JP7478734B2 - カンジダ・アウリス(candida auris)の検出のための組成物および方法 - Google Patents

カンジダ・アウリス(candida auris)の検出のための組成物および方法 Download PDF

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Description

本開示は、分子診断の分野に関し、より詳しくは、カンジダ・アウリス(Candida Auris)の検出に関する。
カンジダ・アウリス(C.アウリス、CA)は、深刻な世界的健康の脅威を呈する新興真菌である。C.アウリスは日本では2009年に最初に同定されたが、カンジダ株コレクションの遡及的検討により、C.アウリスの最も初期の既知の株は韓国では1996年のものであることが分かった。C.アウリスは2009年に認識されたばかりであるが、急速に出現し、米国を含む20を超える国から報告されている。いくつかの国の医療施設は、C.アウリスが入院患者に深刻な病気を引き起こしていると報告している。一部の患者では、この酵母が血流に入り、全身に広がり、重篤な侵襲性感染症を引き起こす可能性がある。
カンジダ・アウリスは、主にいくつかの理由で懸念される:1)しばしば多剤耐性であり、カンジダ感染症を治療するために一般的に使用される複数の抗真菌薬に耐性であることを意味する;2)標準的な研究室の方法で同定することは困難であり、特定の技術がなければ研究室で誤って同定される可能性がある。誤認は不適切な管理につながる可能性があり、3)医療現場でのアウトブレイクを引き起こしている。このため、医療施設がその拡散を止めるために特別な予防措置を講じることができるように、入院患者のC.アウリスを迅速に同定することが重要である。
C.アウリスの症例の約54%が血液から同定されている、症例の残りの46%は、尿、創傷、痰および胆汁を含むがこれらに限定されない他の身体部位で同定された。一部の臨床検査室は、通常、非無菌部位からの分離株の種を決定しないが、これは、これらの部位にカンジダが存在することは、感染ではなくコロニー形成を表す可能性があり、処置を必要としないからである。しかしながら、C.アウリスは、どの身体部位でも、C.アウリスが存在する場合には、より広いコロニー形成を示す可能性があり、伝播のリスクをもたらし、感染制御予防策の実施を必要とするため、非無菌の身体部位からでも同定することが重要である。
他のカンジダ感染症と同様に、C.アウリス感染症は、通常、血液または他の体液の培養によって診断される。しかしながら、C.アウリスは、他のより一般的なタイプのカンジダよりも培養物から同定するのが困難である。例えば、他の種類の酵母、特にカンジダ・ヘムロニイ(Candida haemulonii)と混同される場合がある。C.アウリスを同定するためには、特殊な臨床検査が必要である。
限られたデータは、カンジダ・アウリス感染の危険因子が一般に他のタイプのカンジダ感染の危険因子と類似していることを示唆している。これらの危険因子には、最近の手術、糖尿病、広域抗生物質および抗真菌剤の使用が含まれる。
長い間医療施設に入院している患者、体内に入るラインおよびチューブを有する患者(呼吸管、栄養管および中心静脈カテーテル等)、または抗生物質もしくは抗真菌薬を以前に受けたことがある患者は、C.アウリスによる感染のリスクが最も高いようである。感染は、早産児から高齢者までのすべての年齢の患者に見られている。C.アウリス感染の危険因子についてより多くを知るためには、更なる研究が必要である。
培養中のカンジダ・アウリスコロニーの外観および色は種の同定に役立つ可能性があるが、C.アウリスは他の方法を使用しなければ他のより一般的なカンジダ種と区別することができないので、C.アウリスの唯一の同定方法として使用することはできない。マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間(MALDI-TOF)に基づく診断装置は、C.アウリスを他のカンジダ種と区別することができるが、MALDI-TOF装置に含まれるすべての参照データベースが検出を可能にするわけではない。したがって、当技術分野では、C.アウリスを特異的に検出するためのより良好で完全な方法が必要とされている。
本開示の特定の実施形態は、生物学的または非生物学的試料中のカンジダ・アウリス(CA)の存在または非存在の迅速な検出、例えば、単一の試験管内でのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によるCAの多重検出のための方法に関する。実施形態は、増幅工程およびハイブリダイズ工程を含み得る少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含むCAの検出方法を含む。更に、実施形態は、単一チューブ内のCAの検出のために設計されたプライマー、プローブおよびキットを含む。検出方法は、最近傍のカンジダ・ヘムロニイおよびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を同定することができるカンジダ・アウリスゲノムの特定の遺伝子を標的とするように設計されている。
試料中のカンジダ・アウリス(CA)を検出する方法であって、試料中にCAが存在する場合、特定のCA遺伝子を標的として増幅産物を産生するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーのセットと試料とを接触させることを含む増幅工程を実施すること、標的CA遺伝子に対する1つ以上の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブと、増幅産物とを接触させることを含むハイブリダイズ工程を実施すること、および増幅産物の存在または非存在を検出することを含み、増幅産物の存在は試料中のCAの存在を示し、増幅産物の非存在は試料中のCAの非存在を示し、標的CA遺伝子は5.8s/ITS2 rRNA遺伝子である、方法を提供する。
一態様では、試料中のカンジダ・アウリス(CA)を検出する方法であって、試料中にCA核酸が存在する場合、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットと試料とを接触させて増幅産物を産生することを含む増幅工程を実施すること、増幅産物を1種以上の検出可能な5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブと接触させることを含むハイブリダイズ工程を実施すること、および増幅産物の存在または非存在を検出することを含み、増幅産物の存在が試料中のCAの存在を示し、増幅産物の非存在が試料中のCAの非存在を示し、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットが、配列番号1~3からなる群から選択される第1の核酸配列またはその相補体を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号5~6および8からなる群から選択される第2の核酸配列またはそれらの相補体を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと、を含み、1種以上の検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号9~11からなる群から選択される第3の核酸配列またはそれらの相補体を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ハイブリダイズ工程は、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター部分で標識された検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブと増幅産物とを接触させることを含み、検出工程は、プローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在または非存在を検出することを含み、蛍光の存在または非存在は、試料中のCAの存在または非存在を示す。いくつかの実施形態では、増幅工程およびハイブリダイズ工程が繰り返される。ここで、繰り返し回数は、例えば、試料の性質に依存する。試料が核酸の複雑な混合物である場合、検出に充分な標的配列を増幅するために、より多くの増幅およびハイブリダイズ工程が必要となる。いくつかの実施形態では、増幅およびハイブリダイズ工程は少なくとも約20回繰り返されるが、少なくとも25回、30回、40回、50回、60回または更には100回繰り返されてもよい。更に、増幅産物の存在または非存在の検出は、各増幅およびハイブリダイズ工程の間もしくは後に、1つおきの増幅およびハイブリダイズ工程の間もしくは後に、特定の増幅およびハイブリダイズ工程の間もしくは後に、または特定の増幅およびハイブリダイズ工程の間もしくは後に行うことができ、存在する場合、検出に十分な増幅産物が期待される。いくつかの実施形態では、増幅工程は、5’~3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる。いくつかの実施形態では、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター部分は、プローブ上で互いに8~20ヌクレオチド以内にある。いくつかの実施形態では、アクセプター部分はクエンチャーである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1~3、5~6、8、9~11から選択されるヌクレオチドの配列、またはそれらの相補体を含むかまたはそれらからなり、100個以下のヌクレオチド、50個以下のヌクレオチド、40個以下のヌクレオチドまたは30個以下のヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、第1および第2のCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーおよび検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNAプローブは、40個以下のヌクレオチド(例えば、35個以下のヌクレオチド、30個以下のヌクレオチドなど)を有する。いくつかの実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号2の核酸配列を含むかまたはそれからなり、第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号5の核酸配列を含むかまたはそれからなり、オリゴヌクレオチドプローブは、配列番号10の核酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態では、第1、第2および第3のオリゴヌクレオチドのいずれかは、40個以下のヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、第1、第2および第3のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。
