JP6962927B2 - ジカウイルス検出用組成物および方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ウイルス診断法の分野に関し、特にジカウイルスの検出に関する。
フラビウイルス科フラビウイルス属の一種であるジカウイルスは、ネッタイシマ蚊およびヒトスジシマ蚊を含むヤブ蚊によって伝染するウイルスである。ジカウイルスはデング熱ウイルス、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス(JEV)、および西ナイルウイルス(WNV)と関連がある。ジカウイルスによる感染はジカ熱として知られており、ヒトでは発熱、発疹、および倦怠感を引き起こす場合がある。ジカウイルス感染は、ギラン・バレー症候群を含む成人の神経疾患と結びつけられている。また、2016年の始めに妊娠中の女性のジカウイルス感染は、流産や小頭症と結びつけられた。現在、ジカウイルス感染に対するワクチンも有効な薬物治療も知られていない。
2013年から2014年に、オセアニアでジカウイルスの流行的発生が起きた。2015年5月に、ブラジルでジカウイルス感染と認められた最初の症例が同定された。2015年5月以来、ブラジルでは推定44万人から130万人が感染した。ブラジルでの最近の発生は、小脳髄症とされた多くの症例と結びつけられた。2016年の始めにブラジルから始まって主に南北アメリカでジカウイルスが大流行すると、南米、中米、メキシコ、カリブ諸島の他の国々に広がった。
ジカウイルスのための血清検査(酵素結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)または免疫蛍光)が開発されている。しかしながら、デング熱または黄熱病を含む他のフラビウイルスとの交差反応性により、IgM抗体診断検査の使用は限定されている。また、感染の初期段階には抗体が存在しない場合があり、これが急性感染での血清検査の使用とその適性をさらに低下させている。従って、ジカウイルスを素早く検出する、特異的かつ高感度で、信頼性が高い方法が当該分野で求められている。
本開示の特定の態様は、単一の試験管内で定量リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、例えば、ジカウイルスの多重検出など、生体試料または非生体試料中のジカウイルスの有無を素早く検出する方法に関する。そのような例としては、例えば、少なくとも1サイクル工程を行うことを含むジカウイルスの検出方法が挙げられる。これらの方法は増幅工程とハイブリダイズ工程を含んでいてもよい。さらに、態様は、単一の試験管内でジカウイルスを検出するようになっているプライマー、プローブ、およびキットを含む。これらの検出方法は、ジカウイルスゲノムの様々な標的領域に合わせて設計されている。例えば、これらの方法は、エンベロープ(E)領域をコードするゲノム領域を標的し、かつ/または非構造(NS)領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)を標的するように設計されている。
一態様では、試料中のジカウイルスを検出する方法が提供される。この方法は、前記試料を1組のプライマーに接触させて、ジカウイルスが前記試料中に存在する場合に増幅産物を産生することを含む増幅工程を行うこと、前記増幅産物を1種以上の検出可能なプローブに接触させることを含むハイブリダイズ工程を行うこと、および前記増幅産物の有無を検出することを含む。前記増幅産物の存在は前記試料中にジカウイルスが存在することを示し、前記増幅産物が存在しないことは前記試料中にジカウイルスが存在しないことを示す。前記1組のプライマーは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選択される配列またはその相補体を含む、あるいはそれからなる。前記検出可能なプローブは、配列番号9、10、11、および12からなる群より選択される配列またはその相補体を含む、あるいはそれからなる。
一態様では、ジカウイルス標的の増幅用のプライマーの組は、配列番号1、2、3、および4からなる群より選択される第一のオリゴヌクレオチド配列またはその相補体を含む第一のプライマー、および配列番号5、6、7、および8からなる群より選択される第二のオリゴヌクレオチド配列またはその相補体を含む第二のプライマーを含み、前記増幅産物の検出用の検出可能なプローブは配列番号9、10、11、および12の核酸配列またはその相補体を含む。
他の態様は、配列番号1〜12より選択されるヌクレオチドの配列またはその相補体を含むまたはそれからなるオリゴヌクレオチドを提供する。このオリゴヌクレオチドは100個以下のヌクレオチドを持つ。他の態様では、本開示は、配列番号1〜12のうちの1つまたはその相補体に対して少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%など)を持つオリゴヌクレオチドを提供する。このオリゴヌクレオチドは100個以下のヌクレオチドを持つ。これらの態様では、一般に、これらのオリゴヌクレオチドはプライマー核酸またはプローブ核酸であってもよい。これらの態様のいくつかでは、これらのオリゴヌクレオチドは40個以下のヌクレオチド(例えば、35〜40個のヌクレオチド、35個以下のヌクレオチド、例えば、30〜35個のヌクレオチド、30個以下のヌクレオチド、例えば、25〜30個のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、例えば、20〜25個のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、例えば、15〜20個のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド、例えば、5〜15個のヌクレオチドなど)を持つ。態様によっては、例えば、これらのオリゴヌクレオチドは、非修飾ヌクレオチドに対して核酸ハイブリダイゼーション安定性を変更する少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の標識、および少なくとも1つの消光物質(quencher)の部位を含んでいてもよい。態様によっては、これらのオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的修飾変異を含む。特定の核酸配列の「保存的修飾変異」または単に「保存的変異」とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、または本質的に同一の配列に対応するアミノ酸配列をコードしていない核酸を指す。当業者には自明であるが、コードされた配列中の単一のヌクレオチドまたはわずかな割合(典型的には5%未満、例えば、0.5%〜5%、より典型的には4%、2%、1%未満であるが0.1%より大きい)のヌクレオチドを変更、付加、あるいは削除する個々の置換、欠失、または付加は「保存的修飾変異」であり、その変更によりアミノ酸の欠失、付加、または置換が生じて化学的に類似のアミノ酸となる。
一側面では、増幅に5’→3’ヌクレアーゼ活性を持つポリメラーゼ酵素を用いてもよい。従って、供与体蛍光部位と受容体部位(例えば、消光物質)は、プローブの長さに沿ってそれぞれ、5〜20個以内のヌクレオチド(例えば、8または10個のヌクレオチド)であってもよい。他の側面では、このプローブは、二次構造形成を許す核酸配列を含む。このような二次構造の形成により、第一の蛍光部位と第二の蛍光部位を空間的に近接させてもよい。この方法によれば、プローブ上の第二の蛍光部位は消光物質であってもよい。
一側面では、特定のジカウイルスプローブは、レポーターとして作用する蛍光色素で標識されていてもよい。このプローブはまた、消光物質として作用する第二の色素を持っていてもよい。このレポーター色素を所定の波長で測定して、これにより増幅したジカウイルス標的の検出と識別を行う。完全な状態のプローブの蛍光信号は消光物質色素により抑制されている。PCR増幅工程中、これらプローブが特定の一本鎖DNA鋳型にハイブリダイズすると、DNAポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により切断が起こってレポーターと消光物質色素が分離し、蛍光信号が生成される。各PCRサイクルで、切断されたプローブの量が増加し、それに付随してレポーター色素の累積信号が増加する。また、1種以上の追加プローブ(例えば、内部基準対照または他の標的プローブ(例えば、他のウイルス核酸)を、ジカウイルスプローブに関連付けられた蛍光色素標識とは別の固有なレポーター蛍光色素で標識してもよい。このような場合、特定のレポーター色素を所定の波長で測定するので、増幅したジカ標的と前記1種以上の追加プローブの同時検出および識別が可能である。
本開示はまた、個体に由来する生体試料中のジカウイルスまたはジカウイルス核酸の有無を検出する方法を提供する。これらの方法を用いて、血液スクリーニングおよび診断検査用に血漿中のジカウイルスまたはジカウイルス核酸の有無を検出してもよい。また、同じ検査を当該分野で経験のある人が用いて、ジカウイルスまたはジカウイルス核酸を検出するために尿および他の種類の試料を検査してもよい。このような方法は、一般に、増幅工程および色素結合工程を含む少なくとも1サイクル工程を行うことを含む。典型的には、増幅工程は、上記試料を複数対のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させて、上記試料中に核酸分子が存在する場合は1種以上の増幅産物を生成することを含み、色素結合工程は上記増幅産物を二本鎖DNA結合色素に接触させることを含む。このような方法はまた、二本鎖DNA結合色素の増幅産物との結合の有無を検出することを含む。結合があれば、試料中にジカウイルスまたはジカウイルス核酸が存在することを示し、結合がなければ試料中にジカウイルスまたはジカウイルス核酸がないことを示す。代表的な二本鎖DNA結合色素は臭化エチジウムである。他の核酸結合色素としては、DAPI、Hoechst色素、PicoGreen(登録商標)、RiboGreen(登録商標)、OliGreen(登録商標)、およびシアニン色素(例えば、YO−YO(登録商標)およびSYBR(登録商標)グリーン)などが挙げられる。また、このような方法はまた、ジカウイルスまたはジカウイルス核酸の有無を裏付ける増幅産物と二本鎖DNA結合色素との融解温度を決定することを含んでいてもよい。
