JP6911190B2 - バベシア(Babesia)の検出のための組成物及び方法 - Google Patents

バベシア(Babesia)の検出のための組成物及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6911190B2
JP6911190B2 JP2020502464A JP2020502464A JP6911190B2 JP 6911190 B2 JP6911190 B2 JP 6911190B2 JP 2020502464 A JP2020502464 A JP 2020502464A JP 2020502464 A JP2020502464 A JP 2020502464A JP 6911190 B2 JP6911190 B2 JP 6911190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
nucleic acid
primers
complement
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020502464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020532292A (ja
Inventor
フィス,エレン・エイチ
サン,ジーンタオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2020532292A publication Critical patent/JP2020532292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6911190B2 publication Critical patent/JP6911190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6888Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms
    • C12Q1/6893Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms for protozoa
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/16Primer sets for multiplex assays

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本開示は、体外(in vitro)診断薬の技術分野に関する。この分野内で、本発明は、試料中に存在する可能性がある標的核酸の増幅及び検出に、そして特に、プライマーとプローブを使用する、バベシア属種の配列変異及び/又は個体突然変異を含んでなる標的核酸の増幅、検出、及び定量に関わる。さらに本発明は、バベシアの増幅及び検出のためのプライマー及びプローブを含有する反応混合物及びキットを提供する。
バベシア属(ナタリア属[Nuttallia]としても知られる)は、赤血球に感染してバベシア症(ピロプラズマ症としても知られる)を引き起こす原虫寄生体である。バベシアは、通常ダニ媒介性(及びダニ伝播性)であるが、輸血によって、又は妊娠若しくは分娩期の母体から幼児へも伝染される。
ほとんどのバベシア症の症例は非症候性であって、症状は、生じたとしても非特異的であって、風邪様の症状(即ち、発熱、悪寒、発汗、頭痛、筋肉痛、及び関節痛)、溶血性貧血、又は血小板減少症が含まれ得る。バベシア症は、特に、無脾症、弱体化した免疫系(例えば、癌、リンパ腫、又はAIDSによる)、肝疾患又は腎疾患のような併存疾患のある患者、又は50歳以上の患者で生命を脅かすものになる。そのような患者では、多臓器不全、播種性血管内凝固症候群、及び死亡さえ起こり得る(Vannier, et al., Infect. Dis. Clin. N. Am. 29:357-370 (2015))。バベシア寄生虫は、マラリア原虫と同様に、赤血球細胞において繁殖して、そこで十字形の封入体として見られて、溶血性貧血を引き起こす。史的な誤分類のために、バベシア症は、テキサス熱、赤水熱、ダニ熱、及びナンタケット熱としても知られてきた。バベシア症は、マラリア様の寄生虫疾患であって、哺乳動物の血液寄生虫疾患では二番目に多い疾患とみなされて、家畜と人間の健康に対して重大な影響がある。ヒトのバベシア症についてはこれまで稀であったが、米国の北東部及び中西部、並びに欧州の一部では新興疾患となっている。
バベシア属は、哺乳動物の血液寄生虫として見出されるものの中で(トリパノソーマに次いで)二番目に多いとみなされている。これまでに100種を超えるバベシア属種が同定されてきた。米国における輸血関連バベシア感染症例の大多数は、Babesia microti(バベシア・ミクロチ)種によるものであって、報告症例のほぼ2%は、Babesia duncani(バベシア・デュンカニ)によるものである。B. microti のダニ伝染が主に起きているのは、米国の北東部の七州(コネチカット、メイン、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューヨーク、及びロードアイランド)と北中西部の州(特に、ミネソタとウィスコンシン)である(Herwaldt, et al., Annals of Internal Medicine 155 (8):509-520 (2011) を参照のこと)。B. duncani は、米国の西海岸で流行している(Herwaldt, et al. (2011) を参照のこと)。2011年、米国では1,124症例のバベシア症が報告されて、そのうち10症例が輸血に関連していた(Center for Disease Control and Prevention: Morbidity and Mortality Weekly Report 61(27):501-515 (2012) を参照のこと)。1979〜2009に及ぶ30年間で報告された輸血関連バベシア症が162症例であったので、年次的に増加している(Herwaldt, et al. (2011) を参照のこと)。こういった統計には、輸血関連バベシア症の真の割合を有意に過小評価する可能性があるが、バベシアは、ごく普通に伝染される輸血関連感染症なのである(Leiby, Annals of Internal Medicine 155(8):556-557 (2011))。今のところ、米国では、血液ドナーをスクリーニングするためのバベシア検査は認可されてなくて、バベシアについての病原体低減技術は利用されていない。バベシア症感染の病歴は、血液ドナーとしての無期限延期の根拠であるが、多くのドナーは、自分がその病原体を保有していることに気づかない場合があって、非症候性の寄生虫血症を有して1年以上もの間感染力を持ち続けている場合もある。さらに、バベシア寄生虫は、血液製品において生存可能である。大多数の輸血関連症例は、赤血球製品(白血球除去又は照射済のユニットが含まれる)に関連していて、血小板輸血によるものはごく一部の症例である。米国の流行地域における献血の前向き試験では、バベシア陽性率は、0.38%であった(Moritz, et al., N. Engl. J. Med. 375(23): 2236-2245 (2016))。
これまでにFDA承認されたスクリーニング検査法が利用可能でないので、米国の血液供給品は、現行ではバベシアについてスクリーニングしていない。従って、臨床医は、その臨床症状が非特異的であるが故に、輸血関連バベシア症の診断を見過ごす場合があって、血液製品が全国的に流通するということは、バベシア罹患率が高い地域の外でも、そしてダニ媒介疾患がピークとなる夏月以外でもバベシア症が起こる可能性があることを意味している。
血液や他の組織及び/又は生体試料中のバベシアを検出するための方法(即ち、免疫学的方法)があるものの、これらの方法は感度が不足していて、血液中のバベシアの感染力を正確に予測することができない。さらに、そのような免疫学的方法では、バベシアが存在するが検出に十分なだけの抗体を誘発していない期間の間に感染を検出することができない。献血がスクリーニングされる他の感染症と同様に、被感染ユニットが禁止されて処分されるようにバベシアを検出するための高感度アッセイで献血をスクリーニングしなければならない。
分子診断薬の分野において、核酸の増幅及び検出は、きわめて重要である。そのような方法を利用して、ウイルスや細菌のようないくつもの微生物を検出することができる。最も著名で広く使用されている増幅技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。他の増幅技術には、リガーゼ連鎖反応、ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応、Gap−LCR、修復連鎖反応、3SR、NASBA、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、及びQβ−増幅が含まれる。PCRベースの分析の自動化システムでは、PCR法の間の産物増幅のリアルタイム検出を同一容器内で利用することが多い。そのような方法への鍵となるのは、レポーター基又は標識を担う修飾オリゴヌクレオチドの使用である。
このように、バベシアの感染率は、試料中のその検出への信頼し得る高感度アッセイも手段もないままに、米国内で劇的に増加している。バベシアを検出するための信頼し得る感度の手段が無いので、バベシア感染率の増加は、特に、献血供給品の安全性を脅かしている。故に、当該技術分野には、試料中のバベシアの存在を検出して定量するための迅速で信頼し得る、特異的で高感度の方法へのニーズがある。
本開示中のいくつかの態様は、生体又は非生体試料中のバベシアの存在又は非存在についての迅速な検出のための方法、例えば、単一の試験管又は容器中でのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるバベシアの多重検出及び定量に関する。態様には、少なくとも1回のサイクリング工程(これには、増幅工程とハイブリダイズ工程が含まれ得る)を実施することを含んでなる、バベシアの検出の方法が含まれる。さらに、態様には、単一の試験管又は容器におけるバベシアの検出用に設計される、プライマー、プローブ、及びキットが含まれる。
請求項に係る発明の1つの態様は、試料中のバベシアを検出する方法へ向けられて、該方法は、(a)該試料を1以上のプライマーのセットと接触させて、バベシアの標的核酸が該試料中に存在すれば増幅産物を産生することを含んでなる増幅工程を実施すること;(b)バベシアの標的核酸が該試料中に存在すれば、増幅産物を1以上のプローブと接触させることを含んでなるハイブリダイゼーション工程を実施すること;及び(c)増幅産物の存在又は非存在を検出すること(ここで増幅産物の存在は、該試料中のバベシアの存在を示唆し、そしてここで増幅産物の非存在は、該試料中のバベシアの非存在を示唆する)を含んでなり;そしてここで1以上のプライマーのセットは、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、及び配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そしてここで1以上のプローブは、配列番号2及び配列番号5からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含む。1つの態様において、バベシアは、B. microti(バベシア・ミクロティ)、B. divergens(バベシア・ディバージェンス)、B. duncani(バベシア・デュンカニ)、及び B. venatorum(バベシア・ベナトルム)からなる群のいずれか1以上のバベシア属種を含む。さらなる態様において、バベシア属種は、バベシア属種の B. microti からなる。1つの態様において、1以上のプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマーと、配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマーを含み;そしてここで1以上のプローブは、配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む。別の態様において、バベシア属種は、バベシア属種の B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のいずれか1以上からなる。関連した態様において、1以上のプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み、そしてここで1以上のプローブは、配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む。1つの態様において、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上の第二プライマーは、プライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む。別の態様において、プライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む。別の態様において、バベシア属種は、バベシア属種の B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のいずれか1以上からなる。関連した態様において、B. microti を検出する方法は、B. microti の増幅用のプライマーのセットと、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含み;そしてここで B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出する方法は、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットと、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へのハイブリダイゼーション用のプローブを含む。関連した態様において、(a)B. microti の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び(ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマーを含み;そして B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号2の核酸配列又はその相補体を含み;そして(b)B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び(ii)配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そして B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む。別の態様において、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーは、プライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む。関連した態様において、プライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む。別の態様において、試料は、全血、呼吸器検体、尿、便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、又は軟組織感染物のような生体試料である。関連した態様において、生体試料は、全血である。別の態様において、全血は、増幅工程に先立って核酸安定化溶液と接触させる。別の態様において、核酸安定化溶液は、グアニジニウム塩と緩衝液を含む。別の態様において、グアニジニウム塩は、塩化グアニジニウム(GuHCl)であって、ここで塩化グアニジニウムの濃度は、4.2Mのように、2M〜6Mの間である。別の態様において、緩衝液は、Tris(トリス)であって、ここでTrisの濃度は、50mMのように、20mM〜100mMの間である。別の態様において、核酸安定化溶液のpHは、7.5のように、6〜8の間である。別の態様において、核酸安定化溶液は、採血容器中にある。関連した態様において、採血容器は、真空チャンバ−を有する。別の態様において、ハイブリダイゼーション工程は、増幅産物を1以上のプローブと接触させる工程(ここで1以上のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識される)を含み;そして検出する工程は、1以上のプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分の間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで蛍光の存在又は非存在は、試料中のバベシアの存在又は非存在を示唆する。関連した態様において、ドナー蛍光部分は、HEX又はFAMである。別の態様において、アクセプター部分は、BlackHole QuencherTM−2(BHQ−2)のようなクエンチャーである。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの5〜20ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの7〜10ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの8ヌクレオチド以内、又は互いの10ヌクレオチド以内にある。
