JP2018500932A - 標的核酸のマルチプレックス検出のためのデュアルクエンチングアッセイ - Google Patents

標的核酸のマルチプレックス検出のためのデュアルクエンチングアッセイ Download PDF

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Abstract

本発明は、ダブルクエンチアッセイにより、核酸混合物から少なくとも1個の標的核酸配列を検出するための方法に関する。方法のダブルクエンチアッセイは、複数標的核酸配列の融解温度媒介識別のための新規アプローチを活用する。本発明は、さらにパーツキットに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、融解温度の測定に基づく複数標的DNA配列の間接的検出のためのqPCR法に関する。本発明は、さらにパーツキットに関する。
PCRによるDNA試料中の特定配列の検出は標準的プロセスになっている。この技術は、遺伝子欠失解析から病原体特定およびテンプレート定量までの様々な異なる目的のために使用される。通常、異なる色のフルオロフォアが異なる標的を検出するために使用される。しかし、相互間で容易に識別可能なフルオロフォアの数に限りがあるために、この方法では、検出可能な特異的標的の数が限定される。
さらに、PCR反応中のDNAハイブリダイゼーションのステップは、イオン強度、塩基組成、核酸から切り詰められたフラグメントの長さ、ミスマッチの程度、および変性剤の存在により影響を受ける。DNAハイブリダイゼーションベースの技術は、核酸配列決定にとって、ならびに臨床診断、遺伝子研究、および法医学的検査室分析にとって極めて有用である。しかし、欠点として、ハイブリダイゼーションに依存する従来の方法は、プローブと非標的核酸配列との間の非特異的ハイブリダイゼーションに起因する擬陽性の結果を生ずる可能性がある。したがって、それらの信頼性を向上させるために解決すべき問題が残されている。
Seegene(Seoul,Korea)は、融解曲線分析によりマルチプレクシングにも適応できる技術を開発した。国際公開第2013115442A1に記載のように、SeegeneのTOCE技術は、加水分解時にプライマーフラグメントを放出するプローブに基づいている。次に、このフラグメントは、第2の人工標的に対しプライマーとして作用することが求められ、そこで、その特定のプローブに連結でき、特異的融解プロファイルを有する二本鎖標的が生成される。このシステムは、融解することにより高マルチプレクシングにも対応できるが、放出フラグメントが人工標的上で第2の伸長を開始および完了する必要があることにより、本質的に本発明より複雑である。本発明で生成されるフラグメントは、標識、融解フラグメントを直接提供する。
Pathofinder BV(Maastricht,Holland)は、融解曲線分析によりマルチプレクシングにも適応できる技術を開発した。米国特許出願公開第20100297630A1号に記載のように、このシステムは、2個の標的特異的プローブを提供することに基づくものであり、これらのプローブは、標的に隣接してハイブリッド形成した場合、リガーゼにより結合でき、特定の標的プローブに特異的な融解プロファイルを有する融解可能フラグメントを生成する。しかし、米国特許出願公開第20100297630A1号で示されるように、このシステムは、本当のホモジニアスアッセイではなく、最初のPCR反応後に試験管を開けて、例えば、リガーゼ溶液を添加する必要がある。この余分のステップは、本発明の方法では必要でなく、このステップはPCR産物の混入のリスクがあるために極めて望ましくなく、また、追加の取り扱いステップも必要となる。
Roche Diagnosticsは、融解曲線分析によりマルチプレクシングにも適応できる敗血症検出の方法およびアッセイを開発した。このシステムは、FRETプローブに依存しており、相互作用標識を有する2個のプローブが単一標的に隣接して結合されるように設計され、第1のプローブのフルオロフォアが第2のプローブと相互作用し、シグナルを生成する。2個のプローブは、温度勾配にさらされた場合、プローブが特異的融解曲線を生成することができるように設計できる。このシステムの欠点は、融解プロファイルが特定の標的配列の範囲内で設計される必要があることである。一方、本発明の方法は、一旦最適化されれば、任意の標的特異的プローブに結合できる融解タグを提供する。さらに、FRETプローブは2個の標識を必要とするので、このようなシステムは、1個のプローブ当たり1個のフルオロフォアを有する本発明に比べて、より低レベルの、例えば、5個のフルオロフォア検出チャネルを有するPCRシステムに対するマルチプレクシングに適応できる。
マルチプレックスDNA標的検出のその他の方法は、例えば、チップベースプローブによる固体表面結合によるものである。これらのチップベースの方法は、多数の標的核酸配列を識別可能かもしれないが、チップアセンブリプロセスが厄介であり、多くの場合、複雑、高価かつ扱いの難しい機器を伴う。
したがって、簡便、高信頼性で再現可能な複数標的核酸配列の検出に対する必要性が依然としてある。さらに、蛍光標識の数により制限を受けない新規標的検出方法が必要とされている。さらに、マルチプレックス核酸配列解析における複雑さおよびステップの数を減らし、この結果として、さらに費用対効果が大きく、簡単な臨床的診断法、遺伝子研究プロトコル、および法医学的検査室分析を促進する必要性が存在する。
本発明は、単純、簡便、高信頼性で、再現可能な複数の標的DNA配列の検出方法を提供する。本発明は、フルオロフォア毎の数個の標的配列を検出するために融解曲線測定を使用する。この方法により、単一のフルオロフォアを使って多数の標的が検出でき、かつ/または異なる融解温度および異なるフルオロフォアを用いることにより、多数の標的を検出できる。本発明者らは、異なるプロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド(PTO)を使った、標的DNA配列のマルチプレックス検出のための、融解曲線測定と組み合わせたデュアルクエンチアッセイを開発した。該PTOはそれぞれ、単一キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド(CQO)と一緒に、異なる融解温度依存性領域(MTDR)を含む。本発明の数個のCQOおよびPTOを使用することにより、1回のアッセイで検出できる標的配列の数をさらに増やせる。メルトプレックス(MeltPlex)システムと名付けた本発明の概念を図1に示す。
本発明は、1)標的核酸配列に対する配列特異的ハイブリダイゼーションおよび2)標的シグナル検出に必要な活性化タグ二本鎖フラグメントの配列特異的酵素的放出、の組合せにより標的核酸配列の擬陽性検出を防止する(図1)。活性化タグ二本鎖フラグメントの存在を介したこの標的核酸配列の間接的測定は、優れた精度を確保し、擬陽性の結果に関する問題を完全に克服できないまでも減らすことができる。
メルトプレックスシステムの利点の1つは、数個の特有のPTOにより特定された複数の標的配列を1個のCQOが検出し得ることである。検出されるそれぞれの標的核酸配列に対し、同じフルオロフォアを有するPTO内で特有のMTDR配列(融解温度依存性領域)を有するPTOが設計される。したがって、単一蛍光標識のみを使って検出できる標的核酸配列の数が増やせる。同じCQOと適合した類似のフルオロフォアを有する異なるPTOは、類似の蛍光標識および/または同一の蛍光標識を含むのであるから、PTO群と呼んでもよいであろう。それぞれのPTO群は、単一のCQOにより検出され得、活性化タグ二本鎖を形成、この活性化タグ二本鎖フラグメントは、その群中のそれぞれのPTO上の特有のMTDRの結果として融解温度の差異に基づいて識別される。必要に応じて、2個以上のクエンチャーを含めて、同じCQOにより多様なフルオロフォアのクエンチングを可能とすることにより、数個のPTO群を、単一のCQOにより検出することも可能である。したがって、本発明は、それぞれの検出される核酸の標的核酸配列に対する異なるタイプの蛍光標識を必要とすることなくアッセイにより検出できる標的核酸配列の数を増やすことができる。本発明は、異なるPTO群に対し数個の蛍光標識を適用してよく、これにより、標準的検査室機器を使ったアッセイにより検出できる標的核酸配列の数をさらに増やせる。
さらに、本発明のCQOは、標的配列に依存しない。したがって、いくつかのアッセイで信頼性の高い結果が得られることが証明されたCQOは、その他のアッセイで再使用できる。このような再使用のプローブは、新しいアッセイを設計に際し、重要な資源を節約し得る。
汚染はPCRベースの技術の主要な問題である。汚染のリスクを抑制する1つの選択肢は、アッセイの開始後、反応バイアルを再度開く必要のない技術を使用することである。本発明は、アッセイ開始後、反応バイアルを再度開く必要がなく、したがって、汚染される傾向が少ない。
本発明の主要態様は、標的核酸配列の検出方法に関し、前述の方法は、
(a)標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズでき、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズしないステップと、
(b)前述のPTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
(c)タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出され、PTOフラグメントがCQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズされるステップと、
(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが標的核酸配列の存在を示すステップと、を含む。
方法のステップa)およびb)は、任意の順序で起こってよく、すなわち、タグ二本鎖がPTO/タグ二本鎖の標的核酸への結合前に形成されてもよい。
別の実施形態では、ステップ(c)および(b)を交換して、それにより、方法が、(a)PTOおよび標的がハイブリダイズするステップ、(c)PTOおよび標的をヌクレアーゼ活性を有する酵素に接触させて活性化PTOを放出させるステップ、および(b)活性化PTOにCQOをハイブリダイズすることにより、活性化タグ二本鎖を形成するステップ、ならびにその後に続けて上記で開示のステップ(d)および(e)を含む。
方法のステップは繰り返してよい。
活性化PTOまたは活性化タグ二本鎖の存在を記録する。
タグ二本鎖が融解する(ステップd)温度を記録する。
本発明のアッセイは、多数の用途を有する。非包括的な用途のリストには、以下が含まれる。
・ヒトおよび/または獣医学的診断
・食物および/または餌の品質および安全性
・環境監視
・科学研究
本発明のアッセイは、パーツキットとして販売されてよい。したがって、本発明の一態様は、本明細書に記載のような標的核酸配列の検出用のパーツキットに関し、キットは、
i.必要に応じて、本明細書で記載の少なくとも1個のPTOと、
ii.本明細書で記載の少なくとも1個のCQOと、
iii.標的核酸配列の検出方法に関するインストラクションと、を含む。
したがって、本発明のある実施形態は、1個または複数の標的核酸配列の単一CQOによる検出である。
本発明の一実施形態の非限定的図示である。 NTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析。DEC486Pは、予測通りネガティブコントロールでは融解曲線を生成しないが、一方、その他の全ての設計は、NTC反応において、融解曲線シグナルのレベルが高くなっている。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)、○:DEC486P、△:DEC487P、x:DEC488P、□:DEC489P、◇:DEC490P。 テンプレートの有無の場合のタギングプローブDEC486Pに対するPCR反応産物の融解曲線分析。NTC(x)はネガティブコントロールでは融解曲線を生成しないが、テンプレートとの反応(◇)からは明確に識別可能なシグナルが存在する。また、クエンチングプローブがない反応(○)では、融解曲線が認められない。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。 テンプレートの有無の場合のタギングプローブDEC487Pに対するPCR反応産物の融解曲線分析。NTC(x)はネガティブコントロールでは小さい融解曲線を生成するが、テンプレートとの反応(◇)からは明確に識別可能なシグナルが存在する。クエンチングプローブがない反応(○)では、融解曲線が認められない。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。 テンプレートの有無の場合のタギングプローブDEC488Pに対するPCR反応産物の融解曲線分析。NTC(x)はネガティブコントロールではわずかな融解曲線を生成するが、テンプレートとの反応(◇)からは明確に識別可能なシグナルが存在する。クエンチングプローブがない反応(○)では、融解曲線が認められない。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。 テンプレートの有無の場合のタギングプローブDEC489Pに対するPCR反応産物の融解曲線分析。NTC(x)はネガティブコントロールで明瞭な融解曲線を生成し、一方、テンプレートとの反応(◇)からは識別可能なシグナルが存在する。クエンチングプローブがない反応(○)では、融解曲線が認められない。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。 テンプレートの有無の場合のタギングプローブDEC490Pに対するPCR反応産物の融解曲線分析。NTC(x)はネガティブコントロールでかなり大きな融解曲線を生成し、これは、テンプレートとの反応(◇)由来の曲線とは明確に識別できない。クエンチングプローブがない反応(○)では、融解曲線が認められない。(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。 ポジティブ試料に対するタギングプローブDEC486P−DEC490PのQ−PCR増幅曲線、○:DEC486P、△:DEC487P、x:DEC488P、□:DEC489P、◇:DEC490P、実線:DEC464。タギングプローブはTaqmanタイプのプローブに比べてシグナル強度が低いが、全てのプローブは、16〜20のCT値を有するポジティブシグナル読み取り値を明確に生成する。 本発明の一実施形態の非限定的図示である。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析。DEC500Pは、ポジティブ試料では融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。□:DEC500P、−:DEC500P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線。DEC500Pは、ポジティブ試料では増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。□:DEC500P、−:DEC500P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析。DEC502Pは、ポジティブ試料では融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。□:DEC500P、◇:DEC502P、−:DEC502P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線。DEC502Pは、ポジティブ試料では増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。□:DEC500P、◇:DEC502P、−:DEC502P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析。DEC503Pは、ポジティブ試料では融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。x:DEC503P、−:DEC503P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線。DEC503Pは、ポジティブ試料では増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。x:DEC503P、−:DEC503P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 DEC500PおよびDEC502Pを使った標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応の融解曲線分析は、ポジティブ試料では、2個の個別に識別可能な融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。