JP6085564B2 - 標的核酸の検出法 - Google Patents

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Description

本発明は標的核酸の検出方法、およびその検出に用いるキットに関する。
核酸塩基配列の相補性を用いた標的核酸の検出方法は古くはサザンハイブリダイゼーションから始まり、様々な改良工夫が行われ、現在に至っており、特にin vitroでの核酸増幅法の確立と共に、より微量な標的核酸の検出が可能になっている。
標的核酸の検出方法としてはラジオアイソトープ(RI)、発光剤(luminescent agent)、蛍光剤(fluorophore)等の標識と結合した、標的核酸と相補性を有する核酸を含む検出プローブを用いた検出方法が開発されている。放出エネルギーが異なる複数のRIで標識した場合や、放出光の波長が異なる複数の発光剤(あるいは蛍光剤)で標識した場合には、多項目検出が可能である。さらにQプローブ(Quenching Probe)法としてSingle Nucleotide Polymorphism (SNP)を判定する方法も確立されている(特許文献1)。
またその逆に標的核酸をラジオアイソトープ等で標識化し、標的核酸と相補性を有する、固相面に固定されたオリゴヌクレオチドプローブとアニーリングさせることにより、複数の標的核酸の量を同時に検出することを可能にした、所謂DNAチップ、マイクロアレイ等の核酸塩基配列の相補性を利用した標的核酸の検出方法もある(特許文献2)。
一方、核酸増幅法としては、Polymerase Chain Reaction(PCR)(特許文献3および特許文献4)、Strand Displacement Amplification(SDA)(特許文献5)、Nucleic Acid Sequence-Based Amplification(NASBA)(特許文献6)、Rolling Circle Amplification (RCA)(非特許文献1)、および Loop-mediated isothermal Amplification(LAMP)(特許文献7)等が挙げられる。これらの核酸増幅法も標的核酸の検出を可能にしている。
さらに、Ligase Chain Reaction (LCR)(特許文献8)のようなリガーゼを用いた核酸増幅法も存在している。
現在、核酸の増幅方法として多用されているのはPCR法である。PCR法は耐熱性ポリメラーゼと、標的核酸と相補性を有する2つのプライマーを用いて、(1)2本鎖標的核酸の変性、(2)変性した標的核酸へのプライマーのアニーリング、(3)プライマーからの伸長反応という3つのステップを、温度制御を行うことにより進め、これら3ステップを繰り返すことにより、指数関数的に標的核酸を増幅する方法である。反応後の増幅産物を電気泳動し、エチジウムブロマイド(EtBr)、サイバーグリーン(SYBR(登録商標)Green)などのインターカレーターを用いることにより、増幅産物の有無を検出することが可能となる。また、上記伸長反応の際に、蛍光剤を付加した核酸塩基を用いることにより増幅産物を検出する方法もある。
さらに、蛍光剤と消光剤(quencher)を用いることにより、標的核酸の増幅を定量的に検出する方法も確立されている(特許文献9)。具体的にはTaqMan(登録商標)probeに代表される、蛍光剤と消光剤が隣接付加されたオリゴヌクレオチドプローブをPCR増幅反応の際に加え、PCR反応を行う。PCRの上記ステップ(2)において該プローブも標的核酸にアニーリングされ、ステップ(3)の伸長反応に伴い、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により該プローブが分解され、消光剤から遊離した蛍光剤の放出光を検出することにより、標的核酸の検出を可能にしている。
このような蛍光剤と消光剤の組み合わせを用いた核酸検出方法はPCRによる増幅を前提として様々に考案されている(特許文献10および特許文献11)。両者は相補性を有するオリゴヌクレオチドプローブの一方に蛍光剤を、もう一方に消光剤を付加し、PCRのアニーリングのステップ(上記(2))において、増幅中の標的核酸を検出することを目的に考案されている。
LAMP法は標的核酸の6つの領域に対して4種類のプライマー(FIP、BIP、F3およびB3)を設定し、鎖置換反応を利用して一定温度で増幅させることを特徴とする。標的核酸を含む試料、プライマー、鎖置換型DNA合成酵素、基質等を混合し、一定温度(65℃付近)で保温することによって反応が進み、検出までの工程を1ステップで行うことができる方法である。さらにループプライマーB(LB)および/またはループプライマーF(LF)を追加して用いることにより、増幅に要する時間を1/2から1/3に短縮することが可能となる(特許文献12)。増幅効率が高いことから標的核酸を15分〜1時間で10〜1010倍に増幅することが出来、また、極めて高い特異性から増幅産物の有無で目的とする標的遺伝子配列の有無を判定することも可能である。かかる方法の1つとして、核酸増幅反応の副産物であるピロリン酸イオンを不溶性の塩(マグネシウム塩)として、反応液の濁度を測定するか、該ピロリン酸イオンをカルセイン−マンガン錯体と反応させ、遊離したカルセイン(蛍光物質)の蛍光を検出することにより、増幅産物の存在を検出する(特許文献13)。さらに、蛍光プローブを用いた検出方法も確立されている(特許文献14および特許文献15)。
また、蛍光標識されたプライマーと消光剤で標識したプローブを用いてLAMP法により増幅された標的核酸を検出する方法も報告されている(非特許文献2)。具体的には蛍光標識されたプライマーを用いてLAMP法により標的核酸を増幅し、増幅後、消光剤で標識されたプローブを添加し、標的核酸の増幅に寄与しなかったフリーの蛍光標識されたプライマーと消光剤で標識されたプローブをアニーリングさせることにより、標的核酸の増幅に寄与した、すなわち増幅産物の一部となった蛍光標識されたプライマーの蛍光剤からの放出光のみを検出する方法である。
上記いずれの核酸検出方法も一長一短があり、特に反応や検出に高価な精密機器を必要とし、さらに様々な工程を含むため、その実施には熟練を要するものが多く、これらの核酸検出技術は専ら核酸増幅を専門とする特定の研究室内で行われるものであった。また、例えば、上記非特許文献2に記載の検出方法においては、消光剤を増幅反応後に添加する必要があり、反応容器の蓋を開閉する際に増幅産物の飛散により試料間あるいは実験環境のコンタミネーションを起こすおそれがある。
近年、産業、医療、研究等の様々な分野において核酸増幅試験(Nucleic acid Amplification Test:NAT)の要求が高まると共に、試験項目の種類も充実してきたこともあり、今までにも増して核酸増幅試験は広く普及しつつある。例えば、医薬品分野における血液製剤の種々のウイルスに対する安全性確保の目的で実施する試験にも核酸増幅試験が利用されている。こうした普及・一般化の流れから、今まで核酸増幅専用の特定の研究室内でしか行われていなかった核酸増幅試験が一般実験室やフィールドワーク、ベッドサイド等のあらゆる場所や場面でも行えるように、簡便に使用することができ、かつ試験環境を汚染することのない核酸検出技術、さらに好ましくは多項目を同時に検出することが可能な技術が求められるようになった。
特開2001-286300号公報 特表2001-521622号公報 特開昭61-274697号公報 特開昭62-000281号公報 特開平5-192195号公報 特開平2-005864号公報 特許第3313358号公報 特開平2-002934公報 特表平6-500021公報 特開平10-262700号公報 特表2004-511227号公報 国際公開第2002/024902号 特開2004-283161号公報 特開2001-272475号公報 国際公開第2009/051214号
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 92:4641-4645(1995) Journal of Medical Virology 81:966-972(2009)
本発明の課題は、新規な標的核酸の検出方法を提供することにある。より具体的には、従来技術より簡便安価に標的核酸を検出する方法、および検出に用いるキット等を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために、密閉系で簡易に核酸の増幅および検出が可能な方法を新たに開発した。具体的には蛍光標識されたプライマーと消光剤で標識したプローブを用いてLAMP法により増幅された標的核酸を検出する方法において、蛍光標識プライマーとクエンチャー標識プローブを増幅反応前の添加を可能にするため、両者の融解温度(melting temperature:以下Tm)に差をつけ、反応温度条件により、クエンチャー標識プローブ存在下においても、より選択的に蛍光標識プライマーが標的核酸にアニーリングしやすくした。その後、温度を下げることにより、標的核酸に結合出来なかった蛍光標識プライマーとクエンチャー標識プローブがアニーリング出来るようになり、その結果クエンチングにより、蛍光標識は消光され、標的核酸に結合出来た蛍光標識プライマーの蛍光標識のみが検出できることを見出した。
本発明者らは、さらに上記方法がLAMP法による増幅と組み合わせることができるだけでなく、他のいかなる核酸増幅方法とも組み合わせることが可能であり、また標的核酸の増幅工程を含まなくとも、すなわち蛍光標識プライマーを単なるプローブとして利用しても、実施可能であり、本発明の課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の構成は以下の[1]から[13]の通りである。
[1]試料中に存在する1種類以上の標的核酸を検出する方法であって、以下のステップを含む核酸を検出する方法:
(1)試料に
蛍光剤で標識された、標的核酸と相補性を有するオリゴヌクレオチドである蛍光標識プライマーまたはプローブと、
消光剤で標識された、該蛍光標識プライマーまたはプローブと相補性を有し、該蛍光標識プライマーまたはプローブより融解温度(Tm)の低いオリゴヌクレオチドであるクエンチャー標識プローブ
を添加し;
(2)該試料を該蛍光標識プライマーまたはプローブの融解温度(Tm)以下で、かつ該クエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)より高い温度で保温し;
(3)該試料を該クエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)以下の温度で保温し;
(4)標的核酸に結合した蛍光標識プライマーまたはプローブの蛍光を計測する。
[2]前記ステップ(2)の保温の間に標的核酸を増幅する、[1]に記載の検出方法。
[3]前記標的核酸の増幅を等温条件で行う[2]に記載の検出方法。
[4]前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さが前記蛍光標識プライマーまたはプローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さより短い、[1]−[3]のいずれかに記載の検出方法。
[5]前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドが修飾塩基を含んでいる、[1]−[3]のいずれかに記載の検出方法。
[6]前記蛍光標識プライマーまたはプローブを固相面に固定させて使用する、[1]−[5]のいずれかに記載の検出方法。
[7]2種類以上の標的核酸を検出するために、発光波長が異なる2種類以上の蛍光標識プライマーまたはプローブとそれぞれに対応するクエンチャー標識プローブの組み合わせを用いる[1]−[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記ステップ(4)における蛍光の計測が目視による判定である[1]−[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記ステップ(4)における蛍光の計測が蛍光検出機器による判定である[1]−[7]のいずれかに記載の方法。
[10][1]−[9]のいずれかに記載の検出方法に用いるためのキットであって、1種類または複数種類の
蛍光剤で標識された、標的核酸と相補性を有するオリゴヌクレオチドである蛍光標識プライマーまたはプローブと;
それぞれの蛍光剤に対応する消光剤で標識された、該蛍光標識プライマーまたはプローブと相補性を有し、該蛍光標識プライマーまたはプローブより融解温度(Tm)の低いオリゴヌクレオチドであるクエンチャー標識プローブ
の組み合わせを;
含む標的核酸検出用キット。
[11]前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さが前記蛍光標識プライマーまたはプローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さより短い、[10]に記載の標的核酸検出用キット。
[12]前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドが修飾塩基を含んでいる、[10]に記載の標的核酸検出用キット。
[13]さらに核酸増幅用試薬を含む[10]−[12]に記載のキット。
[14]前記蛍光標識プライマーまたはプローブが固相面に固定されている[10]−[13]のいずれかに記載の標的核酸検出用キット。
