JP6074245B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の被研磨物を研磨するために使用される研磨パッドに関する。
半導体ウエハ、LCD(液晶ディスプレイ)用のガラス基板等のように表面を高度に平坦化することが必要な被研磨物を研磨する場合、研磨パッドと被研磨物との間に砥粒を含む研磨スラリーを供給しながら研磨することが行われている。
かかる研磨に使用される研磨パッドとしては、通常、表面に研磨面を備えた円形シート状のものが用いられている。かかる研磨パッドは、研磨時には、研磨面が上面になるように研磨装置の回転可能な下定盤に固定される。一方、被研磨物は、研磨される面が下方を向くように回転可能な上定盤に固定される。そして、研磨パッドの上面(研磨面)に被研磨物を加圧的に接触させ、研磨スラリーを被研磨物と研磨パッドとの間に供給しながら、研磨パッド及び被研磨物を回転させることで被研磨物を研磨する。
かかる研磨パッドとしてはシートが積層された研磨パッドが知られている。
例えば、特許文献1および2には、上層シートの下面に、前記上層シートよりも柔らかく弾力性の高い下層シートが積層されている積層タイプの研磨パッドが記載されている。
かかる積層タイプの研磨パッドは、上層シートの硬度を比較的高くすることで、被研磨物の平坦性を高めると同時に、下層シートの硬度を比較的低くし且つ弾力性を高めることで、ウエハの反りやうねりに研磨パッドを追従させて、被研磨物を均一に研磨することを目的としている。
前記下層シートの材質としては、通常、比較的柔らかい発泡樹脂シートや、不織布に樹脂を含浸させたシート等を用いる。
しかし、このように比較的柔らかい材質である下層シートは、通常液体が浸透しやすい構造であるため、研磨時に、研磨スラリーが研磨パッドの周縁部などから下方に落ちてきた場合に、下層シートの側面等にも伝わり、かかる箇所から下層シートの内部に浸透するおそれがある。下層シートに研磨スラリーが浸透した場合には、下層シートの圧縮によって変形する量が大きくなり、研磨性能が低下する、という問題がある。
かかる下層シートへの研磨スラリーの浸透を抑制するために、特許文献1および2には、下層シートの側面を別の部材で被覆することが記載されている。
例えば、特許文献1には、下層シートよりも上層シートの面積を大きく形成し、前記上層シートの周縁部によって下層シートの側面を被覆することが記載されている。
また、特許文献2には、上層シートの周端縁を下層シートの周端縁よりも突出させるように上下層シートを積層し、下層シートと上層シートとの間に両面接着テープ層を設け、さらに、下層シートの下面にも両面接着テープ層を設け、上層シートの突出している周縁部の下面で、2つの両面接着テープ層を張り合わせることで、下層シートの側面に両面接着テープ層による防水層を設けることが記載されている。
しかしながら、下層シートの側面を別部材である上層シートや接着テープ層等で被覆した場合、下層シートの側面が下層シートの他の部分とくらべて硬度が高くなり、下層シートの圧縮変形性が、周縁部と中央部分とで均一ではなくなるおそれがある。よって、研磨パッドの中央部と周縁部における研磨性能が均一でなくなり、被研磨物を均一に平坦に研磨することができなくなるおそれがある。
特開平11−58220号公報 特開2002−36097号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を鑑みて、研磨スラリーの研磨パッドへの浸透を抑制し、被研磨物を均一に研磨することを課題とする。
本発明に係る研磨パッドは、
上面に研磨面を有する上層シートと、
前記上層シートの下面側に積層された下層シートとを備え、
前記上層シートの周端縁は前記下層シートの周端縁よりも外側へ突出するように構成され、
前記下層シートの側面の全面において前記下層シートの材質が現れているものである。
