JP6083243B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
高速・高画質の画像形成が要求されるデジタル複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置においては、画像処理に関与するデバイス間で一定周期内に大量のデータを転送する必要があり、それが出来ない場合は異常画像が発生する。
この点に鑑み、PCI Express(登録商標)をデバイス間の接続手段に採用することによって十分な転送レートを確保することが検討されている。PCI Express(以下、PCIeと言う)は、PCISIG(Peripheral Component Interconnect Special Interest Group)によって規定される高速シリアルインタフェースの規格であり、デバイス間を「リンク」と呼ばれる通信路を介して相互接続する。
ここで、PCIe規格には、電力管理の規格として、ASPM(Active State Power Management)を規定されている。ASPMによれば、デバイス間を接続するリンクのアイドル状態が一定期間継続したことをPCIeデバイスがハードウェア上で検知して省電力状態に遷移することによって、リンクのアイドル期間中に無駄な電力が消費されることを抑制する。
しかしながら、省電力状態から通常状態への復帰には数μsec程度の復帰時間を要する。したがって、等時性(Isochronous)が要求されるリンクにおいて、ASPM制御をイネーブルにすると、その復帰時間のためにデータ転送の等時性が失われ、異常画像が発生する虞がある。
この点につき、特開2009−176294号公報(特許文献1)は、操作部からユーザーがスキャナ読み取りを指示したことに応答して、ソフトウェアがASPM制御をディスエーブルにすることによって、スキャナデータを確実に転送する画像処理装置を開示する。
特許文献1の方法によれば、確かに転送データの等時性は確保される。しかしながら、特許文献1の方法では、lsync周期に対してデータ転送期間の占める割合が小さいユースケースの場合、非データ転送期間において依然として無駄な電力が消費されるという問題があった。
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、データ転送の等時性を犠牲にすることなく、省電力効果を最大化することができる新規な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、データ転送の等時性を犠牲にすることなく、省電力効果を最大化することができる新規な画像形成装置につき鋭意検討した結果、以下の構成に想到し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明によれば、第1の接続先から入力された入力データを第1のシリアルバスを介して入力して処理する第1のデバイスを含む画像処理部と、前記画像処理部と第2のシリアルバスを介して接続され、前記第1のデバイスで処理された前記入力データを前記第2のシリアルバスを介して入力して処理し、第2の接続先へ出力データとして出力し、前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る電力管理機能の使用の可否を制御する電力管理機能使用可否判断部を有する第2のデバイスを含む制御部と、を備える画像形成装置であって、前記電力管理機能使用可否判断部は、前記第1の接続先からの入力データの転送が実行される場合は、該第1の接続先の電力管理機能に係る制御内容に基づいて前記電力管理機能を制御し、前記第2の接続先への出力データの転送が実行される場合は、前記出力データの転送期間を除く期間である非データ転送期間の全てに前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る期間が存在するとき、又は、前記非データ転送期間が前記節電に係る期間への遷移が開始されるまでの期間である遷移準備期間より短いとき、のいずれかのときに、前記電力管理機能の使用を可能とする、ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
上述したように、本発明によれば、データ転送の等時性を犠牲にすることなく、省電力効果を最大化することができる新規な画像形成装置が提供される。
本実施形態の画像形成装置の画像処理部の機能ブロック図。 lsync周期内に発生するアイドル期間を説明するための概念図。 ASIC2の機能ブロック図。 ASIC2のASPM制御部の機能ブロック図。 本実施形態におけるASPMの初期設定処理を示すフローチャート。 本実施形態におけるライン利用率閾値を説明するための概念図。 ASIC2のASPM制御部が実行するASPMのON/OFF制御処理を示すフローチャート。 ASPMのON/OFF制御が実行された場合のシーケンス図。 ASIC3の機能ブロック図。 ASIC3のルート・モジュールの機能ブロック図。 ASIC3のASPM制御部を示す図。 フルカラー印刷モードにおけるプリンタデータ転送のシーケンスを示す図。 プリンタデータ転送時におけるASPM使用可否判断を説明するための概念図。 プリンタデータ転送とスキャンデータ転送が重複した場合におけるASPM使用可否判断を説明するための概念図。 プリンタデータ転送とスキャンデータ転送が重複した場合におけるASPM使用可否判断を説明するための概念図。 ASIC3のASPM制御部が実行するASPMのON/OFF制御処理を示すフローチャート。