○:DEC500P+DEC502P、−:DEC500P+DEC502P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 DEC500PおよびDEC502Pを使った標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線は、ポジティブ試料では増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。○:DEC500P+DEC502P、−:DEC500P+DEC502P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 DEC500PおよびDEC503Pを使った標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)反応の融解曲線分析は、ポジティブ試料では個別に識別可能な2つ融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。△:DEC500P+DEC503P、−:DEC500P+DEC503P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 DEC500PおよびDEC503Pを使った標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線は、ポジティブ試料では増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。△:DEC500P+DEC503P、−:DEC500P+DEC503P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析:RMD7Pは、ポジティブ試料では、融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。○:RMD7P、−:RMD7P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線:RMD7Pは、ポジティブ試料では、増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。○:RMD7P、−:RMD7P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析:RMD8Pは、ポジティブ試料では、融解曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。x:RMD8P、−:RMD8P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線:RMD8Pは、ポジティブ試料では、増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。x:RMD8P、−:RMD8P NTC(ノンテンプレートコントロール)。 ポリメラーゼ濃度の関数としてプロットしたRMDアッセイの平均Cq値。X軸:任意単位。 ポリメラーゼ濃度の関数としてプロットしたmValidPrimeアッセイの平均Cq値。X軸:任意単位で、1は、製造業者による推奨濃度である。 ステップ2(95℃)でのポリメラーゼ濃度の関数としてのRMD増幅曲線の振幅。X軸:任意単位で、1は、製造業者による推奨濃度である。 ステップ2(95℃)でのポリメラーゼ濃度の関数としてのmValidPrime増幅曲線の振幅。X軸:任意単位で、1は、製造業者による推奨濃度である。 ポリメラーゼ濃度の関数としてRMDプローブ/クエンチャー二本鎖の融解温度。X軸:任意単位で、1は、製造業者による推奨濃度である。 (A)標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の増幅曲線:DEC486Pは、標的濃度に対応するポジティブ試料ではCq値を有する増幅曲線を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。△:5x希釈、x:25x希釈、□:125x希釈、◇:625x希釈、○:3125x希釈、−:15625x希釈、NTC(ノンテンプレートコントロール)。(B)標的ポジティブコントロールおよびNTC(ノンテンプレートコントロール)PCR反応産物の融解曲線分析:DEC486Pは、標的濃度に対応するポジティブ試料では融解曲線振幅を生成するが、予測通りネガティブコントロールでは生成しない(シングルプレックスで3回繰り返した結果を示す)。△:5x希釈、x:25x希釈、□:125x希釈、◇:625x希釈、○:3125x希釈、−:15625x希釈、NTC(ノンテンプレートコントロール)。
マルチプレックスPCRの主要な課題は、単純で簡便かつ信頼性の高い方法を使った複数標的DNA配列の容易な検出である。本発明者らは、標識当たり、すなわち、フルオロフォア当たり数個の標的DNA配列を検出するために、融解曲線測定と組み合わせたデュアルクエンチアッセイを開発した。本発明の非限定的概念を図1に示す。
定義
本明細書で使用される場合、用語の「ダブルクエンチアッセイ」は、少なくとも1個のフルオロフォア当たり少なくとも2個のクエンチャーの使用を意味する。ある実施形態では、1個のクエンチャーがCQO上に位置し、別のクエンチャーがPTO上に位置する。ある実施形態では、クエンチャーがPTO上に位置する。
本明細書で使用される場合、「相互作用標識」または「1組の相互作用標識」は、それらが隣接して位置する場合に相互作用する少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを意味する。相互作用する標識が隣接して位置する場合、クエンチャーは、フルオロフォアシグナルをクエンチできる。相互作用は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により媒介され得る。
本明細書で用いられる場合、用語の「隣接して位置する」は、2個の対象物間の物理的距離を意味する。フルオロフォアおよびクエンチャーが隣接して位置する場合は、クエンチャーはフルオロフォアシグナルを部分的にまたは完全にクエンチできる。FRETクエンチングは通常、約100Åまでの距離で発生し得る。本明細書で使用される場合、「隣接して位置する」は、100Å未満および/または約100Åの距離を意味する。
本明細書で使用される場合、用語の「プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド」または「PTO」は、少なくとも一組の相互作用標識を含むオリゴヌクレオチドを意味する。本発明のPTOは、標的核酸配列にハイブリダイズするように構成される。PTOは、ターゲティング部分、「融解温度決定領域」または「MTDR」(以下の定義を参照)、および必要に応じて、ターゲティング部分とMTDRとの間のリンカーを含む。
本明細書で使用される場合、用語の「PTO群」は、同じ組み合わせの相互作用標識を有する多数のPTOを意味し、群中のそれぞれのPTOは、特有のターゲティング配列およびMTDR領域を有する。群中のそれぞれのPTOは、異なる標的核酸配列を検出するように構成されてよく、また、特有のMTDRは、本明細書に記載の融解温度により、群中のそれぞれのPTOの区別を容易にする。
本明細書で使用される場合、用語の「キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド」または「CQO」は、少なくとも1個のクエンチャーおよびキャプチャリング部分を含むオリゴヌクレオチドを意味する。CQOのキャプチャリング部分は、本発明のPTOにハイブリダイズするように構成される。
本明細書で使用される場合、用語の「タグ二本鎖」は、ハイブリダイズしたPTOとCQOを意味する。PTOは、さらに標的核酸配列にハイブリダイズし得る。
本明細書で使用される場合、用語の「タグ二本鎖フラグメント」または「活性化タグ二本鎖フラグメント」または活性化タグ二本鎖は、ハイブリダイズしたPTOフラグメントとCQOを意味し、この場合、PTOのクエンチャーは存在しない。タグ二本鎖開裂を誘発し、PTOクエンチャーを放出するヌクレアーゼ活性を有する酵素の結果として、PTOのクエンチャーは放出されている。「活性化PTO」は、クエンチャーが取り除かれたPTOを意味する。活性化PTOの存在は、qPCRおよび/またはリアルタイムPCRを使って測定し得る。本明細書で開示される方法のステップの順序に応じて、活性化PTOまたは活性化タグ二本鎖の存在が測定される。好ましい実施態様では、活性化タグ二本鎖のみがリアルタイムPCRにより検出できる。最も好ましい実施形態実施態様では、CQOクエンチャーによるPTOフルオロフォアの完全なクエンチングにより、活性化タグ二本鎖のみがリアルタイムPCRにより検出できる。他の実施形態では、任意のシグナル検出後に、アッセイが活性化PTOにより較正される。
本明細書で使用される場合、用語の「蛍光標識」または「フルオロフォア」は、光励起時に光を再放射できる蛍光性化学的化合物を意味する。フルオロフォアは特異的波長の光エネルギーを吸収し、より長い波長の光を再放射する。励起状態にある分子は、周囲分子と相互作用するので、吸収された波長、エネルギー伝達効率、および発光前の時間は、フルオロフォア構造およびその化学的環境の両方に依存する。最大吸収(〜励起)および発光の波長(例えば、吸収/発光=485nm/517nm)は、所定のフルオロフォアに言及するのに使用される典型的な用語であるが、全体のスペクトルを考慮することが重要となる場合もある。
本明細書で使用される場合、用語の「クエンチ」または「クエンチング」は、フルオロフォアなどの所定の物質の蛍光強度を低下させる何らかのプロセスを意味する。クエンチングは、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により媒介され得る。FRETは、ドナー(例えば、フルオロフォア)とアクセプター(例えば、クエンチャー)の遷移双極子間の古典的な双極子−双極子相互作用に基づいており、ドナー−アクセプター距離に依存する。FRETは、典型的には、100Åまでの距離で発生できる。FRETはまた、ドナー−アクセプタースペクトル重なりおよびドナーおよびアクセプター遷移双極子モーメントの相対的配向に依存する。フルオロフォアのクエンチングはまた、フルオロフォアと別のフルオロフォアまたは非蛍光分子との間の非蛍光錯体の形成の結果として、起こることがある。この機構は、「接触クエンチング」、「静的クエンチング」または「基底状態錯体形成」として知られる。
本明細書で使用される場合、用語の「クエンチャー」は、フルオロフォアなどの所定の物質をクエンチできる化学化合物を意味する。
マルチプレックスPCRでは、2個以上の標的核酸配列を検出し得る。
本明細書で使用される場合、用語の「融解温度決定領域」または「MTDR」は、PTOの5’末端に位置するポリヌクレオチド領域を意味する。MTDR中のポリヌクレオチドの性質および/または数によって、例えば、PTOフラグメントおよびCQOを含む活性化タグ二本鎖の融解温度が決まる。同様に、MTDRによって、例えば、PTOフラグメントおよびCQOを含む活性化タグ二本鎖のハイブリダイゼーション温度が決まる。
本明細書で使用される場合、用語の「融解温度」または「T」は、DNA二本鎖の片方が解離して、単鎖になる温度を意味し、従って二本鎖の安定性を示す。Tに影響を与える主因子は、塩濃度、DNA濃度、pHおよび変性剤(フォルムアミドまたはDMSOなど)の存在である。配列、長さ、およびハイブリダイゼーション状態などのその他の影響も同様に重要な場合がある。配列のGC含量および塩濃度は、プライマーTのある程度の目安となる。本発明で参照する融解温度は、Kibbeらにより2007年に記載された最近接熱力学理論を使って計算される。対応するT計算機は、URL:http://basic.northwestern.edu/biotools/OligoCalc.htmlで入手可能である。本発明で示されるT値は、800nmのCQO(「プライマー」)および50nmの(Na)を基準にして計算されている。アデニン、チミン、シトシンおよび/またはグアニン類似体を含むオリゴの融解温度計算では、類似体はその対応する核酸により置き換えられる。融解温度を計算する場合には、オリゴ上のフルオロフォアおよびクエンチャーは、考慮する必要がない。融解温度の決定は、DNA二本鎖を加熱することにより、または実質的に相補的である2個の単鎖化DNA鎖を冷却する(ハイブリダイズする)ことにより、行い得る。
本明細書で使用される場合、用語の「変性」は、DNAの相補的塩基間の水素結合を破壊し、単鎖になることによる解離である。それはまた、PCR反応サイクルイベントも意味し、例えば、反応系を90〜100℃で3〜240秒間加熱することを含んでよい。
本明細書で使用される場合、用語の「すぐに使用できるペレット」は、本発明の少なくとも1個のPTOおよび/または少なくとも1個のCQOを含む実質的に水不含組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、用語の「バックグラウンド融解曲線生成」は、融解曲線分析中のバックグラウンドシグナルを意味する。バックグラウンドシグナルは、PTO上の少なくとも1個のフルオロフォアのシグナルが、少なくとも1個のPTOのクエンチャーにより完全にクエンチされない場合に、発生する可能性がある。
本明細書で使用される場合、用語の「TINA」は、ねじれたインターカレーティング核酸を意味し、米国特許第9,102,937号に記載のような一群の核酸インターカレーティング分子である。
本明細書で使用される場合、用語の「ロックド核酸」(LNA)は、修飾RNAヌクレオチドを意味する。LNAヌクレオチドのリボース部分が2’酸素および4’炭素を連結する追加のブリッジで修飾される。ブリッジは、3’内部(North)配座中のリボースを「固定」し、これは、A型二本鎖中でよく認められる。LNAヌクレオチドは、必要に応じ、オリゴヌクレオチド中のDNAまたはRNA残基と混合し、DNAまたはRNAにワトソン−クリック塩基対合則に従って、ハイブリダイズできる。このようなオリゴマーは化学的に合成され、市販品として入手される。ロックドリボース配座は、塩基スタッキングおよび主鎖の予備組織化を強化する。これにより、二本鎖の熱安定性が高められ、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性が著しく高められる。LNAおよびその合成方法は、当業者には既知であり、また、例えば、欧州特許第1015469号および同第1015469号に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語の「逆相補的な」は、それの逆相補配列である別の核酸配列にハイブリダイズできる核酸配列を意味する。例えば、配列5’−N...N−3’の逆相補配列は、5’−N’...N’N’N’N’−3’であり、ここで、N’、N’、N’、N’、N’は、それぞれN、N、N、N、Nに対する相補的なヌクレオチドを示す。
標的の検出
本発明は、蛍光標識当たり複数の標的核酸の同時検出を可能とする新規デュアルクエンチングアッセイに関する。試料中の複数の標的核酸配列の存在は、複数のタグ二本鎖の形成をもたらし、これらは、タグ二本鎖フラグメント融解温度および/またはハイブリダイゼーション温度の差異に基づいて識別することができる。タグ二本鎖は、ハイブリダイズしたPTOおよびCQOを含む。それぞれの活性化タグ二本鎖フラグメントが溶解すると、PTOの標識からシグナルが得られる。したがって、特定の温度でのシグナルは、PTOに特異的な標的配列の存在を示す。それぞれの活性化タグ二本鎖フラグメントがハイブリダイズすると、PTOの標識からシグナルがクエンチされる。したがって、特定の温度でのクエンチされたシグナルは、PTOに特異的な標的配列の存在を示す。本発明の一般的概念を図1に示す。本発明は、1)PTOターゲティング部分による、標的核酸配列に対する配列特異的ハイブリダイゼーションおよび2)標的配列の上流へのオリゴヌクレオチドのポリメラーゼ伸長のヌクレアーゼ活性による、標的シグナル検出に必要な活性化タグ二本鎖フラグメントの配列特異的酵素的放出、の組合せにより擬陽性シグナルを防止する。活性化タグ二本鎖フラグメントの存在を介したこの標的核酸配列の間接的測定は、優れた精度を確保し、擬陽性の問題を克服する。単一CQOが、多くのPTOおよび/または多くのPTO群にハイブリダイズしてよい。したがって、本発明は、単一CQOを利用した、1個以上の、このような複数の、核酸の検出に関する。
融解温度は、複数の標的核酸配列の特定を仲介した。