請求項に係る発明の別の態様は、全血である試料中のバベシアを検出する方法へ向けられ、該方法は:(a)該試料を1以上のプライマーのセットと接触させて、バベシアの標的核酸が該全血試料中に存在すれば増幅産物を産生することを含んでなる増幅工程を実施すること;(b)バベシアの標的核酸が該試料中に存在すれば、増幅産物を1以上のプローブと接触させることを含んでなるハイブリダイゼーション工程を実施すること;及び(c)増幅産物の存在又は非存在を検出すること(ここで増幅産物の存在は、該試料中のバベシアの存在を示唆し、そしてここで増幅産物の非存在は、該試料中のバベシアの非存在を示唆する)を含んでなり;そしてここで1以上のプライマーのセットは、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、及び配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そしてここで1以上のプローブは、配列番号2及び配列番号5からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含む。関連した態様において、全血は、採血容器中に採取される。別の態様において、採血容器は、真空チャンバーを有する。別の態様において、採血容器は、その内部に核酸安定化溶液を含有する。関連した態様において、核酸安定化溶液は、グアニジニウム塩と緩衝液を含む。関連した態様において、グアニジニウム塩は、塩化グアニジニウム(GuHCl)である。1つの態様において、GuHClは、4.2Mの濃度である。別の態様において、緩衝液は、Tris(トリス)である。別の態様において、Trisは、50mMの濃度である。1つの態様において、核酸安定化溶液は、7.5のpHである。別の態様において、バベシア属種は、B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum からなる群のいずれか1以上のバベシア属種を含む。別の態様において、B. microti を検出する方法は、B. microti の増幅用のプライマーのセットと、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含み;そしてここで B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出する方法は、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットと、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へのハイブリダイゼーション用のプローブを含む。別の態様において、(a)B. microti の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び(ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマーを含み;そして B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号2の核酸配列又はその相補体を含み;そして(b)B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び(ii)配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そして B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む。別の態様では、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーがプライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む。関連した態様において、プライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む。
請求項に係る発明の別の態様は、試料中に存在する可能性があるバベシアの核酸を検出するためのキットへ向けられ、該キットは、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチドモノマー、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、及び配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含んでなる1以上のプライマーのセット、及び配列番号2及び配列番号5からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプローブを含んでなる増幅試薬を含んでなる。別の態様において、バベシアは、B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum からなる群のいずれか1以上のバベシア属種を含む。別の態様において、該キットは、B. microti の増幅用のプライマーのセットと、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含み、そしてここで該キットは、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットと、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へのハイブリダイゼーション用のプローブを含む。別の態様において、(a)B. microti の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び(ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマーを含み;そして B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号2の核酸配列又はその相補体を含み;そして(b)B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び(ii)配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そして B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブは、配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む。別の態様において、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーは、プライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む。関連した態様において、プライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む。別の態様において、試料は、全血、呼吸器検体、尿、便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、又は軟組織感染物のような生体試料である。別の態様において、生体試料は、全血である。別の態様において、キットは、採血容器をさらに含む。別の態様において、採血容器は、真空チャンバ−を有する。別の態様において、採血容器は、その内部に核酸安定化溶液を含有する。別の態様において、核酸安定化溶液は、グアニジニウム塩と緩衝液を含む。別の態様において、グアニジニウム塩は、4.2Mの濃度の塩化グアニジニウム(GuHCl)である。別の態様において、緩衝液は、50mMの濃度のTrisである。別の態様において、核酸安定化溶液は、7.5のpHである。別の態様において、1以上のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分を含む。関連した態様において、ドナー部分は、HEX又はFAMである。別の態様において、アクセプター部分は、BlackHole QuencherTM−2(BHQ−2)のようなクエンチャーである。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの5〜20ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの7〜10ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの8ヌクレオチド以内、又は互いの10ヌクレオチド以内にある。
請求項に係る発明のなお別の態様は、試料中のバベシアの検出用の1以上のプライマーのセットと1以上のプローブへ向けられ、ここで1以上のプライマーのセットは、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、及び配列番号7より選択される群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そしてここで1以上のプローブは、配列番号2及び配列番号5からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含む。別の態様において、バベシア属は、B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum からなる群のいずれか1以上のバベシア属種を含む。別の態様において、B. microti を検出するための1以上のプライマーのセットと1以上のプローブは、B. microti の増幅用のプライマーのセットと、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含み;そしてここで、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するための1以上のプライマーのセットと1以上のプローブは、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットと、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へのハイブリダイゼーション用のプローブを含む。別の態様において、(a)B. microti の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び(ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマーを含み;そして B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるための1以上のプローブは、配列番号2の核酸配列又はその相補体を含み;そして(b)B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅用のプライマーのセットは、(i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び(ii)配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーを含み;そして B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅産物へハイブリダイズさせるための1以上のプローブは、配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む。別の態様において、配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーは、プライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む。別の態様において、プライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む。別の態様において、1以上のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分を含む。別の態様において、ドナー部分は、HEX又はFAMである。別の態様において、アクセプター部分は、BlackHole QuencherTM−2(BHQ−2)のようなクエンチャーである。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの5〜20ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの7〜10ヌクレオチド以内にある。別の態様において、ドナー蛍光部分とアクセプター部分は、互いの8又は10ヌクレオチド以内にある。
他の態様は、配列番号1〜配列番号7より選択されるヌクレオチドの配列又はその相補体を含んでなるか又はそれからなるオリゴヌクレオチドを提供し、このオリゴヌクレオチドは、100個以下のヌクレオチドを有する。別の態様において、本開示は、配列番号1〜配列番号5の1つに対して少なくとも70%の配列同一性(例、少なくとも75%、80%、85%、90%、又は95%、等)を有する核酸又はその相補体が含まれるオリゴヌクレオチドを提供し、このオリゴヌクレオチドは、100個以下のヌクレオチドを有する。一般に、これらのオリゴヌクレオチドは、上記の態様において、プライマー核酸、プローブ核酸、等であり得る。上記態様のいくつかにおいて、オリゴヌクレオチドは、40個以下のヌクレオチド(例、35個以下のヌクレオチド、30個以下のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド、等)を有する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、例えば、非修飾ヌクレオチドに比べて核酸ハイブリダイゼーション安定性を改変するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの標識を含んでもよくて、少なくとも1つのクエンチャー部分を含んでもよい。いくつかの態様において、このオリゴヌクレオチドには、少なくとも1つの保守的修飾変異が含まれる。ある特別な核酸配列の「保守的修飾変異」、又は簡潔には「保守的変異」は、同一又は本質的に同一なアミノ酸配列をコードする核酸、又は該核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、本質的に同一な配列を意味する。当業者には、コードされる配列中の単一ヌクレオチド又は数パーセント(典型的には5%未満、より典型的には、4%、2%又は1%未満)のヌクレオチドを改変する、付加する、又は欠失させる個々の置換、欠失、又は付加が、その改変により1個のアミノ酸の欠失、1個のアミノ酸の付加、又は化学的に類似したアミノ酸でのアミノ酸の置換をもたらす場合、「保守的修飾変異」であることがわかっている。
1つの側面において、増幅では、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を利用することができる。従って、ドナー蛍光部分とアクセプター部分(例、クエンチャー)は、プローブの長さに沿って互いの5〜20ヌクレオチド以内(例、7又は10ヌクレオチド以内)にあり得る。別の側面において、プローブには、二次構造形成を可能にする核酸配列が含まれる。そのような二次構造形成は、第一蛍光部分と第二蛍光部分の間に空間的近接をもたらす場合がある。この方法によれば、プローブ上の第二蛍光部分は、クエンチャーであり得る。
本開示はまた、個体由来の生体試料中のバベシア又はバベシア核酸の存在又は非存在を検出する方法を提供する。これらの方法を利用して、血液スクリーニングと診断検査での使用のために、血漿中のバベシア核酸の存在又は非存在を検出することができる。加えて、この同じ検査は、尿や他の試料タイプについて評価してバベシア核酸を検出及び/又は定量するために当該技術分野の経験者によって使用し得る。このような方法には、一般的に、少なくとも1回のサイクリング工程(これには、増幅工程と色素結合工程が含まれる)を実施することが含まれる。典型的には、増幅工程には、試料中に核酸分子が存在していれば、複数のオリゴヌクレオチドプライマー対と試料を接触させて1以上の増幅産物を産生することが含まれ、そして色素結合工程には、この増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることが含まれる。そのような方法には、二本鎖DNA結合色素の増幅産物中への結合の存在又は非存在について検出する工程も含まれ、ここで結合の存在は、試料中のバベシア核酸の存在を示唆して、そしてここで結合の非存在は、試料中のバベシア核酸の非存在を示唆する。代表的な二本鎖DNA結合色素は、臭化エチジウムである。他の核酸結合色素には、DAPI、Hoechst色素、PicoGreen(登録商標)、RiboGreen(登録商標)、OliGreen(登録商標)と、YO−YO(登録商標)及びSYBR(登録商標)Greenのようなシアニン色素が含まれる。加えて、そのような方法には、増幅産物と二本鎖DNA結合色素間の融点を決定する工程も含まれ得て、ここではその融点によって、バベシア核酸の存在又は非存在が確定される。
さらなる態様では、バベシアの1以上の核酸を検出及び/又は定量するためのキットが提供される。このキットには、標的遺伝子の増幅に特異的な1以上のプライマーセットと、増幅産物の検出に特異的な1以上の検出可能オリゴヌクレオチドプローブが含まれ得る。
