JP2015189685A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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高宏 前田
Takahiro Maeda
高宏 前田
里沙 渡邉
Risa Watanabe
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Abstract

【課題】特定粘度の炭化水素油と特定粘度のシリコーン油との相溶性を向上させ、伸び広がりの感触に優れ、更に表面の色むらのない、溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料の提供。【解決手段】(A)25℃における粘度が20〜200mPa・sの範囲のシリコーン油、(B)20℃における粘度が10〜1000Pa・sの範囲の炭化水素油、(C)ジメチコノール、及び(D)粉体を含有する化粧料基剤に、溶媒を添加してスラリー状としたものを容器に充填した後、該溶媒を除去して得られる固形粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体を主成分とする化粧料基剤に、溶媒を添加してスラリー状としたものを容器に充填した後、該溶媒を除去して得られる固形粉末化粧料に関し、耐衝撃性、伸び広がりの感触に優れ、更に表面の色むらのない固形粉末化粧料に関する。
固形粉末化粧料の成型方法は、粉体を主成分とした化粧料を、皿等の容器に充填し、プレスする乾式成型法や、化粧料を溶媒に分散させスラリー状にして充填する湿式充填法等がある。湿式充填法で製造された固形粉末化粧料は、しっとりとしてほぐれが良く、油性成分が溶媒を介して粉体に均一に濡れているため、均一な化粧膜を持つ点において優れている。特に、乾式成型法と比べて、パール剤を多く含有できることから、広く用いられている。しかしながら、溶媒を除去することから、成型後に亀裂や皿との間に隙間が生じて、耐衝撃性が低くなるという問題が生じる傾向があった。また、固形粉末化粧料は、外観の色やパール感のみならず、塗布時の肌触り、さらに耐衝撃性や、ケーキングしない等の品質も要求される。そこで、塗布時の感触や、耐衝撃性について、検討がなされてきている。例えば、高粘性炭化水素油を配合し、耐衝撃性を向上させる技術(特許文献1)や、高粘性シリコーン油を配合することによって使用感を損ねることなく、耐衝撃性を向上させる技術(特許文献2)、特定の油剤を配合して、使用感やパール感に優れた固形粉体化粧料の技術(特許文献3)等があった。
特開平01−143815号公報 特開2009−242260号公報 特開2013−209316号公報
しかしながら、更なる使用感や、耐衝撃性を求め、高粘性炭化水素油やシリコーン油等各種の油剤を用いると、油剤同士の相溶性が悪く、分離する傾向がある。その結果、湿式充填法で製造した固形粉末化粧料では、外観表面に色むらが起きるという不具合やケーキングなどの問題が生じることがあり、特に、酸化鉄や酸化チタン等の顔料は、凝集性が強く高配合する場合に、油性成分との親和性によって、化粧料表面にパールむらや色むらを生じるという傾向があった。
本発明は上記現状に鑑み、特定粘度の炭化水素油と特定粘度のシリコーン油との相溶性を向上させ、伸び広がりの感触に優れ、更に表面の色むらのない、溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料の提供を目的とする。
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、ジメチコノールが、高粘性炭化水素油とシリコーン油とを均一に相溶させることで、化粧料基剤中の油剤の分散が上がり、均一な化粧料基剤が得られることから、得られる固形粉末の表面の色むらを抑制することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の(A)〜(D)成分;
(A)25℃における粘度が20〜200mPa・sの範囲のシリコーン油
(B)20℃における粘度が10〜1000Pa・sの範囲の炭化水素油
(C)ジメチコノール
(D)粉体
を含有する化粧料基剤に、溶媒を添加してスラリー状としたものを容器に充填した後、該溶媒を除去して得られる固形粉末化粧料に関するものである。
本発明は、耐衝撃性、伸び広がりの感触に優れ、更に表面の色むらのない固形粉末化粧料に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の固形粉末化粧料とは、粉体を主成分として含有し、必要に応じて、油性成分、水性成分、界面活性剤等を粉体中に分散させた化粧料基剤に、溶媒を添加してスラリー状として容器に充填した後に、該溶媒を除去し固形状に成型したものである。
本発明において、粘度は、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(芝浦システム社製)等のブルックフィールド型粘度計を使用し、4号ローターを用いて測定される。
本発明に用いられる成分(A)25℃における粘度が20〜200mPa・sの範囲のシリコーン油は、固形粉末化粧料における使用感、特にシリコーン油特有である肌上での伸び広がりに優れ、さらに充填物の耐衝撃性を保持することができる。シリコーン油としてはジメチコンが挙げられ、側鎖にフェニル基、メチル基などの官能基を有していてもよいが特にメチル基であることが望ましい。