JP2010144452A - 畳床 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚刺激性がなく、表面の平滑性が高く、低密度で、さらには廃棄も容易な寸法安定化材料を用いた畳床を提供する。
【解決手段】板状芯部材の少なくとも片面にガラス繊維含有シートを貼り合わせてなる畳床において、該ガラス繊維含有シートが3層以上の多層シートであり、外層がガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するガラス層であり、内層が木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するパルプ層と、合成樹脂フィルムからなるフィルム層とから選ばれる少なくとも1種の層であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状芯部材の少なくとも片面にガラス繊維含有シートを貼り合わせてなる畳床に関する。
畳は、い草、合成繊維等を材料とした畳表と畳床とを重畳したものである。畳床としては、古くから、稲藁を材料とした稲藁畳床が用いられてきた。稲藁畳床は、ダニ、シラミの発生、生産性が低い、重い、材料の安定的な入手が困難といった問題があり、生産量が減っている。これら稲藁畳床の問題を解決した畳床として、タタミボード、ポリスチレンフォーム板を用いた建材畳床を用いた畳が主流となっている。
近年、住宅のバリアフリー化が進む中、和洋折衷住宅において、洋室と和室との間の段差が存在しない設計とすることが求められている。この段差を無くすためには、和室の大引きを下げたり、洋室床下地の嵩を上げたりする施工が必要となる。そのため、厚さ55〜60mmの従来の畳ではなく、厚さ45mm未満、さらには25mm以下の薄畳が使用されている。薄畳は、住宅のバリアフリー化の他にも、洋室に手軽に敷いて使用する置き畳としての需要も増えている。したがって、軽量化も重要な要素である。
畳では、畳床による水分の吸収・乾燥や温度変化による膨張や収縮という寸法安定性の問題がある。薄畳は、薄いが故に、この問題が顕著であり、反り、ねじれ、ずれ、隙間等が課題となっている。寸法安定性を改善するために、畳床として寸法安定性材料を一体化させたものが提案されている。また、寸法安定化材料としてガラス繊維含有シートが提案されており、ガラスペーパーや連続した強化繊維からなるシートに熱可塑性樹脂を含浸した繊維強化シート等が例示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、ガラスペーパーには皮膚刺激性があるため、畳製造作業時に人体に悪影響が出るという問題や、表面の平滑性に劣り、畳表や板状芯部材に貼り合わせた場合、浮きが生じることがあるという問題がある。繊維強化シートでは、熱可塑性樹脂が含浸されているために、ガラスペーパーよりも皮膚刺激性や平滑性は高いものとなっているが、密度が高くなるため、畳床の軽量化には不向きなものとなっている。また、ガラスペーパーは、ほとんどガラス繊維のみからなるため、廃棄する時に不燃物が大量に出るという問題がある。繊維強化シートでは、強化繊維としてはガラス繊維といった無機繊維が用いられることが多いが、廃棄する時に、有機成分である熱可塑性樹脂と分別することが難しく、不燃物として処理しなければならないという問題がある。
特開平7−109814号公報 登録実用新案3038942号公報 特開平11−336307号公報 特開平10−311131号公報
本発明の課題は、皮膚刺激性がなく、表面の平滑性が高く、低密度で、さらには廃棄も容易な寸法安定化材料を用いた畳床を提供することである。
本発明は、板状芯部材の少なくとも片面にガラス繊維含有シートを貼り合わせてなる畳床において、該ガラス繊維含有シートが3層以上の多層シートであり、外層がガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するガラス層であり、内層が木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するパルプ層と合成樹脂フィルムからなるフィルム層とから選ばれる少なくとも1種の層であることを特徴とする畳床である。また、ガラス繊維含有シートの少なくとも片表面に、顔料とバインダーを含有する塗抹層が設けられていると好ましい。
本発明は、板状芯部材の少なくとも片面に、寸法安定化材料としてガラス繊維含有シートを貼り合わせてなる畳床である。ガラス繊維含有シートは、少なくとも3層以上の多層シートであり、ガラス繊維を含有するガラス層の間に、有機成分を主成分とするパルプ層、フィルム層から選ばれる少なくとも1種の層が存在する多層シートである。このような構成とすることで、樹脂含浸されたシートと比較して、機械的強度を保持したまま密度を低くすることができる。また、ガラス層はバインダー繊維と木材パルプを含有しているので、シートの低密度化に有効に寄与している。
本発明では、外層であるガラス層にバインダー繊維を含有させることで、皮膚刺激性を低下させると共に、表面の平滑性を高くしている。また、ガラス繊維含有シートの少なくとも片表面に塗抹層を設けることで、さらに皮膚刺激性を低下させることができるし、平滑性を高めることもできる。
本発明では、廃棄時に、ガラス繊維を含有しているガラス層とその他の層を分離することができるので、不燃物の量を減らすことができるという効果がある。
<ガラス繊維含有シートの構成>
本発明に係わるガラス繊維含有シートは、図1に示したように、外層1と内層2とで構成されている3層以上の多層シートである。外層1は、ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するガラス層である。内層2は、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するパルプ層と合成樹脂フィルムからなるフィルム層とから選ばれる少なくとも1種の層である。
