JP6076067B2 - 畳 - Google Patents

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Description

本発明は、畳床及びそれを備えた畳に関するものであり、例えば、製畳時の切断加工が容易で、寸法安定性に優れる畳床に関する。
従来、住宅等に使用される畳は、藁製の畳床と天然い草の畳表を組み合わせたものが使用されていたが、近年、畳床に使用される藁が不足しているとともに、畳床に藁を使用した畳はダニやカビが発生し易く、また、重量が重いなどの理由により、畳床の材料に樹脂発泡体を用いた畳が多く使用されるようになった。
樹脂発泡体を用いた畳床には、樹脂発泡体を藁でサンドイッチした畳床や、インシュレーションボードと組み合わせた畳床等が使用されているが、中でも樹脂発泡体の上面側に補強材として厚さ2.3mm程度のベニヤ合板を使用し、さらにその上にクッション材を積層、一体化した畳床が、軽量で敷込み作業性に優れ、さらには、耐湿性、防露性、寸法安定性に優れているという特徴を有している。
しかしながら、補強材にベニヤ合板を使用した畳床は、製畳時に所定の大きさに裁断するため、汎用的な縫着機に設置された揺動歯等を用いて框や平刺しを切断する際に、ベニヤ合板自体が硬いために、切断に用いる刃物が破損したり、切断面が荒れたり、さらには、ベニヤ合板の木目の影響で刃物が蛇行し、所定の寸法に正確に切断できない等の問題を有していた。
これらの問題を解決するために、特許文献1(特開2003−307024号公報)では、合成樹脂発泡体からなる発泡樹脂層の上面側に補強材及び緩衝材が積層一体化された構成を有する建材畳床において、前記補強材として、紙及びプラスチックを原料とした成形ボードを使用した建材畳床が開示されている。しかし、さらなる耐湿性、防露性、寸法安定性に対する要求から、特許文献1の方法には改良の余地がある。
また、特許文献2(特開2004−285662号公報)には、薄畳の必要な剛性を確保し、そりの発生を防止することを目的として、硬質プラスチックフォームを板状に成形した板状芯部材と、この板状芯部材の両面に設けられ、少なくともプラスチックフィルムおよび金属箔シートで構成された面材とからなる薄畳用軽量芯材が開示されている。しかし、特許文献2で用いられる金属箔は価格が高く、また金属箔とプラスチックフィルムとの全面接着の際には異種の素材同士を隙間なく接着しなければならず、困難である。
さらに、特許文献3(特開2001−241174号公報)には、コスト高となる金属箔の厚さを低下させつつ必要な剛性を確保し、反りのない薄畳を得ることを目的として、プラスチック発泡体の片面または両面に、5ミクロン以上20ミクロン未満の厚さの金属箔を紙などにラミネートしたシートを、エポキシ系接着剤により接着したことを特徴とする薄畳が開示されている。しかしこの方法では、金属箔ラミネート層のみからなる補強材を樹脂発泡体に直接接着することとなり、透湿抵抗が非常に低くなり、得られる畳床の寸法変化が生じることが本発明者らの実験より判明している。
特開2003−307024号公報 特開2004−285662号公報 特開2001−241174号公報
上述するように、製畳時の切断加工性に優れ、かつ高い耐湿性、防露性、寸法安定性を有する畳床は未だ得られていない。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構成を有する補強材を用いて畳床及び畳を作製することにより、製畳時の切断加工性に優れ、また寸法安定性の優れた畳が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような畳床及び畳を提供する。
[1]
下記A層、B層及びC層を有する補強材を備えた、畳床。
(A)アルミニウム、シリカ、アルミナ及びポリ塩化ビニリデンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着又はコーティングした少なくとも一種の樹脂
(B)一種以上の樹脂ラミネート紙または樹脂シート
(C)パルプシート又は不織布シートの少なくとも一種