上記成分(A)の好適な市販品の具体例としては、シリコンKF−96A−20CS(20mPa・s:信越化学工業社製)、シリコンKF−96A−30CS(30mPa・s:信越化学工業社製)、シリコンKF−96A−50CS(50mPa・s:信越化学工業社製)シリコンKF−96A−100CS(100mPa・s:信越化学工業社製)、シリコンKF−96A−200CS(200mPa・s:信越化学工業社製)、SH200 C Fluid 20CS(20mPa・s:東レ・ダウコーニング社製)、SH200 C Fluid 30CS(30mPa・s東レ・ダウコーニング社製)、SH200 C Fluid 50CS(50mPa・s:東レ・ダウコーニング社製)、SH200 C Fluid 100CS(100mPa・s:東レ・ダウコーニング社製)、SH200 C Fluid 200CS(200mPa・s:東レ・ダウコーニング社製)、Element14*PDMS100−JC(100mPa・s:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、TSF451−20A(20mPa・sモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、TSF451−50A(50mPa・s:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、TSF451−100A(100mPa・s:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等があげられる。尚( )内は25℃における粘度値である。
本発明の固形粉末化粧料における成分(A)は2〜20%、さらには5〜10%含有することが好ましい。この範囲であると、肌上の伸び広がり等の使用感向上の点および耐衝撃性の点で好ましい。
本発明に用いられる成分(B)の20℃における粘度が10〜1000Pa・sの範囲の炭化水素油は、揮発性油等の溶媒に親和性が高く、化粧持続効果、耐衝撃性を高める機能を付与することができる。炭化水素油としては、ポリブテン、水添ポリイソブテン等があげられ、好適な市販品の具体例としては、パールリーム18(日油社製、粘度40Pa・s)、パールリーム24(日油社製、粘度110Pa・s)、パールリーム46(日油社製、粘度1000Pa・s)、精製ポリブテンHV−100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製、粘度37Pa・s)、ポリブテン2000H(出光興産社製、粘度630Pa・s)等があげられる。尚( )内は20℃における粘度値である。
本発明の固形粉末化粧料における成分(B)は2〜20%、さらには5〜10%含有することが好ましい。この範囲であると、固形粉末化粧料塗布時の化粧持続効果および耐衝撃性の点で好ましい。
本発明に用いられる成分(C)のジメチコノールは、水酸基により変性されていて架橋構造を持たないジメチコンである。中でも、変性部位が両末端であることにより、シリコーン化合物特有の滑らかな使用感を効果的に得ることができるため好ましい。さらに成分(A)を含むシリコーン油と構造上の観点からも親和性が高く、相溶性が向上することが示唆される。また、25℃における粘度が10万mPa・s以上を示す高重合ジメチコノールであると、成型性の点において好ましく、50万mPa・s〜3000万mPa・sの範囲が更に好ましく、特に100万mPa・s〜2000万mPa・sの範囲が好ましい。成分(C)の好適な市販品の具体例としては、水添ポリイソブテンとの混合物であるXF49−C4996(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、XF49−C2497(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、XF49−C2070(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、等が挙げられる。
本発明の固形粉末化粧料における成分(C)は0.5〜5%、さらには1〜2%含有することが好ましい。この範囲であると、成分(A)および成分(B)の親和性を向上させることにより油性成分全体の相溶性が向上し、油性成分の局在化を防ぎ、充填物の外観表面の色むらを抑制することができるという点で好ましい。さらに、炭化水素油とシリコーン油の合計量とジメチコノールの含有質量比としては、3:1〜30:1、さらには5:1〜10:1の比率で混合することが望ましい。
本発明の(D)粉体は通常化粧料に用いられるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等の制限なく使用することができ、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成金雲母、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス等の無機粉体類や、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸アルキル、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルセスキオキサン、ポリスチレン、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン、ウレタン、ウール、シルク、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素等のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン等の複合粉体類や、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末などの積層フィルム末類等が挙げられる。これらは、本発明の効果を妨げない限りフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の表面処理を施してあってもよい。
