JP2005306845A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、伸び広がりが軽く、
化粧持続性に優れ、しかも成形性の向上により耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料を提供す
るものである。
【解決手段】 化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該溶剤を除去すること
により得られる固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中に以下の成分;
分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12
〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合
して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体
を配合することを特徴とする固形粉末化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該溶剤を除去することに
より得られる固形粉末化粧料に関するものであり、より詳細には、使用時にスポンジやマ
ット等の小道具へのとれが良好で、伸び広がりが軽く、化粧持続性に優れ、しかも成形性
の向上により耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料に関するものである。
固形粉末化粧料は、一般的には皿状容器に充填成形し、これをコンパクト容器に装着す
る化粧料であり、携帯性が良いため、ファンデーションやアイシャドウ等のメーキャップ
化粧料に汎用されている剤型である。このような固形粉末化粧料は、通常、着色顔料、体
質顔料、光輝性顔料等からなる粉体系に油剤を加えて分散した化粧料基材をアルミニウム
等の金属製や樹脂製の皿状容器に充填成形するものである。
そして、固形粉末化粧料は、ハンドバック等に入れて携帯されることが多いので、成形
物の耐衝撃性が悪いと、成形物が割れたり、崩れたりするので、耐衝撃性が保証された水
準になければならない。また、固形粉末化粧料は、成形物表面を小道具で擦りとり、肌に
塗布して使用されるので、小道具へのとれ具合、肌への塗布感等の使用感が商品の重要な
品質となっている。
このような固形粉末化粧料の使用感は、組成物の処方に影響されるだけでなく、充填成
形方法に由来するものも多く、特に耐衝撃性を保証するためには、どのような充填成形方
法を選択するかが重要である。
固形粉末化粧料の充填成形方法としては、粉体を主成分とする化粧料基材を皿状容器に
充填し、これを圧縮成形する方法(いわゆる、プレス成形法)が一般的に用いられてきた
。しかしながら、このプレス成形法では、化粧料基材の組成によって、成形品内部に空気
が残存し、これが原因となって耐衝撃性の低下、剥離、欠けといった成形不良の問題を生
じる場合があり、この問題が発生しないように、処方構成を検討したり、圧縮成形条件を
検討する必要があった。
このようなプレス成形法の問題を解決するために、有機変性粘土鉱物を結合剤として配
合した化粧料基材を軽質流動イソパラフィン等の溶剤と混合し、皿状容器に充填した後、
該溶剤を除去することにより固形化粧料を得る方法(例えば、特許文献1参照。)等が開
発され、応用されてきた。
特公平5−3450号公報(第1頁−第4頁)
しかしながら、前記特許文献1記載の方法では、従来のプレス成形法により得られる固
形粉末化粧料より、小道具へのとれが良好で、伸び広がりが軽い固形粉末化粧料を得るこ
とができるが、有機変性粘土鉱物を結合剤として用いただけでは、耐衝撃性が満足できる
水準ではなかった。更に、伸び広がりの軽さを維持したままで、化粧持続性を向上させる
ことはできなかった。
このため、よって、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、伸び広が
りが軽く、化粧持続性に優れ、しかも成形性の向上により耐衝撃性に優れた固形粉末化粧
料の開発が求められていた。
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、化粧料基材と溶剤とを混合し、容器
に充填した後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧
料基材中に、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物
と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマ
ーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を配合することによ
り、「小道具へのとれ」、「伸び広がりの軽さ」を損なうことなく、成形性の向上により
耐衝撃性を高めることができ、更に化粧持続性にも優れる固形粉末化粧料が得られること
を見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該溶剤を除去す
ることにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中に以下の成分;
分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12
〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合
して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体
を配合することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
また、化粧料基材中に前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体を0.1〜10質
量%配合することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明の固形粉末化粧料は、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、
伸び広がりが軽く、化粧持続性に優れ、しかも成形性の向上により耐衝撃性に優れるもの
である。
本発明の固形粉末化粧料に用いられる、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体とは
、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数1
2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重
合して得られるものである。このようなアクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、特
開平3−162442号公報、特開平4−342513号公報等に記載されているシリコ
ーン化合物である。
前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体に用いられる、分子鎖の片末端にラジカ
ル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物(A)は、例えば、下記一般式(1)
で表される化合物が挙げられる。
一方、前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体に用いられる、炭素数12〜30
のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマー(B)は、ラジカ
ル重合性不飽和結合を分子中に1個有する化合物である。ここで使用される炭素数12〜