[2]
前記補強材が、前記A層/前記B層/前記C層/前記B層/前記A層からなる層構成を有する、上記[1]に記載する畳床。
[3]
前記補強材の透湿抵抗が0.8m・24h/g以上である、上記[1]または[2]に記載の畳床。
[4]
前記B層の密度が前記C層の密度よりも大きいことを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の畳床。
[5]
さらに、樹脂発泡体及び緩衝材を備えた、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の畳床。
[6]
樹脂発泡体、補強材及び緩衝材を備えた畳床であって、前記補強材が下記A層、B層及びC層を有するものである、畳床。
(A)透湿抵抗が0.2m・24h/g以上である樹脂または樹脂複合体
(B)透湿抵抗が0.1m・24h/g以上である一種以上の樹脂ラミネート紙または樹脂シート
(C)パルプシートまたは不織布シートの少なくとも一種
[7]
前記樹脂発泡体の圧縮強度が20N/cm以上である、上記[5]または[6]に記載する畳床。
[8]
さらに、裏面材を備えた、上記[6]又は[7]に記載する畳床。
[9]
上記[1]〜[8]のいずれかに記載する畳床を備えた、畳。
本発明の好ましい態様によれば、例えば、樹脂発泡体からなる発泡樹脂層の上面側に積層される補強材として、コア層と、両面表面のバリア層及び中間層を有する5層(バリア層/中間層/コア層/中間層/バリア層)を有する積層体を用いることによって、合板や各種プラスチック材料を補強材として使用した従来の畳床に比べて、製畳時の切断加工性が大きく改善され、また寸法安定性の優れた畳とすることができる。
実施形態に係る畳床を示す断面図である。 実施形態に係る補強材を示す断面図である。
以下、畳床及び畳床用補強材の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
<畳床の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る畳床の断面図である。この畳床10では、芯材としての樹脂発泡体1の上面(室内側)に補強材2、さらにその上面に緩衝材3が設置され、樹脂発泡体1の下面(床下側)には裏面材4が設置されている。畳床10は、合計の厚さが例えば20〜60mmのもので、樹脂発泡体1、補強材2、緩衝材3、及び裏面材4は、接着、または縫着によって一体化されている。なお、図1には裏面材4を有する畳床を図示したが、裏面材4は任意の材料である。
<樹脂発泡体>
樹脂発泡体1は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等、各種樹脂からなる発泡体が利用できる。中でも、ポリスチレン、あるいは、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を原料とした発泡倍率20〜50倍に発泡した押出発泡プラスチック板が、押出方向の曲げ剛性が高く、畳床の材料として適している。特に、押出発泡ポリスチレン板は、気泡が独立気泡として形成されているため、断熱性能、耐吸湿、耐吸水性能に優れているという特徴を有している。さらに、ポリプロピレン樹脂等も含め、樹脂発泡体の原料に熱可塑性樹脂を使用している場合は、畳加工時に出る残材や、畳を廃棄する際に畳を分別解体して取り出した廃材を、熱によって溶融、再生樹脂化して再利用することが可能である。樹脂発泡体1の圧縮強度は20N/cm以上であることが、得られた畳床の繰り返し圧縮での寸法変化が小さいことから、好ましい。樹脂発泡体1の圧縮強度は、より好ましくは25N/cm以上であり、さらに好ましくは30N/cm以上である。
樹脂発泡体1は、通常は1種類の樹脂発泡板を単独で使用するが、必要に応じて2種類以上の樹脂発泡板を組み合わせて使用してもかまわない。また、畳床の厚さが薄い場合は、樹脂発泡板の厚さが薄くなり、曲げ剛性が低下するため、樹脂発泡板の片面、あるいは、両面にプラスチックフィルム、シート、不織布、板紙等の補強面材を積層したものを利用してもかまわない。