本発明の固形粉末化粧料は成分(D)の粉体を50%以上含有し、50〜85%であると好ましい。更に、成分(D)中に顔料を含む場合、本願の効果をより顕著に得ることができる。顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、コンジョウ、グンジョウ、紺青酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物等の着色無機粉体類、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号問うの有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体類があげられ、これらが成分(D)中に5%以上含有される場合や、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、コンジョウ、グンジョウの場合、表面の色むらを解消する点において効果が顕著である。
本発明の固形粉末化粧料は、上記必須成分の他に通常化粧料に用いられる成分を本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて適宜含有することができる。例えば、油性成分、界面活性剤、水や多価アルコール、低級アルコール、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、美容成分、清涼剤、色素、香料等が挙げられる。
例えば油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭化水素類、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、ロジン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンのシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油類等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。
界面活性剤としては、化粧料に一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものでも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、レシチン等を挙げることができ、これらを1種または2種以上用いることができる。
水性成分としては、水の他に、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、セルロース、カルボキシビニルポリマー、、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、タンパク質、ムコ多糖類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の水溶性高分子類を挙げることができ、これらを1種または2種以上用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えば、ビタミン類、消炎剤、植物抽出物、生薬等、防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−アルカンジオール等を挙げることができ、これらを1種または2種以上用いることができる。
本発明の固形粉末化粧料は、特に限定されないが例えば以下のようにして製造することができる。成分(A)〜(D)及び必要に応じてその他成分とを混合した化粧料基材に、溶媒を添加し、分散してスラリー状とし、これを容器又は中皿に充填した後、溶媒を除去することにより得ることができる。化粧料基剤の混合方法は特にに制約を受けるものではなく、通常公知の方法でよい。また、成型の方法は、通常公知の方法、例えばスラリー状とした化粧料基剤を充填後に加圧し、過剰な溶媒を除去した後、乾燥する方法、溶媒を紙や不織布等の吸収体を用いて、あるいは排出孔を通して除去する方法等の通常公知の方法を用いることができる。溶媒としては、成分(B)や(C)との親和性がよいことから揮発性油剤であることが好ましく、例えば、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、環状シリコーン等を用いることができる。添加する溶媒は、成分(A)〜(D)及び必要に応じてその他成分とを混合した化粧料基材100質量部に対し、15〜40質量部、更には20〜30質量部であることが好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、アイカラー、チークカラー、アイブロウ、ファンデーション、白粉、ボディパウダー等に用いられ、発色の良さの点からアイカラー、チークカラーに好適に用いられる。
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
[油剤の相溶性試験]
表1に示す成分を均一に混合するように攪拌を行い、攪拌後1時間経過したときの相溶性を確認した。
*1:KLEAROL WHITE MINERAL OIL(20℃の粘度:50mPa・s以下:SONNEBORN社製)
*2:KF−96−100CS(25℃の粘度:100mPa・s、信越化学工業社製)
*3:パールリーム18(20℃の粘度:40Pa・s、日油社製)
*4:XF49−C4996(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)

成分(C)であるジメチコノールを添加しない実験例1は、1時間後に層分離が観察される状態であった。一方ジメチコノールを添加した実験例2は、白濁しているものの、単一相の状態であった。
実施例1〜5、比較例1〜4:アイカラー
表2に示すアイカラーを下記の製造方法により調製し、各試料について、以下の下記項目について評価し、その結果も併せて表2に示した。
*5:TIMIRON SUPER GOLD(MERCK社製)
*6:CROISONNE ROUGE FRAMBE(BASF社製)
*7:SICOPEARL FANTASTIC PINK(BASF社製)
*8:KF−96−1000CS(25℃の粘度:1000mPa・s、信越化学工業社製)
*9:パールリーム6(20℃の粘度:50mPa・s、日油社製)

(製造方法)
A:成分9〜14を常温にて混合する。
B:成分1〜8を均一に攪拌混合する。