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜、その説明を省略するものとする。
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置の画像処理部を構成する画像処理エンジン(IPUボード10)およびコントローラ(CTLボード20)の機能ブロック図を示す。
IPUボード10は、スキャナ15からの入力データ(以下、スキャナデータという)の画像処理を実行するためのASIC1(11)と、IPUボード10とCTLボード20とをインタフェースするバスブリッジとしてのASIC2(12)と、IPUボード10を制御するCPU1(13)と、処理後の画像データをプロッタ16に書き込むための書き込み処理用ASIC4(14)を含んで構成される。
一方、CTLボード20は、IPUボード10との間をインタフェースし、且つメモリ23とのインタフェースを持つチップセットとしてのASIC3(21)と、CTLボード20を制御するCPU2(22)を含んで構成される。
図1に示すASIC1〜ASIC3は、いずれも、PCI Express規格に準拠したPCI Expressデバイス(以下、PCIeデバイスとして参照する)であり、ASIC1(11)とASIC2(12)の間、および、ASIC2(12)とASIC3(21)の間は、それぞれ、PCI Expressの規格する高速シリアルインタフェース(高速シリアルバス)を介して接続されている。
ここで、ASIC1(11)、ASIC2(12)およびASIC3(21)は、PCIeデバイスとしてASPM(Active State Power Management)制御部を実装する。ここで、ASPMとは、デバイス間を接続するPCIe(高速シリアルバス)の節電に係る電力管理機能を意味し、ASPM(Active State Power Management)制御部は、PCIeのリンクが一定期間以上アイドル状態になると、自動的に通常状態から省電力状態に遷移して無駄な電力消費を抑制するように構成されている。
一般に、画像形成装置のlsync周期(ライン同期信号の周期)は、想定される最大の帯域を満足するように設定される。例えば、画像形成装置が400%拡大変倍に対応する機種である場合、図2(a)に示すように、4ライン分のデータを転送するのに必要な期間がlsync周期として設定される。よって、当該画像形成装置において、100%等倍のデータを転送する場合には、図2(b)に示すように、lsync周期においてデータ転送期間が占める割合(ライン利用率)は25%となり、残りの75%に相当する期間はアイドル状態になる。したがって、画像形成装置の省電力効果を最大化するためには、当該アイドル期間について各デバイスを省電力状態(L0s/L1)に遷移させる必要がある。
しかしながら、一般に、PCIeデバイスにおいては、省電力状態(L0s/L1)から通常状態に戻るのに数μs〜数十μs程度の復帰時間を要するため、無条件にASPMをイネーブルにしたのでは、データ転送が要求されるタイミングに復帰が間に合わず、異常画像となる可能性がある。この点につき、本実施形態の画像形成装置は、以下の構成を採用することにより、データ転送の等時性に影響を与えない範囲内でPCIeデバイスを省電力状態に遷移させることを可能にする。以下、この点につき、順を追って説明する。
図3は、図1に示したASIC2(12)の機能ブロックを示す。ASIC2(12)は、ルート・モジュール30、画像処理モジュール80、エンドポイント・モジュール70を含んで構成されている。
ルート・モジュール30は、PCIEの論理層を実現する制御回路であるPCIE論理層回路31と、PCIE論理層回路31から受領した1ライン分のデータを1lsync周期で画像処理モジュール80に転送するデータ転送制御部33とを含んで構成されている。
PCIE論理層回路31が含むConfigレジスタ制御部32には、省電力状態(L0s/L1)からの復帰に要する時間がデバイス固有の値として、Link Capabilities RegisterのL0s/L1 Exit Latencyに保持されている。
データ転送制御部33は、ASIC内部の転送をlsyncに同期させるためのlsync信号生成部34と、ラインデータ毎に動作して所定の主走査サイズをカウントするための主走査カウンタ35と、各種パラメータを保持するレジスタ制御部36と、ASPM制御部40とを含んで構成されている。ここで、ASPM制御部40は、PCIE論理層回路31のConfigレジスタ制御部32およびASIC1(11)のエンドポイント・モジュール38の図示しないConfigレジスタ制御部の両方にアクセス可能に構成されている。
一方、エンドポイント・モジュール70は、PCIEの論理層を実現する制御回路であるPCIE論理層回路71と、MSI生成部72とを含んで構成されている。MSI生成部72は、起動フラグのアサート時およびネゲート時にMSI(Message Signalled Interrupt)を生成する。生成されたMSIは、エンドポイント・モジュール70からASIC3(21)に発行される。なお、発行されるMSIには、lsync周期情報とデータ転送期間の計測結果(後述する)が含まれる。
図4は、ASPM制御部40のみを拡大して示す。ASPM制御部40は、ASPM使用可否判断部42とライン利用率計測部44とを含み、ライン利用率計測部44は、さらに、データ転送期間カウンタ46を含んで構成されている。
一方、ASPM使用可否判断部42は、ASPM使用可否の判断基準となるライン利用率閾値を設定するためのライン利用率閾値設定部43を含んで構成されている。以下、ライン利用率閾値設定部43がライン利用率閾値を設定する手順について順を追って説明する。