非特許文献2の方法を踏襲した場合、蛍光標識プライマーとクエンチャー標識プローブを増幅反応前に添加すると、増幅反応が正常に起こらず、標的核酸の検出が難しかった。しかしながら、本発明においては蛍光標識プライマーまたはプローブ(以下、蛍光標識プライマー/プローブ)とクエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)をずらすことにより、クエンチャー標識プローブ存在下においても、優先的に標的核酸と蛍光標識プライマーのアニーリングをさせることが可能となった。
かかる本発明の効果は増幅工程を含む非特許文献2の方法に対してだけでなく、増幅工程を含まない他の態様においても、有効に発揮される。
本発明は増幅反応後にクエンチャー標識プローブを添加する必要がないので、増幅産物の飛散による試料間あるいは実験環境の汚染の心配がない。また、従来のハイブリダイゼーション法に較べ、洗浄ステップなどを含まず、温度管理も比較的簡便でかつ、精密さを要求されないため、より簡便安価で、特別の手技、機器を必要とせずに標的核酸を検出することが可能である。
本発明の基本的な態様の模式図である。 標的核酸を増幅する工程を加えた本発明の模式図である。 本発明をマイクロアレイに応用した場合の模式図(標的核酸の増幅をしない態様)である。 本発明をマイクロアレイに応用した場合の蛍光標識プライマー/プローブの固定化の例を示す模式図である。 本発明をマイクロアレイに応用した場合の模式図(標的核酸の増幅工程を含む態様)である。 実施例2における蛍光標識プライマー/プローブを用いた標的核酸のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例2におけるCT−LBc−Q1−0(配列番号8)添加前後の蛍光検出を示す。 実施例3における標準反応、クラミジア・トラコマティス、淋菌の判別結果を示す。 実施例4における各標的核酸を添加した場合のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例4における増幅反応後にクエンチャー標識プローブを添加し、95℃5分加熱後室温まで冷却した後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例5におけるUV照射時反応チューブを示す。 実施例6における蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例6における増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における単項目 クラミジア・トラコマティスのプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における単項目 クラミジア・トラコマティスのプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における単項目 クラミジア・トラコマティスのプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における単項目 淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における単項目 淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における単項目 淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における単項目 人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における単項目 淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における単項目 人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における二項目 クラミジア・トラコマティスと人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における二項目 淋菌と人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における二項目 淋菌と人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応後のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における二項目 淋菌と人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応の増幅反応後の蛍光波長を示す。 実施例7における三項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌および人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のリアルタイム濁度曲線を示す。 実施例7における三項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌および人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応のUV照射時反応チューブを示す。 実施例7における三項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌および人工核酸のプライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブを用いた標的核酸増幅反応の蛍光波長を示す。
以下に本発明について詳細に説明する。
「試料」とは検出対象となる「標的核酸」を含むと考えられる混合物である。試料はヒトを含む生体(例えば血液、唾液、体液、体組織等)、環境(例えば、土壌、海水、環境水(温泉水、浴槽水、冷却塔水等))、あるいは人工物または自然物(例えば、パンなどの加工食品、ヨーグルトなどの発酵食品、あるいは米や小麦などの栽培植物、微生物、ウイルス)に由来するものであり、通常は核酸抽出操作を経たものを使用する。必要に応じて核酸精製操作を追加してもよい。
「標的核酸」とは本発明により検出すべき核酸分子である。核酸の種類としてはデオキシリボヌクレオチド(DNA)、リボヌクレオチド(RNA)およびこれらの混合物または結合物であってもよい。またその構成塩基は天然に存在するヌクレオチド、例えばグアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)であるが、それ以外の天然および人工の修飾塩基を含んでいてもよい。ここで「修飾塩基」とは、上記5つのヌクレオチドが化学的修飾を受けた塩基を意味する。これに限定されないが、メチルシチジン、シュードウリジン、4-チオウリジン、ジヒドロウリジン、キューオシン、ヒポキサンチン(イノシン(I))等がこれにあたる。本発明において標的核酸は、検出する際には1本鎖である必要があるが、2本鎖や高次構造を形成している核酸であっても熱変性、アルカリ変性処理などにより1本鎖に変換してから用いることが可能である。本発明の標的核酸にはかかる変性処理を加えた態様も含まれる。あるいはRNAを鋳型とした逆転写反応により作製されるcDNAも「標的核酸」に含まれる。
「オリゴヌクレオチド」とはアデノシン、チミジン、シチジン、グアノシン、ウリジンなどのヌクレオシドあるいは修飾塩基を持つヌクレオシドがホスホジエステル結合により連結してなる直鎖状オリゴマーを意味し、DNA、RNA、これらの結合物を示す。場合によってはペプチド核酸(PNA)であってもよい。
「相補性」とはポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド鎖が他の鎖とアニーリングして2本鎖構造を形成して、各鎖の各ヌクレオチドがワトソン−クリック型の塩基対合をしていることを意味するだけでなく、デオキシイノシン(dI)、2-アミノプリン塩基を持つ修飾ヌクレオチドの対合などの非ワトソン−クリック型の塩基対合をしていることも意味する。
「蛍光剤」とは一定波長の励起光を照射されると、そのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波(放出光)として放出する分子、あるいは官能基を意味する。具体的な例としてはフルオレセイン(fluorescein)、およびその誘導体(フルオレセインホスホアミダイド(FAM)、フルオレセインイソチオシアネートなど)、ローダミン(rhodamine)、およびその誘導体(テキサスレッドなど)、Cy色素(Cy3、Cy5など)等が挙げられるがこれらに限定されない。
「消光剤」とは蛍光剤から放出される放出光のエネルギーを吸収できるような適切なエネルギー準位をもつ分子あるいは官能基を意味する。フルオレセインホスホアミダイド(FAM)の消光剤としてテトラメチルローダミン(TAMRA)が使えるように、蛍光剤を消光剤として使ってもよい。しかしながら消光剤としてより適しているのは蛍光剤の放出光を吸収し、励起しても、自らは放出光を発しない分子あるいは官能基である。例えば、DABCYL、Black Hole Quencher(BHQTM(バイオサーチテクノロジーズ社))、EclipseTM Dark Quencher(エポック・バイオサイエンシーズ社)などが挙げられるがこれらに限定されない。
「保温」とはある特定の温度下に試料をおくことを意味する。熱伝達の手段は水浴、空気浴、金属浴などが挙げられるがこれらに限定しない。
融解温度(Tm)とは二本鎖DNAの溶液を加熱していったとき、DNA分子の1/2が解離して一本鎖になるときの温度を意味する。本発明においては50mM Na濃度(Na=50×10−3)と0.5mMオリゴヌクレオチド濃度(Ct=0.5×10−6)の値で、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)の以下の計算式により算出される(Nucl.Acids Res.(1990) 18(21):6409-6412)。
Tm={(1000ΔH)/(−10.8+ΔS+Rln(Ct/4))}−273.15+16.6log[Na
ここで、ΔHはハイブリッドにおける最近接エンタルピー変化の合計[kcal/mol] 、ΔSはハイブリッドにおける最近接エントロピー変化の合計[cal/mol・K]、Rは気体定数(1.987cal/deg・mol)、Ctはオリゴのtotalモル濃度[mol/l]、およびNaはモル濃度[mol/l]を示す。
融解温度(Tm)は、オリゴヌクレオチドの塩基配列およびその長さによって変化し、グアニンおよびシトシンの含有量が多いほど、その長さが長いほど融解温度(Tm)が高くなる。したがって、塩基配列およびその長さによりアニーリング温度が決定されるが、反応溶液に融解温度調整剤を含有させることにより、融解温度を調整することもできる。
核酸増幅法に用いる融解温度調整剤の例として、ホルムアミド、ベタイン(N,N,N,−トリメチルグリシン)、プロリン、ジメチルスルホキシド、トリメチルアミンN−オキシド、およびテトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
「蛍光標識プライマーまたはプローブ(以下、蛍光標識プライマー/プローブ)」とは「蛍光剤」が結合した「オリゴヌクレオチド」であり、標的核酸と相補性を有するものである。標的核酸を増幅しない態様においては「プローブ」としてのみ用いられるが、標的核酸を増幅する態様においては「プライマー」として用いることが出来る。「蛍光標識プライマー/プローブ」は蛍光剤が結合した(モノ)ヌクレオチド、例えばAlexa FluorTM ヌクレオチド(インビトロジェン)を用いて合成してもよいし、合成したオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に蛍光剤を結合させてもよい。但し、「蛍光標識プライマー/プローブ」を用いて標的核酸の増幅を行う場合、すなわち、「プライマー」としての態様で用いる場合には、3’末端に蛍光剤を結合させるべきではない。より好ましいのは5’末端に蛍光剤を結合させた「オリゴヌクレオチド」である。「蛍光標識プライマー/プローブ」の塩基配列の長さは特に限定しないが、15base以上、より好ましくは20base以上、さらに好ましくは25base以上が好ましい。さらに「蛍光標識プライマー/プローブ」の塩基配列の長さは標的核酸とのアニーリング、およびその後の増幅反応の温度条件を考慮して、「蛍光標識プライマー/プローブ」の融解温度(Tm)は、30〜70℃、好ましくは50〜65℃になるように設計されるのが望ましい。
「クエンチャー標識プローブ」とは「消光剤」が結合した「オリゴヌクレオチド」である。「クエンチャー標識プローブ」は消光剤が結合したヌクレオチドを用いて合成してもよいし、合成したオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に消光剤を結合させてもよいが、「クエンチャー標識プローブ」と「蛍光標識プライマー/プローブ」がアニーリングした際に、「蛍光標識プライマー/プローブ」の蛍光剤の放出光(蛍光)が消光剤により効果的に消される位置に消光剤を結合させることが好ましい。標的核酸の増幅反応を伴う態様において「クエンチャー標識プローブ」のオリゴヌクレオチドの3’末端は伸長反応が起こらないようブロックさせていることが好ましい。さらに好ましくは、「蛍光標識プライマー/プローブ」が5’末端に蛍光剤を結合させた「オリゴヌクレオチド」である場合、3’末端に消光剤を結合させた「オリゴヌクレオチド」に対応する「クエンチャー標識プローブ」とすることが望ましい。