C:BにAを加え均一に攪拌混合したもの100質量部に、溶媒としてイソドデカン30質量部をを加えスラリー状にする。
D:Cを皿状容器に充填し、化粧料と圧縮用ヘッドの間に溶媒吸取り用の紙を挟み、溶媒を除去した後、圧縮成型してアイカラーを得た。
(評価項目および判定方法)
(イ)化粧料表面の色むら
<評価方法>
化粧料評価専門パネル20名が、表2に記載の実施例および比較例の粉末固形状のアイカラーについて、化粧料表面に色むらがないかどうかを目視にて下記評価基準にて評価し、評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準>
(評価結果) :(評点)
色むらが見られない : 2点
僅かに色むらが見られる : 1点
色むらがはっきり観察される: 0点
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
1.5点以上 : ◎
1.0点以上〜1.5点未満: ○
0.5点以上〜1.0点未満: △
0.5点未満 : ×
(ロ)耐衝撃性
表2に記載の実施例および比較例の粉末固形状のアイシャドウを調製し、各試料についてプラスティック製タイルに50cmの高さから2度落下させた後、その状態を判定した(N=5)。評価は落下後、崩壊の程度を確認し以下の評価基準に従って評価し、」各5サンプルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準>
(評価結果) :(評点)
変化なし : 3点
欠けや隙間が僅かに観察される : 2点
欠けや隙間がはっきり観察される : 1点
抜け、割れが発生 : 0点
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
2.5点以上 : ◎
2点以上〜2.5点未満 : ○
1点以上〜2点未満 : △
1点未満 : ×
(ハ)伸び広がりの感触
化粧料評価専門パネル20名に表2に記載の実施例および比較例の粉末固形状のアイシャドウを使用してもらい、塗布時の「伸び広がりの感触」を評価した。各項目について各自が以下の判定基準に従って評価し、さらに全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準>
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
4.5点以上 : ◎
3.5点以上〜4.5点未満: ○
1.5点以上〜3.5点未満: △
1.5点未満 : ×
表2の結果から明らかなように本発明の実施例1〜5の粉末固形状アイシャドウは、化粧料表面の色むら、耐衝撃性、伸び広がりの感触の全ての項目において優れた品質を具現化できるに至った。
これに対して、成分(Cを含有しない比較例1は、化粧料表面の一部に濃い部分があったり、薄い部分があったりするなど色やツヤにむらが生じた。また、耐衝撃性耐衝撃性に劣る傾向にあった。また、成分(A)より粘度が高いジメチルポリシロキサンを含有する比較例2、成分(B)より粘度が低い炭化水素油を含有する比較例3もそれぞれ色むらや伸び広がり、耐衝撃性が十分ではなかった。
実施例6:アイカラー
(成分) (%)
1.セリサイト 10
2.タルク 残量
3.合成金雲母 15
4.ポリメタクリル酸メチル*10 2
5.赤色226号 0.2
6.黄酸化鉄 1
7.黒酸化鉄 0.1
8.雲母チタン*11 20
9.酸化鉄被覆雲母チタン*12 10
10.酸化亜鉛 2
11.モノイソステアリン酸ソルビタン*13 2
12.流動パラフィン*1 10
13.水添ポリイソブテン*3 5
14.ジメチルポリシロキサン*14 5
15.ジメチコノール*4 5
*10:マツモトマイクロスフェアM101(松本油脂製薬社製)
*11:TIMIRON SUPER RED(MERCK社製)
*12:COLORONA BRONZE(MERCK社製)
*13:NIKKOL SI−10RV(日本サーファクタント工業社製)
*14:KF−96−20CS(25℃の粘度:20mPa・s、信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜10を混合する。
B:成分11〜15を均一に攪拌混合する。
C:BにAを加え均一に攪拌混合したもの100質量部に、溶媒として軽質流動イソパラフィン50質量部をを加えスラリー状にする。
D:Cを皿状容器に充填し、台形状の型を用いて圧縮成型した後、乾燥し溶媒を除去してアイカラーを得た。
本実施例6のアイカラーをチップを用いて、前記実施例1〜5の評価方法に従って、評価および判定を行った。これより、油性成分同士での親和性が高く、均一に溶解しているため、最終充填物の外観表面において色むらのない綺麗な色相を有したアイシャドウを得ることができた。また、品質における伸び広がり、化粧持ちについても良好な結果を得ることができたとともに、湿式充填法における成型性すなわち耐衝撃性にも強いという結果が得られた。
実施例7:ファンデーション
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.ポリエチレンテレフタレート粉体*15 10
3.無水ケイ酸(真球状、平均粒径3.5μm) 5
4.ジメチルポリシロキサン3%処理板状酸化チタン 15
5.ベンガラ 0.3
6.黄酸化鉄 0.8
7.黒酸化鉄 0.1
8.メチルパラベン 0.3
9.セスキイソステアリン酸ソルビタン*16 2
10.水添ポリイソブテン*3 2
11.ジメチルポリシロキサン*14 5
12.ジメチコノール*4 5
13.リンゴ酸ジイソステアリル*17 3
14.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル*18 5
*15:スノーリーフP(オーケン社製)
*16:コスモール182V(日清オイリオ社製)
*17:コスモール222(日清オイリオ社製)
*18:UVINUL MC80(BASFジャパン社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を混合する。