さらなる一態様では、ジカウイルスの1種以上の核酸を検出するキットが提供される。このキットは、1組以上の遺伝子標的の増幅に特異的なプライマー、および増幅産物の検出に特異的な1種以上の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
一側面では、このキットは、供与体部位および対応する受容体部位(例えば、他の蛍光部位または暗消光物質)で既に標識されたプローブを含んでいてもよく、あるいはプローブを標識する蛍光体部位を含んでいてもよい。このキットはまた、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、および核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液を含んでいてもよい。このキットはまた、プライマー、プローブ、および蛍光体部位を使用して、試料中のジカウイルス核酸の有無を検出するための包装袋の折り込みおよび指示書を含んでいてもよい。
特に断りがなければ、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する一般の当業者により一般に理解されるのと同じ意味である。本明細書で記載するのと類似または等価な方法および材料を本明細書の主題の実践または試験に用いてもよいが、好適な方法および材料を以下に記載する。
本発明の1つ以上の態様の詳細は、添付の図面および以下の記述により記載される。本発明の特徴、目的、および利点は図面および詳細な記述、さらには請求項から自明である。
図1は、ジカウイルスゲノムのE(a)、NS3(b)、およびNS5(c)領域に特異的なプライマーおよびプローブがジカウイルスを検出することを示す実験のPCR増幅曲線を示す。
図2は、ジカウイルスゲノムのEおよびNS5領域に特異的なプライマーおよびプローブがジカウイルスを検出することを示す実験のPCR増幅曲線を示す。
図3は、他の標的/核酸と多重化するためのジカウイルスプライマーおよびプローブの能力を示す内部基準対照の存在下での実験のPCR増幅曲線を示す。
図4は、ENVおよびNS5アッセイを用いてプライマーおよびプローブが生体試料(例えば、血漿)からジカウイルスを検出することを示す実験のPCR増幅曲線を示す。
発明の詳細な説明
核酸増幅によるジカウイルス感染の診断は、素早く、正確に、信頼性が高く、特異的で高感度にウイルス感染を検出する方法を提供する。非生体試料または生体試料中のジカウイルスを検出する定量リアルタイム逆転写酵素PCRアッセイを本明細書に記載する。ジカウイルスを検出するためのプライマーおよびプローブが、製造物品またはそのようなプライマーおよびプローブを含むキットとして提供される。他の方法に比べてジカウイルスの検出でのリアルタイムPCRの特異性と感度が高められており、またリアルタイムPCRの特徴(試料収容および増幅産物のリアルタイム検出を含む)が向上していることから、臨床実験室でのジカウイルス感染の通常診断にこの技術を実施することが可能になっている。また、この技術を血液スクリーニングおよび予後に用いてもよい。このジカウイルス検出アッセイはまた、並行して他の核酸(例えば、デング熱ウイルス、チクングニアウイルス、および西ナイルウイルス)を検出する他のアッセイと多重化してもよい。
ジカウイルスゲノムは、5’NCRおよび3’NCRとして知られる2つの非翻訳性領域を持つ、10,794塩基長の+センス鎖の一本鎖RNA分子である。ジカウイルスの読み取り枠は、5’−C−prM−E−NS1−NS2A−NS2B−NS3−NS4A−NS4B−NS5−3’である。これはポリペプチドをコードしており、順次切断されてカプシド(C)、前駆体膜(prM)、エンベロープ(E)、および非構造タンパク質(NS)となる。エンベロープは、ウイルス表面の大部分を構成し、複製の各側面に関与する。
本開示は、例えば、TaqMan(登録商標)増幅および検出技術を用いて特異的にジカウイルスを同定するためにジカウイルスゲノム(例えば、エンベロープ(E)領域および/または標的非構造(NS)領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)をコードするゲノムのaa領域)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーおよび蛍光標識した加水分解プローブを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、エンベロープ(E)領域および/または標的非構造(NS)領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)に特異的にハイブダイズする。ゲノムの複数の場所にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドは、単一のコピー遺伝座位を標的するのに比べて感度が向上しているため有利である。
開示された方法は1対以上のプライマーを用いて試料に由来する核酸分子遺伝子標的の1つ以上の部分を増幅することを含む少なくとも1サイクル工程を行うことを含んでいてもよい。本明細書で用いられる用語「ジカウイルスプライマー」は、ジカウイルスゲノムに見られる核酸配列に特異的にアニールして、そこからそれぞれの増幅産物を産生するのに適した条件でDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを言う。ジカウイルスゲノムに見られる核酸配列の例としては、エンベロープ(E)領域および/または標的非構造(NS)領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)内の核酸が挙げられる。記載するジカウイルスプライマーのそれぞれは、各増幅産物の少なくとも一部がエンベロープ(E)領域および/または標的非構造(NS)領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)内の標的に対応する核酸配列を含むようにその標的にアニールする。1種以上の核酸が試料中に存在すると1種以上の増幅産物が産生される。従って、1種以上の増幅産物の存在は、試料中にジカウイルスが存在することを示している。この増幅産物は、当然、ジカウイルス用の1種以上の検出可能なプローブに相補な核酸配列を含んでいる。本明細書で用いられる用語「ジカウイルスプローブ」は、ジカウイルスゲノムに見られる核酸配列に特異的にアニールするオリゴヌクレオチドプローブを言う。各サイクル工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、および検出工程を含み、試料中のジカウイルスの有無を検出するための1種以上の検出可能なジカウイルスプローブと試料を接触させる。
本明細書で用いられる用語「増幅する」は、鋳型核酸分子(例えば、ジカウイルスゲノム由来の核酸分子)の一方または両方の鎖に相補な核酸分子を合成する過程を言う。核酸分子の増幅は、典型的には、鋳型核酸を変性させること、プライマーの融解温度より低い温度で鋳型核酸にプライマーをアニールすること、および酵素を用いてプライマーから伸長させて増幅産物を生成することを含む。増幅は、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)、および適切な緩衝液および/またはポリメラーゼ酵素(例えば、MgClおよび/またはKCl)の最適な活性のための共因子の存在が必要である。
本明細書で用いられる用語「プライマー」は当業者には知られており、オリゴマー化合物を言う。これらオリゴマー化合物は主にオリゴヌクレオチドを言うが、鋳型依存DNAポリメラーゼによりDNA合成を「刺激する(prime)」、すなわち、例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端が遊離3’−OH基を提供することができる修飾オリゴヌクレオチドも指す。これら修飾オリゴヌクレオチドでは、さらに鋳型依存DNAポリメラーゼにより「ヌクレオチド」が結合して、3’→5’リン酸ジエステル結合が形成されてもよい。これにより、デオキシリボヌクレオシド三リン酸が用いられて、ピロリン酸塩が放出される。
本明細書で用いられる用語「ハイブリダイズ」は、増幅産物に1種以上のプローブをアニールすることを言う。「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、プローブの融解温度より低いが、プローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
本明細書で用いられる用語「5’→3’ヌクレアーゼ活性」は、典型的には核酸鎖合成に関連付けられる核酸ポリメラーゼの活性を言う。これにより、ヌクレオチドは核酸鎖の5’末端から外れる。
本明細書で用いられる用語「熱安定性ポリメラーゼ」は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を言う。すなわち、この酵素は、鋳型に相補なプライマー伸長生成物の形成を触媒し、二本鎖鋳型核酸の変性を生じさせるのに必要な時間、高温に曝されても不可逆的に変性しない。一般に、合成は各プライマーの3’末端から開始されて、鋳型鎖に沿って5’→3’方向に進む。熱安定性ポリメラーゼは、サーマス・フラヴァス、サーマス・ルーバー、サーマス・サーモフィラス、サーマス・アクアティクス、サーマス・ラクテウス、サーマス・ルーベンス、バチルス・ステアロサーモフィルス、およびメタノサーマス・フェルビズスから単離された。そうではあるが、必要に応じて酵素を補充するのであれば、熱安定性ではないポリメラーゼもまたPCRアッセイに用いることができる。
