JPH09268741A - 耐火性畳 - Google Patents

耐火性畳

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JPH09268741A
JPH09268741A JP7894596A JP7894596A JPH09268741A JP H09268741 A JPH09268741 A JP H09268741A JP 7894596 A JP7894596 A JP 7894596A JP 7894596 A JP7894596 A JP 7894596A JP H09268741 A JPH09268741 A JP H09268741A
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tatami
fire
tatami mat
aluminum foil
laminated sheet
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JP7894596A
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Yasuyuki Eguchi
靖之 江口
Koichi Shiragami
浩一 白神
Hitoshi Tanji
仁 丹治
Yuusuke Hashizume
悠介 橋爪
Hiroo Suzuki
裕生 鈴木
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CHIYODAYA KK
M EE PACKAGING KK
Hagiwara Industries Inc
MA Aluminum Corp
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CHIYODAYA KK
M EE PACKAGING KK
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Hagiwara Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災時などにおける安全性に優れた防火性能
及び防火性能を含めた耐久性を具備した耐火性畳を得
る。 【解決手段】 不燃性または難燃性シートを、少なくと
も畳表地の内側の畳床上面に被覆した畳において、前記
不燃性または難燃性シートが、合成樹脂製の延伸糸条か
らなる織布と、表面に保護層を形成したアルミニウム箔
との耐火積層シートであり、該耐火積層シートはアルミ
ニウム箔を表層、織布を裏層として畳床に被覆してなる
ことを特徴とする耐火性畳である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災時などにおけ
る安全性に優れた防火性能及び防火性能を含めた耐久性
を具備した耐火性畳に関するものである。
【0002】
【従来の技術】畳は、従来より日本家屋の床材として広
く使用されている。この畳の構成としては、稲藁を主体
とした畳床の表面に藺草などで織成した畳表地を被着
し、縁を縫い付けて仕上げたものが一般的である。とこ
ろで、近年、ビルやマンションなど高層建築物が増加す
るなかで、カーペットなどの床材、壁材、天井材など耐
火性資材の使用が義務付けられるものもあるが、和室の
床材として必要不可欠な畳に関して、稲藁や藺草など易
燃性の素材が用いられ、防火性能の点において不充分で
ある。
【0003】近時、畳を構成する部材を従来の天然素材
に代替して各種合成樹脂素材を用いる試みがある。例え
ば、畳床に関して、日本工業規格JIS A-5914ではインシ
ュレーションファイバーボード及びポリスチレンフォー
ム板を材料として製造した畳床について規定されてお
り、また特開平2-122115号公報には無機繊維層と発泡樹
脂層と木質層からなる畳床が開示されている。畳表に関
して、特開昭63-274533号公報、特開平1-92443号公報、
特開平1-104855号公報には、熱可塑性樹脂よりなる紐状
体を不規則に収束形成し、表面に融着被膜を形成した模
造イグサを織成した畳表が開示されている。これら天然
素材の代替品は、耐候性に優れ、衛生的で、安定供給が
望める点で有効であるが、風合いや香り、吸湿性、通気
性など天然畳に劣るところが多く、また防火性能におい
ても不充分でかえって易燃性となる材料もあり、さらに
有害な燃焼ガスの発生を含めて問題点が多く存在するも
のである。
【0004】畳の防火性能の向上を目的として、不燃性
又は難燃性シートを畳床に巻き付ける、あるいは畳床と
畳表との間に介在させる畳構造が多く提案されている。
ここで、不燃性または難燃性シートを具体的にみると、
特開昭51-122918号公報では金属箔、石綿紙が挙げら