30のアクリレート及び/又はメタクリレートとしては、パルミチル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル
(メタ)アクリレート等を例示することができる。また、本発明における炭素数12〜3
0のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーにおいて、前記
の炭素数12〜30のアルキルアクリレート及び/又はメタクリレート以外にメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フルオロ炭素鎖1〜10のパーフルオロアルキ
ル(メタ)アクリレート、コレステリル(メタ)アクリレート、アルキルコレステリル(
メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル
、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン等を必要に応じて使用することができる。
上記分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物(A)
と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマ
ー(B)との共重合は、重合比率((A)/(B)):1/19〜2/1の範囲内で、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の
通常のラジカル重合開始剤の存在下で行われ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バ
ルク重合法の何れの方法の適用も可能である。このようなアクリル−シリコーン系グラフ
ト共重合体は、市販品として、KP−561、KP−562(何れも、信越化学工業社製
)等が挙げられる。
化粧料基材中の前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量は、特に限定さ
れないが、0.1〜10質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、1〜4%が特
に好ましい。前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量がこの範囲内である
と、化粧持続性及び成形性が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明の固形粉末化粧料における化粧料基材とは、前記アクリル−シリコーン系グラフ
ト共重合体以外に、粉体を必須に配合するものであり、その他の成分として、油剤、界面
活性剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分等を本発明の効果を損なわ
ない範囲にて配合することができる。
本発明に配合可能な粉体としては、着色剤、隠蔽剤(メーキャップ効果)、感触調整剤、賦形剤、紫外線遮蔽剤等の目的で用いられるものであり、通常、化粧料に用いられる粉体であればよく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。これらの中でも、酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、硫酸バリウム、窒化硼素、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン等が特に好ましい。また、粉体として、有機変性ヘクトライト、有機変性スメクタイト等の有機変性粘土鉱物を含有すると、耐衝撃性がより向上する。
化粧料基材中の粉体の配合量は、特に限定されないが、60〜99.9%が好ましい。
粉体の配合量がこの範囲内であると、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれがよ
り良好で、伸び広がりがより軽い固形粉末化粧料を得ることができる。
化粧料基材に配合可能な油剤としては、通常の化粧料に用いられる油であれば、前記固形油粉末を除く固形、ペースト、液体の何れのものでも用いることができる。具体的には、液体油とし、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、液状ラノリン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、ペースト油としては、カカオ脂、シアバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン)エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。更に、固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセライド、トリベヘン酸グリセリル、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。また、これらの中でも、液状ラノリン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸−2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジメチルポリシロキサン、酢酸ラノリン、ワセリン、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、マイクロクリスタリンワックス等が特に好ましい。
化粧料基材中の油剤の配合量は、特に限定されないが、15%以下が好ましい。油剤の
配合量がこの範囲であると、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれがより良好で
、伸び広がりがより軽い固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明において、化粧料基材の製造方法は、特に限定されないが、例えば、粉体を均一
混合し、これに前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び油剤を添加し均一分散
後、粉砕する方法等が挙げられる。
本発明の固形粉末化粧料は、前記化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該
溶剤を除去することにより得られるものである。ここで用いられる溶剤としては、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、水等の水系溶剤類、低分子量の鎖状オルガノポリシロキ
サン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮
発性シリコーン類、n−ヘキサン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の揮発性炭
化水素類が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。
本発明の固形粉末化粧料において、化粧料基材と前記溶剤との混合比は、特に限定され
ないが、化粧料基材100質量部に対して、溶剤30〜150質量部が好ましく、40〜
80質量部が特に好ましい。溶剤量がこの範囲内であると、溶剤の除去が容易であり、効
率よく製造できる。
本発明では、化粧料基材と溶剤とを混合したスラリー状等の混合物を充填する容器とし
ては、特に限定されないが、アルミニウム等の金属製の皿、ナイロン、ポリアセタール樹
脂、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製の皿が好ましい。