本明細書で用いられる用語「その相補体」は、所与の核酸と同じ長さで完全に相補である核酸を言う。
核酸に関して本明細書で用いられる用語「伸長」または「伸び」は、追加のヌクレオチド(または他の類縁体分子)が核酸に組み込まれることを言う。例えば、核酸は、典型的には核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼなど、ヌクレオチドを組み込む生物学的触媒により伸長されてもよい。
2つ以上の核酸配列の文脈において、用語「同一」またはパーセント「同一性」は、例えば、当業者が利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを用いて、あるいは目視による検査で測定するなど、最大の対応について比較とアライメントを行った場合に同じであるまたは同じヌクレオチドを特定の割合で持つ2つ以上の配列または下位配列を言う。パーセント配列同一性および配列類似性を決定するのに好適な計算法の例としては、例えば、以下に記載されるBLASTプログラムが挙げられる:Altschul et al. (1990) “Basic local alignment search tool” J. Mol. Biol. 215:403-410, Gish et al. (1993) “Identification of protein coding regions by database similarity search” Nature Genet. 3:266-272, Madden et al. (1996) “Applications of network BLAST server” Meth. Enzymol. 266:131-141, Altschul et al. (1997) “Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs” Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, and Zhang et al. (1997) “PowerBLAST: A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation” Genome Res. 7:649-656。
オリゴヌクレオチドの文脈での「修飾ヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1個のヌクレオチドがそのオリゴヌクレオチドに所望の特性を与える異なるヌクレオチドで置換される変化を言う。本明細書で記載するオリゴヌクレオチドで置換することができる修飾ヌクレオチドとしては、例えば、t−ブチルベンジル、C5−メチル−dC、C5−エチル−dC、C5−メチル−dU、C5−エチル−dU、2,6−ジアミノプリン、C5−プロピニル−dC、C5−プロピニル−dU、C7−プロピニル−dA、C7−プロピニル−dG、C5−プロパルギルアミノ−dC、C5−プロパルギルアミノ−dU、C7−プロパルギルアミノ−dA、C7−プロパルギルアミノ−dG、7−デアザ−2−デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、偽dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’−0−メチル・リボ−U、2’−0−メチル・リボ−C、N4−エチル−dC、N6−メチル−dAが挙げられる。上記オリゴヌクレオチドで置換することができる多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書で引用されるか、または当該分野で周知である。特定の態様では、修飾ヌクレオチドの置換により、対応する修飾オリゴヌクレオチドの融解温度に対して上記オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)が変化する。さらに例示すると、態様によっては、修飾ヌクレオチドの置換は、非特異的核酸増幅を減少させ(例えば、プライマー二量体の形成を最少にする)、意図した標的増幅産物(アンプリコン)の収率を増加させることがある。このような種類の核酸修飾の例は、例えば、米国特許第6,001,611号に記載されている。他の修飾ヌクレオチド置換は、オリゴヌクレオチドの安定性を変化させる、あるいは他の望ましい特徴をもたらす場合がある。
ジカウイルスの検出
本開示は、例えば、ジカウイルス核酸配列の一部を増幅することでジカウイルスを検出する方法を提供する。ジカウイルスの核酸配列は入手可能である(例えば、参考株:Uganda 1957, Accession:NC_012532)。具体的には、本開示の態様により、ジカウイルス核酸分子標的を増幅して検出するプライマーおよびプローブが提供される。
ジカウイルス検出のために、ジカウイルスを増幅するプライマーおよびプローブが提供される。本明細書で例示するジカウイルス核酸以外のジカウイルス核酸もまた、試料中のジカウイルスの検出に用いてもよい。例えば、定法を用いて当業者により機能的多様体の特異性および/または感度を評価してもよい。代表的な機能的多様体としては、例えば、本明細書で開示されるジカウイルス核酸の1つ以上の欠失、挿入、および/または置換が挙げられる。
より具体的には、オリゴヌクレオチドの態様は、配列番号1〜12、配列番号1〜12のうちの1つと少なくとも、例えば、80%、90%、または95%の配列同一性を持つ実質的に同一の多様体、または配列番号1〜12および上記多様体の補体から選択される配列を持つ核酸を含む。
Figure 0006962927

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一態様では、ジカウイルスを含んでいると疑われる生体試料(表1〜3)中のジカウイルスを検出するために、上記の組のジカウイルスプライマーおよびプローブを用いる。上記の組のジカウイルスプライマーおよびプローブは、配列番号1〜12の核酸配列を含むまたはそれからなるジカウイルス核酸配列に特異的なプライマーおよびプローブを含むかそれらからなっていてもよい。他の態様では、ジカウイルス標的のためのこれらのプライマーおよびプローブは、配列番号1〜12のプライマーおよびプローブのいずれかの機能的活性多様体を含むかそれからなる。
配列番号1〜12のプライマーおよび/またはプローブのいずれかの機能的活性多様体は、開示の方法でプライマーおよび/またはプローブを用いて同定してもよい。配列番号1〜12のいずれかのプライマーおよび/またはプローブの機能的活性多様体は、記載する方法またはキットで配列番号1〜12のそれぞれの配列と比較して同程度か高い特異性と感度を提供するプライマーおよび/またはプローブに関する。
これらの多様体は、例えば、配列番号1〜12のそれぞれの配列の5’末端および/または3’末端の1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、または置換など、1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、または置換により配列番号1〜12の配列を変化させてもよい。上で詳述したように、プライマー(および/またはプローブ)は化学的に変性されていてもよい、すなわちプライマーおよび/またはプローブは修飾ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド化合物を含んでいてもよい。従って、プローブ(またはプライマー)は修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類縁体」)は、何らかの修飾により天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、塩基化合物または塩基様化合物、ペントフラノシル糖またはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分またはリン酸様部分、あるいはこれらの組み合わせからなる。例えば、「標識」を「ヌクレオチド」の塩基部分に結合させてもよく、これにより「修飾ヌクレオチド」が得られる。「ヌクレオチド」の天然の塩基を、例えば、7−デアザプリンで置換してもよく、これによっても「修飾ヌクレオチド」が得られる。用語「修飾ヌクレオチド」または「ヌクレオチド類縁体」は本出願では互いに言い換え可能である。「変性ヌクレオシド」(または「ヌクレオシド類縁体」)は、何らかの修飾により、「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類縁体」)について上で概説したように天然のヌクレオシドとは異なる。
例えば、コンピュータプログラム(例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights Inc.、コロラド州カスケード))を用いて、ジカウイルス標的をコードする核酸分子(例えば、ジカウイルスの代替え可能な部分をコードする核酸)を増幅する修飾オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類縁体を含むオリゴヌクレオチドを設計してもよい。増幅プライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドを設計する際に重要な特徴は、以下に限定されないが、(例えば、電気泳動など)検出を容易にする適切な寸法の増幅産物、1対のプライマーの各プライマーが同程度の融解温度を持つこと、および各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性を持ってアニールして合成を開始するのに十分な長さであるがオリゴヌクレオチド合成中に忠実度が低下する程ではない長さ必要である)などが挙げられる。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーの長さは8〜50ヌクレオチド(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、または50ヌクレオチド)である。
