JP6587588B2 - 積層体、光学フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

積層体、光学フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、積層体、この積層体を用いた光学フィルム、偏光板保護フィルム、及び偏光板、並びにこの偏光板を用いた画像表示装置に関する。
エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)に代表される画像表示装置には、その薄型化への要求が益々高まっている。また、屋外用途をはじめとして画像表示装置の使用環境は多様化しており、画像表示装置には従来に比べて過酷な環境下でも良好な画像品質を安定して維持できる性能(高度な耐久性)が求められるようになっている。
画像表示装置における画像品質の低下は、水分が偏光板内部へと進入し、偏光子を劣化させることが一因とされる。偏光子はその表面に保護フィルム(光学フィルム)が積層されて保護されているが、装置の薄型化に伴い保護フィルムにも薄膜化が求められている。保護フィルムを薄膜化すると水分が偏光子と接触しやすくなり、画像品質が低下しやすくなる。また、このような画像品質の低下は、屋外用途等の過酷環境下での使用においてより顕在化する。
上記保護フィルムとしては、汎用性や加工性の観点から、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂等が広く用いられている。耐久性をより高める必要性から、保護フィルムの改質が進められている(例えば特許文献1)。また、保護フィルムの光学特性を改質するために、セルロース系樹脂フィルム表面にポリエステル樹脂層を積層することも報告されている(例えば特許文献2)。
特開2012−172062号公報 特表2008−544304号公報
本発明者は、偏光子の劣化を抑える観点で従来の保護フィルムについて検討を重ねた結果、特に上述した要求水準まで保護フィルムを薄膜化した際には、偏光子の劣化の問題に十分に対応できないことが明らかとなってきた。
また、これらの保護フィルムは高温環境下でヘイズ値が上昇しやすい傾向にあり、これらの保護フィルムを画像表示装置に組み込んでも、特に高温環境において表示性能を長期に亘り良好に維持することが困難であることも明らかとなってきた。
本発明は、セルロースエステルを含有する層を有する積層体であって、層間の密着性に優れた積層体を提供することを課題とする。また本発明は、セルロースエステルを含有する層を有する積層体であって、透湿度が低く、偏光子の保護フィルムとして用いた際には高温高湿条件下においても偏光子の経時的な劣化を効果的に抑制することができる積層体を提供することを課題とする。また本発明は、セルロースエステルを含有する層を有する積層体であって、高温環境下においてもヘイズ値の経時的な上昇が抑制され、光学フィルムとして画像表示装置に組み込んだ際に表示性能を長期に亘り良好に維持することを可能とする積層体を提供することを課題とする。また本発明は、上記積層体を用いた光学フィルム、偏光板保護フィルム及び偏光板を提供することを課題とする。また本発明は、上記偏光板を用いた画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、セルロースエステルを含有する層と、特定構造のポリウレアを含有する層とを直に積層してなる積層体が、層間の密着性に優れること、透湿度が低く水分のバリア機能に優れること、高温環境下においてもヘイズ値の経時的な上昇が抑制できること、偏光子の保護フィルムとして用いた際に高温高湿条件下でも偏光子の経時的な劣化を効果的に抑えることができること、光学フィルムとして画像表示装置に組み込んだ際には表示性能を長期に亘り良好に維持できることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
セルロースエステルを含有する層と、ポリウレアを含有する層とが隣接して配された構造を有する積層体であって、
上記ポリウレアが下記一般式(1)で表される構造単位を有する積層体。
Figure 0006587588
式中、X及びXはウレア結合を示す。L及びLは単結合を示すか、又は炭素原子を有する二価の基を示す。但し、L 及び/又はL は第3級炭素原子又は第4級炭素原子を少なくとも1つ有する。は0又は1である。R〜Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示す。n〜nは0〜4の整数を示す。*は結合部を示す。
2〕
上記L及び/又はLが脂肪族環を有し、この脂肪族環が環構成炭素原子として第4級炭素原子を少なくとも1つ有する、〔〕記載の積層体。

上記L及び/又はLが下記一般式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基を有する、〔〕記載の積層体。
Figure 0006587588
式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示す。n2aは0〜4の整数であり、n2bは0〜6の整数である。*は結合部を示す。

上記セルロースエステルがセルロースアシレートである、〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の積層体。

〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の積層体を用いた光学フィルム。

〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の積層体を用いた偏光板保護フィルム。

〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の積層体と、偏光子とを有する偏光板。

〕記載の偏光板を有する画像表示装置。
本明細書において「〜」で表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基、連結基、構造単位等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基が近接(特に隣接)するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい意味である。
本明細書において化合物の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的の効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。
なお、化合物の塩としては、例えば、化合物と無機酸もしくは有機酸とで形成された、化合物の酸付加塩、又は、化合物と無機塩基もしくは有機塩基とで形成された、化合物の塩基付加塩等が挙げられる。また、化合物のイオンとしては、例えば、上述の化合物の塩が乖離してなる、化合物の骨格を含むイオンが挙げられる。
本明細書において置換又は無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を損なわない範囲で、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換又は無置換を明記していない化合物についても同義である。
また本明細書において単に「置換基」という場合、特段の断りが無い限り、下記置換基群Tから選択される基が挙げられる。また、特定の範囲を有する置換基が記載されているだけの場合(例えば「アルキル基」と記載されているだけの場合)は、下記置換基群Tの対応する基(上記の場合はアルキル基)における好ましい範囲、具体例が適用される。
本明細書において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
置換基群T:
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基などが挙げられる。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20、より好ましくは3〜12、特に好ましくは3〜8のものであり、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、及びシリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換基を有してもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、隣接する置換基は互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の積層体、これを用いた本発明の光学フィルム及び偏光板保護フィルムは、層間の密着性に優れる。本発明の積層体、これを用いた本発明の光学フィルム及び偏光板保護フィルムは、透湿度が低く水分のバリア機能に優れる。本発明の積層体、これを用いた本発明の光学フィルム及び偏光板保護フィルムは、偏光子の保護フィルムとして用いることにより高温高湿条件下においても偏光子の経時的な劣化を効果的に抑制することができる。本発明の積層体、これを用いた本発明の光学フィルム及び偏光板保護フィルムは、高温環境下においてもヘイズの経時的な上昇を生じにくく、画像表示装置に組み込んだ際に表示性能を長期に亘り良好に維持することを可能とする。