特有のMTDRを有する数個のPTOの検出のための1個のCQOの使用により、より簡単なアッセイ装置が得られ、これにより、フルオロフォア当たり(例えば、PTO群当たり)数個の標的核酸配列が検出できる。1個のフルオロフォアを使って識別可能なPTO群中のPTOの数は、活性化タグ二本鎖フラグメントの融解時に蛍光タグのシグナルの検出に使用される分析機器の感度に依存する。例として提供された簡単な装置で、1個のCQOを使ってPTO群の内の少なくとも3個のPTOを特定し得る。したがって、2個の異なるフルオロフォアを有する2個のPTO群を使って、1回の反応で少なくとも6個のPTOの検出を促進し得る。それぞれのPTOは、標的核酸配列の存在を示す。特定される標的の数は、異なる蛍光タグを有する3個以上のPTO群を使うことにより、さらに増やし得る。単一CQOは言うまでもなく、3個以上、例えば、3個、4個またはそれを超えるPTOにハイブリダイズ可能である。PTO群が、2、3、4、5、6、7またはそれを超えるPTOを含んでもよく、単一CQOを使って、これらのPTOのそれぞれを検出してもよい。同時にその他のPTO群(異なるフルオロフォアを有するPTO)を同じCQOで同様に検出し得る。このようにして、単一CQOを使って複数の標的を検出し得る。ある実施形態では、単一CQOは、このように、2、4、6、8、10、15、20、30、40、50、またはそれを超えるPTOを検出可能であり、したがって、このアッセイにより対応する数の標的核酸を検出できる。
本発明のデュアルクエンチングアッセイの装置は、標的核酸のマルチプレックス検出のための簡単で信頼性の高いアッセイをもたらす。本発明の簡単なアッセイは、多くの用途を有する。本発明のアッセイの非包括的用途リストは、下記であってよい。
・ヒトおよび/または獣医学的診断のための本発明の方法の使用。対象由来の身体試料中の、例えば、病原体、または癌遺伝子もしくはミクロサテライトなどの少なくとも1種の微生物からの標的核酸の臨床的識別および/または定量化。
・環境監視のための本発明の方法の使用。例えば、任意の試料、例えば、水試料中の少なくとも1種の(微)生物からの標的核酸の識別および/または定量化。
・食物および/または餌の品質および安全性判定、例えば、餌および/または飲料試料などの食品の任意の試料中の少なくとも1種の生物由来の標的核酸の識別および/または定量化のための本発明の方法の使用。
・科学研究のための本発明の方法の使用。
本発明の主要態様は、標的核酸配列の検出方法に関し、該方法は、
ステップ(a)標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含むステップと、
ステップ(b)前述のPTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
ステップ(c)タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップと、
ステップ(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
ステップ(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが標的核酸配列の存在を示すステップと、を含む。
本明細書のいずれかの実施形態の方法のステップ(a)、(b)、および(c)は、PCR反応の一部を形成してよい。標的配列を増幅する一組のオリゴヌクレオチドプライマーが添加される。エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが存在するために、この増幅により、活性化PTOまたは活性化タグ二本鎖の放出が起こる。用語の活性化は、PTO上にクエンチャーが存在しないことに関する。活性化PTOまたは活性化タグ二本鎖の全ての存在は、記録され/検出され得る。PCR反応がqPCR反応の場合には、活性化PTOまたは活性化タグ二本鎖の量が定量され得る。オリゴヌクレオチドプライマー対は、前述の標的核酸に相補的で、前述の標的核酸に相補的な第1の伸長産物の合成を刺激する第1のプライマー、および前述の第1の伸長産物に相補的で、第2の伸長産物の合成を刺激する第2のプライマーを含む。PTOは、標的ヌクレオチド配列、特に増幅産物にハイブリダイズし得る。
ある実施形態では、活性化PTOおよび/または活性化タグ二本鎖の存在が検出される。別の実施形態では、活性化PTOおよび/または活性化タグ二本鎖の量が定量される。活性化PTOおよび/または活性化タグ二本鎖の存在の検出および/または定量化は、活性化PTOおよび/または活性化タグ二本鎖が形成された後で組み込まれる任意のステップであってよい。
ステップ(d)および(e)は、融解アッセイの一部を形成し、標的の存在および/または非存在が、活性化タグ二本鎖のTmに基づいて判定される。融解アッセイは、PCR装置中で実行してよい。
ステップ(a)および(b)は、任意の順序で行ってよい。したがって、本発明のある実施形態では、本明細書で記載の方法は、
ステップ(b)PTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)にCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
ステップ(a)標的核酸配列にタグ二本鎖のPTOをハイブリダイズするステップと、
ステップ(c)タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップと、
ステップ(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
ステップ(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが標的核酸配列の存在を示すステップと、を含む。
またある実施形態では、ステップ(b)および(c)は、逆順で行われる。したがって、本発明のある実施形態では、本明細書で記載の方法は、
ステップ(a)標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含むステップと、
ステップ(c)ハイブリダイズされたPTOをヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、PTOが標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がPTOの開裂を誘導し、それにより、MTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含む活性化PTOフラグメントが放出されるステップと、
ステップ(b)前述の活性化PTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズして活性化タグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
ステップ(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
ステップ(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが標的核酸配列の存在を示すステップと、を含む。
全てのアッセイでは、ステップは繰り返されてもよい。特に、種々のアッセイに対し上記で示した順序のステップ(a)および(c)は、1回または複数回繰り返してよい。繰り返しの数は、PCR反応で通常実施される通りであってよい。
タグ二本鎖がこの方法のステップ(d)で融解する温度は記録される。したがって、本発明のある実施形態では、ステップ(d)は、
ステップ(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得て、活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度を記録するステップを含む。
ある実施形態では、上記方法は、ステップ(a)〜(b)、(a)〜(c)、(a)〜(d)および/または(a)〜(e)を繰り返し、繰り返すサイクル間で変性を行うことをさらに含む。したがって、ある実施形態では、ステップ(b)から始め、ステップ(b)〜(a)、(b)〜(c)、および/または(b)から(e)を繰り返し、繰り返しサイクル間で変性を行うということになる。別の実施形態では、ステップが1個の反応槽内で実施される、または(a)〜(e)または(b)〜(e)のいくつかのステップが1つまたは複数の別の反応槽中で実施される。ある実施形態では、ステップ(a)、(c)および(b)から初め、ステップ(a)〜(c)、(a)〜(b)、(a)〜(d)および/または(a)〜(e)を繰り返し、繰り返しサイクル間で変性を行うことにより、ステップを繰り返し得る。
全ての方法のさらなる実施形態では、ステップ(a)、(b)および(c)が同時に、またはほぼ同時に行われ、および/またはステップ(d)および(e)が同時に、またはほぼ同時に行われる。
2個の標的配列の検出を示す非限定的例は、
1)ターゲティング部分#1、および融解温度が50℃になるように構成されたMTDR#1を含むPTO#1であって、標的核酸配列#1にハイブリダイズできるPTO#1と、
2)ターゲティング部分#2、および融解温度が60℃になるように構成されているMTDR#2を含むPTO#2であって、標的核酸配列#2にハイブリダイズできるPTO#2と、
3)上記で本明細書に記載のように、MTDR#1およびMTDR#2にハイブリダイズするように構成されているCQOと、を含む混合物であってよい。
標的核酸配列#1および配列#2の存在下で、本発明の方法は、CQOがPTO#1のMTDR#1にハイブリダイズする活性化タグ二本鎖フラグメント#1、およびCQOがPTO#2のMTDR#2にハイブリダイズする活性化タグ二本鎖フラグメント#2をもたらす。一定の温度範囲にわたり、活性化タグ二本鎖フラグメント#1およびタグ二本鎖フラグメント#2を含む混合物を融解する場合、温度が50℃に到達すると第1のシグナルが生成され、温度が60℃に到達すると第2のシグナルが生成される。この単純化した例では、第1のシグナル(50℃での)は、標的核酸配列#1の存在を示し、第2のシグナルは、標的核酸配列#2の存在を示す。したがって、1個のフルオロフォアを使って、少なくとも2個の異なる標的を検出することが可能である。当業者なら、本発明の方法により、どのようにして多数の標的を特定し得るかを容易に理解することができる。
本発明は、少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも一組の相互作用標識を含む少なくとも1個のタグ二本鎖またはDNA二本鎖をさらに含んでよい。これは、例えば、分析機器のTを較正するためのコントロール試料として使用してよい。オリゴヌクレオチドのTは、例えば、塩濃度、DNA濃度、pHおよび変性剤(フォルムアミドまたはDMSOなど)の存在に応じて変化してよい。分析される試料が、変化する、すなわち、複数の塩濃度を含む場合、コントロール試料を含めるのが望ましいであろう。ある実施形態では、本明細書で記載の方法は、コントロール試料および/またはコントロールタグ二本鎖を分析することをさらに含む。別の実施形態では、本明細書で記載の方法は、コントロール試料および/またはコントロールタグ二本鎖を分析し、分析機器のT出力を較正することをさらに含む。したがって、標的配列の非存在下では、本方法は、PTO上のクエンチャーの除去による活性化がなされていないPTOおよびタグ二本鎖の存在を検出するということになる。当業者ならわかるように、本明細書で開示のようにアッセイを実施している場合、ネガティブコントロール(標的が存在しない)およびポジティブコントロール(標的の存在)を含めてよい。コントロールを使ってアッセイを較正してよい。ゲノムDNAの存在のための市販のコントロールの例は、ValidPrime:http://www.tataa.com/wp−ontent/uploads/2012/10/TATAA−Manual ValidPrime Probe v01 1.pdfである。
当業者に知られているように、二本鎖の融解温度は通常、配列の性質には依存せず、むしろ、個々のヌクレオチドの相対量に依存する。当業者はまた、反応を妨害する可能性のある二次または三次構造を生成し得る特定の配列を避けることを知っている。実施例に示すように、本方法は異なる配列を有するMTDRを取り扱う。
MTDRは、標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む。このような文脈における用語の「非相補的」は、当業者により、通常のPCR条件および/またはストリンジェントな条件下で、本質的に非相補的な、すなわち、本質的に標的核酸配列にハイブリダイズできない配列を意味すると理解されよう。
同様に、用語の「実質的に標的核酸配列に相補的なヌクレオチド配列」は、ポリメラーゼによる伸長が効率的である、あるいは実施可能であるように、標的核酸配列にハイブリダイズ可能なヌクレオチド配列を意味する。当業者には明らかであるように、ポリメラーゼによる伸長が可能ではないような程度にまで標的核酸配列に対するヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを妨げないという条件下であれば、いくつかのミスマッチがあってもよい。
PTO
特定されるべきそれぞれの標的核酸配列に対して、それぞれの標的核酸配列にハイブリダイズするように構成されたPTOが得られる。それぞれのPTOは、同じまたは類似のフルオロフォアを共有するPTO中で特有のMTDRを有する。PTOのMTDRは、その活性化タグ二本鎖フラグメント融解温度に対して決め手となるものである。それぞれのタグ二本鎖フラグメントは、特有のMTDRを有するPTOフラグメントおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含み、PTOフラグメントのMTDRが、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズされる。特有のMTDRとは、タグ二本鎖および/またはタグ二本鎖フラグメントに付与する融解温度が特有であるMTDRを意味する。特有のMTDRは、したがって、PTOの群内で特有である。したがって、特有のMTDRを、それぞれ異なる標識/フルオロフォアを有する数個のPTOで使用してよい。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、PTOの5’末端に位置する。別の実施形態では、MTDRはPTOの3’末端に位置する。
別の実施形態では、PTOは非核酸分子および/または核酸類似体を含む。
融解温度決定領域(MTDR)
活性化タグ二本鎖フラグメントを形成するPTOのMTDRの長さによって、前述のタグ二本鎖フラグメントの融解温度が変化する。短いMTDR領域(例えば、10個の核酸より短い)の使用により、低融解温度が得られるであろう。発明者らは、種々の長さ、例えば、約16個〜約40個の核酸のMTDRを使用した。しかし、本発明のMTDR領域は、5〜100個の核酸および/または核酸類似体、例えば、10〜80個、例えば、15〜70個、好ましくは、例えば、13〜60個、より好ましくは、例えば、16〜39個の核酸および/または核酸類似体を含んでよい。したがって、本発明のある実施形態では、MTDRは、5〜50個の核酸および/または核酸類似体、例えば、10〜40個、例えば、13〜30個の核酸および/または核酸類似体を含む。長いMTDR領域(例えば、50個より多い核酸)を使う場合には、MTDRそれ自体内の二次構造形成を避けるように注意する必要がある。好ましい実施形態では、本発明のMTDR領域は、ロックド核酸(LNA)などの13〜25個の核酸および/または核酸類似体を含む。核酸類似体の具体例としては、塩基対の組み合わせとして次の塩基:iso−C/iso−G、iso−dC/iso−dGが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、ステップ(a)は、標的核酸配列にPTOをハイブリダイズすることを含み、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズすることを含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDRであって、5〜50核酸および/または核酸類似体、例えば、10〜40、例えば、13〜30核酸および/または核酸類似体を含むMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されない。
本発明の1つの利点は、1個のCQOが特有のPTOにより複数の標的配列を検出し得ることである。検出されるそれぞれの標的核酸配列に対し、同じまたは類似の蛍光標識を有するPTOに対して特有のMTDR配列を有するPTOが設計され、これらの異なるPTOは、それらが類似のおよび/または同一の蛍光標識を含む場合、PTO群と呼んでよい。それぞれのPTO群は、単一のCQOにより検出し得、活性化タグ二本鎖フラグメントを形成、この活性化タグ二本鎖フラグメントは、その群中のそれぞれのPTO上の特有のMTDRの結果として融解温度の差異に基づいて識別される。したがって、単一蛍光標識のみを使って検出できる標的核酸配列の数が増やせる。
