JP2015128399A - Cyp3a5の検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記多型の検出方法としては、様々な種類の解析方法が考案されてきた。これらには、PCR−SSCP(single−strand conformation polymorphism)法、インベーダー法、TaqMan法、一塩基伸長法、PCR−RFLP法等の解析方法がある。これらの解析方法は、単一の一塩基多型を複数の患者において解析する際には有用であるが、検出に要する時間が長くなるといった問題を抱えている。臨床応用を踏まえて単純な検出系でこのような一塩基多型解析を行うためには、多数の試料を迅速かつ簡便に検出可能な一塩基多型解析方法の考案が必要である。
試料中のCYP3A5の遺伝多型を検出する方法であって、以下の(A)に示す工程により試料中のCYP3A5*3を検出する手段を含むことを特徴とする、CYP3A5*3の検出方法。
(A)
(1)配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットを用意する工程。
(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
(2)被検核酸および核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程。
(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。
(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程。
[2]
前記[1]に記載のCYP3A5*3の検出方法において、工程(A)に記載の核酸プローブが、配列番号4に示される核酸配列からなる核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。
[3]
前記[1]または[2]に記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸プローブが末端のシトシンのうち少なくとも一つが蛍光色素で標識されている核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。
[4]
前記[1]〜[3]のいずれかに記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸増幅を、α型DNAポリメラーゼ、および、α型DNAポリメラーゼを変異させた変異型、のうち1つ以上を含む系で行う、CYP3A5*3の検出方法。
[5]
配列番号2で示される塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号3で示される塩基配列からなるリバースプライマーとからなる、プライマーセット。
[6]
配列番号4で示される塩基配列からなる、CYP3A5*3を検出するためのプローブ。
[7]
前記[5]に示されるプライマーセットと、前記[6]に示されるプローブとを組み合わせてなる、CYP3A5*3検出用のプライマー・プローブのセット。
[8]
前記[5]〜[7]のいずれかに記載のプライマーセット、プローブ、または、プライマーセットとプローブとのセットを含む、CYP3A5*3検出キット。
(1)後述の核酸プライマーセットを用意する工程、
(2)被検核酸および前記核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程、
(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程、および、
(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程、
を含む。
本発明のCYP3A5*3検出方法で用いる、前記(1)に記載のプライマーセットとしては、配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットが例示される。
(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
本発明のCYP3A5*3検出方法において、被検核酸を含みうる試料は特に制限されない。例えば、血液、口腔粘膜擦過物などが挙げられる。試料の採取方法、DNAやRNA等の核酸の調製方法等は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。血液の場合、pH7.5以上の溶液に1〜10%程度に希釈することで本発明の検出法に供することが可能である。
続いて、試薬に混合されたゲノムDNAを鋳型として、上述のプライマーセットを用いて、PCR等の核酸増幅法によって、検出目的の塩基部位を含む配列を増幅させる。なお、PCR等の条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行うことができる。
増幅された領域に対し多型領域を含む相補的な配列を有する蛍光標識オリゴヌクレオチドをプローブとして用いることによって、多型部位の塩基に応じた融解曲線解析で特徴的な波形を得ることが可能である。本方法によって*3アレルに関する一塩基多型を簡便かつ信頼性高く検出することができる。
好ましい検出可能な標識は蛍光標識である。本明細書において用いる場合,“蛍光標識”とは,特定の波長(励起周波数)の光を吸収し,次により長い波長(放射周波数)の光を放出する分子を表す。本明細書において用いる場合,“ドナー蛍光団”との用語は,消光剤成分と近接している場合に,放出エネルギーを消光剤に供与ないし移動させる蛍光団を意味する。消光剤成分にエネルギーを供与した結果,ドナー蛍光団それ自体は,近接して配置された消光剤成分が存在しない場合よりも少ない特定の放出周波数の光を放出する。
検出方法としては、具体例として、単独でシグナルを示し且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識化プローブ(例えば、グアニン消光プローブ)を使用した場合、一本鎖DNAとプローブとが解離している状態では蛍光を発しているが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、前記蛍光が減少(または消光)する。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。他方、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識化プローブを使用した場合、一本鎖DNAとプローブとが解離している状態では蛍光を発していないが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光を発するようになる。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
本発明はまた、上記で説明したCYP3A5*3を検出するための方法において用いるプライマーセット、プローブ、または、該プライマーセットと該プローブとを組合せたセットに関する。
[DNA合成活性]
本発明において、DNA合成活性とは鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基にデオキシリボヌクレオシド5’−トリホスフェートのα−ホスフェートを共有結合せしめることにより、デオキシリボ核酸にデオキシリボヌクレオシド5’−モノホスフェートを鋳型依存的に導入する反応を触媒する活性をいう。
A: 40mM Tris−HCl(pH7.5)
16mM 塩化マグネシウム
15mM ジチオスレイトール
100μg/ml BSA
B: 2μg/μl 活性化仔牛胸腺DNA
C: 1.5mM dNTP(250cpm/pmol〔3H〕dTTP)
D: 20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)
E: 1μg/μl キャリアーDNA
本発明において、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性とは、DNAの3’末端領域を切除し、5’−モノヌクレオチドを遊離する活性をいう。