本発明の偏光板は、上記効果を奏する本発明の積層体を有し、高温高湿条件下においても偏光子の劣化が効果的に抑えられる。また本発明の画像表示装置は、上記効果を奏する本発明の積層体ないし偏光板を有し、高温高湿下おいても表示性能を長期に亘り良好に維持できる。
本明細書において、偏光子の劣化を抑制する程度を「偏光子耐久性」又は「偏光板耐久性」ともいう。
図1は、本発明の積層体の一実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明の偏光板保護フィルムを組み込んだ偏光板を備えた液晶表示装置の一実施形態について、その概略を示す模式図である。
本発明の好ましい実施形態について以下に説明する。
[積層体]
図1に示されるように、本発明の積層体の好ましい一形態である積層体10は、セルロースエステルを含有する層11(以下、単に「セルロースエステル層」ともいう。)と、セルロースエステル層11の少なくとも一方の表面に隣接して配された、後述する一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレアを含有する層12(以下、単に「ポリウレア層」ともいう。)とを有する。
本発明において「隣接して配された」とは、セルロースエステル層とポリウレア層とが直接積層された(直接重ね合わされた)形態を意味する。すなわち、セルロースエステル層とポリウレア層との間には、両層を密着又は接着させる接着剤層等を有しない。
本発明の積層体は、図1に示すようにセルロースエステル層11の片面に上記ポリウレア層12が設けられていてもよいし、図示していないが、セルロースエステル層11の両面に上記ポリウレア層12が設けられた形態であってもよい。より好ましくは、本発明の積層体はセルロースエステル層11の片面に上記ポリウレア層12が設けられた形態である。
また、本発明の積層体は、組成の異なる2層以上のポリウレア層をセルロースエステル層上に設けた形態でもよい。2層以上のポリウレア層を形成する場合は、セルロースエステル層の片面に2層以上のポリウレア層を設けた形態でもよく、セルロースエステル層の両面にそれぞれ2層以上のポリウレア層を設けた形態でもよい。
また、本発明の積層体は、セルロースエステル層とポリウレア層の他、特定の機能に特化した各種機能層(図示していない)を有していてもよい。この機能層として、例えばハードコート層、反射防止層、光散乱層、防汚層、帯電防止層等が挙げられる。
<ポリウレア層>
本発明の積層体を構成するポリウレア層について説明する。
本発明において、「ポリウレア層」とは、後述するポリウレアを層中に50質量%以上含有する層を意味する。ポリウレア層中のポリウレアの含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上が特に好ましい。ポリウレアの含有量が多いほど、セルロースエステル層との密着性が向上し、また透湿度を抑制できるので好ましい。そのため、ポリウレア層中のポリウレアの含有量は100質量%でもよく、通常は99質量%以下である。上記ポリウレア層中のポリウレアの含有量が100質量%でない場合、残部は、後述する各種の添加剤を含むことができる。
ポリウレア層にはポリウレアを2種以上併用してもよい。すなわち、ポリウレア層中に、構造単位の組成比、構造及び/又は分子量が異なるポリウレアを併用してもよい。2種以上のポリウレアを併用する場合、上述した、ポリウレア層中のポリウレアの含有量は、2種以上のポリウレアの合計量となる。
ウレア結合は極性基であり、水に対する親和性を有するために、ポリウレアを含む層は一般に、水分の透過性が比較的高いと考えられる。しかし、本発明においては後述する特定構造のポリウレアを用いて層を構成することにより、積層体の透湿度を効果的に抑えることができる。その理由は定かではないが、ウレア結合の水素結合性によるポリマー同士の密な凝集、ポリウレア中の特定の炭化水素構造による疎水性の効果的な付与、ウレア結合とセルロースエステルとの高親和性による層間の密着性向上等の複合的作用によるものと考えられる。
− ポリウレア −
ポリウレア層を構成するポリウレアは、下記一般式(1)で表される構造単位(繰り返し単位)の1種又は2種以上を有する。なお、本明細書において式中に示された*は、ポリマー構造中に組み込まれるための結合部(連結部位)を示す。
Figure 0006587588
一般式(1)中、X及びXはウレア結合(−NH−C(=O)−NH−)を示す。nは0又は1である。
及びLは単結合を示すか、又は、炭素原子を有する二価の基を示す。L及び/又はLは炭素原子を有する二価の基であることが好ましく、隣接する2つのベンゼン環に対し、炭素原子で連結する二価の基であることがより好ましい。
及びLとして採り得る二価の基は、炭素数が1〜20が好ましく、2〜15がより好ましく、3〜13がさらに好ましく、3〜10がさらに好ましい。L及びLとして採り得る二価の基は、炭化水素基が好ましく、この炭化水素基は置換基を有してもよい。この置換基としてはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
及びLとして採り得る二価の基は、第3級炭素原子又は第4級炭素原子を少なくとも1つ有することが好ましい。
及びLとして採り得る二価の基は環構造を有することも好ましく、この環構造は環構成炭素原子として第4級炭素原子を有することが好ましい。上記二価の基が、環構成炭素原子に第4級炭素原子を含む環構造を有する基である場合、この二価の基としては下記式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基を有することが好ましく、下記式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 0006587588
一般式(L1)〜(L9)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。n2aは0〜4の整数であり、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。n2bは0〜6の整数であり、0〜4の整数が好ましく、0〜3の整数がさらに好ましい。
及びLとして採り得る二価の基は、脂肪族環を有し、この脂肪族環が環構成原子として第4級炭素原子を少なくとも1つ有する形態であることがより好ましい。この脂肪族環は単環構造でもよいし、縮合多環構造でもよい。この脂肪族環は炭化水素環が好ましい。この脂肪族環の炭素数は3〜15が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。この脂肪族環を有する二価の基は、上記式(L1)、(L2)、(L3)及び(L4)から選ばれる基を有することがさらに好ましく、上記式(L1)、(L2)、(L3)及び(L4)から選ばれる基であることが特に好ましい。
及び/又はLが上記好ましい形態の脂肪族環を有する構造をとることにより、積層体の、水分等に対するバリア性能を効果的に高めることができる。これは、ポリウレアの疎水性構造部の運動性が適度に抑制されるためと考えられる。また、L及び/又はLが上記好ましい形態の脂肪族環を有する構造をとることにより、ポリウレア層に適度な柔軟性を付与することができ、積層体を、汎用性に優れた性状とすることができる。
また、nが1の場合、LとLのいずれか一方が上述した環構造を有する基(好ましくは上述した脂肪族環を有する基)であり、他方が鎖状の二価の基であることも好ましい。この鎖状の二価の基は、その炭素数が1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましい。この鎖状の二価の基の好ましい例としては、−(CH−及び−C(CR −が挙げられ、−C(CR −が好ましい。kは1〜3の整数であり、1又は2が好ましい。Rは水素原子又はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を示す。
〜Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル、エチル又はトリフルオロメチル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくはメトキシ基またはエトキシ基)、又はハロゲン原子(好ましくは塩素原子またはフッ素原子)を示す。
〜nは0〜4の整数であり、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
一般式(1)中に示された各ベンゼン環において、ポリウレアの主鎖中に組み込まれるための2つの連結部位は、互いにパラ位又はメタ位に位置することが好ましい。
上記ポリウレアは、上記一般式(1)で表される構造単位を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することが特に好ましい。また、上記ポリウレアは上記一般式(1)で表される構造単位からなる形態であることも好ましい。