1つの側面において、該キットには、ドナー部分及び対応するアクセプター部分(例、別の蛍光部分又はダーククエンチャー)ですでに標識されたプローブが含まれ得るか、又はプローブを標識するための発蛍光(fluorophoric)部分が含まれ得る。該キットには、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、及び核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液も含めることができる。該キットには、試料中のバベシア核酸の存在又は非存在について検出するためにプライマー、プローブ、及び発蛍光部分を使用することについての添付文書と使用説明書も含めることができる。
他に定義しなければ、本明細書において使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本発明の主題の実践又は検討では、本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を使用し得るが、好適な方法及び材料について、下記に記載する。加えて、その材料、方法、及び実施例は、説明用にすぎないので、限定的であることを企図しない。
本発明の1以上の態様の詳細について、付帯の図面と下記の記載において説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、この図面と詳細な説明より、そして特許請求項より明らかであろう。
図面1は、pEF113(B. microti)プラスミドDNA希釈物に対する B.microti 核酸検査(「395」)のリアルタイムPCR増幅曲線を示す(配列番号1と配列番号3の核酸配列を有するプライマーと配列番号2の核酸配列を有するプローブを使用する)。 図面2は、B.microti ゲノムDNA(ATCC 30221D)希釈物に対する B.microti 核酸検査(「395」)のリアルタイムPCR増幅曲線を示す(配列番号1と配列番号3の核酸配列を有するプライマーと配列番号2の核酸配列を有するプローブを使用する)。 図面3は、プラスミド:pEF114(B. divergens)、pEF115(B. duncani)、及びpEF116(B. venatorum)と B. duncani(ATCC PRA302)由来の全核酸に対する、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum についての核酸検査(「DDV」)のPCR増幅曲線を示す(配列番号4及び配列番号6の核酸配列を有するプライマーと配列番号5の核酸配列を有するプローブを使用する)。 図面4は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDV」、配列番号4〜配列番号6)のマルチプレックス設定におけるPCR増幅曲線を示す。 図面5は、最適な間隔を決定するための、フルオロフォアとクエンチャーが7塩基の間隔にある場合の B. microti プローブ(配列番号2)のPCR増幅曲線を示す。 図面6は、最適な間隔を決定するための、フルオロフォアとクエンチャーが10塩基の間隔にある場合の B. microti プローブ(配列番号2)のPCR増幅曲線を示す。 図面7は、最適な色素を決定するための、異なる色素(FAMとHEX)で評価した B. microti プローブ(配列番号2)のPCR増幅曲線を示す。 図面8は、オリゴヌクレオチドの欠失とプローブの効率的な切断によって裏付けられるような効率的な増幅を実証する、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)のポストPCR解析を示す。 図面9は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDV」、配列番号4〜配列番号6)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. microti についてのPCR増幅曲線を示す。 図面10は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDV」、配列番号4〜配列番号6)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani(図面10A)、B. divergens(図面10B)、及び B.venatorum(図面10C)についてのPCR増幅曲線を示す。 図面11は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDV」、配列番号4〜配列番号6)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani、B. divergens、及び B.venatorum についてのPCR増幅曲線を示す、図面10A、図面10B、及び図面10Cの単一図面での重なりを示す。 図面12は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDVR2」、配列番号4〜配列番号7、等量のリバースプライマー:配列番号6と配列番号7の混合物を含む)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. microti についてのPCR増幅曲線を示す。 図面13は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDVR2」、配列番号4〜配列番号7、等量のリバースプライマー:配列番号6と配列番号7の混合物を含む)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani(図面13A)、B. divergens(図面13B)、及び B.venatorum(図面13C)についてのPCR増幅曲線を示す。 図面14は、B. microti オリゴヌクレオチドセット(「395」、配列番号1〜配列番号3)と B. divergens、B. duncani、及び B.venatorum のオリゴヌクレオチドセット(「DDV」、配列番号4〜配列番号6)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani、B. divergens、及び B.venatorum についてのPCR増幅曲線を示す、図面13A、図面13B、及び図面13Cの単一図面での重なりを示す。 図面15は、第一のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号6)(図面15A)と第二のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号7、等量のリバースプライマー:配列番号6と配列番号7の混合物を含む)(図面15B)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani、B. divergens、及び B.venatorum についてのPCR増幅曲線を示す。 図面16は、第一のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号6)(図面16A)と第二のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号7、等量のリバースプライマー:配列番号6と配列番号7の混合物を含む)(図面16B)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani についてのPCR増幅曲線を示す。 図面17は、第一のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号6)(標識「DDVR」)と第二のオリゴヌクレオチドセット(配列番号1〜配列番号7、等量のリバースプライマー:配列番号6と配列番号7の混合物を含む)(標識「DDVR2」)を全血(コバスPCRメディアで処理済)でのマルチプレックス設定において使用する、B. duncani についてのPCR増幅曲線を示す、図面16Aと図面16Bの単一図面での重なりを示す。
バベシア感染の核酸増幅による診断は、BKウイルス感染を迅速に、正確に、信頼可能的に、特異的に、そして高感度で検出及び/又は定量するための方法を提供する。本明細書では、非生物学的又は生物学的な試料中のバベシア核酸(DNA及び/又はRNAが含まれる)を検出及び/又は定量するためのリアルタイムPCRアッセイについて記載する。バベシアを検出及び/又は定量するためのプライマー及びプローブを、そのようなプライマー及びプローブを含有する製造品又はキットと同様に、提供する。バベシアの検出用のリアルタイムPCRの、他の方法と比較した場合の特異性及び感度の増加は、試料封じ込め(containment)と増幅産物のリアルタイム検出及び定量が含まれる、リアルタイムPCRの改善された特徴と共に、バベシア感染症の臨床検査における定型的な診断への本技術の実行を容易にする。加えて、この技術は、血液スクリーニングだけでなく予後判定にも利用され得る。このバベシア検出アッセイはまた、他の核酸(例、他の細菌及び/又はウイルス)の検出用の他のアッセイと並行して多重化し得る。
本開示には、例えば、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用してバベシアを特異的に同定するための、バベシアゲノムへハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドプライマーと蛍光標識された加水分解プローブが含まれる。
開示の方法には、1以上のプライマー対を使用して、試料由来の核酸分子遺伝子標的の1以上の部分を増幅する工程が含まれる、少なくとも1回のサイクリング工程を実施することが含まれ得る。本明細書に使用されるような「BKプライマー(複数)」は、バベシアゲノムに見出される核酸配列へ特異的にアニールして、それぞれの増幅産物を産生する適正な条件の下でそれからDNA合成を開始する、オリゴヌクレオチドプライマーを意味する。バベシアゲノムに見出される核酸配列の例には、VP2領域のような、バベシアゲノムのウイルスカプシドタンパク質領域内の核酸が含まれる。考察されるバベシアプライマーのそれぞれは、各増幅産物の少なくとも一部が標的に対応する核酸配列を含有するように、標的へアニールする。1以上の核酸が試料中に存在するならば、1以上の増幅産物が産生されるので、1以上の増幅産物の存在は、該試料中のバベシアの存在を示唆する。この増幅産物は、バベシアについて検出可能な1以上のプローブに相補的である核酸配列を含有するはずである。本明細書に使用されるような「バベシアプローブ(複数)」は、バベシアゲノムに見出される核酸配列へ特異的にアニールするオリゴヌクレオチドプローブを意味する。それぞれのサイクリング工程には、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、及び検出工程が含まれ、ここにおいて試料は、該試料中のバベシアの存在又は非存在の検出用の1以上の検出可能なバベシアプローブと接触される。
本明細書において使用されるように、「増幅すること」という用語は、鋳型核酸分子(例、バベシアゲノム由来核酸分子)の一方又は両方の鎖に相補的である核酸分子を合成する方法を意味する。核酸分子を増幅することには、典型的には、鋳型核酸を変性させること、その鋳型核酸へプライマーの融点未満である温度でプライマーをアニールすること、及びこのプライマーから酵素的に延長させて増幅産物を産生することが含まれる。増幅には、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例、Platinum(登録商標)Taq)、及びポリメラーゼ酵素の最適な活性に適した緩衝液及び/又は補因子(例、MgCl及び/又はKCl)の存在が必要とされる。
本明細書において使用される「プライマー」という用語は、当業者に知られていて、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドを意味するが、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライムする」ことができる修飾オリゴヌクレオチドも意味し、即ち、例えばオリゴヌクレオチドの3’端は、フリーの3’−OH基を提供し、ここではさらなる「ヌクレオチド」が鋳型依存性DNAポリメラーゼによって付加され得て、デオキシヌクレオシド三リン酸が使用されてピロリン酸が放出されることによって、3’→5’ホスホジエステル連結が確立される。
「ハイブリダイズさせること」という用語は、1以上のプローブの増幅産物へのアニーリングを意味する。「ハイブリダイゼーション条件」には、典型的には、プローブの融点未満であるが、プローブの非特異的なハイブリダイゼーションを回避する温度が含まれる。
「5’→3’ヌクレアーゼ活性」という用語は、典型的には、核酸鎖合成に関連した核酸ポリメラーゼの活性を意味し、それによって核酸鎖の5’端からヌクレオチドが除去される。
「熱安定性ポリメラーゼ」という用語は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を意味し、即ち、該酵素は、鋳型に相補的なプライマー延長産物の生成を触媒して、二本鎖鋳型核酸の変性をもたらすのに必要な時間の間上昇温度へ処されるときに、不可逆的には変性しない。一般に、その合成は、各プライマーの3’端で開始されて、鋳型鎖に沿って5’→3’方向で進行する。熱安定性ポリメラーゼは、Thermus flavus(サーマス・フラブス)、T. ruber(サーマス・ルーバー)、T. thermophilus(サーマス・サーモフィルス)、T. aquaticus(サーマス・アクアチクス)、T. lacteus(サーマス・ラクテウス)、T. rubens(サーマス・ルーベンス)、Bacillus stearothermophilus(バチルス・ステアロサーモフィルス)、及び Methanothermus fervidus(メタノサーマス・フェルビズス)より単離されている。さりながら、熱安定性でないポリメラーゼも、該酵素が必要に応じて補充されるならば、PCRアッセイにおいて利用することができる。
「〜の相補体」という用語は、所与の核酸と同じ長さであるとともに正確に相補的である核酸を意味する。
核酸に関して使用される場合の「拡張(extension)」又は「延長(elongation)」という用語は、追加のヌクレオチド(又は他の類似分子)が該核酸中へ組み込まれる場合を意味する。例えば、核酸は、場合によっては、典型的には核酸の3’末端でヌクレオチドを付加するポリメラーゼのような、ヌクレオチドを組み込む生体触媒によって拡張される。
2以上の核酸配列の文脈における「〜と同一」又は「同一性」パーセントという用語は、例えば当業者に利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定するか又は目視検査によって、最大の対応のために比較されて並置される場合に、同じであるか又は同じである特定百分率のヌクレオチドを有する2以上の配列又はサブ配列を意味する。配列同一性パーセントと配列類似性を決定するのに適している例示のアルゴリズムは、例えば、Altschul et al. (1990) 「Basic local alignment search tool(基本のローカルアライメント検索ツール)」 J. Mol. Biol. 215:403-410、Gish et al. (1993) 「Identification of protein coding regions by database similarity search(データベース類似性検索によるタンパク質コーディング領域の同定)」 Nature Genet. 3:266-272、 Madden et al. (1996) 「Applications of network BLAST server(ネットワークBLASTサーバーの応用)」 Meth. Enzymol. 266:131-141、Altschul et al. (1997) 「Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs(ギャップありBLASTとPSI−BLAST:新世代のタンパク質データベース検索プログラム)」Nucleic Acids Res. 25:3389-3402、及び Zhang et al. (1997) 「PowerBLAST: A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation(PowerBLAST:会話型又は自動の配列解析及び注釈付与への新たなネットワークBLAST応用」」Genome Res. 7:649-656 に記載されている、BLASTプログラムである。