その活性測定法は以下のとおりである。50μlの反応液(120mM Tris−HCl(pH8.8 at 25℃), 10mM KCl, 6mM 硫酸アンモニウム,1mM MgCl2, 0.1% Triton X−100, 0.001% BSA,5 μg トリチウムラベルされた大腸菌DNA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに分注し、DNAポリメラーゼを加える。75℃で10分間反応させた後、氷冷によって反応を停止し、次にキャリアーとして、0.1%のBSAを50μl加え、さらに10%のトリクロロ酢酸、2%ピロリン酸ナトリウム溶液を100μl加え混合する。氷上で15分放置した後、12,000回転で10分間遠心し沈殿を分離する。上清100μlの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカード社製)で計測し、酸可溶性画分に遊離したヌクレオチド量を測定する。
[CYP3A5を増幅するオリゴヌクレオチドの合成]
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2,3、4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、4と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。
オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ4はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。
PCR法による増幅反応
ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。
KODplus DNAポリメラーゼ 0.5U
オリゴ2 2pmol、
オリゴ3 25 pmol、
オリゴ4(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、
×10緩衝液 1μl、
2mM dNTP 1μl、
25mM MgSO4 2μl、
DNA溶液 100ng
94℃・30秒、
97℃・1秒、
58℃・3秒、
63℃・5秒(50サイクル)
40℃・30秒
40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒
融解温度解析の結果、−dF(蛍光強度変化量)/dT(温度変化量)の最も大きな値を示す温度(Tm)は、57℃および61℃付近を示し、その時の蛍光強度変化量は下記の通りであった。結果を表1、図1および図2に示す。
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2、3、5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、5と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。
オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ5はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。
PCR法による増幅反応
ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。
KODplus DNAポリメラーゼ 0.5U
オリゴ2 25pmol、
オリゴ3 2 pmol、
オリゴ5(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、
×10緩衝液 1μl、
2mM dNTP 1μl、
25mM MgSO4 2μl、
DNA溶液 100ng
94℃・30秒、
97℃・1秒、
58℃・3秒、
63℃・5秒(50サイクル)
40℃・30秒
40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒
[CYP3A5を検出するオリゴヌクレオチドの合成]
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2、3、6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、6と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。
オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ6はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。
PCR法による増幅反応
ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。
KODplus DNAポリメラーゼ 0.5U
オリゴ2 2pmol、
オリゴ3 25 pmol、
オリゴ6(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、
×10緩衝液 1μl、
2mM dNTP 1μl、
25mM MgSO4 2μl、
DNA溶液 100ng
94℃・30秒、
97℃・1秒、
58℃・3秒、
63℃・5秒(50サイクル)
40℃・30秒
40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒
[CYP3A5*3の検出]
PCR法による増幅反応
ヒト血液をpH8.5の緩衝液を用いて50倍に希釈した試料液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。
KODplus DNAポリメラーゼ 0.5U
オリゴ2 2pmol、
オリゴ3 25 pmol、
オリゴ4(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、
×10緩衝液 1μl、
2mM dNTP 1μl、
25mM MgSO4 2μl、
ヒト血液50倍希釈試料液 2μL
94℃・30秒、
97℃・1秒、
58℃・3秒、
63℃・5秒(50サイクル)
40℃・30秒
40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒
融解温度解析の結果、−dF(蛍光強度変化量)/dT(温度変化量)の最も大きな値を示す温度(Tm)は、57℃および61℃付近を示し、その時の蛍光強度変化量は下記の通りであった。
ヒト血液希釈液からも検出は可能であった。
Claims (8)
- 試料中のCYP3A5の遺伝多型を検出する方法であって、以下の(A)に示す工程により試料中のCYP3A5*3を検出する手段を含むことを特徴とする、CYP3A5*3の検出方法。
(A)
(1)配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットを用意する工程。
(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。
(2)被検核酸および核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程。
(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。
(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程。 - 請求項1に記載のCYP3A5*3の検出方法において、工程(A)に記載の核酸プローブが、配列番号4に示される核酸配列からなる核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。
- 請求項1または2に記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸プローブが末端のシトシンのうち少なくとも一つが蛍光色素で標識されている核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸増幅を、α型DNAポリメラーゼ、および、α型DNAポリメラーゼを変異させた変異型、のうち1つ以上を含む系で行う、CYP3A5*3の検出方法。
- 配列番号2で示される塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号3で示される塩基配列からなるリバースプライマーとからなる、プライマーセット。
- 配列番号4で示される塩基配列からなる、CYP3A5*3を検出するためのプローブ。
- 請求項5に示されるプライマーセットと、請求項6に示されるプローブとを組み合わせてなる、CYP3A5*3検出用のプライマー・プローブのセット。
- 請求項5〜7のいずれかに記載のプライマーセット、プローブ、または、プライマーセットとプローブとのセットを含む、CYP3A5*3検出キット。
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