「クエンチャー標識プローブ」のオリゴヌクレオチドの塩基配列は「蛍光標識プライマー/プローブ」の塩基配列と相補性を有し、かつその長さが蛍光標識プライマー/プローブよりも2、3、4、5、6、7、8、9、10塩基またはそれ以上短い配列であることが望ましく、その短さが「クエンチャー標識プローブ」の5’末端の塩基が「蛍光標識プライマー/プローブ」の3’端の塩基に較べ、少ないことに起因していることがさらに望ましい。あるいは塩基配列の長さが同じであっても、Tm値を下げる効果を持つ修飾塩基を持つヌクレオチドを用いることにより、実質的に「蛍光標識プライマー/プローブ」の融解温度(Tm)より「クエンチャー標識プローブ」の融解温度(Tm)が低くなるようにしてもよい。Tm値を下げる効果を持つ修飾塩基を持つヌクレオチドとは、例えばイノシンを持つヌクレオチドである。より好ましくは室温(例えば25℃、26℃、27℃、28℃、29℃あるいは30℃)以上となるように「クエンチャー標識プローブ」のオリゴヌクレオチドの塩基配列を設計することが望ましい。かかる条件を満たすためにはオリゴヌクレオチドの長さが7塩基以上であることが好ましく、より好ましくは9塩基以上である。
本発明では、蛍光標識プライマー/プローブとクエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)は相違することが必要であり、クエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)は蛍光標識プライマー/プローブの融解温度(Tm)より低いものである。より具体的には、5℃低いことが好ましく、10℃低いことがさらに好ましく、15℃低いことがさらに好ましく、20℃低いことがさらに好ましく、30℃低いことがさらに好ましく、35℃低いことがさらに好ましく、40℃あるいは45℃以上低いことがより好ましい。
試料に「添加」するとは、試料に蛍光標識プライマー/プローブ、クエンチャー標識プローブ等の試薬を加える態様以外に、該試薬に試料を加える態様も含まれる。
「蛍光標識プライマー/プローブ」と「クエンチャー標識プローブ」の添加の際の使用比率はモル分子数の比にして、1:1、1:2あるいは1:10以上であればよく、より好ましくは1:2以上であればよい。
「固相面に固定」とは反応中、「蛍光標識プライマー/プローブ」を偏在させることを指す。これに限定されないが、具体的にはガラス、ナイロンメンブレン、半導体ウェハー、マイクロビーズなどの表面に「蛍光標識プライマー/プローブ」を固定することを意味する。固定の方法は公知の技術を用いて、直接「蛍光標識プライマー/プローブ」のオリゴヌクレオチド部位をガラス等の表面に固定してもよいし、ビオチン−アビジンなどの結合を介して、あるいはリンカー分子を介して間接的に固定させてもよい。
「蛍光標識プライマー/プローブを用いて標的核酸を増幅」とは、蛍光標識プライマー/プローブをプライマーとして用いてポリメラーゼにより伸長反応を行い、標的核酸を増幅することを意味する。なお、当業者には自明のことであるが、本発明の標的核酸を増幅する工程を含む態様においては、当然にそれ以外の標的核酸の増幅に必要な試薬、例えばプライマーやポリメラーゼ、dNTPなどを、実施する増幅方法に応じて「蛍光標識プライマー/プローブ」および「クエンチャー標識プローブ」と試料に加えるものとする。
「増幅を等温条件で行う」とは一定温度に保った状態で標的核酸を増幅することをいう。等温増幅法としては、Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids(ICAN)法、SDA法RCA法、SMart Amplification Process version 2(SMAP2)法(Nature Methods 4: 257-262(2007))およびLAMP法が挙げられる。
「UV照射」とは波長が10nm−400nm程度の電磁波を照射することをいうが、該電磁波は厳密な波長の制御はされていなくてもよく、蛍光剤の励起光となればよい。
「目視による判定」とは短時間、例えばUV照射より5秒、15秒、30秒、または1分以内に肉眼的にその蛍光剤の放出光の有無の判定を行うことである。場合によっては色見本と比較してもよい。
「目視による判定」の場合、「UV照射」による励起が最適で、3から4項目程度までの同時多項目検出が可能であり、「蛍光検出機器」による測定の場合、フォトダイオードアレイ検出器などを用いて、より多項目の同時検出も可能である。
「キット」とは本発明に係る検出方法に用いる試薬を意味する。「蛍光標識プライマー/プローブ」や「クエンチャー標識プローブ」以外に、検出に必要な試薬、道具および器具などを含んでよい。さらに該「キット」の取扱説明書や色見本を含んでいてもよい。また、核酸増幅を伴う態様においては核酸増幅に必要な試薬をさらに含んでいてもよい。
本発明の検出方法では、蛍光標識プライマー/プローブの融解温度(Tm)以下で、かつクエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)より高い温度でインキュベーションして、標的核酸と蛍光標識プライマー/プローブを優先的にアニーリングさせ、次いでクエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)以下の温度でインキュベーションして、標的核酸とアニーリングしていない蛍光標識プライマー/プローブとクエンチャー標識プローブをアニーリングさせることにより、標的核酸とアニーリングしていない蛍光標識プライマープローブの蛍光剤とクエンチャー標識プローブの消光剤を隣接させ、次いでクエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)以下の温度に試料を保ったまま、標的核酸に結合した蛍光標識プライマープローブの蛍光を計測することにより、標的核酸を検出する。
本発明の検出方法は、「蛍光標識プライマー/プローブ」と「クエンチャー標識プローブ」の融解温度(Tm)をずらし、これらの融解温度と反応温度との関係を制御して、「蛍光標識プライマー/プローブ」と「クエンチャー標識プローブ」のアニーリングよりも「蛍光標識プライマー/プローブ」と「標的核酸」を優先的にアニーリングさせることにより、「標的核酸」を検出することに特徴がある。さらに検出に必要な蛍光標識プライマー/プローブとクエンチャー標識プローブを増幅反応後に添加する必要がないため、操作が従来の技術に較べ、簡単であり、増幅産物の拡散によるコンタミネーションを防ぐこともできる。
以下に本発明の各態様の詳細を開示するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
本発明の最も基本的な態様は図1に示す通りである。最初に「蛍光標識プライマー/プローブ」および「クエンチャー標識プローブ」を添加すれば、以後いかなる試薬を追加することなく、閉鎖系で標的核酸の検出が可能である。仮に蛍光標識プライマー/プローブのTm値を65℃、クエンチャー標識プローブのTm値を35℃とする。反応温度を60℃(Step1)とすると、蛍光標識プライマー/プローブは標的核酸に結合するが、クエンチャー標識プローブは結合しない。その後、クエンチャー標識プローブのTm値以下(30℃)にすると(Step2)、標的核酸に結合していない「蛍光標識プライマー/プローブ」と「クエンチャー標識プローブ」のアニーリングが起こる。UV照射により、放出光(蛍光)を発するのは「標的核酸」に結合した「蛍光標識プライマー/プローブ」の蛍光剤のみであり、「クエンチャー標識プローブ」に結合した「蛍光標識プライマー/プローブ」の蛍光剤からの蛍光は検出できない。従って、試料の蛍光強度は試料中の「標的核酸」の量に依存することになる。
本発明において標的核酸を増幅する工程を含む態様を図2に示す。従来技術である特許3016759号公報や特許3999653号公報に記載されているような核酸増幅検出法は、PCRのアニーリングの段階では蛍光標識プローブが標的核酸あるいは消光標識プローブとアニーリングしたものが混在するため、蛍光強度は増幅された標的核酸の量に比例するものの増幅された標的核酸の量そのものを示すものではないこと、また、蛍光標識プローブと消光標識プローブは後に続く伸長反応を阻害する可能性もあることから、精確性に乏しい。一方、図2の本態様の場合、増幅された2本鎖産物に蛍光標識プライマー/プローブが取り込まれるため、最終的に増幅された標的核酸の量のみをより精確に検出できる。
本発明を所謂DNAチップあるいはマイクロアレイに適用した態様を図3に示す。
図3Aは蛍光標識プライマー/プローブをプローブの態様(標的核酸の増幅する工程を含まない態様)で用いた模式図である。此の場合は、蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの3’末端で固定されていてもかまわない。
固定化の態様の例を図3Bに示す。
(1)蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの3’末端で固定化されている。この場合は対応するクエンチャー標識プローブは5’末端に消光剤が結合していることが望ましい。
(2)蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの3’末端に結合した蛍光剤を介して固定化されている。この場合は対応するクエンチャー標識プローブは5’末端に消光剤が結合していることが望ましい。
(3)蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの5’末端に蛍光剤が結合し、3’ 末端で固定化されている。この場合は対応するクエンチャー標識プローブは3’ 末端に消光剤が結合していることが望ましい。
図3Cは標的核酸の増幅する工程を含む態様である。この場合は、蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの3’領域で固定されていないことが好ましい。核酸増幅の工程を含む態様の場合、標的核酸と蛍光標識プライマー/プローブの結合がより安定する。
マイクロアレイに結合させる核酸はラジオアイソトープ、蛍光剤などで標識され、標識されていない固定化したオリゴヌクレオチドなどにアニーリングさせる。その後、結合していない、標識された核酸を洗浄により除去後、アニーリングによりマイクロアレイに結合した核酸の標識を検出することにより、核酸の検出が可能となる。しかしながら、図3の態様を見ればわかるように、固相面に結合した蛍光標識プライマー/プローブを用いることにより、試料全体の蛍光ラベル化を行う必要がなくなり、また洗浄の工程を必要としないため、より簡便に標的核酸を検出することが可能になる。
本発明は、複数種類の蛍光標識プライマー/プローブ、すなわち各々異なる放出光を発する蛍光剤で標識された複数種類の蛍光標識プライマー/プローブと対応するクエンチャー標識プローブを用いることにより、複数種類の標的核酸を同時に検出することが出来る。蛍光標識プライマー/プローブの蛍光剤は外部からエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波(放出光)として放出する。励起状態と基底状態のエネルギー準位の差はその蛍光剤特異的であるため、異なる蛍光剤が外部から同時にエネルギーを吸収しても、各々の蛍光剤は蛍光剤特異的な波長の放出光(電磁波)、すなわち「違う色の光」を発する。この放出光は対応するクエンチャー標識プローブの消光剤によってのみ吸収消光され、他のクエンチャー標識プローブの影響は受けない。従って、蛍光剤の放出光の「波長」、すなわち「色」に着目すれば、同時に複数種類の標的核酸を検出することが可能である。これらの放出光は分光光度計等を用いれば、各々検出することが可能であるが、肉眼においても、混合色あるいは中間色として検出することが可能である。
本発明の検出方法は、各種細菌、真菌、ウイルス等の病原体の検出に適用できる。細菌としてはMycoplasma pneumoniae、レジオネラ属菌、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌、結核菌、カンピロバクター(Campylobacter jejuniおよびCampylobacter coli)、百日咳菌(Bordetella pertussis)等があげられる。真菌としてはCandida属菌、Aspergillus属菌、Cryptococcus属菌等があげられる。ウイルスとしてはインフルエンザA(H1N1)pdmウイルス、インフルエンザA(H1N1)ウイルス、H5亜型インフルエンザウイルス、SARSコロナウイルス、単純ヘルペスウイルス 1型および2型 (Herpes Simplex Virus type1/2 ;HSV−1/2)、並びにノロウイルスGenogroup I(GI)およびGenogroup II(GII)等があげられる。その他、寄生動物としては、マラリア原虫、クリプトスポリジウム原虫、ジアルジア原虫等があげられる。また、病原体そのものを検出するだけではなく、病原性に関与する遺伝子、例えば、毒素遺伝子(例えばベロ毒素(verotoxin;以下VT)遺伝子1型(VT1)および2型(VT2))や薬剤耐性遺伝子、あるいは宿主への感染(侵入・定着・増殖)に関わる遺伝子等を検出することも可能である。さらにCytochrome遺伝子等の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism; SNP)の検出、あるいは牛胚性判別の判定のための雄特異的遺伝子配列の検出などに応用できる。これらを検出するためには、検出対象に特異的な核酸配列に相補性を有するオリゴヌクレオチド配列である蛍光標識プライマー/プローブを先ず設計して、次いで対応するクエンチャー標識プローブを設計して、本発明の検出方法を実施すればよい。
