JP6078983B2 - 光源装置およびプロジェクター - Google Patents
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Description
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等に拡大投写する。このプロジェクターは、机上等に据え置かれる据置き設置、および据置き設置に対して上下が反転されて天井等に吊り下げられる天吊り設置を含め、光源の光軸に沿う方向の軸を中心として360°回転される範囲内の姿勢において、光源を効率よく冷却できるように構成されている。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31を有する光学ユニット3、および冷却装置9を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体2の内部には、さらに、光源装置31や制御部に電力を供給する電源装置等が配置されている。
光学ユニット3は、図1に示すように、光源装置31に加え、平行化レンズ313、インテグレーター照明光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、電気光学装置35、投写レンズ36、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
光学ユニット3は、図1に示すように平面視略L字状に形成され、一方の端部に光源装置31が配置され、他方の端部に投写レンズ36が配置される。なお、以下では、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向(左側)、投写レンズ36から光束が射出される方向を+Y方向(前側)、据置き設置における上方を+Z方向(上側)として記載する。
また、後で詳細に説明するが、光源用筐体4には、冷却ファン91から送出された冷却風が流通する複数の流路が設けられている。開閉装置5は、プロジェクター1の姿勢に応じてこの複数の流路のうちのいずれかに冷却風が流通するように構成され、プロジェクター1の様々な姿勢において光源311が効率よく冷却されるように構成されている。
第1レンズアレイ321は、光源装置31から射出された光束を複数の部分光束に分割する光学素子であり、光源装置31から射出された光束の光軸Cに対して略直交する面内にマトリックス状に配列される複数の小レンズを備えている。
偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム光を液晶ライトバルブ351で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
冷却ファン91は、シロッコファンで構成され、図1に示すように、光源装置31の近傍に配置され、冷却風を送出する。
吸気ファンは、外装筐体2に設けられた吸気口から外部の空気を取り込み、液晶ライトバルブ351等の光学部品に送風する。
排気ファンは、外装筐体2内の暖まった空気を外装筐体2の排気口から排出する。
ここで、光源装置31について、詳細に説明する。
図2は、光源装置31の斜視図である。図3は、光源装置31の分解斜視図である。図4は、光源装置31の断面図であり、後述する本体カバー42を省略した図である。
光源装置31は、図2〜図4に示すように、光源311、リフレクター312および光源用筐体4に加え、開閉装置5および保持部6を備えている。
発光管3111は、石英ガラス等の耐熱ガラスで形成され、図4に示すように、中央に設けられた球状の発光部3111A、およびこの発光部3111Aの両側から延出する一対の封止部3111B,3111Cを有している。
一対の封止部3111B,3111Cの内部には、電極3112,3113とそれぞれ電気的に接続される図示しない一対の金属箔が配置されている。これらの一対の金属箔には、封止部3111B,3111Cの外部まで延出するリード線3114,3115がそれぞれ接続されている。光源311は、これらリード線3114,3115に電力が供給されると、対向している電極3112,3113の間で放電が発生して光束を射出する。
電極3112,3113は、製造の調整工程において、このアークが適正な位置になるように調整されてリフレクター312に取付けられており、光源装置31が効率良く光束を射出するようになっている。