れ、また実開昭58-177431号明細書ではアルミ箔、石綿
紙、ガラス繊維不織布、無機質繊維による不織布が挙げ
られ、実開昭63-10147号明細書ではパルプと無機粉末
(結晶水含有水酸化アルミニウム粉末やマイカ粉末)から
なるシートが挙げられ、実開平4-1946号明細書ではガラ
ス繊維と燐酸パルプとからなるガラス繊維混入難燃パル
プ紙が挙げられ、登録実用新案第3009251号公報ではア
ルミ板が挙げられている。
【0005】こうした不燃性または難燃性シートにおい
て、ロックウール、ガラスウール、セラミックファイバ
ー等で代表される無機質繊維からなるシート状物を用い
た場合は、畳の使用状況、長期間の使用においては無機
質繊維が折れて粉化し、その短繊維が畳表の目隙間を抜
けて畳表の表面に露出することが考えられ、アルミ板
(一般に200μmを超える厚みを有するものと定義される)
を用いる場合は、畳床の表面から側面あるいは裏面への
曲折箇所での馴染みがなく不必要な凹凸が生じ易く、ア
ルミ箔(一般に200μm以下の厚みを有するものと定義さ
れる)は畳使用時の踏圧で破損する恐れがあり水分の付
着による酸化劣化が生じ易いなど、それぞれ防火性能以
外の点で問題となることが多く、未だ満足するものがな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
不燃性または難燃性シートを畳床に巻き付ける、あるい
は畳床と畳表との間に介在させることによって畳に防火
性能を付与するという技術思想のもと、畳の構成部材に
好適な不燃性または難燃性シートについて鋭意検討し
て、優れた防火性能に加えて、防火性能維持を含めて耐
久性に優れた耐火性畳を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、不燃性または
難燃性シートを、少なくとも畳表地の内側の畳床上面に
被覆した畳において、前記不燃性または難燃性シート
が、合成樹脂製の延伸糸条からなる織布と、表面に保護
層を形成したアルミニウム箔の積層体であり、該積層体
はアルミニウム箔を表層、織布を裏層として畳床に被覆
したことを特徴とする耐火性畳であって、これにより上
記目的を達成した。
【0008】ここで用いられる耐火積層シートを構成す
るアルミニウム箔の厚みは6.5〜100μmの範囲であり、
耐火積層シートの機械的強度と加工性、耐火性などを考
慮して厚みを設定する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の耐火性畳における不燃性
または難燃性シートに用いる耐火積層シートの構成を図
1および図2に示す。この耐火積層シート1は、基材と
なる合成樹脂繊維で形成される織布2と、不燃層となる
アルミニウム箔3とを接着層4を介して積層一体化した
ものである。
【0010】織布2は、熱可塑性樹脂としてポリプロピ
レン、高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂
のほか、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などを
溶融紡糸し縦一軸方向に延伸配向して得られる高強力の
延伸糸条からなるもので、糸条の形状としては、インフ
レーション法またはTダイフラット法によりダイスより
溶融樹脂を押し出し冷却して製膜したフィルムを、細断
した後に数倍に加熱延伸して得られるフラットヤーン
や、フラットヤーンを割繊起毛したスプリットヤーン、
またモノフィラメントや、低繊度モノフィラメントを収
束したマルチフィラメントなど、特に制限なく使用でき
る。
【0011】合成樹脂製の延伸糸条の繊度は、一般的な
延伸糸条の引張強力を4〜7g/dr程度とすれば、織布強
度を考慮すると300〜3,000drの繊度が適当といえる。こ
の延伸糸条の織成には、特殊な織機は必要とせず、スル
ザー型織機、ウオータージェット型織機、サーキュラー
織機、レピア織機などが使用でき、織成組織も制限はな
い。この延伸糸条からなる織布2が、積層体の実質的強
度を保持する基材となることから、その機械的強力、柔
軟性、生産効率などを鑑み、経緯の打込密度として5〜
25本/インチで交織されたものが好適に採用される。
【0012】前述のように、織布2は易燃性の合成樹脂
製であり、もっぱら基材として機械的強力の向上や適度
な弾力性付与に関わり、不燃性を付与する必要性から不
燃材のアルミニウム箔3を貼り合わせる。ここで、アル
ミニウム箔3は、その厚みを6.5〜100μm厚の範囲で形
成されたものであることが肝要である。すなわち、厚み
6.5μm未満の薄膜アルミニウム箔は箔圧延技術が特殊な
ものとなり安定生産性に劣り、また箔自体にコシがなく
機械的強力に劣ったもので、補強材としての織布と組み
