルムの酸素透過係数)
透湿度を低減するためには、フィルム中の水の拡散を抑える事が好ましく、すなわちフィルムの自由体積を下げる事が好ましい。一般的にフィルムの自由体積はフィルムの酸素透過係数と相関する。
前記基材フィルムの酸素透過係数は、100cc・mm/(m・day・atm)以下が好ましく、30cc・mm/(m・day・atm)以下がより好ましい。
(基材フィルムの平衡含水率)
前記基材フィルムの含水率(平衡含水率)は、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性熱可塑性との接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、相対湿度80%における含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。0〜2.5質量%であることがより好ましく、0〜1.5質量%であることが更に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなり過ぎず、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の光漏れを抑止の点からも好ましい。
含水率の測定法は、フィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出できる。
(基材フィルムの寸度変化)
前記基材フィルムの寸度安定性は、60℃、相対湿度90%の条件下に24時間静置した場合(高湿)の寸度変化率、及び80℃、DRY環境(相対湿度5%以下)の条件下に24時間静置した場合(高温)の寸度変化率が、いずれも0.5%以下であることが好ましい。より好ましくは0.3%以下であり、更に好ましくは0.15%以下である。
<基材フィルムの製造方法>
前記基材フィルムの製造方法は、熱可塑性樹脂および溶媒を含む高分子溶液を支持体上に流延して高分子膜(前記基材フィルム)を形成する工程、あるいは、熱可塑性樹脂を溶融製膜して基材フィルムを形成する工程を含むことが好ましい。すなわち、前記基材フィルムは、前記熱可塑性樹脂および溶媒を含む高分子溶液を支持体上に流延して製膜されてなること、あるいは、熱可塑性樹脂を溶融製膜されてなることが好ましく、熱可塑性樹脂を溶融製膜されてなることがより好ましい。
(表面処理)
基材フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、基材フィルムと低透湿層やそれ以外の層(例えば、偏光子、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
{機能層}
また本発明の光学フィルムは前記低透湿層を有するが、さらに、少なくとも一方の表面に、機能層を積層してもよい。この機能層の種類は特に限定されないが、ハードコート層、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層などが挙げられる。
前記機能層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。前記機能層の積層方法は特に限定されない。
機能層は基材フィルムの低透湿層を設けた面に積層しても良い。この場合、機能層が低透湿層と接していても接していなくても良い。また、低透湿層を積層していない面に積層しても良い。複数の機能層を積層する場合一つの機能層を低透湿層上に積層し、もう一つの機能層を低透湿層が積層していない面に積層することもできる。なかでも低透湿層を積層後の本発明の光学フィルム上に、さらに他の機能層を塗設して設けることが好ましい。
{光学フィルムの特性}
(光学フィルムの膜厚)
本発明の光学フィルムの膜厚(基材フィルムに低透湿層を積層した後の総膜厚)は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜75μmが特に好ましい。
[光学フィルムの層構成]
本発明の光学フィルムは、基材フィルムの一方の面上に低透湿層を有し、偏光板保護フィルムであり且つ、液晶表示装置の表面フィルムであることが好ましい。本発明の光学フィルムが表面フィルムの場合、ハードコート層が積層されていることが好ましい。この場合の好ましい層構成を以下に示す。
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層
基材フィルム/ハードコート層/低透湿層
低透湿層/基材フィルム/ハードコート層
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層/反射防止層
基材フィルム/ハードコート層/低透湿層/反射防止層
低透湿層/基材フィルム/ハードコート層/反射防止層
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層/反射防止層/防汚層
[ハードコート層]
本発明の光学フィルムには、機能層としてハードコート層を設けることも好ましい。
本発明において、ハードコート層とは、該層を形成することで透明支持体の鉛筆硬度が上昇する層をいう。実用的には、ハードコート層積層後の鉛筆硬度(JIS K−5400)はH以上が好ましく、更に好ましくは2H以上であり、最も好ましくは3H以上である。
ハードコート層の厚みは、0.4〜35μmが好ましく、更に好ましくは1〜30μmであり、最も好ましくは1.5〜20μmである。
本発明においてハードコート層は1層でも複数でもかまわない。ハードコート層が複数層の場合、全てのハードコート層の膜厚の合計が上位範囲であることが好ましい。
本発明の光学フィルムのハードコート層の表面は平坦であって凹凸があっても構わない。また、必要に応じて、表面凹凸や内部散乱付与のためにハードコート層に透光性粒子を含有させることもできる。
[ハードコート層形成材料物]
本発明において、ハードコート層は、不飽和二重結合を有する化合物、重合開始剤、必要に応じて、透光性粒子、含フッ素又はシリコーン系化合物、溶剤を含有する組成物を、支持体上に直接又は他の層を介して塗布・乾燥・硬化することにより形成することができる。以下各成分について説明する。
[不飽和二重結合を有する化合物]
本発明のハードコート層形成用組成物には不飽和二重結合を有する化合物を含有することができる。不飽和二重結合を有する化合物はバインダーとして機能することができ、重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーであることが好ましい。該重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーは、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となる。重合性不飽和基は3つ以上であることがより好ましい。これらモノマーは、1又は2官能のモノマーと3官能以上のモノマーを併用して用いることもできる。
不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
重合性の不飽和結合を有する化合物の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKエステル A−TMMT、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA等を挙げることができる。多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様である。
不飽和二重結合を有する化合物としては、水素結合性の置換基を有する化合物であることが、支持体との密着性、低カール、後述する含フッ素又はシリコーン系化合物の固定性の点から好ましい。水素結合性の置換基とは、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどの電気陰性度が大きな原子と水素結合とが共有結合で結びついた置換基を指し、具体的にはOH−、SH−、−NH−、CHO−、CHN−などが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート類や水酸基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。市販されている(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKオリゴ U4HA、同NKエステルA−TMM−3、日本化薬(株)製KAYARAD PET−30等を挙げることができる。
