JP5520449B2 - 核酸の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、効率の良い核酸の検出方法に関する発明である。
現在は、核酸の検出方法が種々提供されており、その代表的なものとして、リアルタイムPCR法を挙げることができる。
各種の核酸検出法は、例えば、検体から特定の細菌を検出することを目的として用いられる。例えば、後述する本発明の実施例において例示されている歯周病関連菌について、従来は、主に、日本国外において、DNAプローブ法を用いた定性検査で検出するキットが販売されていたが、定量を行うことは困難であり、歯科治療の効果を検討するツールとしては不十分である点が指摘されていた。
さらに核酸検出の鋭敏性を向上させるために、上記のリアルタイムPCR法を用いた定量測定系も開発されているが、歯科診療の一環として用いられるには高コストであるという問題点が認められている。
特殊な蛍光PCR技術を使用する微生物DNAの定量的検出手段の一つとして、Gelfandらの米国特許第5210015号の方法であり、ここでは、オリゴヌクレオチドプローブ構築物が使用され、これは、鋳型の核酸鎖の一部とハイブリダイズし、このオリゴヌクレオチドプローブは、各微生物の診断用標識配列の増幅のためのプライマー対(フォワードプライマーとリバースプライマー)の間に適合するように選択される。ここで用いるプローブの構築と構成は、TaqMan技術(HollandらとLeeら,1993,Nucl.Acids Res.,Vol.21,pp.3761-3766)に基づいている。
この方法の化学的基礎は、1991年に初めて公表された5’ヌクレアーゼPCR測定法である(Hollandら、1991,PNASUSA88,7276)。この方法の本質的部分はTaqポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性と蛍光標識した配列特異的遺伝子プローブの使用である。これらの遺伝子プローブは、フルオロセイン誘導体(レポーター)で5’末端にて標識され、ローダミン誘導体(クエンチャー)で3’末端にて標識される。両方の色素の空間的距離が近接している結果、レポーターの蛍光放出が、クエンチャー色素により吸収される。PCR反応の間に、リポーターとクエンチャーは、Taqポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性により、互いに空間的に分離される。リポーターの蛍光放射は、もはやクエンチされず、直接的に測定及び定量することができる。より多くのプローブが切断されれば、レポーター分子の蛍光放射がより大きくなる。放出された発光の量は、生成したPCR産物の量に比例し、これは、PCRに使用される遺伝子のコピー数から、分析サンプル中に存在する生物の数が算出される。PCR反応の間に遺伝子増幅と、シグナル増幅が起きるため、この方法は極めて高感度である。しかしながら、一試験単位において標識を用いる頻度が大きいことや、検出設備も高価であることから、現実の実施においてはコスト高になってしまうという問題点が指摘されている。
また、インベーダー・アッセイ系(詳細については後述する)を用いた安価な定量測定系も開発されているが、定量可能範囲は5×10〜10コピー/測定チューブであり、定量をもう一歩鋭敏に行うことが可能な手段の確立が求められている。
米国特許第5210015号 HollandらとLeeら,1993,Nucl.Acids Res.,Vol.21,pp.3761-3766 Hollandら、1991,PNASUSA88,7276
本発明の課題は、鋭敏性を確保しながら、既存の核酸検出法よりも効率的な検出を安価に行う手段を提供することにある。
本発明者は、上記の課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、PCR法とインベーダー・アッセイ法を、限定された条件のもと、同時に試験管内にて行うことにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(7):
(1)検出対象となるターゲット塩基を有する鋳型ヌクレオチド鎖;
(2)鋳型ヌクレオチド鎖(1)の当該ターゲット塩基と近接する塩基と相補的な塩基を有し、当該相補的近接塩基から鋳型ヌクレオチド鎖(1)の3’側に向かってハイブリダイズ可能な、第1の相補鎖;
(3)上記ターゲット塩基に対して相補的な塩基を有し、当該相補的塩基から鋳型ヌクレオチド鎖の5’側に向かってハイブリダイズ可能であり、3’側に向かってはハイブリダイズできない、第2の相補鎖;
(4) (1)〜(3)のヌクレオチド鎖をハイブリダイズさせて、上記の鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基部分に部分的三重鎖構造を形成させた場合に、当該三重鎖構造を形成した第2の相補鎖(3)の3’側を特異的に切断するエンドヌクレアーゼ;
(5)鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基を挟んで、3’方向側と5’方向側にそれぞれハイブリダイズ可能な、組としてなる第3の相補鎖;