合わすにしても加工性、取扱性が悪く、さらには衝撃に
よる破断、損傷が生じ易く耐久性が大きな問題となる。
一方、厚みが大なる板状に近いものは防火性に有効であ
るが、厚み100μmを超えるとコシが有り過ぎる傾向にあ
ってしなやかさに欠け、畳床の表面から側面、更に底面
へと折曲げて巻き込む場合に折線部分が浮き上がるなど
して、後の畳の製造過程で問題となることが考えられ
る。
【0013】前記織布2とアルミニウム箔3は、後述す
るように積層一体化して耐火積層シート1となるが、少
なくとも露出側となるアルミニウム箔表面には、腐食防
止のために保護層5を形成する必要がある。この保護層
形成のための表面処理技術としては、例えば、表面にコ
ロナ放電処理を行う、またはチタン系、イミン系、ブタ
ジエン系、ウレタン系等のアンカー剤を塗布し、あるい
は直接にアクリル系、エポキシ系、フッ素系、フェノー
ル系、シリコン系、ニトリル系、ウレタン系、オレフィ
ン系、エステル系、アミド系、塩化ビニル系樹脂などを
溶剤に溶かし込んだ液状被膜剤を塗布固化する、または
前記樹脂よりフィルム成形して貼り合わせる等の被膜形
成手段が採用される。つまり、アルミニウム箔3が不燃
層であることから、特に難燃性、不燃性を有する必要
や、着火温度が高いものなどに限定されることはない。
なお、保護層5の厚みは、被膜の組成によっても異なる
が、腐食防止の目的を達するためには通常1〜20μm程
度とされる。
【0014】次に、織布2とアルミニウム箔3は、接着
層4を介して強固に接合されるものであり、この積層体
とする方法は、特に制限されることなく、例えば溶融押
出ラミネート法、ドライラミネート法、ウエットラミネ
ート法など公知技術を用いることができるが、なかでも
低廉で生産効率が良好で、かつ強固に接合できる製法と
して溶融押出ラミネート法が好適に採用される。
【0015】ここで、溶融押出ラミネート法の場合、織
布2とアルミニウム箔3との間に溶融状態でサンド樹脂
を押し出し、高温、加圧下でラミネートして積層体を得
る方法であるから、本発明のように積層対象部材が延伸
糸条である場合は、サンド樹脂の融点を延伸糸条の融点
より低くして、延伸糸条の延伸効果を失わせることのな
いよう注意する必要がある。したがって、用いるサンド
樹脂としては、比較的低融点で、織布2およびアルミニ
ウム箔3との接着性が良好なものとして、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体、無水マレイン酸−ポリオレ
フィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などが
挙げられる。このサンド樹脂による接着層4は、積層体
を強固に接合し、積層体の機械的強力を向上することを
目的とするが、本発明では積層体が柔軟性を必要とする
ことから、10〜50μm程度の接着層4の層厚みとするこ
とが好ましい。
【0016】こうして得られる耐火積層シート1は、畳
の内側に用いることで畳床への燃焼を遮断するものであ
り、図3に示すように、少なくとも畳床6と畳表7との
間に介在させることが必要であり、また図4に示すよう
に、畳床上面を含む畳床側面を被覆する、さらには図5
に示すように、畳床上面、側面、下面まで全面を被覆す
る、もしくは図6に示すような畳床上面用と畳床下面用
の別のシート材で畳床を被覆するなどにより耐火性畳を
構成する。これら各種態様の実施は、適宜大きさの耐火
積層シート1を畳床6に巻き付けるように被覆すること
や、別シートとして畳床6の上面、下面、側面の各面を
被覆したり、また、畳表7や畳縁地8の裏層に耐火積層
シートを配して耐火性畳を構成することができる。ここ
で、畳縁地8や畳裏材9は、従来の畳と同様である。
【0017】この耐火性畳における耐火積層シート1
は、図7に示すようにアルミニウム箔3を表層(外側面)
とし、織布2を裏層(内側面)として接着層4で一体化し
たもののアルミニウム箔3の表層側に保護層5を設けた
ものである。また、この被覆方法としては、畳床6に縫
合あるいは粘着加工により固定する方法が通常用いられ
るが、予め畳表7や畳縁地8に裏打ちして一体化したも
のを畳床6に取り付けることもできる。
【0018】なお、耐火積層シート1は、畳を構成する
部材であるため、畳の使用状況、長期間の使用や、畳使
用時の踏圧などに対する耐久性を満足するものとして、
引張強力が50kgf/5cm以上であることが好ましい。
【0019】本発明において耐火積層シート1は、害虫
忌避性を付与する目的で、N,N'−ジエチルメタトルア
ミド、2−ハイドロキシエチルオクチルサルファイド、
2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)
−シクロプロパン−1−カルボキシレート、2,2−ジ