別の実施形態では、本開示は、配列番号1~3、5~6、8、9~11のいずれかまたはその相補体と少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%または95%など)を有する核酸を含むオリゴヌクレオチドであって、100個以下のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを提供する。一般に、これらのオリゴヌクレオチドは、これらの実施形態では、プライマー核酸、プローブ核酸などであり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、非修飾ヌクレオチドと比較して核酸ハイブリダイゼーション安定性を変化させるために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。必要に応じて、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの標識および/または少なくとも1つのクエンチャー部分を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的に修飾された変異を含む。特定の核酸配列の「保存的に修飾された変異」または単に「保存的変異」とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す。当業者であれば、コードされた配列中の単一のアミノ酸または少量のアミノ酸(典型的には5%未満、より典型的には4%、2%または1%未満)を変更、付加または欠失させる個々の置換、欠失または付加は、修飾がアミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、または化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらす「保存的修飾変異」であることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、第1および第2の標的CA遺伝子プライマー、ならびに検出可能な標的CA遺伝子プローブの少なくとも1つは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、増幅(増幅工程)は、5’~3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いることができる。したがって、ドナー蛍光部分およびアクセプター部分、例えばクエンチャーは、プローブの長さに沿って互いに5~20ヌクレオチド(例えば、8または10)以内であり得る。別の態様では、検出可能なプローブは、二次構造の形成を可能にする核酸配列を含む。そのような二次構造の形成は、一般に、第1の蛍光部分と第2の蛍光部分との間の空間的近接をもたらす。該方法によれば、プローブ上の第2の蛍光部分はクエンチャーであり得る。
本開示は、個体由来の生物学的試料中のCAの存在または非存在を検出する方法を提供する。そのような方法は、一般に、増幅工程および色素結合工程を含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含む。典型的には、増幅工程は、標的CA遺伝子核酸分子が試料中に存在する場合、1つ以上の標的CA 遺伝子増幅産物を生成するために特定のCA遺伝子を標的とするように設計された複数のプライマー対と試料を接触させることを含み、色素結合工程は、標的CA遺伝子増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む。一実施形態では、標的CA遺伝子はCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子である。そのような方法はまた、増幅産物への二本鎖DNA結合色素の結合の存在または非存在を検出することを含み、結合の存在は試料中のCAの存在を示し、結合の非存在は試料中のCAの非存在を示す。代表的な二本鎖DNA結合色素は、臭化エチジウムである。更に、そのような方法はまた、標的CA遺伝子増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定することを含むことができ、融解温度はCAの存在または非存在を確認する。
更に別の態様では、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子を検出するためのキットが提供される。キットは、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子の増幅に特異的なプライマーの1つ以上のセットと、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子増幅産物の検出に特異的な1つ以上の検出可能なプローブとを含み得る。
特に、本発明による方法に関連して上に開示されるオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、本発明によるキットに含めるのに適している。本明細書では、配列番号1~3からなる群から選択される第1の核酸配列またはその相補体を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号5~6および8からなる群から選択される第2の核酸配列またはその相補体を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9~11からなる群から選択される第3の核酸配列またはその相補体を含む蛍光検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブであって、第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマーによって生成されたアンプリコンにハイブリダイズするように構成された、検出可能に標識されたプローブとを含む、カンジダ・アウリス(CA)の5.8s/ITS2 rRNA遺伝子を検出するためのキットが提供される。一態様では、キットは、ドナー部分および対応するアクセプター部分、例えば別の蛍光部分またはダーククエンチャーで既に標識されているプローブを含むことができ、またはプローブを標識するためのフルオロフォア部分を含むことができる。キットはまた、少なくとも1種の核酸ポリメラーゼの機能に必要なヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼおよび緩衝液を更に含むことができる。キットはまた、添付文書ならびにプライマー、プローブおよびフルオロフォア部分を使用して試料中のCAの存在または非存在を検出するための説明書を含むことができる。幾つかの実施形態では、第3の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター部分を含む。いくつかの実施形態では、アクセプター部分はクエンチャーである。いくつかの実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号2の核酸配列を含むかまたはそれからなり、第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号5の核酸配列を含むかまたはそれからなり、オリゴヌクレオチドプローブは、配列番号10の核酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態では、第1、第2および第3のオリゴヌクレオチドのいずれかは、40個以下のヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、第1、第2および第3のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。いくつか実施形態では、第1、第2および第3のオリゴヌクレオチドは、40個以下のヌクレオチドを有する。
別の態様では、上に開示される標的CA遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーのセットを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットは、配列番号1~3またはその相補体からなる群から選択される第1のオリゴヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなる第1のプライマーと、配列番号5~6および8またはその相補体からなる群から選択される第2のオリゴヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなる第2のプライマーとを含む。特定の実施形態では、組成物は、配列番号9~11またはその相補体からなる群から選択される第3のオリゴヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなる1つ以上の検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブを更に含む。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料が本主題の実施または試験で使用され得るが、好適な方法および材料が以下に記載される。加えて、材料、方法、および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾する場合は、定義をも含む本明細書が優先する。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に示されている。本発明の他の特徴、目的および利点は、図面および発明を実施するための形態、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、PCR反応当たり10万、1万および1,000ゲノム(ge/PCR)当量濃度のゲノムC.アウリスDNA鋳型の存在下、ならびに10万ge/PCRゲノムC.ヘムロニイ鋳型の存在下または鋳型DNAなし(NTC)で、AUR2アッセイ(表Vを参照)においてCA 5.8s/ITS2 rRNAプライマー(配列番号2および5)およびプローブ(配列番号10)から生成されたリアルタイムPCR実験のPCR増殖曲線を示す。TBBは、3’末端にtert-ブチル-ベンジル部分で修飾されたプライマーを指す。