(6)Thermus属に属する微生物由来の耐熱性DNAポリメラーゼ;
(7)DNA構成塩基;
を、マグネシウムイオン濃度が0.01〜35mMの緩衝液中にて共存させて、50〜72℃の低温と90〜98℃の高温を交互に繰り返し、この過程により得られる、上記のエンドヌクレアーゼ(4)の作用により遊離した第2の相補鎖(3)のハイブリダイズしない側のヌクレオチド鎖を検出することにより、鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基を検出することを特徴とする、核酸の検出方法(以下、本検出方法ともいう)を提供する発明である。
本発明において「相補的」とは、ある塩基配列の核酸に対してストリージェントな条件下(56〜68℃、50mM以上のナトリウムイオンの存在下:この条件は、相補性の程度を客観的に把握するための条件であり、本検出方法における条件とは独立した条件である。)でハイブリダイズが可能な程度の相補性を有する塩基配列のことを意味する。また、「相補的両塩基配列」とは、+鎖に対する−鎖の関係を有する相補的塩基配列、及び/又は、−鎖に対する+鎖の関係を有する相補的塩基配列の双方を含む塩基配列という意味である。
本発明により、鋭敏性を確保しながら、効率的な検出を安価に行うことが可能な核酸検出法が提供される。
本検出方法は、インベーダー・アッセイ法にPCR法を組み合わせて、かつ、これに特定の条件を要件として付加することにより、創出された新規のアッセイ法である。
まず、本検出方法の骨子的な部分を構成する、インベーダー・アッセイ法(インベーダー法又はInvader法と略称することもある)について説明する。
図1は、インベーダー・アッセイ法[Third Wave Technologies社(米国)]のあらましを示した図面である。
図1において、鋳型ヌクレオチド鎖(検出対象遺伝子)11に対して、第1の相補鎖12をハイブリダイズさせる。
第1の相補鎖12は、鋳型ヌクレオチド鎖11における、検出対象塩基[本図では、T(チミン)]に相補的な塩基[本図では、A(アデニン)]が3’末端に位置する鋳型ヌクレオチド鎖11に対して相補的なヌクレオチド鎖である(この例では、第1の相補鎖12の3’末端の塩基は、検出対象塩基に対して相補的であるが、たとえ当該塩基が相補的でなくても、当該塩基が、検出対象塩基と、以下に述べる第2の相補鎖との会合反応に干渉することにより、部分的三重鎖構造が形成され得る)。
次いで、この鋳型ヌクレオチド鎖11と第1の相補鎖12との部分的2本鎖に対して、さらに第2の相補鎖13をハイブリダイズさせる。
第2の相補鎖13は、鋳型ヌクレオチド鎖11に対して相補的な「相補的部分」131が3’側にあり、これと連続して、検出要素が設けられた、鋳型ヌクレオチド鎖13に対してハイブリダイズしない検出用部分132が5’側にある、複合的なヌクレオチド鎖であり、相補的部分131の最も5’側の塩基は、検出対象塩基(T)に対して相補的な塩基(A)となっている。
この第2のハイブリダイズ反応によって、鋳型ヌクレオチド鎖11の検出対象塩基部分(T)は、第1の相補鎖12の3’末端塩基と、第2の相補鎖の相補的部分131の最も5’側の塩基(A)との、部分的三重鎖構造が形成されることとなる。
次いで、この部分的三重鎖構造を、その3’側で特異的に切断する活性を有するエンドヌクレアーゼ14を作用させて、このエンドヌクレアーゼにより切断された、第2の相補鎖13の検出用部分132’[3’末端が、検出対象塩基(T)に対して相補的な塩基(A)となっている]を検出することにより、鋳型ヌクレオチド鎖11が検出対象遺伝子であることを明らかにすることができる。
上記の第1の相補鎖は、上記ターゲット塩基(当該塩基を含まない)から、検出対象遺伝子の3’側に向かって少なくとも9塩基分の塩基配列からなるヌクレオチド鎖(相補的両塩基配列を含む)に対して相補的なヌクレオチド鎖を、検出対象遺伝子のターゲット塩基と近接する塩基と連続して有し、かつ、当該第1の相補鎖の総塩基数は10〜50塩基程度が好適であり、特に好適には20〜45塩基程度である。
第2の相補鎖は、検出対象遺伝子に対して非相補的な(ハイブリダイズしない)5’側のヌクレオチド鎖(上記例の「検出用部分132」に相当する)と、相補的な(ターゲット塩基に対して相補的な塩基を含み、検出対象遺伝子とハイブリダイズする)3’側のヌクレオチド鎖(上記例の「相補的部分131」に相当する)からなる、複合ヌクレオチド鎖である。当該第2のヌクレオチド鎖の相補的なハイブリダイズ部分の総塩基数は10〜30塩基程度が好適であり、特に好適には12〜25塩基程度である。非相補的なヌクレオチド鎖は、任意のものを用いることができるが、好適には7〜30塩基程度、特に好適には10〜20塩基程度のヌクレオチド鎖が挙げられる。
以上が、インベーダー法の概略である。上述の内容は、本検出方法においても同様である。
本検出方法においては、上記の鋳型ヌクレオチド鎖11をPCR法による遺伝子増幅産物とすること特徴の一つである
すなわち、上記のインベーダー法による検出対象遺伝子の検出を、このような遺伝子増幅産物を基に行うことにより、まず、オリジナルの検出対象遺伝子が微量の場合であっても、当該遺伝子が系中において増幅されるため、鋭敏に検出を行うことが可能である。