ブロモ−3−ニトリルプロピオンアミドなど公知の薬剤
を構成する合成樹脂中に混入したり、あるいは表面に薬
剤溶液を塗布することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0021】実施例1 熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン(密度=0.95
6g/cm3、MFR=1.0g/10min.)を選び、押出機に投入して
インフレーション成形法によりフィルムを製造し、これ
を細幅にスリットした後、熱板接触式延伸法により、延
伸温度110℃、延伸倍率5.2倍で縦一軸方向に延伸配向
し、115℃のアニーリング処理を施して、繊度900drのフ
ラットヤーンを成形した。このフラットヤーンを経緯条
に用い、スルザー型織機により打込密度10×10本/イン
チで平織り組織で織成して織布2とした。
【0022】不燃層として、6.5μm厚みのアルミニウム
箔3を形成し、その表層に3μm厚のアクリル系樹脂被
膜を保護層5として形成したものを用いた。
【0023】織布2とアルミニウム箔3との貼り合わせ
は、溶融押出ラミネート法により、サンド樹脂としてエ
チレン−アクリル酸共重合体(MFR=1.0g/10min.、AA含
量15%)を選び、アルミニウム箔3の保護層を有さない
面と織布2との間に溶融状態でサンド樹脂を押し出し、
加圧冷却してラミネートし、この25μm厚みの接着層4
により一体化して積層体を形成し、耐火積層シート1を
得た。
【0024】この耐火積層シート1を用いた畳構成とし
ては、図5および図7に示す形態であって、具体的に
は、畳床6にインシュレーションファイバーボードを用
い、耐火積層シート1で畳床6の表面と側面の全部を巻
き込み、畳床下面にも耐火積層シート1を配して縫合
し、さらには、畳床幅方向の側面も耐火積層シート1を
70mm幅にスリットしたテープ状で被覆して縫い付けるこ
とによって、畳床6の全ての面を防火処理した。これ
に、藺草製の畳表7、高密度ポリエチレンモノフィラメ
ント織物の畳縁地8の各部材を用いることで、耐火性畳
を製作した。
【0025】実施例2 不燃層として、18μm厚みのアルミニウム箔の表層に3
μm厚のアクリル樹脂被膜を保護層として形成したもの
を用いた他は、実施例1と同様に耐火性畳を製作した。
【0026】実施例3 不燃層として、100μm厚みのアルミニウム箔の表層に3
μm厚のアクリル樹脂被膜を保護層として形成したもの
を用いた他は、実施例1と同様に耐火性畳を製作した。
【0027】比較例1 不燃層として、18μm厚みのアルミニウム箔の表層に保
護層を形成していないものを用いた他は、実施例1と同
様に耐火性畳を製作した。
【0028】比較例2 実施例2において、織布を使用しない他は同様に耐火性
畳を製作した。
【0029】比較例3 実施例3において、織布を使用しない他は同様に耐火性
畳を製作した。
【0030】比較例4 不燃層として、25μm厚の一軸延伸ポリエチレンフィル
ムにアルミニウムを500Å厚で真空蒸着し、さらに蒸着
面を低密度ポリエチレン10μm厚で保護層を形成したア
ルミ蒸着フィルムを用いた他は、実施例1と同様に耐火
性畳を製作した。
【0031】評価 実施例および比較例の耐火性畳の評価結果をまとめて表
1に示す。なお、表1中の耐火積層シートの物性につい
ては、引張強力および引張伸度はJIS-L1096に準拠して
定速伸長形試験機で試料幅5cm、つかみ間隔10cm、引張
速度10cm/min.での測定値、引裂強力はJIS-L1096 A-1法
に準拠した測定値を示す。
【0032】防火性能は、畳表面にガスバーナを使用し
て強制的に火炎を10分間放射した時の状態を観察したも
ので、以下の3レベルで評価した。 ○:アルミニウム箔および畳床に変化が見られない。 △:アルミニウム箔は表面炭化が始まっているが畳床に
着火燃焼がない。 ×:畳床まで燃焼が進んでいる。
【0033】耐久性能は、畳表面から約20cm2の加圧面
をして荷重20kgで圧縮、解除を繰り返し、48時間経過後
の耐火積層シートの状態を観察したもので、以下の2レ
ベルで評価した。 ○:アルミニウム箔に変化が見られない、もしくは損傷
は極めて小さい。 ×:アルミニウム箔の損傷が大きい。
【0034】アルミニウム箔の腐食は、約18カ月間の畳
の実使用の後に、表面状態を観察したもので以下の2レ
ベルで評価した。 ○:アルミニウム箔表面に腐食が認められない。 ×:アルミニウム箔表面に腐食が認められる。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、不燃層としてのアルミニ
ウム箔の厚みは、18μm厚とした実施例2において優れ
た防火性能を有し、実質的な防火効果の要求に対して6.