核酸増幅によるCA感染の診断は、真菌感染を迅速かつ正確に検出する方法を提供する。試料中のCAを検出するためのリアルタイムアッセイを本明細書に記載する。CAを検出するためのプライマーおよびプローブが提供され、そのようなプライマーおよびプローブを含有する製造品またはキットも提供される。他の方法と比較してCAの検出のためのリアルタイムPCRの感度の増加、ならびに試料の封じ込めおよび増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの改善された特徴は、臨床検査室におけるCA感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施を実現可能にする。
本開示は、TaqMan(登録商標)増幅および検出の技術を用いてCAを特異的に同定するために、CAゲノムの特定の遺伝子座にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーおよび蛍光標識加水分解プローブを含む。CAの標的選択には、公開配列データベースの包括的検索、ならびに最近傍のカンジダ・ヘムロニイおよびサッカロミセス・セレビシエを同定することができるCA標的の文献検索が必要であった。公開配列データベースからの複数の標的を標的選択プロセスで分析したが、多くはC.ヘムロニイおよびS.セレビシエとの交差反応性を示した。更に、公開データベース内の配列は、マルチコピー標的からの「バルク」配列データによって複雑化される。分析の結果、選択した標的CA遺伝子はCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子(GenBankアクセッション番号AB375772)であった。
開示される方法は、1種以上のプライマー対を使用して試料からの核酸分子遺伝子標的の1種以上の部分を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含み得る。本明細書で使用される「プライマー(複数可)」は、CA中の標的遺伝子に特異的にアニーリングし、それぞれの増幅産物を産生する適切な条件下でそこからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。検討されるプライマーは各々、各増幅産物の少なくとも一部が標的に対応する核酸配列を含むように、それぞれの標的核酸分子内またはそれに隣接する標的にアニーリングする。標的CA遺伝子核酸の1つ以上が試料中に存在すれば、1つ以上の増幅産物が生成され、したがって1つ以上の標的CA遺伝子増幅産物の存在が試料中のCAの存在を示す。増幅産物は、標的CA遺伝子の1つ以上の検出可能なプローブに相補的な核酸配列を含まなければならない。本明細書で使用される「プローブ(複数可)」は、標的CA遺伝子をコードする核酸配列に特異的にアニーリングするオリゴヌクレオチドプローブを指す。各サイクリング工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程および検出工程を含み、試料を、試料中のCAの存在または非存在を検出するために1つ以上の検出可能なプローブと接触させる。
本明細書で使用される「増幅する」という用語は、鋳型核酸分子の一方または両方の鎖に相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子を増幅することは、典型的には、鋳型核酸を変性すること、プライマーの融解温度未満の温度でプライマーを鋳型核酸にアニーリングすること、および増幅産物を生成するためにプライマーから酵素的に伸長することを含む。増幅には、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)ならびにポリメラーゼ酵素(例えば、MgCl2および/またはKCl)の最適な活性のための適切な緩衝液および/または補因子の存在が必要である。
本明細書で使用される「プライマー」という用語は、当業者に知られており、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドだけでなく、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライミング」することができる修飾オリゴヌクレオチド、すなわち、例えばオリゴヌクレオチドの3’末端が遊離3’-OH基を提供し、それによってデオキシヌクレオシド三リン酸が使用され、それによってピロリン酸が放出される3’~5’ホスホジエステル結合を確立する鋳型依存性DNAポリメラーゼによって更に「ヌクレオチド」が結合され得ることを指す。したがって、おそらく意図された機能を除いて、「プライマー」、「オリゴヌクレオチド」、または「プローブ」の間に基本的な違いはない。
「ハイブリダイズする」という用語は、増幅産物への1つ以上のプローブのアニーリングを指す。ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、プローブの融解温度より低いが、プローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」という用語は、典型的には核酸鎖合成に関連し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去される核酸ポリメラーゼの活性を指す。
「熱安定性ポリメラーゼ」という用語は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を指し、該酵素は、鋳型に相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖鋳型核酸の変性をもたらすのに必要な時間にわたり高温に曝された場合、不可逆的には変性しない。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、鋳型鎖に沿って5’から3’方向へ進行する。熱安定性ポリメラーゼは、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus flavus)、T.ルーバー(T.ruber)、T.サーモフィルス(T.thermophilus)、T.アクアティカス(T.aquaticus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベンス(T.rubens)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、およびメタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)から単離される。それにもかかわらず、酵素が補充されるならば、熱安定性でないポリメラーゼをPCRアッセイに用いることもできる。
「その相補体」という用語は、所与の核酸と同じ長さであり、正確に相補的である核酸を指す。
核酸に関して使用される場合の「伸長」または「延長」という用語は、追加のヌクレオチド(または他の類似の分子)が核酸に組み込まれる場合を指す。例えば、核酸は、典型的には核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼなどの生体触媒を組み込むヌクレオチドによって必要に応じて伸長される。
2つ以上の核酸配列の状況における「同一」または「パーセント同一性」という用語は、例えば、当業者に利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを使用して、または目視検査によって測定された最大の一致について、比較またはアラインした場合、同一であるか、または同一のヌクレオチド特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列または部分配列を指す。パーセント配列同一性および配列類似性の決定に適した例示的なアルゴリズムは、BLASTプログラムであり、例えば、Altschul et al.(1990)「Basic local alignment search tool」J.Mol.Biol.215:403-410、Gish et al.(1993)「Identification of protein coding regions by database similarity search」Nature Genet.3:266-272、Madden et al.(1996)「Applications of network BLAST server」Meth.Enzymol.266:131-141、Altschul et al.(1997)「Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs」Nucleic Acids Res.25:3389-3402、およびZhang et al.(1997)「PowerBLAST:A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation」Genome Res.7:649-656に記載され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
オリゴヌクレオチドに関して「修飾ヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドに所望の特性を提供する異なるヌクレオチドによって置き換えられる変化を指す。本明細書中に記載されるオリゴヌクレオチドにおいて置換され得る例示的な修飾ヌクレオチドとしては、例えば、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-0-メチルリボーU、2’-0-メチルリボーC、N4-エチル-dC、N6-メチル-dAなどが挙げられる。オリゴヌクレオチド中で置換され得る多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書で言及されるか、または当技術分野で知られている。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチド置換は、対応する修飾されていないオリゴヌクレオチドの融解温度と比較して、該オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を修飾する。更に説明すると、特定の修飾ヌクレオチド置換は、いくつかの実施形態では、非特異的核酸増幅(例えば、プライマーダイマー形成などを最小限に抑える)を減少させ、意図する標的アンプリコンの収率を増加させることなどができる。これらのタイプの核酸修飾の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,001,611号に記載されている。