オリゴヌクレオチドの文脈における「修飾ヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドを、該オリゴヌクレオチドへ所望の特性を提供する異なるヌクレオチドに置き換える改変を意味する。本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドにおいて置換することが可能である例示の修飾ヌクレオチドには、例えば、t−ブチルベンジル、C5−メチル−dC、C5−エチル−dC、C5−メチル−dU、C5−エチル−dU、2,6−ジアミノプリン、C5−プロピニル−dC、C5−プロピニル−dU、C7−プロピニル−dA、C7−プロピニル−dG、C5−プロパルジルアミノ−dC、C5−プロパルジルアミノ−dU、C7−プロパルジルアミノ−dA、C7−プロパルジルアミノ−dG、7−デアザ−2−デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、シュード−dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’−O−メチルリボ−U、2’−O−メチルリボ−C、N4−エチル−dC、N6−メチル−dA、5−プロピニルdU、5−プロピニルdC、7−デアザ−デオキシグアノシン(デアザG(u−デアザ))、等が含まれる。該オリゴヌクレオチドにおいて置換することが可能である他の多くの修飾ヌクレオチドが本明細書において言及されるか又は別のやり方で当該技術分野において知られている。ある態様では、修飾ヌクレオチド置換により、対応する非修飾オリゴヌクレオチドの融点に対して、オリゴヌクレオチドの融点(Tm)が変化する。さらに例証すると、ある種の修飾ヌクレオチド置換により、いくつかの態様では、非特異的な核酸増幅を抑える(例えば、プライマーダイマー生成、等を最小化する)、企図される標的アンプリコンの収率を高める、及び/又は同様のことが可能になる。例えば、米国特許第6,001,611号には、この種の核酸修飾の例が記載されている。他の修飾ヌクレオチド置換では、オリゴヌクレオチドの安定性を改変する、又は他の所望される特徴を提供する場合がある。
バベシア標的核酸の検出/定量
本開示は、例えば、バベシア核酸配列の一部を増幅することによって、バベシアを検出するための方法を提供する。具体的には、本開示の態様によって、バベシア核酸分子標的を増幅して検出及び/又は定量するためのプライマーとプローブが提供される。
バベシアの検出及び/又は定量のために、バベシア(核酸)を増幅して検出/定量するためのプライマーとプローブが提供される。試料中のバベシアを検出するために、本明細書に例示される核酸以外のバベシア核酸も使用することができる。例えば、当業者は、定型的な方法を使用して、機能的変異体について特異性及び/又は感度を評価することができる。代表的な機能的変異体には、例えば、本明細書に開示されるバベシア核酸における1以上の欠失、挿入、及び/又は置換を含めることができる。
より具体的には、当該オリゴヌクレオチドの態様には、配列番号1〜配列番号7より選択される配列のある核酸、実質的に同一なその変異体(ここでその変異体は、配列番号1〜配列番号7の1つに対して少なくとも例えば80%、90%、又は95%の配列同一性を有する)、又は配列番号1〜配列番号7の相補体とその変異体がそれぞれ含まれる。
Figure 0006911190
1つの態様において、上記に記載したバベシアのプライマー及びプローブのセットは、バベシアを含有することが疑われる生体試料中のバベシアの検出に提供されるために使用される(表1)。このプライマー及びプローブのセットは、配列番号1〜配列番号7の核酸配列を含んでなるか又はそれからなる、バベシア核酸配列に特異的なプライマー及びプローブを含み得るか又はそれからなり得る。別の態様において、バベシア標的へのプライマー及びプローブは、配列番号1〜配列番号7のプライマー及びプローブのいずれかの機能的に活性な変異体を含むか又はそれからなる。
このプライマー及びプローブを開示の方法において使用することによって、配列番号1〜配列番号7のプライマー及び/又はプローブのいずれかの機能的に活性な変異体を同定することができる。配列番号1〜配列番号7のいずれかのプライマー及び/又はプローブの機能的に活性な変異体とは、記載の方法又はキットにおいて、配列番号1〜配列番号7の各配列に比較して、それと同等か又はより高い特異性及び感度を提供するプライマー及び/又はプローブに関連する。
この変異体は、例えば、配列番号1〜配列番号7の各配列の5’端及び/又は3’端での1以上のヌクレオチド付加、欠失、又は置換のように、配列番号1〜配列番号7より1以上のヌクレオチド付加、欠失、又は置換だけ変化する場合がある。上記に詳述したように、プライマー及び/又はプローブを化学的に修飾し得る、即ち、プライマー及び/又はプローブは、修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物を含んでよい。そのとき、プローブ(又はプライマー)は、修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)は、天然の「ヌクレオチド」より何らかの修飾により異なるが、それでも塩基又は塩基様化合物、ペントフラノシル糖又はペントフラノシル糖様化合物、ホスフェート部分又はホスフェート様部分、又はこれらの組合せからなる。例えば、「ヌクレオチド」の塩基部分へ「標識(label)」を付ける場合があって、それによって「修飾ヌクレオチド」が得られる。また、「ヌクレオチド」中の天然塩基を例えば7−デスアザプリンに置き換える場合があって、それによっても「修飾ヌクレオチド」が得られる。本出願では、「修飾ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド類似体」という用語が交換可能的に使用される。「修飾ヌクレオシド」(又は「ヌクレオシド類似体」)は、「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)について上記に概説したようなやり方で、天然のヌクレシチドより何らかの修飾によって異なる。
例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights 社、コロラド州カスケード)のようなコンピュータープログラムを使用して、バベシア標的をコードする核酸分子(例、バベシアの代替部分をコードする核酸)を増幅する、修飾オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体が含まれるオリゴヌクレオチドを設計することができる。増幅プライマーとして使用し得るオリゴヌクレオチドを設計する場合の重要な特徴には、限定されないが、検出(例えば、電気泳動による)を容易にするのに適正なサイズの増幅産物、プライマー対の成員で類似した融点、及び各プライマーの長さ(即ち、当該プライマーは、配列特異性を持ってアニールして合成を開始するのに十分に長い必要があるが、オリゴヌクレオチド合成の間に正確性(fidelity)が低下するほどに長い必要はない)が含まれる。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは、8〜50ヌクレオチドの長さ(例、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、又は50ヌクレオチドの長さ)である。
プライマーのセットに加えて、本方法では、バベシアの存在又は非存在を検出するために、1以上のプローブを使用する場合がある。「プローブ」という用語は、明確な所定のストリンジェンシーの下で「標的核酸」へ(本事例ではバベシア(標的)核酸へ)特異的に(即ち、選好的に)ハイブリダイズすることを可能にする特定のヌクレオチド配列を設計又は選択によって含有する、合成的に又は生物学的に産生される核酸(DNA又はRNA)を意味する。「プローブ」は、それが標的核酸を検出するという意味で、「検出プローブ」と言及することができる。
いくつかの態様において、記載されるバベシアプローブは、少なくとも1つの蛍光標識で標識することができる。1つの態様において、このバベシアプローブは、ドナー蛍光部分(例、蛍光色素)及び対応するアクセプター部分(例、クエンチャー)で標識することができる。1つの態様において、当該プローブは、蛍光部分を含むか又はそれからなり、そして核酸配列は、配列番号3を含むか又はそれからなる。
プローブとして使用し得るオリゴヌクレオチドを設計することは、プライマーの設計に類似したやり方で実施することができる。種々の態様では、増幅産物の検出のために、単一のプローブ又は対のプローブを使用し得る。その態様に依存して、使用されるプローブ(複数)は、少なくとも1つの標識、及び/又は少なくとも1つのクエンチャー部分を含み得る。当該プライマーと同様に、当該プローブは、通常は類似の融点を有して、各プローブの長さは、配列特異的なハイブリダイゼーションが生じるのに十分でなければならないが、合成の間に正確性が低下するほどに長くあってはならない。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に、15〜40(例、16、18、20、21、22、23、24、又は25)のヌクレオチドの長さである。
構築体には、バベシアのプライマー及びプローブの核酸分子(例、配列番号1、2、3、4、及び5)の1つをそれぞれ含有するベクターを含めることができる。構築体は、例えば、対照(control)鋳型核酸分子として使用することができる。使用に適したベクターは、市販されている、及び/又は当該技術分野で定型的な組換え核酸技術の方法によって産生される。バベシア核酸分子は、例えば、化学合成、バベシアからのダイレクトクローニングによって、又は核酸増幅によって入手することができる。
本方法における使用に適した構築体には、典型的には、バベシア核酸分子(例、配列番号1〜配列番号5の1以上の配列を含有する核酸分子)に加えて、所望される構築体及び/又は形質転換体を選択するための選択可能マーカー(例、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、及び複製起点が含まれる。ベクター系の選択は、通常、限定されないが、宿主細胞の選択、複製効率、選択可能性、誘導可能性、及び回収の容易さが含まれる、いくつかの因子に依存する。
バベシア核酸分子を含有する構築体は、宿主細胞において増殖させることができる。本明細書において使用されるように、宿主細胞という用語は、酵母細胞、植物細胞、及び動物細胞のような原核生物と真核生物が含まれることを意味する。原核宿主には、E. coli(大腸菌)、Salmonella typhimurium(チフス菌)、Serratia marcescens(セラチア菌)、Bacillus subtilis(枯草菌)が含まれ得る。真核宿主には、S. cerevisiae(出芽酵母)、S. pombe(分裂酵母)、Pichia pastoris(ピキア酵母)のような酵母、COS細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳動物細胞、、昆虫細胞、及び Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)及びNicotiana tabacum(タバコ)のような植物細胞が含まれる。当該技術分野の当業者によく知られた技術のいずれかを使用して、構築体を宿主細胞の中へ導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、及びウイルス媒介核酸移入は、核酸を宿主細胞の中へ導入するための一般的な方法である。加えて、裸のDNAを細胞へ直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号、及び5,589,466号を参照のこと)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、4,683,195号、4,800,159号、及び4,965、188号は、慣用のPCR技術を開示する。PCRは、典型的には、選択される核酸鋳型(例、DNA又はRNA)へ結合する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを利用する。いくつかの態様において有用なプライマーには、記載のバベシア核酸配列(例、配列番号1、配列番号2、配列番号4、及び配列番号5)内部の核酸合成の開始点として作用することが可能なオリゴヌクレオチドが含まれる。プライマーは、制限酵素消化物より慣用の方法によって精製し得るか、又はそれは合成的に生成することができる。プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のために一本鎖であるが、プライマーは、二本鎖でもあり得る。二本鎖プライマーは、初めに変性させる、即ち、鎖を分離するように処理する。二本鎖核酸を変性させる1つの方法は、加熱による。
鋳型核酸が二本鎖であれば、それをPCRにおける鋳型として使用し得る前に、2つの鎖へ分離することが必要である。鎖分離は、物理的、化学的、又は酵素的な手段が含まれるどの好適な変性法によっても達成することができる。核酸鎖を分離させる1つの方法は、核酸が優勢的に変性される(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%以上変性される)までそれを加熱することを含む。鋳型核酸を変性させるのに必要な加熱条件は、例えば、緩衝液の塩濃度と変性される核酸の長さ及びヌクレオチド組成に依拠するものであるが、典型的には、温度や核酸長さのような反応の特徴に依拠する時間の間で約90℃〜約105℃に及ぶ。変性は、典型的には、約30秒〜4分(例、1分〜2分30秒、又は1.5分)の間実施される。
二本鎖鋳型核酸が加熱によって変性されたなら、この反応混合物を各プライマーのその標的配列へのアニーリングを促進する温度までそのまま冷やす。アニーリングのための温度は、通常、約35℃〜約65℃(例、約40℃〜約60℃;約45℃〜約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒〜約1分(例、約20秒〜約50秒;約30秒〜約40秒)であり得る。次いで、この反応混合物を、ポリメラーゼの活性が促進又は最適化される温度(即ち、アニールされたプライマーより延長が起きて、鋳型核酸へ相補的な産物を生成するのに十分な温度)へ調整する。この温度は、核酸鋳型へアニールした各プライマーからの延長産物を合成するのに十分であるべきだが、その相補的な鋳型からの延長産物を変性させるほどに高くあってはならない(例えば、延長用の温度は、一般に、約40℃〜約80℃(例、約50℃〜約70℃;約60℃)に及ぶ)。延長時間は、約10秒〜約5分(例、約30秒〜約4分;約1分〜約3分;約1分30秒〜約2分)であり得る。
レトロウイルス又はRNAウイルスのゲノムは、リボ核酸、即ち、RNAから構成される。そのような場合、鋳型核酸のRNAは、初めに、酵素(逆転写酵素)の作用により相補的DNA(cDNA)へ転写されなければならない。逆転写酵素は、RNA鋳型とそのRNAの3’端へ相補的なショートプライマーを使用して、第一鎖cDNAの合成を指令して、次いでこれをポリメラーゼ連鎖反応の鋳型として直接使用することができる。
PCRアッセイは、RNA又はDNA(cDNA)のようなバベシア核酸を利用することができる。鋳型核酸は、精製されるに及ばない;それは、ヒト細胞中に含まれるバベシア核酸のような、複雑な混合物の小画分であってよい。バベシア核酸分子は、「Diagnostic Molecular Microbiology: Principles and Applications(診断の分子微生物学:原理と応用)」(Persing et al.(監修)、1993, American Societyf or Microbiology(米国微生物学会)、ワシントン D.C.)に記載されるような定型的な技術によって生体試料より抽出してよい。核酸は、プラスミド、又は細菌、酵母、ウイルス、細胞内小器官、又は植物若しくは動物のような高等生物が含まれる天然の供給源といった、いくつもの供給源より入手することができる。
オリゴヌクレオチドプライマー(例、配列番号1、配列番号2、配列番号4、及び配列番号5)は、プライマー延長を誘発する反応条件の下でPCR試薬と組み合わせる。例えば、鎖延長反応物には、概して、50mM KCl、10mM Tris−HCl(pH8.3)、15mM MgCl、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5〜1.0μgの変性鋳型DNA、50ピコモルの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、及び10% DMSOが含まれる。この反応物は、通常、dATP、dCTP、dTTP、dGTP、又はこれらの1以上の類似体のそれぞれを150〜320μM含有する。
新たに合成された鎖は、二本鎖分子を形成して、これを後続の反応工程に使用することができる。この鎖分離、アニーリング、及び延長の工程は、標的バベシア核酸分子に対応する増幅産物の所望量を産生するのに必要とされるだけ頻繁に繰り返すことができる。この反応における制限因子は、反応物中に存在するプライマー、熱安定性酵素、及びヌクレオシド三リン酸の量である。このサイクリング工程(即ち、変性、アニーリング、及び延長)は、好ましくは、少なくとも1回繰り返す。検出における使用のために、サイクリング工程の回数は、例えば、試料の性質に依存するものである。試料が核酸の複雑な混合物であれば、検出に十分な標的配列を増幅するには、より多くのサイクリング工程が求められよう。一般に、このサイクリング工程は、少なくとも約20回繰り返されるが、40回、60回、又は100回でも繰り返してよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、5,565,322号、5,849,489号、及び6,162,603号を参照のこと)は、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分が互いにある一定距離内に位置しているときには、この2つの蛍光部分の間でエネルギーの移動が生じて、それを可視化又は他のやり方で検出及び/又は定量することが可能であるという概念に基づいている。ドナーは、典型的には、好適な波長での光放射によって励起される場合に、エネルギーをアクセプターへ移動させる。アクセプターは、典型的には、この移動したエネルギーを異なる波長での光放射の形態で再放射する。ある系では、実質的に非蛍光のドナー部分が含まれる生体分子を介して、ドナー部分とアクセプター部分の間で非蛍光エネルギーを移動させることができる(例えば、米国特許第7,741,467号を参照のこと)。