本実施形態の画像形成装置においては、ライン利用率閾値を設定に先立って、ASPMの初期設定処理が実行され、当該初期設定処理の中でライン利用率閾値の算出に使用される復帰時間が決定される。以下、復帰時間の決定処理を含むASPMの初期設定処理を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップ101において、ASIC2(12)のルート・モジュール30のコンフィグ設定が実施され、ステップ102において、ASIC1(11)のエンドポイント・モジュール38のコンフィグ設定が実施される。
続いて、ステップ103において、ASIC2(12)のルート・モジュール30のConfigレジスタ制御部32のLink Capabilities Registerがリードされ、「ASPM Support」、「L0s Exit Latency」および「L1 Exit Latency」のビットの値が保持される(ステップ104)。
さらに、ステップ105において、ASIC1(11)のエンドポイント・モジュール38の図示しないConfigレジスタのLink Capabilities Registerがリードされ、「ASPM Support」、「L0s Exit Latency」および「L1 Exit Latency」のビットの値が保持される(ステップ106)。
次に、ステップ107において、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38がL0sおよびL1のいずれをサポートしているか否かが判断される。ASPMの省電力ステートは、接続されたデバイスの少なくとも一方がL0sにしか対応していなければ、L0sの省電力ステートに遷移し、接続されたデバイスの両方がL1に対応している場合は、L1の省電力ステートに遷移する。
ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38が、いずれも、L0sおよびL1の両方をサポートしている場合には(ステップ107、Yes)、ステップ112に進み、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38のそれぞれのLink Control RegisterのASPM Controlの値を[0x11]にセットし、ASPMを「L0s and L1 Entry Enabled」に設定した後、ステップ113に進む。ステップ113においては、ステップ104で保持したルート・モジュール30の「L1 Exit Latency」の値とステップ106で保持したエンドポイント・モジュール38の「L1 Exit Latency」の値が比較される。その結果、より大きい方の値をライン利用率閾値の算出に使用する復帰時間として決定して、処理を終了する。
一方、ステップ107において、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38がL0sおよびL1の両方をサポートしていないと判断された場合には(ステップ107、No)、ステップ108に進み、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38がL0sをサポートしているか否かが判断される。その結果、L0sをサポートしている場合には(ステップ108、Yes)、ステップ110に進み、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38のそれぞれのLink Control RegisterのASPM Controlの値を [0x01]にセットし、ASPMを「L0s Entry Enabled」に設定した後、ステップ111に進む。ステップ111においては、ステップ104で保持したルート・モジュール30の「L0s Exit Latency」の値とステップ106で保持したエンドポイント・モジュール38の「L0s Exit Latency」の値が比較される。その結果、より大きい方の値をライン利用率閾値の算出に使用する復帰時間として決定して、処理を終了する。
一方、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38の両方がL0sをサポートしていない場合には(ステップ108、No)、ステップ109に進み、ルート・モジュール30およびエンドポイント・モジュール38のそれぞれのLink Control RegisterのASPM Controlの値を[0x00]にセットし、ASPMを「Disabled」に設定した後、処理を終了する。
ライン利用率閾値設定部43は、上述した手順で決定された復帰時間と省電力状態への遷移が開始されるまでの時間に基づいてライン利用率閾値を定義する。以下、本実施形態において定義されるライン利用率閾値の考え方について、図6に基づいて説明する。
図6は、スキャナデータ転送時のシーケンスを示す。なお、図6中の「LTSSM」はPCIeのリンクステートを示し、その内容は、下記の通りである。
L0:通常状態
L0s:ASPMによる省電力状態(浅い)
L1:ASPMによる省電力状態(やや深い)
Rcv:L1→L0に復帰する際に、復帰用の準備を行うステート(リカバリーステート)
なお、図6(a)は、L0sの省電力ステートを示し、図6(b)は、L1の省電力ステートを示し、各図において、T1〜T4は、下記を意味する。
T1:省エネステートからの復帰時間
T2:データ転送時間
T3:省エネステートへの遷移が開始されるまでの時間
T4:lsync周期
