JP6084903B2 - 導電性電着塗料用樹脂組成物、電着塗装方法、及び、それにより得られる塗膜 - Google Patents

導電性電着塗料用樹脂組成物、電着塗装方法、及び、それにより得られる塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、導電性電着塗料用樹脂組成物、電着塗装方法、及び、それにより得られる塗膜に関する。
ポリアセチレンに代表される導電性樹脂は、古くから世界中で研究されており、アルミニウム電解コンデンサ、帯電防止フイルムなどに実用化されており、近年では透明導電性フイルム、有機EL素子、色素増感太陽電池などの用途において検討されている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1等)。
上記導電性樹脂は一般的には化学酸化法により合成され、該導電性樹脂を基材上に塗布するには、浸漬塗装、スプレー塗装法、静電塗装法、スクリーン印刷法、インクジェット法などで塗布されるが、それらの方法で得られる塗膜はその均一性に課題があった。
近年、塗布技術の発展により、塗膜均一性に関して解決されてきているが、複雑な形状や有効面が表裏面の基材においては、依然として塗布条件に制約があり、生産性を落としている問題がある。
一方、導電性樹脂について、金属やめっき基材に対し、防食性や帯電防止性を付与する目的で塗布するニーズもあるが、金属やめっき基材に対し、塗膜が均一に塗布できなかったり、塗膜と基材への密着性が不十分なため、十分な特性がでない課題がある。
前記問題を解決できうる手段として、古くから研究されている電解重合法がある。
電解重合法は、溶剤、モノマー、及び支持電解質を含む溶液に金属やめっき基材の如き導電性基材を浸漬し、電解反応により重合させて、高分子皮膜を形成する方法であり、予め合成された樹脂ではなくモノマーを用い重合と同時に被覆を行う点に特徴を有する。電解重合法は、成膜方法として複雑な形状をした素材への塗布方法としては簡便であるが、一般的に電解重合法は非水系溶剤中で行われることから、環境面や安全面から水系への転換が望まれている。
しかしながら、水により電解重合が抑制される場合や導電性基材の種類によっては電解重合ができない場合などがあり、水系では電解重合の適用範囲が制限されるという課題がある。
一方で化学酸化法により作製した導電性樹脂を溶剤に溶解させ、電着塗装の前処理段階での化成処理剤として使用し、その化成処理剤の塗装方法の一例として電着塗装が例示されている事例もあるが、その例でも溶剤は非水系溶剤で水系ではなく、さらに、実際の塗装方法もローラー塗装などで電着塗装法は採用されていない(特許文献3)。
また、他の文献には、導電性樹脂の製造方法として、化学酸化法により導電性樹脂の水分散体を得る方法が開示されているが、そこで得られた導電性樹脂の水分散体の塗布方法は、スクリーン印刷やロールコート等であり、電着塗装法により塗布することは示唆されていない(特許文献4、特許文献5)。
以上のように、複雑な形状の素材や有効面が表裏面である基材に対し、基材の種類を選ばす均一に塗布でき、且つ、導電性が良好な塗膜を形成する水系の導電性電着塗料組成物、及び、その塗装方法は現在まで知られていなかった。
特開2013−089648号公報 特開2012−064498号公報 特開2010−100910号公報 特開2001−101937号公報 特開2007−204689号公報
平成21年度特許出願動向調査報告書 導電性ポリマー関連技術(要約版)特許庁
本発明は、前記したような従来技術における問題を解決し、均一に塗布でき、様々な基材に適用できる導電性に優れた導電性電着塗料用樹脂組成物、電着塗装方法、及び、その電着塗装により得られる塗膜を提供することを目的としている。
上記問題に対して、鋭意研究の結果、本発明者らは、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂の水分散体を導電性電着塗料として用い、金属やめっき基材などの被塗物を陽極とし電着塗装を行なうことで上記課題を克服できることを知見し本発明に至った。
すなわち本発明は、陰イオン性化合物を含む導電性樹脂の水分散体を塗膜形成成分として含有することを特徴とする導電性電着塗料用樹脂組成物、電着塗装方法、その塗膜を要旨とするものである。
本発明の導電性電着塗料用樹脂組成物は、塗料安定性に優れ、これを用いて構成した電着塗料並びにこれにより形成された電着塗膜は、均一な膜が得られ、導電性に優れており、基材への適用範囲が広いため産業上極めて有用である。
本発明について更に詳しく説明する。
本発明においては、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂により得られる水分散体は、電着塗膜および電着塗料用樹脂液を得るための必須構成成分である。導電性電着塗料用樹脂組成物中に有効成分(導電性樹脂と陰イオン性化合物の和)の割合は、導電性電着塗料を100重量部とした時に0.1重量部から10重量部、好ましくは、0.5重量部から3重量部である。導電性樹脂の水分散体は、水を媒体として、陰イオン性化合物存在下、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂の水分散体、あるいは、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂を陰イオン性化合物と混合し、さらに、水分散することで作製したものを使用することができる。