本発明に係わるガラス繊維含有シートのより具体的な構成を図2〜図6を用いて説明する。図2は、外層1であるガラス層と、内層2であるパルプ層3とで構成された3層構造のガラス繊維含有シートである。図3は、外層1であるガラス層と、内層2であるフィルム層4とで構成された3層構造のガラス繊維含有シートである。図4は、外層1であるガラス層と、パルプ層3及びフィルム層4からなる内層2とで構成された4層構造のガラス繊維含有シートである。図5は、外層1であるガラス層と、パルプ層3、フィルム層4及びパルプ層3とからなる内層2とで構成された5層構造のガラス繊維含有シートである。図6は、外層1であるガラス層と、フィルム層4、パルプ層3及びフィルム層4とからなる内層2とで構成された5層構造のガラス繊維含有シートである。内層が3層までの例を示したが、4層以上であっても良く、構成する層はパルプ層及びフィルム層を適宜選択することができる。図2、図3、図5、図6に例示したように、対称となる層構成の場合、畳の反り、ねじれが発生しにくくなるので、好ましい。
本発明に係わるガラス繊維シートにおいて、2層存在する外層(ガラス層)は、その配合、坪量、密度が同じであっても良いし、異なっていても良い。図2、図3、図5、図6に例示したように、対称となる層構成の場合、2層の外層が同じであると、畳の反り、ねじれが発生しにくくなるので、好ましい。
本発明に係わるガラス繊維シートにおいて、パルプ層が2層以上存在する場合、その配合、坪量、密度が同じであっても良いし、異なっていても良い。図5に例示したように、対称となる層構成の場合、2層のパルプ層が同じであると、畳の反り、ねじれが発生しにくくなるので、好ましい。また、フィルム層が2層以上存在する場合、その材質、坪量、密度は同じであっても良いし、異なっていても良い。図6に例示したように、対称となる層構成の場合、2層のフィルム層が同じであると、畳の反り、ねじれが発生しにくくなるので、好ましい。
<ガラス層>
本発明に係わるガラス層は、ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有してなり、その他、必要に応じて各種有機合成繊維、天然繊維、無機繊維を含有することもできる。ガラス層は湿式抄造法で製造される。ガラス繊維の含有量は、ガラス層におけるガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維の全配合量に対して、10〜70質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜55質量%がさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が10質量%未満であると、寸法安定性が悪くなる場合がある。ガラス繊維の含有量が70質量%を超えると、寸法安定性は良好であるが強度が低下する恐れがある。
木材パルプの含有量は、ガラス層におけるガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維の全配合量に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。木材パルプの含有量が5質量%未満であると、湿式抄紙法で製造する際、乾燥前シートの保水性が乏しくなりフェルトからはがれ難くなる場合がある。木材パルプの含有量が70質量%を超えると、寸法安定性が得られない恐れがある。バインダー繊維の含有量は、ガラス層におけるガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維の全配合量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。バインダー繊維の含有量が5質量%未満であると、引張強度が弱く湿式抄紙の際に断紙する場合がある。バインダー繊維の含有量が40質量%を超えると、通気性が低下する恐れがある。
ガラス層の坪量は、15〜150g/mが好ましく、20〜120g/mがより好ましく、30〜100g/mがさらに好ましい。ガラス層が15g/m未満の場合、寸法安定性が確保できないことがある。ガラス層が150g/mを超えると、畳全体の質量が過剰となり、特に薄畳の場合、軽量化の特徴を阻害する場合がある。また、ガラス層の厚みは、50〜500μmが好ましく、70〜350μmがより好ましく、100〜300μmがさらに好ましい。ガラス層が50μm未満の場合、剛性不足となることがある。ガラス層が500μmを超えると、畳全体の厚みが過剰となり、特に薄畳の場合、薄化の特徴を阻害する場合がある。また、ガラス層の密度は、0.1〜0.9g/cmが好ましく、0.2〜0.8g/cmがより好ましく、0.3〜0.7g/cmがさらに好ましい。ガラス層が0.1g/cm未満の場合、繊維間の接着が不良となり寸法安定性が未達になることがある。ガラス層が0.9g/mを超えると、ガラス繊維に折れが発生して十分な寸法安定性が得られない場合がある。
<パルプ層>