本発明のハードコート層形成用組成物中の不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、十分な重合率を与えて硬度などを付与するため、ハードコート層形成用組成物中の無機成分を除いた全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、70〜99質量%が更に好ましく、80〜99質量%が特に好ましい。
本発明ではハードコート層形成用組成物に分子内に環状脂肪族炭化水素と不飽和二重結合基を有する化合物を用いることも好ましい。このような化合物を用いることで、ハードコート層に低透湿性を付与することができる。ハードコート性を高めるために、分子内に環状脂肪族炭化水素と不飽和二重結合基を2以上有する化合物を用いることがより好ましい。
ハードコート層形成用組成物が分子内に環状脂肪族炭化水素と不飽和二重結合基を有する化合物を含有する場合、分子内に環状脂肪族炭化水素と不飽和二重結合を有する化合物はハードコート層形成用組成物中の不飽和二重結合を有する化合物中、1〜90質量%が好ましく、2〜80質量%がより好ましく、5〜70質量%が特に好ましい。
ハードコート層形成用組成物が分子内に環状脂肪族炭化水素と不飽和二重結合基を有する化合物を含有する場合、更に5官能以上の(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
ハードコート層形成用組成物が更に、5官能以上の(メタ)アクリレートを含有する場合、5官能以上の(メタ)アクリレートは、ハードコート層形成用組成物中の不飽和二重結合を有する化合物中、1〜70質量%が好ましく、2〜60質量%がより好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。
[透光性粒子]
本発明のハードコート層に透光性粒子を含有させることで、ハードコート層表面に凹凸形状を付与したり、内部ヘイズを付与することもできる。
ハードコート層に用いることができる透光性粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子(屈折率1.49)、架橋ポリ(アクリル−スチレン)共重合体粒子(屈折率1.54)、メラミン樹脂粒子(屈折率1.57)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.57)、ポリスチレン粒子(屈折率1.60)、架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)、シリカ粒子(屈折率1.46)、アルミナ粒子(屈折率1.63)、ジルコニア粒子、チタニア粒子、又は中空や細孔を有する粒子等が挙げられる。
なかでも架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子が好ましく用いられ、これらの粒子の中から選ばれた各透光性粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することにより、本発明の光学フィルムのハードコート層に好適な表面凹凸、表面ヘイズ、内部ヘイズ、全ヘイズを達成することができる。
バインダー(透光性樹脂)の屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましく、より好ましくは1.48〜1.65である。
また、透光性粒子と、ハードコート層のバインダーとの屈折率の差(「透光性粒子の屈折率」−「該透光性粒子を除くハードコート層の屈折率」)は、絶対値として、好ましくは0.05未満であり、より好ましくは0.001〜0.030、更に好ましくは0.001〜0.020である。ハードコート層中の透光性粒子とバインダーとの屈折率の差を0.05未満にすると、透光性粒子による光の屈折角度が小さくなり、散乱光が広角まで広がらず、光学異方性層の透過光の偏光を解消するなどの悪化作用が無く好ましい。
上記の粒子とバインダーの屈折率差を実現するためには、透光性粒子の屈折率を調節しても、バインダーの屈折率を調節してもよい。
好ましい第1の態様としては、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダー(硬化後の屈折率が1.50〜1.53)とアクリル含率50〜100質量パーセントである架橋ポリ(メタ)アクリレート/スチレン重合体からなる透光性粒子を組み合わせて用いることが好ましい。低屈折率であるアクリル成分と高屈折率であるスチレン成分の組成比を調節することで、透光性粒子とバインダーとの屈折率差を0.05未満にすることが容易である。アクリル成分とスチレン成分の比率は質量比で50/50〜100/0が好ましく、更に好ましくは60/40〜100/0であり、最も好ましくは65/35〜90/10である。架橋ポリ(メタ)アクリレート/スチレン重合体からなる透光性粒子の屈折率としては、1.49〜1.55が好ましく、更に好ましくは1.50〜1.54であり、最も好ましくは1.51〜1.53である。
好ましい第2の態様としては、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダーに対して、1〜100nmの平均粒子サイズの無機微粒子を併用することで、モノマーと無機微粒子からなるバインダーの屈折率を調節し、既存の透光性粒子との屈折率差を調節するものである。無機粒子としては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物、具体例としては、SiO、ZrO、TiO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITO等が挙げられる。好ましくは、SiO、ZrO、Alなどが挙げられる。これら無機粒子は、モノマーの総量に対して1〜90質量%の範囲で混合して用いることができ、好ましくは5〜65質量%である。
ここで、該透光性粒子を除くハードコート層の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
透光性粒子の平均粒径は、1.0〜12μmが好ましく、より好ましくは3.0〜12μm、更に好ましくは4.0〜10.0μm、最も好ましくは4.5〜8μmである。屈折率差及び粒子サイズを上記範囲に設定することで、光の散乱角度分布が広角にまで広がらず、ディスプレイの文字ボケ、コントラスト低下を引き起こしにくい。添加する層の膜厚を厚くする必要がなく、カールやコスト上昇といった問題が生じにくい点で、12μm以下が好ましい。更に上記範囲内にすることは、塗工時の塗布量を抑えられ、乾燥が速く、乾燥ムラ等の面状欠陥を生じにくい点でも好ましい。
透光性粒子の平均粒径の測定方法は、粒子の平均粒径を測る測定方法であれば、任意の測定方法が適用できるが、好ましくは透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とできる。
透光性粒子の形状は特に限定されないが、真球状粒子の他に、異形粒子(例えば、非真球状粒子)といった形状の異なる透光性粒子を併用して用いてもよい。特に非真球状粒子の短軸をハードコート層の法線方向にそろえると、真球粒子に比べ、粒子径が小さなものが使用できるようになる。
前記透光性粒子は、ハードコート層全固形分中に0.1〜40質量%含有されるように配合されることが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、である。透光性粒子の配合比を上記範囲にすることで内部ヘイズを好ましい範囲に制御することができる。
また、透光性粒子の塗布量は、好ましくは10〜2500mg/m、より好ましくは30〜2000mg/m、更に好ましくは100〜1500mg/mである。
<透光性粒子調製、分級法>
透光性粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁及び146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
透光性粒子の粒度分布はヘイズ値と拡散性の制御、塗布面状の均質性から単分散性粒子が好ましい。粒子径の均一さを表すCV値は15%以下が好ましく、より好ましくは13%以下、更に好ましくは10%以下である。更に平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。このような粒度分布を持つ粒子は、調製又は合成反応後に、分級することも有力な手段であり、分級の回数を上げることやその程度を強くすることで、望ましい分布の粒子を得ることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
[光重合開始剤]
ハードコート層形成用組成物には光重合開始剤を含有させることが好ましい。低透湿層で説明した光重合開始剤をハードコート層形成用組成物でも好ましく用いることができる。