別の実施形態では、それぞれの識別可能な蛍光標識に対し、本明細書で記載の方法は、少なくとも1個の、例えば、少なくとも2個の、例えば、少なくとも3個の、例えば、少なくとも4個の、例えば、少なくとも5個の、例えば、少なくとも10個の標的核酸配列を相互から、それらそれぞれのタグ二本鎖フラグメントの融解温度の差異に基づいて識別でき、それぞれのタグ二本鎖フラグメントの融解温度は、MTDRの長さと組成により決まる。別の実施形態では、本明細書に記載のMTDRの長さおよび/または組成により、本明細書で上記の活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度が決まる。活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度は、任意の温度であってよいが、室温を超える温度が好ましい。PCR反応は、通常、100℃近傍の沸点を有する緩衝水溶液中で行われる。したがって、ある実施形態では、本明細書で記載の活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度は、30℃〜100℃、例えば、35℃〜90℃、例えば、40℃〜75℃、例えば、45℃〜75℃である。好ましい実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度は、35℃〜90℃、例えば、50℃〜85℃である。さらなる実施形態では、タグ二本鎖フラグメントを形成するPTOのMTDRは、30℃〜100℃、例えば、35℃〜80℃、例えば、40℃〜75℃、例えば、45℃〜75℃の活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度が得られるように構成される。好ましい実施形態では、タグ二本鎖フラグメントを形成するPTOのMTDRは、50℃〜75℃、例えば、50℃〜70℃の融解温度が得られるように構成される。PTO群のMTDRは、それらそれぞれの融解温度が容易に検出され、記録されるように選択されるのが好ましい。したがって、PTO群のMTDRは、それぞれの融解温度が、2、3、4、5、6、7、8、9、10℃、またはそれを超える温度だけ異なってよい。
ある実施形態では、ステップ(a)は、標的核酸配列にPTOをハイブリダイズすることを含み、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDRであって、50℃〜75℃、例えば、50℃〜70℃の融解温度が得られるように構成されたMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されない。
リンカー分子
PTOは、ターゲティング部分とPTOのMTDRとの間にリンカー分子をさらに含んでよく、これは、標的核酸配列およびCQOに非相補的である。したがって、ある実施形態では、本明細書に記載のPTOは、ターゲティング部分とPTOのMTDRとの間にリンカー分子をさらに含む。
いくつかの実施形態では、リンカーは、標的核酸配列およびCQOに非相補的なリンカーであり、リンカー分子は、1〜200ヌクレオチド、例えば、1〜50ヌクレオチド、例えば、1〜30ヌクレオチド、例えば、2〜20ヌクレオチド、例えば、4〜14ヌクレオチド、例えば、6〜13ヌクレオチド、例えば、8〜12ヌクレオチド、例えば、9〜12ヌクレオチド、例えば、11ヌクレオチドを含む。リンカー分子は、非核酸、例えば、非天然またはその他の有機化合物、例えば、C1〜C40アルカン、例えば、C6炭素鎖などの炭素鎖を含んでもよく、またはこれらから構成されてもよい。ある実施形態では、リンカーは、核酸および非核酸の混合物を含む。別の実施形態では、リンカーは任意の有機化合物を含む。リンカーはグリコールリンカー、または当業者に既知の任意のリンカーであってよい。非核酸の利点は、このようなリンカーがPTOに沿ったポリメラーゼの進行を停止させることであろう。
ブロック基
PTOおよび/またはCQOの3’末端を、「ブロック」して、PCR反応中にその伸長を防止するのが好ましい。ブロッキングは、従来の方法により実現してよい。例えば、ブロッキングは、ヌクレオチドの最後の3’−ヒドロキシル基に、ビオチン、リン酸基、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、ホスホロチオエートおよび/またはアルカンジオールなどの化学部分を付加することにより実施してよい。あるいは、ブロッキングは、最後のヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基を除去することにより、または3’−ヒドロキシル基を含まないヌクレオチド、例えば、ジデオキシヌクレオチドを使用することにより、実施してもよい。したがって、ある実施形態では、PTOおよび/またはCQOは、3’末端にブロック基をさらに含む。別の実施形態では、前述のブロック基は、ビオチン、リン酸基、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、ホスホロチオエート、および/またはアルカンジオールからなる群から選択される。別の実施形態では、PTOおよび/またはCQOの3’末端の伸長は、PTOおよび/またはCQOの最後のヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基を除去することにより、または3’−ヒドロキシル基を含まないヌクレオチド、例えば、ジデオキシヌクレオチドを使うことにより、防止される。CQO上のクエンチャーは、ブロック基として機能し得る。ある実施形態では、CQO上の前述のブロック基はクエンチャーである。別の実施形態では、CQO上の前述のブロック基はCQOの3’末端に位置するクエンチャーである。
PTOはクリックケミストリーにより合成してもよい。特異的MTDRは複数のアッセイに使用してよいが、PTOのターゲティング部分は、測定される標的に応じて変わる。これらの2個の成分および任意のリンカーは、したがって、当業者に知られているように、クリックケミストリーにより連結されてよい。また、Nucleic Acids Symp Ser(2008)52(1):47−48、も参照されたい。
CQO
本発明のある実施形態では、それぞれのCQOは、少なくとも1個の、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8または9個、例えば、少なくとも10個の標的核酸配列、例えば、15、20、25、30、35、40、45、50または50個を超える標的核酸の特定に、本方法で使われる。さらなる実施形態では、2個のCQOが多数の標的配列を特定するために使用され、それぞれのCQOは、少なくとも1個の、例えば、少なくとも2、3、4、5個の、例えば、少なくとも10個またはそれを超える標的核酸配列を特定するために使用される。さらなる実施形態では、3個のCQO、例えば、少なくとも4、5、6、7個、例えば、少なくとも8個が多数の標的配列を特定するために使用され、それぞれのCQOは、少なくとも1個の、例えば、少なくとも2、3、4、5個の、例えば、少なくとも10個の標的核酸配列を特定するために使用される。
ある実施形態では、CQOおよび必要に応じてヌクレアーゼ活性を有する酵素が、懸濁液または溶液として存在する。ある実施形態では、少なくとも1個のCQOおよび必要に応じてヌクレアーゼ活性を有する酵素が、すぐに使用できる懸濁液または溶液として存在する。すぐに使用できることは、PCR反応を行うための全ての条件が満たされている、すなわち、必要とする塩、pHなどが存在することを意味する。ある実施形態では、少なくとも1個のCQOおよび必要に応じてヌクレアーゼ活性を有する酵素が、すぐに使用できるペレットとして存在する。ある実施形態では、少なくとも1個のPTOおよび少なくとも1個のCQOならびに必要に応じて本発明のヌクレアーゼ活性を有する酵素が、懸濁液または溶液として存在する。ある実施形態では、少なくとも1個のPTOおよび少なくとも1個のCQOならびに必要に応じて本発明のヌクレアーゼ活性を有する酵素が、すぐに使用できる懸濁液または溶液として存在する。さらなる実施形態では、少なくとも1個のPTOおよび少なくとも1個のCQOならびに必要に応じてヌクレアーゼ活性を有する酵素が、すぐに使用できるペレットとして存在する。ある実施形態では、すぐに使用できるペレットは、例えば、PCR反応を行うための塩および/またはヌクレオチドを含む実質的に水不含組成物を含む。
別の実施形態では、CQOは非核酸分子を含む。
ある実施形態では、本発明は、オリゴヌクレオチド、すなわち、少なくとも1個のクエンチャーおよびキャプチャリング部分を含むCQOに関し、CQOのキャプチャリング部分は、少なくとも1個、例えば、2個またはそれを超える本発明のPTOにハイブリダイズするように構成され、単一CQOが多数の標的核酸配列の検出に使用され得る。CQOは、PTOのMTDR領域にハイブリダイズする。ある実施形態では、CQOは、PTOのターゲティング部分におよび/またはPTOの任意のリンカーにハイブリダイズしない。
CQOは、本アッセイにしたがって使用するためのものである。
PTOおよびCQO融合
PTOおよびCQOは、連結されてよく、また、ヘアピン構造を可逆的に形成するように構成されてよく、PTOのMTDRおよびCQOのキャプチャリング部分がハイブリダイズし、それにより、ヘアピン構造が得られる。図8aは、PTOおよびCQOがどのようにしてヘアピン構造を生じ得るかの例を示す。ある実施形態では、PTOおよびCQOは同じオリゴヌクレオチド上に存在する。ある実施形態では、PTOおよびCQOは連結されている。別の実施形態では、PTOおよびCQOは、同じオリゴヌクレオチド上に位置し、PTOのMTDRおよびCQOのキャプチャリング部分はヘアピン構造を可逆的に形成するように構成される。
それぞれのPTOおよび/またはCQOの合計長さは、変わってもよい。一実施形態では、PTOの合計長さは、10〜500ヌクレオチド、例えば、20〜100、例えば、30〜70ヌクレオチドである。別の実施形態では、CQOの合計長さは、10〜500ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、15〜100、例えば、20〜50ヌクレオチドまたは塩基対である。PTOおよびCQOが融合または連結されている場合には、融合産物の合計長さは、20〜600ヌクレオチドであってよい。別の実施形態では、PTOおよび/またはCQOは非天然塩基を含む。人工核酸(またはゼノ核酸、XNA)の例には、PNA、LNA、GNAおよびTNAが挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物類およびそれらの使用は、当業者には既知である。非天然塩基の具体例としては、塩基対の組み合わせとして次の塩基:iso−C/iso−G、iso−dC/iso−dGが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、PTOおよび/またはCQOは非核酸分子を含む。
フルオロフォアおよびクエンチャー
発明者らは、PTO上に位置するフルオロフォア(単一または複数)とCQO上に位置するクエンチャー(単一または複数)との距離が、バックグラウンド融解曲線生成に影響を与えることを示した。一実施形態では、PTOフルオロフォア分子とCQOクエンチャー分子との距離は、6〜60塩基対、例えば、10〜35塩基対、例えば、15〜25塩基対である。別の実施形態では、PTOのフルオロフォアおよびCQOのクエンチャー(最近接クエンチャー)は、1〜40ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、6〜35、10〜30、15〜25、例えば、約18ヌクレオチドの距離で離れている。
PTOの少なくとも1個のフルオロフォアと、CQOの少なくとも1個の最近接クエンチャーとの間の距離は、PTOおよびCQOがハイブリダイズされておらず、シグナルがクエンチされていない場合に、クエンチングによる活性化タグ二本鎖と融解タグ二本鎖との間のシグナルの識別を可能とするのに十分であるのが好ましい。したがって、バックグラウンドシグナルが真のポジティブシグナルより低く、バックグラウンドシグナルとポジティブシグナルとの間の識別が可能となる限りにおいて、ある程度のバックグラウンドシグナルが発生してよい。同様に、当業者ならわかっているように、フルオロフォアおよびクエンチャーの選択も同様に、バックグラウンドシグナルおよびポジティブシグナルが識別できるようにすべきである。
ある実施形態では、本発明のステップ(b)は、PTOおよびCQOをハイブリダイズすることを含み、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成され、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアおよびCQOの少なくとも1個のクエンチャーが、1〜40ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、6〜35、10〜30、15〜25、例えば、約20ヌクレオチドの距離だけ離れている。
ある実施形態では、本発明の少なくとも一組の相互作用標識が、フルオロフォアおよびクエンチャーを含み、前述のフルオロフォアからの蛍光発光が前述のクエンチャーによりクエンチされる。一組の相互作用標識が適合性のあるフルオロフォアおよびクエンチャーを有するように構成される。別の実施形態では、少なくとも一組の相互作用標識が、1、2、3、4、5、6、7組またはそれを超える組み合わせの相互作用標識を含む。さらなる実施形態では、少なくとも2群のPTOおよびCQOが、少なくとも2個の標的核酸配列の検出に使用され、それぞれのPTO群およびCQO群が、適合性のあるフルオロフォアおよびクエンチャーを有するように構成される。別の実施形態では、少なくとも一組の相互作用標識間の主要相互作用が蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により媒介される。
発明者らはまた、少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含むPTOの相互作用標識の組み合わせが、望ましくないバックグラウンド融解曲線生成に影響を与えることも示した。ある実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、1〜40ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、6〜35、10〜30、15〜25、例えば、約20ヌクレオチドの距離だけ離れている。ある実施形態では、本明細書で記載の方法のステップ(a)は、標的核酸配列にPTOをハイブリダイズすることを含み、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーが、3.4Å〜136Å、例えば、20.4Å〜119Å、34Å〜102Å、51Å〜85Å、例えば、約61.2Åの距離だけ離れており、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されない。ある実施形態では、本明細書で記載の方法のステップ(a)は、標的核酸配列にPTOをハイブリダイズすることを含み、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーが、1〜40ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、6〜35、10〜30、15〜25、例えば、約18ヌクレオチドの距離だけ離れており、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されない。
ある実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアからの発光が、PTOの少なくとも1個のクエンチャーにより、およびPTOおよびCQOがハイブリダイズする場合、CQOの少なくとも1個のクエンチャーによりクエンチされるように配置される。別の実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアからの発光が、PTOの少なくとも1個のクエンチャーにより、およびCQOの少なくとも1個のクエンチャーによりクエンチされるように配置され、PTOおよびCQOがハイブリダイズした場合に、PTOの少なくとも1個のクエンチャーおよびCQOの少なくとも1個のクエンチャーによるPTOの少なくとも1個のフルオロフォアのクエンチングのレベルが、実質的に類似している。好ましい実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアからの発光が、PTOの少なくとも1個のクエンチャーにより、およびCQOの少なくとも1個のクエンチャーによりクエンチされるように配置され、PTOおよびCQOがハイブリダイズする場合に、PTOの少なくとも1個のクエンチャーとPTOの少なくとも1個のフルオロフォアの距離と、CQOの少なくとも1個のクエンチャーとPTOの少なくとも1個のフルオロフォアの距離とが、実質的に類似している。さらなる実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、PTOおよびCQOがハイブリダイズする場合、PTOの少なくとも1個のクエンチャーによるPTOの少なくとも1個のクエンチングのレベルが、CQOの少なくとも1個のクエンチャーによるクエンチングのレベルと実質的に類似している、かつ/またはそれより高くなるように配置される。別の実施形態では、PTOの相互作用標識の組み合わせは、PTOおよびCQOがハイブリダイズする場合、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアからPTOの少なくとも1個のクエンチャーまでの距離が、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアからCQOの少なくとも1個のクエンチャーまでの距離と実質的に類似している、かつ/またはそれより短くなるように配置される。