本発明に係わるパルプ層は、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有してなり、その他、必要に応じて各種有機合成繊維、天然繊維、無機繊維を含有することもできる。パルプ層は湿式抄造法で製造される。木材パルプの含有量は、パルプ層における木材パルプ及びバインダー繊維の全配合量に対して、10〜99質量%が好ましく、50〜97質量%がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。木材パルプの含有量が10質量%未満であると、湿式抄紙法で製造する際、乾燥前シートの保水性が乏しくなりフェルトからはがれ難くなる場合がある。木材パルプの含有量が99質量%を超えると、バインダー繊維が不足するために面強度及び引張強度が不足する恐れがある。バインダー繊維の含有量は、パルプ層における木材パルプ及びバインダー繊維の全配合量に対して、1〜70質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。バインダー繊維の含有量が1質量%未満であると、面強度不足によりパルプ繊維が離脱する場合がある。バインダー繊維の含有量が70質量%を超えると、ガラス層との接着力が過剰となり廃棄する際にガラス層とパルプ層で均一に剥離できなくなる恐れがある。
パルプ層の坪量は、4〜50g/mが好ましく、8〜40g/mがより好ましく、10〜30g/mがさらに好ましい。パルプ層が4g/m未満の場合、廃棄時に、パルプ層とガラス層とを容易に分離しにくい場合がある。パルプ層が50g/mを超えると、畳全体の重量が過剰となり、特に薄畳の場合、軽量化の特徴を阻害する場合がある。パルプ層の厚みは、10〜300μmが好ましく、15〜200μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。パルプ層が10μm未満の場合、廃棄時に、パルプ層とガラス層とを容易に分離しにくい場合がある。パルプ層が200μmを超えると、畳全体の厚みが増し薄畳の特徴を阻害する場合がある。また、パルプ層の密度は、0.1〜1.0g/cmが好ましく、0.2〜0.9g/cmがより好ましく、0.3〜0.8g/cmがさらに好ましい。パルプ層が0.1g/cm未満の場合、繊維間の接着不良となることがある。パルプ層が1.0g/cmを超えると、厚み不足となる場合がある。
<フィルム層>
フィルム層の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン及びそれらの変性樹脂等の合成樹脂が使用される。
フィルム層の厚みとしては、制限はないが、一般に1〜100μmが好ましく、3〜70μmがより好ましく、5〜50μmが特に好ましい。1μmより薄いと、パルプ層との接着が不足する場合がある。100μmより厚いと、畳床の厚みが増してしまい、特に薄畳の場合、薄化の特徴を阻害する場合がある。
<ガラス繊維>
本発明に係わるガラス繊維は折れ難く、繊維シート形成能力があれば、ガラスウール、ガラス繊維チョップドストランド(ガラス繊維カット品)のいずれのガラス繊維でも使用することができる。本発明に係わるガラス繊維の繊維径は、2〜20μmが好ましく、4〜16μmがより好ましく、6〜13μmがさらに好ましい。ガラス繊維の繊維径が2μm未満であると、寸法安定性に劣る場合があり、一方、ガラス繊維の繊維径が20μmを超えた場合、シート形成する際に地合が悪化し、表面平滑性に劣ることがある。ガラス繊維の繊維長は、2〜30mmが好ましく、4〜25mmがより好ましく、6〜20mmがさらに好ましい。ガラス繊維の繊維長が2mm未満であると、寸法安定性に劣る場合があり、一方、ガラス繊維の繊維長が30mmを超えた場合、抄紙時のよれや固まりが発生しやすくなり、ガラス繊維シートが不均一になる恐れがある。
<木材パルプ>
本発明に係わる木材パルプとは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMP、その他いずれの種類のパルプでも良く特に限定はされない。強度の点からNBKPが好ましい。また、叩解度(CSF)は300〜600mlの範囲が好ましい。CSFが300ml未満であるとガラス繊維含有シートの寸法安定性が低下する場合があり、CSFが600mlを超えるとガラス繊維含有シートの強度が低下する場合がある。
<バインダー繊維>
本発明に係わるバインダー繊維としては、ポリビニルアルコール繊維、ビスコース繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられる。バインダー繊維は、単繊維であっても、芯鞘繊維、分割繊維等の複合繊維であっても良い。特に、ポリビニルアルコール繊維が好ましい。バインダー繊維の繊維径は、4〜40μmが好ましく、6〜25μmがより好ましく、10〜18μmがさらに好ましい。バインダー繊維の繊維径が4μm未満であると、抄紙時に抄紙ワイヤーから脱落し、バインダー能力が低下する場合があり、一方、バインダー繊維の繊維径が40μmを超えた場合、繊維の比表面積が相対的に低下し、バインダー能力が低下することがあり、また、シート表面の平滑性に劣ることがある。バインダー繊維の繊維長は、1〜20mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。バインダー繊維の繊維長が1mm未満であると、バインダー能力が低下する場合があり、一方、バインダー繊維の繊維長が20mmを超えた場合、抄紙時のよれや固まりが発生しやすくなることがあり、ガラス繊維シートが不均一になる恐れがある。
ポリビニルアルコール繊維は、常温の水ではほとんど溶解しないで繊維形態を保っているが、抄紙後の水分を含んだ状態で加熱されると容易に溶解し始める。溶解したところで、タッチロール等の設備で加圧すると、ガラス繊維や木材パルプとの間にまたがって作用するバインダー能力を発現し、その後の脱水乾燥によって再凝固し、高温水中でなければ容易に溶解しない強力なバインダー繊維となる。
<ガラス繊維含有シートの製造方法>