上記ポリウレアが上記一般式(1)の構造単位以外の構造単位を有する場合、上記ポリウレア中、上記一般式(1)の構造単位を除いた残部を構成する構造単位は、ウレア結合でポリマー主鎖中に組み込まれるものであれば特に制限されない。
本発明に用いるポリウレアの好ましい構造を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記構造中、Meはメチルを示す。
Figure 0006587588
Figure 0006587588
Figure 0006587588
Figure 0006587588
本発明に用いる上記ポリウレアの重量平均分子量(Mw)は、フィルム面状の観点から、5,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、15,000以上であることが更に好ましい。一方、本発明に用いる上記ポリウレアの重量平均分子量は、製膜性の観点から、1,000,000以下であることが好ましく、800,000以下であることがより好ましく、500,000以下であることが更に好ましく、200,000以下であることが特に好ましく、100,000以下であることが最も好ましい。
分子量の測定は、後述する実施例に記載する方法等で測定することができる。
上記ポリウレア層の膜厚に特に制限はなく、1〜25μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜15μmが特に好ましい。
<セルロースエステル層>
本発明の積層体を構成するセルロースエステル層は、層中にセルロースエステルを50質量%以上含有する層である。セルロースエステル層中のセルロースエステルの含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上が特に好ましい。セルロースエステル層中のセルロースエステルの含有量の上限は、通常は96質量%以下であり、95質量%以下が好ましく、92質量%以下が更に好ましい。この場合、セルロースエステルを除く残部には、例えば後述する添加剤等が含まれる。
− セルロースエステル −
本発明のセルロースエステル層の製造において、原料として用いるセルロースエステルについて説明する。
セルロースエステルは、セルロースエステルフィルムの製造に用いられるセルロースエステルであれば特に制限されることなく用いることができる。
セルロースを構成する、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離のヒドロキシ基を有している。セルロースエステルは、これらのヒドロキシ基の一部をエステル化剤等によりエステル化した重合体(ポリマー)である。
セルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)等があり、いずれの原料セルロースから得られるセルロースでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。原料セルロースは、例えば、丸澤、宇田著,「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」,日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
セルロースエステルとしては、セルロースエステルフィルムの製造に用いられる公知のセルロースエステルを何ら制限なく用いることができる。なかでもセルロースアシレートを用いることが好ましい。
(セルロースアシレート)
本発明に用いるセルロースアシレートは、セルロースアシレートフィルムの製造に用いられる公知のセルロースアシレートを何ら制限なく用いることができる。
アシル置換度(以下、単に「置換度」ということがある)は、2位、3位及び6位に位置するセルロースのヒドロキシ基のアシル化の度合いを示すものであり、すべてのグルコース単位の2位、3位及び6位のヒドロキシ基がいずれもアシル化された場合、総アシル置換度は3である。例えば、すべてのグルコース単位で、6位のみがすべてアシル化された場合、総アシル置換度は1である。同様に、全グルコースの全ヒドロキシ基において、各々のグルコース単位で、6位及び2位のいずれか一方のすべてがアシル化された場合も、総アシル置換度は1である。
すなわち置換度は、グルコース分子中の全ヒドロキシ基がすべてアシル化された場合を3として、アシル化の度合いを示すものである。
セルロースアシレートの置換度は、手塚他,Carbohydrate.Res.,273,83−91(1995)に記載の方法、又は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。
本発明に用いるセルロースアシレートの総アシル置換度は透湿度の観点から1.50以上3.00以下であることが好ましく、2.00〜2.97であることがより好ましく、2.30以上2.97未満であることが更に好ましく、2.30〜2.95であることが特に好ましい。
本発明に用いるセルロースアシレートのアシル基に、特に制限はなく、1種のアシル基を有する形態でもよいし、2種以上のアシル基を有する形態でもよい。本発明に用いうるセルロースアシレートは、炭素原子数2以上のアシル基を置換基として有することが好ましい。炭素原子数2以上のアシル基に特に制限はなく、脂肪族のアシル基でもよいし、芳香族のアシル基でもよい。炭素原子数2以上のアシル基の具体例として、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、イソブタノイル、tert−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが挙げられる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、tert−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルが好ましく、更に好ましくはアセチル、プロピオニル、ブタノイルである。
セルロースアシレートのアシル基としてアセチル基のみを用いたセルロースアセテートは、本発明に好適に用いることができ、このセルロースアセテートの総アシル置換度は、透湿度及び光学特性の観点から、2.00以上3.00以下であることが好ましく、2.20〜3.00であることがより好ましく、2.30〜3.00であることが更に好ましく、2.30〜2.97であることが更に好ましく、2.30〜2.95であることが特に好ましい。
2種類以上のアシル基を有する混合脂肪酸エステルも本発明におけるセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。なかでも混合脂肪酸エステルのアシル基には、アセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が含まれることが好ましい。また、混合脂肪酸エステルがアシル基としてアセチル基を含む場合、そのアセチル置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満が更に好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基を含む場合の炭素数が3〜4のアシル基の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
また、特開2008−20896号公報の段落[0023]〜[0038]に記載の、脂肪酸アシル基と置換若しくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも好ましく用いることができる。
本発明においては、エステル基及び置換度の一方又は両方が異なる、2種のセルロースエステルないしセルロースアシレートを併用することもできる。この場合、後述する共流延法等により、異なるセルロースエステルからなる積層構造として形成してもよい。
本発明に用いるセルロースエステルないしセルロースアシレートは、その重合度が250〜800が好ましく、300〜600が更に好ましい。また、本発明に用いるセルロースエステルないしセルロースアシレートは、その数平均分子量が40000〜230000が好ましく、60000〜230000が更に好ましく、75000〜200000が最も好ましい。
重合度は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によりポリスチレン換算で測定される数平均分子量をセルロースエステルないしセルロースアシレートのグルコピラノース単位の分子量で除することで求めることができる。
本発明に用いるセルロースエステルは常法により合成することができる。例えばセルロースアシレートであれば、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。上記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。セルロースアシレートの一般的な工業的生産では、セルロースを目的のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸等)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等)を用いてそのヒドロキシ基がエステル化される。