オリゴヌクレオチドに結合可能な種々のフルオロフォアを本発明で使用してよい。ある実施形態では、本明細書で記載のPTOは、少なくとも1個のフルオロフォアを含む。別の実施形態では、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアは、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、テトラクロロフルオレセイン(TET)またはこれらの組み合わせを含む群から選択される。別の実施形態では、本発明のPTOは、2個以上のフルオロフォア、例えば、2、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個のフルオロフォアを含む。ある実施形態では、本発明のPTOは、2個以上の同じフルオロフォア、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個の同じフルオロフォアを含む。別の実施形態では、本発明のPTOは、2個以上の異なるフルオロフォア、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個の異なるフルオロフォアを含む。
本明細書に記載のPTO上の少なくとも1個のフルオロフォアのクエンチングを促進にするために、PTOは少なくとも1個のクエンチャー分子を含む。オリゴヌクレオチドに結合可能な複数のクエンチャーを本発明で使用してよい。PTOの少なくとも1個のクエンチャーおよび少なくとも1個のフルオロフォアは、少なくとも一組の相互作用標識となるように構成される。ある実施形態では、本明細書で記載のPTOは、少なくとも1個のクエンチャーを含む。別の実施形態では、PTOの少なくとも1個のクエンチャーは、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアをクエンチするように構成される。別の実施形態では、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアは、black hole quencher(BHQ)1、BHQ2、およびBHQ3、Cosmic Quencher(例えば、Biosearch Technologies,Novato,USA製)、Excellent Bioneer Quencher(EBQ)(例えば、Bioneer,Daejeon,Korea製)またはこれらの組み合わせを含む群から選択される。さらなる実施形態では、本発明のPTOは、2個以上のクエンチャー、例えば、2、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個のクエンチャーを含む。ある実施形態では、本発明のPTOは、2個以上の同じクエンチャー、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個の同じクエンチャーを含む。別の実施形態では、本発明のPTOは、2個以上の異なるクエンチャー、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個の異なるフルオロフォアを含む。
本明細書に記載のPTO上の少なくとも1個のフルオロフォアのクエンチングを促進にするために、CQOは少なくとも1個のクエンチャー分子を含む。オリゴヌクレオチドに結合可能なほとんどのクエンチャーを本発明で使用してよい。しかし、CQOの少なくとも1個のクエンチャーおよびPTOの少なくとも1個のフルオロフォアは、少なくとも一組の相互作用標識となるように構成されてよい。ある実施形態では、本明細書で記載のCQOは、少なくとも1個のクエンチャーを含む。別の実施形態では、CQOの少なくとも1個のクエンチャーは、本明細書に記載のPTOの少なくとも1個のフルオロフォアをクエンチするように構成される。別の実施形態では、CQOの少なくとも1個のクエンチャーは、black hole quencher(BHQ)1、BHQ2、およびBHQ3(Biosearch Technologies,Novato,USA製)を含む群から選択される。さらなる実施形態では、本発明のCQOは、2個以上のクエンチャー、例えば、2、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個のクエンチャーを含む。ある実施形態では、本発明のCQOは、2個以上の同じクエンチャー、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個のクエンチャーを含む。別の実施形態では、本発明のCQOは、2個以上の異なるクエンチャー、例えば、3、4、5、6、7個、および/または、例えば、8個のフルオロフォアを含む。
本発明に有用なフルオロフォアには、当該技術分野において既知のいずれかの蛍光分子を含めてよい。フルオロフォアの例は、Cy2(商標)Cfflfi、YO−PRn(商標)−1(509)、YDYO(商標)−1(509)、Calrein(517)、FITC(518)、FluorX(商標)(519)、Alexa(商標)(520)、Rhodamine110(520)、Oregon Green(商標)500(522)、Oregon Green(商標)488(524)、RiboGreen(商標)(525)、Rhodamine Green(商標)(527)、Rhodamine123(529)、Magnesium Green(商標)(531)、Calcium Green(商標)(533)、TO−PRO(商標)−l(533)、TOTOI(533)、JOE(548)、BODIPY530/550(550)、Dil(565)、BODIPYTMR(568)、BODIPY558/568(568)、BODIPY564/570(570)、Cy3(商標)(570)、Alexa(商標)546(570)、TRITC(572)、Magnesium Orange(商標)(575)、Phycoerythrin R&B(575)、Rhodamine Phalloidin(575)、Calcium Orange(商標)(576)、Pyronin Y(580)、Rhodamine B(580)、TAMRA(582)、Rhodamine Red(商標)(590)、Cy3.5(TM)(596)、ROX(608)、Calcium Crimson(商標)(615)、Alexa(商標)594(615)、Texas Red(615)、Nile Red(628)、YO−PRO(商標)−3(631)、YOYO(商標)−3(631)、R−phycocyanin(642)、C−Phycocyanin(648)、TO−PRO(商標)−3(660)、TOT03(660)、DiDDilC(5)(665)、Cy5(商標)(670)、Thiadicarbocyanine(671)、Cy5.5(694)、HEX(556)、TET(536)、Biosearch Blue(447)、CAL Fluor Gold540(544)、CAL Fluor Orange560(559)、CAL Fluor Red590(591)、CAL Fluor Red610(610)、CAL Fluor Red635(637)、FAM(520)、Fluorescein(520)、Fluorescein−C3(520)、Pulsar650(566)、Quasar570(667)、Quasar670(705)およびQuasar705(610)である。括弧中の数字は、ナノメートル単位の最大発光波長である。好ましい実施形態では、フルオロフォアは、FAMおよび/またはTETからなる群から選択される。広範囲の波長または特定の波長の蛍光をクエンチングできる非蛍光のblack quencher分子を本発明で使用してよいことは、注目に値する。好ましい実施形態では、一組の相互作用標識は、FAM/BHQである。その他の好適なフルオロフォア/クエンチャー対が、当技術分野において既知である。
ステップ(a)PTOの標的配列へのハイブリダイジング
本発明のステップ(a)は、本発明のPTOの標的核酸へのハイブリダイゼーションに関する。ある実施形態では、本明細書で記載の方法のステップ(a)は、標的核酸配列へのPTOのハイブリダイジングに関し、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されない。
ある実施形態では、ステップ(a)は、標的核酸配列へのPTOのハイブリダイジングを含み、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含むMTDR、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されず、PTOは、10〜500ヌクレオチド、例えば、20〜100、例えば、30〜70ヌクレオチドまたは塩基対である。
本発明のPTOおよびCQOは、本発明の標的配列の添加の前に予混合されてよい。したがって、本発明のステップ(b)のタグ二本鎖形成は、PTOの標的配列へのハイブリダイゼーションの前に形成されてよい。ある実施形態では、以下の通り、ステップ(b)はステップ(a)の前に実施される;
(b)PTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、PTOのターゲティング部分が、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成され、PTOのMTDRが標的核酸配列とハイブリダイズするようには構成されず、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップ、および
(a)標的核酸配列に前述のタグ二本鎖をハイブリダイズするステップ、
(c)タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップ、
(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップ、および
(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが核酸混合物中の標的核酸配列の存在を示すステップ。
少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るために、前述の活性化タグ二本鎖フラグメントは、MTDRの少なくとも一組の相互作用標識中に含まれる少なくとも1個のクエンチャーを含まない。換言すれば、少なくとも一組の相互作用標識の少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーが、もはや相互作用しない場合にシグナルが得られる。
本発明のPTO、CQOおよび標的配列は、同時に混合されてもよい。ある実施形態では、本発明のステップ(a)およびステップ(b)は、任意の順序で実施しても、または同時に実施してもよい。
上流および下流のオリゴヌクレオチド
標的核酸配列に対しPTOの結合部位の上流および下流に位置する1対のPCRプライマーの添加により、PCRアッセイの特異性が高められ、擬陽性ハイブリダイゼーションシグナルの回避が促進される。したがって、本発明は、標的核酸に相補的な上流プライマーおよび標的核酸上のPTO結合部位の下流にハイブリダイズし得る下流プライマーをさらに含んでよい。上流および下流のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列のPTO結合部位と重なり合わないように構成される。上流および下流のプライマーは、標的核酸配列の2000塩基対以内に位置してよい。一実施形態では、上流オリゴヌクレオチドおよび下流オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列のPTO結合部位から少なくとも1塩基対の位置に配置される。別の実施形態では、上流および/または下流オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列のPTO結合部位から1〜2000塩基対の位置に配置される。上流および/または下流オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列から2000塩基対(2kb)を超える位置に、標的核酸配列から、例えば、2.5kb、例えば、3kb、例えば、3.5kb、例えば、4kb、例えば、5kb、例えば、10kb、例えば、20kbの位置に、配置されてよい。
汚染除去
反応槽の汚染除去をステップ(a)の前に行ってよい。したがって、ある実施形態では、UNG処理ステップ(BioTechniques 38:569−575(2005年4月))および/または変性ステップがステップ(a)に先立って使用される。当業者に既知のRNA汚染除去処理を適用してよい。ある実施形態では、汚染除去処理ステップおよび/または変性ステップがステップ(a)の前に行われる。
ステップ(b)CQOのPTOへのハイブリダイズによるタグ二本鎖の形成
本方法のステップ(b)は、タグ二本鎖を形成する、PTOおよびCQOのハイブリダイゼーションに関する。ある実施形態では、本方法のステップ(b)は、前述のPTOにCQOをハイブリダイズすることを含み、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成される。
以前記載したように、発明者らは、PTO上に位置するフルオロフォア(単一または複数)とCQO上に位置するクエンチャー(単一または複数)との距離が、バックグラウンド融解曲線生成に影響を与えることを示した。
ある実施形態では、本方法のステップ(b)は、PTOおよびCQOをハイブリダイズすることを含み、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成され、PTO上の少なくとも1個のフルオロフォアとCQOクエンチャー分子上の少なくとも1個のクエンチング分子との間の距離が、1〜60塩基対、例えば、10〜35塩基対、例えば、15〜25塩基対、例えば、約18塩基対である。
ある実施形態では、本方法のステップ(b)は、前述のPTOにCQOをハイブリダイズすることを含み、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)PTOの少なくとも1個のフルオロフォアのクエンチングをするように構成された少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成する。
ステップ(c)活性化タグ二本鎖フラグメントの放出
本発明のステップ(c)は、放出されたタグ二本鎖フラグメントを形成する、タグ二本鎖のヌクレアーゼ媒介開裂に関する。ある実施形態では、本発明のステップ(c)は、ステップ(b)からのタグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させることを含み、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出される。
擬陽性シグナルを回避するために、活性化タグ二本鎖フラグメントがハイブリダイズされる場合に、CQOの少なくとも1個のクエンチャーが、PTOの少なくとも1個のフルオロフォアを可逆的にクエンチするように構成される。本方法のある実施形態では、CQOの少なくとも1個のクエンチャーが、活性化タグ二本鎖フラグメントの少なくとも1個のフルオロフォアを可逆的にクエンチするように構成される。上記で説明したように、CQOのクエンチャーおよびPTOのフルオロフォアは、バックグラウンドシグナルおよびポジティブシグナルが識別できるように選択されるべきである。同様に、CQOのクエンチャーと、PTOのフルオロフォアの間の距離は、所望のシグナル識別が得られるように最適化される必要があろう。
