以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る排紙装置の斜視図、図2は、図1に示す排紙装置の側面断面図、図3は、排紙台載置部の斜視図、図4は、台車の斜視図、図5は、図1に示す排紙装置の制御系の構成を示すブロック図である。以下の説明において、図1に示すように、排紙方向における前後を前後方向とする。また、前側から見て、上下左右を上下左右方向とする。
図1〜図5に示すように、本実施の形態に係る排紙装置1は、排紙部2と、排紙台3と、昇降駆動部4と、一対のサイドフェンス5A,5Bと、サイドフェンス駆動部6と、エンドフェンス7と、エンドフェンス駆動部8と、上面検知センサ9と、もたれ検知センサ10と、積載量検知部11と、台車12と、電源部13と、電源スイッチ14と、操作パネル部15と、制御部16とを備える。排紙装置1は、印刷装置100に接続されている。
排紙部2は、印刷装置100で印刷された用紙Pを排紙台3へと排紙する。排紙部2は、複数の排紙ローラ21と、排紙モータ22と、排紙センサ23とを備える。
排紙ローラ21は、用紙Pを排紙台3へと排紙する。排紙ローラ21は、排紙台3に対して、後方の上方に配置されている。
排紙モータ22は、複数対の排紙ローラ21を駆動させる。
排紙センサ23は、排紙部2から排紙台3へと排紙される用紙Pを検知する。排紙センサ23は、排紙ローラ21により搬送される用紙Pの搬送経路の下方に配置されている。排紙センサ23は、反射型の光学式センサからなる。
排紙台3は、排紙部2から排紙された用紙Pが積載されるものである。排紙台3は、平面視矩形状の底板部26と、中央部材27と、コシ付け部材28,29とを有する。
中央部材27は、底板部26上の左右方向の中央部に、前後方向に延びるように形成されている。中央部材27の上面27aは、略水平な平面になっている。中央部材27の上面27aは、排紙台3の用紙載置面の一部を構成する。
コシ付け部材28,29は、左右方向に細長い楔状の部材からなる。コシ付け部材28,29は、前後方向に間隔をおいてそれぞれ複数配置されている。コシ付け部材28は、中央部材27の左側に隙間を介して配置されている。コシ付け部材28の上面28aは、中央側から左側に向かって徐々に高くなるように傾斜している。コシ付け部材29は、中央部材27の右側に隙間を介して配置されている。コシ付け部材29の上面29aは、中央側から右側に向かって徐々に高くなるように傾斜している。コシ付け部材28,29の上面28a,29aは、中央部材27の上面27aとともに、排紙台3の用紙載置面を構成する。この用紙積載面は、前後方向から見て、左右方向の両側が中央より高い略V字形状になっている。これにより、用紙Pが、用紙幅方向(左右方向)の両側が中央より上方に湾曲する略U字形状で排紙台3上に積載される。これにより、用紙Pにコシをつけて整列性を良好にすることができる。
昇降駆動部4は、排紙台3を昇降させる。昇降駆動部4は、昇降機構31と、排紙台載置部32と、昇降モータ33とを有する。
昇降機構31は、ラックアンドピニオン機構を有し、昇降モータ33の駆動力により排紙台載置部32を昇降させる。これにより、排紙台載置部32に載置された排紙台3が昇降する。
排紙台載置部32は、排紙台3が載置されるものである。図3に示すように、排紙台載置部32は、背部35と、アーム部36A,36Bと、用紙有無センサ37とを備える。
背部35は、昇降機構31に接続される部分である。アーム部36A,36Bは、排紙台3が載置される部分である。アーム部36A,36Bは、背部35から左方向に延びるように形成されている。用紙有無センサ37は、アーム部36Bに設置されている。用紙有無センサ37は、反射型の光学式センサからなる。用紙有無センサ37は、排紙台3の底板部26に形成された貫通穴(図示せず)を介して、排紙台3上の用紙Pを検知する。
昇降モータ33は、昇降機構31により排紙台3を昇降させるための駆動力を発生する。昇降モータ33の正転駆動により排紙台3が上昇し、逆転駆動により排紙台3が下降するようになっている。
一対のサイドフェンス5A,5Bは、排紙台3上に排紙される用紙Pの幅方向(左右方向)における両端の位置を規制する。サイドフェンス5A,5Bは、排紙台3の上方に吊り下げられる状態で設けられ、排紙台3からは分離している。サイドフェンス5A,5Bは、左右方向に離間して並設されている。サイドフェンス5A,5Bは、請求項のフェンスに相当する。
サイドフェンス駆動部6は、一対のサイドフェンス5A,5Bを移動させる。サイドフェンス駆動部6は、サイドフェンス移動機構41と、サイドフェンスモータ42とを備える。
サイドフェンス移動機構41は、サイドフェンスモータ42の駆動力により、一対のサイドフェンス5A,5Bを互いに接近させる方向または互いに離間させる方向に移動させる。サイドフェンス移動機構41は、一対のサイドフェンス5A,5Bの上方に設けられている。