本発明の研磨パッドは、上面に研磨面を有する上層シートと、前記上層シートの下面側に積層された下層シートとを備え、前記上層シートの周端縁は前記下層シートの周端縁よりも外側へ突出するように構成されていることにより、研磨スラリーが上層シートの周端縁から流れ落ちた場合でも、下層シートの側面に伝わることなく落下するため、下層シートの側面から研磨スラリーが下層シート内部に浸透することが抑制される。また、前記下層シートの側面の全面において前記下層シートの材質が現れていることにより、下層シートの側面で上下方向の圧縮による変形を、下層シートの材質とは異なる他の部材が存在すること等によって抑制されることがない。従って、下層シートの圧縮変形性が不均一になることを抑制でき、研磨パッドの研磨性能を均一にすることができる。
尚、本発明において「下層シートの材質が現れている」とは、下層シートの材質と異なる材質の部材によって下層シートが覆われることがない状態をいう。
本発明において、前記上層シートの硬度は、前記下層シートの硬度よりも高くてもよい。
上層シートの硬度が下層シートの硬度よりも高い場合には、上層シートがより被研磨物を平坦に研磨することができると同時に、下層シートが被研磨物の反りやうねりに追従しやすいため、研磨パッドの研磨性能を均一にすることができる。
尚、本発明における硬度とは、例えば、JISK6301、JISK6401、JISK6253、JISK7215、ASTM D2240、ISO7619、ISO868 及びSRIS0101に記載の方法及ビッカース硬度測定法の中から、上層シートおよび下層シートの材質に合わせた測定方法で測定される硬度をいう。
本発明において、前記上層シートの側面は、外方に向かって下傾斜している傾斜面を成すように構成されていてもよい。
前記上層シートの側面が外方に向かって下傾斜している傾斜面を成すように構成されている場合には、研磨スラリーが上層シートの周端縁から流れ落ちた場合に、外側に向かって落下しやすくなり、より、下層シートの側面に研磨スラリーが伝わりにくくなる。よって、下層シートの側面から研磨スラリーが下層シート内部に浸透することがより抑制される。
本発明によれば、研磨スラリーの研磨パッドへの浸透を抑制し、被研磨物を均一に研磨することができる。
(a)第1実施形態の研磨パッドの使用状態を示す概略断面図、(b)第1実施形態の研磨パッドの上面図。 第1実施形態の研磨パッドの使用状態を示す概略断面図。 第2実施形態の研磨パッドの使用状態を示す概略断面図。 比較例の研磨パッドを示す断面図。 研磨パッドの変形量の相違を示すグラフ。
以下に、本発明にかかる研磨パッドについて、図面を示しつつ説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の研磨パッドは、図1(a)(b)に示すように、上面に研磨面1aを有する上層シート1と、前記上層シート1の下面側に積層された下層シート2とを備え、前記上層シート1の周端縁は前記下層シート2の周端縁より外側へ突出するように構成されており、前記下層シート2の側面2aの全面において、前記下層シート2の材質が現れている研磨パッド10である。
前記上層シート1は、図1(b)に示すような上面視円形のシート部材である。上層シート1の表面は被研磨物11を研磨可能な研磨面1aであり、研磨時には前記研磨面1aが上面になるように研磨パッド10は研磨装置の定盤等に配置される。
上層シート1の材質としては、通常研磨パッドにおける研磨部材として使用される公知の材質であれば制限なく使用できるが、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル等からなる群から選択される1種または2種以上等が挙げられる。
これらの樹脂を、例えば、公知の注型法、押し出し成形法等によってシート状に成形することで上層シートとして形成することができる。
前記樹脂の中の熱可塑性樹脂を用いて、注型法、押し出し成形法によって成形されてもよく、あるいは、前記樹脂の中の熱硬化性樹脂を用いて、加熱硬化させることで成形されてもよい。
本実施形態の上層シートとしては、熱硬化性樹脂を加熱硬化させた成形体であることが好ましく、特に、発泡ポリウレタン樹脂の成形シートであることが、被研磨物の平坦性を高めることができるため好ましい。