具体的には、本検出方法では、上述のように、上記のインベーダー法による検出に最低限必要な要素と共に、鋳型ヌクレオチド鎖を、PCR法を用いて増幅するために必要な要素を共存させることが必要である。
具体的には、鋳型ヌクレオチド鎖を増幅させるための、当該ヌクレオチド鎖に対して相補的な遺伝子増幅用プライマー(フォワードプライマーとリバースプライマーの組:上記の第3の相補鎖に相当する)、遺伝子増幅用に用いる耐熱DNAポリメラーゼ、及び、遺伝子増幅産物の材料となる核酸、を上記のインベーダー法に基づくアッセイ系において共存させる。
遺伝子増幅用プライマーは、これにより増幅される遺伝子増幅産物が、検出対象塩基を有し、かつ、第1の相補鎖と第2の相補鎖とハイブリダイズすることが可能な配列を含むことが必要である。すなわち、当該遺伝子増幅用プライマーは、検出対象となる核酸において、検出対象塩基から3’側と5’側に第1の相補鎖と第2の相補鎖とハイブリダイズ可能な領域を挟んでハイブリダイズするように設計される。また、当該遺伝子増幅用プライマーの総塩基数は、10〜150塩基が好適であり、特に好適には15〜30塩基程度である。
なお、検出対象塩基は、精度の高い検出を行うために、生物間で保存性の高い遺伝子領域の中に認められる、検出対象生物特有の変異(一塩基置換等)とすることが好適である。すなわち、検出対象生物特有の変異を含む当該保存領域の遺伝子増幅産物をPCR法によって作出し、これを鋳型ヌクレオチド鎖として上記のインベーダー法を行うことにより、効率良く検出対象塩基の有無を判定し、検体において検出対象生物の存在又は非存在を判定することができる。当該保存領域は、検出対象生物の種類によっても異なり、自由に選択をすることが可能である。例えば、検出対象生物が、特定の細菌である場合には、16SリボゾームRNAをコードする遺伝子部分を当該保存領域として用いることが好適である。
本検出方法は、インベーダー法の検出要素とPCR法の検出要素を、アッセイ系において共存させ、PCR法による増幅工程とインベーダー法による検出工程を交互に行うことで実施することができる。ただし、本検出方法は、単純にこれらの2種類のアッセイ法を行うのみでは、所望する検出結果を得ることは困難である。
すなわち、上述したように、本検出方法における工程として行われるPCR法による遺伝子増幅産物の作出過程において行われる温度サイクルは、低温部は50〜72℃、好適には56〜65℃、高温部は90〜98℃、好適には94〜96℃である。本明細書における「温度サイクル」の記載は、特に断りのない限り、このようなPCR反応にて行われる内容の温度サイクルを意味することとする。ただし、本検出方法は、当該温度サイクルの低温部にて、インベーダー法の検出工程も行われることを特徴とする。
すなわち、本検出方法においては、上記の温度サイクルの低温部でインベーダー法による検出反応が行われ、PCR法の温度サイクルの中にインベーダー法の要素を、特定の条件にて組み込むことにより、両反応を別個に行うよりも効率的な検出を行うことが可能となった。
また、本検出方法を行うためには、系のマグネシウムイオン濃度を0.01〜35mM、好適には0.1〜16mMの範囲に設定する。系におけるマグネシウムイオンの濃度が、上記の可能範囲より大きくても小さくても本検出方法にかかわる諸反応を効率的に進行させることが困難になる。系におけるマグネシウムイオン濃度の調整は、一般的な調整方法、例えば、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩を用いることにより行うことができる。
本検出方法において用いる耐熱性DNAポリメラーゼは、Thermus 属に属する微生物由来の耐熱性DNAポリメラーゼである。Thermus 属に属する微生物としては、例えば、Thermus aquaticus、Thermus thermophilus等が例示され、特に、Thermus aquaticusが好適である。本実施例で、特に好適であることが示されたAmpli Taq stoffel fragment(アプライドバイオシステムズ)は、Thermus aquaticusのDNAポリメラーゼから、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が除去されたものであり、このような形態のものも用いることができる。
本検出方法は、従来のリアルタイムPCR法による核酸の検出と同等以上の感度で、サイクル数を短くして、ターゲットとなる核酸の検出を行うことが可能となり、効率性と経済性を向上させることができる。
本検出方法においては、遊離した第2の相補鎖13の検出用部分132’(本検出方法の定義における、「遊離した第2の相補鎖(3)のハイブリダイズしない側のヌクレオチド鎖」に相当)の検出を行うことにより、目的とする核酸の検出を行うことができる。この検出は、当該遊離ヌクレオチド鎖に対する核酸プローブを用いることにより検出することができる。検出手法としては、核酸プローブを用いた検出、特に、加水分解プローブ(核酸プローブに目的のヌクレオチド鎖がハイブリダイズした場合に、加水分解酵素等の働きによるプローブの開裂により特定のシグナルを発するプローブ)を用いた検出を例示することができる。加水分解プローブの中でも、特に、上述の「部分的三重鎖構造を、その3’側で特異的に切断する活性を有するエンドヌクレアーゼ」の性質を活かすことができる加水分解プローブが好適である。このような加水分解プローブとしては、下記に示すヘアピン型プローブが挙げられる。TaqManプローブのように、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を利用する加水分解プローブは、インベーダー反応の前提となる部分的三重鎖構造の形成の阻害を前提とすることになるので、本検出方法のプローブとしては好ましくない。