図6(a)および(b)に示されるように、lsync周期内の非データ転送期間(T4−T2)が、省エネステートからの復帰時間(T1:以下、復帰時間として参照する)と省エネステートへの遷移が開始されるまでの時間(T3:以下、遷移準備時間として参照する)の合計(T1+T3)よりも大きい場合は、省電力化の対象と成り得る非データ転送期間(以下、省エネ可能期間として参照する)が存在することが理解されるであろう。一方、(T4−T2)が(T1+T3)より大きくない場合においては、仮に、lsync周期内に非データ転送期間が存在したとしても、その全てが復帰時間および遷移準備時間に費やされることになるので、当該非データ転送期間は省電力化の対象と成り得ず、そこにASPMを使用する余地はない。
ここで、(T4−T2)が(T1+T3)よりも大きい場合とは、すなわち、ライン利用率[T2/ lsync周期]が[1−(T1+T3)/ lsync周期]よりも小さい場合と置き換えることができる。この点に着目して、本実施形態においては、ASPMの適用の可否を判断するための指標として、下記式(1)により、ライン利用率閾値を定義する。
ライン利用率閾値設定部43は、図5に示したASPMの初期設定処理において決定された復帰時間および遷移準備時間を上記式(1)に導入してライン利用率閾値を算出・保持する。
以上、本実施形態におけるライン利用率閾値設定部43がライン利用率閾値を設定する手順について説明してきたが、次に、ASIC1(11)とASIC2(12)を接続するPCIe(高速シリアルバス)に関し、スキャナデータ転送時に、ASIC2(12)のASPM制御部40が実行するASPMのON/OFF制御処理について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
スキャナ読み取り時、図1に示すCPU1によりASIC1(11)およびASIC2(12)が起動されると、各デバイスのASPM制御部は、起動フラグのアサートに応答して(ステップ201、Yes)、ASPMをディスエーブル(OFF)にする(ステップ202)。
続いて、スキャナ15からスキャナデータが転送されると、ステップ203において、ライン利用率計測部44が以下の手順で1ライン目のライン利用率を計測する。まず、ライン利用率計測部44のデータ転送期間カウンタ46は、ラインデータ毎に動作する主走査カウンタ35の動作開始から終了までの期間(すなわち、主走査サイズのカウントに要する時間)をデータ転送期間として計測する。なお、データ転送期間カウンタ46は、lsync(ライン同期信号)のアサートでリセットされる。ライン利用率計測部44は、データ転送期間カウンタ46が計測したデータ転送期間と図3に示したレジスタ制御部36から取得したlsync周期に基づいて、下記式(2)によりライン利用率を算出し、当該ライン利用率をASPM使用可否判断部42に出力する。
続くステップ204において、ASPM使用可否判断部42は、ライン利用率計測部44から入力されたライン利用率とライン利用率閾値設定部43に保持されたライン利用率閾値を比較する。その結果、ライン利用率がライン利用率閾値より小さいと判断した場合(ステップ204、Yes)、ステップ205に進む。ステップ205において、ASPM使用可否判断部42は、Configレジスタ制御部32にアクセスし、Link Control RegisterのASPM Controlビットを介してASPMをイネーブル(ON)にする。その後、実行中のジョブの完了を待機し(ステップ206、No)、起動フラグがネゲートされると(ステップ206、Yes)、処理を終了する。
一方、ASPM使用可否判断部42は、ライン利用率がライン利用率閾値より小さくないと判断した場合(ステップ204、No)、実行中のジョブの完了を待機する(ステップ207、No)。ASPM使用可否判断部42は、起動フラグがネゲートされると(ステップ207、Yes)、ステップ208に進んで、Configレジスタ制御部32にアクセスし、Link Control RegisterのASPM Controlビットを介してASPMをイネーブル(ON)にした後、処理を終了する。
図8は、スキャナデータの転送時に図7に示したASPMのON/OFF制御が実行された場合のシーケンスを示す。なお、図8において、「Lu」はライン利用率の計測値を示し、「Th」はライン利用率閾値を示す。
まず、図8(a)について検討すると、まず、ASIC1,ASIC2の起動に応答して、ASPMがONからOFFに制御された後、次に到来するlsync周期において、1ラインデータのライン利用率が計測される。図8(a)に示す例の場合、ライン利用率の計測値(Lu)は、ライン利用率閾値(Th)より小さいので、さらに次のlsync信号のアサートに同期して、ASPMがOFFからONに切り替えられる。その結果、ASIC1およびASIC2を接続するPCIeリンクは、lsync周期内に発生する非データ転送期間において、適宜、省電力状態に遷移する。
次に、図8(b)について検討すると、同じく、ASIC1,ASIC2の起動に応答して、ASPMがONからOFFに制御された後、次に到来するlsync周期において、1ラインデータのライン利用率が計測される。図8(b)に示す例の場合、ライン利用率の計測値(Lu)は、ライン利用率閾値(Th)より小さくないので、ASPMのOFF状態は、そのまま維持され、スキャナデータの転送が完了するのを待って、OFFからONに切り替えられる。
以上、ASIC1(11)とASIC2(12)を接続するPCIeに関し、スキャナデータ転送時に、ASIC2(12)のASPM制御部40が実行するASPM制御について説明してきたが、続いて、ASIC3(21)とASIC2(12)を接続するPCIeに関し、ASIC3(21)が実行するASPM制御について説明する。