ハードコート層形成用組成物中の光重合開始剤の含有量は、ハードコート層形成用組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させるのに十分多く、かつ開始点が増えすぎないよう十分少ない量に設定するという理由から、ハードコート層形成用組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本発明の光学フィルムは、偏光板または液晶表示装置部材に使用されるが、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、UV硬化を阻害しない範囲でハードコート層に紫外線吸収剤を含有することで、光学フィルムに紫外線吸収性を付与することもできる。
[溶剤]
本発明のハードコート層形成用組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、透光性粒子の分散性、塗工時の乾燥性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のハードコート層形成用組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶媒を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
[反射防止層]
前記のようにハードコート層上に反射防止層を積層することも本発明の好ましい態様の一つである。本発明では公知の反射防止層を好ましく用いることができる、中でもUV硬化型の反射防止層が好ましい。
反射防止層は1層構成の膜厚λ/4の低反射率層でも多層構成でも良いが、1層構成の膜厚λ/4の低反射率層が特に好ましい。本発明で好ましく使用することが出来る低屈折材料に関し、以下に説明するが本発明は以下に限定されるものではない。
[低屈折率層の材料]
以下に低屈折率層の材料について説明する。
[無機微粒子]
低屈折率化、耐擦傷性改良の観点から、低屈折率層に無機微粒子を用いることが好ましい。該無機微粒子は、平均粒子サイズが5〜120nmであれば特に制限はないが、低屈折率化の観点からは、無機の低屈折率粒子が好ましい。
無機微粒子としては、低屈折率であることからフッ化マグネシウムやシリカの微粒子が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。これら無機粒子のサイズ(1次粒径)は、5〜120nmが好ましく、より好ましくは10〜100nm、20〜100nm、最も好ましくは30〜90nmである。
無機微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。また、後述の中空シリカ微粒子を用いた場合は粒径が小さすぎると、空腔部の割合が減り屈折率の充分な低下が見込めない。無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であってもよい。
無機微粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。少なすぎると、充分な低屈折率化が見込めなかったり、耐擦傷性の改良効果が減ったりし、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する。
(多孔質又は中空の微粒子)
低屈折率化を図るには、多孔質又は中空構造の微粒子を使用することが好ましい。特に中空構造のシリカ粒子を用いることが好ましい。これら粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
多孔質又は中空粒子がシリカの場合には、微粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。
また、中空シリカは粒子平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。ここで、中空シリカの平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において中空シリカの比表面積は、20〜300m/gが好ましく、更に好ましくは30〜120m/g、最も好ましくは40〜90m/gである。表面積は窒素を用いBET法で求めることができる。
本発明においては、中空シリカと併用して空腔のないシリカ粒子を用いることができる。空腔のないシリカの好ましい粒子サイズは、30nm以上150nm以下、更に好ましくは35nm以上100nm以下、最も好ましくは40nm以上80nm以下である。
[無機微粒子の表面処理方法]
また、本発明においては無機微粒子は常法によりシランカップリング剤等により表面処理して用いることができる。
特に、低屈折率層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。無機微粒子の表面の処理方法については、特開2008−242314号公報の段落番号[0046]〜[0076]に記載されており、該文献に記載されたオルガノシラン化合物、シロキサン化合物、表面処理の溶媒、表面処理の触媒、金属キレート化合物などは本発明においても好適に用いることができる。
低屈折率層には、(b2)重合性不飽和基を有する含フッ素又は非含フッ素モノマーを用いることができる。非含フッ素モノマーについては、ハードコート層で使用できるとして説明した不飽和二重結合を有する化合物も用いることが好ましい。含フッ素のモノマーとしては、下記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さい含フッ素多官能モノマー(d)を用いることが好ましい。
一般式(1): Rf2{−(L) m−Y} n(一般式(1)中、Rf2は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。)
Rf2は酸素原子及び水素原子の少なくともいずれかを含んでも良い。また、Rf2は鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
Yは、不飽和結合を形成する2つの炭素原子を含む基であることが好ましく、ラジカル重合性の基であることがより好ましく、(メタ)アクリロイル基、アリル基、α−フルオロアクリロイル基、及び−C(O)OCH=CHから選ばれるものが特に好ましい。これらの中でも、重合性の観点から、より好ましいのは、ラジカル重合性を有する(メタ)アクリロイル基、アリル基、α−フルオロアクリロイル基、及びC(O)OCH=CHである。
Lは二価の連結基を表し、詳しくは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、−O−、−S−、−N(R)−、炭素数1〜10のアルキレン基と−O−、−S−又はN(R)−を組み合わせて得られる基、炭素数6〜10のアリーレン基と−O−、−S−又はN(R)−を組み合わせて得られる基を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Lがアルキレン基又はアリーレン基を表す場合、Lで表されるアルキレン基及びアリーレン基はハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例は、特開2010−152311号公報[0121]〜[0163]段落に記載されている。
[光学異方性層]
本発明の光学フィルムに光学異方性層を設けることもできる。光学異方性層としては、一定の位相差を有する膜が面内均一に形成された光学異方性層であっても良いし、遅相軸の方向や位相差の大きさが互いに異なる、位相差領域が規則的に面内に配置されたパターンを形成した光学異方性層であっても良い。
前記のように本発明の光学フィルムは液晶表示装置のハードコート層が積層された表面フィルムであることが好ましい。本発明の光学フィルムがハードコート層と光学異方性層の両方を有する場合、光学異方性層は基材フィルムを介してハードコート層が積層されていない面に形成されていることが好ましい。
本発明の光学フィルムがこのような態様を有する場合、低透湿層は、基材フィルムに対してはハードコート層と同じ側に積層されていても良いし、ハードコート層と反対側に設けられても良いし、基材フィルムの両面に積層されていても良い。
低透湿層が基材フィルムに対してハードコート層と同じ側に積層されている場合の好ましい層構成は、前記のハードコート層を積層する場合の好ましい層構成を用いることができる。
一方、低透湿層が基材フィルムに対してハードコート層と光学異方性層と同じ側に積層されている場合、低透湿層は基材フィルムと光学異方性層の間に積層されていても良いし、基材フィルム、光学異方性層、低透湿層の順に積層されていても良い。