サイドフェンスモータ42は、サイドフェンス移動機構41によりサイドフェンス5A,5Bを移動させるための駆動力を発生する。サイドフェンスモータ42の正転駆動によりサイドフェンス5A,5Bが互いに接近し、サイドフェンスモータ42の逆転駆動によりサイドフェンス5A,5Bが互いに離間するようになっている。
エンドフェンス7は、排紙台3に排紙される用紙Pの前端位置を規制する。エンドフェンス7は、排紙台3の上方に吊り下げられる状態で設けられ、排紙台3からは分離している。エンドフェンス7は、請求項のフェンスに相当する。
エンドフェンス駆動部8は、エンドフェンス7を移動させる。エンドフェンス駆動部8は、エンドフェンス移動機構43と、エンドフェンスモータ44とを備える。
エンドフェンス移動機構43は、エンドフェンスモータ44の駆動力により、エンドフェンス7を前後方向に移動させる。エンドフェンス移動機構43は、エンドフェンス7の上方に設けられている。
エンドフェンスモータ44は、エンドフェンス移動機構43によりエンドフェンス7を移動させるための駆動力を発生する。エンドフェンスモータ44の正転駆動によりエンドフェンス7が前側へと移動し、エンドフェンスモータ44の逆転駆動によりエンドフェンス7が後側へと移動するようになっている。
上面検知センサ9は、排紙台3上の積載用紙の最上面の高さ位置(上面位置)の基準である基準上面位置における用紙Pの有無を検知するためのものである。基準上面位置は、排紙部2から排紙台3へと落下した用紙Pが整然と積載されるようにするために最適な高さ位置として予め設定されたものである。上面検知センサ9は、透過型の光センサからなり、発光部9aと、受光部9bとを有する。
発光部9aおよび受光部9bは、排紙台3およびエンドフェンス7を挟んで左右方向に互いに離間して対向配置されている。発光部9aは、受光部9bに向けて光を発する。発光部9aおよび受光部9bは、光軸の高さ位置が基準上面位置に一致するように配置されている。受光部9bは、発光部9aとの間に用紙Pがないとき、発光部9aからの光を受光し、発光部9aからの光が用紙Pにより遮られると受光しない。すなわち、上面検知センサ9は、受光部9bが発光部9aからの光を受光しない状態となることで、用紙Pを検知する。
もたれ検知センサ10は、もたれ検知位置における用紙Pの有無を検知するためのものである。もたれ検知位置は、排紙台3を挟んでエンドフェンス7に対向する壁17、またはエンドフェンス7に用紙Pがもたれかかる積載不良が生じているか否かを検知するための高さ位置として予め設定されたものである。もたれ検知位置は、基準上面位置よりも高い位置にある。もたれ検知センサ10は、上面検知センサ9と同様の透過型の光センサからなり、発光部10aと、受光部10bとを有する。
発光部10aおよび受光部10bは、排紙台3およびエンドフェンス7を挟んで左右方向に互いに離間して対向配置されている。発光部10aの光は、エンドフェンス7に設けられた切り欠き部分を通過して受光部10bで受光可能になっている。
積載量検知部11は、排紙台3上の用紙積載量のレベルを検知するためのものである。積載量検知部11は、複数の積載量センサ46と、被検知板47とを備える。
複数の積載量センサ46は、被検知板47を検知することにより、排紙台3の位置を検知するためのものである。複数の積載量センサ46は、それぞれにおける被検知板47の検知状態が、積載量レベルおよび排紙台3の下限位置に対応するように、位置が設定されている。本実施の形態では、積載量レベル1〜4が検知可能となっている。ここで、積載量レベル1は最大積載量の10%未満、積載量レベル2は同10%〜49%、積載量レベル3は同50%〜99%、積載量レベル4は同100%(最大積載量)である。
被検知板47は、複数の積載量センサ46の検知対象物となる部材である。被検知板47は、排紙台載置部32とともに昇降するように設置されている。
台車12は、下限位置にある排紙台3を支持するとともに、排紙台3を排紙装置1から左方向に引き出し可能とするものである。図4に示すように、台車12は、台座51と、複数のキャスタ52と、取っ手53とを有する。
台座51は、排紙台3が載置されるものである。排紙台3が下限位置まで下降したとき、台座51が排紙台3を支持するようになっている。台座51は、排紙台載置部32のアーム部36A,36Bと干渉しない形状に形成されている。
複数のキャスタ52は、台車12を容易に移動させるためのものである。複数のキャスタ52は、台座51の下面に設置される。取っ手53は、台車12を移動させるためにユーザが把持するものである。
電源部13は、排紙装置1を動作させるための電力を各部に供給する。電源部13は、印刷装置100と共通のものである。