特に本発明の複数種類の標的核酸を検出する態様は、ヒトのインフルエンザウイルス(A型(H1N1、H3N2、H1N2、H2N2、H9N1、H5N1を含む)、B型およびC型)あるいは肝炎ウイルス(A型、B型およびC型)などの近接種ウイルスを1度に検出識別するのに有効である。また、性感染症の原因となる、淋菌、梅毒トレポネーマ菌、クラミジア・トラコマティスなどの有無を1度に検出識別するのにも有効である。さらに感染性胃腸炎の原因となる、ノロウイルスやロタウイルスなどの有無を1度に検出識別するのにも有効である。あるいは輸血用血液のスクリーニング検査としてエイズウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)の有無を1度に検出識別するのにも有効である。
本発明のキットは、試料中に存在する1種類以上の標的核酸を、増幅させて、あるいは増幅させることなく検出するために用いる標的核酸検出用キットであって、1種類または複数種類の、蛍光剤で標識された、標的核酸と相補性を有するオリゴヌクレオチドである蛍光標識プライマー/プローブと、消光剤で標識された、該蛍光標識プライマー/プローブと相補性を有し、該蛍光標識プライマー/プローブより、融解温度(Tm)の低いオリゴヌクレオチドであるクエンチャー標識プローブの組み合わせを含む標的核酸検出用キットである。
前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さは前記蛍光標識プライマー/プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さより短いか、あるいは前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドが修飾塩基を含んでいるものが挙げられる。
前記蛍光標識プライマー/プローブが固相面に固定されていてもよい。また、本発明のキットは標的核酸を増幅させるための他の試薬を含んでよく、通常の核酸検出用に用いる他の試薬を必要に応じて、任意に含んでよい。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1.Tm値の影響確認
(1)測定鋳型
測定用鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下CTプラスミド)を作製した。
(2)プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないLAMP反応用のプライマーを設計した。設計したプライマーのうち、LBの5’末端をFAMにて蛍光標識したものを蛍光標識プライマー/プローブとし、相補鎖の3’末端にBHQ1を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。また、クエンチャー標識プローブについては、5’末端側を3〜10塩基削除し、Tm値を下げたクエンチャー標識プローブも設計した。プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。クエンチャー標識プローブのTm値は最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)の計算値を示している。
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号1)
CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号2)
CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号4)
CT−LF:5’−AAGATAACCCCGCACGT−3’(配列番号5)
CT−LB:5’−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号6)
<クラミジア・トラコマティス蛍光標識プライマー/プローブ>
FAM−CT−LB:5’−(FAM)−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号7)
<クラミジア・トラコマティス クエンチャー標識プローブ>
CT−LBc−Q1−0:5’−TGTCTTCGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号8)Tm=60.6℃
CT−LBc−Q1−3:5’−CTTCGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号9)Tm=53.9℃
CT−LBc−Q1−5:5’−TCGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号10)Tm=49.7℃
CT−LBc−Q1−6:5’−CGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号11)Tm=46.5℃
CT−LBc−Q1−7:5’−GTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号12)Tm=37.5℃
CT−LBc−Q1−9:5’−AACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号13)Tm=32.6℃
CT−LBc−Q1−10:5’−ACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号14)Tm=26.7℃
(3)LAMP反応試薬組成および濃度
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。クエンチャー標識プローブは未添加を対照とし、CT−LBc−Q1−0(配列番号8)、CT−LBc−Q1−3(配列番号9)、CT−LBc−Q1−5(配列番号10)、CT−LBc−Q1−6(配列番号11)、CT−LBc−Q1−7(配列番号12)、CT−LBc−Q1−9(配列番号13)もしくはCT−LBc−Q1−10(配列番号14)の何れかを添加した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM dATP(GeneACT社)
・2.1mM dCTP(GeneACT社)
・2.1mM dGTP(GeneACT社)
・2.1mM dTTP(GeneACT社)
・38.4U Bst DNA Polymerase(New England Biolab社)
・プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブ
0.8μM CT−FIP(配列番号1)
0.8μM CT−BIP(配列番号2)
0.1μM CT−F3(配列番号3)
0.1μM CT−B3(配列番号4)
0.4μM CT−LF(配列番号5)
0.4μM FAM−CT−LB(配列番号7)
0.8μM CT−LBc−Q1−0(配列番号8)、CT−LBc−Q1−3(配列番号9)、CT−LBc−Q1−5(配列番号10)、CT−LBc−Q1−6(配列番号11)、CT−LBc−Q1−7(配列番号12)、CT−LBc−Q1−9(配列番号13)もしくはCT−LBc−Q1−10(配列番号14)
(4)増幅
蒸留水(DW)またはCTプラスミド10copiesを1反応に添加し、リアルタイム濁度測定装置LA−320C(テラメックス社)を用い、65℃120分間増幅反応を行った。
(5)判定
LA−320Cにて増幅反応(LA−320Cでは、核酸の増幅反応をその副産物であるピロリン酸マグネシウムの生成による吸光度の変化、すなわち濁度の変化によりモニタリングする。Tt値:濁度測定データの演算値が反応開始から所定の判定値に到達するまでの時間、濁度曲線:濁度のリアルタイム測定データのプロット)の確認を行うとともに、増幅後反応チューブにUVを照射し、緑色の蛍光(FAM)を発しているものを陽性、蛍光が認められないものを陰性とした。
クエンチャー標識プローブを使用していない場合は、CTプラスミド10copiesの増幅は20.7分で認められた。それに対し、クエンチャー標識プローブを添加したものではクエンチャー標識プローブによって増幅時間が異なり、CT−LBc−Q1−0(配列番号8)では92.4分(+71.7分)、CT−LBc−Q1−3(配列番号9)では41.5分(+20.8分)、CT−LBc−Q1−5(配列番号10)では27.8分(+7.1分)、CT−LBc−Q1−6(配列番号11)では25.5分(+4.8分)、CT−LBc−Q1−7(配列番号12)では22.8分(+2.1分)、CT−LBc−Q1−9(配列番号13)では20.7分(+0.0分)、CT−LBc−Q1−10(配列番号14)では20.6分(−0.1分)であった。また、何れのクエンチャー標識プローブを用いた場合でも、CTプラスミドを添加したチューブではFAM由来の蛍光である緑が確認され、DWを添加したチューブでは蛍光が確認できなかった(表1)。
Figure 0006085564
「Tt(DW)」はDW添加、「Tt(CT)」はCTプラスミド10copiesを1反応に添加して反応させた時のTt値を示す。
CT−LBc−Q1を添加していない場合は、DW添加においても蛍光標識がQuenchingされていないため蛍光が確認できた。CT−LBc−Q1を添加しているもの(Q1−0)では、何れもDW添加では消光しており、またCTプラスミドを添加しているものでは、CT−LBc−Q1のTm値に影響されることなく蛍光が確認できた。
[表1]が示すように、クエンチャー標識プローブのTm値が大きいほど増幅時間が遅延しているが、Tm値が32.6℃以下ではその影響がなくなっている。従ってクエンチャー標識プローブのTmは32.6℃以下が望ましいということが示唆された。
実施例2.LAMP法による増幅後にクエンチャー標識プローブを添加した場合
(1)測定鋳型
測定用鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下CTプラスミド)を作製した。
(2)プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないプライマーを設計した。設計したプライマーのうち、LBの5’末端をFAMにて蛍光標識したものを蛍光標識プライマー/プローブとし、相補鎖の3’末端にBHQ1を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、蛍光標識プライマーおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号1)
CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号2)
CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号4)
CT−LF:5’−AAGATAACCCCGCACGT−3’(配列番号5)
CT−LB:5’−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号6)
<クラミジア・トラコマティス 蛍光標識プライマー>
FAM−CT−LB:5’−(FAM)−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号7)
<クラミジア・トラコマティス Quencher標識プローブ>
CT−LBc−Q1−0:5’−TGTCTTCGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号8)
(3)LAMP反応試薬組成および濃度
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM dATP(GeneACT社)
・2.1mM dCTP(GeneACT社)
・2.1mM dGTP(GeneACT社)
・2.1mM dTTP(GeneACT社)
・38.4U Bst DNA Polymerase (New England Biolab社)
・プライマーおよび蛍光標識プライマー/プローブ
0.8μM CT−FIP(配列番号1)
0.8μM CT−BIP(配列番号2)
0.1μM CT−F3(配列番号3)
0.1μM CT−B3(配列番号4)
0.4μM CT−LF(配列番号5)
0.4μM FAM−CT−LB(配列番号7)
また、増幅反応後以下の試薬を添加した。
・クエンチャー標識プローブ
0.8μM CT−LBc−Q1−0(配列番号8)
(4)増幅
DWまたはCTプラスミド10copiesを1反応に添加し、LA−320Cを用い、65℃120分間増幅反応を行った。
(5)判定
実施例1と同様に、LA−320Cにて増幅反応の確認を行った(表2、図4)。
DWを添加した反応チューブでは、Tt値は検出されず、濁度の上昇は見られなかった。一方、CTプラスミドを添加した反応チューブでは、Tt値が18.7分、および濁度の上昇が確認された。これらのことからCTプラスミド、すなわち標的核酸が含まれる反応チューブでのみ増幅反応が起こったことが確認された。
各反応チューブの蛍光については、DWを添加した反応チューブ(Tube No. 1)およびCTプラスミドを添加した反応チューブ(Tube No. 2)共に蛍光が検出された(図5)。次に、各反応チューブにCT−LBc−Q1−0(配列番号8)を室温で添加すると、DWを添加した反応チューブ(Tube No. 3)は消光された。これに対し、CTプラスミドを添加した反応チューブ(Tube No. 4)では蛍光が保持された。
Figure 0006085564
実施例3.LAMP法を用いたクラミジア・トラコマティスと淋菌の同時増幅検出方法
(1)測定鋳型
内部標準物質鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下、CTプラスミドという。)を作製した。また、標的核酸鋳型として、淋菌mtrA領域の一部(配列番号32)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下、NGプラスミドという。)を作製した。
