JP6080528B2 - 固形粉末化粧料の製造方法 - Google Patents

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本発明は固形粉末化粧料の製造方法に関する。
圧縮成型により製造される固形粉末化粧料は、クリーム状又は非固形粉末化粧料などと比較して、使用性が簡便であり、携帯にも便利であるという長所を持っている。しかしながら一方で、粉体成分の密度が高いため、スポンジやパフへの1回の取れ量が少なかったり、肌への塗布時の伸び、滑らかさに劣ったりするという短所を持っている。
これらの短所を改善するために、従来、種々の方法が提案されている。たとえば、凝集力が弱く、滑らかな感触を有する粉体原料を配合する方法(特許文献1)、特定の弾性率を有する水溶性皮膜形成性高分子を配合する方法(特許文献2)などが提案されている。しかしながら特許文献1のように凝集力が弱く、感触的に滑らかな粉体原料を配合した化粧料は、肌への付着性に劣るため、経時での化粧持ちが悪いと言う欠点を有している。また、特許文献2の方法では、たしかに肌に塗布する際の感触がソフトであり、かつ、保形性にも優れるが、化粧料中に形成された皮膜は水溶性であるため、水を吸着しやすく、防黴性に劣ると言う欠点を有する。
また、よりソフトな使用感触を付与するため、固形粉末化粧料内部に積極的に空隙を形成させる方法が提案されている(特許文献3)。この方法は、よう素、ドライアイス、カンファーなどの昇華性粉体を固形粉末化粧料中にあらかじめ配合しておき、これら昇華性粉体が昇華した跡に空隙ができると言うものであるが、これら昇華性粉体は、粉体基材の混合、成型の工程中でも昇華するため、製造が非常に困難な方法である。
特許第3434881号公報 特開2000−80015号公報 特許第3613609号公報
本発明の課題は、パフ等の塗布具へ取る際、および肌に塗布する際の感触がソフトであり、保形性にも優れる固形粉末化粧料の簡便な製造方法を提供することにある。
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、エマルジョンを形成し得る沸点の異なる2種の揮発性溶剤を用い、相対的に沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する工程、粉体、又は粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と前記エマルジョンを混合してスラリーを形成する工程、該スラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を一定の温度で乾燥除去する工程により、エマルジョンを形成している溶剤の気化に時間差が生じることから内部に空隙が形成され、パフ等の塗布具へ取る際、および肌に塗布する際の感触がソフトであり、保形性にも優れた固形粉末化粧料が製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)の工程を含む固形粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
(1)沸点の異なる揮発性水性溶剤及び揮発性油性溶剤を用い、相対的に沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する工程
(2)粉体、又は粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と、工程(1)で得られたエマルジョンを混合してスラリーを形成する工程
(3)工程(2)で得られたスラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を、前記沸点の低い溶剤の沸点以下の温度で乾燥除去する工程
本発明の製造方法によれば、内部に空隙を有し、パフ等の塗布具へ取る際、および肌に塗布する際の感触がソフトであり、保形性にも優れた固形粉末化粧料を簡便に製造することができる。
実施例1の固形粉末化粧料のX線写真(ソフテックス社製SFX−100による画像)を示す。左側は、上面から撮影した画像、右側は断面の画像である。 比較列1の固形粉末化粧料のX線写真(ソフテックス社製SFX−100による画像)を示す。左側は、上面から撮影した画像、右側は断面の画像である。
本発明の固形粉末化粧料の製造方法は、次の(1)〜(3)の工程を含む。
(1)沸点の異なる揮発性水性溶剤及び揮発性油性溶剤を用い、相対的に沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する工程
(2)粉体、又は粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と、工程(1)で得られたエマルジョンを混合してスラリーを形成する工程
(3)工程(2)で得られたスラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を、前記沸点の低い溶剤の沸点以下の温度で乾燥除去する工程
本発明の第一の工程(1)として、まず、沸点の異なる2種の揮発性水性溶剤及び揮発性油性溶剤を用い、沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する。
ここで、揮発性水性溶剤とは、水又は水と相溶する溶剤であって、揮発性のものをいう。また、揮発性油性溶剤とは、水と相溶しない溶剤であって、揮発性のものをいう。揮発性とは、大気圧下、25℃で揮発する性質を意味し、好ましくは、大気圧における沸点が260℃以下で、25℃における蒸気圧が1.3×10-2Pa以上のものである。
本発明の工程(1)で形成されるエマルジョンの形態としては、製造管理の点から、揮発性水性溶剤を内相とし、揮発性油性溶剤を外相とする油中水型エマルジョンが好ましい。