1つの例では、オリゴヌクレオチドプローブがドナー蛍光部分又は色素(例、HEX又はFAM)と、対応するクエンチャー(例、BlackHole QuencherTM(BHQ)(BHQ−2のような))(これは、蛍光性であってもなくてもよくて、移動したエネルギーを光以外の形態で放散する)を含有することができる。このプローブがインタクトであるとき、典型的には、ドナー蛍光部分からの蛍光放射がアクセプター部分によってクエンチされるような、ドナー部分とアクセプター部分の間でのエネルギー移動が生じる。ポリメラーゼ連鎖反応の延長工程の間に、増幅産物へ結合したプローブは、例えば、Taqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性によって切断されるので、ドナー蛍光部分の蛍光放射は、もはやクエンチされない。例えば、米国特許第5,210,015号、5,994,056号、及び6,171,785号には、この目的のための例示プローブが記載されている。通常使用されるドナー−アクセプター対には、FAM−TAMRA対が含まれる。通常使用されるクエンチャーは、DABCYLとTAMRAである。通常使用されるダーククエンチャーには、BlackHole QuencherTM(BHQ)(BHQ−2のような)(Biosearch Technologies 社、カリフォルニア州ノバト)、Iowa BlackTM(Integrated DNA Tech.社、アイオワ州コーラルビル)、BlackBerryTMQuencher 650(BBQ−650)(Berry & Assoc.,ミシガン州デクスター)が含まれる。
別の例では、蛍光部分をそれぞれ含有する2つのオリゴヌクレオチドプローブを、オリゴヌクレオチドプローブのバベシア標的核酸配列に対する相補性によって決定される特別な位置で増幅産物へハイブリダイズさせることができる。このオリゴヌクレオチドプローブが増幅産物の核酸へ適正な位置でハイブリダイズするとすぐに、FRETシグナルが産生される。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒〜約1分の間に約35℃〜約65℃に及ぶことが可能である。
蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(蛍光放射を特別な範囲でモニターするのに適したダイクロイックミラー及びフィルターを含有する)、光子計数光電子倍増管システム、又は蛍光光度計を使用して行うことができる。エネルギー移動を開始させるか又はフルオロフォアの直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、キセノンランプ、光ファイバー光源、又は所望範囲での励起のために適正に濾波された他の高強度光源を用いて行うことができる。
ドナー部分及び対応するアクセプター部分に関して本明細書において使用されるように、「対応する」は、アクセプター蛍光部分、又はドナー蛍光部分の発光スペクトルと重なる吸収スペクトルを有するダーククエンチャーを意味する。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの極大波長は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの極大波長より少なくとも100nm大きくあるべきである。従って、効率的な非放射性エネルギー移動が両者の間で産生され得る。
蛍光ドナー部分及び対応するアクセプター部分は、一般に、(a)高効率のフェルスター(Foerster)エネルギー移動;(b)大きな最終ストークス(Stokes)シフト(>100nm);(c)可能な限り遠い可視スペクトルの赤色部分(>600nm)への発光のシフト;及び(d)ドナー励起波長での励起によって産生されるラマン(Raman)水蛍光放射より高い波長への発光のシフトについて選択される。例えば、その極大励起をレーザ線(例えば、ヘリウム−カドミウム:442nm又はアルゴン:488nm)付近に有し、高い消散計数、高い量子収量、及びその蛍光放射の対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルとの良好な重なりを有するドナー蛍光部分を選択することができる。高い消散計数、高い量子収量、その励起のドナー蛍光部分の発光との良好な重なり、及び可視スペクトルの赤色部分(>600nm)における発光を有する、対応するアクセプター蛍光部分を選択することができる。
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分とともに使用し得る代表的なドナー蛍光部分には、フルオレセイン、ルシファーイエロー(Lucifer Yellow)、B−フィコエリスリン、9−アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアネートフェニル)−4−メチルクマリン、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、及び4−アセトアミド−4’−イソチオシアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が含まれる。代表的なアクセプター蛍光部分には、使用されるドナー蛍光部分に依存して、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミン(Lissamine)ローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、又はランタン系イオン(例、ユウロピウム、又はテルビウム)の他のキレートが含まれる。ドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probe(オレゴン州ジャンクションシティ)又はシグマ・ケミカル社(ミズーリ州セントルイス)より入手することができる。
ドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分は、リンカーアームを介して適正なプローブオリゴヌクレオチドへ付けることができる。各リンカーアームの長さは、リンカーアームがドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分の間の距離に影響を及ぼすので、重要である。リンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までのオングストローム(A)での距離であり得る。一般に、リンカーアームは、約10A〜約25Aである。リンカーアームは、WO84/03285に記載されるようなものであってよい。WO84/03285は、リンカーアームを特別なヌクレオチド塩基へ付けるための方法と、また蛍光部分をリンカーアームへ付けるための方法も開示する。
LC Red 640のようなアクセプター蛍光部分を、アミノリンカーを含有するオリゴヌクレオチド(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)又は Glen Research(バージニア州スターリング)より入手可能なC6−アミノホスホロアミダイト)と組み合わせて、例えば、LC Red 640−標識化オリゴヌクレオチドを産生することができる。フルオレセインのようなドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドへ結合させるのにしばしば使用されるリンカーには、チオ尿素リンカー(FITCから誘導されるもの、例えば、Glen Research 又は ChemGene(マサチューセッツ州アシュランド)製のフルオレセイン−CPG群)、アミドリンカー(BioGenex(カリフォルニア州サンラモン)製のCX−フルオレセイン−CPGのように、フルオレセイン−NHS−エステルから誘導されるもの)、又は3’−アミノ−CPG群(オリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン−NHS−エステルのカップリングが必要とされる)が含まれる。
バベシア増幅産物(アンプリコン)の検出
本開示は、生体又は非生体試料中のバベシアの存在又は非存在を検出するための方法を提供する。提供される方法では、試料の異物混入(contamination)、偽陰性、及び偽陽性の問題が回避される。この方法には、1以上のバベシアプライマー対を使用して、試料由来のバベシア標的核酸分子の一部を増幅する工程が含まれる、少なくとも1回のサイクリング工程とFRET検出工程を実施することが含まれる。好ましくはサーモサイクラー(thermocycler)において、複数回のサイクリング工程を実施する。バベシアのプライマー及びプローブを使用してバベシアの存在を検出する種々の方法を実施することができて、バベシアの検出は、試料中のバベシアの存在を示唆する。
本明細書に記載のように、FRET技術を利用する標識化ハイブリダイゼーションプローブを使用して、増幅産物を検出することができる。1つのFRETフォーマットでは、TaqMan(登録商標)技術を使用して、増幅産物の存在又は非存在を、ひいてはバベシアの存在又は非存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術では、例えば、1つの蛍光部分又は色素(例、HEX又はFAM)と1つのクエンチャー(例、BHQ−2)(これは、蛍光性であってもなくてもよい)で標識された1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用する。第一蛍光部分が好適な波長の光で励起されるとき、吸収エネルギーは、FRETの原理に従って、第二蛍光部分又はダーククエンチャーへ移される。一般に、第二部分は、クエンチャー分子である。PCR反応のアニーリング工程の間に、標識化ハイブリダイゼーションプローブは、標的DNA(即ち、増幅産物)へ結合して、後続の延長相の間に、例えばTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性によって分解される。結果として、蛍光部分とクエンチャー部分は、互いから空間的に分離するようになる。帰結として、クエンチャーの非存在時の第一蛍光部分の励起があればすぐに、第一蛍光部分からの蛍光放射を検出することが可能になる。例を挙げると、ABI PRISM(登録商標)7700 配列検出システム(Applied Biosystems)ではTaqMan(登録商標)技術を使用して、試料中のバベシアの存在又は非存在を検出するために本明細書に記載の方法を実施するのに適している。
分子ビーコンをFRETと一緒に使用して、リアルタイムPCR方法を使用して増幅産物の存在を検出することができる。分子ビーコン技術では、第一蛍光部分と第二蛍光部分で標識したハイブリダイゼーションプローブを使用する。第二蛍光部分は、一般に、クエンチャーであって、蛍光標識は、典型的には、このプローブの各端に位置する。分子ビーコン技術では、二次構造(例、ヘアピン)形成を可能にする配列を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。このプローブ内部での二次構造形成の結果として、このプローブが溶液状態にあるとき、両方の蛍光部分は、空間的に近接した状態になる。標的核酸(即ち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、このプローブの二次構造は破壊されて、蛍光部分が互いから分離するようになるので、好適な波長の光での励起後に、第一蛍光部分の放射を検出することができる。
FRET技術の別の一般的な形式では、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。それぞれのプローブを異なる蛍光部分で標識することができて、一般的には、標的DNA分子(例、増幅産物)において互いにごく近接してハイブリダイズするように設計される。ドナー蛍光部分、例えば、フルオレセインをLightCycler(登録商標)Instrumentの光源によって470nmで励起する。FRETの間、フルオレセインは、そのエネルギーをLightCycler(登録商標)−Red 640(LC Red 640)又はLightCycler(登録商標)−Red 705(LC Red 705)のようなアクセプター蛍光部分へ移動させる。次いで、アクセプター蛍光部分は、より長波長の光を放射して、これがLightCycler(登録商標)機器の光検出システムによって検出される。効率的なFRETが起こり得るのは、蛍光部分が直接的な局所近接状態にある場合と、ドナー蛍光部分の発光スペクトルがアクセプター蛍光部分の吸収スペクトルと重なる場合だけである。発光シグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例、バベシアゲノムの数)と相関させることができる。バベシア標的核酸の増幅が起きて増幅産物が産生されるならば、ハイブリダイズさせる工程は、プローブ対の成員間のFRETに基づいた検出可能シグナルをもたらす。
一般に、FRETの存在は、試料中のバベシアの存在を示唆して、FRETの非存在は、試料中のバベシアの非存在を示唆する。しかしながら、不十分な標本採取、輸送の遅れ、不適正な輸送条件、又はある種の採取スワブ(アルギン酸カルシウム又はアルミニウムシャフト)の使用は、いずれも検査結果の成功及び/又は正確性に影響を及ぼす可能性がある条件である。
本方法を実践する場合に使用し得る代表的な生体試料には、限定されないが、全血、呼吸器標本、尿、糞便標本、血液標本、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、及び軟組織感染物が含まれる。当業者には、生体試料の採取法と保存法が知られている。生体試料は、バベシア核酸を放出するように処理することができる(例えば、当該技術分野で知られた核酸抽出法及び/又はキットによって)、又はある事例では、生体試料をPCR反応成分と適正なオリゴヌクレオチドに直接接触させることができる。いくつかの事例において、生体試料は、全血である。典型的には、全血が採取される場合、それは、全血が好適な温度で保存されることを可能にする、ヘパリン、クエン酸塩、又はEDTAのような抗凝固薬を含有する容器においてしばしば採取される。しかしながら、そのような条件下で、全血内の核酸は、かなりの量の分解を受けるものである。故に、核酸が含まれる全血成分を溶解し、変性させ、及び安定化する、核酸安定化溶液のような試薬中に血液を採取することが有利であり得る。このような場合、核酸は、PCRのような核酸検査によるような、後続の単離及び分析のためによりよく保存されて安定化することができる。当該技術分野では、このような核酸安定化溶液がよく知られていて、限定されないが、コバス(cobas)PCRメディア(これは、4.2Mのグアニジニウム塩(GuHCl)と50mM TrisをpH7.5で含有する)が含まれる。
試料は、分析に先立って試料を十分に保持及び保存するように設計されたどの方法又は装置(device)によっても採取することができる。当該技術分野では、そのような方法及び装置がよく知られている。試料が全血のような生体試料である場合、この方法又は装置には、採血容器が含まれ得る。当該技術分野では、このような採血容器がよく知られていて、例えば、採血管が含まれ得る。多くの事例では、バキュテイナー(vacutainer)採血管のような、真空チャンバ付き血液容器のように、採血容器が試料取込み用に企図された空間において圧力下にある場合は、採血管を使用することが有利であり得る。当該技術分野では、バキュテイナー採血管のような、そのような真空チャンバ付きの採血管がよく知られている。さらに、核酸が含まれる全血成分を溶解し、変性させ、及び安定化する、核酸安定化溶液のような溶液をその内側に含有する、真空チャンバ有り無しの採血容器に血液を採取して、吸引されている全血が採血容器中の核酸安定化溶液と即座に接触するようにすることが有利であり得る。
融解曲線分析は、サイクリングプロフィールに含め得る追加の工程である。融解曲線分析は、DNA二重鎖の半分が一本鎖へ分離したときの温度として定義される、融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度でDNAが融解するという事実に基づく。DNAの融解温度は、そのヌクレオチド組成に主に依存する。従って、G及びCのヌクレオチドが豊富なDNA分子は、豊富なA及びTのヌクレオチドを有するものより高いTmを有する。プローブの融解温度は、シグナルが消失する温度を検出することによって決定することができる。同様に、プローブのアニーリング温度は、シグナルが発生するときの温度を検出することによって決定することができる。バベシア増幅産物由来のバベシアプローブの融解温度(複数)によって、試料中のバベシアの存在又は非存在を確認することができる。