その前に、ASIC3(21)の内部構成を図9に基づいて説明する。ASIC3(21)は、スキャナデータ転送パス、プリンタデータ転送パスおよびCPUからのデータ転送パスを有する。ASIC3(21)においては、メモリコントローラ58を介して、スキャナデータはメモリ23に書き込まれ(Write)、プリンタデータはメモリ23から読み出される(Read)。スキャナデータ転送およびプリンタデータ転送に係る各リクエストはアービタ57によって調停される。
ここで、ASIC3(21)は、CMYKの各色に対応する4つのプリンタデータ転送用モジュール56(図9においては、VOUTモジュールと表記する)を有し、プリンタデータ転送用モジュール56は、起動時にメモリ23から1ライン分のプリンタデータを読み出すと、その旨をASIC2(12)を介してCPU1(13)に通知する。この通知を受けて、CPU1(13)は、ASIC2(12)を介してプリンタデータのリクエストをASIC3(21)に対して発行する。このリクエストに応答して、プリンタデータ転送用モジュール56は、メモリ23から読み出したプリンタデータをASIC2(12)に転送する。
ここで、ASIC3(21)とASIC2(12)を接続するPCIeに関するASPM制御のON/OFF制御は、ASIC3(21)のルート・モジュール50が実行する。以下、ルート・モジュール50の内部構成について説明する。
図10は、図9に示したASIC3(21)のルート・モジュール50の機能ブロックを示す。図10に示すように、ルート・モジュール50は、PCIEの論理層を実現する制御回路であるPCIE論理層回路51と、PCIE論理層回路51から転送されるデータを後段に転送するデータ転送制御部53と、各種パラメータを保持するレジスタ制御部54と、CMYKの各色の転送主走査サイズをカウントする主走査カウンタ55と、ASPM制御部60を含んで構成されている。
PCIE論理層回路51が含むConfigレジスタ制御部52には、省電力状態(L0s/L1)からの復帰に要する時間がデバイス固有の値として、Link Capabilities RegisterのL0s/L1 Exit Latencyに保持されている。
データ転送制御部53は、インタフェース変換および非同期吸収などの機能を担う。データ転送制御部53は、CPU1(13)およびCPU2(22)の通信情報から、ASIC2(12)からASIC3(21)へスキャナデータが転送されることを検知すると、これに応答してスキャナデータ転送フラグをアサートし、ASPM制御部60にその旨を通知する。
また、データ転送制御部53は、ASIC2(12)でASPMが使用可能と判断されたことを検知すると、これに応答してスキャナデータASPMイネーブルフラグをアサートし、ASPM制御部60にその旨を通知する。なお、本実施形態においては、ASIC2(12)でASPMが使用可能と判断された場合に、ASIC2(12)からASIC3(21)に対してその旨を示す特有のパケット(PCI-ExpressにおけるMSI同等のパケット)を送らせ、データ転送制御部53が当該パケットの検出に応答してスキャナデータASPMイネーブルフラグをアサートするように構成することができる。
一方、プリンタデータ転送要求時においては、CPU2(22)がASIC3(21)を起動する際に、プリンタデータ転送起動フラグをアサートし、ASPM制御部60に対して起動するチャンネル数を通知する。
図11は、ASPM制御部60のみを拡大して示す。ASPM制御部60は、ASPM使用可否判断部62とライン利用率計測部64とを含んで構成されている。ASPM使用可否判断部62は、さらに、ライン利用率閾値設定部63を含んで構成され、ライン利用率計測部64は、さらに、データ転送期間カウンタ66を含んで構成されている。
ここで、ASPM使用可否判断部62は、上述した3種類のフラグ(スキャナデータ転送フラグ・スキャナデータASPMイネーブルフラグ・プリンタデータ転送起動フラグ)の状態に基づいて、ASPM使用の可否を判断し、ASPMのON/OFFを制御する。
以上、ASIC3(21)のルート・モジュール50の内部構成について概説したが、続いて、ASIC3(21)とASIC2(12)を接続するPCIeに関し、ASIC3(21)のASPM使用可否判断部62が実行するASPM制御について、場合分けをして説明する。
まず、ASIC2(12)からASIC3(21)へスキャナデータのみが転送される場合について説明する。
ASIC2(12)からASIC3(21)へスキャナデータが転送されるlsync周期内においては、ASPM使用可否判断部62は、ASIC2(12)のASPM使用可否判断部42が先に判断した結果を踏襲する。すなわち、ASIC2(12)とASIC3(21)の間のASPMのON/OFFは、ASIC2(12)内のASPMの使用可否判断結果に倣って制御される。
続いて、ASIC3(21)からASIC2(12)へプリンタデータのみが転送される場合について説明する。
図12は、フルカラー印刷モードにおけるプリンタデータ転送のシーケンスを示す。フルカラー印刷モードにおいて転送されるプリントデータは、4種類の色版(CMYK)で構成され、いずれもlsync_n信号に同期して転送されるが、各色版のlsync_n信号のタイミングは、定着ドラムのドラム間ピッチ分だけずれている。