<補強材>
樹脂発泡体1の上面には、補強材2が接合される。図2は、本発明の一実施形態に係る畳床用の補強材の断面図である。図2の補強材2は、例えば紙又は繊維積層体の少なくとも一種からなるコア層(C層)を中心として、コア層の両表面に例えば一種以上の樹脂ラミネート紙からなる中間層(B層)が設置され、さらにその両表面に例えば水蒸気バリア性を有する少なくとも一種の樹脂からなるバリア層(A層)が設置された5層構造を有する積層体である。
本発明で用いることができる補強材の層構造としては、後述する材料から形成されたA層、B層及びC層を少なくとも一層ずつ備えていればよく、その積層の順番も任意であるが、少なくともC層が最表面ではないことが必要である。例えば、最も簡易な構造である(「A層/C層/B層」の3層構造、もしくはこれらにさらに一層を追加した4層構造や、最も好ましい構造としての「A層/B層/C層/B層/A層」構造の5層構造などが挙げられる。また、A〜Cの各層を形成する材料としては、以下に詳細に説明するものを用いることができ、1つの層(A層、B層又はC層)を1つの材料だけで形成する必要はなく、複数の材料で形成してもよい。1つの層(A層、B層又はC層)を複数の材料で形成する場合には、各材料を混合して用いてもよいし、各材料からなる別個の層としたものを積層して当該1つの層(A層、B層又はC層)を形成してもよい。
<補強材のバリア層(A層)>
バリア層は、一定以上の透湿抵抗を有する、水蒸気バリア性を有する樹脂で形成される。樹脂自体が物性として水蒸気バリア性を有するものであっても、また樹脂表面を加工して水蒸気バリア性を付与したものであってもよい。例えば、樹脂フィルムにアルミニウムなどを蒸着またはコーティングしたものが挙げられる。樹脂フィルムとしては任意の樹脂が使用でき、例えばポリエチレンテレフタレート、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、無可塑塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、アセチルセルロース、ポリカーボネート、セロファン、ポリアミドなどが挙げられる。これらのうちでも、補強材を熱融着によって作製する場合には、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの軟化点が比較的高く軟化しにくい高分子を用いることが、作業性が向上することから好ましい。
樹脂フィルムへのコーティングまたは蒸着処理としては、樹脂フィルムの水蒸気バリア性を向上させるものであればどのような処理でもよく、例えば、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの蒸着や、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などのコーティングなどが挙げられる。樹脂フィルムの水蒸気バリア性を向上させる観点からは、PVDCコーティングまたはアルミニウムなどの金属蒸着が好ましく、焼却時のダイオキシンの問題を考慮するとアルミニウム蒸着がより好ましい。なお、補強材の防湿性を高めるためには、補強材の表面側(中間層2bの反対側の面)に樹脂フィルムが向き、中間層2b側にコーティングや蒸着された面が向くように配置するとよい。
バリア層は、透湿抵抗が0.2m・24h/g以上の層であることが好ましく、さらに好ましくは0.25m・24h/g以上である。バリア層は水蒸気バリア性を発揮して内部への湿気の侵入を最も抑制するための層であり、補強材2の例えば最上面及び最下面(すなわち最表面)に配される。バリア層の厚さは100μm以下であると好ましく、60μm以下であるとより好ましい。厚すぎると温度変化による寸法変化の際の力が大きくなり、各層のバランスがとれなくなる場合がある。一方で、薄すぎると破れてしまう場合があるので、ある程度の厚さにして強度を付与することが必要である。バリア層で使用される樹脂フィルムは防湿性の向上とコーティングまたは蒸着層を保護するためには厚い方が好ましく、8μm以上であると好ましく、10μm以上であるとより好ましい。