B:成分9〜14を均一に攪拌混合する。
C:BにAを加え均一に攪拌混合したもの100質量部に、溶媒として軽質流動イソパラフィン50質量部を加えスラリー状にする。
D:Cを皿状容器に充填し、圧縮成型した後、乾燥し溶媒を除去してファンデーションを得た。
本実施例7のファンデーションをマットを用いて、前記実施例1〜5の評価方法に従って、評価および判定を行った。これより、油性成分同士での親和性が高く、均一に溶解しているため、最終充填物の外観表面において色むらのない綺麗な色相を有したファンデーションを得ることができた。また、品質における伸び広がり、化粧持ちについても良好な結果を得ることができたとともに、湿式充填法における成型性すなわち耐衝撃性にも強いという結果が得られた。
実施例8:アイブロウ
(成分) (%)
1.セリサイト 25
2.タルク 残量
3.酸化チタン 5
4.酸化亜鉛 2
5.ベンガラ 2
6.黄酸化鉄 6
7.黒酸化鉄 3
8.黒酸化鉄被覆雲母チタン*19 5
9.メチルパラベン 0.2
10.スクワラン 3
11.ポリブテン*20 10
12.ジメチルポリシロキサン*2 7
13.ジメチコノール*4 5
14.リンゴ酸ジイソステアリル*17 5
*19:COLORONA MICA BLACK(MERCK社製)
*20:精製ポリブテンHV−100F(SB)(20℃の粘度:37Pa・s、日本ナチュラルプロダクツ社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を混合する。
B:成分10〜14を均一に攪拌混合する。
C:BにAを加え均一に攪拌混合したもの100質量部に、溶媒として軽質流動イソパラフィン30質量部を加えスラリー状にする。
D:Cを皿状容器に充填し、乾燥し溶媒を除去してアイブロウを得た。
本実施例8のアイブロウを筆を用いて、前記実施例1〜5の評価方法に従って、評価および判定を行った。これより、油性成分同士での親和性が高く、均一に溶解しているため、最終充填物の外観表面において色むらのない綺麗な色相を有したアイブロウを得ることができた。また、品質における伸び広がり、化粧持ちについても良好な結果を得ることができたとともに、湿式充填法における成型性すなわち耐衝撃性にも強いという結果が得られた。
実施例9:頬紅
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.ポリエチレンテレフタレート粉体*15 10
3.赤色226号 0.4
4.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理ベンガラ*21 0.3
5.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黄酸化鉄*22 0.3
6.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黒酸化鉄*23 0.1
7.ベンガラ被覆雲母チタン*6 7
8.黒酸化鉄被覆雲母チタン*18 3
9.酸化亜鉛 2
10.メチルパラベン 0.2
11.モノイソステアリン酸ソルビタン*13 3
12.水添ポリイソブテン*24 10
13.メチルフェニルポリシロキサン*25 10
14.ジメチコノール*4 8
15.パーフルオロポリメチルイソプロピル*26 2
*21:RED R−516P(大東化成工業社製)
*22:YELLOW YP−1200P(大東化成工業社製)
*23:BLACK BL−100P(大東化成工業社製)
*24:パールリーム24(20℃の粘度:110Pa・s、日油社製)
*25:KF−53(25℃の粘度:170mPa・s、信越化学工業社製)
*26:フォンブリンHC/04(アウシモント社製)
(製造方法)
A:成分1〜10を混合する。
B:成分11〜15を均一に攪拌混合する。
C:BにAを加え均一に攪拌混合したもの100質量部に、溶媒としてデカメチルシクロペンタシロキサン50質量部を加えスラリー状にする。
D:Cを皿状容器に充填し、乾燥し溶媒を除去して頬紅を得た。
本実施例9の頬紅をブラシを用いて、前記実施例1〜5の評価方法に従って、評価および判定を行った。これより、油性成分同士での親和性が高く、均一に溶解しているため、最終充填物の外観表面において色むらのない綺麗な色相を有した頬紅を得ることができた。また、品質における伸び広がり、化粧持ちについても良好な結果を得ることができたとともに、湿式充填法における成型性すなわち耐衝撃性にも強いという結果が得られた。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)25℃における粘度が20〜200mPa・sの範囲のシリコーン油
    (B)20℃における粘度が10〜1000Pa・sの範囲の炭化水素油
    (C)ジメチコノール
    (D)粉体
    を含有する化粧料基剤に、溶媒を添加してスラリー状としたものを容器に充填した後、該溶媒を除去して得られる固形粉末化粧料。
  2. 前記化粧料基剤中における成分(A)と(B)の合計と(C)の含有質量比が3:1〜30:1である請求項1に記載の固形粉末化粧料。
  3. 前記成分(D)が、顔料を5%以上含有する請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017095376A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 日本メナード化粧品株式会社 メイクアップ化粧料
JP2020075885A (ja) * 2018-11-08 2020-05-21 株式会社伊勢半 固形粉末化粧料
JP2020132527A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 株式会社コーセー 固形粉末化粧料

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