ここで、プリンタデータ転送時における非データ転送期間について検討すると、図12に示すように、2種類の非データ転送期間が存在する。すなわち、前の版のプリンタデータの転送が終了してから隣接する次の版のプリンタデータ転送が開始されるまでの時間(以下、期間Bという)と、最後の版(K版)のプリンタデータの転送が終了して以降の残り時間(以下、期間Aという)である。
ここで、期間Aと期間Bは、多くの場合、その長さが異なる。この点につき、ASPM使用可否判断部62は、期間Aおよび期間Bのそれぞれについて、ASPMの使用可能性を別個に判断し、その結果、期間Aと期間BのいずれにおいてもASPMが使用可能と判断された場合にのみ、ASPM使用可と判断し、それ以外の場合は、ASPM使用不可と判断する。以下、この点につき、順を追って説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図13を参照されたい。
まず、期間Aに係るASPMの使用可能性の判断について説明する。期間Aに関しては、以下の2つの条件のうちのいずれか1つを満たす場合に、ASPMが使用可能であると判断する。
(a-1)期間Aにおいて省エネ可能期間が存在する
(b-1)期間Aが遷移準備期間より短い
ここで、上記条件(a-1)は、上述したASIC2(12)のASPM使用可否判断部42がスキャナデータ転送時に実行する際の条件と本質的には同じであり、下記式(2)によって求められるライン利用率が、下記式(1)で定義されるライン利用率閾値より小さいこととして定義される。
ただし、この場合、データ転送が複数チャンネルにわたるケースでは、上記式(2)におけるデータ転送期間(T2)を、最初の版のプリンタデータの転送が開始してから最後の版のプリンタデータ転送が終了するまでの期間として定義する。すなわち、フルカラー印刷の場合(4CH)は、上記式(2)におけるデータ転送期間(T2)を、C版のプリンタデータの転送が開始してからK版のプリンタデータ転送が終了するまでの期間として定義し、2色印刷モードの場合(2CH)は、第1色の版のプリンタデータの転送が開始してから第2色の版のプリンタデータ転送が終了するまでの期間として定義する。なお、モノクロ印刷モードの場合は、該当する単色版のプリンタデータの転送期間そのものを上記式(2)におけるデータ転送期間(T2)として定義する。
一方、上記条件(b-1)は、下記式(3)で定義される。
上記式(3)においては、lsync周期(T4)から復帰時間(T1)とデータ転送期間(T2)の合計を減算した値が期間Aに相当し、当該期間Aが遷移準備時間(T3)より短い場合(すなわち、上記式(3)を満たす場合)に、上記条件(b-1)を満たすと判断する。この判断は、期間Aが遷移準備時間(T3)より短いケースでは、省エネ可能期間は生じ得ないものの、その間にASPMをONに制御しても省エネモード自体に遷移しないので、実害が生じないという理由による。
以上、期間Aに係るASPMの使用可能性の判断について説明してきたが、続いて、期間Bに係るASPMの使用可能性の判断について説明する。
期間Bに係る使用可能性も、同様に、以下の2つの条件のうちのいずれか1つを満たす場合に、ASPMが使用可能であると判断する。
(a-2)期間Bにおいて省エネ可能期間が存在する
(b-2)期間Bが遷移準備期間より短い
まず、上記条件(a-2)について説明する。期間Bにおいて省エネ可能期間が発生しうるケースは、各版のラインデータ転送がドラム間ピッチ(色版毎のlsync周期のズレに相当する期間)よりも短い時間で完了し、且つ、その際のドラム間ピッチ内の残りの時間の長さが遷移準備時間(T3)と復帰時間(T1)の合計時間以上となるケースである。したがって、上記条件(a-2)は、下記式(4)で定義される。
一方、上記条件(b-2)は、下記式(5)で定義される。
これは、ドラム間ピッチ内で1版分のデータ転送が完了した際のドラム間ピッチ内の残りの時間の長さが遷移準備時間(T3)より短いケースでは、省エネ可能期間は生じ得ないものの、その間にASPMをONに制御しても省エネモードに遷移することがないので、実害が生じないという理由による。
以上、期間Aおよび期間Bのそれぞれに係るASPMの使用可能性の判断について説明してきたが、先に述べたように、本実施形態において、ASPM使用可否判断部62は、ASIC2(12)からASIC3(21)へプリンタデータが転送される際に、期間Aと期間BのいずれにおいてもASPMが使用可能と判断された場合にのみ、ASPMを使用可と判断する。
換言すれば、ASPM使用可否判断部62は、以下の4通りのケースにおいて、ASPMが使用可と判断する。
(1)上記条件(a-1)と上記条件(a-2)を同時に満たした場合
(2)上記条件(a-1)と上記条件(b-2)を同時に満たした場合
(3)上記条件(b-1)と上記条件(a-2)を同時に満たした場合
(4)上記条件(b-1)と上記条件(a-2)を同時に満たした場合
以上、ASIC3(21)からASIC2(12)へプリンタデータが転送される場合について説明してきたが、続いて、1lsync周期(T4)内に、ASIC2(12)からASIC3(21)へのスキャナデータ転送とASIC3(21)からASIC2(12)へのプリンタデータ転送が発生する場合について説明する。
1lsync周期(T4)内に、ASIC2(12)からASIC3(21)へのスキャナデータ転送とASIC3(21)からASIC2(12)へのプリンタデータ転送が発生する例として、コピー動作時を挙げることができる。図14は、コピー動作時におけるデータ転送のシーケンスを示す。