それぞれのサーモサイクラー試行内で、対照試料も同様に循環させることが可能である。陽性対照試料は、例えば対照プライマーと対照プローブを使用して、(標的遺伝子の記載の増幅産物以外の)標的核酸の対照鋳型を増幅することができる。陽性対照試料はまた、例えば、標的核酸分子(例、配列番号8)を含有するプラスミド構築体を増幅することができる。このようなプラスミド対照は、企図される標的の検出に使用されるのと同じプライマー及びプローブを使用して、内部で(例えば、試料内で)も、患者の試料と並行した別の試料試行においても増幅することができる。このような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション、及び/又はFRET反応の成功又は失敗の指標となる。それぞれのサーモサイクラー試行には、例えば、標的鋳型DNAを欠いた陰性対照も含めることができる。陰性対照では、異物混入を測定することができる。このことは、当該システム及び試薬が偽陽性シグナルを決して生じないことを保証する。故に、対照反応により、例えば、配列特異的にアニールして延長を開始させるプライマーの能力、並びに配列特異的にハイブリダイズしてFRETを生じさせるプローブの能力を容易に判定することができる。
ある態様において、該方法には、異物混入を回避するための工程が含まれる。例えば、米国特許第5,035,996号、5,683,896号、及び5,945,313号には、1回のサーモサイクラー試行と次の試行の間で異物混入を抑制するか又は消失させるためにウラシル−DNAグリコシラーゼを利用する酵素法が記載されている。
FRET技術と一体化した慣用のPCR法を使用して、本方法を実践することができる。1つの態様では、LightCycler(登録商標)機器を使用する。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術において使用されるようなリアルタイムPCRについて記載する:WO97/46707、WO97/46714、及びWO97/46712。
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを使用して操作し得て、Windows NTオペレーティングシステムを利用することができる。この機械では、PCRキャピラリーが光ユニット全体で連続的に配置されるので、試料由来のシグナルが得られる。このソフトウェアは、蛍光シグナルをそれぞれの測定後すぐにリアルタイムで表示することができる。蛍光獲得時間は、10〜100ミリ秒(msec)である。各サイクリング工程の後で、「蛍光」対「サイクル数」の定量的ディスプレイをすべての試料について連続的に更新することができる。生成されたデータは、さらなる解析のために保存することができる。
FRETに代わる手段として、蛍光DNA結合色素(例、SYBR(登録商標)Green又はSYBR(登録商標)Gold(Molecular Probe))のような二本鎖DNA結合色素を使用して、増幅産物を検出することができる。二本鎖核酸との相互作用時に、このような蛍光DNA結合色素は、好適な波長の光での励起後に、蛍光シグナルを放射する。核酸挿入色素のような二本鎖DNA結合色素も使用することができる。二本鎖DNA結合色素が使用される場合、通常は、増幅産物の存在の確認のために融解曲線分析を実施する。
当業者は、他の核酸若しくはシグナル増幅法も利用し得ることを理解されよう。このような方法の例には、限定無しに、分岐DNAシグナル増幅、ループ介在等温増幅(LAMP)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、自家持続配列複製(3SR)、鎖置換増幅(SDA)、又はスマート(smart)増幅法バージョン2(SMAP2)が含まれる。
本開示の態様は、1以上の市販機器の配置によって制限されないと理解される。
製品(Articles of Manufacture)/キット
本開示の態様は、バベシアを検出するための製品又はキットをさらに提供する。製品には、バベシア遺伝子標的を検出するために使用されるプライマー及びプローブが好適な包装材料と一緒に含まれ得る。バベシアの検出用の代表的なプライマー及びプローブは、バベシア標的核酸分子へハイブリダイズすることが可能である。加えて、このキットには、固体支持体、緩衝液、酵素、及びDNA標準品のような、DNAの固定化、ハイブリダイゼーション、及び検出に必要とされる好適に包装された試薬及び材料が含まれる場合もある。プライマーとプローブを設計する方法については本明細書に開示されて、バベシア標的核酸分子を増幅してそれへハイブリダイズするプライマー及びプローブの代表例が提供されている。
製品には、プローブを標識するための1以上の蛍光部分も含まれ得るか、あるいはまた、キットともに供給されるプローブは、標識化することができる。例えば、製品には、バベシアプローブを標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分も含めてよい。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例が上記に提供されている。
製品はまた、バベシアのプライマー及びプローブを使用して試料中のバベシアを検出するための説明書きがその上にある添付文書又は能書を含有することができる。製品には、本明細書に開示される方法を行うための試薬(例、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、又は異物混入を防ぐための薬剤)を追加的に含めてよい。このような試薬は、本明細書に記載される市販機器の1つに専用であってよい。
本開示の態様はまた、試料中のバベシアの検出用のプライマーのセットと1以上の検出可能プローブを提供する。
本開示の態様について、以下の実施例においてさらに記載するが、それは、特許請求項において記載される本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例と図面は、主題の理解を助けるために提供されるのであって、その真の範囲は、付帯の特許請求項に説明されている。説明される手順において、本発明の精神より逸脱することなく、種々の修飾をなし得ると理解される。
この検査では、完全に自動化された試料調製(核酸の抽出及び精製)にPCR増幅及び検出が続いた。使用したシステムは、試料供給モジュール、移動モジュール、処理モジュール、及び分析モジュールからなる、cobas(登録商標)6800/8800システムであった。
標的核酸の選択的増幅は、標的核酸の高度保存領域より選択される特異的なフォワードプライマーとリバースプライマーの使用によって達成した。熱安定性DNAポリメラーゼ酵素を逆転写と増幅のいずれにも使用した。マスターミックスには、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)の代わりにデオキシウリジン三リン酸(dUTP)が含まれて、これが新たに合成されるDNA(増幅産物又はアンプリコン)の中へ組み込まれる。先のPCR試行由来のどの混入アンプリコンも、最初の熱サイクリング工程において加熱されるときに、PCRミックスに含まれるAmpErase酵素(ウラシル−N−グリコシラーゼ)によって破壊された。しかしながら、一度55℃を超える温度まで曝露されるとAmpErase酵素が不活性化するので、新たに生成されるアンプリコンは、破壊されなかった。
cobas(登録商標)バベシアマスターミックスは、バベシア核酸と対照核酸に特異的である検出プローブを含有した。特異的なバベシア検出プローブと対照検出プローブを、レポーターとして作用する2つのユニークな蛍光色素の1つでそれぞれ標識した。それぞれのプローブは、クエンチャーとして作用する第二の色素も有した。このレポーター色素を一定の波長で測定し、それによって増幅されたバベシア標的と対照の検出と識別を可能にする。インタクトなプローブの蛍光シグナルは、クエンチャー色素によって抑制された。PCR増幅工程の間、このプローブの特異的な一本鎖DNA鋳型へのハイブリダイゼーションは、DNAポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性による切断をもたらして、レポーター色素とクエンチャー色素の分離と、蛍光シグナルの産生をもたらした。各PCRサイクルに伴って増加する量の切断プローブが産生されて、レポーター色素の累積シグナルが同時に増加した。この2つの特異的なレポーター色素は、一定の波長で測定されるので、増幅されたバベシア標的と対照の同時検出及び識別が可能であった。
バベシア検査用のプライマーとプローブは、アライメントに基づいて最も保存されている領域中のゲノムに従ってプライマーとプローブを選別すること(seeding)によって設計した。次いで、このプライマーとプローブをアッセイへ組み合わせて、このアッセイをコンピュータによる(in-silico)評価の包括性及び排他性に基づいてスコア化した。このアッセイのスコア化には、ゲノム保存性に加えて、ゲノムカバレッジ(これは、どんな配列が公的に利用可能であるかにきわめて依存する)も含めた。バベシアゲノムの標的とした領域は、バベシア属種の B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の18S遺伝子であった。B. microti を検出するために、オリゴヌクレオチドの1セット(配列番号1〜配列番号3)(本明細書では「395」としばしば言及される)を設計して、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するには、別のオリゴヌクレオチドのセット(配列番号4〜配列番号7)を設計した。B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するように設計されたオリゴヌクレオチドのセットには、以下のような2種の異なるオリゴヌクレオチドのセットが含まれた:(1)配列番号4〜配列番号6のオリゴヌクレオチドが含まれる第一セット(本明細書では、「DDVR」としばしば言及される);及び(2)配列番号4〜配列番号7のオリゴヌクレオチドが含まれる第二セット(本明細書では「DDVR2」としばしば言及される)。
実施例1:リアルタイムPCRによる B.microti の増幅及び検出
B.microti を増幅して検出するために設計されたオリゴヌクレオチドセット(フォワードプライマー:配列番号1、リバースプライマー:配列番号3、及びプローブ:配列番号2)を使用して、そしてpEF113(pUC19中の B. microti 菌株 Gray)(図面1)又は B.microti ゲノムDNA(図面2)のいずれかを使用して、バベシア 18S rRNA遺伝子についての B.microti 核酸検査を試験した。使用した試薬には、cobas(登録商標)6800/8800ジェネリックPCRマスターミックス(cobas(登録商標)6800/8800での使用のためのプロフィール及び条件付き)が含まれて、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用した。マスターミックス中のオリゴヌクレオチドの最終濃度は、プライマーが0.3μMで、プローブが0.1μMであった。利用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロフィールを下記の表2に示す:
Figure 0006911190
これらの試験は、上記条件の下で、オリゴヌクレオチド(配列番号1〜配列番号3)が B.microti を増幅して検出することが可能であったことを示す(図面1と図面2を参照のこと)。
このシステムにおける検出下限について評価するために、エンドポイント希釈系列分析も実施した。ddPCRを使用して、B. microti pUC19プラスミド(pEF113)を定量し、希釈して、検査した。このエンドポイント希釈分析の結果を下記の表3に示す。
Figure 0006911190
検出限界は、95%の信頼度でPCRにつき3.32コピーのプラスミドDNAであると決定された。
このように、上記の結果は、このプライマーとプローブ(配列番号1〜配列番号3)がリアルタイムPCRアッセイにおいて B.microti を効率的に増幅してその存在を特異的に検出することを実証する。
実施例2:リアルタイムPCRによる B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出
B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅して検出するために設計されたオリゴヌクレオチドセット(フォワードプライマー:配列番号4、リバースプライマー:配列番号6、及びプローブ:配列番号5)を使用して、そしてプラスミドのpEF114(B. divergens)、pEF115(B. duncani)、及びpEF116(B. venatorum)、又は B. duncani(ATCC PRA302)由来の全核酸を使用して、バベシア18S rRNA遺伝子についての B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum(本明細書では「DDV」としばしば言及される)核酸検査を試験した(図面3)。使用した試薬には、cobas(登録商標)6800/8800ジェネリックPCRマスターミックス(cobas(登録商標)6800/8800での使用のためのプロフィール及び条件付き)が含まれて、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用した。マスターミックス中のオリゴヌクレオチドの最終濃度は、プライマーが0.3μMで、プローブが0.1μMであった。利用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロフィールを上記の表2に示す。これらの試験は、上記条件の下で、オリゴヌクレオチド(配列番号4〜配列番号6)が B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅して検出することが可能であったことを示す(図面3を参照のこと)。
このように、上記の結果は、このプライマーとプローブ(配列番号4〜配列番号6)がリアルタイムPCRアッセイにおいて B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を効率的に増幅してその存在を特異的に検出することを実証する。
実施例3:リアルタイムPCRによる B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のマルチプレックス増幅及び検出
B. microti の増幅及び検出のアッセイ(配列番号1〜配列番号3;実施例1;及び図面1〜図面2)と、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出のアッセイ(「DDV」、配列番号4〜配列番号6;実施例2;及び図面3)が良好な性能をシングルプレックス(singleplex)において示したので、このアッセイをシングルプレックス試験について記載したのと同じ条件の下で、マルチプレックス設定において試験した。
図面4は、予測されるように、B.microti 標的がマルチプレックス設定において配列番号1〜配列番号3によって強く増幅されて検出されて、DDVオリゴヌクレオチド(即ち、配列番号4〜配列番号6)によっては弱く増幅されて検出されることを示す。同様に、図面4はまた、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum が配列番号1〜配列番号3によっては増幅も検出もされないが、DDVオリゴヌクレオチド(即ち、配列番号4〜配列番号6)によっては強く増幅されて検出されることを示す。
実施例4:プローブのフルオロフォアとクエンチャー間の間隔の最適化
B. microti プローブ(即ち、配列番号2)について、そのフルオロフォアとクエンチャー間の異なる間隔で評価して、最適な間隔を決定した(図面5を参照のこと)。このアッセイは、実施例1〜実施例3において先に記載したのと同じ条件の下で試験した。このプローブは、フルオロフォアとクエンチャーの間が7塩基と10塩基の間隔で有効であったが、10塩基間隔のプローブは、同等のエンドポイントRFIとより優れた包括性を明示した(図面5と図面6を参照のこと)。
このように、このバベシアプローブは、7塩基〜10塩基の間が含まれる、フルオロフォアとクエンチャー間の広範囲の間隔内で効率的かつ特異的である。
実施例5:プローブ色素の最適化
B. microti プローブ(即ち、配列番号2)について、異なる蛍光部分又は蛍光色素である、FAMとHEXを用いて評価した。実施例1〜実施例4において先に記載したのと同じ条件の下でこのアッセイを試験した。このプローブは、FAM又はHEXの蛍光部分/色素のいずれでも有効であったが、HEX標識プローブは、より低いベースラインを明示して、大きく増加したシグナルをもたらした(図面7を参照のこと)。
このように、このバベシアプローブは、FAMとHEXが含まれる、いくつかの異なる種類の蛍光部分/色素で効率的かつ特異的である。
実施例6:ポストPCR分析
B. microti を検出するオリゴヌクレオチド(配列番号1〜配列番号3)を用いてポストPCR分析を実施した。このポストPCR分析を実施したのは、オリゴヌクレオチドの除去(depletion)とプローブの効率的な切断によって裏付けられるような、効率的な増幅を保証するためである。図面8に見ることができるように、B.microti オリゴヌクレオチド(配列番号1〜配列番号3)は、オリゴヌクレオチドの除去とプローブ切断を明示する。
このように、このバベシアオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの除去とプローブの効率的な切断によって裏付けられるように、効率的な増幅を保証する。