CAの検出
本開示は、例えばCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子核酸配列の一部を増幅することによってCAを検出する方法を提供する。該遺伝子の核酸配列は公的に入手可能である(例えば、GenBankアクセッション番号AB375772)。具体的には、特定のCA核酸分子標的を増幅および検出するためのプライマーおよびプローブが本開示の実施形態によって提供される。
CAの検出のために、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子を増幅するためのプライマーおよびプローブが提供される。本明細書に例示される核酸以外の核酸も、試料中のCAを検出するために使用することができる。例えば、機能的変異体は、日常的な方法を使用して当業者によって特異性および/または感度について評価され得る。代表的な機能的変異体は、例えば、本明細書に開示される標的CA遺伝子核酸における1つ以上の欠失、挿入および/または置換を含み得る。
より具体的には、オリゴヌクレオチドの実施形態はそれぞれ、配列番号1~12から選択される配列を有する核酸、配列番号1~12の1つと少なくとも、例えば80%、90%、もしくは95%の配列同一性を有するその実質的に同一の変異体、または配列番号1~12の相補体および変異体を含む。
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一実施形態では、CAを含有すると疑われる生物学的試料中のCAの検出を提供するために、上記のプライマーおよびプローブのセットが使用される。プライマーおよびプローブのセットは、配列番号1~12の核酸配列を含むか、またはそれからなるCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子の核酸配列に特異的なプライマーおよびプローブを含むか、またはそれからなり得る。別の実施形態では、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子のプライマーおよびプローブは、配列番号1~12のプライマーおよびプローブのいずれかの機能的に活性な変異体を含むか、またはそれからなる。
配列番号1~12のプライマーおよび/またはプローブのいずれかの機能的に活性な変異体は、開示される方法においてプライマーおよび/またはプローブを使用することによって同定され得る。配列番号1~12のいずれかのプライマーおよび/またはプローブの機能的に活性な変異体は、配列番号1~12のそれぞれの配列と比較して、記載の方法またはキットにおいて、類似するまたはより高い特異性および感度を提供するプライマーおよび/またはプローブに関する。
変異体は、例えば、配列番号1~12のそれぞれの配列の5’末端および/または3’末端における1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失または置換などの1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失または置換によって、配列番号1~12の配列から変化し得る。上に詳述したように、プライマー(および/またはプローブ)は化学的に修飾されていてもよく、すなわち、プライマーおよび/またはプローブは修飾ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド化合物を含んでいてもよい。したがって、プローブ(またはプライマー)は修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類縁体」)は、いくつかの修飾によって天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、依然として、塩基もしくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖もしくはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分もしくはリン酸様部分、またはそれらの組み合わせからなる。例えば、「ヌクレオチド」の塩基部分に「標識」を結合させて、「修飾ヌクレオチド」を得ることができる。「ヌクレオチド」中の天然塩基は、例えば7-デアザプリンで置き換えられてもよく、そのようにしても「修飾ヌクレオチド」が得られる。「修飾ヌクレオチド」または「ヌクレオチド類縁体」という用語は、本出願では互換的に使用される。「修飾ヌクレオシド」(または「ヌクレオシド類縁体」)は、「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類縁体」)について上に概説したように、何らかの修飾によって天然のヌクレオシドとは異なる。
標的CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子をコードする核酸分子を増幅する修飾オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類縁体を含むオリゴヌクレオチドは、例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights Inc.、コロラド州カスケード)などのコンピュータプログラムを使用して設計することができる。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴としては、検出(例えば、電気泳動によって)を容易にするための適切なサイズの増幅産物、一対のプライマーのメンバーに対する同様の融解温度、および各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性でアニーリングし、合成を開始するのに十分な長さである必要があるが、オリゴヌクレオチド合成中に忠実度が低下するほど長くはない)が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは8~50ヌクレオチド長(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48または50ヌクレオチド長)である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプライマーは、40ヌクレオチド長以下である。
プライマーのセットに加えて、本方法は、CAの存在または非存在を検出するために1つ以上のプローブを使用し得る。「プローブ」という用語は、合成的または生物学的に生成された核酸(DNAまたはRNA)を指し、これは、設計または選択により、規定される所定のストリンジェンシーの下で特異的に(すなわち、優先的に)「標的核酸」、この場合は標的CA遺伝子核酸にハイブリダイズすることを可能にする、特定のヌクレオチド配列を含む。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する「検出プローブ」と称され得る。
いくつかの実施形態では、記載されるCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブを、少なくとも1種の蛍光標識で標識することができる。一実施形態では、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブは、ドナー蛍光部分、例えば蛍光色素、および対応するアクセプター部分、例えばクエンチャーで標識することができる。一実施形態では、プローブは蛍光部分を含むか、またはそれからなり、核酸配列は配列番号9~12を含むか、またはそれからなる。
プローブとして使用されるオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様の方法で行うことができる。実施形態は、増幅産物の検出のために単一のプローブまたは一対のプローブを使用することができる。実施形態に応じて、使用するプローブ(複数可)は、少なくとも1種の標識および/または少なくとも1種のクエンチャー部分を含み得る。プライマーと同様に、プローブは通常同様の融解温度を有し、各プローブの長さは配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分でなければならないが、合成中に忠実度が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に15~40(例えば、16、18、20、21、22、23、24、または25)ヌクレオチド長である。
コンストラクトは、それぞれがCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーおよびプローブ核酸分子のうちの1つを含有するベクターを含むことができる。コンストラクトは、例えば、対照鋳型核酸分子として使用することができる。使用に適したベクターは、市販されている、および/または当技術分野で日常的な組換え核酸技術法によって製造される。CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子核酸分子は、例えば、化学合成、CAからの直接クローニング、またはPCR増幅によって得ることができる。
本方法での使用に適したコンストラクトは、典型的には、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子核酸分子(例えば、配列番号1~12の1つ以上の配列を含む核酸分子)に加えて、所望のコンストラクトおよび/または形質転換体を選択するための選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、ならびに複製起点を含む。ベクター系の選択は、通常、宿主細胞の選択、複製効率、選択性、誘導性および回収の容易さを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に依存する。