例えば、綿花リンタ又は木材パルプ由来のセルロースを原料とし、これを酢酸等の有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、所望の構造の有機酸を用いてエステル化することによりセルロースアシレートを得ることができる。また、アシル化剤として有機酸無水物を用いる場合には、一般にセルロース中に存在するヒドロキシ基の量に対して有機酸無水物を過剰量で使用してセルロースをエステル化する。
またセルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載された方法により合成することもできる。
また、本発明のセルロースエステル層中には、本発明の効果を損なわない範囲でセルロースエステルに加えて他の樹脂(例えば(メタ)アクリル樹脂等)を併用して用いることもできる。セルロースエステルフィルム中の上記他の樹脂の含有量は、セルロースエステルフィルム中、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、15質量%以下が特に好ましく、10質量%以下が最も好ましい。
<セルロースエステル層の形成>
続いて上記セルロースエステル層の形成について説明する。
上記セルロースエステル層の形成は、特に限定されるものではなく、例えば溶融製膜法又は溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により形成することが好ましく、添加剤の揮散や分解を考慮すると溶液製膜法により形成することがより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したポリマーフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号及び同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、上記セルロースエステル層は、延伸処理が施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参照することができる。
(流延)
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押出す方法、一旦金属等の支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルロースエステル溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することができる。
セルロースエステル層は単層であっても複層であってもよく、複層とする場合には、共流延法、逐次流延法又は塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に共流延(多層共流延ともいう。)法を用いることが、安定製造及び生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法及び逐次流延法によりセルロースエステル層を製造する場合には、まず、各層用のセルロースエステル溶液(ドープともいう)を調製し、この溶液を支持体上に流延する。
共流延法(重層同時流延)では、まず、流延用支持体(バンド又はドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別々のスリットなどから同時に押出すことができる流延用ダイを用いてドープを押出して、各層同時に流延する。流延後、適当な時間をおいて支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。共流延ダイを用いることにより、例えば、流延用支持体の上に表層用ドープから形成された表層2層と、これら表層に挟まれたコア層用ドープからなるコア層の計3層を、支持体上に同時に押出して流延することができる。
逐次流延法では、流延用支持体の上に、まず、第1層用の流延用ドープを流延用ダイから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ダイから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時間をおいて支持体から剥ぎ取って乾燥し、セルロースエステル層を形成する。
また塗布法では、一般的には、コア層を溶液製膜法によりフィルム状に形成し、その表層に、目的のセルロースエステル溶液である塗布液を塗布し、乾燥して、積層構造のセルロースエステル層を形成する。
(延伸)
上記セルロースエステル層は、上記の流延、乾燥後、延伸処理されていることも好ましい。セルロースエステル層の延伸方向はフィルム搬送方向(MD(Machine Direction)方向)と搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)のいずれでもよい。後に続く偏光板加工プロセスを考慮すると、TD方向であることが好ましい。延伸処理は2段階以上に分けて複数回行ってもよい。
TD方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。TD方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによって延伸することができる。またポリマーフィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
MD方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりも巻き取り速度を速くすることで行うことができる。
本発明の積層体を偏光子の保護膜(偏光板保護フィルムとも呼ぶ)として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸とセルロースエステル層の面内の遅相軸を平行に配置する態様が好ましい。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、上記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状のセルロースエステル層からなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、セルロースエステル層の幅方向に平行であることが必要となる。したがって、TD方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
TD方向の延伸は5〜100%が好ましく、より好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜40%とする。なお、未延伸の場合、延伸は0%となる。延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%の状態で延伸することが好ましい。残留溶剤量が0.05〜5%の状態で5〜80%延伸することがより好ましい。
<添加剤>
上記セルロースエステル層は、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤又はマット剤などが例示される。これらについては、特開2012−155287号公報の段落番号[0062]〜[0097]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、添加剤としては、剥離促進剤、有機酸、多価カルボン酸誘導体を挙げることもできる。これらについては、国際公報WO2015/005398号段落[0212]〜[0219]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。更に、添加剤として、後述する、ラジカル捕捉剤、劣化防止剤又はバルビツール酸化合物なども挙げることができる。
添加剤の含有量(上記セルロースエステル層が二種以上の添加剤を含有する場合には、それらの合計含有量)は、セルロースエステル100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、5〜30質量部であることが更に好ましい。
(可塑剤)
好ましい添加剤の1つとしては、可塑剤を挙げることができる。可塑剤をセルロースエステル層に添加することにより、セルロースエステル層の疎水性を高めることができる。この点は、セルロースエステル層の含水率を低下させる観点から好ましい。このような可塑剤を使用することは、セルロースエステル層を有する積層体を、偏光板保護フィルムとして用いた場合、湿度に起因する画像表示装置の表示ムラを発生しにくくすることができるため、好ましい。
可塑剤としては、特に限定されないが、多価アルコールの多価エステル化合物(以下、「多価アルコールエステル可塑剤」とも記載する。)、重縮合エステル化合物(以下、「重縮合エステル可塑剤」とも記載する。)、又は、炭水化物化合物(以下、「炭水化物誘導体可塑剤」とも記載する。)を挙げることができる。多価アルコールエステル可塑剤については、国際公開第2015/005398号の段落[0081]〜[0098]、重縮合エステル可塑剤については、同公報の段落[0099]〜[0122]、炭水化物誘導体可塑剤については、同公報の段落[0123]〜[0140]を参照でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