首状部3121には、一方の封止部3111Bが挿通される挿通孔が設けられており、発光管3111は、封止部3111Bとこの挿通孔との間に接着剤が注入されてリフレクター312に固定される。
反射部3122は、内面に金属薄膜が蒸着されており、発光部3111Aから射出された光束を首状部3121とは反対側の開口部312A側に反射する。
光源用筐体4は、光源311、リフレクター312および平行化レンズ313を収納するとともに、光源311を冷却するために冷却ファン91から送出された冷却風を流通可能とする第1〜第5の流路F1〜F5(各流路の一部を図3に示す)を有している。
光源用筐体4は、図3に示すように、リフレクター収納部4A、上カバー43U、下カバー43D、導入口形成部4B、および図4に示すように、第1板金4Cを備えている。
図5は、流出口形成部41、導入口形成部4Bおよび保持部6を流出口形成部41の内面側(−X側)から見た斜視図である。
流出口形成部41は、図5に示すように、−X側から見て平面視矩形状に形成されており、−X側の四隅には、平坦部が設けられ、この平坦部には、ネジが挿通される挿通孔41Hが形成されている。
流出口形成部41は、四隅の平坦部より+X側に窪む第1凹部411、および第1凹部411より+X側に窪む第2凹部412を有している。
第1板金4Cは、リフレクター312から反射された光束による流出口形成部41の劣化を抑制する機能を有し、図4に示すように、第1凹部411の底面および第2凹部412の内面に沿って配置されている。
第2凹部412は、図4に示すように、封止部3111Cの先端より+X側に窪むように形成され、底面の中央部には、リフレクター312から反射された光束が通過する開口部4121が設けられている。
流出口41a,41b,41c,41dは、図5の図面視において、光軸Cに対し、左上側、右上側、右下側、左下側に、それぞれ形成されている。流出口41a,41b,41c,41dは、リフレクター312の開口部312Aより+X側に位置し、開口部312Aに沿うように形成されている。換言すると、流出口41a,41b,41c,41dは、X方向から見て、発光管3111を取り囲むように配置されている。
流出口形成部41の外面側には、平行化レンズ313が収納される枠部413、および上カバー43Uと下カバー43Dとで形成される第1〜第4の流路F1〜F4それぞれの下流側が設けられている。
枠部413は、図3、図4に示すように、第2凹部412(図5参照)の外面側から平行化レンズ313の外周を覆うように枠状に突出して形成されている。
第1の流路F1および第2の流路F2の下流側は、図6(a)に示すように、第2凹部412(図5参照)の外面側の上面413Aと、上面413Aから起立する複数の壁部413Bと、複数の壁部413Bに架橋される上カバー43Uとで形成されている。
また、流出口形成部41には、流入口4Aa,4Ab,4Ac,4Adとは反対側に、図6(a)に示すように、光源311を冷却した冷却風が排出される排出口414が設けられている。
そして、光源311およびリフレクター312が収納され、上カバー43Uおよび下カバー43Dが取り付けられたリフレクター収納部4Aは、この着脱用ネジSCtによって保持部6に固定される。つまり、リフレクター収納部4Aは、保持部6に対して、X方向に着脱自在に構成されている。
導入口形成部4Bには、第1〜第5の流路F1〜F5それぞれの上流側が設けられている。また、導入口形成部4Bは、図3に示すように、開閉装置5を内部に収納し、保持枠6Aの−Y側に固定される。つまり、第1〜第5の流路F1〜F5は、上カバー43Uおよび下カバー43Dが取り付けられたリフレクター収納部4Aが保持部6に装着されることによって、リフレクター収納部4Aと導入口形成部4Bとが組み合わされて上流側から下流側が接続されることとなる。
導入口形成部4Bは、図7に示すように、保持部6の−Y側に配置され、第1形成部44および第2形成部45を備えている。
第1形成部44は、箱状に形成されており、冷却ファン91から送出された冷却風を導入する導入口44a,44b,44c,44d、および補助導入口44eと、導入口44a,44b,44c,44d、および補助導入口44eそれぞれに連通する第1導出口44f,44g,44h,44i、44jを有している。
補助導入口44eは、図3に示すように、枠部441の+Y側の壁部と導入口44a,44b,44c,44dとの間に設けられており、第5の流路F5における上流側の端部を形成する。
冷却ファン91の冷却風を送出する送出口の先端は、枠部441に挿入され、送出された冷却風は、導入口44a,44b,44c,44d、および補助導入口44eに導入される。