1組のプライマーに加えて、上記方法は、ジカウイルスの有無を検出するため、1種以上のプローブを用いてもよい。本明細書で用いられる用語「プローブ」は、合成により、あるいは生物学的に産生された核酸(DNAまたはRNA)を言う。「プローブ」は、設計または選択により、特定のヌクレオチド配列を含み、このヌクレオチド配列によりプローブは規定された所定の厳密さで特異的に(すなわち、選択的に)「標的核酸」、本明細書の場合はジカウイルス(標的)核酸にハイブリッドすることができる。「プローブ」は、標的核酸を検出するという意味で「検出プローブ」と言う場合もある。
態様によっては、記載するジカウイルスプローブは、少なくとも1つの蛍光標識で標識されていてもよい。一態様では、ジカウイルスプローブは、供与体蛍光部位(例えば、蛍光色素)および対応する受容体部位(例えば、消光物質)で標識されていてもよい。一態様では、このプローブは蛍光部位を含むかそれからなり、核酸配列は配列番号9〜12を含むかそれからなる。
プローブとして用いられるオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様に行ってもよい。複数の実施形態で、増幅産物の検出に単一のプローブまたは1対のプローブを用いてもよい。態様にもよるが、プローブは、少なくとも1つの標識および/または少なくとも1つの消光物質部位を含んでいてもよい。プライマーと同様に、プローブは一般的に同程度の融解温度を持ち、各プローブの長さは配列に特異的なハイブリダイゼーションが起こるのに十分な長さであるが、合成中に忠実度が低下する程ではない長さでなければならない。オリゴヌクレオチドプローブの長さは一般に15〜40(例えば、16、18、20、21、22、23、24、または25)ヌクレオチドである。
構築物は、それぞれ、ジカウイルスプライマーおよびプローブ核酸分子(例えば、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10)の1つを含むベクターを含んでいてもよい。構築物は、例えば対照鋳型核酸分子として用いられてもよい。使用に好適なベクターは市販されている、かつ/または当該分野で通常の組換え核酸技術法で産生されている。ジカウイルス核酸分子を、例えば、化学合成、ジカウイルスからの直接クローニング、または核酸増幅により得てもよい。
本明細書の方法に用いるのに好適な構築物は、典型的には、ジカウイルス核酸分子(例えば、配列番号1〜12のうちの1つ以上の配列を含む核酸分子)に加えて、所望の構築物および/または形質転換体(例えば、抗生物質耐性遺伝子)を選択するための選択可能マーカーをコードする配列および複製起点を含む。ベクター系の選択は、通常、いくつかの因子に依存している。そのような因子としては、これらに限定されないが、宿主細胞の選択、複製効率、選択可能性、誘導能、および回収の容易さが挙げられる。
ジカウイルス核酸分子を含む構築物は、宿主細胞内で増殖させてもよい。本明細書で用いられる用語「宿主細胞」は、原核生物および真核生物(例えば、酵母、植物細胞、および動物細胞)を含むことを意味する。原核生物宿主は、大腸菌、ネズミチフス菌、霊菌、および枯草菌を含んでいてもよい。真核生物宿主は、酵母(例えば、出芽酵母、分裂酵母、ピキア酵母)、哺乳類細胞(例えば、COS細胞またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)、昆虫細胞、および植物細胞(例えば、シロイヌナズナおよびタバコ)が挙げられる。一般に当業者に知られている技術のいずれかを用いて、構築物を宿主細胞に導入してもよい。核酸を宿主細胞に導入する一般的な方法としては、例えば、リン酸カルシウム沈殿法、電気穿孔法、熱ショック、リポフェクション法、ミクロ注入法、およびウイルス媒介核酸移送がある。また、裸のDNAを直接細胞に送達してもよい(例えば、米国特許第5,580,859号および5,589,466号を参照のこと)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、4,683,195号、4,800,159号、および4,965,188号には従来のPCR技術が開示されている。PCRは、典型的には選択された核酸鋳型(例えば、DNAまたはRNA)に結合する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。いつくかの態様で有用なプライマーは、記載されるジカウイルス核酸配列(例えば、配列番号1〜8)内で核酸合成を開始する点として作用することができるオリゴヌクレオチドを含む。プライマーは従来の方法により制限消化物から精製してもよい。あるいは、合成により産生してもよい。プライマーは、増幅での最大効率のため一本鎖であることが好ましいが、二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、まず、変性、すなわち、処理されて一本鎖に分離される。二本鎖核酸を変性する方法の1つは加熱である。
鋳型核酸が二本鎖である場合、PCRの鋳型として用いることができるようになる前に2本の鎖を分離する必要がある。鎖の分離は物理的手段、化学的手段、または酵素による手段を含む任意の好適な変性法により達成してもよい。核酸鎖を分離する1つの方法は、核酸鎖が主に変性(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、または95%より多く変性)されるまで核酸を加熱することを含む。鋳型核酸を変性させるのに必要な加熱条件は、例えば、緩衝液の塩濃度、および変性される核酸の長さとヌクレオチド組成に依存するが、温度および核酸の長さなど反応の特徴によって所定の時間、典型的には約90℃〜約105℃の範囲である。変性は、典型的には、約30秒間〜4分間、(例えば、1分間〜2分30秒間、または1.5分間)行なわれる。
二本鎖鋳型核酸を熱で変性する場合、各プライマーのその標的配列へのアニーリングを促進する温度まで反応混合物を冷却する。アニーリング温度は、通常、約35℃〜約65℃(例えば、約40℃〜約60℃、約45℃〜約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒間〜約1分間(例えば、約20秒間〜約50秒間、約30秒間〜約40秒間)であってもよい。次いで、ポリメラーゼ活性が促進または最適化される温度に反応混合物を調整する。すなわち、アニールされたプライマーから伸長が起こるのに十分な温度に調整して、鋳型核酸に相補な生成物を生成する。この温度は、核酸鋳型にアニールする各プライマーから伸長生成物を合成するのに十分ではあるが、その相補鋳型から伸長生成物を変性するのに十分に高い温度でなければならない(例えば、伸長温度は、一般に約40℃〜約80℃の範囲である(例えば、約50℃〜約70℃、約60℃))。伸長時間は約10秒間〜約5分間(例えば、約30秒間〜約4分間、約1分間〜約3分間、約1分30秒間〜約2分間であってもよい。
レトロウイルスのゲノム、またはRNAウイルス(例えば、ジカウイルス、その他のフラビウイルス)のゲノムは、リボ核酸すなわちRNAからなる。このような場合、逆転写酵素の作用により鋳型核酸RNAを相補DNA(cDNA)に転写しなければならない。逆転写酵素は、RNA鋳型とRNAの3’末端に相補な短いプライマーを用いて、第一の鎖cDNAの合成を導く。このcDNAを直接ポリメラーゼ連鎖反応の鋳型として用いてもよい。
PCRアッセイに、RNAまたはDNA(cDNA)などのジカウイルス核酸を用いてもよい。鋳型核酸は精製されていなくてもよく、ヒト細胞に含まれるジカウイルス核酸などの複合混合物の小さな画分であってもよい。ジカウイルス核酸分子は、Diagnostic Molecular Microbiology: Principles and Applications (Persing et al. (eds), 1993, American Society for Microbiology, Washington D.C.)に記載されたような通常の技術により生体試料から抽出されてもよい。任意の数の供給源(例えば、プラスミド)または天然の供給源(バクテリア、酵母、ウイルス、細胞小器官、または植物や動物などの高等生物を含む)から核酸を得てもよい。
オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、配列番号1〜8)は、プライマー伸長を誘導する反応条件でPCR試薬と組み合わせられる。例えば、鎖伸長反応は、一般に、50mMのKCl、10mMのTris−HCl(pH:8.3)、15mMのMgCl、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5〜1.0μgの変性鋳型DNA、各オリゴヌクレオチドプライマー50pmol、2.5UのTaqポリメラーゼ、および10%のDMSO)を含む。これらの反応は、通常、dATP、dCTP、dTTP、dGTPまたは1種以上のこれらの類縁体をそれぞれ150〜320μM含む。