標的CA遺伝子核酸分子を含有するコンストラクトを、宿主細胞内で増殖させることができる。本明細書で使用される宿主細胞という用語は、原核生物および真核生物、例えば酵母、植物および動物細胞を含むことを意味する。原核生物宿主には、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)およびバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が含まれ得る。真核生物宿主としては、S.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.ポンベ(S.pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、COS細胞またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、ならびにアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)およびニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)などの植物細胞が挙げられる。コンストラクトを、当業者に一般的に知られている技術のいずれかを使用して宿主細胞に導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクションおよびウイルス媒介核酸移入は、核酸を宿主細胞に導入するための一般的な方法である。更に、ネイキッドDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号および同第5,589,466号)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、同第4,800,159号および同第4,965,188号には、従来のPCR技術が開示されている。PCRは、典型的には、選択された核酸鋳型(例えば、DNAまたはRNA)に結合する2種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。いくつかの実施形態では有用なプライマーは、記載される標的CA遺伝子核酸配列内の核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号1~7)を含む。プライマーは、従来の方法によって制限消化物から精製することができるか、または合成的に生成することができる。プライマーは増幅における最大効率には一本鎖が好ましいが、プライマーは二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、最初に変性される、すなわち、鎖を分離するために処理される。二本鎖核酸を変性させる1つの方法は、加熱によるものである。
鋳型核酸が二本鎖である場合、PCRで鋳型として使用することができるようにする前に、2本の鎖を分離することが必要である。鎖分離は、物理的、化学的、または酵素的手段を含む任意の好適な変性方法によって達成することができる。核酸鎖を分離する1つの方法は、核酸が優位に変性する(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、または95%を超える変性)まで加熱することを含む。鋳型核酸を変性させるのに必要な加熱条件は、例えば、緩衝塩濃度、ならびに変性される核酸の長さおよびヌクレオチド組成に依存するが、典型的には、温度および核酸長などの反応の特徴に応じて、約90℃~約105℃の範囲である。変性は、典型的には、約30秒間~4分間(例えば、1分~2分30秒、または1.5分)行われる。
二本鎖の鋳型核酸が熱により変性された場合、反応混合物を、記載される標的CA遺伝子核酸分子上のその標的配列に対する各プライマーのアニーリングを促進する温度まで冷却させる。アニーリングの温度は、通常、約35℃~約65℃、(例えば、約40℃~約60℃、約45℃~約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒~約1分(例えば、約20秒~約50秒、約30秒~約40秒)であり得る。次いで、ポリメラーゼの活性が促進または最適化される温度、すなわち、アニーリングされたプライマーから伸長が起こって、鋳型核酸に相補的な生成物を生成するのに充分な温度に、反応混合物を調節する。温度は、核酸鋳型にアニーリングされた各プライマーから伸長生成物を合成するのに充分でなくてはならないが、その相補的な鋳型から伸長生成物を変性させるほど高くすべきではない(例えば、伸長のための温度は、概して、約40℃~約80℃(例えば、約50℃~約70℃、約60℃)の範囲である)。伸長時間は、約10秒~約5分(例えば、約30秒~約4分、約1分~約3分、約1分30秒~約2分)であり得る。
PCRアッセイは、RNAまたはDNA(cDNA)などの核酸を用いることができる。鋳型核酸は精製される必要はなく、ヒト細胞に含まれる核酸などの複合混合物の微量画分であり得る。核酸分子は、Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and Applications(Persing et al.(eds),1993,American Society for Microbiology、ワシントンD.C.)に記載されているような常用の手法によって生物学的試料から抽出され得る。核酸は、プラスミドなどの任意の数の供給源、または細菌、酵母、原虫ウイルス、細胞小器官、または植物もしくは動物などの高等生物を含む天然供給源から得ることができる。
オリゴヌクレオチドプライマーを、プライマー伸長を誘導する反応条件下でPCR試薬と組み合わせる。例えば、鎖伸長反応には、一般に、50mM KCl、10mM Tris-HCl(pH 8.3)、15mM MgCl2、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5~1.0μgのプロトタイピングされた鋳型DNA、50pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼおよび10%DMSO)が含まれる。反応物は、通常、それぞれ150~320μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、またはそれらの1種以上の類縁体を含有する。
新規に合成された鎖は、反応の後続工程で使用できる二本鎖分子を形成する。標的核酸分子に対応する所望の量の増幅産物を生成するために、鎖分離、アニーリング、および伸長の工程を必要に応じて何度でも繰り返すことができる。反応の制限因子は、反応中に存在するプライマー、熱安定性酵素、およびヌクレオシドトリホスフェートの量である。サイクリング工程(すなわち、変性、アニーリング、および伸長)は、好ましくは少なくとも1回繰り返される。検出での使用では、サイクリング工程の数は、例えば、試料の性質に応じる。試料が核酸の複雑な混合物である場合、検出に充分な標的配列を増幅するために、より多くのサイクリング工程が必要となる。一般に、サイクリング工程は少なくとも約20回繰り返されるが、40、60、または100回繰り返してもよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同大5,849,489号、同第6,162,603号)は、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分が互いに一定の距離内に配置されると、可視化できるかまたは他の方法で検出および/または定量することができる、2つの蛍光部分間でエネルギー移動が起こるという概念に基づいている。典型的に、ドナーは好適な波長の光照射によって励起されると、アクセプターにエネルギーを移動させる。典型的に、アクセプターは移動されたエネルギーを異なる波長の光照射の形態で再発光する。特定の系では、非蛍光エネルギーは、実質的に非蛍光のドナー部分(例えば、米国特許第7,741,467号を参照)を含む生体分子を介して、ドナー部分とアクセプター部分との間で移動され得る。
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分と、蛍光性であってもなくてもよく、光以外の形態で移動されたエネルギーを散逸させる対応するクエンチャーとを含有することができる。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動は、典型的には、ドナー蛍光部分からの蛍光発光がアクセプター部分によってクエンチされるように、ドナー部分とアクセプター部分との間で起こる。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長工程中、増幅産物に結合したプローブは、ドナー蛍光部分の蛍光発光がもはやクエンチされないように、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断される。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、同第5,994,056号、および同第6,171,785号に記載されている。一般的に使用されるドナー-アクセプター対は、FAM-TAMRA対を包含する。一般的に使用されるクエンチャーは、DABCYLおよびTAMRAである。一般的に使用されるダーククエンチャーは、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ)、(Biosearch Technologies,Inc.、カリフォルニア州ノヴァト)、Iowa Black(商標)(Integrated DNA Tech.,Inc.、アイオワ州コーラルビル)、BlackBerry(商標)Quencher 650(BBQ-650)(Berry&Assoc、ミシガン州デクスタ)を包含する。
別の例では、それぞれが蛍光部分を含有する2つのオリゴヌクレオチドプローブは、標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブが適切な位置で増幅産物核酸にハイブリダイゼーションすると、FRETシグナルが生成される。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒間~約1分間、約35℃~約65℃の範囲であり得る。
蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(適切なダイクロイックミラーおよび特定の範囲の蛍光発光を監視するためのフィルタを備える)、光子計数光電子増倍管システム、または蛍光光度計を使用して行うことができる。エネルギー移動を開始するため、または蛍光体の直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、光ファイバー光源、または所望の範囲の励起のために適切にフィルタリングされた他の高強度光源を用いて行うことができる。