可塑剤の分子量は、添加することによる上記効果を良好に得る観点からは、3000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。また、可塑剤の分子量は、低揮散性の観点からは、例えば300以上であり、好ましくは350以上である。なお、多量体の可塑剤については、分子量とは、数平均分子量をいうものとする。
可塑剤の含有量は、可塑剤の添加効果と可塑剤の析出抑制とを両立する観点から、可塑剤を添加する層の樹脂(セルロースエステル)100質量部に対して、1〜20質量部とすることが好ましく、2〜15質量部とすることがより好ましく、5〜15質量部とすることが更に好ましい。
可塑剤は、2種類以上を併用してもよい。2種類以上を併用する場合も、含有量の具体例及び好ましい範囲は上記と同一である。
(酸化防止剤)
好ましい添加剤の1つとしては、酸化防止剤を挙げることもできる。酸化防止剤については、国際公開第2015/005398号の段落[0143]〜[0165]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(ラジカル捕捉剤)
好ましい添加剤の1つとしては、ラジカル補捉剤を挙げることもできる。ラジカル補捉剤については、国際公開第2015/005398号段落[0166]〜[0199]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(劣化防止剤)
好ましい添加剤の1つとしては、劣化防止剤を挙げることもできる。劣化防止剤については、国際公開第2015/005398号段落[0205]〜[0206]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(バルビツール酸化合物)
上記セルロースエステル層は、バルビツール酸構造を有する化合物(バルビツール酸化合物)を含有することもできる。バルビツール酸化合物は、この化合物を添加することにより、セルロースエステル層に各種機能を発現させることができる化合物である。例えば、バルビツール酸化合物は、セルロースエステル層の硬度向上に有効である。また、バルビツール酸化合物は、この化合物を含むセルロースエステル層を備えた偏光板の、光、熱又は湿度等に対する耐久性の改良にも有効である。上記セルロースエステル層に使用可能なバルビツール酸化合物については、例えば、国際公開第2015/005398号段落[0029]〜[0060]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<鹸化処理>
上記セルロースエステル層は、アルカリ鹸化処理することにより、ポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を高めることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の段落番号[0211]及び段落番号[0212]に記載されている方法を用いることができる。
例えば、セルロースエステル層に対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0モル/Lの範囲が好ましく、0.5〜4.0モル/Lの範囲が更に好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲が好ましく、40〜70℃の範囲が更に好ましい。
アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報又は特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
上記セルロースエステル層の膜厚は、1〜80μmが好ましく、1〜60μmがより好ましく、3〜60μmが更に好ましい。
セルロースエステル層が3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。3層構造である場合のスキン層A及びスキン層Bの膜厚は、ともに、0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。なお、コア層は、積層構造において内部に位置する層、3層構造である場合は中間に位置する層をいい、スキン層A、Bは積層構造ないし3層構造において、外側に位置する層をいう。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。溶融製膜法又は溶液製膜法の他、後述する方法でセルロースエステル層を作製した後、各種公知の塗布方法によりポリウレア層を形成し、積層体を製造することもできる。このような塗布方法としては特に制限はないが、マイクログラビア塗工方式を好ましく用いることができる。なお、いずれの塗布方法を用いた場合であっても、ポリウレアを、適宜の溶媒に適宜の濃度で溶解したものであれば、塗布液は特に限定されず、塗工条件及び成膜条件も特に限定されない。
溶融製膜法としては、T−ダイ法などの製造法を用いることが好ましく、特に同時共押し出し法を用いることが好ましい。溶液製膜法としては、上記共流延法、逐次流延法又は塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延(同時多層共流延ともいう。)法を用いることが、安定製造及び生産コスト低減の観点から特に好ましい。
<積層体の物性ないし特性>
本発明の積層体は、下記の物性ないし特性を有することが好ましい。
(ヘイズ)
本発明の積層体は、下記方法により測定されるヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。このようなヘイズを示す積層体は、透明性に優れ、液晶表示装置のフィルム部材として好適である。ヘイズの下限値は、例えば0.001%以上であるが、特に限定されない。
ヘイズは、積層体40mm×80mmを用いて、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機株式会社)を用いて、JIS K7136(2000)に従って測定する。
(膜厚)
本発明の積層体の膜厚は、用途に応じ適宜定めることができるが、例えば、5〜100μmとすることができる。5μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、100μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。
上述の画像表示装置の薄型化への要求に応えるためには、積層体は薄膜化されていることが好ましく、この場合の積層体の膜厚は、例えば、8〜80μmが好ましく、10〜70μmがより好ましい。
(透湿度)
上記積層体の透湿度は、JIS Z−0208の記載を基に、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。
本発明の積層体の透湿度は、1600g/m/day未満であることが好ましく、1000g/m/day未満であることがより好ましく、500g/m/day未満であることが更に好ましく、250g/m/day未満であることが特に好ましい。積層体の透湿度を上記範囲に制御することで、本発明の積層体を搭載した液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の、液晶セルの反りや、黒表示時の表示ムラを抑制できる。
(含水率)
上記積層体の含水率(平衡含水率)は、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの親水性熱可塑性樹脂との接着性を損なわないために、膜厚に関わらず、25℃、相対湿度80%における含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。含水率は、0〜2.5質量%であることがより好ましく、0〜1.5質量%であることが更に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなり過ぎず、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の黒表示時の表示ムラを抑止の点からも好ましい。
含水率の測定法は、フィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置「CA−03」及び「VA−05」(ともに三菱化学社製)を用いてカールフィッシャー法で測定することができる。含水率は水分量(g)を試料質量(g)で除して算出できる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、この偏光子の保護フィルムとして本発明の積層体を少なくとも1枚含む。すなわち本発明の偏光板は光学フィルムないし偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。通常は、偏光子の両面を本発明の積層体で挟み両面を保護した偏光板とする。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸した偏光子を用いる場合、例えば、接着剤を用いて偏光子の少なくとも一方の面に、上記積層体におけるセルロースエステル層の鹸化処理面を貼り合わせることができる。