新たに合成した鎖は、反応の続く工程に用いることができる二本鎖分子を形成する。所望量の標的ジカウイルス核酸分子に対応する増幅産物を産生するのに必要な回数だけ、鎖の分離、アニーリング、および伸びの工程を繰り返してもよい。反応の制限因子は、反応に存在するプライマー、熱安定性酵素、およびヌクレオシド三リン酸の量である。サイクル工程(すなわち、変性、アニーリング、および伸長)は少なくとも1回繰り返すのが好ましい。検出に用いる場合、サイクル工程の回数は、例えば、試料の回数に依存している。試料が核酸の複合混合物である場合、検出するのに十分な標的配列を増幅するにはより多くの回数のサイクル工程が必要である。一般に、サイクル工程は、少なくとも約20回繰り返されるが、40回、60回、または100回繰り返してもよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、5,565,322号、5,849,489号、および6,162,603号を参照のこと)は、供与体蛍光部位と対応する受容体蛍光部位が互いに特定の距離以内に位置する時、これら2つの蛍光部位の間でエネルギー移動が起こり、そのエネルギー移動は視覚化または検出および/または定量化することができるという概念に基づいている。供与体は、典型的には、好適な波長の光線により励起されると受容体にエネルギーを移動させる。受容体は、典型的には、異なる波長の光線という形態で移動エネルギーを再放出する。特定の系では、実質的に非蛍光供与体部位を含む生体分子により、供与体部位と受容体部位との間で非蛍光エネルギーを移動させてもよい(例えば、米国特許第7,741,467号を参照のこと)。
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、供与体蛍光部位(例えば、HEX)と対応する消光物質(例えば、BlackHole Quenchers(登録商標)(BHQ))を含んでいてもよい。この消光物質は、蛍光であってもなくてもよく、光以外の形態で移動エネルギーを放出する。プローブが完全である場合、エネルギー移動は、典型的には、供与体蛍光部位からの蛍光発光が受容体部位により消光されるように供与体部位と受容体部位の間で起こる。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長工程時に、増幅産物に結合したプローブは、例えば、Taqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により切断されて、供与体蛍光部位の蛍光発光が消光しなくなる。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、5,994,056号、および6,171,785号で記載されている。一般に用いられる供与体と受容体の対としてはFAM−TAMRA対が挙げられる。一般に用いられる消光物質はDABCYLとTAMRAである。一般に用いられる暗消光物質としては、BlackHole Quenchers(登録商標)(BHQ)(Biosearch Technologies, Inc.、カリフォルニア州ナバト)、Iowa Black(登録商標)(Integrated DNA Tech., Inc.、アイオワ州コーラルヴィル)、BlackBerry(登録商標)Quencher 650 (BBQ-650) (Berry & Assoc.、ミシガン州デクスター)が挙げられる。
他の例では、それぞれ蛍光部位を含む2つのオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブのジカウイルス標的核酸配列に対する相補性によって決定された特定の位置で増幅産物にハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブが適切な位置で増幅産物核酸にハイブリダイズすると、FRET信号が生成される。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒間〜約1分間で約35℃〜約65℃の範囲であってもよい。
例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(特定の範囲の蛍光発光を監視する適切なダイクロイックミラーとフィルターを含む)、光子計数光電子増倍管システム、または蛍光光度計を用いて蛍光分析を行ってもよい。エネルギー移動を開始するあるいは蛍光色素分子を直接検出するための励起は、所望の範囲で励起するように適切にフィルターされたアルゴンイオンレーザ、高輝度水銀(Hg)アークランプ、キセノンランプ、光ファイバー光源、または他の高輝度光源により行われてもよい。
本明細書で供与体部位および対応する受容体部位に関して用いられる用語「対応する」は、供与体蛍光部位の発光スペクトルと重なる吸光度スペクトルを持つ受容体蛍光部位または暗消光物質を言う。受容体蛍光部位の発光スペクトルの波長極大は、供与体蛍光部位の励起スペクトルの波長極大よりも少なくとも100nmは長くなっていなければならない。従って、効率的な非放射型のエネルギー移動がこれらの部位の間で起こる場合がある。
蛍光供与体と対応する受容体部位は、一般に以下を満たすように選択される。(a)フェルスターエネルギー移動効率が高い、(b)最終ストークシフトが大きい(>100nm)、(c)可視光スペクトルの赤色光領域(>600nm)から可能な限り離れたところに発光がシフトする、かつ(d)供与体の励起波長で励起により生成したラマン水蛍光発光よりも高い波長に発光がシフトする。例えば、レーザー線(例えば、ヘリウム−カドミウム:442nm、またはアルゴン:488nm)付近に励起極大を持ち、消衰係数と量子収率が高く、蛍光発光が対応する受容体蛍光部位の励起スペクトルとよく重なっている供与体蛍光部位を選択してもよい。消衰係数と量子収率が高く、励起が供与体蛍光部位の発光とよく重なっており、可視光スペクトルの赤色光領域(>600nm)で発光する対応する受容体蛍光部位を選択してもよい。
FRET技術で様々な受容体蛍光部位と共に用いてもよい代表的な供与体蛍光部位としては、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B−フィコエリスリン、9−アクリジンイソチオシアナート、ルシファーイエローVS、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン、1−ピレン酪酸スクシニミジル、および4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が挙げられる。供与体蛍光部位に応じて用いられる代表的な受容体蛍光部位としては、LC Red640、LC Red705、Cy5、Cy5.5、塩化リサミンローダミンBスルホニル、イソチオシアン酸テトラメチルローダミン、イソチオシアン酸ローダミンx、イソチオシアン酸エリトロシン、フルオレセイン、五酢酸ジエチレントリアミン、またはランタノイドイオン(例えば、ユーロピウムまたはテルビウム)の他のキレートが挙げられる。供与体蛍光部位と受容体蛍光部位は、例えば、Molecular Probes(オレゴン州ジャンクションシティ)またはSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から入手してもよい。
供与体蛍光部位と受容体蛍光部位は、リンカーアームにより適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合されていてもよい。各リンカーアームの長さは重要である。というのも、リンカーアームは供与体蛍光部位と受容体蛍光部位の間の距離に影響を及ぼすからである。リンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部位までのオングストローム(Å)単位の距離であってもよい。一般に、リンカーアームは約10Å〜約25Åである。リンカーアームはWO84/03285で記載されたような種類のものであってもよい。WO84/03285はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合する方法と、蛍光部位をリンカーアームに結合する方法を開示している。
LC Red640などの受容体蛍光部位は、アミノリンカー(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)またはGlen Research(バージニア州スターリング)から入手可能なC6−アミノホスホロアミダイト)を含むオリゴヌクレオチドと結合させて、例えば、LC Red640で標識したオリゴヌクレオチドを作製してもよい。供与体蛍光部位(例えば、フルオレセイン)をオリゴヌクレオチドに結合させるのによく用いられるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えば、Glen ResearchまたはChemGene(マサチューセッツ州アッシュランド)から入手可能なフルオレセイン−CPG)、アミドリンカー(フルオレセイン−NHS−エステル由来(例えば、BioGenex(カリフォルニア州サンラモン)から入手可能なCX−フルオレセイン−CPG)、またはオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン−NHS−エステルの結合が必要な3’−アミノ−CPGが挙げられる。
ジカウイルスの検出
本開示は、生体試料または非生体試料中のジカウイルスの有無を検出する方法を提供する。提供される方法により、試料汚染、偽陰性、および偽陽性の問題が回避される。これらの方法は、1対以上のジカウイルスプライマーを用いて試料に由来するジカウイルス標的核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1サイクル工程を行うこと、およびFRET検出工程を含む。複数のサイクル工程を好ましくは熱サイクラーで行う。これらの方法は、ジカウイルスの存在を検出するジカウイルスプライマーおよびプローブを用いて行ってもよく、ジカウイルスが検出されると試料中にジカウイルスが存在することになる。