ヌクレアーゼ活性を有するいずれの酵素も、図1に示すタグ二本鎖の放出を誘導し得る。ある実施形態では、上記ヌクレアーゼ活性は、FENヌクレアーゼ(フラップエンドヌクレアーゼ)の5’ヌクレアーゼ活性である。別の実施形態では、ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、テンプレート依存性DNAポリメラーゼ、例えば、耐熱性テンプレート依存性DNAポリメラーゼ、例えば、Taqポリメラーゼおよび/またはSso7d−融合ポリメラーゼまたはこれらの混合物である。好ましい実施形態では、ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、Sso7d−融合ポリメラーゼである。好ましい実施形態では、ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、GoTaqポリメラーゼである。別の実施形態では、ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有するテンプレート依存性DNAポリメラーゼである。したがって、ある実施形態では、ヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼである。
当業者なら、ポリメラーゼの濃度がその活性に影響を与える場合があることを知っている。最適濃度はまた、標的の濃度、テンプレートまたは反応中に存在する核酸の配列などのさらなるパラメータに依存し得る。当業者なら、良好な結果を得るためにポリメラーゼ濃度を最適化する方法を知っている。
活性化タグ二本鎖フラグメントをもたらすタグ二本鎖の放出は、本明細書で記載の上流オリゴヌクレオチドの伸長時にヌクレアーゼ活性を有する酵素により媒介される。ある実施形態では、タグ二本鎖のPTO部分の開裂は、上流オリゴヌクレオチドを伸長する前述のテンプレート依存性DNAポリメラーゼにより誘導される。この場合、前述のポリメラーゼは5’ヌクレアーゼ活性を有する。別の実施形態では、タグ二本鎖のPTO部分の開裂は、上流オリゴヌクレオチドの伸長時に、前述のテンプレート依存性DNAポリメラーゼにより誘導される。この場合、前述のポリメラーゼは5’ヌクレアーゼ活性を有する。
PTOの5’ターゲティング部分が開裂される場合、タグ二本鎖フラグメントが放出される。開裂は、PTOのターゲティング部分と標的核酸配列との間の親和性を低減させ、その結果、標的核酸配列およびタグ二本鎖の開裂が生じ、それにより、活性化タグ二本鎖フラグメントが形成される。ある実施形態では、本明細書で記載のPTO上の少なくとも1個のクエンチャーが、ヌクレアーゼ活性を有する酵素によりPTOから放出される。別の実施形態では、ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、活性化タグ二本鎖フラグメントのPTO部の少なくとも1個のクエンチャーを取り除く。別の実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントは、PTOの少なくとも1個のクエンチャーが存在しないPTOフラグメントを含む。本明細書に記載のようにおよび図1に示すように、ヌクレアーゼ活性を有する酵素のヌクレアーゼ活性の結果として、少なくとも1個のクエンチャーが活性化タグ二本鎖フラグメント上に存在しなくてよい。
活性化タグ二本鎖および/または活性化PTOの存在は、qPCRおよび/またはリアルタイムPCRにより検出し得る。活性化タグ二本鎖のみがリアルタイムPCRにより検出できるのが好ましい。
ステップ(d)活性化タグ二本鎖フラグメントの融解
本発明のステップ(d)は、ステップ(c)からの活性化タグ二本鎖フラグメントの融解に関する。ある実施形態では、本発明のステップ(d)は、前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして、少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得ることを含む。融解が起こる温度は記録される。
融解は、限定されないが、加熱、アルカリ、フォルムアミド、尿素およびグリオキサール処理、酵素的方法(例えば、ヘリカーゼ作用)、および結合タンパク質を含む従来の技術により実施し得る。例えば、融解は、30℃〜100℃の範囲の温度で加熱することにより達成できる。
活性化タグ二本鎖フラグメントが一定の温度範囲にわたり加熱されると、本発明のCQOからPTOのMTDRが解離する。活性化タグ二本鎖フラグメントの二本鎖の片方が解離して単鎖になる温度は、融解温度領域(MTDR)により決定されるタグ二本鎖の安定性により決定される。したがって、ある実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントは、一定の温度範囲にわたり加熱される。別の実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントは、30℃〜100℃、例えば、35℃〜100℃、例えば、40℃〜75℃、例えば、45℃〜75℃に加熱される。好ましい実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度は、45℃〜70℃である。別の実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントは、所定の温度で融解する。
活性化タグ二本鎖フラグメントが二本鎖である限り、PTO上の少なくとも1個のフルオロフォアからの発光は、CQO上の少なくとも1個のクエンチャーにより実質的にクエンチされる。活性化タグ二本鎖フラグメントが解離し、単鎖になる場合、PTO上の少なくとも1個のフルオロフォアの発光は、CQO上の少なくとも1個のクエンチャーによりクエンチされなくてよい。したがって、ある実施形態では、ステップ(d)でタグ二本鎖が融解される場合、少なくとも1個のフルオロフォアからの発光がクエンチされない。ある実施形態では、ステップ(d)でタグ二本鎖が解離し、単鎖になる場合、少なくとも1個のフルオロフォアからの発光がクエンチされない。別の実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントの存在は、融解曲線分析および/またはハイブリダイゼーション曲線分析により判定される。さらなる実施形態では、活性化タグ二本鎖フラグメントの存在は、融解曲線分析および/またはハイブリダイゼーション曲線分析により判定され、活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度の特定は、本明細書で記載のPTOのMTDRによってなされる。
ステップ(e)融解タグ二本鎖フラグメントからのシグナルの検出
本発明のステップ(e)は、ステップ(d)のタグ二本鎖融解の結果としてのシグナルの検出に関する。本発明のある実施形態では、ステップ(e)は、少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出することを含み、シグナルが核酸混合物中の標的核酸配列の存在を示す。
測定されるシグナルの性質は、PTO上の少なくとも1個のフルオロフォアに依存し、様々な分析方法、例えば、リアルタイムPCR検出システムにより決定し得る。
融解曲線またはハイブリダイゼーション曲線は、従来の技術により得てよい。例えば、融解曲線またはハイブリダイゼーション曲線は、ハイブリダイゼーションストリンジェンシーのパラメータに伴う出力シグナルの変動のグラフプロットまたはディスプレイを含んでよい。出力シグナルを、ハイブリダイゼーションパラメータに対し直接にプロットしてよい。通常、融解曲線またはハイブリダイゼーション曲線は、出力シグナル、例えば、蛍光を有し、これは、Y軸上にプロットされた二本鎖構造の程度(すなわち、ハイブリダイゼーションの程度)およびX軸上にハイブリダイゼーションパラメータ(すなわち、温度)を示す。
蛍光による融解曲線を記録するために、通常、各温度での0〜360秒の設定された平衡時間を使って、全体的試料温度を段階的に上昇または下降させることができる。通常、0.5℃〜2℃のステップ幅が使用されるが、所望の精度に応じて、0.1℃まで小さくしてもよい。それぞれの温度で、当該波長に対し、蛍光の読み値が記録される。融解曲線に基づいて、適用した条件下でのDNA二本鎖のTmを測定できる。
分子生物学全領域において核酸(DNA、RNA)定量化のために選択される方法は、リアルタイムPCRまたは定量的PCR(qPCR)である。この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使ったDNAの増幅がリアルタイムでモニターされる(qPCRサイクラーは、常にqPCRプレートをスキャンする)ことから、このように呼ばれる。
蛍光レポータープローブ(Taqmanまたはデュアル標識プローブ)は、プローブに相補的な配列を含むDNAのみを検出する。したがって、レポータープローブの使用は、特異性を顕著に高め、その他のdsDNAの存在下であっても、この技術の実施を可能とする。同じチューブ中の数個の標的配列をモニターするために、異なる色の標識、蛍光プローブをマルチプレックスアッセイに使用できる。この方法は、プローブの一端に蛍光レポーターおよび反対側末端に蛍光のクエンチャーを有するDNAベースプローブに依存する。クエンチャーに対してレポーター近接していることにより、蛍光の検出が妨げられ、Taqポリメラーゼの5’から3’エキソヌクレアーゼ活性によるプローブの破壊は、レポータークエンチャー近接を分断し、したがって、クエンチされない蛍光の発光を可能とし、これを、レーザーによる励起後に検出できる。したがって、それぞれのPCRサイクルでのレポータープローブによる標的化産物の増加は、プローブの破壊およびレポーターの放出に起因して、蛍光の比例的増加を引き起こす。PCRは、通常通り準備され、レポータープローブが添加される。反応が開始されるに伴い、PCRのアニーリング段階中に、プローブおよびプライマーの両方がDNA標的にアニールする。新規DNA鎖の重合がプライマーから開始され、ポリメラーゼがプローブに到達すると、その5’−3’エキソヌクレアーゼがプローブを分解し、蛍光レポーターをクエンチャーから物理的に分離し、蛍光の増加を生じる。蛍光はリアルタイムPCR装置で検出および測定され、産物の指数関数的増加に対応するその幾何学的増加を使って、それぞれの反応における定量サイクル値(Cq)が決定される。
反応中に存在する二本鎖のアニーリング温度または変性温度でシグナルを測定できる。したがって、シグナルは、55〜65℃の温度で、例えば、56〜64℃、例えば、57〜63℃、例えば、58〜62℃、例えば、59〜61℃、例えば、60℃で測定できる。他の実施形態では、シグナルは、90〜100℃の温度で、例えば、91〜99℃、例えば、92〜98℃、例えば、94〜97℃、例えば、95〜96℃、例えば、95℃で測定できる。当業者なら、いずれの温度が最良の読み値シグナルを与えるかを判定する方法をわかっている。
実施例5に示すように、標的の濃度は、検出されるシグナルの強度に影響を与える。したがって、標的濃度は、必要に応じ、シグナルを改善するように調節してよい。
標的核酸配列
本明細書で使用される場合、標的核酸配列は、核酸配列の混合物中で特定するのが望ましい任意の核酸を意味する。本発明の簡単なアッセイは、多くの用途を有する。本発明のアッセイの非包括的用途リストは、下記であってよい。
・ヒトおよび/または獣医学的診断
・食物および/または餌の品質および安全性
・環境監視
・科学研究
したがって、ある実施形態では、本発明の標的核酸配列は、細菌、ウイルス、真菌、および/または原生動物などの病原性生物由来である。別の実施形態では、本発明の標的核酸配列は、雌ウシ、ニワトリ、ブタ、ウマ、ヒツジ、および/またはヤギなどの家畜に感染することができる病原性生物由来である。好ましい実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒト、雌ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、および/またはヤギなどの哺乳動物に感染することができる病原性生物由来である。より好ましい実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒトに感染することができる病原性生物由来である。
本発明のある実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒトに感染することができるウイルス由来である。本発明のさらなる実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒトに感染することができる、10%より高い死亡率を引き起こすウイルス由来である。ある実施形態では、ウイルスはエボラウイルスである。
本発明のある実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒトに感染することができる細菌由来である。本発明のさらなる実施形態では、本発明の標的核酸配列は、ヒトに感染することができる、10%より高い死亡率を引き起こす細菌由来である。
本発明のある実施形態では、本発明の標的核酸配列は、クラミジア、淋病、およびヘルペスからなる群より選択される性行為感染症を引き起こす病原性生物由来である。
本発明のある実施形態では、本発明の標的核酸配列は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む群から選択される病原性生物由来である。
標的核酸配列の検出キット
本発明の構成要素は、パーツキット内に含めてよい。
したがって、本発明の態様は、標的核酸配列の検出用パーツキットに関し、該キットは、
i.必要に応じて、本明細書で記載の少なくとも1個のPTOと、
ii.本明細書で記載の少なくとも1個のCQOと、
iii.必要に応じて、ヌクレアーゼ活性を有する酵素と、
iv.必要に応じて、標的核酸配列の検出方法に関するインストラクションと、を含む。
キットは、2個以上の標的核酸配列の検出のために使用し得る。ある実施形態では、本明細書で記載のキットは、
i.必要に応じて、少なくとも2個の異なるPTO群からの少なくとも2個のPTO、および
ii.少なくとも2個のCQO、をさらに含む。
キットはまた、少なくとも1個の、本明細書に記載の下流および/または上流オリゴヌクレオチドも含んでよい。ある実施形態では、キットは、本明細書に記載の、下流オリゴヌクレオチドおよび/または上流オリゴヌクレオチドをさらに含む。
さらに、キットは、ヌクレアーゼ活性を有する酵素をさらに含んでよい。したがって、ある実施形態では、キットは、本明細書に記載のヌクレアーゼ活性を有する酵素をさらに含む。
ある実施形態では、本明細書で記載のキットは、懸濁液または溶液である。ある実施形態では、本明細書で記載のキットは、すぐに使用できる懸濁液または溶液である。さらなる実施形態では、記載キットは、すぐに使用できるペレットの状態である。ある実施形態では、すぐに使用できるペレットは、前述のキットのi)、ii)、およびiii)を含む、実質的に水不含組成物を含む。
ある実施形態では、本明細書で記載のキットは、部分的におよび/または完全にハイブリダイズしたPTOおよびCQOを含む。
キットはまた、コントロールとして、および、例えば、適用した分析機器のTの較正のために使い得る、少なくとも1個のタグ二本鎖を含んでよい。オリゴヌクレオチドのTは、例えば、塩濃度、DNA濃度、pHおよび変性剤(フォルムアミドまたはDMSOなど)の存在に応じて変化してよい。分析される試料が変化する、すなわち、塩濃度を含む場合、このようなコントロールが望ましいであろう。ある実施形態では、本明細書で記載のキットは、コントロール試料および/またはコントロールタグ二本鎖をさらに含む。
診断
本方法は、診断および/または処置を必要としている個人の診断および/または処置に使用し得る。
したがって、本発明のある実施形態は、標的核酸配列の存在を特徴とする疾患または障害を有するとして個人を診断する方法に関し、前述の方法は、他に示したアッセイステップを含み、前述の標的核酸配列の検出をもたらす。
その非限定的例は下記である。標的核酸配列の存在を特徴とする疾患または障害を有するとして個人を診断する方法であって、前述の方法は、
ステップ(a)標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、PTOが、(i)標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含むステップと、
ステップ(b)前述のPTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、CQOが、(i)PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、PTOのMTDRがCQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
ステップ(c)タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、タグ二本鎖が標的核酸配列にハイブリダイズする際に、ヌクレアーゼ活性を有する酵素がタグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズしたMTDRおよび少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップと、