光学異方性層は各種用途に合わせ材料及び製造条件を選択することができるが、本発明では重合性液晶性化合物を用いた光学異方性層が好ましい。その場合、光学異方性層と基材フィルムの間に光学異方性層と接して配向膜が形成されていることも好ましい態様である。
面内均一に形成された光学異方性層を有する好ましい例として、光学異方性層がλ/4膜である態様が挙げられ、特にアクティブ方式の3D液晶表示装置の部材として有用である。λ/4膜の光学異方性層とハードコート層が、基材フィルムを介して反対の面に積層した態様として特開2012−098721号公報、特開2012−127982号公報に記載されており、本発明の光学フィルムで、このような態様を好ましく用いることができる。
一方、パターンを形成した光学異方性層の好ましい例としては、パターン型のλ/4膜が挙げられ、特許4825934号公報、特許4887463号公報に記載された態様を、本発明の光学フィルムで好ましく用いることができる。
また、WO2010/090429号公報に記載された光配向膜とパターン露光を組み合わせた態様も本発明の光学フィルムで好ましく用いることができる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、偏光板用保護フィルムとして用いることができる。偏光板用保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られた光学フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。また前記のような表面処理を行ってもよい。光学フィルムの偏光子との貼合面は低透湿層積層した面でも良いし、低透湿層を積層していない面であっても構わない。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含み、前記偏光板中に含まれる本発明の光学フィルムが最表層となるように配置されたことを特徴とする。
(一般的な液晶表示装置の構成)
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、及び必要に応じて該液晶セルと該偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶セルを含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板用保護フィルムは、2枚の偏光板のいずれの保護フィルムとして用いることができるが、各偏光板の2枚の保護フィルムのうち、偏光子に対して液晶セルの外側に配置される保護フィルムとして用いられることが好ましい。
2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを配置することが特に好ましい。
また、2枚の偏光板のうち、視認側偏光板の、視認側の保護フィルムとして本発明の光学フィルムを配置した上で、更にバックライト側偏光板のバックライト側保護フィルムにも本発明の光学フィルムを配置し、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止することも好ましい態様である。
(液晶表示装置の種類)
本発明のフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の光学フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
[反応性シリカ粒子の調製]
(反応性シリカ微粒子Aの調製)
日産化学工業(株)製、IPA−ST−ZL、平均粒径80nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA(イソプロピルアルコール)液を、ロータリーエバポレーターを用いてIPAからMEK(メチルエチルケトン)に溶剤置換を行い、シリカ粒子30質量%のMEK分散液を得た。このMEK分散液100質量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5質量部添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された平均粒径80nmの反応性シリカ微粒子の固形分30質量%MEK分散液を得た。(粒径はBET法を用いて測定した。)ロータリーエバポレーターを用いて、得られた30質量%の溶液を濃縮化し、固形分40質量%MEK分散液を得た。
(反応性シリカ微粒子Bの調製)
日産化学工業(株)製、IPA−ST−L、平均粒径44nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA液を、ロータリーエバポレーターを用いてIPAからMEKに溶剤置換を行い、シリカ粒子30質量%のMEK分散液を得た。このMEK分散液100質量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5質量部添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された平均粒径44nmの反応性シリカ微粒子の固形分30質量%MEK分散液を得た。(粒径はBET法を用いて測定した。)ロータリーエバポレーターを用いて、得られた30質量%の溶液を濃縮化し、固形分40質量%MEK分散液を得た。
(反応性シリカ微粒子Cの調製)
日産化学工業(株)製、IPA−ST、平均粒径12nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA液を、ロータリーエバポレーターを用いてIPAからMEKに溶剤置換を行い、シリカ粒子30質量%のMEK分散液を得た。このMEK分散液100質量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5質量部添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された平均粒径12nmの反応性シリカ微粒子の固形分30質量%MEK分散液を得た。(粒径はBET法を用いて測定した。)ロータリーエバポレーターを用いて、得られた30質量%の溶液を濃縮化し、固形分40質量%MEK分散液を得た。
〔低透湿層形成硬化性組成物の調製〕
下記に示すように低透湿層形成硬化性組成物を調製した。
(低透湿層形成用組成物BL−1の組成)
A−DCP 46.96g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 120.00g
イルガキュア907 3.00g
SP−13 0.04g
MEK(メチルエチルケトン) 6.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−1の固形分濃度は55質量%であった。
(低透湿層形成用組成物BL−2の組成)
A−DCP 66.96g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 75.00g
イルガキュア907 3.00g
SP−13 0.04g
MEK(メチルエチルケトン) 36.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−2の固形分濃度は55質量%であった。
(低透湿層形成用組成物BL−3の組成)
A−DCP 23.53g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 152.73g
イルガキュア907 2.62g
SP−13 0.03g
MEK(メチルエチルケトン) 2.91g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−3の固形分濃度は48質量%であった。
(低透湿層形成用組成物BL−4の組成)
A−DCP 13.88g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 163.64g
イルガキュア907 2.45g
SP−13 0.03g
MEK(メチルエチルケトン) 1.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−4の固形分濃度は45質量%であった。
(低透湿層形成用組成物BL−5の組成)
A−DCP 46.96g
反応性シリカ微粒子B(固形分40質量%) 125.00g
イルガキュア907 3.00g
SP−13 0.04g
MEK(メチルエチルケトン) 6.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−5の固形分濃度は55質量%であった。
<低透湿層形成用組成物BL−6〜BL−17の調製>
低透湿層形成用組成物BL−1の調製において、低透湿層形成用組成物を下記表1に記載のようにした以外は低透湿層形成用組成物BL−1と同様にして、低透湿層形成用組成物BL−6〜BL−17を調製した。