前記下層シート2は、前記上層シート1の下面側に積層されるシートであって、前記上層シート1よりも径が小さい上面視円形状のシートである。
上層シート1と下層シート2とは、上層シート1の周端縁が下層シート2の周端縁より径方向外側に突出した突出部5が形成されるように積層されている。
前記突出部5は、例えば、下層シート2の周端縁から上層シートの周端縁までの水平方向の長さXが5mm〜35mm程度になるように形成されていることが好ましい。かかる程度の突出部5のサイズに形成することで、より確実に研磨スラリーが下層シートに付着することを抑制できる。
前記下層シート2は、前記上層シート1の下面に接着層3を介して接着されていてもよい。
接着層3は、接着剤を塗布することで形成されていてもよく、あるいは前記接着剤が両面に塗布されている両面テープ等のように両面に接着性を備えるシートを配置することで形成されていてもよい。
また、接着層3は、図1(a)に示すように、上層シート1の下面全面に形成されていてもよい。この場合、前記突出部5の下面においても接着層3が形成される。
あるいは、上層シート1と下層シート2との間にのみ接着層3が形成されていてもよい。
接着層3が上層シート1の下面全面に形成されている場合には、接着層を容易に形成できるという利点がある。
一方、上層シート1と下層シート2との間にのみ接着層3が形成されている場合には、接着層の材料コストが低減できるという利点がある。
前記下層シート2の材質としては、通常研磨パッドの下層シートとして使用される公知の材質であれば制限なく使用できるが、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル等からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂、不織布等が挙げられる。
前記下層シート2は、研磨時に被研磨物11表面のうねりに追従して研磨パッドを変形させて被研磨物11の表面を均一且つ平坦に研磨する役割を果たすものである。そのため、上層シート1よりも弾力性があり且つ柔軟性のある部材であることが好ましい。
かかる下層シート2としては、例えば、ポリエステル製等の不織布にポリウレタン樹脂を含浸させてシート状に成形したもの等が被研磨物のうねりなどへの追従性が良好であるため好ましい。
前記下層シート2は、同一の材質から形成されることが好ましい。すなわち、下層シート2全体が同一の材質からなる部材から形成されている場合には、下層シート2に全体の圧縮変形性が均一であるため特に、好ましい。
尚、本実施形態において、同一の材質から形成される、とは、シートとして同一の材質であるものから形成されることを意味する。例えば、不織布にポリウレタン樹脂を含浸させたシート等のように複数材料から構成されるシートであっても、シートとしてはポリウレタン含浸不織布という同一材質のシートである。
本実施形態の研磨パッド10は、前記下層シート2の側面2aの全面において前記下層シート2の材質が現れている。
すなわち、下層シート2の側面2aの全面に亘って下層シートの材質と異なる材質の部材が配置されておらず、下層シート2の材質であるポリウレタン含浸不織布シートが側面2aに露出していることにより、下層シート2の側面2aにおいて、上下方向に力が加わった場合、すなわち下層シート2が圧縮される場合でも、下層シート2の材質と異なる部材によって変形が抑制されることがない。従って、下層シート2の側面2a付近と他の部分との間で、下層シート2の変形性が相違することがなく、下層シート2全体が均一な変形性を有し、研磨パッド10の研磨特性が均一になる。
尚、下層シートの材質とは異なる材質の部材とは、例えば、下層シートの側面に配置された場合に下層シートの変形性に影響を与えるような、例えば、接着剤層や、防水性シート層等の部材をいう。