揮発性水性溶剤としては、水(沸点100℃)、エタノール(沸点78℃)、イソプロピルアルコール(沸点82.5℃)等の低級アルコール、またはこれらを任意の割合で混合した溶剤が挙げられる。一方、揮発性油性溶剤としては、揮発性炭化水素、揮発性シリコーン、およびこれらの混合溶剤が挙げられる。揮発性油性溶剤の具体例としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン等の揮発性炭化水素、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等の揮発性シリコーンが挙げられ、特に好適なものとしてイソドデカン(丸善石油化学社製マルカゾールR;沸点177℃)、軽質流動イソパラフィン(出光興産社製IPソルベント1620;沸点166〜202℃)等の揮発性炭化水素、デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業社製KF−995;沸点210℃、東レ・ダウコーニング社製SH245Fluid;沸点205℃)等の揮発性シリコーンが挙げられる。
揮発性水性溶剤と揮発性油性溶剤とは、互いに沸点が異なるものを用い、相対的に沸点が低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相とするエマルジョンを調製する。これは、工程(3)で最初に内相の溶剤を気化させ、次いで外相の溶剤を気化させることにより、内部に空隙を有する固形粉末化粧料を得るためである。内相を構成する溶剤の沸点と外相を構成する溶剤の沸点との差は、内相を構成する溶剤を最初に気化させる点から20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。また、内相を構成する溶剤の沸点は、製造管理、揮発のためのエネルギーなどの点から75℃以上100℃以下が好ましい。外相を構成する溶剤の沸点は、製造管理、揮発のためのエネルギーなどの点から150℃以上250℃以下が好ましい。
好ましい揮発性溶剤の組み合わせは、内相が水、低級アルコール又はこれらの混合物であり、外相が揮発性炭化水素、揮発性シリコーン又はこれらの混合物であり、より好ましくは、内相が水、エタノール、イソプロピルアルコール又はこれらの混合物であり、外相がイソドデカン、軽質流動イソパラフィン、デカメチルシクロペンタシロキサン又はこれらの混合物である。
揮発性水性溶剤と揮発性油性溶剤の合計使用量は、化粧料容器、中皿等への充填に適した流動性を持たせる点から化粧料基材100質量部に対して20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、また150質量部以下が好ましく、120質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。具体的には、20〜150質量部が好ましく、30〜120質量部がより好ましく、40〜100質量部がさらに好ましい。また、揮発性水性溶剤と揮発性油性溶剤の使用質量比は、安定な油中水型エマルジョンを得る点から、60:40〜5:95が好ましく、50:50〜10:90がより好ましく、40:60〜20:80がさらに好ましい。
エマルジョンを調製するための界面活性剤は特に限定されず、化粧品に利用される界面活性剤がすべて利用できるが、油中水型のエマルジョンを調製できるHLB8以下の非イオン界面活性剤が好ましい。HLB8以下の非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸アルカノールアミド、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン等が挙げられる。ここで、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic−Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。これら界面活性剤は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、安定で多数のエマルジョン粒子を形成する点から、エマルジョン中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。
本発明の第二の工程(2)は、粉体、又は粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と、工程(1)で得られたエマルジョンを混合してスラリーを得る工程である。
本発明で用いられる化粧料基材は特に限定されず、化粧品分野で通常用いられる各種の粉体、油剤、添加剤などを用いることができる。粉体としては、例えば、赤色104号、赤色202号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、黒色401号等の有機色素顔料、黄色4号Alレーキ、青色1号Alレーキ等のレーキ有機色素顔料、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青、マンガンバイオレット等の無機有色顔料、雲母チタン、合成金雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄または黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、酸化チタン/シリカ多層被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン/酸化鉄被覆ガラス末、酸化鉄被覆ガラス末、銀被覆ガラス末、金被覆ガラス末、シリカ被覆アルミニウム末、酸化チタン/シリカ多層被覆シリカフレーク、ポリエチレンテレフタレート・エポキシ・アルミニウム積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリウレタン−11・アルミニウム積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層末等の光輝性粉体、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト等の体質顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、カオリン、ベントナイト等の粘土鉱物、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリメタクル酸メチルパウダー、12ナイロン(登録商標)パウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、セルロースパウダー、ポリフッ化エチレン等の樹脂パウダー、ラウロイルリジン等のアシル化リジン粉体、高級脂肪酸金属塩である金属石鹸粉体等が用いられる。これら粉体の大きさ、形状等は特に限定されないし、1種のみを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらの粉体は適宜表面処理されていてもよい。