図1においては、5’末端近傍に蛍光色素151と、その3’末端の近傍に蛍光消光物質(クエンチャー)152を標識したヘアピン型プローブ(ヌクレオチド鎖)15を、上記のハイブリダイズ系と共存させることにより、上記の検出対象遺伝子を検出することが可能であることが示されている。
なお、本発明において、ヘアピン型プローブは、「1本のヌクレオチド鎖が3’末端と5’末端を両端として、折れ曲がってハイブリダイズしてなり、かつ、3’末端側のヌクレオチド鎖の一部が一本鎖として突出してなる構造であり、(1)3’末端側の突出部分が、上記の遊離のヌクレオチド鎖とハイブリダイズ可能であり、かつ、当該突出部分の最も5’側の塩基に隣り合うさらに5’側の一塩基がターゲット塩基であり、(2)5’末端の近傍に蛍光色素が標識され、当該蛍光色素の3’側近傍に蛍光消光物質が標識されてなる、プローブ」として規定される。
ヘアピン型プローブ15の3’側の一本鎖部分は、第2の相補鎖13の検出用部分132に対して相補的に設計されており、かつ、かかる一本鎖部分の最も5’側の塩基に隣り合う、さらに5’側の一塩基は、検出対象塩基(T)となっている。そして、検出用部分132’が、ヘアピン型プローブ15の一本鎖部分とハイブリダイズすると、検出用部分132’の3’末端の塩基(A)が、ヘアピン型プローブ15の二本鎖部分の先端において、再び、部分的三重鎖構造を形成する。これに対し、エンドヌクレアーゼ14が再び作用して、ヘアピン型プローブ15における、蛍光色素151と蛍光消光物質152の間のヌクレオチド鎖が切断されることにより、蛍光色素151が遊離し、蛍光消光物質152による蛍光消光反応から開放されて、本来の蛍光が検出可能な状態になる。この蛍光を検出することにより、鋳型ヌクレオチド11が検出対象遺伝子であることを明らかにすることができる。
これに対して、鋳型ヌクレオチド11の検出対象塩基に相当する塩基が、検出対象塩基以外の他の塩基[例えば、G(グアニン)]である場合、上記と同様の反応系においては、少なくとも検出用部分132の3’末端塩基(A)は、当該他の塩基とは相補的ではない。よって、上記のような部分的三重鎖構造は形成されないので、検出用部分132は、エンドヌクレアーゼ14によって第2の相補鎖から切断されず、遊離の検出用部分132’は系内に現れないこととなる。よって、ヘアピン型プローブ15も、蛍光色素151と蛍光消光物質152が近接した状態が保たれ、実質的な蛍光は認められない。この場合は、鋳型ヌクレオチド11は、検出対象遺伝子ではないことが明らかとなる。
このようにして、本検出方法を用いて、検出対象遺伝子の特定を行うことができる。
なお、ここには、ヘアピン型プローブを用いた検出方法を例示したが、これ以外にも、例えば、検出用部分132に蛍光標識やアイソトープ標識等の標識を行って、この標識をカウントすることにより、検出対象遺伝子の検出を行うことができる。
本検出方法による、検出対象遺伝子の定量は、概ね下記の原理により行うことができる。
上記の部分的三重鎖構造を形成させる段階の反応(一次反応)は、
[A]=α1×[T]×t
(式中、[ ]は系中の濃度を示し、Aは遊離の検出用部分132’(フラップ)の量を示し、α1は一次反応で部分的三重鎖構造にて開裂する割合を示し、Tは検体遺伝子量を示し、tは反応経過時間を示す)にて表される。
ここで、上記式を時間tで微分して、系中のフラップ量の時間当たりの変化率を求めると、
d[A]/t=α1×[T]
にて表される。
次に、フラップ132’が、ヘアピン型プローブ15に部分的三重鎖構造を形成するように相補鎖結合が行われることにより、蛍光色素151と蛍光消光物質152の間のヌクレオチド鎖が開裂し、遊離の蛍光色素部分が系中に遊離する反応(二次反応)は、
[S]=α2×[A]×t+β1×[X]×t
(式中、Sは二次反応産物量(遊離の蛍光色素151による蛍光量により表される)を示
し、α2は二次反応で部分的三重鎖構造にて開裂する割合を示し、tは反応経過時間を示し、β1は非特異で開裂する割合を示し、Xは非特異産物量を示す)にて表される。
これを、上記と同様に時間tで微分して、二次反応産物量の変化率を求めると、
d[S]/t=α2×[A]+β1×[X]
にて表される。
系中では、一次反応と二次反応は、巨視的には並行して進行するので、
d[S]/t=α2×[A]+β1×[X]
d[S]/t=α2×α1×[T]×t+β1×[X]
d[S]/t=α1α2[T]t+β1[X]
にて表される。これを、tで積分すると、
[S]=1/2α1α2[T]t+β1[X]t
ここで、β1[X]tは、検体遺伝子量にかかわらず一定とみなすことができるので、 二次反応産物量を示す蛍光量Sは、