本発明に係わるガラス層とパルプ層は湿式抄造法で製造される。本発明に用いることができる抄紙機は、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機等、これらの抄紙機が同種又は異種の2機以上がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等である。これらの抄紙機で抄造された湿紙ウェブは加熱乾燥される。加熱乾燥手段としては、シリンダードライヤー、エアードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤーなどの方式を用いることができる。
例えば、ガラス層は、水に分散剤を添加した後、ガラス繊維を投入して、撹拌する。分散剤としては、特に限定はないが、ノニオン系分散剤を用いることが好ましい。その後、高分子ポリアクリルアミド水溶液或いは高分子ポリエチレンオキシド水溶液と言った粘剤類を添加し、往復撹拌機で撹拌した状態でガラス繊維スラリーとして貯蔵する。また、水に叩解後の木材パルプ、バインダー繊維、サイズ剤を混合分散した後、木材パルプスラリーとして、別の貯蔵タンクに送る。ガラス繊維スラリーと木材パルプスラリーとを一定量ずつ抄紙機に送り、目標の坪量となるようにガラス層の湿紙ウェブを抄造する。その後、上述の加熱乾燥手段から適宜選択して、湿紙ウェブが乾燥されて、ガラス層が形成される。
ガラス層において、内層との非接触面、つまりガラス繊維含有シートの最表面となる面は、バインダー繊維を効率よく融着させることによって、皮膚刺激性が低く平滑性の高い面とすることができる。このため、最表層となる面をシリンダードライヤーに接触させて、加熱乾燥する。ガラス層の湿紙ウェブを、未乾燥状態において、加圧しながら熱ロールに密着させ、バインダー繊維を溶融させると共に、乾燥状態として、ガラス層を製造する。シリンダードライヤーによる加熱方法としては、シリンダードライヤーにタッチロールで加圧しながら接触させても良いし、フェルトに抱かれたシリンダードライヤー群の間にガラス層を通過させて、熱ロールに接触させても良い。シリンダードライヤーのドライヤーセルは、その内部に130〜160℃のスチームを通し、ドライヤー表面は高度の研磨加工が施されていて、ガラス層表面の平滑性を得ることができるようになっている。
パルプ層は、水に叩解後の木材パルプ、バインダー繊維、サイズ剤を混合分散した後、貯蔵タンクに送り、このスラリーを一定量ずつ抄紙機に送り、目標の坪量となるようにパルプ層の湿紙ウェブを抄造する。その後、上述の加熱乾燥手段から適宜選択して、湿紙ウェブが乾燥されて、パルプ層が形成される。
図4及び図5に例示されたガラス繊維含有シートでは、ガラス層とパルプ層が積層された構成となっている。この場合、ガラス層とパルプ層を積層した積層不織布として一括製造することができる。また、図2に例示されたガラス繊維含有シートでは、ガラス層とパルプ層とガラス層とが積層された構成となっているが、この場合も積層不織布として一括製造することができる。積層方法は、各々の抄紙機で抄きあげた湿紙ウェブを積層する抄き合わせや、一方の湿紙ウェブを形成した後に、この湿紙ウェブの上に繊維を分散した原料スラリーを流して積層不織布を形成する方法でも良い。また、乾燥したウェブの上に、繊維を分散した原料スラリーを流して、積層不織布を形成する方法でも良い。
ガラス層とパルプ層とからなる2層構造の積層不織布の製造方法の一例を説明する。ガラス層は、水に分散剤を添加した後、ガラス繊維を投入して、撹拌する。分散剤としては、特に限定しないが、ノニオン系分散剤を用いることが好ましい。その後、高分子ポリアクリルアミド水溶液或いは高分子ポリエチレンオキシド水溶液と言った粘剤類を添加し、往復撹拌機で撹拌した状態でガラス繊維スラリーとして貯蔵する。また、水に叩解後の木材パルプ、バインダー繊維、サイズ剤を混合分散した後、木材パルプスラリーとして、別の貯蔵タンクに送る。ガラス繊維スラリーと木材パルプスラリーとを一定量ずつ抄紙機に送り、目標の坪量となるようにガラス層の湿紙ウェブを先に抄造する。次に、パルプ層は、水に叩解後の木材パルプ、バインダー繊維、サイズ剤を混合分散した後、貯蔵タンクに送り、このスラリーを一定量ずつ抄紙機に送り、先に抄造したガラス層にパルプ層が目標の坪量となるように抄き合わせる。さらに、この抄き合わせた積層湿紙ウェブをプレスした後、ガラス層面がシリンダードライヤー面に当たるようにして乾燥し、積層不織布とすることができる。
フィルム層を設ける方法としては、(1)走行する被コーティング材上に熱溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから熱可塑性の合成樹脂組成物をフィルム状に流延して被覆する、いわゆる熱溶融押し出しラミネート法、(2)熱可塑性の合成樹脂フィルムを被コーティング材と積層して熱圧処理で一体化したり、合成樹脂フィルムを接着剤により被コーティング材と積層する、いわゆるフィルム積層法、(3)合成樹脂の溶液や分散液を被コーティング材表面に塗布、乾燥、平滑化処理等を行ってフィルム層を設ける、いわゆる塗布法が挙げられる。ここで言う被コーティング材は、ガラス層、パルプ層、ガラス層とパルプ層とからなる積層不織布から選ばれる。
図3に例示したガラス繊維含有シートは、ガラス層の片面に上記(1)〜(3)のいずれかでフィルム層を設けた後、上記(2)の方法で該フィルム層側にもう1層ガラス層を積層することで製造することができる。また、2層のガラス層間にフィルム層を挟んで、(2)の方法で一括して一体化することもできる。
図4に例示したガラス繊維含有シートは、ガラス層の片面に上記(1)〜(3)のいずれかでフィルム層を設けた後、上記(2)の方法で、パルプ層とガラス層とからなる積層不織布のパルプ層側がフィルム層と接触するように積層することで製造することができる。また、パルプ層とガラス層とからなる積層不織布のパルプ層側に上記(1)〜(3)のいずれかでフィルム層を設けた後、上記(2)の方法で該フィルム層側にもう1層ガラス層を積層することでも製造することができる。さらに、積層不織布とガラス層との間にフィルム層を挟んで、(2)の方法で一括して一体化することもできる。