本発明の化学酸化法などにより製造された導電性樹脂は、化学酸化法、電解酸化重合法、電解還元重合法、プラズマ重合法等公知の手法にて重合し、製造されたものが使用できるが、なかでも化学酸化法を用いたものが好ましい。
化学酸化法などにより導電性樹脂を合成する際に使用できる前駆体モノマーは、酸化剤の作用により高分子化した後にπ共役系構造を有し、陰イオン性化合物と錯体化し、導電性を発現するものであれば良く、アニリンとその誘導体、チオフェンとその誘導体、3,4−アルキレンジオキシチオフェンとその誘導体、ピロールとその誘導体、等が使用できる。工業的にはアニリンとその誘導体、3,4−アルキレンジオキシチオフェンとその誘導体、ピロールとその誘導体などが好適に使用できる。前駆体モノマーは、前記の1種、または、2種以上を組み合わせて用いても良い。
化学酸化法により導電性樹脂を製造する際に使用できる酸化剤は、前記前駆体モノマー
を酸化させてπ共役系導電性樹脂を得ることができるものであれば良い。具体的には、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が例示される。
化学酸化法などにより製造された導電性樹脂により得られる水分散体を製造する際に使用する陰イオン性化合物は、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂と錯体化し導電性を付与するもの、すなわちドーパントとして働くものであれば良く、分子構造にスルホニル基、カルボキシル基、ホスホニル基等の酸基で置換された化合物が好適である。具体的にはスルホン酸基を有するポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等のポリスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸類、ジノニルナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸類、カルボキシル基を有する有機酸化合物として、ポリ(メタ)アクリル酸及び、その共重合体、カルボキシル基変性ポリウレタン樹脂などの高分子化合物や安息香酸、サリチル酸などの低分子化合物や塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム等のリチウム塩が用いられるが、これらに限定されない。
なかでもポリスチレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸が望ましい。
陰イオン性化合物は、導電性樹脂1重量部に対し、0.5重量部から10重量部の範囲で使用できる。
化学酸化法などにより製造された導電性樹脂は、電着塗装を行う上でイオン交換樹脂を用い、残留モノマーや雑イオンを除去したものを用いるのが望ましい(特許文献4等)。
本発明に適用できる化学酸化法などにより製造された導電性樹脂の水分散体は、市販品を使用しても良い。例示するとポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSS)の水分散体として、Orgacon ICP-1010(AGFAマテリアルジャパン社製)、Clevios P(ヘレウス社製)、ポリアニリンの水分散体として、Ormecon D 1033W(日産化学工業社製)、PANW(化研産業社製)、aquaPASS(三菱レーヨン社製)、ポリピロールの水分散体として、PPY12(丸菱油化工業社製)等があるがこれらに限定されない。
水を媒体として陰イオン性化合物存在下、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂の水分散体、あるいは、化学酸化法などにより製造された導電性樹脂を陰イオン性化合物と混合し水分散することで作製した導電性樹脂の水分散体を導電性電着塗料として用いる際には、電着塗膜の析出性を向上したり、仕上がり外観を調整するため溶剤を使用しても良い。
具体的には、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のグリコールエーテル類が使用できる。
これらの溶剤は、0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲で使用する。
また、導電性電着塗膜の性能を向上させる目的で添加剤等を添加しても良く、用途に応じ、顔料、染料などを添加しても良い。
導電性電着塗料用樹脂組成物の有効成分(導電性樹脂と陰イオン性化合物の和)の割合は、導電性電着塗料を100重量部とした時に0.1重量部から10重量部、好ましくは、0.5重量部から3重量部である。導電性電着樹脂組成物の有効成分が0.1重量部未満であると十分な塗膜厚が得られず、10重量部を超えると塗膜厚の析出性が高すぎ膜厚制御ができない。
本発明により構成される導電性電着塗料用樹脂組成物を用いて導電性基材に電着する条件について説明する。対極を陰極、被塗物である導電性基材を陽極として電着塗装を行う。
電着塗装に使用できる通電方法としては、定電圧法、定電流法のいずれでも可能である。水の電気分解により発生する陽極ガスによるピンホールの影響を防ぐ必要がある場合は、定電流法で行うのが望ましい。
通電工程の印加条件として、定電圧法では、0.5〜200V、好ましくは2〜100V、0.5V未満では十分な塗膜厚が得られず、200Vを超えると初期の析出で塗膜抵抗のある膜ができてしまい塗膜厚の制御が難しくなったり、火花放電が発生し、塗装時の危険性が増す。