ステップ(d)前述の活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
ステップ(e)少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、シグナルが標的核酸配列の存在、したがって、前述の個人の疾患または障害の存在を示すステップと、を含む。
疾患または障害は、引き起こされる、すなわち、病原体による感染症または遺伝性障害または疾患であってよい。
反応混合物
さらなる実施形態では、本発明は反応混合物を含む。したがって、本発明のある実施形態は、試料中の標的核酸配列の増幅および/または検出のためのプロセスに使用するための反応混合物を提供し、反応混合物は、増幅の前に、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1個のPTOおよび少なくとも1個のCQOを含み、前述の一対のプライマー、PTOおよびCQOは、前述の一対のオリゴヌクレオチドプライマーが前述の標的核酸に相補的で、前述の標的核酸に対して相補的な第1の伸長産物の合成を刺激する第1のプライマー、および前述の第1の伸長産物に相補的で、第2の伸長産物の合成を刺激する第2のプライマーを含むことを特徴とし;前述のPTOが標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列または前述の標的核酸の相補配列にハイブリダイズし、前述の領域が前述のプライマー対の1個のメンバーと、前述のプライマー対のもう一方のメンバーの相補配列との間にあり、PTOが少なくとも一組の相互作用標識、MTDR、および必要に応じてターゲティング部分とMTDRとの間のリンカーを含み;CQOが少なくとも1個のクエンチャーおよびキャプチャリング部分を有し、前述のキャプチャリング部分がPTOにハイブリダイズするように構成される。反応混合物は、数個のオリゴヌクレオチドプライマー対、数個のPTOおよび単一CQOを含んでよい。反応混合物は、反応混合物中の全てのPTOにハイブリダイズするように構成された単一CQOを含んでよい。
コンピュータ実装方法
本発明の別の態様は、少なくとも1個の標的配列を特定するためのコンピュータ実装方法に関し、該方法は、1)PTO、CQO、標的配列に関する情報を与えるステップと、2)少なくとも1個の融解タグ二本鎖フラグメントからシグナルを得るステップと、3)前述の与えられた情報および取得したシグナルに基づいて、少なくとも1個の標的配列を特定するステップと、を含む。
実施例
実施例1 フルオロフォアとCQOクエンチャーとの間の距離
次の実施例は、5種の異なる設計のタギングプローブおよびipaH遺伝子に特異的なTaqManプローブを含むPCR反応の結果を示す。全ての反応は、2個のコモンプライマー(DEC229FおよびDEC230R)を用いて実施される。タギングプローブは、FAMがDEC486P中のPTOのハイブリダイズされたターゲティング部分のクエンチャーの位置から最遠位および、DEC490PのPTOのハイブリダイズされたターゲティング部分のクエンチャーの位置に最近接の位置に挿入される。単一CQO設計(DEC481rP)と組み合わせて、5種の異なるタギングプローブ設計を試験した。結果は、FAMと、ハイブリダイズされたPTOのターゲティング部分のクエンチャーの位置との間の距離が増えることにより、バックグラウンド融解曲線生成が減少することを示している。結果は、好ましいPTO設計(DEC486P)は、特異的標的の存在下のみでPCR増幅曲線を生成し、また、増幅された標的の存在下でのみ融解曲線シグナルを生成することをさらに示す。(DEC487P〜490P)を含むその他の設計は、NTC反応において、全てバックグラウンド融解曲線を示し、擬陽性結果を示す。TaqManプローブDEC464は、PCR反応用のポジティブコントロールとして含められる。
Figure 2018500932
PCR反応:
1xSsoAdvanced Universal Probes Supermix(製造番号#172−5280、Bio−Rad)、200nMの順方向および逆方向プライマー、400nMのタギングプローブ、800nMのクエンチングプローブ、1:200希釈の標的、0.25UウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μL)(#EN0361 Fermentas)を含む10μLの反応液を調製した。標的を、単一コロニーの大腸菌を200μlの水中に混合し、95℃で15分間煮沸することにより調製した。その後、25μLの煮沸標的を100μLの滅菌水に加えて、標的ストック溶液とし、最終のPCR反応では、これを5xに希釈した。AB gene SuperPlate96ウエルPCRプレート(カタログ番号AB2800)中で反応系を構築し、光学的に透明な粘着性Microseal Bフィルム(Bio−Rad、カタログ番号MBS1001)で密封した。
PCR反応混合物を次のPCRサイクルおよび融解曲線プログラム(Bio−Rad CFX96 Real−Time PCR Detection System)に供した。
Figure 2018500932
実施例2 マルチプレックスPCR反応
次の実施例は、ipaH遺伝子に特異的な、増加する長さのMTDR領域を保持する3種の異なる設計のPTO(タギングプローブ)を含むPCR反応の結果を示し、DEC500Pが最も短いMTDR領域およびそれによる最低のTを有し、DEC503Pが最も長いMTDR領域およびそれによる最高のTを有する。全ての反応は、2個のコモンプライマー(DEC229FおよびDEC230R)を用いて実施された。単一CQO(クエンチングプローブ)設計(DEC481rP)と組み合わせて、3種の異なるタギングプローブを試験した。3種のPTO設計は、単独で(図9〜14)、プローブDEC500PとDEC502Pとを組み合わせて(図15〜16)、およびプローブDEC500PとDEC503Pとを組み合わせて(図17〜18)試験された。結果は、それぞれのPTOがPCR単独でおよび組み合わせて、良好に機能することを示している。特に、結果から、DEC500PとDEC502Pとを組み合わせたプローブは、2種の個別に識別可能な融解曲線を与え、両方のプローブが特異的シグナルを検出することを示すことがさらに明らかになる。結果から、DEC500PとDEC503Pとを組み合わせたプローブはまた、2種の個別に識別可能な、さらに広い間隔を隔てて、DEC500PとDEC503PとのMTDRの間の、より大きいTの差異に応じた融解曲線を与え、同時に、両方のプローブが特異的シグナルを検出することを示すことがさらに明らかになる。結果から、NTC反応において、全てのプローブが非常に低いバックグラウンド融解曲線をもたらし、PTOプローブは、特異的標的の存在がなければ、シグナルをもたらさないことを示すことがさらに明らかになる。
Figure 2018500932
PCR反応:
1x GoTaq プローブ qPCR mastermix(製造番号#Promega A6101)、200nMの順方向および逆方向プライマー、400nMのタギングプローブ、800nMのクエンチングプローブ、1:200希釈の標的、0.25UウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μL)(#EN0361 Fermentas)を含む10μLの反応液を調製した。標的を、ipaH遺伝子を保持する単一コロニーの大腸菌を200μlの水中に混合し、95℃で15分間煮沸することにより調製した。その後、25μlの煮沸標的を100μlの滅菌水に加えて、標的ストック溶液とし、最終のPCR反応では、これを5xに希釈した。AB gene SuperPlate96ウエルPCRプレート(カタログ番号AB2800)中で反応系を構築し、光学的に透明な粘着性Microseal Bフィルム(Bio−Rad、カタログ番号MBS1001)で密封した。
PCR反応混合物を次のPCRサイクルおよび融解曲線プログラム(Bio−Rad CFX96 Real−Time PCR Detection System)に供した。
Figure 2018500932
実施例3 ループプローブ設計
次の実施例は、ipaH遺伝子に特異的な、MTDR領域としてループ設計を保持する2種の異なる設計のPTO(タギングプローブ)を含むPCR反応の結果を示し、PTO(タギングプローブ)の最後の部分が、ループ領域によりMTDR領域から分離された、ターゲティング部分(クエンチングプローブ部分)を含む。全ての反応は、2個のコモンプライマー(DEC229FおよびDEC230R)を用いて実施される。2種の異なるPTO(タギングプローブ)を単独で試験した(RMD7P、図19〜20およびRMD8P、図21〜22)。結果は、それぞれのプローブがPCRにおいて良好に機能し、特異的標的の存在下のみで増幅曲線をもたらすことを示す。さらに、結果は、両方のプローブが、適切な標的の存在下では融解曲線をもたらすが、NTCの場合はそうではないことを示している。
Figure 2018500932
PCR反応:
1x SsoAdvanced Universal Probes Supermix(製造番号#172−5280、Bio−Rad)、200nMの順方向および逆方向プライマー、400nMのタギングプローブ、1:200希釈の標的、0.25UウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μL)(#EN0361 Fermentas)を含む10μlの反応液を調製した。標的を、単一コロニーの大腸菌を200μlの水中に混合し、95℃で15分間煮沸することにより調製した。その後、25μlの煮沸標的を100μlの滅菌水に加えて、標的ストック溶液とし、最終のPCR反応では、これを5xに希釈した。AB gene SuperPlate96ウエルPCRプレート(カタログ番号AB2800)中で反応系を構築し、光学的に透明な粘着性Microseal Bフィルム(Bio−Rad、カタログ番号MBS1001)で密封した。
PCR反応混合物を次のPCRサイクルおよび融解曲線プログラム(Bio−Rad CFX96 Real−Time PCR Detection System)に供した。
Figure 2018500932
実施例4:異なるMTDRの試験
この実験では、我々は、前の実施例(RMD)とは異なる配列を有するいくつかのPTOプローブおよび対応するクエンチャープローブ(CQO)を試験し、異なる配列がポリメラーゼにより低い効率で結合するように作用する可能性があるかどうかを明らかにした。プライマーおよびプローブ標的はIpaHプローブに対するものと同じとした。IpaHプローブ測定に対して行ったように、RMD PTOプローブおよびクエンチャーも試料中に存在する通常の加水分解プローブアッセイ、mValidPrime、を試験した。この試験で、我々は、このアッセイのqPCR反応も、ポリメラーゼの制限されたアクセスにより抑制されるかどうかを評価したいと思っている。
方法
qPCR
LightCycler 480機器(Roche)により実験を行った。RMDアッセイ用におよびmValidPrimeアッセイ用にテンプレートとして使用したgBlocks(表5)をIDTに注文した。マスターミックスは、TATAA Probe GrandMasterミックスとした。Taq DNAポリメラーゼをマスターミックスに加え、ポリメラーゼ規定濃度の1、2.5、5および10倍のマスターミックス中の濃度のポリメラーゼを生成する。規定濃度は、反応を実施するのに最適濃度として製造業者により示された濃度と定義される。qPCR測定をRMDアッセイ用の5個のプローブで実施した(表6)。表7に示すように、それぞれのプローブを10種の異なる混合物で試験した。4種を異なる濃度のポリメラーゼおよび1種をNTCとした、5種一組の混合物をRMDシステムのみを使って作製した。
一組の5種のその他の混合物を、IpaHプライマーおよびテンプレートは含まないが、マウス用のValidPrimeアッセイのプライマー、プローブおよびテンプレートを含めて作製した。試薬を表8に示す濃度に混合した。全ての試料を2回実験した。温度プログラムを表9に示す。この場合、蛍光をプログラムのステップ2(60℃)およびステップ3(95℃)の両方で測定した。蛍光は、通常60℃ステップでのみ測定される。プローブがクエンチング(CQO)プローブにハイブリダイズされ、蛍光が60℃でクエンチされるかもしれないので、我々は、全ての二本鎖DNAが融解される95℃でも測定した。
Figure 2018500932
Figure 2018500932
Figure 2018500932
Figure 2018500932
Figure 2018500932
Figure 2018500932
結果
Cq値
RMD試料(A〜D)の反復実験の平均Cq値を計算した。それらをポリメラーゼ濃度の関数として図23にプロットしている。増幅は通常、ポリメラーゼの濃度の増加と共に増加する。
図24は、mValidPrimeプローブを含む試料のCq値を示す。試料は種々RMDプローブも含むが、これらのプローブに対してはプライマーまたはテンプレートが試料中にないので、mValidPrime標的のみが増幅され、蛍光は、主にmValidPrimeプローブに由来する。増幅は通常、ポリメラーゼの濃度の増加と共に増加する。
増幅曲線
図25に示すように、増幅曲線の振幅は、プローブの長さおよびポリメラーゼ濃度を変えることにより調節できる。この図は、95℃での変性ステップの最後の増幅サイクルで測定した蛍光振幅を示す。全体としては、全てのプローブについて、より高いポリメラーゼ濃度では、より高い振幅に到達した。
図26のmValidPrimeプローブの振幅は、試験範囲のポリメラーゼ濃度で基本的に安定であった。
融解温度
RMDプローブの測定された融解温度を図27に示す。融解曲線は、RMDテンプレートを含む試料、混合物A、B、CおよびDに対してのみ観察された。融解温度はプローブ長さと共に高くなり、増加するポリメラーゼ濃度と共にわずかに低下した。
実施例5:標的濃度
次の実施例は、ipaH遺伝子に特異的なプロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド(PTO)DEC486Pにより検出された6種の異なる標的濃度の5x希釈曲線を含むPCR反応の結果を示す。反応は、2個のコモンプライマー(DEC229FおよびDEC230R)を用いて実施された。単一のキャプチャーおよびクエンチングプローブ設計(DEC481rP)と組み合わせて、プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチドを試験した。結果は、プロービングおよびタギングプローブは、標的希釈に対応した増幅曲線および融解曲線をもたらすことにより、有効に機能することを示す。NTC反応からわかるように、DEC486Pプローブは極めてわずかなバックグラウンドを示した。
Figure 2018500932
PCR反応:1xSso Advanced Universal Probes Supermix(製造番号#Promega A6101)、200nMの順方向および逆方向プライマー、400nMのプロービングおよびタギングプローブ、800nMのキャプチャリングおよびクエンチングプローブ、1:200希釈の標的、0.25UウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μL)(#EN0361 Fermentas)を含む10μlの反応液を調製した。標的を、ipaH遺伝子を保持する単一コロニーの大腸菌を200μlの水中に混合し、95℃で15分間煮沸することにより調製した。その後、25μlの煮沸標的を100μlの滅菌水に加えて、標的ストック溶液とし、最終のPCR反応では、これを5x〜15625xに希釈した。AB gene SuperPlate96ウエルPCRプレート(カタログ番号AB2800)中で反応系を構築し、光学的に透明な粘着性Microseal Bフィルム(Bio−Rad、カタログ番号MBS1001)で密封した。
PCR反応混合物を次のPCRサイクルおよび融解曲線プログラム(Bio−Rad CFX96 Real−Time PCR Detection System)に供した。
Figure 2018500932
参考文献
Kibbe WA.’OligoCalc:an online oligonucleotide properties calculator’.(2007)Nucleic Acids Res.35(webserver issue):May 25.http://www.basic.northwestern.edu/biotools/oligocalc.html BioTechniques 38:569−575(April 2005)Nucleic Acids Symp Ser(2008)52(1):47−48.