図5に例示したガラス繊維含有シートは、パルプ層とガラス層とからなる積層不織布のパルプ層側に上記(1)〜(3)のいずれかでフィルム層を設けた後、上記(2)の方法で、別の積層不織布のパルプ層側がフィルム層と接触するように積層することで製造することができる。また、パルプ層がフィルム層と接触するように、2枚の積層不織布間にフィルム層を挟んで、(2)の方法で一括して一体化することもできる。
<塗抹層>
本発明において、多層ガラス繊維含有シートの少なくとも片表面、つまりガラス層上に、顔料とバインダーを含有する塗抹層が設けられていることが好ましい。塗抹層を設けることによって、ガラス層表面に露出しているガラス繊維による皮膚刺激性を低下させることができる。また、板状芯部材やクッションシート等の畳床を構成するための他部材とガラス繊維含有シートを貼り合わせる場合、接着剤がガラス層に余計に入り込むのを防ぐことができる。さらに、ガラス繊維含有シートのゆがみも少なくなり、ガラス層表面の平滑性も向上するので、他部材とより均一に貼り合わせることが可能となる。
塗抹層を設けた本発明に係わるガラス繊維含有シートのより具体的な構成について、図7を用いて説明する。図7(A)は、外層1であるガラス層と内層2とで構成されたガラス繊維含有シートにおいて、板状芯部材面側の外層1に塗抹層5を設けた例である。図7(B)は、非板状芯部材面側の外層1に塗抹層5を設けた例である。図7(C)は、板状芯部材面側と非板状芯部材面側両方の外層1に塗抹層5を設けた例である。本発明においては、図7(A)〜(C)のいずれの構成でも良いが、皮膚刺激性を考慮すると、好ましい順は、図7(C)、図7(B)、図7(A)となる。
本発明に係わるバインダーとしては、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル樹脂等の水分散有機重合物を用いることができる。また、バインダーはラテックスを好適に用いることができる。塗抹層に用いることができる顔料としては、バインダーとの親和性があって、塗工後の顔料脱落性がなく、バインダーをガラス層表面に留める作用があれば、無機顔料でも有機顔料でも良い。例えば、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、ガラスビーズ、各種有機顔料や尿素樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂等の微粒子が用いられる。
塗抹層の塗工量は、固形分で5g/m以上塗工すると良い。5g/m以上塗工することによって、ガラス層表面の目詰めが十分でき、平滑性も優れたものとなる。塗抹層におけるバインダーと顔料の全配合量に対して、バインダーの含有量は、10〜90質量%が好ましく、25〜75質量%がより好ましく、35〜65質量%がさらに好ましい。
塗抹層の塗工方法としては、エアーナイフ塗工、ブレード塗工等各種塗工方法を用いることができる。塗工量や塗工液の粘度に応じて、適宜選択して用いれば良い。ポーラスなガラス層内部に塗工液が浸透しないで、効率良く塗工できる方法として、グラビア塗工方法を好ましく用いることができる。
<畳床>
本発明の畳床は、板状芯部材の少なくとも片面にガラス繊維含有シートを貼り合わせて製造される。板状芯部材の両面に、同種のガラス繊維含有シートを貼り合わせると寸法安定性が高まる。貼り合わせ方法としては、接着剤による貼り合わせが一般的である。
板状芯部材は、合成樹脂発泡体、木質系ボード、無機系ボード、ハニカムコア、もしくはこれらの積層体を用いることができる。合成樹脂発泡体としては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等の合成樹脂からなるものを使用することができる。合成樹脂発泡体の製造方法としては、押出発泡形成方法、発泡ビーズの型内成型方法等を挙げることができる。
木質系ボードとしては、パーティクルボード、合板、ハードボード、ミディアムデンシティファイバーボード、インシュレーションボード等が挙げられる。無機系ボードとしては、グラスウール、セラミックファイバー、ロックウール、軽量セメント板、木毛セメント板、木片セメント板、パルプセメント板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の無機材質軽量ボード等が挙げられる。
ハニカムコアとは、六角柱状体が連続配列して形成された板状部材である。ハニカムコアの材質は、アルミニウム、ステンレス、紙、ポリオレフィン、繊維強化プラスチック、グラファイト、エンジニアリングプラスチック、セラミック等が挙げられる。
本発明の畳床には、さらに防虫シート、クッションシート、吸放湿シート、保護シート、裏面シート等を積層して構成することもできる。
本発明の畳床は、畳表、畳縁を取り付けて、畳として使用される。本発明の畳床は、厚さ55〜60mmの従来の畳にも使用できるが、厚さ45mm未満、さらには7以上25mmの薄畳に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例で説明する。本実施例中で特にことわりのないかぎり、部数、百分率、比率は質量基準である。
<ガラス層Aの製造>