<補強材のコア層(C層)>
コア層(C層)は、パルプシート(紙系材料の積層体)又は不織布シートの少なくとも一種からなる層である。例えば、50質量%以上がパルプ、古紙、綿などのセルロース由来の原料を抄紙などしてボード状に加工した紙系材料や、ポリエステルなどの樹脂製繊維による不織布シートのような繊維積層体などが、比較的軽量で好適に用いることができる。上記のうちでは、紙系材料からなるシート(パルプシート)が好ましい。また、上記の紙系材料や繊維積層体は、必要に応じて紙力増強剤、湿潤紙力剤、バインダー成分、サイズ剤などの添加剤を含んでいてもよい。
コア層に用いられる材料は、密度が0.30g/cm以上0.80g/cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.35g/cm以上0.70g/cm以下である。0.30g/cm以上0.80g/cm以下の密度とは比較的低密度の材料であり、寸法安定性と切削加工性に優れた材料である。0.30g/cmよりも低密度の素材では、補強材のヤング率が低くなり、強度の点から問題となるおそれがある。0.35g/cm以上であると強度確保の点からより好ましい。一方で、所定の厚さを確保するコア層が0.80g/cmよりも高密度であると、コア層単独の寸法変化が大きく、また寸法変化に伴う応力も大きくなり、結果として補強材の寸法変化が大きくなる場合がある。寸法変化と加工の点からは、0.80g/cm以下であるとより好ましく、0.70g/cm以下であるとさらに好ましい。
また、コア層の厚さが0.50mm未満では補強材全体の強度が不十分で、曲がりやすくなりすぎて補強材として不十分なものとなりやすいため、0.50mm以上であることが好ましく、0.60mm以上であるとさらに好ましい。補強材として必要な剛性を確保するには、素材の強さだけでは不十分で、一定の嵩高さが必要となるからである。
<補強材の中間層(B層)>
中間層(B層)は、一定以上の透湿抵抗を有する一種以上の層であり、具体的には樹脂ラミネート紙及び樹脂シートが好ましい。樹脂ラミネート紙としては、例えばポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂が両面にラミネートされた耐水紙などが挙げられる。樹脂シートとしては、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂からなるシートが挙げられる。中間層は、コア層よりも密度が低いと補強材としての強度が不十分となる場合があるため、密度が0.70g/cm以上であることが好ましい。素材にもよるが、1.00g/cm以上であるとより好ましい。
また、中間層の透湿抵抗は、0.1m・24h/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.15m・24h/g以上、さらに好ましくは0.2m・24h/g以上で、高いほど好ましい。中間層はバリア層とともに補強材の水蒸気バリアとして機能する。バリア層だけでは完全には水蒸気の侵入を防ぐことは難しい場合もあり、補強材全体の透湿抵抗を高め寸法変化を最小限に抑えるために、中間層にもある程度の水蒸気バリア性を発揮することが求められる場合がある。中間層の透湿抵抗を高めるために、2以上の紙を重ねて使用することができ、例えば透湿抵抗0.11m・24h/gの樹脂ラミネート紙を2枚使用すると、B層の透湿抵抗は0.22m・24h/gとなる。
また、中間層の厚さは、0.60mm以上が好ましく、さらに好ましくは0.70mm以上である。中間層は、コア層とともに補強材の剛性を確保し、一定の嵩高さを出すための層である。中間層が薄すぎると、補強材としての強度が不十分となりやすく、コア層の場合と同様に一定の嵩高さが必要となるからである。
<補強材の作製方法>