電源スイッチ14は、ユーザによる排紙装置1の電源ON/OFFの操作を受け付ける。電源スイッチ14は、印刷装置100と共通のものである。
操作パネル部15は、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、各種の情報等を表示するものである。操作パネル部15は、ユーザが各種の入力操作を行うための操作ボタンおよびタッチパネル等からなる入力部と、各種の情報等を表示する液晶表示パネル等からなる表示部とを備える。操作パネル部15は、印刷装置100と共通のものである。
制御部16は、排紙装置1全体の動作を制御する。制御部16は、印刷装置100との間で信号を送受信する。制御部16は、CPU、RAM、ROM、HDD等の記憶装置等を備えて構成される。
制御部16は、位置制御条件に応じて昇降駆動部4による排紙台3の位置制御を行う。位置制御条件として、制御部16は、排紙台3上の用紙有無、排紙台3上の用紙積載量、排紙台3上に積載されている用紙Pのサイズ、排紙装置1の電源操作、印刷装置100および排紙装置1における用紙ジャム発生のうちの少なくとも1つを用いる。
次に、排紙装置1の動作について説明する。
排紙装置1の排紙動作は、印刷装置100での印刷動作に応じて行われる。制御部16は、印刷装置100から順次送られてくる用紙Pを、排紙部2により排紙台3へと順次排紙させる。
排紙部2からされた用紙Pは、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7により位置を規制されつつ、排紙台3上に積載される。サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7の位置は、用紙サイズに応じて調整されている。
排紙動作中、制御部16は、排紙台3上の積載用紙の上面位置を維持するため、排紙に伴って排紙台3を下降させる。具体的には、制御部16は、上面検知センサ9がONになると、昇降駆動部4により排紙台3の下降を開始させ、上面検知センサ9がOFFになると、排紙台3の下降を停止させる。ここで、上面検知センサ9が用紙Pを検知している状態をON、用紙Pを検知していない状態をOFFとする。受光部9bは、発光部9aからの光を受光すると信号を出力し、制御部16は、受光部9bの出力信号により、上面検知センサ9のON/OFFを判断する。
印刷装置100における印刷が終了し、印刷枚数分の排紙が終了すると、制御部16は、図6の表中の1段目に示すような排紙台3の位置制御を行う。なお、この印刷終了時の排紙台3の位置制御については後述する。
排紙装置1では、状況に応じて適切な位置に排紙台3を置くための位置制御を行う。図6は、排紙装置1における排紙台3の位置制御をまとめた表である。以下、図6に示した排紙台3の位置制御について、個別に説明する。
(印刷終了時)
図7は、印刷終了時における排紙台3の位置制御のフローチャートである。図7のフローチャートの処理は、印刷装置100で印刷が開始され、上述のような排紙装置1の排紙動作が開始されることにより、開始となる。
図7のステップS1において、制御部16は、印刷装置100での印刷が終了し、印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。排紙が終了していないと判断した場合(ステップS1:NO)、制御部16は、ステップS1を繰り返す。
排紙が終了したと判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、制御部16は、排紙台3が満タン(積載量レベル4)であるか否かを判断する。具体的には、制御部16は、各積載量センサ46における被検知板47の検知状態から、積載量レベルを判断する。そして、制御部16は、積載量レベル4(満タン)であるか否かを判断する。
排紙台3が満タンであると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部16は、昇降駆動部4により排紙台3を下限位置まで下降させる。制御部16は、各積載量センサ46における被検知板47の検知状態から、排紙台3が下限位置に達したか否かを判断する。排紙台3は、下限位置まで下降すると、台車12の台座51上に載置される。
排紙台3が満タンではないと判断した場合(ステップS2:NO)、ステップS4において、制御部16は、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定であるか否かを判断する。この設定は、ユーザが操作パネル部15の操作により事前に設定可能である。所定下降量は、排紙台3上の積載用紙の上面位置がサイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7の下端より下方になるまで排紙台3を下降させる値である。これにより、ユーザが用紙Pを排紙装置1から取り出すことが可能となる。なお、この所定下降量の大きさをユーザが設定可能としてもよい。