図14に示すように、コピー動作時においては、上述したプリンタデータ転送時と同じ2種類の非データ転送期間(期間Aおよび期間B)が発生するので、ASPM使用可否判断部62は、上述したプリンタデータ転送時に実行するのと同様の手順で、期間Aおよび期間Bのそれぞれについて、ASPMの使用可能性を別個に判断し、その結果、期間Aと期間BのいずれにおいてもASPMが使用可能と判断された場合にのみ、ASPM使用可と判断し、それ以外の場合は、ASPM使用不可と判断する。
ただし、スキャナ・アプリとプリンタ・アプリは、完全に非同期で動作するため、期間A(最後の版のプリンタデータの転送が終了して以降のlsync周期内の残り時間)を一意的に決定することができない。この点に鑑み、期間Aに係るASPMの使用可能性の判断条件(b-1):“期間Aが遷移準備期間より短い”に関しては、ワースト条件を前提として、下記式(6)に基づいて判断する。
ここで、図15は、1lsync周期(T4)内に、スキャナデータ転送とプリンタデータ転送が発生し、且つ、スキャナデータの転送期間とプリンタデータの転送期間が重ならないワースト条件の仮想シーケンスを表しておる。その場合、上記式(6)におけるデータ転送期間(T2)は、スキャナデータの転送時間と最初の版のプリンタデータの転送が開始してから最後の版のプリンタデータ転送が終了するまでの時間の合計として定義する。なお、上記式(6)におけるlsync周期は、スキャナ15のlsync周期およびプロッタ16のlsync周期のうちいずれか小さい方を使用する。
以下、ASIC3(21)とASIC2(12)を接続するPCIeに関し、ASIC3(21)のASPM制御部60が実行するASPM制御について、図16に示すフローチャートに基づいて時系列的に説明する。
プリンタデータの転送要求時、図1に示すCPU2(22)がASIC3(21)を起動する。このとき、CPU2(22)は、起動するチャンネルのプリンタデータ転送起動フラグをアサートする。
ASPM制御部60は、プリンタデータ転送起動フラグがアサートされたことに応答して(ステップ301、Yes)、ASIC2(12)およびASIC3(21)のASPMをディスエーブル(OFF)にする(ステップ302)。
続くステップ303では、ASPM使用可否判断部62が、上述した3種類のフラグ(スキャナデータ転送フラグ・スキャナデータASPMイネーブルフラグ・プリンタデータ転送起動フラグ)の状態に基づいて、ASIC3(21)とASIC2(12)を接続するPCIeのデータの転送状態が下記(1)〜(3)のいずれに該当するかを判断し、各状態に応じたASPM使用可否判断処理を実行する。なお、各判断処理の内容は既に述べた通りである。
(1)スキャナデータ転送のみ
(2)プリンタデータ転送のみ
(3)スキャナデータ転送とプリンタデータ転送が重複
ASPM使用可否判断処理を実行した結果、使用可と判断した場合は(ステップ304、Yes)、ステップ305に進んで、ASPMをイネーブル(ON)にした後、ステップ306に進む。ステップ306では、実行中のジョブの完了を待機し(ステップ306、No)、起動フラグがネゲートされた場合は(ステップ306、Yes)、処理を終了する。
一方、ASPM使用可否判断処理を実行した結果、使用不可と判断した場合は(ステップ304、No)、ステップ307に進んで、実行中のジョブの完了を待機し(ステップ307、No)、起動フラグがネゲートされた場合は(ステップ307、Yes)、ASPMをイネーブル(ON)にして(ステップ308)、処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態によれば、機種やユースケースごとにソフトウェアを用意してASPMのON/OFF制御をする必要が無く、PCIeデバイスの内部機構によって、データ転送の等時性を犠牲にしない場合にのみ選択的にASPMがイネーブルに制御されるので、画像処理装置における省電力効果が最大化される。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…IPUボード
11,12,14,21…ASIC
13,22…CPU
15…スキャナ
16…プロッタ
20…CTLボード
23…メモリ
30…ルート・モジュール
31…PCIE論理層回路
32…Configレジスタ制御部
33…データ転送制御部
34…lsync信号生成部
35…主走査カウンタ
36…レジスタ制御部
38…エンドポイント・モジュール
40…ASPM制御部
42…ASPM使用可否判断部
43…ライン利用率閾値設定部
44…ライン利用率計測部
46…データ転送期間カウンタ
50…ルート・モジュール
51…PCIE論理層回路
52…Configレジスタ制御部
53…データ転送制御部
54…レジスタ制御部
55…主走査カウンタ
56…プリンタデータ転送用モジュール
57…アービタ
58…メモリコントローラ
60…ASPM制御部
62…ASPM使用可否判断部
63…ライン利用率閾値設定部
64…ライン利用率計測部
66…データ転送期間カウンタ
70…エンドポイント・モジュール
71…PCIE論理層回路
72…MSI生成部
80…画像処理モジュール
特開2009−176294号公報

Claims (4)

  1. 第1の接続先から入力された入力データを第1のシリアルバスを介して入力して処理する第1のデバイスを含む画像処理部と、
    前記画像処理部と第2のシリアルバスを介して接続され、前記第1のデバイスで処理された前記入力データを前記第2のシリアルバスを介して入力して処理し、第2の接続先へ出力データとして出力し、前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る電力管理機能の使用の可否を制御する電力管理機能使用可否判断部を有する第2のデバイスを含む制御部と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記電力管理機能使用可否判断部は、