ガラス繊維(オーウェンスコーニング製、9μm×6mm)、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3、1dtex×3mm)をそれぞれ60/30/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて、ガラス層の湿紙ウェブを製造し、その後シリンダードライヤー(表面温度120℃)に当てて乾燥し、ガラス層A(坪量82g/m、厚み216μm)を製造した。
<パルプ層Aの製造>
NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3)、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン製、1.7dtex×5mm)をそれぞれ80/10/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、円網抄紙機を用いて、パルプ層の湿紙ウェブを製造し、その後シリンダードライヤー(表面温度:120℃)に当てて乾燥し、パルプ層A(坪量15g/m、厚み24μm)を製造した。
<ガラス層とパルプ層を積層した積層不織布Aの製造>
ガラス繊維(オーウェンスコーニング製、9μm×6mm)、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3、1dtex×3mm)をそれぞれ60/30/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて、ガラス層の湿紙ウェブを製造した。次いで、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3)、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン製、1.7dtex×5mm)をそれぞれ80/10/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、円網抄紙機を用いて、パルプ層の湿紙ウェブを製造し、ガラス層の湿紙ウェブと抄き合わせ、ガラス層がシリンダードライヤー(表面温度:120℃)に当たるように乾燥させて、積層不織布A(総坪量96g/m、総厚み234μm、ガラス層坪量80g/m、ガラス層厚み208μm、パルプ層坪量16g/m、パルプ層厚み26μm)を製造した。
(実施例1)
<ガラス繊維含有シートの製造>
ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス層A、パルプ層A、ガラス層Aをこの順に積層して接着し、カレンダー通して、ガラス層A、パルプ層A、ガラス層Aからなるガラス繊維含有シート1(坪量189g/m、厚み461μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス繊維含有シート1を貼り合わせて、実施例1の畳床を製造した。
(実施例2)
<ガラス繊維含有シートの製造>
ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、2枚のガラス層A間に、内層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を積層して接着し、カレンダー通して、ガラス層、フィルム層、ガラス層からなるガラス繊維含有シート2(坪量181g/m、厚み441μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス繊維含有シート2を貼り合わせて、実施例2の畳床を製造した。
(実施例3)
<ガラス繊維含有シートの製造>
ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、積層不織布Aのパルプ層側に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)、ガラス層Aをこの順に積層して接着し、カレンダーを通して、ガラス層、パルプ層、フィルム層、ガラス層からなるガラス繊維含有シート3(坪量195g/m、厚み458μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、積層不織布A側が板状芯部材と接するように、ガラス繊維含有シート3を貼り合わせて、実施例3の畳床を製造した。
(実施例4)
<ガラス繊維含有シートの製造>
積層不織布Aのパルプ層側に、溶融温度300℃でポリエチレン樹脂を溶融押し出し機から押し出し、厚み15μmとなるようにラミネートを行い、さらにこのポリエチレン樹脂上にもう1枚積層不織布Aをパルプ層側が接するように積層し、カレンダーを通して、ガラス層、パルプ層、フィルム層、パルプ層、ガラス層からなるガラス繊維含有シート4(坪量208g/m、厚み476μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス繊維含有シート4を貼り合わせて、実施例4の畳床を製造した。
(実施例5)
<塗抹層を有する積層不織布Bの製造>
デラミ・クレー(エンゲルハート製、商品名:Nuクレー)、スチレンアクリル系ラテックス(旭化成ケミカルズ製、商品名:Z31)をそれぞれ固形比65/35の割合になる様に混合し、水で希釈して濃度50%の塗液を作成した後、本塗液を積層不織布Aのガラス層上にグラビア塗工方法で塗抹層を塗工し、エアードライヤー(温度130℃)にて乾燥し、塗抹層(固形分塗工量8g/m)を有する積層不織布B(坪量104g/m、厚み220μm)を得た。
<ガラス繊維含有シートの製造>
積層不織布Bのパルプ層側に、溶融温度300℃でポリエチレン樹脂を溶融押し出し機から押し出し、厚み15μmとなるようにラミネートを行い、さらにこのポリエチレン樹脂上にもう1枚積層不織布Bをパルプ層側が接するように積層し、カレンダーを通して、塗抹層、ガラス層、パルプ層、フィルム層、パルプ層、ガラス層、塗抹層からなるガラス繊維含有シート5(坪量:225g/m、厚み453μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス繊維含有シート5を貼り合わせて、実施例5の畳床を製造した。