上述したバリア層(A層)、中間層(B層)及びコア層(C層)を用いて補強材を作製する際には、最も好ましい「A層/B層/C層/B層/A層」の5層構造を例にして説明すると、C層の上下面にB層をそれぞれ少なくとも1層、さらにその上下面にA層を積層し、各層を接着する。接着の際には熱融着などの手段を用いることができ、例えばA層とB層の間に熱により溶融する樹脂フィルムを挟み、A〜C層全体を加熱圧縮して熱融着により接着して、補強材を作製することができる。例えばA層とB層との間を熱溶融する樹脂フィルムとしては、熱によって溶融しA層(バリア層)とB層(中間層)を融着する性質を有する樹脂を用いることが好ましく、例えば汎用ポリエチレンなどを用いることができる。またA層またはB層は補強材の表面層として積層されることが最も好ましい。A層またはB層が表面層ではない場合(例えば紙系シート(C層)が表層側に構成された場合)は、水蒸気のバリア機能が発揮できず、補強材の寸法変化が大きくなるため好ましくない。
補強材の一例としては、透湿抵抗が0.2m・24h/g以上であり、かつ5〜20μm厚さのアルミ蒸着を行ったPET(ポリエチレンテレフテレート)からなるバリア層(A層)、透湿抵抗が0.1m・24h/g以上の樹脂ラミネート紙(密度236g/m、CaCOを3%を含有した170g/mの上質耐水紙の両面にポリエチレン層を30μmの厚さでラミネート)からなる中間層(B層)、および密度0.3〜0.8g/cmの紙系シートからなるコア層(C層)を前述した順に少なくとも5層から9層組み合わせて形成される積層シートが挙げられる。このような積層シートにすることで、各々の層における線膨張による寸法変化を補うことができ、安定した曲げ強度特性と寸法安定性を備えることが可能となる。
補強材の透湿抵抗値(m・24h/g)は、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、望ましくは1.15以上である。この場合、得られる補強材の寸法変化が小さくなり、畳の表面のよれや寸法変化が小さくなるため、好ましい。
補強材シートの合計の厚さが厚くなると、現状使用している合板のように極端に切削性が悪くなる傾向がある。一方、バリア層(A層)及び中間層(B層)の防湿効果がある面材の合計の厚さが0.5mm以下となると、面材としての強度が著しく低下することとなり、繰り返し圧縮(35kgの荷重で5万回繰り返し圧縮が掛かったときの畳の変位量であり、4mm以下の変異量の場合を合格と規定。)の変異量が大きくなる傾向がある。
<緩衝材>
補強材2の上面側に接合される緩衝材3は、クッション性を有する材料であれば特に材質など限定されるものではなく、様々な種類の繊維材料からなる不織布やフェルト状材料などが利用でき、例えば低密度パルプシートなども用いることができる。好ましくは厚さ2mm程度のポリエチレン樹脂などの材料からなる発泡プラスチックシートである。
<裏面材>
裏面材4は任意であるが、平織したテープヤーンをクラフト紙に圧着したシートなどを用いることができ、裏面材4を使用する場合には、樹脂発泡体1の下面側(床下側)に設置される。
<畳床の作製方法>
以上の材料を利用して畳床を形成する場合、樹脂発泡体1の上面に順に補強材2及び緩衝材3を、樹脂発泡体1の下面側に任意で裏面材4を設置し、ポリプロピレンなどの材質からなる縫糸を用いて各材料を縫着、一体化させる。特に各材料を縫着するに当たって、あらかじめ樹脂発泡体1と補強材2とを接着剤や粘着テープなどを用いて接着した場合、製床機による材料のずれがなく、かつ畳床としての曲げ剛性が向上するため畳表を貼り付けた際の反り防止効果が向上する。
こうして上述した補強材2を使用して製造された建材畳床は十分な強度を有することは勿論、従来から補強材として使用されていた合板に比べて裁断時の加工性が非常に良く、さらには、裁断後の端材や古畳を解体、各材料を分別リサイクルする際においても端材や廃材となるボードを再利用することができる。
補強材として、下記に示す補強材A〜Kを準備した。
MF 7:単層低密度パルプ紙(密度0.45g/cm、厚さ0.7mm、丸三製紙(株)製)
MF10:単層低密度パルプ紙(密度0.41g/cm、厚さ1.0mm、丸三製紙(株)製)
MF15:単層低密度パルプ紙(密度0.40g/cm、厚さ1.5mm、丸三製紙(株)製)
紙管:高密度紙
(密度0.7g/cm、厚さ1.0mm、レンゴー紙管原紙5Kレンゴー(株)製)
SP:両面ポリエチレン耐水紙