[S]=At+B(式中、AとBは定数)
にて表される。
よって、所望する検出対象遺伝子の定量値は、蛍光値をY、反応時間をXとした場合に、
Y=AX+B(2次方程式)のAとして表される。
以上の定量過程については、文献においてすでに報告されている(Jeff et al,PNAS,vol.97,8272-8277,2000)。
本検出方法を適用すべき検体は、検出対象となる核酸を有する可能性がある対象全てであり、検出対象に応じて選択される。例えば、細菌やウイルスであれば、血液検体、尿検体、糞便検体、吐瀉物検体、衣服、食品等、当該微生物が存在する可能性があるものであれば特に限定されない。また、動植物の特定の遺伝子(mRNA)を、cDNAを介して検出することも可能である。実施例にて例示されている歯周病菌の場合、通常は、唾液検体又はプラーク検体であるが、重篤な歯周疾患の原因菌を特定するために、血清、血漿等の血液検体や尿検体も用い得る。
これらの検体からの遺伝子の調製方法は、常法に従って行うことができる。概ね、用いる検体を、SDS法、フェノール法、エタノール法等の常法や、自動DNA抽出機により、検体中のDNAを抽出することにより行うことができる。このようにして得られる核酸試料(検体由来のDNA)を、上述した本検出方法を適用することにより、検出対象核酸の定量検出を行うことができる。
本発明は、本検出方法を行うための検出用キット(以下、本検出用キットともいう)も提供する。
本検出用キットには、本検出方法を行うために用いる、上述のごとく規定される第1の相補鎖、第2の相補鎖及び第3の相補鎖が、キットの構成要素として含まれる。また、好適には、本検出用キットには、上述したヘアピン型プローブに代表される検出手段、及び、部分的三重鎖構造の3’側を特異的に切断する活性を有するエンドヌクレアーゼを含有させることができる。
さらに、本検出方法を行うために用いる、バッファーや、試験用のチューブやプレートを含有させることもできる。
以下、本発明の実施例を開示する。ただし、本実施例により、本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例として、歯周ポケットのプラークを採取したペーパーポイント懸濁液及び唾液から抽出したDNA溶液中のPrevotella intermedia (P.i.)菌の定量測定系の構築を試みた。
[基本反応系の構築]
まず菌種間のDNA配列の相違を調べるためにデータベースから主な口腔内細菌の16S rRNA遺伝子領域配列66例を入手した。これらをアライメントし、P.i.菌特異的な配列部分にPCR増幅用のプライマー、Invader反応用のプローブを設計した。P.i.菌ゲノムの16SrRNA遺伝子領域91〜191を増幅するセンスプライマー(5’-CGTATCCAACCTTCCCTCCA-3’:配列番号1:第3の相補鎖の一方に相当)とアンチセンスプライマー(5’-CCGATGAATCTTTGGTCCACGT-3’:配列番号2:第3の相補鎖の他方に相当)の間に位置133を切断点とするPrimary probe(5’-CGCGCCGAGGACGGCCTAATACCCG <アミノ>-3’:配列番号3:第1の相補鎖に相当)と、Invader oligo(5’-CCTCCACTCGGGGATACCCCGTTGAAAGT-3’:配列番号4:第2の相補鎖に相当)を設計した。
上記のPrimary probeについては非特異反応を抑えるために3’末端をアミノ化標識した。反応用試薬としてInvader core reagent kit (Genomic DNA) (T.W.T)、2mM each d-NTP mix、DNAポリメラーゼ、上記のプライマー、上記のInvader origoを、以下の(反応試薬)の内容にて混合し、上記のプライマー、プローブを用いてP.i.菌ゲノムの16S r-RNA遺伝子を組み込んだプラスミドベクターの希釈系列(1コピー〜10の8乗コピー/2μl)を対象として検討を行った。
(反応試薬) (単位:μl)
Cleavase XIFRET mix (Genomic DNA) 3.5
Cleavase XI Enzyme(100ng/μl) 1.0(検討対象:(4))
Invader oligo (1pmol/μl) 1.05
Primary probe (10pmol/μl) 1.05
10mM MOPS buffer 0.90
DNA polymerase (10U/μl) 0.5(検討対象(1))
2.0mM dNTP 2.5
Primer mix (20pmol/μl) 1.0
MgCl2 solution 設定量(検討対象(3))
D.W. UP TO 13.0
この反応試薬に、2μlの被験サンプルを加え、経時的に蛍光検出可能なサーマルサイクラーABI 7900(アプライドバイオシステムズ)を用いて、94℃ 2分間の前処理に続き、95℃ 1〜15秒間、63℃ 30〜120秒間の2-step PCRを40cycle行い、反応中の蛍光値を測定した。この温度サイクルの低温部(PCR反応における増幅された相補鎖が会合する相である)において、Invader反応が進行する。
(1)用いるDNAポリメラーゼについての検討