本発明の積層体は、偏光板保護フィルムとして用いることができる。偏光板保護フィルムとして用いる場合、本発明の偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法に準じて作製することができる。例えば、本発明の積層体をアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報又は特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。またその他の表面処理を行うこともできる。その他の表面処理としては、例えば、コロナ放電、グロー放電、紫外線(UV)照射、火炎処理等の方法が挙げられる。
積層体がセルロースエステル層の片面にポリウレア層が設けられた形態である場合、上記積層体の偏光子との貼合面は、ポリウレア層の側でもよいし、セルロースエステル層の側でもよい。本発明の効果をより高める観点から、ポリウレア層の側を偏光子と直接貼合することが好ましい。
本発明の積層体の偏光子への貼り合せは、偏光子の透過軸と本発明の積層体の遅相軸が平行、直交又は45°となるように貼り合せることが好ましい。遅相軸の測定は、公知の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRADH、王子計測機器(株)製)を用いて行うことができる。
ここで、平行、直交又は45°については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含む。例えば、それぞれ平行、直交及び45°に関する厳密な角度から±10°の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、±5°の範囲内が好ましく、±3°の範囲内がより好ましい。
偏光子の透過軸と本発明の積層体の遅相軸についての平行とは、本発明の積層体の主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とが±10°の角度で交わっていることを意味する。この角度は、±5°の範囲内が好ましく、より好ましくは±3°の範囲内、更に好ましくは±1°の範囲内、最も好ましくは±0.5°の範囲内である。
また、偏光子の透過軸と本発明の積層体の遅相軸についての直交とは、本発明の積層体の主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とが90°±10°の範囲内の角度で交わっていることを意味する。この角度は、好ましくは90°±5°の範囲内、より好ましくは90°±3°の範囲内、更に好ましくは90°±1°の範囲内、最も好ましくは90°±0.1°の範囲内である。上述のような範囲であれば、偏光板クロスニコル下における偏光度性能の低下が抑制され、光抜けが低減され好ましい。
偏光板保護フィルムと偏光子とを貼り合わせるのに使用される接着剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックス、紫外線硬化型の接着剤等が挙げられる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液又は紫外線硬化型の接着剤である。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、保護フィルムの少なくとも1枚を、本発明の積層体とすることが好ましい。本発明の偏光板は、偏光板保護フィルムとして本発明の積層体を備えている。したがって、偏光子の劣化が効果的に防止され、高い偏光子耐久性を示す。更にこの偏光板は表面にセパレートフィルムを貼合して構成されることも好ましい。セパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
[偏光板の光学特性]
<偏光度>
本発明の偏光板は、偏光度が95.0%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましく、最も好ましくは99.5%以上である。
本発明において、偏光板の偏光度は、日本分光社製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて測定することができる。より詳細には、実施例欄に記載の方法により、測定できる。
<偏光度変化量>
本発明の偏光板は、湿熱経時条件下における耐久性に優れる。このため、後述する偏光板耐久性試験前後での偏光度の変化量は小さい。
本発明の偏光板は、日本分光社製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率及び平行透過率を測定し、偏光度を算出し、特に、85℃、相対湿度85%の環境下で500時間保存した場合の偏光度変化量が3%未満であるのが好ましい。
<その他の特性>
本発明の偏光板のその他の好ましい光学特性等については、特開2007−086748号公報の段落番号[0238]〜[0255]に記載されており、これらの特性を満たすことが好ましい。
[画像表示装置]
本発明の偏光板は画像表示装置用途として好ましく用いられる。かかる画像表示装置として、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置が挙げられる。有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いる場合、例えば反射防止用途に用いられる。なかでも本発明の偏光板は液晶表示装置に好適に用いられる。
<液晶表示装置>
本発明の画像表示装置としての一実施形態である液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含む。
本発明の画像表示装置としての一実施形態である液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セルと、その両側に配置された二枚の偏光板と、必要に応じて上述の液晶セルと偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムとを、有している。
上記液晶表示装置の好ましい実施形態について説明する。
図2は、上記液晶表示装置の一実施形態を示す概略図である。図2において、液晶表示装置20は、液晶層24とこの両表面側(図2において上下という)に配置された第1(液晶セル上)電極基板23及び第2(液晶セル下)電極基板25とを有する液晶セル、液晶セルの両側に配置された第1(上側)偏光板21及び第2(下側)偏光板26を有する。液晶セルと各偏光板との間にカラーフィルターを配置してもよい。液晶表示装置20を透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
第1偏光板21及び第2偏光板26は、図示しないが、通常は、それぞれ2枚の偏光板保護フィルムで偏光子を挟むように積層した構成を有している。本発明の液晶表示装置20は、少なくとも一方の偏光板が本発明の偏光板であることが好ましい。また、2枚の偏光板のうち、第1偏光板21(視認側偏光板)の偏光板保護フィルムとして本発明の積層体を配置した上で、更に第2偏光板26(バックライト側偏光板)の偏光板保護フィルムとして本発明の積層体を配置することも好ましい。これにより、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止するができる。本発明の液晶表示装置20は、装置の外側(液晶セルから遠い側)から、偏光板保護フィルムとしての本発明の積層体、偏光子、一般の透明保護フィルムの順序で積層することも好ましい。
液晶セルの液晶層24は、通常、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶が封入されて、形成されている。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成される。これにより、基板と透明電極層とを備えた電極基板となる。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層又は(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。
本発明の積層体は、液晶表示装置の光学補償フィルムとしても好ましく用いることもできる。この場合、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光子、及び上述の液晶セルと偏光子との間に少なくとも一枚の本発明の積層体を光学補償フィルムとして配置した構成であることが更に好ましい。
(液晶表示装置の種類)