(密度0.8g/cm、厚さ(1枚当たり)0.23mm、
透湿抵抗(1枚当たり)0.11m・24h/g、丸三製紙(株)製)
VM−PET:アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート
(アルミを厚さ12μmで蒸着させたPET、
透湿抵抗(1枚当たり)0.28m・24h/g)
クラフト紙:市販品、密度50g/m
ベニヤ合板:JAS認定ベニヤ合板、厚さ2.35mm×巾910mm×長さ1820mm
補強材A(VM−PET/SP×3/MF7/SP×3/VM−PET)は、紙系シートである単層低密度パルプ紙(MF7)をコア層とし、その両面に樹脂ラミネート紙である両面ポリエチレン耐水紙(SP)を中間層としてそれぞれ三層配置することで「SP×3/MF7/SP×3」の積層体を構成し、さらにこの積層体の両面に、接着材としての汎用ポリエチレン(厚さ20μm、商品名NUC−8000、ダウ・ケミカル日本(株)製)を用いて、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VM−PET)をアルミ蒸着面が内側(すなわち汎用ポリエチレン側)になるように配置して、全体を熱融着させた、長さが1827mm、幅が913mm、厚さが2.12mmの補強材である。なお、VM−PETの透湿抵抗は0.28m・24h/gであり、水蒸気バリア層として作用する。他の補強材B〜Eも同様にして作製した。
補強材F(VM-PET/紙管)は、上記VM−PETと紙管の間に接着材として上記NUC−8000をはさみ全体を熱融着させたもので長さ及び幅は補強材Aと同一である。
補強材G(VM-PET/紙管/VM-PET)は、上記VM−PETと紙管の間にそれぞれ接着材として上記NUC−8000をはさみ全体を熱融着させたもので長さ及び幅はは補強材Aと同一である。
補強材H(クラフト紙/SP×2/クラフト紙)は、上記クラフト紙とSPの間に接着材として上記NUC−8000をはさみ全体を熱融着させたもので長さ及び幅は補強材Aと同一である。補強材Iも同様にして作製した。
補強材J(SP×3/MF15/SP×3)は、上記SPとMF15の間に接着材として上記NUC−8000をはさみ全体を熱融着させたもので長さ及び幅は補強材Aと同一である。
また、樹脂発泡体として、以下の3種類の樹脂発泡体を準備した。
<実施例1>
樹脂発泡体として発泡体a、補強材として補強材A、緩衝材として厚さ2mmのポリエチレン発泡シート、裏面材として平織したテープヤーンをクラフト紙に圧着したシートを用いた。まず、樹脂発泡体、補強材、緩衝材及び裏面材をそれぞれ1820mm×910mmに切断し、樹脂発泡体の上面に補強材及び緩衝材を、樹脂発泡体の下面に裏面材を配し、畳床縫着機を用いて、各材料を縫着、一体化することによって畳床を製作した。次に、畳床を900mm×900mmに裁断し、畳表の張合せ加工を行い、畳を作製した。畳表には日本農林規格2等相当の畳表を使用した。
畳表の張合せ加工を行うにあたって、一般の畳加工業者で使用されている框及び平刺し縫着用の縫着機を用いて畳を加工したが、框及び平刺しの切断加工性については、従来の合板を補強材として使用した畳床よりも切断が容易であった。また、畳表を縫着するにあたって、畳の反りの発生等の問題はなく、従来の合板を補強材として使用した畳床と同様に、一般に使用されている縫着機で問題なく加工できることが確認された。さらに、上記のように加工した畳を、敷設し、約半年間実際に使用した結果、季節の温度変化による畳の伸縮はほとんどなく、畳のヘタリ等の性能についても、従来の補強材に合板を使用した畳と何ら変わりが無く、実用上問題のない畳であることが確認された。
<実施例2〜9>
補強材及び樹脂発泡体として表3に示すものを用いた以外は、実施例1と同様の工程により畳床、そして畳を作製した。
<比較例1〜9>
補強材及び樹脂発泡体として表4に示すものを用いた以外は、実施例1と同様の工程により畳床、そして畳を作製した。
<実用性能評価>
以上のようにして得られた実施例1〜9及び比較例1〜9の畳に対して、実用性能評価を行った。実用性能評価は、寸法変化、繰り返し圧縮及び加工性を評価した。