本試験における好適なDNAポリメラーゼを選択するために、
(a)Thermus aquaticus由来(AmpliTaq Stoffel fragment)
(b)Thermococcus kodakaraensis由来(KOD -Plus-)
(c)Pyrococcus species由来(Platinum Taq DNA Polymerase High Fidelity)
(d)Pyrococcus furiosus由来(PfuTurbo DNA Polymerase)
(e)Thermus thermophilus由来(rTth DNA polymerase)
を用いて検討したところ、最も検出感度が高く、かつ、非特異反応が実質的にみとめられなかったものは、Thermus aquaticus由来のAmpliTaq Stoffel fragmentであった(図2)。図2において、横軸は、プラスミドベクターのコピー数であり、縦軸はThreshold Cycle(Ct値)、すなわち、蛍光強度が閾値に達したサイクル数、を示している。また、図2において、St.fragはAmpliTaq stoffel fragmentの略称であり、KODはKOD -Plus-の略称であり、Pt.HighはPlatinum Taq DNA Polymerase の略称であり、High Fidelity Pfu turboはPfuTurbo DNA Polymeraseの略称であり、rTthはrTth DNA polymeraseの略称である。
例えば、上記において最も成績の良好であったDNAポリメラーゼであるThermusaquaticus由来のAmpliTaq Stoffel fragmentを使用した場合、10コピー〜10の8乗コピー/2μlの範囲で、閾値を超える明らかな蛍光値の増加が認められ、リアルタイムPCR法(下記)と同様に、Threshold Cycle (Ct値)を求めることが可能であった。なお、図3は、ここにいうAmpliTaq Stoffel fragmentを用いた場合の結果を、特に示している。図3(1)は、被験サンプルとして用いたスタンダードプラスミド(プラスミドベクター)の希釈倍率毎に、蛍光強度(縦軸)の閾値まで達する温度サイクル数(横軸)を求めた結果を示している。また、図3(2)は、当該温度サイクル数(縦軸)と対数濃度比(横軸)を示したグラフである。
この試験の対照として、リアルタイムPCR法による検出を行った。当該対照試験は、標的遺伝子を増幅するための、上記と同様のセンスプライマーとアンチセンスプライマーに加え、TaqManプローブ
(5’<FAM>−TGTGGACAACATCGGGTATTAGGCCG−<TAMRA>3’:配列番号5)、2×Universal PCR Master mix(アプライドバイオシステムズ)を使用して、リアルタイムPCR法を行った。反応条件は、サーマルサイクラーABI 7900を用いて、50℃・2分間、95℃・10分間、の前処理を行った後、95℃・15秒間、60℃・1分間の2-stepPCRを40サイクル行った。反応試薬は、下記の内容のものを用いた。
(反応試薬) (単位:μl)
2×Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステムズ) 7.5
センスプライマー(20pmol/μl) 0.5
アンチセンスプライマー(20pmol/μl) 0.5
TaqMan-Probe(2.5 pmol/μl) 1.0
D.W. 13.0
被験サンプル 2.0
このリアルタイムPCR法による検出においても、上記の本検出方法と同様に、10コピー〜10の8乗コピー/2μlの範囲で、閾値を超える明らかな蛍光値の増加が認められ、Threshold Cycle (Ct値) を求めることが可能であった。なお、図4は、ここにいう結果を示している。図4(1)は、被験サンプルとして用いたスタンダードプラスミド(プラスミドベクター)の希釈倍率毎に、蛍光強度(縦軸)の閾値まで達する温度サイクル数(横軸)を求めた結果を示している。また、図4(2)は、当該温度サイクル数(縦軸)と対数濃度比(横軸)を示したグラフである。
この図4の結果と、上記した図3の結果を比較すると、本検出方法を行った図3の方が、リアルタイムPCR法を行った図4に比べて、被験試料として同濃度のスタンダードプラスミド(プラスミドベクター)を用いた場合のCtが少なくて済む、すなわち、同濃度のターゲット遺伝子を対象試料とした場合の、蛍光閾値に達するまでの時間が本検出方法の方が短く、特に、大量の被験試料の処理を行う場合の処理効率を向上させることが可能であることが明らかとなった。また、本出願時において、本検出方法に要するコストは、リアルタイムPCR法による検出のコストよりも明らかに安価であることから、現実のターゲット遺伝子の検出作業の現場において、本検出方法の現実的な寄与は非常に大きいと考えられる。
このように、本検出方法は、リアルタイムPCR法による検出と同等の感度を、細菌の核酸検出において行うことが可能であり、かつ、作業効率とコストの点で、リアルタイムPCR法による検出よりも優れていることが明らかになった。