ドナー部分および対応するアクセプター部分「対応する」に関して本明細書で使用される場合、ドナー蛍光部分の発光スペクトルと重複する吸光度スペクトルを有するアクセプター蛍光部分またはダーククエンチャーを指す。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの波長最大値は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの波長最大値よりも少なくとも100nm大きくなければならない。したがって、それらの間で効率的な非照射エネルギー移動を行うことができる。
蛍光ドナー部分および対応するアクセプター部分は、一般に、(a)高効率Forsterエネルギー移動、(b)大きな最終ストークスシフト(>100nm)、(c)可能な限り可視スペクトルの赤色部分(>600nm)への発光のシフト;および(d)ドナー励起波長での励起によって生じるラマン水蛍光発光よりも高い波長への発光のシフトのために選択される。例えば、レーザー線付近のその最大励起波長(例えば、ヘリウム-カドミウム442nmまたはアルゴン488nm)、高い吸光係数、高い量子収率、およびその蛍光発光に対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルとの良好な重複を有するドナー蛍光部分を選択することができる。高い吸光係数、高い量子収率、ドナー蛍光部分の発光とのその励起の良好な重複、および可視スペクトルの赤色部分(>600nm)の発光を有する対応するアクセプター蛍光部分を選択することができる。
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分と共に使用することができる代表的なドナー蛍光部分としては、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B-フィコエリトリン、9-アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4-アセトアミド-4’-イソチオ-シアナトスチルベン-2、2’-ジスルホン酸、7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン、スクシンミル1-ピレンブチレート、および4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸誘導体が挙げられる。代表的なアクセプター蛍光部分としては、使用されるドナー蛍光部分に応じて、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、またはランタニドイオンの他のキレート(例えば、ユウロピウム、またはテルビウム)が挙げられる。ドナー蛍光部分およびアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(オレゴン州ジャンクションシティ)またはSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から得ることができる。
ドナー蛍光部分およびアクセプター蛍光部分を、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合することができる。リンカーアームはドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分との間の距離に影響を及ぼすので、各リンカーアームの長さは重要である。リンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までのオングストローム(Å)の距離であり得る。一般に、リンカーアームは約10Å~約25Åである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号に記載されている種類のものであってもよい。国際公開第84/03285号はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合させる方法、および蛍光部分をリンカーアームに結合させる方法も開示している。
LC Red 640などのアクセプター蛍光部分を、アミノリンカー(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)またはGlen Research(バージニア州スターリング)から入手可能なC6-アミノホスホラミダイト)を含有するオリゴヌクレオチドと組み合わせて、例えば、LC Red 640標識オリゴヌクレオチドを生成することができる。フルオレセインなどのドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドに結合させるためによく使用されるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えばGlen ResearchまたはChemGene(マサチューセッツ州アッシュランド)製のフルオレセイン-CPG)、アミド-リンカー(BioGenex(カリフォルニア州サンラモン)製のCX-フルオレセイン-CPGなどの、フルオレセイン-NHS-エステル由来)、またはオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン-NHS-エステルの結合を必要とする3’-アミノ-CPGが挙げられる。
CAの検出
本開示は、生物学的または非生物学的試料中のCAの存在または非存在を検出する方法を提供する。提供される方法は、試料汚染、偽陰性、および偽陽性の問題を回避する。上記方法は、1つ以上のプライマー対を使用して試料からの標的核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施すること、およびFRET検出工程を含む。複数のサイクリング工程は、好ましくはサーモサイクラーで行われる。上記方法を、CAの存在を検出するためにプライマーおよびプローブを使用して行うことができ、標的CA遺伝子の検出は、試料中のCAの存在を示す。
本明細書に記載されるように、増幅産物は、FRET技術を利用する標識ハイブリダイゼーションプローブを使用して検出することができる。1つのFRETフォーマットは、TaqMan(登録商標)技術を利用して、増幅産物の存在または非存在、したがってCAの存在または非存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、例えば、1種の蛍光色素および1種のクエンチャーで標識された1種の1本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用し、これは蛍光性であってもよく、そうなくてもよい。第1の蛍光部分が適切な波長の光で励起されると、吸収されたエネルギーは、FRETの原理に従って第2の蛍光部分またはダーククエンチャーに移動する。第2の蛍光部分は、一般的には、クエンチャー分子である。PCR反応のアニーリング工程中、標識されたハイブリダイゼーションプローブは、標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合し、その後の伸長段階中に、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、蛍光部分とクエンチャー部分とが互いに空間的に分離される。結果として、クエンチャーの非存在下において第1の蛍光部位を励起すると、第1の蛍光部位からの蛍光発光を検出することができる。例として、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems)は、TaqMan(登録商標)技術を使用し、試料中のCAの存在または非存在を検出するための本明細書に記載の方法を実施するのに適している。
FRETと組み合わせた分子ビーコンを使用して、リアルタイムPCR法を使用して増幅産物の存在を検出することもできる。分子ビーコン技術は、第1の蛍光部位および第2の蛍光部位で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第2の蛍光部位は一般的にはクエンチャーであり、蛍光標識は典型的にはプローブの各端部に配置される。分子ビーコン技術は、二次構造形成を可能にする配列(例えば、ヘアピン)を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内で二次構造が形成された結果、プローブが溶液中にある場合、両方の蛍光部位が空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造が破壊され、蛍光部分が互いに分離され、それにより、適切な波長の光による励起後、第1の蛍光部分の発光を検出することができる。
FRET技術の別の一般的な形式は、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブは、異なる蛍光部分で標識することができ、一般に、標的DNA分子(例えば、増幅産物)内で互いに近接してハイブリダイズするように設計される。ドナー蛍光部分、例えばフルオレセインは、LightCycler(登録商標)Instrumentの光源によって470nmで励起される。FRETの間、フルオレセインは、そのエネルギーをアクセプター蛍光部分、例えばLightCycler(登録商標)-Red 640(LC Red 640)or LightCycler(登録商標)-Red 705(LC Red 705)に移動する。次いで、アクセプター蛍光部分はより長い波長の光を放出し、これはLightCycler(登録商標)機器の光学検出システムによって検出される。効率的なFRETは、蛍光部位が直接局所的に近接しており、ドナー蛍光部位の発光スペクトルがアクセプター蛍光部位の吸収スペクトルと重なっている場合にのみ起こり得る。放出されたシグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例えば、CAゲノムの数)と相関させることができる。標的核酸の増幅が起こり、増幅産物が産生される場合、ハイブリダイズする工程は、プローブ対のメンバー間のFRETに基づく検出可能なシグナルをもたらす。
一般に、FRETの存在は試料中のCAの存在を示し、FRETの非存在は試料中のCAの非存在を示す。しかしながら、不十分な検体収集、輸送遅延、不適切な輸送条件、または特定の収集スワブ(アルギン酸カルシウムまたはアルミニウムシャフト)の使用はいずれも、試験結果の成功および/または精度に影響を及ぼし得る条件である。本明細書に開示される方法を使用すると、例えば45サイクリング工程内のFRETの検出はCA感染を示す。