第2導出口45a,45b,45c,45d,45eの周縁部は、リフレクター収納部4Aが保持部6に装着される際に、流出口形成部41に設けられた流入口4Aa,4Ab,4Ac,4Ad,4Ae(図3参照)の周縁部と良好に嵌合し、第1形成部44から流出する冷却風が効率よく流入口4Aa,4Ab,4Ac,4Ad,4Aeに流入するように形成されている。
開閉装置5は、回転する回転部材51を備え、この回転部材51がプロジェクター1の姿勢に応じて導入口44a,44b,44c,44dを選択的に開閉するように構成されている。
開閉装置5は、図7に示すように、回転部材51に加え、規制用ネジ52を備えている。
規制用ネジ52は、回転部材51が支持された中心軸44Sのネジ穴にネジ締めされ、回転部材51が中心軸44Sから脱落しないように規制する。
保持部6は、図3に示すように、開閉装置5を収納する導入口形成部4Bが取り付けられ、リフレクター収納部4Aを着脱自在に保持する。
保持部6は、保持枠6Aおよび第2板金6Bを備えている。
図8は、導入口形成部4Bが取り付けられた保持部6を示す斜視図であり、第2板金6Bを省略した図である。
保持枠6Aには、図8に示すように、+X側の面に光束が通過する開口部61が形成され、+Y側の面には、流出口形成部41の排出口414(図6(a)参照)と連通する排出口62が形成されている。そして、保持枠6Aの−Y側の面には、導入口形成部4Bの第2導出口45a,45b,45c,45d,45eが露出する開口部63が設けられている。
保持部6は、64Hdにネジが挿通され外装筐体2の下ケースにネジ固定され、この下ケースに外装筐体2の上ケースが組み込まれる際に、上ケースに設けられた突起部(図示省略)が丸穴64Huに挿通されて外装筐体2に固定される。
そして、光源311およびリフレクター312が収納され、上カバー43Uおよび下カバー43Dが取り付けられたリフレクター収納部4Aは、導入口形成部4Bが取り付けられ、外装筐体2に固定された保持部6に着脱される。
ここで、開閉装置5の動作、および冷却ファン91から送出された冷却風の流れについて、図9〜図11を用いて説明する。
図9(a)は、据置き設置されたプロジェクター1を示す模式図、9(b)は、据置き設置されたプロジェクター1における、導入口形成部4B、開閉装置5および流出口41a、41b,41c,41dを示す平面図である。なお、図9(a)は、(b)より倍率が小さい図であり、図9(b)は、流出口41a、41b,41c,41dを模式的に示した図である。
また、導入口44dから流出口41dまでの経路は、導入口44cから流出口41cまでの経路より短く形成され、流出口41dの開口面積は、流出口41cの開口面積より小さく設定されているので、流出口41c,41dから流出する冷却風は、同等の風量となる。
なお、補助導入口44eは、プロジェクター1の姿勢に係わらず閉塞されないので、冷却ファン91から送出された冷却風の一部は、第5の流路F5を流通して、補助流出口41eから流出し、発光管3111の先端側を冷却する。
(1)光源装置31は、上述した光源用筐体4および開閉装置5を備えているので、プロジェクター1の姿勢が変更された場合であっても、鉛直方向VLにおける略同一の方向から冷却風を光源311に送風し、光源311を安定して冷却することが可能となる。
また、第1〜第4の流路F1〜F4の下流側は、プロジェクター1内のデッドスペースになりがちなスペースに設けられているので、プロジェクター1の大型化が抑制される。
(変形例1)
前記実施形態の光源用筐体4は、開閉装置5にて開閉される導入口として4つの導入口44a,44b,44c,44dを備えて構成されているが、4つに限らず他の数で構成してもよい。
図12は、変形例1の導入口形成部7、および流出口形成部8の一部を示す模式図である。
具体的に、導入口7aは、中心軸7Sの上方(+Z方向)に位置し、導入口7b〜7fは、図12の図面視において、導入口7aから順次時計回りに略等間隔で並設するように形成されている。
図13(a)に示すように、プロジェクター1が据置き設置された際には、図13(b)に示すように、導入口7a,7b,7fは、開放され、導入口7c,7d,7eは、回転部材51により略閉塞された状態となる。そして、冷却ファン91から送出された冷却風は、導入口7a,7b,7fから導入されて、流出口8a,8b,8fから流出し、発光管3111に送風される。流出口8a,8b,8fは、鉛直方向VLにおいて発光管3111の上方に位置するので、発光管3111は、鉛直方向VLにおける上方から送風された冷却風20fによって冷却される。