本明細書で用いるように、FRET技術を利用した標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅産物を検出してもよい。1つのFRET形式は、TaqMan(登録商標)技術を用いて、増幅産物の有無、従って、ジカウイルスの有無を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、例えば、1種の蛍光色素(例えば、HEX)と1種の消光物質(例えば、BHQ)で標識された1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを用いる。消光物質は蛍光性であってもなくてもよい。第一の蛍光部位を好適な波長の光で励起すると、FRETの原理に従って吸収されたエネルギーは第二の蛍光部位または暗消光物質に移動する。第二の部位は一般に消光物質分子である。PCR反応のアニーリング工程時に、標識されたハイブリダイゼーションプローブは標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合して、続く伸長段階で例えば、Taqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により分解される。その結果、蛍光部位と消光物質部位は、互いに空間的に分離される。その結果、消光物質の非存在下で第一の蛍光部位が励起して、第一の蛍光部位からの蛍光発光を検出することができる。例えば、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems)は、TaqMan(登録商標)技術を用いており、本明細書で記載する試料中のジカウイルスの有無を検出する方法を行うのに好適である。
また、FRETと併せて分子標識を用いて、リアルタイムPCR方法を用いた増幅産物の存在を検出してもよい。分子標識技術は、第一の蛍光部位と第二の蛍光部位で標識したハイブリダイゼーションプローブを用いる。この第二の蛍光部位は一般に消光物質であり、蛍光標識は典型的にはプローブの各末端に配置されている。分子標識技術は、二次構造(例えば、ヘアピン)を形成することができる配列を持つプローブオリゴヌクレオチドを用いる。プローブ内で二次構造が形成された結果、プローブを溶液中に入れると両方の蛍光部位は空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後に、プローブの二次構造を壊して、好適な波長の光で励起した後に第一の蛍光部位の発光を検出することができるように蛍光部位を分離する。
FRET技術の他の一般的な形式では、2つのハイブリダイゼーションプローブを用いる。各プローブを異なる蛍光部位で標識してもよく、一般に標的DNA分子(例えば、増幅産物)内で互いに非常に近接するようにハイブリダイズするよう設計される。供与体蛍光部位、例えば、フルオレセインをLightCycler(登録商標)装置の光源により470nmで励起する。FRETの間、フルオレセインは、LightCycler(登録商標)Red640 (LC Red640)またはLightCycler(登録商標)Red705 (LC Red705)などの受容体蛍光部位にエネルギーを移動させる。次いで、受容体蛍光部位はより長い波長の光を放出し、この光をLightCycler(登録商標)装置の光学検出システムにより検出する。効率的なFRETは、蛍光部位が直接局所的に近接し、供与体蛍光部位の発光スペクトルが受容体蛍光部位の吸収スペクトルと重なる場合にのみ生じてもよい。放出された信号の強度は、もとの標的DNA分子の数(例えば、ジカウイルスゲノムの数)と相関させてもよい。ジカウイルス標的核酸の増幅が起こって増幅産物が生成されると、ハイブリダイズ工程により、1対のプローブのプローブ同士の間でFRETに基づいた検出可能な信号が得られる。
一般に、FRETの存在は、試料中にジカウイルスが存在することを指し、FRETがないことは、試料中にジカウイルスが存在しないことを指す。しかしながら、不適切な試料回収、輸送の遅延、不適切な輸送条件、または特定の回収用具(アルギン酸カルシウムまたはアルミニウムのシャフト)の使用はすべて、検査結果の出来および/または確度に影響する可能性がある条件である。
これらの方法を実践するのに用いてもよい代表的な生体試料としては、これらに限定されないが、呼吸器の試料、尿、糞便試料、血液試料、血漿、皮膚の拭き取り検体、鼻の拭き取り検体、傷の拭き取り検体、血液培養物、皮膚、および軟組織感染部が挙げられる。生体試料の回収および保存方法は、当業者に周知である。生体試料は、(例えば、核酸抽出法および/または当該分野で周知のキットにより)処理してジカウイルス核酸を放出させてもよく、場合によっては、生体試料を直接PCR反応成分と適切なオリゴヌクレオチドに接触させてもよい。
融解曲線分析は、サイクル工程の概略に含まれていてもよい追加の工程である。融解曲線分析は、融解温度(Tm)という特性温度でDNAが融解するという事実に基づいている。融解温度は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離する温度と規定される。DNAの融解温度は、主にそのヌクレオチド組成に依存する。従って、GおよびCヌクレオチドを多く含むDNA分子は、AおよびTヌクレオチドを多く含むDNA分子よりもTmが高い。信号が消える温度を検出することでプローブの融解温度を求めてもよい。同様に、信号が生成される温度を検出して、プローブのアニーリング温度を求めてもよい。ジカウイルス増幅産物由来のジカウイルスプローブの融解温度は、試料中のジカウイルスの有無の裏付けとなる。
熱サイクラーの各実行内で対照試料にも同様にサイクル工程を行ってもよい。陽性の対照試料は、例えば、対照プライマーと対照プローブを用いて(記載した標的遺伝子の増幅産物以外の)標的核酸対照鋳型を増幅してもよい。また、陽性の対照試料は、例えば、標的核酸分子を含むプラスミド構築物を増幅してもよい。そのようなプラスミド対照は、意図した標的の検出に用いられるのと同じプライマーおよびプローブを用いて患者の試料と並行して内部(例えば、試料内で)または個別の試料内で増殖させてもよい。このような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション、および/またはFRET反応の成否の指標である。熱サイクラーの各実行はまた、例えば、標的鋳型DNAを欠く陰性対照を含んでいてもよい。陰性対照は汚染を測定してもよい。これにより、系と試薬が偽陽性信号を発生させないことが確実になる。従って、対照反応は、例えば、配列特異性によりアニールして伸長を開始するプライマーの能力、および配列特異性によりFRETが起こるようにハイブリダイズするプローブの能力を容易に決定することができる。
一態様では、上記の方法は汚染を回避する工程を含む。熱サイクラーの1サイクルと次のサイクルとの間で汚染を減らすまたはなくすため、例えば、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いた酵素法が、米国特許第5,035,996号、5,683,896号、および5,945,313号に記載されている。
従来のPCR法とFRET技術を併用して、上記方法を実践してもよい。一態様では、LightCycler(登録商標)装置が用いられる。以下の特許出願には、LightCycler(登録商標)技術で用いられるリアルタイムPCRが記載されている:WO97/46707、WO97/46714、およびWO97/46712。
LightCycler(登録商標)はPCワークステーションを用いて操作されてもよく、Windows NTオペレーティングシステムを用いてもよい。機械が順次、細管(capillaries)を光学ユニットにかざして、試料からの信号を得る。ソフトウェアは、各測定の直後にリアルタイムで蛍光信号を表示することができる。蛍光が得られるまでの時間は10〜100ミリ秒(msec)である。各サイクル工程後に、すべての試料について蛍光の定量的な表示とサイクル数を絶えず更新することができる。生成されたデータは、さらなる分析のために保存することができる。
FRETに代えて、蛍光DNA結合色素(例えば、SYBR(登録商標)GreenまたはSYBR(登録商標)Gold (Molecular Probes))などの二本鎖DNA結合色素を用いて増幅産物を検出してもよい。このような蛍光DNA結合色素を二本鎖核酸と相互作用させると、好適な波長の光で励起した後に蛍光信号を放出する。また、二本鎖DNA結合色素(例えば、核酸挿入型(intercalating)色素)を用いてもよい。これらの二本鎖DNA結合色素を用いる場合、融解曲線分析は一般的に、増幅産物の存在することを裏付けるために行われる。
当業者には自明であるが、他の核酸増幅法または信号増幅法を用いてもよい。そのような方法としては、例えば、分岐DNA信号、ループ介在等温増幅(LAMP)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自家持続配列複製法(3SR)、鎖置換増幅(self-sustained sequence replication, SDA)、またはスマート増幅法バージョン2(smart amplification process version 2, SMAP2)が挙げられるが、これらに限定されない。
自明であるが、本開示の態様は、1つ以上の市販の装置の構成によって限定されるものではない。
製造物品/キット
本開示の態様は、ジカウイルスを検出する製造物品またはキットをさらに提供する。製造物品は、ジカウイルス遺伝子標的を検出するのに用いられるプライマーおよびプローブ、ならびに好適な梱包材料を含んでいてもよい。ジカウイルス検出のための代表的なプライマーおよびプローブは、ジカウイルス標的核酸分子にハイブリダイズすることができる。また、これらのキットはまた、DNA固定、ハイブリダイゼーション、および検出に必要な好適に梱包された試薬および材料、例えば、固体支持体、緩衝液、酵素、基準DNAを含んでいてもよい。プライマーおよびプローブを設計する方法は本明細書で開示され、増幅してジカウイルス標的核酸分子にハイブリダイズするプライマーおよびプローブの代表的な例が提供される。
また、製造物品は、プローブを標識する1種以上の蛍光部位を含んでいてもよく、あるいはそれに代えてキットで供給されたプローブを標識してもよい。例えば、製造物品は、ジカウイルスプローブを標識する供与体蛍光部位および/または受容体蛍光部位を含んでいてもよい。好適なFRET供与体蛍光部位と対応する受容体蛍光部位の例は上に提供されている。