粉体の含有量は、肌に塗布する際の感触、保形性等の点から化粧料基材中に60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、また100質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。具体的には、60〜100質量%が好ましく、70〜98質量%がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。
本発明の化粧料基材には、油剤を含有させることもできる。該油剤の配合により、最終製品のしっとり感や肌へのつきが向上するので好ましい。斯かる油剤としては、例えば、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン等のフッ素系油剤等が挙げられる。また、前記油剤は、単独で用いても複数種類を用いてもよく、化粧料基材中に30質量%以下、さらに20質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。より具体的には、0〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
また、化粧品基材中には、製品の性能や品質を向上させるための酸化防止剤、防菌防黴剤、紫外線吸収剤、香料などの各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
エマルジョンと化粧料基材の混合は、一般的に用いられるヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー等の攪拌混合機を用いて行うことができる。
本発明の第三の工程(3)は、工程(2)で得られたスラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を、前記沸点の低い沸点以下の温度で乾燥除去する工程である。
スラリーの充填に用いられる容器は、固形粉末化粧料用の容器であり、例えばアイシャドウ、ファンデーション、フェースカラー、チークカラー、アイブロウ、アイライナー等の容器や中皿である。充填後は、プレス成型、モールド成型等により成型するのが好ましい。
揮発性溶剤の除去を、前記沸点の低い沸点以下の温度で乾燥することにより行う。この乾燥過程で化粧料内部に存在する沸点の低い溶剤から気化が始まるが、化粧料外層の沸点の高い溶剤からなる部分では気化が始まっていないため、内部の気化した蒸気は化粧料外部に逃げることができないため、化粧料内部に空隙が形成されることになる。
乾燥温度は特に限定されないが、30℃以上150℃以下の乾燥温度が好ましい。この乾燥温度とすることにより、内相の揮発性溶剤を最初に気化させて内部に空隙を形成させ、かつ外相の揮発性溶剤の揮発も完全にすることができる。より好ましくは、40℃以上120℃以下、さらに好ましくは50℃以上90℃以下である。
本発明の方法により得られた固形粉末化粧料は、簡便な方法により化粧料内部に空隙を形成させることができ、その結果として化粧料を取る際及び肌に塗布する際の感触がソフトになり、伸び広がりも良好となる。また、空隙を有するにもかかわらず、保形性も良好である。
次に本発明及び本発明の好ましい実施態様を示す。
<1>(1)〜(3)の工程を含む固形粉末化粧料の製造方法。
(1)沸点の異なる揮発性水性溶剤及び揮発性油性溶剤を用い、相対的に沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する工程
(2)粉体、又粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と、工程(1)で得られたエマルジョンを混合してスラリーを形成する工程
(3)工程(2)で得られたスラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を、前記沸点の低い溶剤の沸点以下の温度で乾燥除去する工程
<2>エマルジョンが、揮発性水性溶剤に内相とし、揮発性油性溶剤を外相とする油中水型エマルジョンである<1>の固形粉末化粧料の製造方法。
<3>エマルジョンが、内相が水、低級アルコール又はこれらの混合物であり、外相が揮発性炭化水素、揮発性シリコーン及びこれらの混合物であり、好ましくは、内相が水、低級アルコール又はこれらの混合物であり、外相がイソドデカン、軽質流動イソパラフィン、揮発性シリコーン又はこれらの混合物である<1>の固形粉末化粧料の製造方法。
<4>内相を構成する溶剤の沸点と外相を構成する溶剤の沸点との差が、20℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上である<1>〜<3>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<5>内相を構成する溶剤の沸点が75℃以上100℃以下であり、外相を構成する溶剤の沸点が150℃以上250℃以下である<1>〜<4>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<6>揮発性水性溶剤と揮発性油性溶剤の合計使用量が、化粧料基材100質量部に対して20質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上であり、150質量部以下、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である<1>〜<5>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<7>揮発性水性溶剤と揮発性油性溶剤の使用質量比が、60:40〜5:95、好ましくは50:50〜10:90、より好ましくは40:60〜20:80である<1>〜<6>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