本発明では、化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該溶剤を除去するが、
この場合の溶剤を除去する条件は、特に限定されないが、溶媒の沸点や配合量により適宜
選択され、例えば、室温〜70℃で24時間以上乾燥する方法等が挙げられる。尚、前記
スラリーを容器に充填した後や、溶剤を乾燥除去した後に、圧縮成形(プレス成形)して
から、乾燥除去して成形することもできる。
本発明の固形粉末化粧料は、前述した製造方法により得られるものであり、ファンデー
ション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、コンシーラー等
のメーキャップ化粧料等が挙げられる。また、本発明の固形粉末化粧料の形態は、ケーキ
状の他に、ドーム状、球状、半球状、円錐状、角錐状、ダイヤモンドカット状、スティッ
ク状等の多種多様な立体形状に成形することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限
定するものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3:パウダーファンデーション(ケーキ状)
表1及び表2に示す組成のパウダーファンデーションを以下に示す製造方法により調製
し、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「化粧持続性」、「耐衝撃性」に
ついて、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1及び表2に示
した。
(製造方法)
A.成分1〜12をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B.成分13〜19を加熱し、均一分散する。
C.Aをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、Bを添加し、均一分散する。
D.Cをパルベライザーで粉砕する。
E.Dの100質量部に対して、成分20を所定量添加し、混合しスラリー化する。
F.Eのスラリーを金皿に充填し、70℃で12時間乾燥させ、パウダーファンデーシ
ョンを得た。
〔評価方法:「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「化粧持続性」〕
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使
用してもらい、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「化粧持続性」につい
て、各自が以下の基準に従って5段階評価し、パウダーファンデーション毎に評点を付し
、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
〔評価方法:耐衝撃性〕
前記実施例及び比較例のパウダーファンデーションをそれぞれ5個用意し、金皿に充填
した状態のまま、50cmの高さからアクリル板上に正立方向で自由落下させ、落下後の
表面状態を観察し、ファンデーション毎に以下の評価基準により評点を付し、そしてn=
5の評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
評価基準
[内 容] :[評 点]
変化無し : 4
僅かにヒビ割れがあるが、
使用性に問題無し : 3
ヒビ割れ、スキマ有り : 2
大きなヒビ割れやスキマ有り : 1
判定基準
[n=5の評点の平均点] :[判 定]
3.5以上 : ◎
3.0以上〜3.5未満 : ○
2.0以上〜3.0未満 : △
2.0未満 : ×
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜6のファデ
ーションは、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「化粧持続性」、「耐衝
撃性」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。一方、前記アクリル−シリコーン
系グラフト共重合体を配合していない比較例1、本発明の従来技術で示した有機変性粘土
鉱物を結合剤として用いた比較例2、前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体の代
わりに炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを共重合していないアクリル−
シリコーン系グラフト共重合体を配合した比較例3は、何れも耐衝撃性が良好ではなかっ
た。
実施例7:アイシャドウ(ケーキ状)
(成分) (%)
1.タルク 5
2.合成金雲母(注8) 残量
3.ウレタンパウダー(注9) 5
4.窒化硼素 5
5.架橋ポリスチレン 3
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
7.酸化チタン 0.5
8.雲母チタン 30
9.赤色226号 0.5
10.黄色4号アルミニウムレーキ 0.5
11.群青 0.2
12.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体(注10) 5
13.ジメチルポリシロキサン(注11) 1
14.スクワラン 12
15.ワセリン 5
16.サラシミツロウ 1
17.香料 1
※注8:PDM−10L(トピー工業社製)
※注9:PLASTIC POWDER D−400(根上工業社製)
※注10:KP−562(信越化学工業社製)
※注11:シリコンKF96(20CS)(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.成分1〜11をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B.成分12〜16を70℃に加熱溶解し、混合する。
C.Aをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、B及び成分17を添加し、
均一分散する。
D.前記化粧料基材100質量部に対して、エタノール45質量部を添加
し、混合する。
E.Dを金皿に充填し、50℃で5時間乾燥させ、アイシャドウを得た。
実施例7のアイシャドウは、「チップへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「化粧
持続性」、「耐衝撃性」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
以 上

Claims (2)

  1. 化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、該溶剤を除去することにより得られ
    る固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中に以下の成分;
    分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12
    〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合
    して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体
    を配合することを特徴とする固形粉末化粧料。
  2. 化粧料基材中に前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体を0.1〜10質量%配
    合することを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
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