また、製造物品は、試料中のジカウイルスを検出するジカウイルスプライマーおよびプローブを用いるための指示が書かれた添付文書または包装ラベルを含んでいてもよい。加えて、製造物品は、本明細書で開示される方法を実行するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、共因子、または汚染防止剤)を含んでいてもよい。そのような試薬は、本明細書で記載する市販の装置のいずれかに特定のものであってもよい。
本開示の態様は、以下の実施例でさらに記載されるが、これらの実施例は請求項に記載する本発明の範囲を限定しない。
以下の実施例および図は、添付の請求項に記載された主題とその真の範囲の理解を助けるために提供されている。自明だが、本発明の精神を逸脱することなく、記載される手順に変更を施してもよい。
ジカウイルスゲノムの標的領域は、構造的な領域(例えば、エンベロープ(E))と非構造領域(例えば、NS3、NS4B、およびNS5)の両方を含んでいた。すべての核酸配列をアライメントして、すべての周知のジカ単離物について包括的に予測される特性および他の特性についてすべてのプライマーとプローブを検討し、スコア付けした。流行しているウイルスの配列を考慮して陽性対照を作製した。公に入手可能なデータベースから得た配列をエクスポートして、配列のアライメントを行った。次いで、これらの配列をフィルターにかけて、2007年以降の現在の配列と見なした。cDNAクローンを作製して、陽性DNAまたはRNA対照とした。cDNAクローンは、基準株(アフリカ系統、ウガンダ)および歴史的アフリカ株に対してスリナム2015株に基づいていた。これらの配列をプライマーとプローブに対してアライメントし、配列をわずかに調整した。
実施例1:培養したジカウイルスの検出
QIAmp Viral RNAミニキット(Qiagen)を用いて培養したMR766ジカウイルスに由来するRNAを抽出した。RiboGreen Assay (ThermoFisher Scientific), Qubit (ThermoFisher Scientific)、およびNanoDrop (ThermoFisher Scientific)を用いて全RNAを定量化した。E、NS3、およびNS5領域を標的するプライマーおよびプローブを用いて、ジカRNAの異なる濃度(すなわち、2.5×10および2.5×10(RNAのコピー数)/ml)で定量リアルタイムRT−PCRを実行した。その結果、これらのプライマーおよびプローブは、E領域(配列番号1、5、および9)、NS3(配列番号3、7、および11)、およびNS5(配列番号2、6、および10)を検出することができることが分かった(図1を参照のこと)。さらに、より広い範囲のジカRNA開始濃度(2.5×10、2.5×10、2.5×10、2.5×10、2.5×10、および2.5×10(RNAのコピー数)/ml)で研究を行ったところ、これらのプライマーおよびプローブは投与量に依存する形でジカウイルスのE領域およびNS5領域を検出することができることが分かった(図2を参照のこと)。プライマー/プローブの一組の内部基準対照の存在で、E領域を標的する追加のアッセイを行ったところ、これらのジカウイルスプライマーおよびプローブがジカウイルスを検出し、かつ他の検出アッセイとの多重化が可能であることが分かった(図3を参照のこと)。
実施例2:生体試料中のジカウイルスの検出
上記のジカウイルスを検出するプライマーおよびプローブが生体試料(例えば、体液)由来のジカウイルスを検出することができることを示すため、血漿試料から得たジカウイルスRNAに対してジカウイルスゲノムのE領域およびNS5領域を標的するプライマーおよびプローブの試験を行った。その結果、これらのジカウイルスプライマーおよびプローブは、特異性と感度により血漿中のジカウイルスを検出することができることが分かった。この全工程を数回行い、再現性よくジカプライマーおよびプローブがジカウイルスを検出することが分かった(代表的な一例を図4に示す)。これらの結果から、上記のジカウイルスプライマーおよびプローブは生体試料(例えば、血漿)中のジカウイルスの存在を検出することが分かった。
実施例3:血液スクリーニングのためのジカ核酸テストのアッセイ性能
ヒトのジカウイルス(ZIKV)感染は、小頭症および神経疾患に関連付けられている。ほとんどの感染は無症状性であるため、血液提供者は感染していることに気づいていないかもしれない。2013〜2014年のフランス領ポリネシアでの流行時には血液提供者の2.8%にZIKV核酸が検出され、ブラジルでは近年、輸血による感染の症例が報告されている。米国FDAは、ZIKVの輸血による感染の危険性を低減するよう勧告を発した。感染が活発な地域では、提供血液が核酸試験(NAT)でZIKVについてスクリーニングされるかまたはその成分から病原体が低減されていなければ血液機構は採血を止めなければならない。現在、病原体低減は血小板および血漿生成物に限定されている。
FDA勧告に応えて、cobas(登録商標)6800/8800システムで用いられるcobas(登録商標)ジカ検査というポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いたジカウイルス(ZIKV)RNAを検出する定性的方法が開発された。これらのシステムは、完全に自動化された試料の調製、増幅、および検出を組み込んでおり、またすぐに使用できる試薬と対照も組み込まれている。この検査は、全血と血液成分の提供者および他の生存している提供者に由来する血漿試料中のZIKV RNAを検出するようになっている。
cobas(登録商標)ジカ検査はすべてのZIKV系統を検出するように設計された。大部分の性能研究で、ZIKV RNA転写物を用いて滴定量をコピー数/mLとして、ZIKV培養物の上澄みを用いた。これらの研究は、特異性、感度、検出限界(LoD)、干渉物質、マトリックス等価性、および交差反応性を含んでいた。複数の濃度、試薬のロット、および日数で190個の複製試料を用いてLoDおよび反復性を評価した。公開されているオリゴヌクレオチド配列(Lanciotti, Emerg Infect Dis, 2008)を用いて、ZIKV陽性と確認された25個の試料を検査して臨床感度を評価した。また、5個の臨床試料を陰性のプール血漿に添加して、様々な希釈で250個の人工試料を作製した。
cobas(登録商標)ジカに対する95%のProbit LoDは8.1コピー数/mLであった。結果は、複数のパラメータに亘って再現性があった。特異性は、ZIKVが土着していない地域で集めた500個の試料について100%であった。ZIKV検出性も特異性も、干渉し得る物質(アルブミン、ビリルビン、ヘモグロビン、ヒトDNA、およびトリグリセリド)あるいは様々な抗凝血剤による影響を受けなかった。HIV、HBV、HCV、CHIKV、DENV血清型1〜4およびWNVは交差反応しなかった。cobas(登録商標)ジカの臨床感度は、4つの異なる国に由来するZIKV陽性と確認された25個の試料では100%であった。反応性は、ある範囲のウイルス濃度を持つ250個の人工試料では100%であった。
実施例4:プエルトリコ人血液提供者でのジカウイルスの検出
米国FDAは、提供された血液がZIKV核酸試験(NAT)で選別されていない、あるいは病原体が低減(PR)されていない場合、ZIKV感染が活発な領域での血液採取の停止を含めて輸血によって感染したジカウイルス(ZIKV)の危険性を低減するよう勧告を発した。FDAが承認したNAT試験が利用できず、病原体低減も血漿および血小板生成物でしか利用できなかったため、プエルトリコは血液採取を中止する必要があった。FDA勧告に応じて、全血および血液成分の提供者に由来する血漿中のZIKV RNAを検出するための定性的PCR NATアッセイが開発された。
cobas(登録商標)6800/8800システムで用いられるcobas(登録商標)ジカ検査は、すべてのZIKV系統を検出するように開発された。特異性、感度、検出限界(LoD)、干渉し得る物質、マトリックス等価性、および交差反応性を含む研究により性能を確立した。FDAは、治験薬(IND)としてこの検査の使用を承認した。その後、プエルトリコからの個々の血液提供者(IDT)の試料の検査を始めた。反応性指標の提供血液を6つの刺激したミニプール(MP)で検査した。また、修正CDC PCR ZIKVアッセイ(推定ウイルス量(VL)、ZIKV IgM抗体およびIgG抗体、およびIgM反応性試料のプラーク減少中和試験(PRNT))を用いて基準実験室で反応性指標の提供血液を検査した。反応性を示す提供者は、追跡調査への登録を促された。
3,573個の提供血液をcobas(登録商標)ジカによりスクリーニングしたところ、13個(0.36%)が反応した。これら提供血液のうちの9つの追加の結果を表4に示す。
Figure 0006962927
実施例5:試料中のジカ核酸を同定する別のアッセイ
cobas(登録商標)6800/8800システムに用いられるcobas(登録商標)ジカ検査を治験薬(IND)として血液スクリーニング用に開発した。IND試験の感度を確立するため、FDAはジカウイルス(ZIKV)陽性試料の分析を必要とした。ZIKV陽性試料の調達は、その需要が高く、ZIKVが確認された試料が乏しく、ジカが風土病である国によっては試料の出荷に障壁を設けているため、課題であった。第二のZIKV PCRアッセイは、状態が分かっていないスクリーニング試料用ツールとして開発された。この第二のZIKV PCRアッセイは、迅速なプロトタイプ作製と高速大量スクリーニングに理想的なcobas omni Utility Channelを特異的に用いている。このcobas omni Utility Channelは、アッセイに特異的なプライマーとプローブを除いてcobas(登録商標)IVD検査に用いられるほとんどの試薬を利用する。これにより、実験室で開発された検査をプラットフォームで行うような柔軟性が得られる。