(比較例1)
<ガラス層Bの製造>
ガラス繊維(オーウェンスコーニング製、9μm×6mm)、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、VPB107−1×3、1dtex×3mm)をそれぞれ60/30/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて、ガラス層の湿紙ウェブを製造し、その後シリンダードライヤー(表面温度120℃)に当てて乾燥し、ガラス層B(坪量201g/m、厚み502μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、ガラス層Bを貼り合わせて、比較例1の畳床を製造した。
(比較例2)
<パルプ層Bの製造>
NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3)、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン製、1.7dtex×5mm)をそれぞれ80/10/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、円網抄紙機を用いて、パルプ層の湿紙ウェブを製造し、その後シリンダードライヤー(表面温度120℃)に当てて乾燥し、パルプ層B(坪量240g/m、厚み716μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、パルプ層Bを貼り合わせて、比較例2の畳床を製造した。
(比較例3)
<ガラス層とパルプ層を積層した積層不織布Cの製造>
ガラス繊維(オーウェンスコーニング製、9μm×6mm)、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3、1dtex×3mm)をそれぞれ60/30/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて、ガラス層の湿紙ウェブを製造した。次いで、NBKP(ウェアーハウザー製、商品名:カムループス、CSF=500ml)、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3)、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン製、1.7dtex×5mm)をそれぞれ80/10/10とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを、円網抄紙機を用いて、パルプ層の湿紙ウェブを製造し、ガラス層の湿紙ウェブと抄き合わせ、ガラス層がシリンダードライヤー(表面温度120℃)に当たるように乾燥させて、積層不織布C(総坪量224g/m、総厚み530μm、ガラス層坪量180g/m、ガラス層厚み473μm、パルプ層坪量34g/m、パルプ層厚み57μm)を製造した。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、積層不織布Cのガラス層面を貼り合わせて、比較例3の畳床を製造した。
(比較例4)
<塗抹層を有する積層不織布Dの製造>
デラミ・クレー(エンゲルハート製、商品名:Nuクレー)、スチレンアクリル系ラテックス(旭化成ケミカルズ製、商品名:Z31)をそれぞれ固形比65/35の割合になる様に混合し、水で希釈して濃度50%の塗液を作成した後、本塗液をガラス層B上にグラビア塗工方法で塗抹層を塗工し、エアードライヤー(温度130℃)にて乾燥し、塗抹層(固形分塗工量8g/m)を有する積層不織布D(坪量209g/m、厚み504μm)を得た。
<畳床の製造>
板状芯部材(ポリスチレン樹脂発泡体、発泡倍率10倍、厚み7mm)の片面に、ホットメルト型接着剤(東亞合成製、商品名:PES−140H)を用いて、積層不織布Dの塗沫層面を貼り合わせて、比較例4の畳床を製造した。
<評価1:ガラス繊維シートの坪量>
200mm×250mmの試験片を採取し、JIS Z−8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20℃、相対温度65%の試験室に24時間放置し、水分平衡に調整後、各試験片を電子天秤で小数点3桁まで測定し、1m当たりの目付重量に換算し、算出した。単位はg/m
<評価2:ガラス繊維シートの厚み>
200mm×250mmの試験片を採取し、JIS Z−8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20℃、相対温度65%の試験室に24時間放置し、水分平衡に調整後、各試験片を不織布用厚み計(テクロック製)にて各試料を測定した。単位はμm。
<評価3:ガラス繊維シートの触感(皮膚刺激性)>
ガラス繊維シートの表面を指でなぞり、その時の指に当たるガラス繊維の触感(チクチクするか/しないか)を判断した。評価はモニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。評価基準としては、以下の通りである。
◎:チクチク感が全くなく、非常に良好である。
○:チクチク感がなく、良好である。
△:ややチクチクするが、使用上問題ないレベルである。
×:チクチク感が激しく、使用上問題がある。
<評価4:ガラス繊維シートの平滑性>
