JP2013257945A - 有機透明導電体、有機導電体形成用インク及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一観点に係る透明導電体の製造方法は、少なくとも1種のN−アリールカルバゾールを重合させて得られるポリ(N−アリールカルバゾール)と、金属とを接触させる工程を含むことを特徴とする。また、本発明の一観点に係る透明導電体は、少なくとも1種のN−アリールカルバゾールを重合させて得られるポリ(N−アリールカルバゾール)と、金属とを接触させる工程によって作製されるものである。
【選択図】図1
Description
本実施形態に係る製造方法では、ポリ(N−アリールカルバゾール)と金属とを接触させることで、導電膜を透明にすることができる。接触させる金属は特段制限されないが、仕事関数が、ポリ(N−アリールカルバゾール)のイオン化ポテンシャルよりも小さい金属を接触させて反応させることが好ましい。このような金属の具体例は、アルミニウム、インジウム、亜鉛、チタン、マンガン、鉄、銅、銀、錫、アンチモン、ナトリウム、マグネシウム、ガリウム、カリウム又はカルシウム及びこれらの合金が挙げられる。この中でも特に、アルミニウム、錫、亜鉛、インジウム、ガリウムが好ましく用いられる。
カルバゾールのN位にアリールが結合したN−アリールカルバゾールは、水素化ナトリウム等の強塩基性のアルカリ金属化合物存在下で、カルバゾールとアリール化剤であるハロゲン化アリールとの脱ハロゲン化水素反応により合成することができる。または、カルバゾールカリウム塩とハロゲン化アリールの脱ハロゲン化カリウム反応で合成することができる。なお、酸化剤を用いる化学重合で、ポリ(N−アリールカルバゾール)を合成する場合には、カルバゾールのN位に結合するアリールは、一級炭素または二級炭素であることが好ましい。カルバゾールのN位に結合するアリールが三級炭素の場合には、重合時にアリールが脱離する傾向にあり、所望のポリ(N−アリールカルバゾール)が得難い場合がある。
上記アリール化剤であるハロゲン化アリールは、試薬メーカーより入手することができる。実験室で取り扱うには、反応性、アリールの種類の豊富さから、アリールモノ臭化物が扱いやすい。入手できるアリールモノ臭化物は、4−ブロモトルエン等があり、東京化成工業(株)、和光純薬(株)、関東化学(株)等から入手できる。
電解重合によってポリ(N−アリールカルバゾール)を形成する工程について説明する。なお、本実施形態において電解重合とは、通電手段を用いることにより、重合性モノマーを重合させることを意味し、具体的には溶媒中にモノマーと電解質を溶かし、電極に電圧を印加し、重合する方法である。特徴として、触媒を用いていないため、高純度の導電性のポリマーが得られる。まず、上記の方法で合成したN−アリールカルバゾール、支持電解質を電解重合用溶媒に溶解し、N−アリールカルバゾールを含む溶液を準備する。
化学重合によってポリ(N−アリールカルバゾール)を形成する工程について説明する。なお、本発明において化学重合とは、通電手段を用いることなく、酸化剤の作用により重合性モノマーを酸化重合させることを意味する。本実施形態に係るポリ(N−アリールカルバゾール)は、化学重合によっても形成することができる。すなわちポリ(N−アリールカルバゾール)は、N−アリールカルバゾールを含む溶媒に酸化剤を加えて化学重合を行うことで得られる。
本実施形態に係るN−アリールカルバゾールの別の形態は、透明導電体形成用インク及びその製造方法である。なお、ここでいうインクとは、無色である。
本実施例では、9−(4−メチルフェニル)カルバゾールをモノマーとして用いて重合を行った。図1に、上記カルバゾールのモノマー状態におけるIRスペクトルを示しておく。
上記得られたPMPCzをクロロホルムに0.02Mとなるように溶解した。PETフィルム上に金属を0.1〜0.2μmの厚みとなるように蒸着し、上記PMPCz溶液に投入して液相ハイブリッド化反応を進行させた。用いた金属はアルミニウム、亜鉛そしてスズとした。各金属の標準酸化還元電位は、それぞれAl−1.66V、Zn−0.76VおよびSn−0.14V vs SHEであり、ポリカルバゾールのそれ(+1.1V)と比較すると、Al>Zn>Snの順番でハイブリッド化反応が進行しやすいことが予想される。