本発明の積層体は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−PlaneSwitching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の積層体は、いずれの表示モードの液晶表示装置にも好適に用いることができる。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置にも好適に用いることができる。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[合成例]
<合成例1:ポリウレアA−2の合成>
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた300ミリリットル三口フラスコに、Nメチルピロリドン43g、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン(東京化成(株)製)4.66g、2,4−ジイソシアン酸トリレン(和光純薬(株)製)3.26gを仕込んで、室温で撹拌した。7時間撹拌後、アニリン0.2gを加え、メタノール1200mLと水300mLとの混合溶媒中に添加して攪拌し、再沈殿した。得られた粉末をろ別し、更にメタノール1000mLで洗浄した後、60℃で12時間乾燥して、上述した構造のポリウレアA−2を得た。
<合成例2〜9:ポリウレアA−3、A−5、A−8、A−13、A−14、A−15、A−16、A−17の合成>
上記合成例1において、使用する原料を目的のポリウレアの構造に対応したものに変更し、上記合成例と同様にして、上述した構造のポリウレアA−3、A−5、A−8、A−13、A−14、A−15、A−16及びA−17を合成した。
<比較合成例:比較ポリマーHA−1の合成>
特表2008−544304の段落[0047]の記載を参照し、下記構造の比較ポリマーHA−1(ポリエステル)を合成した。
Figure 0006587588
上記各合成例、比較合成例で得られたポリマーを下記表1にまとめて示す。下記表1に示す各ポリマーの「モル比」のカラムにおいて、(I)は、本明細書中に示した対応するポリマーの構造式において、左側の括弧内に示された構造のモル量、(II)は右側の括弧内に示された構造のモル量を示す。
また、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量を採用した。具体的な測定条件を以下に示す。
GPC装置:東ソー社製GPC装置(HLC−8320GPC、Ecosec)
カラム:TSK gel SuperHZM−H、TSK gel SuperHZ4000、TSK gel SuperHZ2000併用、(東ソー製、4.6mmID(内径)×15.0cm)
溶離液:N−メチルピロリドン(NMP)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
Figure 0006587588
[製造例1:積層体S−2、S−3、S−5、S−8、S−13、S−14、S−15、S−16、S−17及び比較積層体HS−1の作製]
<セルロースエステル層の作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、固形分濃度22質量%のセルロースアセテート溶液(ドープA)を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート溶液(ドープA)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン328 チバ・ジャパン製) 0.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン326 チバ・ジャパン製) 0.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
バンド流延装置を用い、上記調製したドープAを2000mm幅でステンレス製のエンドレスバンド(流延支持体)に流延ダイから均一に流延した。ドープA中の残留溶媒量が40質量%になった時点で流延支持体から高分子膜として剥離し、テンターにて積極的に延伸をせずに搬送し、乾燥ゾーンにおいて130℃で乾燥を行った。得られたセルロースエステル層(セルロースエステルフィルム)の厚さは55μmであった。
<積層体S−2の作製>
上記ポリウレアA−2を固形分15質量%となるようにメチルエチルケトンと混合した後、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、室温にて5時間攪拌後、孔径5μmのポリプロピレン製デプスフィルターでろ過し、ポリウレア層形成用組成物を得た。次に、上記で作製したセルロースエステル層上に、上記ポリウレア層形成用組成物を、グラビアコーターを用いて塗布した。次いで、塗布したポリウレア層形成用組成物を、25℃で1分間乾燥し、更に120℃で約5分間乾燥して、膜厚60μmの積層体S−2を得た。
<積層体S−3、S−5、S−8、S−13、S−14、S−15、S−16、S−17及び比較積層体HS−1の作製>
上記積層体S−2の作製において、ポリウレア層形成用組成物に用いるポリウレアA−2を、それぞれポリウレアA−3、A−5、A−8、A−13、A−14、A−15、A−16、A−17及びHA−1に変更した以外は、上記積層体S−2の作製と同様にして、積層体S−3、S−5、S−8、S−13、S−14、S−15、S−16、S−17及び比較積層体HS−1を作製した。
得られた積層体の厚さは、いずれも60μmであった。
[試験例1:積層体の層間密着性試験]
ポリウレア層とセルロースエステル層との密着性を、JIS K 5400に準処した碁盤目試験(クロスカット法)により測定した。具体的な手順を以下に示す。
上記で製造した各積層体において、ポリウレア層側の表面に、カッターナイフ及びカッターガイドを用いて、1mm間隔で縦横11本の切り込みを入れ、100個の碁盤目を作製した。この碁盤目上にセロハンテープ(登録商標)を強く圧着させた後、テープの端を表面に対して45°の角度で一気に剥がした。
その後、碁盤目の状態(100個の碁盤目(格子の目)のうち剥がれた格子の目の割合)を観察した。観察結果を下記評価基準に当てはめ評価した。
<密着性評価基準>
A:どの格子の目も剥がれない
B:格子の目の剥がれが5%未満である
C:格子の目の剥がれが5%以上30%未満である
D:格子の目の剥がれが30%以上である
結果を下記表2に示す。
[試験例2:積層体の透湿度(40℃90%相対湿度での透湿度)の評価]
透湿度は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)を適用し、評価した。具体的な手順を以下に示す。
JIS Z−0208の方法に準じて、上記で作製した各積層体を裁断し、この裁断した積層体を透湿カップに装着して試験試料とした。この試験試料を温度40℃、相対湿度90%の条件下で24時間調湿した。
調湿前後における試験試料の質量をそれぞれ秤量し、調湿前の試験試料の質量をa、調湿後の試料の質量をbとして、24時間で試料を通過する水分量Δmを、下記式より算出した。
Δm=|a−b|
次いで、上記Δmを試料面積1mあたりの値に換算し、透湿度(g/m/day)とした。
上記透湿度の測定において、積層体を、上記製造例1において調製したセルロースエステルフィルム(積層体に用いる支持体のみの構成)に代えた以外は、上記透湿度の測定と同様にして、セルロースエステルフィルムの透湿度(g/m/day)を求めた。
積層体の透湿度を、下記式により算出される積層前後の透湿度変化率に基づき、下記評価基準に基づき評価した。

積層前後の透湿度変化率=[(セルロースエステルフィルムの透湿度)−(積層体の透湿度)]/(セルロースエステルフィルムの透湿度)

<透湿度の評価基準>
A:積層前後の透湿度変化率が0.85以上
B:積層前後の透湿度変化率が0.85未満0.75以上
C:積層前後の透湿度変化率が0.75未満0.65以上
D:積層前後の透湿度変化率が0.65未満
結果を下記表2に示す。
[試験例3:ヘイズ値の変化を指標にした耐久性試験]
ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を使用し、JIS K−6714に従って積層体のヘイズ値を測定した。各積層体を40mm×80mmに切り出し、これを25℃、相対湿度60%RHでの条件で測定した。
また、105℃、相対湿度10%RHの条件で72時間保存した後に、上記と同様の条件でヘイズ値を測定した。得られたヘイズ値に基づきヘイズ値の変化量を下記式より算出し、下記評価基準により積層体の耐久性を評価した。
ヘイズ値の変化量(%)=上記保存後のヘイズ値(%)−上記保存前のヘイズ値(%)
(耐久性評価基準)
A:ヘイズ値の変化量が0.5%未満
B:ヘイズ値の変化量が0.5%以上1%未満
C:ヘイズ値の変化量が1%以上2%未満
D:ヘイズ値の変化量が2%以上
結果を下記表2に示す。
Figure 0006587588
上記表2に示される通り、セルロースエステル層にポリエステル層を直に積層してなる積層体HS−1は、層間の密着性に劣り、また透湿度が高く水分のバリア性にも劣る結果となった(比較例1)。