<8>エマルジョンの調製に、HLB8以下の非イオン界面活性剤を使用する<1>〜<7>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<9>エマルジョンの調製に、HLB8以下の非イオン界面活性剤を、エマルジョン中に0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下使用する<1>〜<8>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<10>粉体の含有量が、化粧料基材中に60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、また100質量%以下、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である<1>〜<9>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<11>油剤の含有量が、化粧料基材中に30質量%以下、好ましくは20質量%以下である<1>〜<10>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
<12>揮発性溶剤を乾燥除去する際の温度が50℃以上90℃以下である<1>〜<11>のいずれかの固形粉末化粧料の製造方法。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。尚、表中の数値は含有量(質量%)を示す。
調製例1
イソドデカン(丸善石油化学社製マルカゾールR;沸点177℃)58質量部にモノイソステアリン酸ソルビタン(日光ケミカルズ社製 NIKKOL SI−10RV)2質量部をステンレスジョッキに入れ、70℃まで昇温して溶解させた後、ホモミキサーで攪拌しながら精製水40質量部を徐々に添加して乳化した。その後、室温まで冷却して、内相水、外相イソドデカンの油中水型エマルジョンを調製した。
調製例2
デカメチルシクロペンタシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SH245Fluid;沸点205℃)57質量部にモノイソステアリン酸ソルビタン(日光ケミカルズ社製 NIKKOL SI−10RV)2質量部およびポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体(東レ・ダウコーニング社製 BY22−008)1質量部をステンレスジョッキに入れ、70℃まで昇温して溶解させた後、ホモミキサーで攪拌しながらエタノール5質量部と精製水35質量部からなる混合物を徐々に添加して乳化した。その後、室温まで冷却して、内相水及びエタノール、外相揮発性シリコーンの油中水型エマルジョンを調製した。
次に、各実施例で採用した評価方法を説明する。
[柔らかさ]
官能評価:中身をチップでとるときに感じる柔らかさについて、専門パネル25名により下記評価基準により評価した。
◎:20名以上が、柔らかく感じると評価した
○:15名以上20名未満が、柔らかく感じると評価した
△:11名以上15名未満が、柔らかく感じると評価した
×:10名未満が、柔らかく感じると評価した
[伸び広がり]
官能評価:塗布時の伸び広がりについて、専門パネル25名により下記評価基準により評価した。
◎:20名以上が、伸び広がりが良いと評価した
○:15名以上20名未満が、伸び広がりが良いと評価した
△:11名以上15名未満が、伸び広がりが良いと評価した
×:10名未満が、伸び広がりが良いと評価した
表1に示す組成の化粧料基材をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、表2に示す揮発性溶剤を加えてプラネタリーミキサーで混合しスラリーを調製した。このスラリーを30mm角のアルマイト製金皿に充填し、プレス成型した後、乾燥させて固形粉末アイシャドウを得た。
硬度については、オルゼン硬度計(上島製作所社製)、加圧面の直径8mmφ、負荷荷重2ポンドの条件で測定した。数値が小さいほど固いということを表す。
耐衝撃性については、30mm角のアルマイト製金皿に充填し、2kg/cm2の圧力でプレス成型し、乾燥させた後、50cmの高さから厚さ20mmの合板上に繰り返し落下させ、耐衝撃性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜3の固形粉末アイシャドウは、比較例1〜2の固形粉末アイシャドウに比べて、柔らかさと塗布時の伸び広がりに優れ、かつ耐衝撃性も良好であった。また、実施例1の内部には図1に示すように内部に多くの空隙があることが観察されたのに対し、比較例1の内部には図2に示すように内部に空隙が観察されず、このような空隙の有無により、実施例では柔らかさと塗布時の伸び広がりに優れると考えられる。
以下の成分組成において固形粉末化粧料を調製し、上記の評価試験を行ったところ、何れも使用特性及び耐衝撃性において優れたものであった。
実施例4:固形粉末チークカラー
(成分) (質量%)
1. メチルフェニルポリシロキサン*4 1.0
2. 白色ワセリン 1.5
3. トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 2.5
4. マイカ 残 量
5. 合成金雲母 20.0
6. ステアリン酸アルミニウム 3.0
7. ポリアクリル酸アルキル*5 5.0
8. 球状シリカ*6 5.0
9. 酸化チタン 1.0
10. ステアロイルグルタミン酸アルミニウム被覆赤色226号 0.1
11. 黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
12. ベンガラ 0.1
13. 雲母チタン 20.0
14. 酸化鉄被覆シリカフレーク 10.0
15. シリコーン処理雲母チタン 20.0
16. トコフェロール 0.1
17. メチルパラベン 0.3
(*4)シリコーンSH556FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
(*5)マイクロスフェアーM(松本油脂製薬社製)