(2)クラミジア・トラコマティス プライマー、TAMRA標識ループルライマー(蛍光標識プライマー/プローブ)およびBHQ2標識Quenchingプローブ(クエンチャー標識プローブ)の合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないプライマーを設計した。プライマーの合成は、オペロンバイオテクノロジー社に依頼した。また、TAMRA標識ループプライマーおよびBHQ2標識Quenchingプローブの合成は、J−Bios社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号1)
CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号2)
CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号4)
CT−LB:5’−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号6)
<クラミジア・トラコマティス TAMRA標識ループプライマー>
TAM−CT−LF:5’−(TAMRA)−AAGATAACCCCGCACGT−3’(配列番号15)
<クラミジア・トラコマティス BHQ2標識Quenchingプローブ>
CT−LFc−Q2:5’−GGGGTTATCTT−(BHQ2)−3’(配列番号16)
(3)淋菌 プライマー、FAM標識ループプライマー(蛍光標識プライマー/プローブ)およびBHQ1標識Quenchingプローブ(クエンチャー標識プローブ)の合成
淋菌のmtrA領域をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないプライマーを設計した。プライマーの合成は、オペロンバイオテクノロジー社に依頼した。また、FAM標識ループプライマーおよびBHQ1標識Quenchingプローブの合成は、J−Bios社に依頼した。
<淋菌 プライマー>
NG−FIP:5’−CGTGGCTCAACACATGACCCAAGCGTCCGGTCGGCA−3’(配列番号17)
NG−BIP:5’−ACGGAGAAAGTTTACAACCGGACACAAAACAGGCTCATATCCAGC−3’(配列番号18)
NG−F3:5’−GCGGTTATCTCTGCATCG−3’(配列番号19)
NG−B3:5’−GGTGTCGTAGCGGAAAC−3’(配列番号20)
NG−LF:5’−CGGGAAAAATACAATATCGCCC−3’(配列番号22)
<淋菌 FAM標識ループプライマー>
FAM−NG−LB:5’−(FAM)−CGACAAAACGGCACATTTATGG−3’(配列番号23)
<淋菌 BHQ1標識Quenchingプローブ>
NG−LBc−Q1:5’−CGTTTTGTCG−(BHQ1)−3’(配列番号24)
(4)LAMP反応試薬組成および濃度
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM ATP
・2.1mM CTP
・2.1mM GTP
・2.1mM TTP
・38.4U Bst DNAポリメラーゼ(New England Biolab社)
・クラミジア・トラコマティスプライマー、TAMRA標識ループプライマーおよびBHQ2標識Quenchingプローブ
0.8μM CT−FIP(配列番号1)およびCT−BIP(配列番号2)
0.1μM CT−F3(配列番号3)およびCT−B3(配列番号4)
0.4μM CT−LB(配列番号6)およびTAM−CT−LF(配列番号15)
0.8μM CT−LFc−Q2(配列番号16)
・淋菌 プライマー、FAM標識ループプライマーおよびBHQ1標識Quenchingプローブ
0.8μM NG−FIP(配列番号17)およびNG−BIP(配列番号18)
0.1μM NG−F3(配列番号19)およびNG−B3(配列番号20)
0.4μM NG−LF(配列番号22)およびFAM−NG−LB(配列番号23)
0.8μM NG−LBc−Q1(配列番号24)
(5)増幅
DW、またはCTプラスミド10コピー、またはNGプラスミド10コピー、またはCTプラスミド10コピーおよびNGプラスミド10コピーを添加し、LA−320Cを用いて、65℃60分間増幅反応を行った。
(6)判定
クラミジア・トラコマティス由来の核酸(CT)が増幅されるとUV照射下において赤色(TAMRA)が目視でき、淋菌由来の核酸(NG)が増幅されると緑色(FAM)が目視できる。上記増幅反応後、UVを照射して蛍光を確認した結果(図6)、DW(陰性検体)では無色(Tube No. 1 - 4);淋菌陽性検体では緑色(Tube No. 5 - 8);クラミジア・トラコマティス陽性検体では赤色(Tube No. 9 - 12);両陽性検体では黄色(赤色+緑色)が目視できた(Tube No. 13 - 16)。
実施例4.クラミジア・トラコマティス、淋菌および人工核酸の多項目同時増幅検出
(1)測定鋳型
測定用鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下CTプラスミド)、淋菌のmtrA領域の一部(配列番号32)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下NGプラスミド)、人工核酸配列(配列番号33)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下ARITA2プラスミド)を作製した。
(2)プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域、淋菌のmtrA領域および人工核酸配列をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないLAMP反応用のプライマーを設計した。設計したプライマーのうち、クラミジア・トラコマティス LFの5’末端をTAMRAに、淋菌LBの5’末端をFAMに、人工核酸配列LBの5’末端をAlexa FluorTM 350(以下Alexa350)にて蛍光標識したものを蛍光標識プライマーとし、クラミジア・トラコマティス LF相補鎖の3’末端にBHQ2を標識、淋菌LB相補鎖の3’末端にBHQ1を標識、人工核酸配列LB相補鎖の3’末端にBHQ0を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号1)
CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号2)
CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号4)
CT−LB:5’−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号6)
<クラミジア・トラコマティス 蛍光標識プライマー/プローブ>
TAM−CT−LF:5’−(TAMRA)−AAGATAACCCCGCACGT−3’(配列番号15)
<クラミジア・トラコマティス クエンチャー標識プローブ>
CT−LFc−Q2:5’−ACGTGCGGGGTTATCTT−(BHQ2)−3’(配列番号16)
<淋菌 プライマー>
NG−FIP:5’−CGTGGCTCAACACATGACCCAAGCGTCCGGTCGGCA−3’(配列番号17)
NG−BIP:5’−ACGGAGAAAGTTTACAACCGGACACAAAACAGGCTCATATCCAGC−3’(配列番号18)
NG−F3:5’−GCGGTTATCTCTGCATCG−3’(配列番号19)
NG−B3:5’−GGTGTCGTAGCGGAAAC−3’(配列番号20)
NG−LF:5’−CGGGAAAAATACAATATCGCCC−3’(配列番号22)
<淋菌 蛍光標識プライマー/プローブ>
FAM−NG−LB:5’−(FAM)−CGACAAAACGGCACATTTATGG−3’(配列番号23)
<淋菌 クエンチャー標識プローブ>
NG−LBc−Q1:5’−CGTTTTGTCG−(BHQ1)−3’(配列番号24)
<人工核酸 プライマー>
ARITA2−FIP:5’−CGCTTGGATAGTCGGATGCAAGGGTCAATGGTAC−3’(配列番号25)
ARITA2−BIP:5’−ACGGTGTATGCTTCGGTGTGCGAACCTATCAGC−3’(配列番号26)
ARITA2−F3:5’−GGACAATCGAAGCCAGAA−3’(配列番号27)
ARITA2−B3:5’−ATCACGGATCGTATGTGG−3’(配列番号28)
ARITA2−LF:5’−GCTAGCTAAGTGCCATCC−3’(配列番号29)
<人工核酸 蛍光標識プライマー/プローブ>
Ale−ARITA2−LB:5’−(Alexa350)−AACGATCGCACTAAGCAT−3’(配列番号30)
<人工核酸 クエンチャー標識プローブ>
ARITA2−LBc−Q0:5’−ATGCTTAGTGCGATCGTT−(BHQ0)−3’(配列番号31)
(3)LAMP反応試薬組成および濃度
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM dATP (GeneACT社)
・2.1mM dCTP (GeneACT社)
・2.1mM dGTP (GeneACT社)
・2.1mM dTTP (GeneACT社)
・38.4U Bst DNA Polymerase (New England Biolab社)
・プライマーおよび蛍光標識プライマー/プローブ
0.6μM CT−FIP(配列番号1)、NG−FIP(配列番号17)
0.6μM CT−BIP(配列番号2)、NG−BIP(配列番号18)
0.1μM CT−F3(配列番号3)、NG−F3(配列番号19)
0.1μM CT−B3(配列番号4)、NG−B3(配列番号20)
0.3μM CT−LB(配列番号6)、NG−LF(配列番号22)
0.1μM ARITA2−FIP(配列番号25)、ARITA2−BIP(配列番号26)
0.02μM ARITA2−F3(配列番号27)、ARITA2−B3(配列番号28)
0.1μM ARITA2−LF(配列番号29)
0.4μM TAM−CT−LF(配列番号15)、FAM−NG−LB(配列番号23)、Ale−ARITA2−LB(配列番号30)
また、増幅反応後以下の試薬を添加した。
・クエンチャー標識プローブ
0.8μM CT−LFc−Q2(配列番号16)、NG−LBc−Q1(配列番号24)、ARITA2−LBc−Q0(配列番号31)
(4)増幅
DW、CTプラスミド10copies、NGプラスミド10copiesまたはARITA2プラスミド10copiesのうち1種類もしくは複数種類を1反応に添加し、LA−320Cを用い、65℃120分間増幅反応を行った。
Figure 0006085564
(5)判定
実施例1と同様に、LA−320Cにて増幅反応の確認を行った(表3、図7)。
DWを添加した(CT、NGおよびARITA2プラスミドすべて−)反応チューブでは、Tt値は検出されず、濁度の上昇は見られなかった。一方、CTプラスミド、NGプラスミドあるいはARITA2プラスミドを1種類、2種類組合せて、あるいは3種類すべてを添加した反応チューブでは、それぞれTt値が得られ、また、濁度の上昇が確認された。これらのことからCTプラスミド、NGプラスミドあるいはARITA2プラスミドを1種類あるいは複数種類含む反応チューブでのみ増幅反応が起こったことが確認された。増幅終了後の反応チューブに、CT−LFc−Q2(配列番号16)、NG−LBc−Q1(配列番号24)、ARITA2−LBc−Q0(配列番号31)0.8μM添加し、95℃5分加熱後に室温まで冷却した後、UVを照射して蛍光を観察した(図8)。
DWを添加した反応チューブでは増幅産物がないため、蛍光が確認できなかった(Tube No. 1)。CTプラスミド添加反応チューブでは、赤の蛍光が確認できた(Tube No. 2)。同様に、NGプラスミド添加反応チューブでは緑の蛍光(Tube No. 3)、ARITA2プラスミド添加反応チューブでは青の蛍光が確認できた(Tube No. 4)。二種のプラスミドを添加した反応チューブではそれぞれの蛍光色の中間色を示し、CTプラスミドとNGプラスミド添加反応チューブでは黄の蛍光(Tube No. 5)、CTプラスミドとARITA2プラスミド添加反応チューブでは紫の蛍光(Tube No. 6)、NGプラスミドとARITA2プラスミド添加反応チューブでは水色の蛍光が確認できた(Tube No. 7)。また、三種のプラスミドを添加した反応チューブでは白色の蛍光が確認できた(Tube No. 8)。
実施例5.プローブを用いた標的核酸(クラミジア・トラコマティス)の検出
(1)試料の調製
試料には、反応後のLAMP反応液を用いた。LAMP反応条件については、各試薬組成と終濃度は以下に示すとおりとし、鋳型としてCTプラスミドを1反応あたり10copiesとなるように添加、あるいは鋳型の代わりにDWを添加し、LAMP最終反応溶液30μLとして、LA−320Cを用いて、65℃40分間増幅反応を行った。また、得られた反応液は80℃5分間加熱処理をすることでBst DNA Polymeraseの失活処理を行ない、後に行なう蛍光標識プライマー/プローブによる検出時に増幅反応が起こらないようにした。このようにして得られたLAMP反応液すなわち試料のうち、CTプラスミドを鋳型にして調製したものは陽性検体、DWを添加して調製したものは陰性検体とした。
<LAMP反応試薬組成および終濃度>