これに対し、セルロースエステル層に本発明で規定する構造のポリウレアを含有するポリウレア層を直に積層してなる本発明の積層体は、層間の密着性に優れ、また透湿度をより抑えることができ水分のバリア性にも優れていた。また本発明の積層体は、105℃という高温下で長時間保存してもヘイズ値の変化量が2%未満に抑えられていた(実施例1〜9)。なお、積層体HS−1も高温下におけるヘイズ値の変化量が2%未満であり、ヘイズ変化を指標にした耐久性は良好であった。
さらに、上記表2の実施例1〜9を比較すると、一般式(1)のLとして比較的コンパクトな脂環構造を有するポリウレアを用いることにより、透湿度とヘイズ変化量をより効果的に抑えることができ、さらに、層間の密着性についてもより高まることがわかる(実施例1、5及び8)。
[製造例2:偏光板PL−2、PL−3及びPL−13の作製]
下記のようにして、偏光板PL−2、PL−3及びPL−13を作製した。
<偏光子の作製>
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて膜厚27μmの偏光子を作製した。
<活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の調製>
各成分を下記に示す組成で混合し、50℃で1時間撹拌して、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を得た。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ラジカル重合成化合物:東亜合成社製アロニックスM−220
20.0質量部
興人社製N−ヒドロキシルアクリルアミド 40.0質量部
興人社製アクロイルモルホリン 40.0質量部
ラジカル重合開始剤:日本化薬社製KAYACURE DETX−S
0.5質量部
ラジカル重合開始剤:BASF社製IRGACURE907
1.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<偏光板の作製>
上記で作製した各積層体のポリウレア層側にコロナ処理を施した。コロナ処理を施した積層体の表面に、上記で調製した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製、セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/INCH、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み0.5μmになるように塗布した。
また、別途、厚み40μmのシクロオレフィン系フィルム(JSR社製アートンG7810)を用意し、その表面に、コロナ処理を施した。このコロナ処理を施した表面に上記と同様にして活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を厚み0.5μmとなるように塗布した。
続いて、各積層体の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布した面と、シクロオレフィン系フィルムの活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布した面とを、上記で作製した偏光子の両面にそれぞれ貼り合わせて偏光板前駆体を作製した。この際、作製した偏光子のロールの長手方向と、各積層体におけるセルロースエステル層のロールの長手方向とが平行になるように配置した。また、偏光子のロールの長手方向と上記シクロオレフィン系フィルムの長手方向とが、平行になるように配置した。
その後、この偏光板前駆体の両面から、IRヒーターを用いて50℃に加温した。次いで、下記に示す活性エネルギー線を、偏光板前駆体の両面に照射して、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を硬化させた。その後、70℃で3分間熱風乾燥して、各偏光板を得た。
(活性エネルギー線)
活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ)、照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380〜440nm)を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
[試験例4:偏光板の偏光子耐久性の評価]
偏光板の偏光子耐久性は、偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のようにして偏光度をそれぞれ測定した。
ガラス板の上に偏光板を、積層体の側が空気界面側になるように(ガラス板から離れた側になるように)貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製した。これらのサンプルについて、ガラス板側を光源に向けてセットして偏光度を測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、算術平均した値を偏光板の偏光度とした。
なお、偏光度は、以下の式により算出した。
偏光度(%)=[(平行透過率−直交透過率)/(直交透過率+平行透過率)]1/2×100
偏光度は、日本分光社製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて380〜780nmの範囲で測定し、劣化の度合いが他の波長より顕著に出る波長410nmにおける測定値を採用した。
その後、温度85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で500時間保存した。次いで、上記と同様にして2つのサンプルについて偏光度を測定し、2つのサンプルの測定値を算術平均し、保存後の偏光板の偏光度とした。保存前後の偏光度変化量に基づき、偏光子耐久性を下記評価基準に基づき評価した。
ここで、偏光度変化量は下記式で算出される。
偏光度変化量(%)=[上記保存前の偏光度(%)−上記保存後の偏光度(%)]
(偏光子耐久性評価基準)
A:偏光度変化量が0.05%未満
B:偏光度変化量が0.05%以上1.0%未満
C:偏光度変化量が1.0%以上2.0%未満
D:偏光度変化量が2.0%以上3.0%未満
E:偏光度変化量が3.0%以上
結果を下記表3に示す。
Figure 0006587588
上記表3に示される通り、本発明の積層体を偏光子の保護フィルムとして用いることにより、温度85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で500時間という過酷条件に曝しても、偏光子が劣化しにくいことがわかる。
なお、積層体HS−1は層間に剥離が認められたため、偏光子耐久性の評価は実施しなかった。
10 積層体(積層板)
11 セルロースエステル層
12 ポリウレア層
20 液晶表示装置
21 第1(上側)偏光板
22 第1偏光板吸収軸の方向
23 第1(液晶セル上)電極基板
24 液晶層
25 第2(液晶セル下)電極基板
26 第2(下側)偏光板
27 第2偏光板吸収軸の方向

Claims (8)

  1. セルロースエステルを含有する層と、ポリウレアを含有する層とが隣接して配された構造を有する積層体であって、
    前記ポリウレアが下記一般式(1)で表される構造単位を有する積層体。
    Figure 0006587588
    式中、X及びXはウレア結合を示す。L及びLは単結合を示すか、又は炭素原子を有する二価の基を示す。但し、L 及び/又はL は第3級炭素原子又は第4級炭素原子を少なくとも1つ有する。は0又は1である。R〜Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示す。n〜nは0〜4の整数を示す。*は結合部を示す。
  2. 前記L及び/又はLが脂肪族環を有し、該脂肪族環が環構成炭素原子として第4級炭素原子を少なくとも1つ有する、請求項記載の積層体。
  3. 前記L及び/又はLが下記一般式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基を有する、請求項記載の積層体。
    Figure 0006587588

    式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示す。n2aは0〜4の整数であり、n2bは0〜6の整数である。*は結合部を示す。
  4. 前記セルロースエステルがセルロースアシレートである、請求項1〜のいずれか1項記載の積層体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の積層体を用いた光学フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の積層体を用いた偏光板保護フィルム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の積層体と、偏光子とを有する偏光板。
  8. 請求項記載の偏光板を有する画像表示装置。
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