前記上層シートの硬度は、前記下層シートの硬度よりも高いことが好ましい。上層シートとして下層シートよりも硬いシートを用いることで、より被研磨物を平坦に研磨することができる。また、下層シートが比較的柔らかいシートであることによって、被研磨物の反りやうねりに追従しやすいため、研磨パッドの研磨性能を均一にすることができる。
尚、本実施形態において、上層シート及び下層シートの硬度とは、例えば、JISK6301、JISK6401、JISK6253、JISK7215、ASTM D2240、ISO7619、ISO868及びSRIS0101に記載の方法及ビッカース硬度測定法の中から、上層シートおよび下層シートの材質に合わせた測定方法で測定される硬度をいう。
上層シート及び下層シートの硬度が異なる測定方法で測定される硬度である場合には、異なる測定方法で測定される硬度の公知の換算方法で換算することで、硬度の高さを比較することができる。
本実施形態の研磨パッド10は、図1(a)に示すように、下層シート2の下面に、第二接着層4が配置されていてもよい。
第二接着層4は、接着剤を塗布することで形成されていてもよく、あるいは前記接着剤が両面に塗布されている両面テープ等のように両面に接着性を備えるシートを積層することで形成されていてもよい。
第二接着層4は、研磨パッド10を使用する際に、研磨装置の下定盤12に研磨パッド10を固定可能な接着層である。
本実施形態の研磨パッド10を使用する場合には、図1(a)に示すように、前記第二接着層4を介して研磨装置の下定盤12の上に、前記上層シート1が上側になるように研磨パッド10を配置する。
一方、シリコンウエハ等の被研磨物11を、研磨パッド10の上方に配置される上定盤13の下面に固定する。上定盤13及び下定盤12は、中心部に回転軸13a,12aが接続され、駆動装置(図示せず)によって、図1(a)に示す方向A、Bに回転可能である。
そして、上定盤13を回転させながら、研磨パッド10の表面に被研磨物11を擦り付けると同時に、研磨スラリーSを研磨パッド10表面と被研磨物11との間に供給しながら、研磨パッド10も回転させつつ、被研磨物11を研磨する。
この時、図2に示すように研磨スラリーSが、上層シート1の周端縁から、下方に流れ落ちる場合があるが、研磨パッド10には、上層シート1の周端縁が下層シート2の周端縁から突出している突出部5が形成されているため、研磨スラリーSは突出部5から下方に落下し、下層シート2の側面に接触することがない。
従って、下層シート2の側面から研磨スラリーが内部に浸透し下層シート2の圧縮変形性が変わることを抑制できる。
また、被研磨物11は研磨パッド10に押し付けられた状態になるため、研磨パッド10には上方から下方に向かって圧力が加わる。研磨パッド10の上層シート1は、比較的硬度が高い材質であるため平坦性を維持する一方、下層シート2は、上層シート1に比べてやわらかい材質であるため、被研磨物11の反りやうねりに追従して変形することができる。
被研磨物11は、研磨パッド10上を移動しながら研磨されるが、図2に示すように、被研磨物11が研磨パッド10の周縁部に移動した場合には、研磨パッド10の周縁部において上方から下方に向かって圧力が加わり、被研磨物11に反りやうねりがある場合には該当箇所の下層シート2が変形する。本実施形態の下層シート2の側面の全面には、下層シート2の上下方向の圧縮による変形を抑制するような下層シートとは異なる材質の部材が配置されていないため、下層シート2の側部及び中央部では圧縮変形性が均一である。よって、研磨パッド10の周縁部においても、下層シート2を、被研磨物11の反りやうねりなどに追従させて均一に変形させることができる。
以上のように、本実施形態の研磨パッド10は、下層シート2の周端縁が上層シート1の周端縁よりも外側へ突出している突出部5を備え、且つ、下層シートの側周面に下層シートの材質とは異なる材質の部材が配置されていないことにより、研磨スラリーの浸透を抑制しつつ下層シートの変形性を均一に保つことができる。
(第2実施形態)
図3に第2実施形態の研磨パッド10を示す。
第2実施形態の研磨パッドの前記上層シートの側面は、外方に向かって下傾斜させた傾斜面を成すように構成されている。