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM dATP (GeneACT社)
・2.1mM dCTP (GeneACT社)
・2.1mM dGTP (GeneACT社)
・2.1mM dTTP (GeneACT社)
・38.4U Bst DNA Polymerase (New England Biolab社)
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
・ 0.8μM CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’ (配列番号1)
・ 0.8μM CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’ (配列番号2)
・ 0.1μM CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
・ 0.1μM CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’ (配列番号4)
・ 0.4μM CT−FL:5’−AAGATAACCCCGCACGT−3’ (配列番号5)
・ 0.4μM CT−BL:5’−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’ (配列番号6)
(2)蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの合成
設計したプライマーのうち、BLの5’末端をFAMにて蛍光標識したものを蛍光標識プライマー/プローブとし、相補鎖の3’末端にBHQ1を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。なお、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス 蛍光標識プライマー/プローブ>
FAM−CT−BL:5’−(FAM)−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号7)
<クラミジア・トラコマティス クエンチャー標識プローブ>
CT−BLc−Q1−0:5’−TGTCTTCGTAACTCGCTCC−(BHQ1)−3’(配列番号8)
(3)試料への蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの添加
(1)で調製した陽性検体と陰性検体それぞれに対して、0.4μM蛍光標識プライマー/プローブ(配列番号7)を添加し、95℃5分間加熱処理を行ない、鋳型の変性を行なった。続いて室温まで冷却し鋳型と蛍光標識プライマーをアニーリングさせた。
室温まで冷却した後、0.8μM クエンチャー標識プローブ(配列番号8)を添加し攪拌後、UV下その蛍光を確認した(図9)。
(4)判定
陽性検体、陰性検体のいずれも、蛍光標識プライマー/プローブの添加前では、蛍光は検出できず(Tube No. 1, 2)、蛍光標識プライマー/プローブであるFAM−CT−BL(配列番号7)の添加後は、蛍光が検出できた(Tube No. 3, 4)。これらを95℃5分加熱後、室温まで冷却し、クエンチャー標識プローブであるCT−BLc−Q1−0(配列番号8)を添加したところ、陰性検体では、LAMP産物は存在しないため、FAM−CT−BL(配列番号7)はCT−BLc−Q1−0(配列番号8)と結合するために、蛍光は消光(Quenching)された(Tube No. 5)。これに対し、陽性検体では、CTプラスミドを鋳型として増幅されたLAMP産物にFAM−CT−BL(配列番号7)が結合しており、CT−BLc−Q1−0(配列番号8)とは結合しないため、蛍光が保持されていた(Tube No. 6)。
従って実施例5は、図1に示す本願発明の最も基本的な態様は実施可能であることを示している。
実施例6.SMart Amplification Process version 2(以下、SMAP2)法を用いたクラミジア・トラコマティスの増幅検出(LAMP法以外の等温増幅法 SMAP2法におけるクエンチャー標識プローブを添加した場合の核酸増幅と増幅産物の検出)
(1)測定鋳型
測定用鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下CTプラスミド)を作製した。
(2)プライマー、蛍光標識プライマーおよびクエンチャー標識プローブの合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないSMAP2反応用のプライマー(FP、TP、OP1、OP2およびBPプライマーの計5本)を設計した。設計したプライマーのうち、TPプライマーによって増幅産物に生じるループ部分にアニールするBPプライマーの5’末端をAlexa350にて蛍光標識したものを蛍光標識プライマー/プローブとした。さらにBPプライマーの相補鎖の3’末端にBHQ0を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス SMAP2プライマー>
CT−FP:5’−TTTATATATATATAAAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号34)
CT−TP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号35)
CT−OP1:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号36)
CT−OP2:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号37)
<クラミジア・トラコマティス 蛍光標識プライマー/プローブ>
Ale−CT−BP:5’−(Alexa350)−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号38)
<クラミジア・トラコマティス クエンチャー標識プローブ>
CT−BPc−Q0:5’−AACTCGCTCC−(BHQ0)−3’(配列番号39)
(3)SMAP2反応試薬組成および濃度
SMAP2最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM dATP(GeneACT社)
・2.1mM dCTP(GeneACT社)
・2.1mM dGTP(GeneACT社)
・2.1mM dTTP(GeneACT社)
・38.4U Bst DNA Polymerase (New England Biolab社)
・プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブ
1.33μM CT−FP(配列番号34)
1.33μM CT−TP(配列番号35)
0.17μM CT−OP1(配列番号36)
0.17μM CT−OP2(配列番号37)
0.67μM Ale−CT−BP(配列番号38)
1.33μM CT−BPc−Q0(配列番号39)
(4)増幅
DWまたはCTプラスミド106copiesを1反応に添加し、リアルタイム濁度測定装置 LoopampEXIATM(テラメックス社)を用い、65℃45分間増幅反応を行った。
(5)判定
LoopampEXIATMにて増幅反応の確認を行った(LoopampEXIATMでは、核酸の増幅反応をその副産物であるピロリン酸マグネシウムの生成による吸光度の変化、すなわち濁度の変化によりモニタリングする。Tt値:濁度測定データの演算値が反応開始から所定の判定値に到達するまでの時間、濁度曲線:濁度のリアルタイム測定データのプロット)(表4、図10)。
DWを添加した反応チューブでは、Tt値は検出されず、濁度の上昇はみられなかった。一方、CTプラスミドを添加した反応チューブでは、Tt値が23.2分、および濁度の上昇が確認された。これらのことから、CTプラスミド、すなわち標的核酸が含まれる反応チューブでのみ増幅反応が起こったことが確認された。
増幅反応終了後の各反応チューブにUVを照射して蛍光を観察した結果(図11)、DWを添加した反応チューブ(Tube No. 1)では蛍光は観察されず、CTプラスミドを添加した反応チューブ(Tube No. 2)では蛍光を認めた。
実施例6は、本願発明が、LAMP法のみならず、様々ある核酸の等温増幅反応においても実施可能であることを示している。
Figure 0006085564
実施例7.単項目増幅、二項目あるいは三項目同時増幅反応系における蛍光波長検出
(1)測定鋳型
測定用鋳型として、クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域の一部(配列番号21)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下CTプラスミド) 、淋菌のmtrA領域の一部(配列番号32)をサブクローニングしたプラスミドDNA(以下NGプラスミド)、人工核酸配列(配列番号33)をサブクローニングしたプラスミドDNA (以下ARITA2プラスミド)を作製した。
(2)プライマー、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブの合成
クラミジア・トラコマティスの潜在プラスミド領域、淋菌のmtrA領域および人工核酸配列をターゲットとし、類縁菌との交差性を持たないLAMP反応用のプライマーを設計した。設計したプライマーのうち、クラミジア・トラコマティスBLの5’末端をAlexa350にて蛍光標識、淋菌BLの5’末端をTAMRAにて蛍光標識、人工核酸配列BLの5’末端をFAMにて蛍光標識したものを蛍光標識プライマー/プローブとし、クラミジア・トラコマティスBL相補鎖の3’末端にBHQ0を標識、淋菌BL相補鎖の3’末端にBHQ2を標識、人工核酸配列BL相補鎖の3’末端にBHQ1を標識したものをクエンチャー標識プローブとした。プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブについては日本バイオサービス社に依頼した。
<クラミジア・トラコマティス プライマー>
CT−FIP:5’−CAAGCAGGACTACAAGCTGCAGCGTTTGTACTCCGTCAC−3’(配列番号1)
CT−BIP:5’−GCGGGCGATTTGCCTTAACTCGGTCAACGAAGAGGTT−3’(配列番号2)
CT−F3:5’−ATGTCGGAGTCTGAGCAC−3’(配列番号3)
CT−B3:5’−CCTCAGAAGTTTATGCACTTTC−3’(配列番号4)
CT−LF:5’−AAGATAACCCCGCACGT−3’(配列番号5)
<クラミジア・トラコマティス 蛍光標識プライマー/プローブ>
Ale−CT−LB:5’−(Alexa350)−GGAGCGAGTTACGAAGACA−3’(配列番号40)
<クラミジア・トラコマティス クエンチャー標識プローブ>
CT−LBc−Q0:5’−AACTCGCTCC−(BHQ0)−3’(配列番号41)
<淋菌 プライマー>
NG−FIP:5’−CGTGGCTCAACACATGACCCAAGCGTCCGGTCGGCA−3’(配列番号17)
NG−BIP:5’−ACGGAGAAAGTTTACAACCGGACACAAAACAGGCTCATATCCAGC−3’(配列番号18)
NG−F3:5’−GCGGTTATCTCTGCATCG−3’(配列番号19)
NG−B3:5’−GGTGTCGTAGCGGAAAC−3’(配列番号20)
NG−LF:5’−CGGGAAAAATACAATATCGCCC−3’(配列番号22)
<淋菌 蛍光標識プライマー/プローブ>
TAM−NG−LB:5’−(TAMRA)−CGACAAAACGGCACATTTATGG−3’(配列番号42)
<淋菌 クエンチャー標識プローブ>
NG−LBc−Q2:5’−CGTTTTGTCG−(BHQ2)−3’(配列番号43)
<人工核酸 プライマー>
ARITA2−FIP:5’−CGCTTGGATAGTCGGATGCAAGGGTCAATGGTAC−3’(配列番号25)
ARITA2−BIP:5’−ACGGTGTATGCTTCGGTGTGCGAACCTATCAGC−3’(配列番号26)
ARITA2−F3:5’−GGACAATCGAAGCCAGAA−3’(配列番号27)
ARITA2−B3:5’−ATCACGGATCGTATGTGG−3’(配列番号28)
ARITA2−LF:5’−GCTAGCTAAGTGCCATCC−3’(配列番号29)
<人工核酸 蛍光標識プライマー/プローブ>
FAM−ARITA2−LB:5’−(FAM)−AACGATCGCACTAAGCAT−3’(配列番号44)
<人工核酸 クエンチャー標識プローブ>
ARITA2−LBc−Q1:5’−ATGCTTAGTGCGATCGTT−(BHQ1)−3’(配列番号45)
(3)LAMP反応試薬組成および濃度
LAMP最終反応溶液30μL中の各試薬濃度が以下になるよう調製した。
・30mM Tris−HCl(pH8.8)
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
・0.15% Tween20
・2.1mM ATP
・2.1mM CTP
・2.1mM GTP
・2.1mM TTP
・38.4U Bst DNAポリメラーゼ(New England Biolab社)
プライマーについては、以下3種類のプライマーと蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブのセットを1種類もしくは複数種類を1反応に添加した。