使用した材料を以下に示す。
・A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート[新中村化学工業(株)製]
・DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製]
・A−BPEF:9,−ビス[4−(2アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン[新中村化学工業(株)製]
・FA513−AS:ジシクロペンタニルアクリレート[日立化成工業(株)製]
・FA513−M:ジシクロペンタニルメタクリレート[日立化成工業(株)製]
・PET30:ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・IPA−ST−ZL:平均粒径80nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA液[日産化学工業(株)製]
・MEK−ST−ZL:平均粒径80nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%MEK液[日産化学工業(株)製]
・MEK−ST:平均粒径12nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%MEK液[日産化学工業(株)製]
・IPA−ST−ZL:平均粒径80nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA液[日産化学工業(株)製]
・IPA−ST:平均粒径12nm、コロイダルシリカ、固形分30質量%IPA液[日産化学工業(株)製]
・イルガキュア907:重合開始剤[BASF社製]
・SP−13(レベリング剤):
Figure 2014170130
下記表1中の数値は各成分の添加量であり、単位はgを表す。
Figure 2014170130
<光学フィルム101Aの作製>
基材フィルムとしてフジタックTD60(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ60μm)をロール形態から巻き出して、上記低透湿層形成用組成物BL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。
<光学フィルムの作製>
光学フィルム101Aの作製において、低透湿層形成用組成物と低透湿厚の膜厚を表2に記載のようにした以外は光学フィルム101Aと同様にして、表2に示した光学フィルムを作成した。
[光学フィルムの評価]
作製した各実施例および比較例の光学フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果は下記表2に示す。
なお低透湿層の膜厚は低透湿層の積層前後の膜厚を測定し、その差から求めた。
(1)透湿度(40℃相対湿度90%での透湿度)
各実施例及び比較例の光学フィルム試料70mmφを40℃、相対湿度90%でそれぞれ24時間調湿し、JIS Z−0208記載の方法により測定した。
低透湿層の透湿度は、各光学フィルムの基材の透湿度を測定し、基材の透湿度と光学フィルムの透湿度から、明細書中で前述した式(1)を用いて算出した。
また、低透湿層の膜厚10μmに対する透湿度は低透湿層の膜厚(低透湿層積層前後の膜厚差)と前記で求めた低透湿層の透湿度から算出した。
Figure 2014170130
[パネルの評価]
<偏光板の作製>
1)フィルムの鹸化
市販のセルロースアシレートフィルム(フジタック ZRD40、富士フイルム(株)製)、市販のセルロースアシレートフィルムTD60(富士フィルム(株)製)と表2に記載の光学フィルムを、55℃に保った1.5mol/LのNaOH水溶液(鹸化液)に2分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、25℃の0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を30秒流水下に通して、フィルムを中性の状態にした。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
2)偏光子の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて膜厚20μmの偏光子を作製した。
3)貼り合わせ(フロント側偏光板101A、101D、101E、102A、102C、103A、103E、104A、104F、105A、105D、106A、106F、107A、107C、108A〜117Aの作製)
上記の鹸化後の光学フィルム(各光学フィルムの低透湿層を積層していない面を偏光子と接するように配置する)、前記で作製した偏光子、鹸化後のセルロースアシレートフィルムZRD40をこの順番で、PVA系接着剤で貼合し、熱乾燥して、偏光板を作製した。
この際、作製した偏光子のロールの長手方向と光学フィルムの長手方向とが平行になるように配置した。また、偏光子のロールの長手方向と上記セルロースアシレートフィルムZRD40のロールの長手方向とが、平行になるように配置した。
(フロント側偏光板201A、204F、215A、217Aの作製)
前記で作製した偏光子の片面に対して、アクリル接着剤を用いて、作製した光学フィルム101A、104F、115A、117Aの低透湿層を積層した面を、コロナ処理を施したのち、貼合した。前記で作製した偏光子のもう片側にポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記鹸化した市販のセルロースアシレートフィルムZRD40を貼り付け、70℃で10分以上乾燥して、偏光板201A、204F、215A、217Aを作製した。
この際、作製した偏光子のロールの長手方向と光学フィルム101A、104F、115A、117Aの長手方向とが平行になるように配置した。また、偏光子のロールの長手方向と上記セルロースアシレートフィルムZRD40のロールの長手方向とが、平行になるように配置した。
得られた偏光板をそれぞれの偏光板201A、204F、215A、217Aとした。
(リア側偏光板の作製)
上記の鹸化後セルロースアシレートフィルムTD60、前記で作製した偏光子、鹸化後のセルロースアシレートフィルムZRD40をこの順番で、PVA系接着剤で貼合し、熱乾燥しリア側偏光板を得た。
この際、作成した偏光子のロールの長手方向とセルロースアシレートフィルムTD60の長手方向とが平行になるように配置した。また、偏光子のロールの長手方向と上記セルロースアシレートフィルムZRD40のロールの長手方向とが、平行になるように配置した。
<IPSパネルへの実装>
IPSモード液晶セル(LGD製 42LS5600)の上下の偏光板を剥し、フロント側(視認側)に、フロント側偏光板として前述した偏光板を、リア側にリア側偏光板として前述した偏光板を、セルロースアシレートフィルムZRD40がそれぞれ液晶セル側となるように、粘着剤を介して、フロント側およびリア側に一枚ずつ貼り付けた。フロント側の偏光板の吸収軸が長手方向(左右方向)に、そして、リア側の偏光板の透過軸が長手方向(左右方向)になるように、クロスニコル配置とした。液晶セルに使用されているガラスの厚さは0.5mmであった。
得られた液晶表示装置を、それぞれ液晶表示装置101〜117各A〜G、201A、204F、215A、217Aとした。
なお、IPSパネルへの実装時における、フロント側偏光板の構成を下記表3に記載した。
以上のようにして作製した液晶表示装置の光モレを評価した。結果は下記表3に示す。
[光漏れ評価(パネルの評価)]
このようにして作製した液晶表示装置について、60℃相対湿度90%で48時間サーモ後、25℃相対湿度60%で2時間放置した後で液晶表示装置のバックライトを点灯し、点灯から5時間後と10時間後にパネルの四隅の光漏れを評価した。
光漏れ評価は、輝度計測用カメラ「ProMetric」(Radiant Imaging社製)で画面正面から黒表示画面を撮影し、全画面の平均輝度と、4角の光漏れが大きい箇所の輝度差をもとにして、7段階評価した。本発明においてAとBのレベルが許容内である。
〜評価指標〜
A:5時間後、パネル4角の光漏れが視認されない。
10時間後、パネル4角の光漏れが視認されない。
B:5時間後、パネル4角のうち、1〜2角でわずかな光漏れが視認される。
10時間後、パネル4角の光漏れが視認されない。
C:5時間後、パネル4角のうち、1〜2角でわずかな光漏れが視認される。
10時間後、パネル4角のうち、1〜2角でわずかな光漏れが視認される。
D:5時間後、パネル4角のうち、3〜4角でわずかな光漏れが視認される。