以下、検討項目(2)〜(6)における結果を開示する。これらの検討項目において、本検出方法を行うに際して用いたDNAポリメラーゼは、全て、上記のAmpliTaq Stoffel fragmentである。
(2)反応時間についての検討
本検出方法の温度サイクルにおける95℃(高温部)の保持時間を、1、10、15秒;63℃の保持時間を、30秒、60秒、120秒;としてそれぞれの条件で検出を行い、その結果を考
察した。その結果、95℃については、保持時間によって検出に差異は認められず、63℃については、60秒、120秒には差は認められなかったが、30秒では検出感度が低下した。以上の結果から、同一反応にかかる時間は可能な限り短いことが効率的であることを考慮すると、本発明ではDNAポリメラーゼにAmpli Taq stoffel fragmentを使用し、反応時間の最小単位を1秒とすると、温度サイクルを、95℃・1秒、63℃・60秒で行うと好適であることが明らかになった。
(3)マグネシウムイオン濃度についての検討
本検出方法は、Invader反応が、PCR反応と交互に進行することを特徴とするものであるので、反応溶液に一定濃度のマグネシウムイオンを共存させることが必要となる。
本試験では、このマグネシウムイオンが、PCR反応におけるDNAポリメラーゼ等の働きを阻害する可能性も認められるので、本検出方法において至適なマグネシウムイオンの濃度を検証した。
具体的には、上記(1)の本検出方法において、マグネシウムイオンの濃度(Mg濃度)を、0/0.0153/0.153/3.835/7.65/15.3/30.6/61.2mM(「/」は数字の区切り)として、それぞれの条件にて測定を行った。その結果、0.153〜15.3mMで最も反応効率が高く、0mM,、0.153mM及び30.6mMではわずかに低下し、61.2mMでは大きく低下することが明らかになった。
(4)本検出方法においてInvader反応が進行していることについての確認
本検出方法においてInvader反応が、確かに内包されて進行していることを確認するために、上記(1)の本検出方法において、Invader反応の進行に不可欠な三重鎖切断酵素(エンドヌクレアーゼ)であるCleavaseXI(上述)を、反応系に加えずに反応の進行を試みたところ、所望する反応は全く進行しなかった。よって、確かに、本検出方法においてInvader反応が進行していることが認められた。
(5)相関性試験
次に、相関性試験として、歯周ポケットのプラークを採用したペーパーポイント懸濁液および唾液から抽出したDNA溶液35例を、上記した要領にてリアルタイムPCR法および本検出方法で検出した。その結果、陽性35例における両法の相関係数は2r=0.953と良好であった。さらにリアルタイムPCR法で3.9×10の3乗コピー/2μlおよび4.5×10の5乗コピー/2μlとなった唾液DNA溶液を用いて、同時・日差再現性試験を行った。同時再現性試験はn=5、日差再現性試験はn=3で3回行った。この結果、C.V. (%)は0.6〜2.5%となり、高い再現性を示した。以上の結果から、本発明はリアルタイムPCR法と同等の検出感度、再現性をもつ検出法であることが明らかになった。
(6)PCR反応とInvader反応が交互に進行することの有用性の検討
本検出方法において、PCR反応とInvader反応が交互に進行することの有用性を検討するために、上記(1)の試験系において、まずは、PCR反応のみを先行して行い、検出対象となる鋳型ヌクレオチド鎖を遺伝子増幅産物として得て、その後、インベーダー・アッセイ法のみを行う比較例を実施した。
具体的には、2×Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステムズ)5.0μl、センスプライマー(20pmol/μl) 1.0μl、アンチセンスプライマー(20pmol/μl) 1.0μl、D.W. 1.0μlに、被験サンプルを2.0μl加えたものを2セット用意し、50℃・2分、95℃・10分の2step PCRを、1セットは15サイクル、他の一方は27サイクル行った。その後、PCRによる遺伝子増幅産物を100倍希釈し、内5μlを、Cleavase XI FRET mix、Cleavase XI Enzyme、MgCl2 solution、Invader oligo、Primary probe、10mM MOPS bufferおよびD.W.を混合したInvader反応試薬に加えた。
Invader反応は、65℃で4時間反応させ、2分ごとに蛍光値を測定した。得られた定量範囲は、PCR15サイクルで10000〜10000000コピー、PCR27サイクルで10〜10000コピーであった。
これにより、本検出方法のように、PCR反応とInvader反応を交互に進行させると、これらの検出を分けて行う場合に比べて、格段に反応感度と反応効率が向上することが認められた。
インベーダー・アッセイ法の原理を説明した解説図である。 用いる耐熱性ポリメラーゼの相違による、本検出方法の評価を行った結果を示した図面である。 本検出方法を用いた場合の、被験サンプルの希釈倍率毎に、蛍光強度の閾値まで達する温度サイクル数を求めた結果を示した図面である。 本検出方法を用いた場合の、蛍光強度の閾値まで達する温度サイクル数と対数濃度比を示す図面である。 リアルタイムPCR法を用いた場合の、被験サンプルの希釈倍率毎に、蛍光強度の閾値まで達する時間を求めた結果を示した図面である。 リアルタイムPCR法を用いた場合の、蛍光強度の閾値まで達する温度サイクル数と対数濃度比を示す図面である。