このように、導出口が6つ形成された場合にも、光源装置31は、プロジェクター1が設置される姿勢に応じて、導入口7a〜7fが選択的に開閉され、発光管3111は、隣り合う複数の流出口から流出する冷却風によって冷却される。また、発光管3111は、主に鉛直方向VLにおける上方から送風された冷却風によって冷却される。
リフレクター収納部4Aと導入口形成部4Bとを一体化し、この一体化されたユニットを着脱可能とするように構成してもよい。
前記実施形態では、第1〜第4の流路F1〜F4にそれぞれ1つの流出口41a、41b,41c,41dが設けられるように構成されているが、1つの流路に複数の流出口を設けるように構成してもよい。
前記実施形態の開閉装置5は、回転部材51が重力で回転するように構成されているが、回転部材を回転させる駆動部を備え、電動によってこの回転部材を回転させるように構成しても良い。
前記実施形態では、光変調装置は、3つ設けられていたが、その数は3つに限らず、1つ、2つ、あるいは、4つ以上であっても構わない。
また、前記実施形態の光変調装置は、透過型の液晶パネルを有して構成されているが、反射型液晶パネルを利用したものであってもよい。また、光変調装置は、マイクロミラーアレイを用いたデバイス等を使用したものであってもよい。
光源311は放電型のランプに限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード等の固体光源で構成してもよい。
Claims (9)
- 光源と、前記光源から射出された光束を反射するリフレクターとを備え、冷却風を送出する冷却ファンを有するプロジェクターで使用される光源装置であって、
前記光源および前記リフレクターを収納し、前記冷却風を導入可能な複数の導入口、および前記複数の導入口にそれぞれ連通し、導入した前記冷却風が流出する複数の流出口を有する光源用筐体と、
前記複数の導入口を選択的に開閉する開閉装置と、
を備え、
前記複数の導入口は、前記リフレクターの外側に設けられた中心軸から、放射状に延出する壁部によって略均一に仕切られて形成され、
前記複数の流出口は、前記リフレクターの開口部に沿って設けられ、
前記開閉装置は、前記中心軸に支持される回転部材を備え、
前記回転部材は、当該光源装置の姿勢に応じて前記中心軸を中心に回転することによって前記複数の導入口のうち、隣り合う複数の導入口を選択的に開閉することを特徴とする光源装置。 - 請求項1に記載の光源装置であって、
前記回転部材は、前記複数の流出口のうち、当該光源装置の鉛直方向における上側となる前記流出口に連通する前記導入口を開放し、下側となる前記流出口に連通する前記導入口を閉塞するように回転することを特徴とする光源装置。 - 請求項1または請求項2に記載の光源装置であって、
前記回転部材は、重力によって回転することにより前記複数の導入口を選択的に開閉することを特徴とする光源装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光源装置であって、
前記流出口は、4つ以上設けられていることを特徴とする光源装置。 - 請求項4に記載の光源装置であって、
前記流出口は、前記光束の光軸を含む鉛直面に対し、略上下対称となるように形成され、
前記複数の導入口の前記中心軸に対するそれぞれの位置関係は、前記光軸に対する前記複数の流出口のそれぞれの位置関係と同様になるように形成されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光源装置であって、
前記回転部材は、前記中心軸を中心とする平面視円形状に形成され、前記複数の導入口のいずれかを開放する開口部を有していることを特徴とする光源装置。 - 請求項6に記載の光源装置であって、
前記回転部材の開口部は、前記複数の導入口のうち半数の導入口を開放可能に形成され
ていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光源装置であって、
前記開閉装置により閉塞されない補助導入口と、前記補助導入口に連通する補助流出口と、を備えることを特徴とする光源装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置で変調された光束を投写する投写レンズと、
を備えることを特徴とするプロジェクター。
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