10時間後、パネル4角のうち、1〜2角でわずかな光漏れが視認される。
E:5時間後、パネル4角のうち、3〜4角でわずかな光漏れが視認される。
10時間後、パネル4角のうち、3〜4角でわずかな光漏れが視認される。
F:5時間後、パネル4角の光漏れが強く、許容できない。
10時間後、パネル4角のうち、3〜4角でわずかな光漏れが視認される。
G:5時間後、パネル4角で強い光漏れが視認される。
10時間後、パネル4角で強い光漏れが視認される。
Figure 2014170130
表2と表3に示す結果から以下のことが明らかである。
1.光学フィルムの透湿度と高温高湿環境経時後の光漏れは相関しており、透湿度が低いほど光漏れを抑制することができる。
2.(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれかと、(B)平均粒径が30nm以上100nm以下の無機微粒子とを低透湿層に用いた光学フィルムは、薄膜でありながら透湿度が低く好ましい。
3.(A)成分に加えて、平均粒径が30nm未満の無機微粒子を低透湿層に用いたものはむしろ無機微粒子を使用しないものよりも透湿度が上昇した。
次に本発明の光学フィルムにハードコート層を積層した。
[製造例3]
〔ハードコート層形成用組成物の調製〕
下記に示すように調製した。
(ハードコート層形成用組成物HC−1の組成)
PET30(100%) 97.0g
イルガキュア907(100%) 3.0g
SP−13 0.04g
MEK 81.8g
<ハードコートフィルム301Aの作製>
前記で作成したロール状の光学フィルム101Aをロール形態から巻き出して、上記ハードコート層形成用組成物HC−1を使用し、低透湿層を積層している面に、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。ハードコート層の膜厚は8μmになるよう塗布量を調整した。
得られたフィルムを実施例のハードコートフィルム301Aとした。
<ハードコートフィルム304Fの作製>
光学フィルム101Aを光学フィルム104Fに変更した以外はハードコートフィルム301Aと同様にして比較例のハードコートフィルム304Fを作成した。
<ハードコートフィルム317Aの作製>
光学フィルム101Aを光学フィルム117Aに変更した以外はハードコートフィルム301Aと同様にして比較例のハードコートフィルム317Aを作成した。
<ハードコートフィルム320の作製>
光学フィルム101AをフジタックTD60(富士フイルム(株)製、幅1,340mm、厚さ60μm)に変更した以外はハードコートフィルム301Aと同様にして比較例のハードコートフィルム320を作成した。
<ハードコートフィルム401Aの作製>
前記で作成したロール状の光学フィルム101Aをロール形態から巻き出して、上記ハードコート層形成用組成物HC−1を使用し、低透湿層を積層していない面に、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。ハードコート層の膜厚は8μmになるよう塗布量を調整した。
得られたフィルムを実施例のハードコートフィルム401Aとした。
[ハードコートフィルムの評価]
作製した各実施例及び比較例の光学フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果は下記表4に示す。
なおハードコートフィルムのハードコート層の膜厚はハードコート層の積層前後の膜厚を測定し、その差から求めた。また、ハードコートフィルムの低透湿層の膜厚は低透湿層積層前後の膜厚を測定し、その差から求めた。
(鉛筆硬度評価)
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。光拡散性フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する2H〜5Hの試験用鉛筆を用いて、4.9Nの荷重にて、以下のとおりの判定で評価し、OKとなる最も高い硬度を評価値とした。
OK:n=5の評価において傷なしが3つ以上
NG:n=5の評価において傷なしが2つ以下
[パネルの評価]
<偏光板の作製>
1)フィルムの鹸化
市販のセルロースアシレートフィルム(フジタック ZRD40、富士フイルム(株)製)、市販のセルロースアシレートフィルムTD60(富士フィルム(株)製)とハードコートフィルム301A、304F、317A、320を、55℃に保った1.5mol/LのNaOH水溶液(鹸化液)に2分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、25℃の0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を30秒流水下に通して、フィルムを中性の状態にした。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
2)偏光子の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて膜厚20μmの偏光子を作製した。
3)貼り合わせ
(フロント側偏光板301A、304F、317A、320の作製)
上記の鹸化後のハードコートフィルム301A、304F、317A、320(各ハードコートフィルムの低透湿層を積層していない面を偏光子と接するように配置する)、前記で作製した偏光子、鹸化後のセルロースアシレートフィルムZRD40をこの順番で、PVA系接着剤で貼合し、熱乾燥して、偏光板301A、304F、317A、320を作製した。
(フロント側偏光板401Aの作製)
前記で作製した偏光子の片面に対して、アクリル接着剤を用いて、作製したハードコートフィルム401の低透湿層を積層した面を、コロナ処理を施したのち、貼合した。前記で作製した偏光子のもう片側にポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記鹸化した市販のセルロースアシレートフィルムZRD40を貼り付け、70℃で10分以上乾燥して、偏光板401Aを作製した。
<IPSパネルへの実装>
前記の液晶表示装置101Aに対し、フロント側偏光板を偏光板101から偏光板301A、304F、317A、320、401Aに代えた以外は同様にして液晶301A、304F、317A、320、401Aを作製した。
以上のようにして作製した液晶表示装置の光漏れを前記と同様に評価した。結果は下記表4に示す。
Figure 2014170130
※各ハードコートフィルムの構成は以下の通りである。
ハードコートフィルム301A、304F、317A
基材フィルム/低透湿層/ハードコート層
ハードコートフィルム320
基材フィルム/ハードコート層
ハードコートフィルム401A
低透湿層/基材フィルム/ハードコート層
表4に示す結果から以下のことが明らかである。
1.本発明の光学フィルムにハードコート層を積層することで、低透湿性に加えて高鉛筆硬度(3H)を付与することができる。
2.ハードコート層を低透湿層上に積層したもの(ハードコートフィルム301A)、ハードコート層と低透湿層を基材フィルムの対向面に配置したもの(ハードコートフィルム401A)は何れも鉛筆硬度、透湿度が同様に良好である。
次に低透湿層に更に(C)成分としてロジン化合物を添加した態様について説明する。
(精製ロジンRの製造)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管を備えた密封可能な反応容器に、未精製の中国産ガムロジン(酸価171、軟化点74℃、色調6G)を3000g仕込み、窒素パージ下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価176.3、軟化点80.5℃、色調ガードナー2の主留(収率86.3%)を精製ガムロジンRとして得た。樹脂酸価はJIS K−5601記載の方法に則って測定した値である。また、軟化点はJIS K−2531の環球法により測定した値である。
(不飽和酸変性ロジンAの製造)
攪拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、上記で作成した精製ガムロジンRを1,000質量部を仕込み、これを窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融した。ついで、フマル酸267質量部を仕込み、攪拌下に230℃まで昇温して1時間保温した後、冷却して不飽和酸変性ロジンAの固形樹脂を得た。樹脂酸価は342.0、軟化点は125℃であった。
(低透湿層形成用組成物BL−21の組成)
A−DCP 37.96g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 120.00g