プライマーと蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブのセットの組合せは、単項目増幅では、クラミジア・トラコマティス、淋菌、人工核酸の3通り、2項目同時増幅では、クラミジア・トラコマティスと淋菌、クラミジア・トラコマティスと人工核酸、淋菌と人工核酸の3通り、3項目同時増幅では、クラミジア・トラコマティスと淋菌と人工核酸の1通りである。
<クラミジア・トラコマティス プライマーと蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブ>
0.67μM CT−FIP(配列番号1)
0.67μM CT−BIP(配列番号2)
0.17μM CT−F3(配列番号3)
0.17μM CT−B3(配列番号4)
0.33μM CT−LF(配列番号5)
0.67μM Ale−CT−LB(配列番号40)
1.33μM CT−LBc−Q0(配列番号41)
<淋菌 プライマーと蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブ>
1.20μM NG−FIP(配列番号17)
1.20μM NG−BIP(配列番号18)
0.17μM NG−F3(配列番号19)
0.17μM NG−B3(配列番号20)
0.67μM NG−LF(配列番号22)
0.67μM TAM−NG−LB(配列番号42)
1.33μM NG−LBc−Q2(配列番号43)
<人工核酸 プライマーと蛍光標識プライマー/プローブおよびクエンチャー標識プローブ>
0.20μM ARITA2−FIP(配列番号25)
0.20μM ARITA2−BIP(配列番号26)
0.03μM ARITA2−F3(配列番号27)
0.03μM ARITA2−B3(配列番号28)
0.13μM ARITA2−LF(配列番号29)
0.67μM FAM−ARITA2−LB(配列番号44)
1.33μM ARITA2−LBc−Q1(配列番号45)
(4)増幅
DW、CTプラスミド10copies、NGプラスミド10copiesまたはARITA2プラスミド10copiesのうち1種類もしくは複数種類を1反応に添加し、LoopampEXIATMを用い、65℃45分間増幅反応を行った。
(5)判定
LoopampEXIATMにて増幅反応の確認を行った。
増幅反応終了後、反応チューブにUVを照射し、蛍光の観察を行った。
また、増幅反応後の反応液を希釈液にて100倍に希釈したものを分光蛍光光度計 RF−5300PC(SHIMADZU社製)にて各蛍光標識に対応した励起光を照射し蛍光波長のスキャンを行った。
<希釈液の組成>
・30mM Tris−HCl pH8.8
・15mM KCl
・15mM (NHSO
・12mM MgSO
各蛍光標識に対応する励起光として以下の波長を用いた。
・Alexa350 350nm
・TAMRA 555nm
・FAM 495nm
1)単項目 クラミジア・トラコマティスの増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表5 鋳型CT“−”より、Tt値は検出されず;図12のDWの増幅曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光が確認できない(図13 Tube No.1)が、CTプラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表5 鋳型CT“+”のTt値 13.3分;図12のCTの増幅曲線より濁度の上昇あり)、UV照射下ではAle−CT−LB(配列番号40)に由来すると思われる青の蛍光が確認できた(図13 Tube No.2)。蛍光波長においても同様に、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図14 A)、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認した。一方、鋳型(+)(CTプラスミドを添加した)の反応液では(図14 B)、350nm付近に励起光と、398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認した。
Figure 0006085564
2)単項目 淋菌の増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表6 鋳型NG“−”より、Tt値は検出されず;図15のDWの増幅曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光が確認できない(図16 Tube No.1)が、NGプラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表6 鋳型NG“+”より、Tt値 11.6分;図15のNGの増幅曲線より、濁度の上昇あり)、UV照射下ではTAM−NG−LB(配列番号42)に由来すると思われる赤の蛍光が確認できた(図16 Tube No.2)。蛍光波長においても同様に、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図17 A)、555nm付近に励起光のみを確認した。一方、鋳型(+)(NGプラスミドを添加した)の反応液では(図17 B)、555nm付近に励起光と、580nm付近にTAM−NG−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認した。
Figure 0006085564
3)単項目 人工核酸 の増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表7 鋳型ARITA2“−”より、Tt値は検出されず;図18のDWの増幅曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光が確認できない(図19 Tube No.1)が、ARITA2プラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表7 鋳型ARITA2“+”より、Tt値は、反応時間内に検出されなかったが、図18のARITA2の増幅曲線より、濁度の上昇を確認したことから、核酸は増幅したと判断した)、FAM−ARITA2−LB(配列番号44)に由来すると思われる緑の蛍光が確認できた(図19 Tube No.2)。
蛍光波長においては、FAMに対応する励起光を照射した場合、鋳型(−)(DWを添加した)の反応液(図20 A)と鋳型(+)(ARITA2プラスミドを添加した)の反応液(図20 B)はともに、495nm付近に励起光、522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光のピークがみられたが、鋳型(−)の反応液ではより小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)であり、鋳型(+)の反応液においてより大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
Figure 0006085564
4)二項目 クラミジア・トラコマティスと淋菌の同時増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表8 鋳型CT“−”およびNG“−”より、Tt値は検出されず;図21のDWの増幅曲線より、濁度の上昇はなし)、UV照射下で蛍光は確認できない(図22 Tube No.1)が、CTプラスミドのみ添加、NGプラスミドのみ添加あるいはCTプラスミドとNGプラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表8 鋳型CTのみ“+”、鋳型NGのみ“+”、鋳型CT“+”およびNG“+”のTt値はそれぞれ12.8分、13.6分、12.2分;図21のCT、NG、CT+NGの増幅曲線よりいずれも濁度の上昇あり)、UV照射下ではそれぞれ、Ale−CT−LB(配列番号40)に由来すると思われる青の蛍光(図22 Tube No.2)、TAM−NG−LB(配列番号42)に由来すると思われる赤の蛍光(図22 Tube No.3)、Ale−CT−LBとTAM−NG−LBに由来すると思われる紫の蛍光(図22 Tube No.4)が確認できた。
蛍光波長においては、CTおよびNGともに鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図23 A)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピーク、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認した。
CTのみ鋳型(+)(CTプラスミドのみ添加した)の反応液では(図23 B)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光を確認しただけであった。
NGのみ鋳型(+)(NGプラスミドのみ添加した)の反応液では(図23 C)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と580nm付近にTAM−NG−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認した。
CTおよびNGともに鋳型(+)(CTプラスミドとNGプラスミドを添加した)の反応液では(図23 D)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近にAlexa350のための励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と、580nm付近にTAM−NG−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認した。
Figure 0006085564
5)二項目 クラミジア・トラコマティスと人工核酸の同時増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表9 鋳型CT“−”およびARITA2“−”より、Tt値は検出されず;図24のDWの濁度曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光は確認できない(図25 Tube No.1)が、CTプラスミドのみ添加、ARITA2プラスミドのみ添加あるいはCTプラスミドとARITA2プラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表9 鋳型CTのみ“+”、鋳型ARITA2のみ“+”、鋳型CT“+”およびARITA2“+”のTt値はそれぞれ12.0分、28.2分、13.6分;図24のCT、ARITA2、CT+ARITA2の濁度曲線より、いずれも濁度の上昇有あり)、UV照射下ではそれぞれ、Ale−CT−LB(配列番号40)に由来すると思われる青の蛍光(図25 Tube No.2)、FAM−ARITA2−LB(配列番号44)に由来すると思われる緑の蛍光(図25 Tube No.3)、Ale−CT−LBとFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる水色の蛍光(図25 Tube No.4)が確認できた。
蛍光波長においては、CTおよびARITA2ともに鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図26 A)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピーク、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光のみを確認した。
CTのみ鋳型(+)(CTプラスミドのみ添加した)の反応液では(図26 B)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
ARITA2のみ鋳型(+)(ARITA2プラスミドのみ添加した)の反応液では(図26 C)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
CTおよびARITA2ともに鋳型(+)(CTプラスミドとARITA2プラスミドを添加した)の反応液では(図26 D)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と、522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
Figure 0006085564
6)二項目 淋菌と人工核酸の同時増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表10 鋳型NG“−”およびARITA2“−”より、Tt値は検出されず;図27のDWの濁度曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光は確認できない(図28 Tube No.1)が、NGプラスミドのみ添加、ARITA2プラスミドのみ添加あるいはNGプラスミドとARITA2プラスミドを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表10 鋳型NGのみ“+”、鋳型ARITA2のみ“+”、鋳型NG“+”およびARITA2“+”のTt値はそれぞれ12.0分、29.0分、11.9分;図27のNG、ARITA2、NG+ARITA2の濁度曲線より、いずれも濁度の上昇あり)、UV照射下ではそれぞれ、TAM−NG−LB(配列番号42)に由来すると思われる赤の蛍光(図28 Tube No.2)、FAM−ARITA2−LB(配列番号44)に由来すると思われる緑の蛍光(図28 Tube No.3)、TAM−NG−LBとFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる黄の蛍光(図28 Tube No.4)が確認できた。