定電流法の印加条件は、0.05〜20mA/cm、好ましくは0.1〜10mA/cmであり、0.05mA/cm未満では、十分な塗膜厚が得られず20mA/cmを超えると塗膜厚の制御が難しくなる。
通電時間は2秒〜5分、好ましくは10秒〜2分である。通電時間が2秒以下では十分な塗膜厚が得られず、5分を超えると生産性が低下する。
電着塗装された被塗装物は、水洗され、次いで50〜200℃で5〜60分間加熱し、塗装膜を乾燥する。本発明が適用できる被塗装物としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、塗膜の析出性は、導電性基材の特性により変わる。本願に適用できる基材種としては、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、ニッケル、銅、黄銅、真鍮、銀などの金属やこれらを真空蒸着、電気めっき、無電解めっき等で塗布した基材、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ等の導電性物質を塗布した基材などがあげられる。
本発明の実施例および比較例を導電性樹脂として広く用いられているPEDOT/PSSの事例
を中心に挙げてさらに具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の部は、特に断りのない限り重量部である。
[実施例1]
300ccのガラスビーカーに導電性電着塗料用樹脂として、水分散性導電性樹脂Orgacon ICP-1010(PEDOT/PSS=5/7、有効成分1.2wt%、AGFAマテリアルジャパン社製)を200部入れ、被塗物としてイソプロピルアルコールで脱脂した導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)を用い、陰極にステンレス鋼板を使用し、浴温25℃、両極間に直流電圧5Vを1分間印加した。次いで電着塗装された導電性フイルムを取り出して充分に水洗したのち、70℃の温度で10分間加熱乾燥した。
[実施例2]
両極間に直流電圧5Vを流す代わりに、直流電流0.6mA/cmを流した以外は、実
施例1と同様な手法で実施した。
[実施例3]
通電時間を1分から2分にした以外は、実施例2と同様な手法で実施した。
[実施例4]
300ccのガラスビーカーに導電性電着塗料用樹脂として、水分散性導電性樹脂Orgacon ICP-1010(PEDOT/PSS=5/7、有効成分1.2wt%、AGFAマテリアルジャパン社製)を200部、イソプロピルアルコール5部、エチレングリコール5部を入れ30分間撹拌した後、被塗物としてイソプロピルアルコールで脱脂した導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)を用い、陰極にステンレス鋼板を使用し、浴温25℃、両極間に直流電流0.6mA/cmを1分間印加した。次いで電着塗装された導電性フイルムを取り出して充分に水洗したのち、70℃の温度で10分間加熱乾燥した。
[実施例5]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、アルミテストパネル(A1050材)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施し
た。
[実施例6]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、銅テストパネル(C1100材)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例7]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、ニッケルめっき板を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例8]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、銀めっき板を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例9]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、3価クロムめっき板を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例10]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、黄銅板を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例11]
被塗物として導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、SUS304板を用いた以外は、実施例1と同様な方法で実施した。
[実施例12]
300ccのガラスビーカーに導電性樹脂電着塗料として、水分散性導電性樹脂PANW(ポリアニリン水分散体、有効成分5wt%、化研産業社製)を40部、脱イオン水を160部入れ、被塗物としてイソプロピルアルコールで脱脂したアルミテストパネル(A-1050材)を用い、陰極にステンレス鋼板を使用し、浴温25℃、両極間に直流電圧30Vを1分間印加した。次いで電着塗装された導電性フイルムを取り出して充分に水洗したのち、70℃の温度で10分間加熱乾燥した。