(*6)サンスフェアH−52(AGCエスアイテック社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を混合、70℃で加熱し溶解する
B:成分4〜17を均一混合する
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と調製例1のエマルジョン80質量部を混合し、金皿に充填した後、プレス成型し、揮発性溶剤を60℃で乾燥除去することにより固形粉末チークカラーを得た。
実施例5:固形粉末チークカラー
(成分) (質量%)
1. メチルフェニルポリシロキサン*4 1.0
2. 白色ワセリン 1.5
3. トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 2.5
4. マイカ 残 量
5. 合成金雲母 40.0
6. ステアリン酸アルミニウム 3.0
7. タルク 5.0
8. 硫酸バリウム 5.0
9. 黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
10. ベンガラ 0.5
11. 雲母チタン 20.0
12. 酸化鉄被覆シリカフレーク 10.0
13. トコフェロール 0.1
14. メチルパラベン 0.3
(製造方法)
A:成分1〜3を混合、70℃で加熱し溶解する
B:成分4〜14を均一混合する
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と調製例2のエマルジョン120質量部を混合し、金皿に充填した後、プレス成型し、揮発性溶剤を80℃で乾燥除去することにより固形粉末チークカラーを得た。
実施例6:固形粉末ファンデーション
(成分) (質量%)
1. 流動パラフィン 5.0
2. リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
3. ジメチルポリシロキサン*7 5.0
4. マイカ 残 量
5. 合成金雲母 10.0
6. ステアリン酸アルミニウム 3.0
7. ナイロン末*8 5.0
8. 球状シリカ*6 5.0
9. 酸化チタン 20.0
10. 黄酸化鉄 2.0
11. 黒酸化鉄 0.2
12. ベンガラ 0.5
13. 雲母チタン 20.0
14. タルク 10.0
15. 架橋型メチルシロキサン末*9 3.0
15. トコフェロール 0.1
16. クロルフェネシン 0.3
(*7)シリコーンKF−96−20CS(信越化学工業社製)
(*8)ナイロンSP−500S(東レ社製)
(*9)トスパール145A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を混合、70℃で加熱し溶解する
B:成分4〜16を均一混合する
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と調製例1のエマルジョン100質量部を混合し、金皿に充填した後、プレス成型し、揮発性溶剤を80℃で乾燥除去することにより固形粉末ファンデーションを得た。
実施例7:固形粉末ファンデーション
(成分) (質量%)
1. 流動パラフィン 5.0
2. リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
3. ジメチルポリシロキサン*10 5.0
4. マイカ 残 量
5. 合成金雲母 10.0
6. ステアリン酸アルミニウム 3.0
7. ナイロン末*8 5.0
8. 球状シリカ*6 5.0
9. 酸化チタン 20.0
10. 黄酸化鉄 2.0
11. 黒酸化鉄 0.2
12. ベンガラ 0.5
13. 雲母チタン 20.0
14. タルク 10.0
15. 麻セルロース末 3.0
15. トコフェロール 0.1
16. デヒドロ酢酸ナトリウム 0.3
(*10)シリコーンKF−96−100CS(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を混合、70℃で加熱し溶解する
B:成分4〜16を均一混合する
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と調製例2のエマルジョン120質量部を混合し、金皿に充填した後、プレス成型し、揮発性溶剤を80℃で乾燥除去することにより固形粉末ファンデーションを得た。
本発明で得られた固形粉末化粧料は、内部に微細な空隙を多く含むことから、パフ等の塗布具へ取る際、および肌に塗布する際の感触がソフトであり、かつ、耐衝撃性にも優れている。また、製造にあたっても簡便に生産することができる。

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(3)の工程を含む固形粉末化粧料の製造方法。
    (1)沸点の異なる揮発性水性溶剤及び揮発性油性溶剤を用い、相対的に沸点の低い溶剤を内相、沸点の高い溶剤を外相にしたエマルジョンを調製する工程
    (2)粉体、又は粉体及び油剤を混合して得られた化粧料基材と、工程(1)で得られたエマルジョンを混合してスラリーを形成する工程
    (3)工程(2)で得られたスラリーを容器に充填し、揮発性溶剤を、前記沸点の低い溶剤の沸点以下の温度で乾燥除去する工程
  2. エマルジョンが、揮発性水性溶剤を内相とし、揮発性油性溶剤を外相とする油中水型エマルジョンである請求項1記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  3. エマルジョンが、揮発性水性溶剤を内相とし、揮発性炭化水素及び揮発性シリコーンから選択される揮発性油性溶剤を外相とする油中水型エマルジョンである請求項1記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  4. 内相と外相を構成する揮発性溶剤の沸点の差が、50℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  5. 揮発性溶剤を乾燥除去する際の温度が、50℃以上90℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
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