    前記第1の接続先からの入力データの転送が実行される場合は、該第1の接続先の電力管理機能に係る制御内容に基づいて前記電力管理機能を制御し、
    前記第2の接続先への出力データの転送が実行される場合は、前記出力データの転送期間を除く期間である非データ転送期間の全てに前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る期間が存在するとき、又は、前記非データ転送期間が前記節電に係る期間への遷移が開始されるまでの期間である遷移準備期間より短いとき、のいずれかのときに、前記電力管理機能の使用を可能とし、
    前記非データ転送期間が最後の色版の出力データの転送が終了して以降の残り時間である場合、
    下記式(2)で表されるライン利用率が下記式(1)で表される定義されるライン利用率閾値より小さい場合に、前記非データ転送期間に前記節電に係る期間が存在すると判断し、下記式(3)が満たされるときに、前記非データ転送期間が前記遷移準備期間より短いと判断することを特徴とする画像形成装置。
    (上記式(2)および(3)において、lsync周期は、ライン同期信号の周期であり、データ転送期間は、最初の色版の出力データの転送が開始してから最後の色版の出力データ転送が終了するまでの期間として定義される。)
  2. 第1の接続先から入力された入力データを第1のシリアルバスを介して入力して処理する第1のデバイスを含む画像処理部と、
    前記画像処理部と第2のシリアルバスを介して接続され、前記第1のデバイスで処理された前記入力データを前記第2のシリアルバスを介して入力して処理し、第2の接続先へ出力データとして出力し、前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る電力管理機能の使用の可否を制御する電力管理機能使用可否判断部を有する第2のデバイスを含む制御部と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記電力管理機能使用可否判断部は、
    前記第1の接続先からの入力データの転送が実行される場合は、該第1の接続先の電力管理機能に係る制御内容に基づいて前記電力管理機能を制御し、
    前記第2の接続先への出力データの転送が実行される場合は、前記出力データの転送期間を除く期間である非データ転送期間の全てに前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る期間が存在するとき、又は、前記非データ転送期間が前記節電に係る期間への遷移が開始されるまでの期間である遷移準備期間より短いとき、のいずれかのときに、前記電力管理機能の使用を可能とし、
    前記非データ転送期間が前の色版の出力データの転送が終了してから隣接する次の色版の出力データ転送が開始されるまでの時間である場合、
    下記式(4)が満たされるときに、前記非データ転送期間に前記節電に係る期間が存在すると判断し、下記式(5)が満たされるときに、前記非データ転送期間が前記遷移準備期間より短いと判断することを特徴とする画像形成装置。
    (上記式(4)および(5)におけるドラム間ピッチは、色版毎のライン同期信号の周期のズレに相当する期間である。)
  3. 第1の接続先から入力された入力データを第1のシリアルバスを介して入力して処理する第1のデバイスを含む画像処理部と、
    前記画像処理部と第2のシリアルバスを介して接続され、前記第1のデバイスで処理された前記入力データを前記第2のシリアルバスを介して入力して処理し、第2の接続先へ出力データとして出力し、前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る電力管理機能の使用の可否を制御する電力管理機能使用可否判断部を有する第2のデバイスを含む制御部と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記電力管理機能使用可否判断部は、
    前記第1の接続先からの入力データの転送が実行される場合は、該第1の接続先の電力管理機能に係る制御内容に基づいて前記電力管理機能を制御し、
    前記第2の接続先への出力データの転送が実行される場合は、前記出力データの転送期間を除く期間である非データ転送期間の全てに前記第1及び第2のシリアルバスの節電に係る期間が存在するとき、又は、前記非データ転送期間が前記節電に係る期間への遷移が開始されるまでの期間である遷移準備期間より短いとき、のいずれかのときに、前記電力管理機能の使用を可能とし、
    前記入力データの転送と前記出力データの転送が実行される場合において、前記非データ転送期間が最後の色版の出力データの転送が終了して以降の残り時間である場合、
    下記式(6)が満たされるときに、前記非データ転送期間が前記遷移準備期間より短いと判断することを特徴とする画像形成装置。
    (上記式(6)において、lsync周期は、ライン同期信号の周期であり、データ転送期間は、入力データの転送時間と最初の色版の出力データの転送が開始してから最後の色版の出力データ転送が終了するまでの時間の合計として定義される。)
  4. 前記復帰時間の値は、接続される2つのデバイスに固有の2つの復帰時間のうち、より大きい値である、請求項またはに記載の画像形成装置。
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