Claims (59)

  1. 標的核酸配列の検出方法であって、
    (a)前記標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、前記PTOが、(i)前記標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)前記標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含むステップと、
    (b)前記PTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、前記CQOが、(i)前記PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、前記PTOのMTDRが前記CQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップと、
    (c)前記タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、前記タグ二本鎖が前記標的核酸配列にハイブリダイズする際に、前記ヌクレアーゼ活性を有する酵素が前記タグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、前記CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズした前記MTDRおよび前記少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップと、
    (d)前記活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして前記少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップと、
    (e)前記少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより前記活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、前記シグナルが前記標的核酸配列の存在を示すステップと、
    を含む、方法。
  2. 以下の通り、ステップ(b)がステップ(a)の前に実施される、請求項1に記載の方法;
    (b)PTOにCQOをハイブリダイズするステップであって、前記PTOが、(i)前記標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)前記標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含み、前記CQOが、(i)前記PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、前記PTOのMTDRが前記CQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズしてタグ二本鎖を形成するように構成されるステップ、
    (a)前記標的核酸配列に前記タグ二本鎖をハイブリダイズするステップ、
    (c)前記タグ二本鎖をヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、前記タグ二本鎖が前記標的核酸配列にハイブリダイズする際に、前記ヌクレアーゼ活性を有する酵素が前記タグ二本鎖の開裂を誘導し、それにより、前記CQOのキャプチャリング部分にハイブリダイズした前記MTDRおよび前記少なくとも1個のフルオロフォアを含むPTOフラグメントを含む活性化タグ二本鎖フラグメントが放出されるステップ、
    (d)前記活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして前記少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップ、ならびに
    (e)前記少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより前記活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、前記シグナルが前記標的核酸配列の存在を示すステップ。
  3. 以下の通り、ステップ(b)および(c)が逆順に行われる、請求項1に記載の方法;
    ステップ(a)標的核酸配列にPTO(プロービングおよびタギングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、前記PTOが、(i)前記標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含むターゲティング部分、(ii)前記標的核酸配列に非相補的なヌクレオチド配列を含む融解温度決定領域(MTDR)、および(iii)少なくとも1個のフルオロフォアおよび少なくとも1個のクエンチャーを含む少なくとも1組の相互作用標識を含むステップ、
    ステップ(c)前記ハイブリダイズされたPTOをヌクレアーゼ活性を有する酵素と接触させるステップであって、前記PTOが前記標的核酸配列にハイブリダイズする際に、前記ヌクレアーゼ活性を有する酵素が前記PTOの開裂を誘導し、それにより、前記MTDRおよび前記少なくとも1個のフルオロフォアを含む活性化PTOフラグメントが放出されるステップ、
    ステップ(b)前記活性化PTOにCQO(キャプチャリングおよびクエンチングオリゴヌクレオチド)をハイブリダイズするステップであって、前記CQOが、(i)前記PTOのMTDRに逆相補的なヌクレオチド配列を含むキャプチャリング部分および(ii)少なくとも1個のクエンチング分子を含み、前記PTOのMTDRが前記CQOのキャプチャリング部分とハイブリダイズして活性化タグ二本鎖を形成するように構成されるステップ、
    ステップ(d)前記活性化タグ二本鎖フラグメントを融解および/またはハイブリダイズして前記少なくとも1個のフルオロフォアからシグナルを得るステップ、ならびに
    ステップ(e)前記少なくとも1個のフルオロフォアからのシグナルを測定することにより前記活性化タグ二本鎖フラグメントを検出するステップであって、前記シグナルが前記標的核酸配列の存在を示すステップ。
  4. 前記方法のステップが繰り返される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1個のCQOが、2個以上のPTOなどのPTO群を検出するように構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 単一CQOが、前記方法の全てのPTOの検出に使用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記方法が、オリゴヌクレオチドプライマー対の存在下で実施され、前記プライマー対が、前記標的核酸に相補的で、前記標的核酸に相補的な第1の伸長産物の合成を刺激する第1のプライマー、および前記第1の伸長産物に相補的で、第2の伸長産物の合成を刺激する第2のプライマーを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 少なくとも2個の標的核酸配列が、それらそれぞれの活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度の差異に基づいて相互に識別できる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記MTDRによって、前記活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度が決まる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記MTDRが、50℃〜75℃、例えば、50℃〜70℃の融解温度が得られるように構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度が、30℃〜100℃である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記活性化タグ二本鎖フラグメントの融解温度が、50℃〜75℃である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記PTOのフルオロフォアおよび前記CQOの最近接クエンチャーが、1〜40ヌクレオチドまたは塩基対、例えば、6〜35、10〜30、15〜25、例えば、約18ヌクレオチドの距離だけ離れている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ターゲティング部分および前記PTOのMTDRが、リンカー分子により分離され、前記リンカーが、1〜200ヌクレオチド、例えば、1〜50ヌクレオチド、例えば、1〜30ヌクレオチド、例えば、2〜20ヌクレオチド、例えば、6〜13ヌクレオチド、例えば、8〜12ヌクレオチド、例えば、9〜12ヌクレオチド、例えば、11ヌクレオチドを含む核酸リンカーである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ターゲティング部分および前記PTOのMTDRが、リンカー分子により分離され、前記リンカーが、非核酸リンカーである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ターゲティング部分および前記PTOのMTDRが、核酸および/または有機化合物などの非核酸を含むリンカー分子により分離される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記PTOの合計長さが、10〜500ヌクレオチドもしくは塩基対、例えば、20〜100、例えば、30〜70ヌクレオチドであり、および/または前記CQOの合計長さが、10〜500ヌクレオチドもしくは塩基対、例えば、15〜100、例えば、20〜50ヌクレオチドもしくは塩基対である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記PTOおよびCQOが、ヘアピン構造をもたらすことができる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 多くても1個のCQOを使って前記少なくとも1個、例えば、少なくとも2個、例えば、少なくとも3個、例えば、少なくとも4個の標的核酸配列が検出される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記標的核酸の上流に位置する核酸配列に実質的に相補的な核酸配列を含む上流オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることをさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記標的核酸の下流に位置する核酸配列に実質的に逆相補的な核酸配列を含む下流オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることをさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ターゲティング部分が前記PTOの5’末端に位置する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記MTDRが前記PTOの3’末端に位置する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記PTOおよび/またはCQOが、3’末端にブロック基をさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記ブロック基が、ビオチン、標識、リン酸基、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、ホスホロチオエート、および/もしくはアルカンジオールからなる群から選択され、かつ/または前記ブロック基がジデオキシヌクレオチドなどの3’−ヒドロキシル基不含ヌクレオチドを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ヌクレアーゼ活性がFENヌクレアーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記ヌクレアーゼ活性を有する酵素が、テンプレート依存性DNAポリメラーゼである、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記テンプレート依存性DNAポリメラーゼが、耐熱性である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記テンプレート依存性DNAポリメラーゼが、Taqポリメラーゼである、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記PTOの開裂が、上流にオリゴヌクレオチドを伸長する、前記テンプレート依存性DNAポリメラーゼにより誘導され、前記ポリメラーゼが5’−3’ヌクレアーゼ活性を有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記一組の相互作用標識が、フルオロフォアおよびクエンチャーを含み、前記フルオロフォアからの蛍光発光が前記クエンチャーによりクエンチされる、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記少なくとも一組の相互作用標識が、1、2、3、4、5、6、7組またはそれを超える組の相互作用標識を含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記少なくとも一組の相互作用標識が、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)ベースである、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記ステップb)のフルオロフォアからの発光が、ステップc)の前記PTOクエンチャーおよび前記CQOクエンチャーによりクエンチされるように、前記PTOの相互作用標識の組み合わせが配置される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記活性化タグ二本鎖がステップ(d)で融解される場合に、前記フルオロフォアからの発光がクエンチされない、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 少なくとも2組のPTOおよびCQOが、少なくとも2個の標的核酸配列の検出に使用される、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 活性化タグ二本鎖の存在が、融解曲線分析またはハイブリダイゼーション曲線分析により判定される、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記フルオロフォアが、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、テトラクロロフルオレセイン(TET)を含む群から選択される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 2個以上のフルオロフォア、例えば、2、3、4、5、6、7および/または8個のフルオロフォアが存在する、請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記PTOおよび/またはCQOクエンチャー(単一または複数)が、black hole quencher(BHQ)1、BHQ2、およびBHQ3、Cosmic Quencher(例えば、Biosearch Technologies,USA製)、Excellent Bioneer Quencher(EBQ)(例えば、Bioneer,Korea製)またはこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 2個以上のクエンチング分子、例えば、2、3、4、5、6、7および/または8個のクエンチング分子が存在する、請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. UNG処理ステップおよび/または変性ステップが、ステップ(a)の前に使われる、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記方法が、ステップ(a)〜(b)、(a)〜(c)、(a)〜(d)および/または(a)〜(e)を繰り返し、繰り返すサイクル間で変性を行うことをさらに含む、請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記ステップ(a)〜(e)が1つの反応槽中で実施され、またはいくつかの前記ステップ(a)〜(e)が1つもしくは複数の別の反応槽中で実施される、請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記PTOおよび前記CQOが、懸濁液または溶液中に存在する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記標的核酸配列が、細菌、ウイルス、真菌、および/または原生動物などの病原性生物由来である、請求項1〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記病原性生物が、クラミジア、淋病、ヘルペスなどの性行為感染症を引き起こす病原性生物である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記病原性生物が、MRSAである、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 請求項1〜48のいずれか1項に記載のCQO。
  50. 核酸混合物から少なくとも1個の標的核酸配列を検出するためのパーツキットであって、
    i.必要に応じて、請求項1〜49のいずれか1項に記載の少なくとも1個のPTO、
    ii.請求項1〜49のいずれか1項に記載の少なくとも1個のCQO、および
    iii.必要に応じて、標的核酸配列の検出方法に関するインストラクション、
    を含む、キット。
  51. 前記キットの少なくとも1個のCQOが、少なくとも1個のPTO、例えば、少なくとも2個のPTO、例えば、少なくとも3個のPTO、例えば、少なくとも4個のPTO、例えば、少なくとも5個のPTO、などの6、8、10、12、15、20、30、25、35、40、45、50またはそれを超えるPTOを検出するように構成される、請求項46に記載のキット。
  52. 前記少なくとも1個のCQOが、1個または複数のPTO群を検出するように構成される、請求項1〜51のいずれか1項に記載のキット。
  53. 少なくとも1個のプレハイブリダイズされたPTOおよびCQOを含む、請求項1〜52のいずれか1項に記載のキット。
  54. 請求項1〜53のいずれか1項に記載の下流オリゴヌクレオチドおよび/または請求項1〜53のいずれか1項に記載の上流オリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜53のいずれか1項に記載のキット。
  55. 請求項1〜54のいずれか1項に記載のヌクレアーゼ活性を有する酵素さらに含む、請求項1〜54のいずれか1項に記載のキット。
  56. 試料中の標的核酸配列の前記増幅および/または検出のためのプロセスに使用するための反応混合物であって、増幅の前に、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1個のPTOおよび少なくとも1個のCQOを含み、前記一対のプライマー、PTOおよびCQOが、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーが第1の前記標的核酸に相補的で、前記標的核酸に対して相補的な第1の伸長産物の合成を刺激する第1のプライマー、および前記第1の伸長産物に相補的で、第2の伸長産物の合成を刺激する第2のプライマーを含むことを特徴とし;前記PTOが前記標的核酸配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列または前記標的核酸の相補配列にハイブリダイズし、前記領域が前記プライマー対の1つのメンバーと、前記プライマー対のもう一方のメンバーの相補配列との間にあり、前記PTOが少なくとも一組の相互作用標識、MTDR、および必要に応じて前記ターゲティング部分と前記MTDRとの間のリンカーを含み;前記CQOが少なくとも1個のクエンチャーおよびキャプチャリング部分を有し、前記キャプチャリング部分が前記PTOにハイブリダイズするように構成される、反応混合物。
  57. 前記反応混合物中の全てのPTOにハイブリダイズするように構成された単一CQOを含む、請求項56に記載の反応混合物。
  58. 数個のオリゴヌクレオチドプライマー対および数個のPTOを含む、請求項56または57に記載の反応混合物。
  59. 請求項1〜49のいずれか1項に記載の方法で使用するための反応混合物。

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