印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定であると判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部16は、昇降駆動部4により排紙台3を所定下降量だけ下降させる。ここで、制御部16は、昇降モータ33に設けられたエンコーダ(図示せず)の出力パルスにより、排紙台3の下降量を算出できる。
印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定ではないと判断した場合(ステップS4:NO)、制御部16は、排紙台3を移動させないまま、処理を終了する。
上記のような印刷終了時における排紙台3の位置制御により、図6の表中の1段目のように、印刷終了時に積載量レベル4(満タン)のときは、排紙台3は下限位置まで下降する。また、印刷終了時に積載量レベル1〜3のときは、排紙台3は移動しない。ただし、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定の場合、排紙台3は所定下降量だけ下降する。なお、印刷(排紙)終了時に排紙台3上に用紙Pがない場合はないので、図6の表中の1段目における「用紙なし」に対応する欄は空欄となっている。
(印刷開始時)
図8は、印刷開始時における排紙台3の位置制御のフローチャートである。図8のフローチャートの処理は、印刷装置100に印刷ジョブが入力され、その情報が排紙装置1の制御部16に提供されることにより開始となる。
図8のステップS11において、制御部16は、排紙台3上に用紙Pがあるか否かを判断する。具体的には、制御部16は、用紙有無センサ37の出力信号から、排紙台3上に用紙Pがあるか否かを判断する。
排紙台3上に用紙Pがあると判断した場合(ステップS11:YES)、ステップS12において、制御部16は、排紙台3が下限位置にあるか否かを判断する。ここで、排紙台3上にある用紙Pは、前回の印刷ジョブで印刷されて排紙された用紙Pである。また、前述のように、前回の印刷ジョブの終了時に排紙台3が満タンになった場合に、排紙台3が下限位置にある(図7のステップS3)。
排紙台3が下限位置にあると判断した場合(ステップS12:YES)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。この後、排紙台3上の用紙Pが取り除かれ、排紙台3が上限位置に移動された後、今回の印刷ジョブによる印刷および排紙が開始される。ここで、排紙台3の上限位置は、中央部材27の上面27aの高さ位置が基準上面位置に一致する位置であり、上面検知センサ9により検知される。
ステップS11において、排紙台3上に用紙Pがないと判断した場合(ステップS11:NO)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。この後、排紙台3が上限位置に移動された後、今回の印刷ジョブによる印刷および排紙が開始される。
ステップS12において、排紙台3が下限位置にはないと判断した場合(ステップS12:NO)、ステップS13において、制御部16は、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定であるか否かを判断する。
印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定であると判断した場合(ステップS13:YES)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。ここで、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定である場合、前述のように、前回の印刷ジョブの終了時に、排紙台3が、印刷終了時点の位置から所定下降量だけ下降されている(図7のステップS5)。そのため、ユーザが用紙Pを排紙装置1から取り出すことが可能な状態である。この後、排紙台3上の用紙Pが取り除かれ、排紙台3が上限位置に移動された後、今回の印刷ジョブによる印刷および排紙が開始される。
印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定ではないと判断した場合(ステップS13:NO)、ステップS14において、制御部16は、今回の印刷ジョブにおける用紙サイズが、前回の印刷ジョブにおける用紙サイズとは異なるサイズであるか否かを判断する。制御部16は、前回の印刷ジョブにおける用紙サイズを記憶している。前回の印刷ジョブにおける用紙サイズは、現在排紙台3上にある用紙Pのサイズである。