不飽和酸変性ロジンA 10.00g
イルガキュア907 2.00g
SP−13 0.04g
MEK(メチルエチルケトン) 6.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−22の固形分濃度は55質量%であった。
(低透湿層形成用組成物BL−22の組成)
A−DCP 27.96g
反応性シリカ微粒子A(固形分40質量%) 120.00g
不飽和酸変性ロジンA 20.00g
イルガキュア907 2.00g
SP−13 0.04g
MEK(メチルエチルケトン) 6.82g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 181.82g
低透湿層形成用組成物BL−22の固形分濃度は55質量%であった。
各種素材の含有量をBL−1と比較して、下記表5に示す。
Figure 2014170130
<光学フィルム121A、122Aの作製>
光学フィルム101Aの作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をそれぞれ上記で作成した、BL−21、BL−22にした以外は光学フィルム101Aと同様にして、光学フィルム121A、122Aを作成した。
<光学フィルム121E、122Fの作製>
光学フィルム101Eの作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をBL−21にした以外は光学フィルム101Aと同様にして、光学フィルム121Eを作成した。
光学フィルム101Fの作製において、低透湿層形成用組成物BL−1をBL−22にした以外は光学フィルム101Aと同様にして、光学フィルム122Fを作成した。
[光学フィルムの評価]
作製した光学フィルムについて膜厚を測定し、下記の物性測定と評価を行った。結果を前記の(C)成分を含まない光学フィルム101と比較し、下記表6に示す。
なお低透湿層の膜厚は低透湿層の積層前後の膜厚を測定し、その差から求めた。
Figure 2014170130
[パネルの評価]
(フロント側偏光板の作製)
前記で作成した偏光板101Aに対して光学フィルム101Aを光学フィルム121A、122E、122A、122Fに変更した以外は同様にしてそれぞれ、偏光板121A、122E、122A、122Fを作製した。
(IPSパネルへの実装)
前記で作成した液晶表示装置101Aに対して、偏光板101Aを偏光板121A、122E、122A、122Fに変更した以外は同様にしてそれぞれ、液晶表示装置121A、122E、122A、122Fを作製した。
以上のようにして作製した液晶表示装置を101Aと同様に光漏れを評価した。結果を液晶表示装置101と比較して下記表7に示す。
Figure 2014170130
表6、表7に示す結果から以下のことが明らかである。
1.(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれかと、(B)平均粒径が30nm以上100nm以下の無機微粒子、(C)ロジン化合物とを低透湿層に用いた光学フィルムは、薄膜でありながら透湿度が低く好ましい。
次に、基材フィルムとしてアクリル系フィルムを用いた実施例を示す。
<基材フィルム(A−1)の作製>
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)8000g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)2000gおよび重合溶媒としてトルエン10000gを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート10.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート20.0gとトルエン100gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。重合反応率は96.6%、得られた重合体におけるMHMAの含有率(質量比)は20.0%であった。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として10gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学工業製、Phoslex A−18)を加え、約80〜100℃の環流下において5時間、環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度260℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、押出機内で環化縮合反応および脱揮を行った。次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレットを得た。この樹脂の重量平均分子量は148000、メルトフローレート(JIS K7120に準拠し、試験温度を240℃、荷重を10kgとして求めた。以降の製造例においても同じ)は11.0g/10分、ガラス転移温度は130℃であった。
次に、得られたペレットとAS樹脂(東洋スチレン製、商品名:トーヨーAS AS20)を、ペレット/AS樹脂=90/10の質量比で単軸押出機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、ガラス転移温度が127℃の透明なペレットを得た。
上記で作製した樹脂組成物のペレットを、二軸押出機を用いて、コートハンガー型Tダイから溶融押出し、厚さ約160μmの樹脂フィルムを作製した。
次に、得られた未延伸の樹脂フィルムを、縦方向に2.0倍、横方向に2.0倍に同時二軸延伸することにより、透明プラスチックフィルム基材(基材フィルム(A−1))を作製した。このようにして得た二軸延伸性フィルムの厚さは40μm、全光線透過率は92%、ヘイズは0.3%、ガラス転移温度は127℃であった。
<基材フィルム(A−2)の作製>
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、41.5質量部のメタクリル酸メチル(MMA)、6質量部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、2.5質量部の2−〔2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ〕エチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製、商品名:RUVA−93)、重合溶媒として50質量部のトルエン、0.025質量部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)、および連鎖移動剤として0.025質量部のn−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05質量部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10質量部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05質量部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A−8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。次に、反応進行後の重合溶液に、紫外線吸収剤としてCGL777MPA(BASF社製)を0.94質量部混合した。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μ、濾過面積1.5m)を配置したベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=50.0mm、L/D=30)に、樹脂量換算で45kg/時の処理速度で導入し、脱気を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.68kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を0.22kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。
酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、50質量部の酸化防止剤(住友化学製スミライザーGS)と、失活剤として35質量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチクス亜鉛3.6%)とを、トルエン200質量部に溶解させた溶液を用いた。