過塩素酸イオンがドープされたPMPCz溶液のUV−visスペクトルを図3に示す。396nmおよび870nmの吸収は、PMPCzのカチオンラジカル(ポーラロン・バイポーラロン)に起因するシグナルである。400nm付近の吸収と600nmよりも長波長の吸収の効果により、膜は緑色を呈した。この溶液に金属を投入したところ、ハイブリッド化反応が進行し、396及び890nmの吸収とも消失した。ポリカルバゾール類は、金属と接触させると仕事関数の差異により金属からポリマーへ電子移動が生じ、ポリマー側では脱ドーピング反応が進行し、金属は金属化合物(金属酸化物および金属塩)へと物質変換される。
図4に、過塩素酸イオンがドープされたPMPCz溶液にSnを投入することによってハイブリッド化処理をし、得られた溶液を塗布することによって得られた膜の透過スペクトルを示す(PMPCz/Sn,dotted line)。なお、比較のために、ハイブリッド化を行っていないPMPCz溶液から得られた膜のスペクトル(PMPCz、Ssolid line)も同時に示しておく。ここでは双方の膜共に可視領域でおよそ90%以上の透過率を示し、十分な透明度を持つことがわかった。また、ハイブリッド膜では415nm以上で、PMPCz膜の場合には380nm以上で透過率80%以上を示した。なお金属としてZnを用いた場合にもほぼ同等の結果が得られた。金属としてAlを用いた場合、PMPCz/Alハイブリッド膜は380nm以上の領域で80%以上の透過率を示し、相対的に高い可視光透明性を示していることが確認できた。
次に、ドーパントイオンが膜の透明性および電気伝導性に与える影響を調べる目的で、塩化第二鉄を用いてPMPCz(Cl−がドープされたPMPCz)を作製し、上記と同様の検討を行った。
上記の結果から、ドーパントは膜の電気伝導度や透過率に影響を及ぼす可能性があることが示唆された。そこで次に、ドーパントの影響について検討を行った。過塩素酸イオンがドープされたPMPCzを作製し、その溶液にKCl、KBrあるいはKIを溶解した水溶液を投入することでドーパントの交換を行った。下記表3に、そのようにして作製されたCl−、Br−およびI−ドープPMPCz膜、およびそれらとSnの液相ハイブリッド化反応によって得られたハイブリッド膜のσとTの値を示す。
可視光領域の光吸収が低下するばかりではなく紫外領域の吸収も減少し、PMPCzフィルムおよびそのハイブリッドフィルムとも高い可視光透過率を示した。しかし、いずれのドーパントを用いた場合でもハイブリッド化反応後のフィルムの電気伝導度は1桁程度低下する結果となった。この原因は明らかではないが、おそらくはハイブリッド化反応の生成物の一つであるハロゲン化錫が電気伝導の阻害因子になっているものと推測される。
Claims (9)
- 下記一般式で表される少なくとも1種のN−アリールカルバゾールを重合させて得られるポリ(N−アリールカルバゾール)と、金属とを接触させる工程を含む透明導電体の製造方法。
- 前記接触させる工程が、液相中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
- 前記接触させる工程に用いる金属が、溶融金属であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
- 前記重合が、化学重合であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
- 請求項1に記載の方法で製造した透明導電体。
- 下記一般式で表される少なくとも1種のN−アリールカルバゾールを重合させて得られるポリ(N−アリールカルバゾール)を溶媒に溶解させポリ(N−アリールカルバゾール)溶液とし、前記溶液と金属とを接触させる工程を含む透明導電体形成用インクの製造方法。
- 下記一般式で表される少なくとも1種のN−アリールカルバゾールを化学重合させて得られるポリ(N−アリールカルバゾール)溶液と、金属とを接触させる工程を含む透明導電体形成用インクの製造方法。
- 前記重合が、化学重合である請求項6に記載の透明導電体形成用インクの製造方法。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の方法で製造した透明導電体形成用インク。
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