今回の印刷ジョブにおける用紙サイズが前回の印刷ジョブにおける用紙サイズとは異なるサイズであると判断した場合(ステップS14:YES)、ステップS15において、制御部16は、昇降駆動部4により排紙台3を所定下降量だけ下降させる。今回の印刷ジョブにおける用紙サイズが前回の印刷ジョブにおける用紙サイズとは異なるサイズである場合、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7の位置を変える必要がある。そのため、ユーザに排紙台3から用紙Pを取り除かせる必要がある。そこで、ステップS15において、制御部16は、排紙台3を所定下降量だけ下降させる。この後、ユーザにより排紙台3上の用紙Pが取り除かれ、排紙台3が上限位置に移動され、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7の位置が調整された後、今回の印刷ジョブによる印刷および排紙が開始される。
今回の印刷ジョブにおける用紙サイズが前回の印刷ジョブにおける用紙サイズと同じサイズであると判断した場合(ステップS14:NO)、ステップS16において、制御部16は、操作パネル部15の表示部に選択画面(図示せず)を表示させる。この選択画面は、排紙台3上の用紙Pを取り除かず継続して今回の印刷を開始するか、排紙台3を一旦下降させて排紙台3上の用紙Pを取り除いてから今回の印刷を開始するかをユーザに選択させるためのものである。
今回の印刷ジョブにおける用紙サイズが前回の印刷ジョブにおける用紙サイズと同じサイズである場合、排紙揃えのためにサイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7の位置を変える必要はない。そのため、前回の印刷ジョブにより印刷された排紙台3上の用紙Pに、今回の印刷ジョブにより印刷される用紙Pが重なることをユーザが許容すれば、排紙台3から用紙Pを取り除かずに、今回の印刷ジョブにより印刷される用紙Pを排紙できる。この場合、排紙台3を一旦下降させる必要がない。そこで、上述の選択画面により、排紙台3上の用紙Pを取り除かず継続して今回の印刷を開始するか否かをユーザに選択させる。
次いで、ステップS17において、制御部16は、排紙台3上の用紙Pを取り除かず継続して今回の印刷を開始することが選択されたか否かを判断する。
排紙台3上の用紙Pを取り除かず継続して今回の印刷を開始することが選択されたと判断した場合(ステップS17:YES)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、排紙台3の位置を維持したまま処理を終了する。この後、今回の印刷ジョブによる印刷および排紙が開始される。
排紙台3上の用紙Pを取り除いてから今回の印刷を開始することが選択されたと判断した場合(ステップS17:NO)、制御部16は、ステップS15へと進む。
上記のような印刷開始時における排紙台3の位置制御により、図6の表中の2段目のように、印刷開始時に排紙台3上に用紙Pがあり、その用紙サイズが今回の印刷ジョブの用紙サイズと異なる場合、所定下降量だけ排紙台3が下降する。ただし、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定である場合、排紙台3は前回の印刷終了時に所定下降量だけ下降しているため、ここでは排紙台3は移動しない。また、積載量レベル4(満タン)の場合は、前回の印刷ジョブの終了時に排紙台3が下限位置に移動しているため、ここでは排紙台3は移動しない。なお、排紙台3上に用紙Pがある場合の位置制御であるため、図6の表中の2段目における「用紙なし」に対応する欄は空欄となっている。
また、図6の表中の3段目のように、印刷開始時に排紙台3上に用紙Pがあり、その用紙サイズが今回の印刷ジョブの用紙サイズと同じである場合、ユーザにより、排紙台3を移動させるか否かが選択される。したがって、排紙台3の位置を維持したまま今回の印刷および排紙を開始することが可能である。ただし、印刷終了時に排紙台3を所定下降量だけ下降させる設定である場合、排紙台3は前回の印刷終了時に所定下降量だけ下降しているため、ユーザに選択させることなく、排紙台3は移動しない。また、積載量レベル4(満タン)の場合は、前回の印刷ジョブの終了時に排紙台3が下限位置に移動しているため、ここでは排紙台3は移動しない。なお、図6の表中の3段目における「用紙なし」に対応する欄は、2段目と同様の理由で空欄となっている。
(用紙ジャム発生時)
図9は、用紙ジャム発生時における排紙台3の位置制御のフローチャートである。図9のフローチャートの処理は、印刷装置100で印刷が開始され、排紙装置1の排紙動作が開始されることにより、開始となる。
図9のステップS21において、制御部16は、印刷装置100または排紙装置1で用紙ジャムが発生したか否かを判断する。