蛍光波長においては、NGおよびARITA2Gともに鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図29 A)、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
NGのみ鋳型(+)(NGプラスミドのみ添加した)の反応液では(図29 B)、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と580nm付近にTAM−NG−LB由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
ARITA2のみ鋳型(+)(ARITA2プラスミドのみ添加した)の反応液では(図29 C)、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
NGおよびARITA2ともに鋳型(+)(NGプラスミドとARITA2プラスミドを添加した)の反応液では(図29 D)、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と580nm付近にTAM−NG−LB由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
Figure 0006085564
7)三項目 クラミジア・トラコマティス、淋菌および人工核酸の増幅反応系の増幅反応後の蛍光波長測定結果
DWを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられず(表11 鋳型CT“−”、NG“−”およびARITA2“−”より、Tt値は検出されず;図30のDWの濁度曲線より、濁度の上昇なし)、UV照射下で蛍光は確認できない(図31 Tube No.1)が、CTプラスミド、NGプラスミド、ARITA2プラスミドを1種類添加、2種類組み合わせて添加、あるいは3種類すべてを添加した反応チューブでは核酸の増幅がみられ(表11 鋳型CTのみ“+”、鋳型NGのみ“+”、鋳型ARITA2のみ“+”、鋳型CT“+”およびNG“+”、鋳型CT“+”およびARITA2“+”、鋳型NG“+”およびARITA2“+”、鋳型CT“+”とNG“+”およびARITA2“+”のTt値はそれぞれ14.3分、13.5分、35.6分、12.3分、14.2分、13.5分、12.4分;図30のCT、NG、ARITA2、CT+NG、CT+ARITA2、NG+ARITA2、CT+NG+ARITA2の濁度曲線より、いずれも濁度の上昇あり)、UV照射下ではそれぞれ、Ale−CT−LB(配列番号40)に由来すると思われる青の蛍光(図31 Tube No.2)、TAM−NG−LB(配列番号42)に由来すると思われる赤の蛍光(図31 Tube No.3)、FAM−ARITA2−LB(配列番号44)に由来すると思われる緑の蛍光(図31 Tube No.4)、Ale−CT−LBとTAM−NG−LBに由来すると思われる紫の蛍光(図31 Tube No.5)、Ale−CT−LBとFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる水色の蛍光(図31 Tube No.6)、TAM−NG−LBとFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる黄の蛍光(図31 Tube No.7)、Ale−CT−LBとTAM−NG−LBおよびFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる白の蛍光(図31 Tube No.8)が確認できた。
蛍光波長においては、CT、NGおよびARITA2すべて鋳型(−)(DWを添加した)の反応液では(図32 A)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と、398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
CTのみ鋳型(+)(CTプラスミドを添加した)の反応液では(図32 B)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え、443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
NGのみ鋳型(+)(NGプラスミドのみ添加した)の反応液では(図32 C)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光に加え、580nm付近にTAM−NG−LB由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認した。
ARITA2のみ鋳型(+)(ARITA2プラスミドのみ添加した)の反応液では(図32 D)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
CTおよびNGともに鋳型(+)(CTプラスミドとNGプラスミドを添加した)の反応液(図32 E)では、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近にAlexa350のための励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と、580nm付近にTAM−NG−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認したが、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の小さな(蛍光強度20未満の)ピーク(バックグラウンド)を確認しただけであった。
CTおよびARITA2ともに鋳型(+)(CTプラスミドとARITA2プラスミドを添加した)の反応液では(図32 F)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光のみを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と、522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
NGおよびARITA2ともに鋳型(+)(NGプラスミドとARITA2プラスミドを添加した)の反応液では(図32 G)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近に励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークのみを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と580nm付近にTAM−NG−LB由来すると思われる蛍光のピークを確認し、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
CT、NGおよびARITA2すべて鋳型(+)(CTプラスミドとNGプラスミドおよびARITA2プラスミドを添加した)の反応液では(図32 H)、Alexa350に対応する励起光を照射した場合、350nm付近にAlexa350のための励起光と398nm付近に水のラマン分光のピークに加え443nm付近にAle−CT−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、TAMRAに対応する励起光を照射した場合、555nm付近に励起光と、580nm付近にTAM−NG−LBに由来すると思われる蛍光のピークを確認し、さらに、FAMに対応する励起光を照射した場合、495nm付近に励起光と、522nm付近にFAM−ARITA2−LBに由来すると思われる蛍光の十分に大きな(蛍光強度80超の)ピークを確認した。
Figure 0006085564
本願発明は、単項目あるいは多項目の増幅反応系で1種類の鋳型から核酸が増幅される場合は、項目毎の検出に用いる1種類の蛍光標識に由来する蛍光、多項目の増幅反応系で複数種類の鋳型から核酸が増幅される場合は、各項目の検出に用いる複数種類の蛍光標識に由来する蛍光を検出するものである。目視で検出を行う場合は、ヒトの三色型色覚で識別可能な範囲の蛍光色光である必要があり、例えば、実施例で示したように、青、赤、緑の蛍光標識を原色に用いて加法混合を利用して表現される色調は、先の三つの原色に加えて、紫、黄、水色、白色の七つの色、これに蛍光を発しない場合(無色すなわち無蛍光)を含めて全部で8種類の色が上限となる。一方、蛍光測定機器で検出を行う場合は、機器により識別可能な種類の蛍光標識を用いることができるため、さらに多くの項目を同時に検出することが可能であり、また、発光強度により定量することも可能である。
実施例7は、本願発明が、単項目、多項目によらず等温増幅反応における核酸の増幅を検出するために、蛍光検出機器による蛍光の計測が実施可能であることを示している。
本発明は、従来技術より簡便安価に標的核酸を検出する方法を提供できる。また、本発明をマイクロアレイに適用することにより、標的核酸を標識することなく、遺伝子発現を検出することが出来る。さらには従来の核酸増幅技術と組み合わせることにより、1ステップの試薬添加で、多項目の標的核酸を一度に検出することも可能である。加えて、その検出を特別な機器を用いることなく、目視で出来ることを可能にする。従ってかかる発明は従来の研究室内だけでなく、病院における感染菌、ウイルスの同定、薬剤感受性の確認、一塩基多型検出による治療効果予測、食品製造販売における安全性の確認などにおいて、極めて有効なツールとなりうる。

Claims (12)

  1. 試料中に存在する1種類以上の標的核酸を検出する方法であって、以下のステップを含む核酸を検出する方法。
    (1)試料に
    蛍光剤で標識された、標的核酸と相補性を有するオリゴヌクレオチドである蛍光標識プライマーまたはプローブと、
    消光剤で標識された、該蛍光標識プライマーまたはプローブと相補性を有し、該蛍光標識プライマーまたはプローブより融解温度(Tm)の低いオリゴヌクレオチドであるクエンチャー標識プローブ
    を添加し;
    (2)該試料を該蛍光標識プライマーまたはプローブの融解温度(Tm)以下で、かつ該クエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)より高い温度で保温し、保温の間に等温条件で鎖置換反応を用いて該標的核酸の増幅を行い
    (3)該試料を該クエンチャー標識プローブの融解温度(Tm)以下の温度で保温し;
    (4)標的核酸に結合した蛍光標識プライマーまたはプローブの蛍光を計測する。
  2. 前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さが前記蛍光標識プライマーまたはプローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さより短い、請求項に記載の検出方法。
  3. 前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドが修飾塩基を含んでいる、請求項1又は2に記載の検出方法。
  4. 前記蛍光標識プライマーまたはプローブを固相面に固定させて使用する、請求項1−のいずれかに記載の検出方法。
  5. 2種類以上の標的核酸を検出するために、発光波長の異なる2種類以上の蛍光標識プライマーまたはプローブとそれぞれに対するクエンチャー標識プローブの組み合わせを用いる請求項1−のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ステップ(4)における蛍光の計測が目視による判定である請求項1−のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ステップ(4)における蛍光の計測が蛍光検出機器による判定である請求項1−のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1−のいずれかに記載の検出方法に用いるためのキットであって、1種類又は複数種類の
    蛍光剤で標識された、標的核酸と相補性を有するオリゴヌクレオチドである蛍光標識プライマーまたはプローブと;
    それぞれの蛍光剤に対応する消光剤で標識された、該蛍光標識プライマーまたはプローブと相補性を有し、該蛍光標識プライマーまたはプローブより融解温度(Tm)の低いオリゴヌクレオチドであるクエンチャー標識プローブ
    の組み合わせを;
    含む標的核酸検出用キット。
  9. 前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さが前記蛍光標識プライマーまたはプローブのオリゴヌクレオチドの塩基の長さより短い、請求項に記載の標的核酸検出用キット。
  10. 前記クエンチャー標識プローブのオリゴヌクレオチドが修飾塩基を含んでいる、請求項に記載の標的核酸検出用キット。
  11. さらに核酸増幅用試薬を含む請求項8−10のいずれかに記載のキット。
  12. 前記蛍光標識プライマーまたはプローブが固相面に固定されている請求項8−11のいずれかに記載の標的核酸検出用キット。
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