5μm厚(実施例1)で効果を有することが確認された。つ
まり、箔厚6.5μm未満のものはアルミニウム箔として特
殊なもので入手し難く、また箔自体が機械的強力に劣る
ため、貼り合わせの加工性、取扱性が悪く、特に実施例
で用いた溶融押出ラミネート法では、張力制御が困難
で、ラミネート速度を通常の1/2〜1/3程度の低速で対応
する必要があるなど、防火性能以外の点で実使用は極め
て困難なものと判断される。一方、アルミニウム箔が厚
いほど防火性能は向上すると考えられるものの、畳の製
作工程においては、アルミニウム箔の厚みが増すとしな
やかさに欠け、折曲げた部分の畳表あるいは畳床との密
着度が悪く作業性に支障を来たし、また、得られる畳に
おいては畳表の下面で平面部の浮き上がりが生じ易く、
踏圧時の不快感を与えることで問題となって、概ね100
μm厚(実施例3)が限度とされる。また、アルミ蒸着フ
ィルムを用いた比較例4は、蒸着膜が薄層であるため燃
焼で炭化し、畳床への燃焼進行を遮断できず防火性能は
有さないものであった。
【0037】加えて、織布の存在が、アルミニウム箔の
コシの弱さ、低強度を補強して、適度な弾力性やしなや
かな質感を保持し、耐久性を向上させていること、また
表面処理による保護層の存在がアルミニウムシートの腐
食破損を防止して長期間の使用に耐え得ることが可能と
なることは、この評価で明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、易燃性の
畳床と畳表の間に、アルミニウム箔を不燃層として構成
される耐火積層シートを挿入することで、畳表が焼けて
も畳の主体である畳床への燃焼進行を遮断して火災の拡
大を抑止することができる。また、耐火積層シートは、
アルミニウム箔と織布の積層体とすることで柔軟性のあ
る高強力を有し、折曲性や畳床密着性に優れ、畳製作の
作業性が良好である。さらに、アルミニウム箔は表面に
形成された保護層によって酸化による腐食、破損が防止
され、長期間にわたり耐火性畳としての効果を維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる耐火積層シートの一部破断部分
平面図である。
【図2】本発明に用いる耐火積層シートの部分拡大断面
図である。
【図3】本発明の耐火性畳における耐火積層シート使用
形態の一例を示す中間省略断面図である。
【図4】本発明の耐火性畳における耐火積層シート使用
形態の一例を示す中間省略断面図である。
【図5】本発明の耐火性畳における耐火積層シート使用
形態の一例(実施例)を示す中間省略断面図である。
【図6】本発明の耐火性畳における耐火積層シート使用
形態の一例を示す中間省略断面図である。
【図7】本発明の耐火性畳における耐火積層シートの積
層状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 耐火積層シート 2 織布 3 アルミニウム箔 4 接着層 5 保護層 6 畳床 7 畳表 8 畳縁地 9 畳裏材
フロントページの続き (72)発明者 江口 靖之 埼玉県戸田市新曽181−1 (72)発明者 白神 浩一 岡山県浅口郡里庄町里見8625 (72)発明者 丹治 仁 埼玉県浦和市太田窪2026番地−1 (72)発明者 橋爪 悠介 茨城県北相馬郡藤代町椚木2501番地−7 (72)発明者 鈴木 裕生 東京都台東区蔵前四丁目十三番七号 株式 会社千代田屋内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不燃性または難燃性シートを、少なくと
    も畳表地の内側の畳床上面に被覆した畳において、前記
    不燃性または難燃性シートが、合成樹脂製の延伸糸条か
    らなる織布と、表面に保護層を形成したアルミニウム箔
    との耐火積層シートであり、該耐火積層シートはアルミ
    ニウム箔を表層、織布を裏層として畳床に被覆してなる
    ことを特徴とする耐火性畳。
  2. 【請求項2】 耐火積層シートを構成するアルミニウム
    箔の厚みが、6.5〜100μm厚である請求項1記載の耐火
    性畳。
JP7894596A 1996-04-01 1996-04-01 耐火性畳 Pending JPH09268741A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030048741A (ko) * 2001-12-13 2003-06-25 양철훈 알루미늄을 이용한 바닥 시공방법
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