印刷装置100で用紙ジャムが発生した場合、その情報が排紙装置1の制御部16に提供される。排紙装置1における用紙ジャムの発生については、制御部16は、排紙センサ23およびもたれ検知センサ10における用紙Pの検知状態に基づいて判断する。具体的には、制御部16は、排紙センサ23における用紙検知のタイミングと理論値との差が閾値以上となると、排紙部2で用紙ジャムが発生したと判断する。また、制御部16は、もたれ検知センサ10が用紙Pを検知している時間が閾値以上となると、排紙台3上の積載不良を用紙ジャムとして検知する。
用紙ジャムが発生していないと判断した場合、制御部16は、ステップS21を繰り返す。用紙ジャムが発生したと判断した場合(ステップS21:YES)、ステップS22において、制御部16は、発生した用紙ジャムが印刷装置100における用紙ジャムであるか否かを判断する。
印刷装置100における用紙ジャムであると判断した場合(ステップS22:YES)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。
排紙装置1における用紙ジャムであると判断した場合(ステップS22:NO)、ステップS23において、制御部16は、排紙台3を所定下降量だけ下降させる。これにより、ユーザが排紙装置1における用紙ジャムを解除する作業を行うことができる。用紙ジャムが解除されると、制御部16は、排紙台3上の積載用紙の上面位置が基準上面位置に一致するまで排紙台3を再上昇させる。
ここで、排紙台3を下降させる際、制御部16は、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7を、用紙サイズに応じた位置から、それぞれのホームポジション(HP)に退避させる。サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7のホームポジションは、それぞれに対応する図示しないHPセンサにより検知される。排紙台3の再上昇後、制御部16は、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7は用紙Pのサイズに応じた位置に戻す。そして、印刷および排紙が再開される。
上記のような用紙ジャム発生時における排紙台3の位置制御により、図6の表中の4段目のように、排紙装置1で用紙ジャムが発生した場合、排紙台3は所定下降量だけ下降する。ここで、「用紙なし」で用紙ジャムが発生した場合とは、排紙される1枚目の用紙Pが排紙部2で用紙ジャムを起こした場合である。なお、排紙台3が満タンになった時点で排紙が停止されるため、用紙ジャムの発生時点で積載量レベル4(満タン)であることはない。このため、図6の表中の4段目における「積載量レベル4(満タン)」に対応する欄は空欄となっている。
また、図6の表中の5段目のように、印刷装置100で用紙ジャムが発生した場合、排紙台3は移動せず、印刷再開までそのままの位置を維持する。なお、図6の表中の5段目における「積載量レベル4(満タン)」に対応する欄は、4段目と同様の理由で空欄となっている。
(電源OFF操作時)
図10は、電源OFF操作時における排紙台3の位置制御のフローチャートである。図10のフローチャートの処理は、電源スイッチ14に対してユーザにより電源OFFの操作が行われたことにより開始となる。
図10のステップS31において、制御部16は、排紙台3上に用紙Pがあるか否かを判断する。排紙台3上に用紙Pがないと判断した場合(ステップS31:NO)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。
排紙台3上に用紙Pがあると判断した場合(ステップS31:YES)、ステップS32において、制御部16は、排紙台3が下限位置にあるか否かを判断する。直前の印刷終了時に排紙台3が満タンになった場合に、排紙台3が下限位置にある(図7のステップS3)。
排紙台3が下限位置にあると判断した場合(ステップS32:YES)、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、処理を終了する。その後、電源OFFとなる。
排紙台3が下限位置にはないと判断した場合(ステップS32:NO)、ステップS33において、制御部16は、排紙台3を下限位置まで下降させる。その後、電源OFFとなる。
上記のような電源OFF操作時における排紙台3の位置制御により、図6の表中の6段目のように、電源OFF操作時に排紙台3上に用紙Pがある場合、排紙台3は下限位置まで下降する。排紙台3上に用紙Pがない場合、排紙台3は移動しない。なお、積載量レベル4(満タン)の場合は、前回の印刷終了時にすでに排紙台3は下限位置に移動しているため、ここでは排紙台3は移動しない。
(電源ON操作時)