cobas(登録商標)ジカ検査により標的された遺伝子座から離れた遺伝子座を標的する第二のZIKV PCRアッセイは、cobas(登録商標)6800/8800システムのcobas omni Utility Channel機能を用いて開発された。このアッセイを用いて、コロンビアおよびエルサルバドルで採取した試料を選別して「可能性のある」ZIKV試料を同定した。試料は、元は、チクングニアおよびデング熱が風土病である地域から得られたもので、これらのウイルスに対しては陰性であると分かっているものであった。量が限られていたので、スクリーニングのために試料を少なくとも1:3.75まで希釈して、単独で検査した。広いCt容認基準を用いて「可能性のある」ZIKV陽性試料を同定した。さらに、この第二のアッセイにより「可能性のある」ZIKVとして同定された試料から作製した4個の複製試料を、公開されているCDCオリゴヌクレオチド配列(Lanciotti, 2008)によるRT−PCRを用いて、またcobas(登録商標)ジカ検査で一度、検査した。CDCオリゴを用いて一貫した反応性(4個の複製試料のうち4個)が観察されたら、試料はZIKVが確認されたと見なされた。
cobas omni Utility Channelで社内アッセイによりスクリーニングした1296個の試料のうち、111個は「可能性のある」ZIKV陽性として同定された。十分な量の37個の試料をCDCオリゴとcobas(登録商標)ジカ検査を用いて検査した。量が限られている試料をさらに3個、1:100で希釈して検査した。これら40個の「可能性のある」陽性試料のうち、23個の試料(3個の希釈試料を含む)は、CDCオリゴにより陽性と確認された。またすべて、cobas(登録商標)ジカと反応した。17個の試料は、CDCオリゴとの反応性の結果は、4/4未満の反応性であった。また、cobas(登録商標)ジカ検査では、17個の試料のうち15個が陽性であった。結果を表5に示す。
Figure 0006962927
透明性および理解のため、上記の発明を幾分詳細に記述したが、本開示を読んだ当業者には自明であるように、本発明の範囲を逸脱することなく形態および詳細において様々な変更を行うことができる。例えば、すべての技術と上記の装置を様々に組み合わせて用いてもよい。

Claims (17)

  1. 試料中のジカウイルスを検出する方法であって、
    前記試料を1又は複数の組のプライマーと接触させて、前記試料中に核酸が存在する場合は増幅産物を産生することを含む増幅工程を行うこと、
    前記増幅産物を1又は複数の検出可能なプローブと接触させることを含むハイブリダイズ工程を行うこと、および
    前記増幅産物の有無を検出すること、ここで、前記増幅産物の存在が前記試料中にジカウイルスが存在することを示し、前記増幅産物が存在しないことは前記試料中にジカウイルスが存在しないことを示し;
    1組のプライマーは、配列番号1の第一オリゴヌクレオチド配列含む、21〜50ヌクレオチドである第一プライマーと、配列番号5の第二オリゴヌクレオチド配列含む、30〜50ヌクレオチドである第二プライマーとを含み、
    前記1又は複数の検出可能なプローブの1のプローブが、配列番号9からなる第三のオリゴヌクレオチド配列含む、5〜40ヌクレオチドの長さである、前記方法。
  2. 前記ハイブリダイズ工程は、供与体蛍光部位および対応する受容体部位で標識された前記検出可能なプローブに前記増幅産物を接触させることを含み、
    前記検出工程は、前記プローブの供与体蛍光部位と受容体部位との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の有無を検出することを含み、蛍光の有無は前記試料中のジカウイルスの有無を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅工程は5’→3’ヌクレアーゼ活性を持つポリメラーゼ酵素を用いる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記供与体蛍光部位および前記対応する受容体部位は、前記プローブ上で互いに8〜20ヌクレオチド以内にある、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記受容体部位は消光物質である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記試料は生体試料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 他の1種以上のウイルスに由来する核酸を並行して検出する方法をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記他の1種以上のウイルスはデング熱ウイルス、チクングニアウイルス、および西ナイルウイルスからなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. サンプルを、追加のプライマーセットと接触させることを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、
    追加のプライマーセットが、配列番号2からなるオリゴヌクレオチド配列含む、20〜50ヌクレオチドの長さの第一のプライマー、及び
    配列番号6からなるオリゴヌクレオチド配列を含む19〜50ヌクレオチドの長さの第二のプライマー、を含み、
    そして追加の検出可能なプローブが、配列番号10からなるオリゴヌクレオチド配列含む27〜50ヌクレオチドの長さである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記サンプルを、追加のプライマーセットと接触させ、ここで
    前記追加のプライマーセットが、配列番号3からなるオリゴヌクレオチド配列含む、21〜50ヌクレオチドの長さの第一のプライマー、
    配列番号7からなるオリゴヌクレオチド配列含む、26〜50ヌクレオチドの長さの第二のプライマー、を含み、そして
    追加の検出可能なプローブが、配列番号11からなるオリゴヌクレオチド配列含む33〜50ヌクレオチドの長さである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記サンプルを、追加のプライマーセットと接触させ、ここで
    前記追加のプライマーセットが、配列番号4からなるオリゴヌクレオチド配列含む、26〜50ヌクレオチドの長さの第一のプライマー、
    配列番号8からなるオリゴヌクレオチド配列含む、17〜50ヌクレオチドの長さの第二のプライマー、を含み、そして
    追加の検出可能なプローブが、配列番号12からなるオリゴヌクレオチド配列含む42〜50ヌクレオチドの長さである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 配列番号1らなる一のオリゴヌクレオチド配列含む、21〜50ヌクレオチドの長さである第一のプライマー、
    配列番号5らなる二のオリゴヌクレオチド配列含む、30〜50ヌクレオチドの長さである第二のプライマー、および
    配列番号9らなる三のオリゴヌクレオチド配列含み、5〜40ヌクレオチドを有する蛍光検出可能に標識されたプローブ、ここで前記第三のオリゴヌクレオチド配列が前記第一のプライマーおよび前記第二のプライマーによって生成された増幅産物(アンプリコン)にハイブリダイズするように構成されている、ジカウイルスの核酸を検出するためのキット。
  13. 前記第三の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド配列は、供与体蛍光部位および対応する受容体部位を含む、請求項12に記載のキット。
  14. ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、および前記核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液をさらに含む、請求項12又は13に記載のキット。
  15. 前記キットがさらに、以下の:
    列番号2からなるオリゴヌクレオチド配列を含む20〜50ヌクレオチドの長さの第一のプライマー、及び
    列番号6からなるオリゴヌクレオチド配列む19〜50ヌクレオチドの長さの第二プライマー
    を含む追加のプライマーセットと、
    列番号10からなるオリゴヌクレオチド配列を含む27〜50ヌクレオチドの長さである追加の検出可能なプローブと
    を含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のキット。
  16. 前記キットがさらに、以下の:
    列番号3からなるオリゴヌクレオチド配列む、21〜50ヌクレオチドの長さである第一のプライマー
    前記第二のプライマーは配列番号7からなるオリゴヌクレオチド配列またはその相補体を含む26〜50ヌクレオチドの長さの第二プライマー
    を含む追加のプライマーセットと、
    列番号11からなるオリゴヌクレオチド配列を含む33〜50ヌクレオチドの長さである追加の検出可能なプローブと
    含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のキット。
  17. 前記キットがさらに、
    列番号4からなるオリゴヌクレオチド配列またはその相補体を含む、26〜50ヌクレオチドの長さである第一のプライマー、
    列番号8からなるオリゴヌクレオチド配列またはその相補体を含む、17〜50ヌクレオチドの長さである第一のプライマー、
    を含む追加のプライマーセットと、
    列番号12からなるオリゴヌクレオチド配列を含む42〜50ヌクレオチドの長さである追加の検出可能なプローブと
    含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のキット。
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