[実施例13]
300ccのガラスビーカーに導電性樹脂電着塗料として、水分散性導電性樹脂PPY-12(ポリピロール水分散体、有効成分8wt%、丸菱油化工業社製)を25部、脱イオン水175部を入れ、被塗物としてイソプロピルアルコールで脱脂したアルミテストパネル(A-
1050材)を用い、陰極にステンレス鋼板を使用し、浴温25℃、両極間に直流電圧30Vを1分間印加した。次いで電着塗装された導電性フイルムを取り出して充分に水洗したのち、70℃の温度で10分間加熱乾燥した。
[比較例1]
100ccのガラスビーカーに、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT、和光純薬社製)0.5部、20%ポリ(4−スチレンスルホン酸)溶液(PSS、和光純薬社製)6部、イソプロピルアルコール5部、エチレングリコール5部を入れ、均一になるまで撹拌し、EDOT/PSS溶液を得た。別途300ccのガラスビーカーに182.1部の脱イオン水を入れ、撹拌しながら無水過塩素酸リチウム(和光純薬社製)2.4部を投入し、均一になるまで溶かす。過塩素酸リチウム水溶液を撹拌しながら、EDOT/PSS溶液を10分程度かけて投入し、微黄色透明な電解重合用電解液を作製した。
被塗物としてイソプロピルアルコールで脱脂した導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)を用い、陰極にステンレス鋼板を使用し、浴温25℃、両極間に直流電流0.6mA/cmを1分間印加した。次いで電着塗装された導電性フイルムを取り出して充分に水洗したのち、70℃の温度で10分間加熱乾燥した。
[比較例2]
通電時間を1分間から2分にした以外は比較例1と同様な方法で実施した。
[比較例3]
両極間に直流電流0.6mA/cmの代わりに直流電圧5Vを印加した以外は、比較例
1と同様な方法で実施したが、塗膜は得られなかった。
[比較例4]
被塗物を導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わり
に、アルミテストパネル(A1050材)を用いた以外は、比較例1と同様な方法で実施した
が、塗膜は得られなかった。
[比較例5]
被塗物を導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わり
に、銅テストパネル(C1100材)を用いた以外は、比較例1と同様な方法で実施したが、
塗膜は得られなかった。
[比較例6]
被塗物を導電性フイルム(ITO処理PETフイルム、シグマアルドリッチ社製)の代わりに、ニッケルめっき板を用いた以外は、比較例1と同様な方法で実施したが、塗膜は得られなかった。
得られた導電性樹脂電着塗膜に関する評価
[評価方法]
(1)成膜性 目視判定で○:成膜可能、×:成膜不能
(2)析出性 析出量で評価した。◎:0.2mg/cm以上、○:0.04〜0.2未満mg/cm、×:0.04mg/cm未満
(3)肌感 目視判定で◎:光沢感があり、且つ平滑、○:光沢感があるが、ゆず肌、×:光沢感がなく、ゆず肌
(4)密着性 セロテープ密着性で評価した。◎:剥離なし、○:部分的に剥離あり、×:完全に剥離する。
Figure 0006084903
上記実施例、比較例に示すとおり、本願発明の導電性電着塗料用樹脂組成物を用いた電着塗装法の場合は、通電方法や基材の種類を問わず、良好な成膜性、充分な析出量、析出性、優れた肌感、密着性を得ることができ、これに対し、電解重合法を用いた比較例では基材の種類によっては塗膜が得られず、また、塗膜が得られたとしても析出量や肌感、密着性において満足できる性能ではなかった。
また、本願発明の導電性電着塗料用樹脂組成物を用いた電着塗装法の場合は、複雑な形状の基材や有効面が表裏面の基材に対しても有効であり、浸漬塗装、スプレー塗装法、静電塗装法、スクリーン印刷法、インクジェット法などに比べ、優れた性能を有するものである。
本発明の導電性電着塗料用組成物、それを用いた電着塗料、電着塗装方法、及び、それにより得られる電着塗膜は、導電性樹脂の塗装方法として好適に使用される。

Claims (4)

  1. 陰イオン性化合物としてポリスルホン酸を含むポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)又はその誘導体からなる導電性樹脂の水分散体のみを塗膜形成成分として含有することを特徴とする導電性電着塗料用樹脂組成物。
  2. 請求項に記載の導電性電着塗料用樹脂組成物の製造方法であって、
    水を媒体として陰イオン性化合物存在下、化学酸化法により導電性樹脂を製造する方法又は化学酸化法により製造された導電性樹脂を陰イオン性化合物と混合し、水分散する方法によって陰イオン性化合物を含む導電性樹脂の水分散体を製造することを特徴とする導電性電着塗料用樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項に記載の導電性電着塗料用樹脂組成物を用いる電着塗装方法であって、印加電圧0.5〜200Vの定電圧法又は印加電流0.05〜20mA/cmの定電流法のいずれかの印加条件で、通電時間が2秒〜5分の通電条件で電着塗装することを特徴とする電着塗装方法。
  4. 請求項に記載の導電性電着塗料用樹脂組成物の電着塗膜層を有する被塗装物。
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