図11は、電源ON操作時における排紙台3の位置制御のフローチャートである。図11のフローチャートの処理は、電源スイッチ14に対してユーザにより電源ONの操作が行われ、電源がONとなったことにより開始となる。
図11のステップS41において、制御部16は、排紙台3上に用紙Pがあるか否かを判断する。
排紙台3上に用紙Pがあると判断した場合(ステップS41:YES)、ステップS42において、制御部16は、排紙台3の移動は行わず、ユーザへの用紙取り除き要求を行う。具体的には、制御部16は、排紙台3上の用紙Pを取り除くようユーザに指示するためのメッセージを、操作パネル部15の表示部に表示させる。
ここで、電源ON時に排紙台3上に用紙Pがあるのは、電源OFF時から排紙台3上に用紙Pがある場合である。電源OFF時に排紙台3上に用紙Pがある場合、前述のように、排紙台3は下限位置まで下降する(図10のステップS33)。したがって、電源ON時に排紙台3上に用紙Pがあるとき、排紙台3は下限位置にある。
次いで、ステップS43において、制御部16は、排紙台3上の用紙Pが取り除かれたか否かを判断する。具体的には、制御部16は、用紙有無センサ37の出力信号から、排紙台3上の用紙Pが取り除かれたか否かを判断する。排紙台3上の用紙Pが取り除かれていないと判断した場合(ステップS43:NO)、制御部16は、ステップS43を繰り返す。
排紙台3上の用紙Pが取り除かれたと判断した場合(ステップS43:YES)、ステップS44において、制御部16は、排紙台3を上限位置へ移動させる。具体的には、制御部16は、昇降駆動部4により排紙台3を上昇させ、上面検知センサ9がONになると、上昇を停止させる。これにより、排紙台3が上限位置へ移動する。
ステップS41において、排紙台3上に用紙Pがないと判断した場合(ステップS41:NO)、制御部16は、ステップS44へと進む。
上記のような電源ON操作時における排紙台3の位置制御により、図6の表中の7段目のように、電源ON操作時に排紙台3上に用紙Pがある場合、排紙台3は移動しない。この場合、ユーザへの用紙取り除き要求に応じて排紙台3から用紙Pが取り除かれた後、排紙台3は上限位置へ移動する。排紙台3上に用紙Pがない場合、排紙台3は上限位置へ移動する。
以上が排紙台3の位置制御の説明である。
以上説明したように、制御部16は、排紙台3上の用紙有無、排紙台3上の用紙積載量、排紙台3上に積載されている用紙Pのサイズ、排紙装置1の電源操作、印刷装置100および排紙装置1における用紙ジャム発生のうちの少なくとも1つを排紙台3の位置制御に用いる。これにより、排紙装置1は、状況に応じた適切な排紙台3の位置制御を行うことができる。
具体的には、印刷装置100における印刷開始時に、排紙台3上に積載されている用紙Pのサイズが、今回の印刷ジョブにおける用紙のサイズと同じである場合において、排紙台3の位置を維持したまま排紙開始可能である。これにより、排紙台3上の用紙Pを取り出し可能とするための排紙台3の下降、およびその後の再上昇の動作を省略できる。この結果、今回の印刷、排紙を早く開始することができ、時間のロスを低減できる。
また、電源OFF操作時において、排紙台3上に用紙Pがある場合、制御部16は、排紙台3を下限位置まで下降させる。これにより、排紙台3が台座51に支持される。このため、排紙台3上に多量の用紙Pが積載されている状態で電源ON時まで放置されても、排紙装置1(昇降駆動部4)にかかる負荷を抑えることができる。また、電源ON操作時に排紙台を下降させる必要がないため、時間のロスを低減できる。
また、排紙装置1における用紙ジャムが発生した場合、制御部16は、ジャム解除を可能とするため所定下降量だけ排紙台3を下降させる。これにより、下限位置まで排紙台3を下降させる場合よりも、ジャム解除作業時の排紙台3の下降および再上昇にかかる時間を短縮でき、ジャム解除後に早く印刷再開できる。
また、排紙装置1で用紙ジャムが発生した場合において、排紙台3を下降させる際、制御部16は、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7を用紙Pのサイズに応じた位置から退避させる。そして、制御部16は、ジャム解除後に排紙台3を再上昇させた後、サイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス7を用紙Pのサイズに応じた位置に戻す。これにより、排紙台3上の積載用紙が乱れることを抑えるとともに、排紙台3の再上昇時にサイドフェンス5A,5B、エンドフェンス7が積載用紙に衝突することを防止できる。
また、印刷装置100における用紙ジャムが発生した場合、制御部16は、印刷再開まで排紙台3の位置を維持する。これにより、印刷再開時に排紙台3を再上昇させる必要がなく、印刷再開までの時間を短縮できる。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。