実施例7:全血でのリアルタイムPCRによる B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のマルチプレックス増幅及び検出
B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出用のオリゴヌクレオチドについて全血で試験した。簡潔に言えば、バベシア培養物をコバスPCM培地(CPM)において溶解させることによって、二次標準を作製した。コバスPCRメディアは、核酸が含まれる全血成分を溶解し、変性させて、安定化する分析前試薬である。コバスPCRメディアは、グアニジニウム塩(ここでは、4.2MのGuHCl)とTris(ここでは、50mM)をpH7.5で含有する。4種の異なるバベシア属種(B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum)についての4種の別々の標準品をこのやり方で産生した。この二次標準をコバスPCRメディアにおいて中間レベルまで希釈してから、全血:コバスPCRメディア混合物の中へ添加した(spiked)。この全血:コバスPCRメディア混合物は、1分量の全血と7分量のコバスPCRメディアである。各標準品の最終濃度は、下記の表4に示す通りであった。
Figure 0006911190
この標準品添加全血を、先に(実施例1〜実施例6)記載したような条件下で、B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出用のオリゴヌクレオチド(配列番号1〜配列番号3と配列番号4〜配列番号6)へ処した。結果を図面9〜図面11に示す。図面9は、B. microti を検出するための配列番号1〜配列番号3のオリゴヌクレオチドセットを、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するための配列番号4〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセットと(マルチプレックス設定において)組み合わせると、全血中の B. microti を特異的かつ効率的に増幅して検出することが可能であったことを明らかにする。図面10〜図面11は、B. microti を検出するための配列番号1〜配列番号3のオリゴヌクレオチドセットを、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するための配列番号4〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセットと(マルチプレックス設定において)組み合わせると、全血中の B. divergens(図面10Aと図面11)、B. duncani(図面10Bと図面11)、及び B. venatorum(図面10Cと図面11)を特異的かつ効率的に増幅して検出することが可能であったことを明らかにする。従って、これらの結果は、配列番号1〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセットが全血中の B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を特異的かつ効率的に増幅して検出することを実証する。これらの結果はまた、コバスPCRメディアが、核酸が含まれる全血成分を溶解し、変性させて、安定化することを実証する。
実施例8:B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のリバースプライマー対を用いた、全血でのリアルタイムPCRによる B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のマルチプレックス増幅及び検出
さらなる試験を実施して、上記の実施例7におけるように、全血でのリアルタイムPCRによる B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum のマルチプレックス増幅及び検出を実証したが、本実施例では、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出にリバースプライマーの対を使用した。即ち、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum の増幅及び検出用の新たなオリゴヌクレオチドセットについて試験したのである。特に、新しいリバースプライマー(配列番号7)をリバースプライマー(配列番号6)と協奏的に使用した。次いで、この2種の異なるリバースプライマー(配列番号6と配列番号7)を、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅して検出するために設計された、フォワードプライマー(配列番号4)とプローブ(配列番号5)と組み合わせて使用した。次いで、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するために設計された配列番号4〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセットを、B. microti を検出するために設計された配列番号1〜配列番号3のオリゴヌクレオチドセットと組み合わせて、この組み合わされた配列番号1〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセットが全血中の B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅して検出することが可能であるかを検討した。この条件は、先に記載した先の全血試験について記載したものと同一であった。各標準品の最終濃度は、下記の表5に示す通りであった。
Figure 0006911190
結果を図面12〜図面14に示す。図面12は、B. microti を検出するための配列番号1〜配列番号3のオリゴヌクレオチドセットを、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するための配列番号4〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセットと(マルチプレックス設定において)組み合わせると、全血中の B. microti を特異的かつ効率的に増幅して検出することが可能であったことを明らかにする。図面13〜図面14は、B. microti を検出するための配列番号1〜配列番号3のオリゴヌクレオチドセットを、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出するための配列番号4〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセットと(マルチプレックス設定において)組み合わせると、全血中の B. divergens(図面13Aと図面14)、B. duncani(図面13Bと図面14)、及び B. venatorum(図面13Cと図面14)を特異的かつ効率的に増幅して検出することが可能であったことを明らかにする。
次いで、上記の実験を再現して、オリゴヌクレオチドセット:配列番号1〜配列番号6をオリゴヌクレオチドセット:配列番号1〜配列番号7に対して、全血中の B. microti(データ示さず)、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を検出して増幅するそれらの能力において比較した。これらの結果を図面15に示す。配列番号1〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセットでは、2つのリバースプライマー(配列番号6と配列番号7)を等しい量で利用した。図面15は、配列番号1〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセット(図面15A)を配列番号1〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセット(図面15B)に対して使用した、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum についてのPCR曲線を示す。特に、B.duncani のPCR曲線について分析した(図面16〜図面17)。これらのデータは、オリゴヌクレオチドセット:配列番号1〜配列番号7(図面16B)が配列番号6のオリゴヌクレオチドセット(図面16A)に比較して、B.duncani の改善された増幅を示したことを明らかにする。即ち、配列番号1〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセット(これには、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅するための単一のリバースプライマー:配列番号6が含まれる)が B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を成功裡に増幅して検出することができる一方で、配列番号1〜配列番号7のオリゴヌクレオチドセット(これには、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を増幅するための2つのリバースプライマー:配列番号6と配列番号7が等量で含まれる)とリバースプライマーの対(配列番号6と配列番号7)は、B.duncani の改善された増幅を明示した(図面17)。
このように、上記の結果は、配列番号1〜配列番号6のオリゴヌクレオチドセットが全血中の B. microti、B. divergens、B. duncani、及び B. venatorum を特異的かつ効率的に増幅して検出することを実証する。これらの結果はまた、コバスPCRメディアが、核酸が含まれる全血成分を溶解し、変性させて、安定化することを実証する。

Claims (15)

  1. 試料中のB. microti(バベシア・ミクロティ)、B. divergens(バベシア・ディバージェンス)、B. duncani(バベシア・デュンカニ)、及び/又はB. venatorum(バベシア・ベナトルム)のバベシア(Babesia)同時検出する方法であって:
    (a)該試料を、B. microti、B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅のための1以上のプライマーのセットと接触させて、B. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumの標的核酸が該試料中に存在すれば増幅産物を産生することを含んでなる増幅工程を実施すること;
    (b)B. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumの標的核酸が該試料中に存在すれば、増幅産物を、B. microti、B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅産物へハイブリダイズさせるための1以上のプローブと接触させることを含んでなるハイブリダイゼーション工程を実施すること;及び
    (c)増幅産物の存在又は非存在を検出すること(ここで増幅産物の存在は、該試料中のB. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumの存在を示唆し、そしてここで増幅産物の非存在は、該試料中のB. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumの非存在を示唆する)を含んでなり;そして
    ここで1以上のプライマーのセット及び1以上のプローブは以下:
    (1)B. microti の増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び
    (ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマー;及び
    配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブ;並びに、
    (2)B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び
    (ii)配列番号6及び7からなる群より選択されるいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマー;及び
    配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む、B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含む、前記方法。
  2. 試料が、呼吸器検体、尿、便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、又は軟組織感染物である、請求項1に記載の方法。
  3. 試料が全血である、請求項2に記載の方法。
  4. 配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上の第二プライマーがプライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. プライマーの混合物が、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む、請求項4に記載の方法。
  6. ハイブリダイゼーション工程が、増幅産物を1以上のプローブと接触させる工程(ここで1以上のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識される)を含み;そして検出する工程は、1以上のプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分の間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで蛍光の存在又は非存在は、試料中のB. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumの存在又は非存在を示唆する、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. ドナー蛍光部分がHEX又はFAMである、請求項6に記載の方法。
  8. アクセプター部分がクエンチャーである、請求項6〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ドナー蛍光部分とアクセプター部分が互いの5〜20ヌクレオチド以内にある、請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 試料中に存在する可能性があるB. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumのバベシアの核酸を同時検出するためのキットであって、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチドモノマー、B. microti、B. divergens、B. duncani、及B. venatorumの増幅用の1以上のプライマーのセット、及びB. microti、B. divergens、B. duncani、及B. venatorumの増幅産物へハイブリダイズさせるための1以上のプローブを含んでなる増幅試薬を含んでなり、
    ここで1以上のプライマーのセット及び1以上のプローブは以下:
    (1)B. microti の増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び
    (ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマー;及び
    配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブ;並びに、
    (2)B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び
    (ii)配列番号6及び7からなる群より選択されるいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマー;及び
    配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む、B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含む、前記キット
  11. 配列番号6と配列番号7からなる群のいずれか1以上の核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマーがプライマーの混合物を含み、ここでこのプライマーの混合物は、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーを含む、請求項10に記載のキット。
  12. プライマーの混合物が、(i)配列番号6の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーと(ii)配列番号7の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマーの等量を有する混合物を含む、請求項11に記載のキット。