次に、脱気完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端からポリマーフィルタによる濾過を伴いながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂と紫外線吸収剤とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂の重量平均分子量は145000、樹脂および樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は122℃であった。
上記で作製した樹脂組成物のペレットを、二軸押出機を用いて、コートハンガー型Tダイから溶融押出し、厚さ約160μmの樹脂フィルムを作製した。
次に、得られた未延伸の樹脂フィルムを、縦方向に2.0倍、横方向に2.0倍に同時二軸延伸することにより、透明プラスチックフィルム基材(基材フィルム(A−2))を作製した。
このようにして得た二軸延伸性の樹脂フィルムの物性を測定したところ、厚さは40μm、ヘイズ(濁度)は0.3%、ガラス転移温度は128℃、380nmの光に対する透過率は5.8%、500nmの光に対する透過率は92.2%であった。
<光学フィルム501Cの作製>
基材フィルム(A−1)をロール形態から巻き出して、上記低透湿層形成用組成物BL−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量120mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。低透湿層の膜厚は8μmになるよう塗布量を調整した。
得られた光学フィルムを光学フィルム501Cとした。
<光学フィルム502C〜506Cの作製>
光学フィルム501Aの作製において、基材と低透湿層形成用組成物を下記表8に記載のようにした以外は光学フィルム501Cと同様にして、光学フィルム502C〜506Cを作製した。
上記で作成した光学フィルム501C〜506Cを光学フィルム101Aと同様の方法で評価した。結果を表に示す。
Figure 2014170130
表8に示す結果から以下のことが明らかである。
1.基材フィルムをアクリル系フィルムにした場合もセルロースアシレートを基材フィルムとした場合と同様に、(A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれかと、(B)平均粒径が30nm以上100nm以下の無機微粒子とを低透湿層に用いた光学フィルムは、薄膜でありながら透湿度が低く好ましい。
2.更に(C)ロジン化合物とを低透湿層に用いた光学フィルムは、更に透湿度を低下させることができ好ましい。

Claims (18)

  1. 基材フィルム上に、下記(A)及び下記(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層を有する光学フィルム。
    (A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
    (B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
  2. 前記硬化性組成物が、前記(B)の無機微粒子を硬化性組成物の全固形分に対して10〜80質量%含有する、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物の環状脂肪族炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である請求項1又は2に記載の光学フィルム。
    Figure 2014170130

    一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
  4. 前記硬化性組成物が、前記(A)の化合物を硬化性組成物の全固形分に対して20〜80質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記(B)の無機微粒子が、シリカ微粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記(B)の無機微粒子が、シランカップリング剤によって表面処理されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物が、活性エネルギー線硬化性組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物が更に(C)ロジン化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 前記(C)ロジン化合物が酸変性ロジンである、請求項8に記載の光学フィルム。
  10. 前記光学フィルムの透湿度が5.0〜100g/m/dayである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    (ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。)
  11. 前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度が5.0〜100g/m/dayである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    (ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度は以下の式(1)によって算出される。
    1/J=1/J+1/J ・・・・・ 式(1)
    上記式(1)中、Jは光学フィルムを基材フィルムと、前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とに分離したときの前記層の透湿度を表し、光学フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJとする。)
  12. 前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の膜厚が10μmであるときの前記層の換算透湿度が、5.0〜100g/m/dayである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    (ここで、透湿度は、JIS Z−0208の手法で、40℃、相対湿度90%で24時間経過後の値である。膜厚10μmの前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層の透湿度は以下の式(2)によって算出される。
    ×d/10 ・・・・・ 式(2)
    上記式(2)中、Jは光学フィルムを基材フィルムと、前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層とに分離したときの前記層の透湿度を表し、d[μm]は前記層の膜厚を表す。)
  13. 前記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  14. 前記基材フィルムが主鎖にラクトン環構造、無水グルタル酸環構造、及びグルタルイミド環構造のいずれか少なくとも1種を有する(メタ)アクリル系重合体である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  15. 前記光学フィルムが前記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して形成される層上にハードコート層を更に有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  16. 基材フィルム上に下記(A)及び(B)を含有する硬化性組成物を硬化して層を形成する工程を有する光学フィルムの製造方法。
    (A)環状脂肪族炭化水素基と不飽和二重結合基とを有する化合物、及びフルオレン環と不飽和二重結合基とを有する化合物の少なくともいずれか
    (B)平均粒径30nm以上100nm以下の無機微粒子
  17. 偏光子と、該偏光子の保護フィルムとして請求項1〜15のいずれか1項に記載の光学フィルムとを少なくとも1枚含む偏光板。
  18. 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方に配置された請求項17に記載の偏光板とを含み、前記光学フィルムが最表層となるように配置された液晶表示装置。
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