Claims (4)

  1. 下記の(1)〜(7):
    (1)検出対象となるターゲット塩基を有する鋳型ヌクレオチド鎖;
    (2)鋳型ヌクレオチド鎖(1)の当該ターゲット塩基と近接する塩基と相補的な塩基を有し、当該相補的近接塩基から鋳型ヌクレオチド鎖(1)の3’側に向かってハイブリダイズ可能な、第1の相補鎖であって、当該第1の相補鎖は、鋳型ヌクレオチド鎖におけるターゲット塩基(当該塩基を含まない)から3’側に向かって少なくとも9塩基分の塩基配列からなるヌクレオチド鎖(相補的両塩基配列を含む)に対して相補的なヌクレオチド鎖を、鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基と近接する塩基と相補的な塩基と連続して有し、かつ、当該第1の相補鎖の総塩基数が10〜50塩基である;
    (3)上記ターゲット塩基に対して相補的な塩基を有し、当該相補的塩基から鋳型ヌクレオチド鎖の5’側に向かってハイブリダイズ可能であり、3’側に向かってはハイブリダイズできない、第2の相補鎖であって、当該第2の相補鎖の鋳型ヌクレオチド鎖(1)とハイブリダイズさせる部分の配列が、鋳型ヌクレオチド鎖(1)におけるターゲット塩基(当該塩基を含む)から5’側に向かって少なくとも10塩基分の塩基配列からなるヌクレオチド鎖(相補的両塩基配列を含む)に対して相補的なヌクレオチド鎖であり、かつ、当該第2の相補鎖のハイブリダイズ部分の総塩基数が10〜30塩基である;
    (4)(1)〜(3)のヌクレオチド鎖をハイブリダイズさせて、上記の鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基部分に部分的三重鎖構造を形成させた場合に、当該三重鎖構造を形成した第2の相補鎖(3)の3’側を特異的に切断するエンドヌクレアーゼ;
    (5)鋳型ヌクレオチド鎖(1)を、第1の相補鎖(2)と第2の相補鎖(3)の双方にハイブリダイズ可能な領域を含んでPCR法により増幅させることが可能な、それぞれの総塩基数が15〜30塩基であるフォワードプライマーとリバースプライマーの組(第3の相補鎖);
    (6)Thermus属に属する微生物由来の耐熱性ポリメラーゼ;
    (7)DNA構成塩基;
    を、マグネシウムイオン濃度が0.1〜16mMの緩衝液中にて共存させて、56〜65℃の低温と90〜98℃の高温を交互に繰り返し、この過程により得られる、上記のエンドヌクレアーゼ(4)の作用により遊離した第2の相補鎖(3)のハイブリダイズしない側のヌクレオチド鎖を検出することにより、鋳型ヌクレオチド鎖(1)のターゲット塩基を検出することを特徴とする、核酸の検出方法。
  2. 上記検出方法において、Thermus属に属する微生物由来の耐熱性ポリメラーゼが、Thermus aquaticus 由来の耐熱性DNAポリメラーゼであることを特徴とする、請求項1に記載の核酸の検出方法。
  3. 上記検出方法において、遊離した、第2の相補鎖(3)のハイブリダイズしない側のヌクレオチド鎖(A)の検出を、当該ヌクレオチド鎖(A)、及び、加水分解プローブを共存させて、当該加水分解プローブが当該ヌクレオチド鎖(A)とハイブリダイズして加水分解する際に認められるシグナルを指標にして行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の核酸の検出方法。
  4. 上記検出方法において、加水分解プローブが、下記のプローブ(B):
    (B):1本のヌクレオチド鎖が3’末端と5’末端を両端として、折れ曲がってハイブリダイズしてなり、かつ、3’末端側のヌクレオチド鎖の一部が一本鎖として突出してなる構造であり、(a)3’末端側の突出部分が、上記の遊離のヌクレオチド鎖とハイブリダイズ可能であり、かつ、当該突出部分の最も5’側の塩基に隣り合うさらに5’側の一塩基がターゲット塩基(B1)であり、(b)5’末端の近傍に蛍光色素(B2)が標識され、当該蛍光色素の3’側近傍に蛍光消光物質(B3)が標識されてなる、プローブ;
    であり、プローブ(B)の3’末端側の突出部分の一部又は全部と、ヌクレオチド鎖(A)とを、ヌクレオチド鎖(A)の3’末端のターゲット塩基に対して相補的な塩基(A1)とターゲット塩基(B1)を含めてハイブリダイズさせ、当該相補的塩基(A1)、ターゲット塩基(B1)及びプローブ(B)の5’末端近傍の塩基、からなる部分的三重鎖構造を形成させて、当該三重鎖構造の3’側を特異的に切断するエンドヌクレアーゼの作用により、プローブ(B)の5’末端を、当該末端部分に標識した蛍光色素(B2)と共に、プローブ(B)から遊離させることにより、蛍光消光物質(B3)の消光作用から開放された蛍光色素(B2)の蛍光強度を指標として行うことを特徴とする、請求項3に記載の核酸の検出方法。
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