本方法の実施に使用することができる代表的な生物学的試料としては、限定されないが、呼吸器検体、糞便検体、血液検体、皮膚スワブ、鼻スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚および軟部組織感染が挙げられる。生物学的試料の収集および保存方法は、当業者に知られている。生物学的試料を(例えば、当技術分野で知られている核酸抽出方法および/またはキットによって)処理してCA核酸を放出させることができ、またはいくつかの場合、生物学的試料をPCR反応成分および適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
融解曲線分析は、サイクルプロファイルに含めることができる追加の工程である。融解曲線分析は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離した温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度でDNAが融解するという事実に基づいている。DNAの融解温度は、主にそのヌクレオチド組成に依存する。したがって、GおよびCヌクレオチドが豊富なDNA分子は、AおよびTヌクレオチドが豊富なDNA分子よりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することにより、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが発生する温度を検出することにより、プローブのアニール温度を決定することができる。増幅産物からのプローブの融解温度(複数可)は、試料中のCAの有無を確認することができる。
各サーモサイクラーを運転している間に、対照試料も同様にサイクルすることができる。陽性対照試料は、例えば、対照プライマーおよび対照プローブを使用して、(記載された標的遺伝子の増幅産物以外の)標的核酸対照鋳型を増幅することができる。陽性対照試料はまた、例えば標的核酸分子を含むプラスミドコンストラクトを増幅することができる。そのようなプラスミド対照は、意図された標的の検出に使用されるのと同じプライマーおよびプローブを使用して、内部で(例えば、試料内で)または患者の試料と並んで実行される別々の試料で増幅することができる。そのような対照は、増幅、ハイブリダイゼーションおよび/またはFRET反応の成功または失敗の指標である。各サーモサイクラー実行はまた、例えば標的鋳型DNAを欠く陰性対照を含むことができる。陰性対照は汚染を測定することができる。これにより、システムおよび試薬が偽陽性シグナルを生じないことが保証される。したがって、対照反応は、例えば、プライマーが配列特異性によりアニールし、伸長を開始する能力、ならびにプローブが配列特異性によりハイブリダイズし、FRETが発生する能力を容易に決定することができる。
一実施形態では、本方法は、汚染を回避する工程を含む。例えば、ウラシル-DNAグリコシラーゼを利用する酵素的方法は、あるサーモサイクラー運転と次のサーモサイクラー運転との間の汚染を低減または排除するために、米国特許第5,035,996号、同第5,683,896号および同第5,945,313号に記載される。
FRET技術と組み合わせた従来のPCR法を使用して、この方法を実施することができる。一実施形態では、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術で使用されるリアルタイムPCRを記載している:国際公開第97/46707号、国際公開第97/46714号および国際公開第97/46712号。
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを使用して動作させることができ、Windows NTオペレーティングシステムを利用することができる。試料からのシグナルは、機械が光学ユニット上に毛細管を順次配置するときに得られる。ソフトウェアは、各測定の直後にリアルタイムで蛍光シグナルを表示することができる。蛍光取得時間は10~100ミリ秒(msec)である。各サイクリング工程の後、蛍光対サイクル数の定量的表示を、すべての試料について連続的に更新することができる。生成されたデータは、さらなる分析のために保存することができる。
FRETの代替として、蛍光DNA結合色素(例えば、SYBR(登録商標)GREENまたはSYBR(登録商標)GOLD(Molecular Probes))のような二本鎖DNA結合色素を用いて、増幅産物を検出することができる。二本鎖核酸との相互作用の際、このような蛍光DNA結合色素は、適当な波長の光で励起した後、蛍光シグナルを発する。また、核酸インターカレート色素などの二本鎖DNA結合色素を用いることもできる。二本鎖DNA結合色素を使用する場合、増幅産物の存在を確認するために、通常は融解曲線分析を行う。
本開示の実施形態は、1種以上の市販の機器の構成によって限定されないことが理解される。
製造品/キット
本開示の実施形態は、CAを検出するための製造品、組成物またはキットを更に提供する。製造品は、適切な包装材料と共に、標的CA遺伝子を検出するために使用されるプライマーおよびプローブを含むことができる。組成物は、標的CA遺伝子を増幅するために使用されるプライマーを含むことができる。特定の実施形態では、組成物はまた、標的CA遺伝子を検出するためのプローブを含むことができる。CAを検出するための代表的なプライマーおよびプローブは、標的核酸分子にハイブリダイズすることができる。更に、キットはまた、固体支持体、緩衝液、酵素およびDNA標準のような、DNA固定化、ハイブリダイゼーションおよび検出に必要な適切に包装された試薬および材料を含み得る。プライマーおよびプローブを設計する方法が本明細書に開示され、増幅して標的核酸分子にハイブリダイズするプライマーおよびプローブの代表的な例が提供される。
製造品はまた、プローブを標識するための1種以上の蛍光部分を含むことができ、あるいは、キットと共に供給されるプローブを標識することができる。例えば、製造品は、プローブを標識するためのドナーおよび/またはアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分の例を上に提供する。
製造品はまた、試料中のCAを検出するプライマーおよびプローブを使用するための説明書を有する添付文書または包装ラベルを含むことができる。製造品および組成物は、本明細書に開示される方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、または汚染を防止するための薬剤)を更に含み得る。そのような試薬は、本明細書に記載の市販の機器の1種に特異的であり得る。
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定しない以下の実施例において更に説明される。
以下の実施例、表および図は、主題の理解を助けるために提供されており、その主題の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の要旨から逸脱することなく、記載された手順に変更を加えることができることが理解される。
実施例1
CAの標的選択は、公開配列データベースの包括的検索、ならびに最近傍のカンジダ・ヘムロニイおよびサッカロミセス・セレビシエを同定する可能性のあるCA標的の文献検索の結果であった。公開配列データベースからの複数の標的を設計段階の標的選択プロセスで分析したが、すべてがC.ヘムロニイおよびS.セレビシエとの交差反応性を示した。公開データベース内の配列は、マルチコピー標的からの「バルク」配列データによって複雑化される。選択されたオリゴヌクレオチドのBLAST分析は、唯一の有意な交差反応性がカンジダ・ヘムロニイによるものであることを示した。
CAのリアルタイムPCR検出は、cobas(登録商標)4800システムまたはcobas(登録商標)6800/8800システムプラットフォーム(Roche Molecular Systems,Inc.、カリフォルニア州プレザントンの)のいずれかを使用して行った。増幅試薬の最終濃度を以下に示す:
Figure 0007478734000003
以下の表は、PCR増幅反応に使用される典型的な熱プロファイルを示す:
Figure 0007478734000004
Pre-PCRプログラムは、初期変性およびRNA鋳型の逆転写のための55°C、60°Cおよび65°Cでのインキュベーションを含んでいた。3種の温度でのインキュベーションは、より低い温度ではわずかにミスマッチした標的配列(生物の遺伝的変異体など)も転写されるが、より高い温度ではRNA二次構造の形成が抑制され、したがってより効率的な転写をもたらすという有利な効果を併せ持つ。PCRサイクリングを2つの測定に分け、いずれの測定も1段階の設定を適用する(アニーリングと伸長を組み合わせる)。55℃での最初の5サイクルは、わずかにミスマッチした標的配列を予備増幅することによって包括性の増加を可能にするが、第2の測定の45サイクルは、58℃のアニーリング/伸長温度を使用することによって特異性を高める。
CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子の増幅および検出を、上記の条件を用いて行った。PCR反応当たり10万、1万および1,000ゲノム(ge/PCR)当量の濃度で存在するゲノムCA DNAに対するいくつかの選択されたオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ、ならびに両方ともPCR反応当たり10万ゲノム(ge/PCR)当量の濃度で存在するゲノムカンジダ・アウリス(CA)およびカンジダ・ヘムロニイ(CH)を用いた実験の結果を、増幅反応のCt値(閾値サイクル)として以下に示す。
Figure 0007478734000005
CAに対する最良の感度およびCHに対する最良の排他性を示したアッセイは、AUR1、AUR2およびAUR5であったが、AUR4およびAUR6アッセイは、CHに対するいくらかの交差反応性を示した。AUR2アッセイ(すなわち、フォワードプライマー配列番号2、リバースプライマー配列番号5およびプローブ配列番号10)を、10万、1万および1,000ge/PCRの濃度で存在するゲノムCA DNA、および10万ge/PCRの濃度で存在するゲノムCH DNAで更に試験し、この実験のPCR増殖曲線を図1に示す。非修飾プライマー(AUR2)と3’末端にtert-ブチル-ベンジル部分で修飾されたプライマー(AUR2TBB)との間の増殖曲線に差は観察されなかった。修飾プライマーまたは非修飾プライマーを使用したCH鋳型(C.ヘムロニイ/C.ヘムロニイTBB)および鋳型なし対照(AUR2 NTC/AUR2TBB NTC)については、シグナルは検出されなかった。