ガラス繊維シートの平滑性の測定は、触針式3次元表面粗さ計による中心面平均粗さSRaにより評価した。具体的には、ガラスシート試料を、触針式3次元表面粗さ計(小坂研究所製、装置名:SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件で、ガラスシートのX軸方向(抄紙方向)にカットオフ値0.8mm測定長10mmにわたって測定し、20μmピッチで500点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(小坂研究所製、装置名:SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作をガラスシート試料の幅方向Y軸方向(抄紙方向と垂直な方向)について測定長10mmにわたって測定し、20μmピッチで50点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(小坂研究所製、装置名:SPA−11)に取り込ませた。そして解析装置に3次元平均表面粗さSRaを計算させた。SRaの数字が低い方が平滑性に優れることになる。単位はμm。
<評価5:畳の環境試験(寸法安定性)>
各畳床と3mm厚みの畳表(天然い草)とを糸縫い加工により固定して、畳サンプル(880mm×1,760mm)を作成した。次に、畳サンプルを、環境試験室中で、温度23℃、湿度50%の条件下で24時間放置し、養生を行い、その後、温度7℃、湿度15%の低温低湿条件下で24時間放置し、さらに、温度60℃、湿度90%の高温高湿条件下で24時間放置した。予め、畳サンプルの表面(い草面)に、長尺方向に間隔1,720mmになる様に点を3カ所、短尺方向に間隔780mmになる様に点を3カ所記載しておき、低温低湿条件下での放置後及び高温高湿条件下での放置後に、各点の間隔(寸法)変化と反りを測定し、評価した。単位はmm。
<評価6:廃棄性(ガラス層とパルプ層の分離性)>
畳床から、ガラス層、パルプ層をピールアップ(剥離)し、その時のガラス層とパルプ層との分離具合(分離するか/しないか)を判断した。評価はモニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。評価基準としては、以下の通りである。
○:ガラス層とパルプ層とを分離することができる。
×:ガラス層とパルプ層とを分離できない。
−:評価不可。
上記の実施例1〜5、比較例1〜4で得られた畳床について、上述した評価試験により評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2010144452
上記表1より、実施例1〜5に示す通り、本発明の畳床は、皮膚刺激性がなく、表面の平滑性が高いだけではなく、収縮や反りと言った寸法安定性に優れており、さらにはガラス層とパルプ層とに分離できることにより、ガラス層即ち不燃物の減量が可能であることが判る。一方、比較例1〜4に示したように、本発明の範囲外の場合、本発明の畳床に比べて、皮膚刺激性、表面の平滑性、寸法安定性のいずれかが大きく劣ることが判る。
本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態である外層、内層、外層からなる3層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態であるガラス層、パルプ層、ガラス層からなる3層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態であるガラス層、フィルム層、ガラス層からなる3層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態であるガラス層、パルプ層、フィルム層、ガラス層からなる4層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態であるガラス層、パルプ層、フィルム層、パルプ層、ガラス層からなる5層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートの一の実施の形態であるガラス層、フィルム層、パルプ層、フィルム層、ガラス層からなる5層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の畳床に係わるガラス繊維含有シートに塗沫層を設けた一の実施の形態を模式的に示す断面図である。図7(A)は、板状芯部材面側のガラス層外側に塗沫層を設けた例であり、図7(B)は、板状芯部材面側と反対側のガラス層外側に塗沫層を設けた例であり、図7(C)は、板状芯部材面側と非板状芯部材面側の両方のガラス層外側に塗沫層を設けた例である。
符号の説明
1 外層(ガラス層)
2 内層
3 パルプ層
4 フィルム層
5 塗抹層

Claims (2)

  1. 板状芯部材の少なくとも片面にガラス繊維含有シートを貼り合わせてなる畳床において、該ガラス繊維含有シートが3層以上の多層シートであり、外層がガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するガラス層であり、内層が木材パルプ及びバインダー繊維を少なくとも含有するパルプ層と合成樹脂フィルムからなるフィルム層とから選ばれる少なくとも1種の層であることを特徴とする畳床。
  2. ガラス繊維含有シートの少なくとも片表面に、顔料とバインダーを含有する塗抹層が設けられている請求項1記載の畳床。
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CN106284915A (zh) * 2015-05-28 2017-01-04 田有为 三层lvl实木地板

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