寸法変化については、900mm×900mmの畳を、温度23℃湿度50%で1日間、温度25℃湿度90%で3日間、温度25℃湿度90%で7日間、温度25℃湿度30%で1日、温度25℃湿度30%で3日、温度25℃湿度30%で7日、温度5℃湿度30%で1日間、温度5℃湿度30%で3日間、温度5℃湿度30%で7日間、温度23℃湿度50%で1日間において試験を行い、上記に示す期間毎に畳の長さ及び幅を測定した上、最終的な畳の寸法変化が1mm以内のものを合格とした。表3では、寸法変化が1mm以内のものを○とし、1mmよりも大きいものを×とした。
繰り返し圧縮試験は、冶具に30mmサイクロイド曲線、35kgの点荷重にて5万回繰り返し圧縮をかけたときの変位量が4mm以下のものを合格とした。表3では、繰り返し圧縮による変位量が4.0mm未満のものを○とし、4.0mmのものを△とし、4.0mmより大きいものを×とした。
畳の加工性については、切断面を肉眼で観察し、バリや凹凸がないものを○とし、バリや凹凸が観察されたものを×とした。
実施例1〜9の結果より、本発明の補強材を用いた畳床は、寸法変化が少なく繰り返し圧縮試験も良好であり、加工性も良好であった。
しかし、比較例1及び2に示すように、VM−PET(バリア層)及び紙系シート(紙管)よりなる層(コア層)を有していても中間層を有しない補強材を用いた畳床は、得られた畳床の寸法変化が大きくなり、実用に向かないものとなった。また、比較例3〜5に示すように、中間層及びコア層のみからなる補強材を用いた畳床も、得られた畳床の寸法変化が大きくなり、場合によっては加工性も悪くなり、実用に向かないものとなった。また、比較例6に示すように、補強材として従来のベニヤを用いた畳床は、加工性が悪い結果となった。さらに、比較例7〜9に示すように、本発明の補強材を用いても、樹脂発泡体の圧縮強度が20N/cmよりも低いと、繰り返し圧縮評価が悪くなった。
以上のデータが示すように、本発明による畳床は、畳加工時の加工性を改善すると同時に、従来の普通合板を使用した建材畳床と比べてほぼ同等の実用性能を有していることが分かる。
1 樹脂発泡体
2 補強材
3 緩衝材
4 裏面材
10 畳床
2a バリア層
2b 中間層
2c コア層

Claims (8)

  1. 下記A層、B層およびC層を有する補強材を備えた畳床であって、前記補強材が、下記A層/下記B層/下記C層/下記B層/下記A層からなる層構成を有する、畳床。
    (A)アルミニウム、シリカ、アルミナおよびポリ塩化ビニリデンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着またはコーティングした少なくとも一種の樹脂
    (B)一種以上の樹脂ラミネート紙または樹脂シート
    (C)パルプシートまたは不織布シートの少なくとも一種
  2. 前記補強材の透湿抵抗が0.8m・24h/g以上である、請求項に記載の畳床。
  3. 前記B層の密度が前記C層の密度よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の畳床。
  4. さらに、樹脂発泡体および緩衝材を備えた、請求項1〜のいずれか1項に記載の畳床。
  5. 樹脂発泡体、補強材および緩衝材を備えた畳床であって、前記補強材が下記A層、B層およびC層を有するものである、畳床。
    (A)透湿抵抗が0.2m・24h/g以上である樹脂または樹脂複合体
    (B)透湿抵抗が0.1m・24h/g以上である一種以上の樹脂ラミネート紙または樹脂シート
    (C)パルプシートまたは不織布シートの少なくとも一種
  6. 前記樹脂発泡体の圧縮強度が20N/cm以上である、請求項4または5に記載する畳床。
  7. さらに、裏面材を備えた、請求項5または6に記載する畳床。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載する畳床を備えた、畳。
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