前述の発明を明確化および理解するためにある程度詳細に説明してきたが、本開示を読むことにより、本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。例えば、上述したすべての技術および装置を、様々な組み合わせで使用することができる。本出願で引用されるすべての刊行物、特許、特許出願、および/または他の文献は、あたかも各個別の刊行物、特許、特許出願、および/または他の文献がすべての目的のために参照により組み込まれることが個別に示されているのと同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
略式の配列表
配列番号1:CAUR001フォワードプライマー TGAGCGTGATGTCTTCTCAC
配列番号2:CAUR003フォワードプライマー GAGCGTGATGTCTTCTCACC
配列番号3:CAUR005フォワードプライマー ACTGATTTGGATTTTAAAACTAACCCAA
配列番号4:CAUR007フォワードプライマー AACTAACCCAACGTTAAGTTCAAC
配列番号5:CAUR002リバースプライマー CCTGATTTGAGGCGACAACAA
配列番号6:CAUR004リバースプライマー CGTCTGCAAGTCATACTACGTA
配列番号7:CAUR006リバースプライマー CGATGATTCACGTCTGCAAGTC
配列番号8:CAUR008リバースプライマー CAACGCCACCGCGAA
配列番号9:CAUR101HQ6プローブ CTTCGCGGTGGCGTTGCATTCACA
配列番号10:CAUR103HQ6プローブ TTCGCGGTGGCGTTGCATTCACA
配列番号11:CAUR105HQ10プローブ ACAACGGATCTCTTGGTTCTCGCATCGATG
配列番号12:CAUR107HQ8プローブ CTCGCATCGATGAAGAACGCAGCGAAA

Claims (15)

  1. 試料中のカンジダ・アウリス(CA:Candida auris)を検出する方法であって、
    -CA 5.8s/ITS2 rRNA核酸が前記試料中に存在する場合、CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットと前記試料とを接触させて増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること、
    -1種以上の検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プローブと前記増幅産物とを接触させることを含むハイブリダイズ工程を実施すること、および
    -前記増幅産物の存在または非存在を検出することであって、前記増幅産物の存在が前記試料中のCAの存在を示し、前記増幅産物の非存在が前記試料中のCAの非存在を示す、検出すること、を含み、
    ここで、
    前記CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットが、配列番号1または配列番号2の第1の核酸配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号5第2の核酸配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーとを含み、かつ、
    前記1種以上の検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号9または配列番号10の第3の核酸配列またはその相補体を含む;あるいは、
    前記CA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子プライマーのセットが、配列番号3の第1の核酸配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号8の第2の核酸配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーとを含み、かつ、
    前記1種以上の検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号11の第3の核酸配列またはその相補体を含む;
    方法。
  2. 前記ハイブリダイズ工程が、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター部分で標識された検出可能なCA 5.8s/ITS2 rRNA遺伝子オリゴヌクレオチドプローブと前記増幅産物とを接触させることを含み、検出工程が、前記オリゴヌクレオチドプローブの前記ドナー蛍光部分と前記アクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在または非存在を検出することを含み、蛍光の前記存在または非存在が、前記試料中のCAの存在または非存在を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅工程が、5’~3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ドナー蛍光部分および前記対応するアクセプター部分が、前記プローブ上で互いに8~20ヌクレオチド以内にある、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記アクセプター部分がクエンチャーである、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーが配列番号2の核酸配列を含み、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーが配列番号5の核酸配列を含み、前記オリゴヌクレオチドプローブが配列番号10の核酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに前記第3のオリゴヌクレオチドプローブが40個以下のヌクレオチドを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに前記第3のオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つが、少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. カンジダ・アウリス(CA)の核酸を検出するためのキットであって、
    -配列番号1または配列番号2の第1の核酸配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマー、
    -配列番号5第2の核酸配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに
    -配列番号9または配列番号10の第3の核酸配列またはその相補体を含む蛍光検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブであって、前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーによって生成されたアンプリコンにハイブリダイズするように構成された、蛍光検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ;あるいは、
    -配列番号3の第1の核酸配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマー、
    -配列番号8の第2の核酸配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに
    -配列番号11の第3の核酸配列またはその相補体を含む蛍光検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブであって、前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーによって生成されたアンプリコンにハイブリダイズするように構成された、蛍光検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ;
    を含む、キット。
  10. 蛍光検出可能に標識された前記オリゴヌクレオチドプローブが、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター部分を含む、請求項9に記載のキット。
  11. 前記アクセプター部分がクエンチャーである、請求項10に記載のキット。
  12. ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、および核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液の少なくとも1つを更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のキット。
  13. 前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに前記第3のオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つが、少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む、請求項9~12のいずれか一項に記載のキット。
  14. 前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに前記第3のオリゴヌクレオチドプローブが40個以下のヌクレオチドを有する、請求項9~13のいずれか一項に記載のキット。
  15. 前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーが配列番号2の核酸配列を含み、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーが配列番号5の核酸配列を含み、前記オリゴヌクレオチドプローブが配列番号10の核酸配列を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載のキット。
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