  13. 1以上のプローブがドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分を含む、請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載のキット。
  14. ドナー蛍光部分とアクセプター部分が互いの5〜20ヌクレオチド以内にある、請求項13に記載のキット。
  15. 試料中のB. microti、B. divergens、B. duncani、及び/又はB. venatorumのバベシア同時検出用の1以上のプライマーのセットと1以上のプローブであって、ここで1以上のプライマーのセット及び1以上のプライマーは、以下:
    (1)B. microti の増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号1の核酸配列又はその相補体を含んでなる第一プライマー;及び
    (ii)配列番号3の核酸配列又はその相補体を含んでなる第二プライマー;及び
    配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む、B. microti の増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブ;並びに、
    (2)B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅用の以下のプライマーのセット:
    (i)配列番号4の核酸配列又はその相補体を含んでなるプライマー;及び
    (ii)配列番号6及び7からなる群より選択されるいずれか1つの核酸配列又はその相補体を含んでなる1以上のプライマー;及び
    配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む、B. divergens、B. duncani、及びB. venatorumの増幅産物へハイブリダイズさせるためのプローブを含む、前記1以上のプライマーのセットと1以上のプローブ。
JP2020502464A 2017-07-18 2018-07-18 バベシア(Babesia)の検出のための組成物及び方法 Active JP6911190B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762534046P 2017-07-18 2017-07-18
US62/534,046 2017-07-18
PCT/EP2018/069473 WO2019016253A1 (en) 2017-07-18 2018-07-18 COMPOSITIONS AND METHODS FOR DETECTION OF BABESIA

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020532292A JP2020532292A (ja) 2020-11-12
JP6911190B2 true JP6911190B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=63013005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020502464A Active JP6911190B2 (ja) 2017-07-18 2018-07-18 バベシア(Babesia)の検出のための組成物及び方法

Country Status (5)

Country Link
US (3) US10760137B2 (ja)
EP (1) EP3655554A1 (ja)
JP (1) JP6911190B2 (ja)
CN (1) CN110651051B (ja)
WO (1) WO2019016253A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10760137B2 (en) * 2017-07-18 2020-09-01 Roche Molecular Systems, Inc. Compositions and methods for detection of Babesia
JP7425597B2 (ja) * 2019-12-25 2024-01-31 シスメックス株式会社 血液分析方法
CN111893201B (zh) * 2020-07-29 2021-07-20 深圳市疾病预防控制中心(深圳市卫生检验中心、深圳市预防医学研究所) 等温扩增检测4种巴贝虫的试剂、试剂盒及其应用
CN112251521A (zh) * 2020-10-28 2021-01-22 龙岩学院 检测华南虎或蜱虫内巴贝丝虫的通用引物及试剂盒
CN114231650A (zh) * 2021-12-28 2022-03-25 苏州中科先进技术研究院有限公司 用于检测巴贝斯虫的引物探针组合物、试剂盒及方法

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU596068B2 (en) 1983-02-22 1990-04-26 Syngene, Inc. Defined sequence single strand oligonucleotides incorporating reporter groups, process for the chemical synthesis thereof, and nucleosides useful in such synthesis
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US4683202A (en) 1985-03-28 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying nucleic acid sequences
US4965188A (en) 1986-08-22 1990-10-23 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences using a thermostable enzyme
US4996143A (en) 1985-12-23 1991-02-26 Syngene, Inc. Fluorescent stokes shift probes for polynucleotide hybridization
US4800159A (en) 1986-02-07 1989-01-24 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences
US5703055A (en) 1989-03-21 1997-12-30 Wisconsin Alumni Research Foundation Generation of antibodies through lipid mediated DNA delivery
US5035996A (en) 1989-06-01 1991-07-30 Life Technologies, Inc. Process for controlling contamination of nucleic acid amplification reactions
US5683896A (en) 1989-06-01 1997-11-04 Life Technologies, Inc. Process for controlling contamination of nucleic acid amplification reactions
US5210015A (en) 1990-08-06 1993-05-11 Hoffman-La Roche Inc. Homogeneous assay system using the nuclease activity of a nucleic acid polymerase
US5994056A (en) 1991-05-02 1999-11-30 Roche Molecular Systems, Inc. Homogeneous methods for nucleic acid amplification and detection
DE69231853T2 (de) 1991-11-07 2001-09-13 Nanotronics, Inc. Hybridisierung von mit chromophoren und fluorophoren konjugierten polynukleotiden zur erzeugung eines donor-zu-donor energietransfersystems
CA2257109C (en) 1996-06-04 2009-10-06 University Of Utah Research Foundation Monitoring hybridization during pcr
JP4281877B2 (ja) 1996-06-04 2009-06-17 ユニバーシティ オブ ユタ リサーチ ファウンデーション 生物学的プロセスを実行し且つモニタリングするためのシステムと方法
US6214971B1 (en) * 1996-10-01 2001-04-10 Corixa Corporation Compounds and methods for the diagnosis and treatment of Babesia microti infection
US6451315B1 (en) * 1996-10-01 2002-09-17 Corixa Corporation Compounds and methods for the diagnosis and treatment of B. microti infection
DK0866071T3 (da) 1997-03-20 2005-01-17 Hoffmann La Roche Modificerede primere
EP1934374B1 (en) 2005-10-05 2011-08-10 Roche Diagnostics GmbH Non-fluorescent energy transfer
US20120015360A1 (en) 2009-12-07 2012-01-19 Ibis Biosciences, Inc. Compositions for use in identification of babesia bioagents
EP2626365A1 (en) * 2012-02-10 2013-08-14 MegaCor Diagnostik GmbH Compounds and methods for the diagnosis of babesia canis canis infection
CN103103286B (zh) * 2013-03-05 2014-10-15 扬州大学 一种巴贝斯虫的荧光定量pcr检测和分型的引物、探针及试剂盒
CN103710433B (zh) * 2013-11-14 2016-02-03 中国检验检疫科学研究院 用于检测巴贝斯虫的引物和实时荧光定量pcr试剂盒
US9970065B2 (en) 2014-02-04 2018-05-15 Westchester Medical Center Advanced Physician Services, Pc Real-time PCR assay for detection of Babesia microti and clinical utilization in diagnosis and treatment of babesiosis
CN105219837B (zh) * 2014-06-04 2018-10-23 中国人民解放军军事医学科学院微生物流行病研究所 一种检测巴贝西虫的方法及其专用试剂盒
CN106434860A (zh) * 2015-01-24 2017-02-22 中国农业科学院兰州兽医研究所 可区分检测高致病性莫氏巴贝虫的引物及试剂盒
PL230445B1 (pl) 2015-05-12 2018-10-31 Narodowy Instytut Zdrowia Publicznego Panstwowy Zakl Higieny Sposób wykrywania i/lub identyfikacji pierwotniaków z rodzaju Babesia, starter do zastosowania w tym sposobie i jego zastosowanie oraz zestaw do stosowania w sposobach diagnostyki zarażenia i nosicielstwa babeszjozy
AR100931A1 (es) * 2015-06-22 2016-11-09 Inst Nac De La Tecnología Agropecuaria (Inta) Polipéptido quimérico, vacuna contra la babesiosis, métodos de inmunización, métodos de detección y kit
US10774393B2 (en) * 2016-05-20 2020-09-15 Roche Molecular Systems, Inc. Cell surface marker depletion in a sample processing device
CN106801052B (zh) * 2017-01-19 2019-07-16 广东省农业科学院动物卫生研究所 一种猪等孢球虫rRNA基因序列及其获取方法
US10760137B2 (en) * 2017-07-18 2020-09-01 Roche Molecular Systems, Inc. Compositions and methods for detection of Babesia
JP2022541331A (ja) * 2019-07-25 2022-09-22 エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー エプスタイン・バーウイルス(ebv)を検出するための組成物および方法
CN111893201B (zh) * 2020-07-29 2021-07-20 深圳市疾病预防控制中心(深圳市卫生检验中心、深圳市预防医学研究所) 等温扩增检测4种巴贝虫的试剂、试剂盒及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019016253A1 (en) 2019-01-24
JP2020532292A (ja) 2020-11-12
EP3655554A1 (en) 2020-05-27
US11767567B2 (en) 2023-09-26
US20190024189A1 (en) 2019-01-24
US20200399715A1 (en) 2020-12-24
CN110651051A (zh) 2020-01-03
US20200399716A1 (en) 2020-12-24
US10760137B2 (en) 2020-09-01
CN110651051B (zh) 2023-08-25
US11718883B2 (en) 2023-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6911190B2 (ja) バベシア(Babesia)の検出のための組成物及び方法
JP6962927B2 (ja) ジカウイルス検出用組成物および方法
JP2022546443A (ja) cccDNAから転写されたHBV RNAを含む、B型肝炎ウイルスRNAの増幅および検出のための組成物および方法
JP7478734B2 (ja) カンジダ・アウリス(candida auris)の検出のための組成物および方法
JP2015529090A (ja) クロストリジウム−ディフィシルの検出のための組成物及び方法
JP7036595B2 (ja) 薬物耐性結核菌の検出のための組成物及び方法
US20240102110A1 (en) Compositions and methods for detection of malaria
JP2018500888A (ja) 重なり合う加水分解プローブを用いた一ヌクレオチド多型検出法
JP2016534708A (ja) オーバーラッププライマー及び融解プローブを用いた一塩基多型の検出
JP6999645B2 (ja) 核酸の増幅及び検出/定量の効率を改良するためのヘルパーオリゴヌクレオチド
CA2994606C (en) Compositions and methods for detection of mycobacterium tuberculosis
JP2024517835A (ja) 二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法
CN118202069A (zh) 用于检测疟疾的组合物和方法
JP2022531348A (ja) 鎖分離温度に基づくDNAに対してRNA標的の優先的/選択的増幅のためのdITPの利用
CN117441029A (zh) 用于检测具有刺突蛋白突变的严重急性呼吸综合征冠状病毒2(sars-cov-2)变体的组合物和方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6911190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150