すなわち、第2実施形態の研磨パッド10は、上面よりも下面の径が大きく形成された上層シート1を備えており、前記上層シート1の側面1bは外方に向かって下傾斜している傾斜面として形成されている。
前記傾斜面の角度は、例えば、図3に示すように、上層シート1の上面が位置する線と傾斜面の表面が位置する線とが交差する角度αが90°以上180°未満であることが好ましい。
また、前記上層シート1の下面の周端縁の先端部においては、上層シート1の下面の位置する線と前記傾斜面が位置する線とが成す角度βが90°未満の鋭角である。
前記上層シート1の下面側には、接着層3を介して、下層シート2が積層されている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。尚、第1実施形態と共通する部分には共通する符号を付す。
かかる研磨パッド10を用いて研磨を行う場合にも、図3に示すように研磨スラリーSが上層シート1の周端縁から、下方に流れ落ちる場合があるが、上層シート1の側面の傾斜面が外側に向かって下傾斜されていることでスラリーSがより外側方向へ向かって落下しやすい。従って、落下する研磨スラリーSがより下層シート2の側面に接触しにくい。
また、第2実施形態の研磨パッド10は、例えば、使用するに伴い研磨パッド10の前記突出部5が下方に下がってきた場合には、上層シート1の側面が傾斜面になっていることにより、より、研磨スラリーSが上層シート1の裏面側(突出部5の下面側)に伝わりにくくなる。
尚、第2実施形態の研磨パッドとして、図3において、上層シート1の下面の全面に接着層3が形成されている、すなわち、突出部5の下面においても接着層3が配置されている研磨パッド10を示したが、接着層3は上層シート1と下層シート2との間にのみ形成されていてもよい。
この場合には、上層シート1の周縁部の下面には接着層が存在しないため、上層シートの周端縁の先端部によってスラリーの切れが良好になり、下層シート2の側面にスラリーをより接触させにくくできるという利点がある。
尚、本実施形態にかかる研磨パッドは以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例の研磨パッドとして以下のものを準備した。
《材料》
下層シート:樹脂成形シート、厚み1.3mm、直径787mm、円形、商品名IC1000 ニッタ・ハース社製
上層シート:樹脂含浸不織布シート、厚み2.0mm、直径762mm、円形、商品名SUBA400 ニッタ・ハース社製
接着層:樹脂製両面テープ(厚み0.115mm、商品名P6、東洋インキ社製)
《実施例》
前記上層シートの研磨面と反対側の面の全面に、接着層を貼り付け、該接着層を介して下層シートと中心が重なるように積層した。
さらに下層シートの下面に前記接着層を全面に貼り付けて、研磨パッドを作製した。
尚、上層シートの周縁が、下層シートの周縁よりも突出する突出部の長さは10mmであった。
《比較例1》
前記実施例の研磨パッドと同様に、上層シートと下層シートとを接着層を介して積層し、さらに下層シートの下面に前記接着層と同様の材質の接着層を貼り付け、さらに下層シートの側周面を該接着層で被覆して、上層シートの突出部の下面に配置された接着層と積層することで、図4に示すような、下層シートの側面が接着層で被覆された研磨パッドを比較例1として作製した。
(変形量の測定)
前記実施例及び比較例1の研磨パッドの変形量を測定した。
各研磨パッドの中心部(中心点付近)、およびエッジ部(研磨パッドの下層シートの周縁部の上部にあたる位置)の変形量を、電磁力式微小試験機(MMT-101NM-10、島津製作所社製)で測定した。
尚、測定条件は以下のとおりである。
結果を図5に示す。
《測定条件》
測定端子:φ11.2mm
測定時間:10min
繰り返し回数:600
データ取得サイクル:20秒毎
荷重サイクル:1Hz(1秒間に1周期)
最大荷重:300g/cm2
最小荷重:10g/cm2
図5の結果から、実施例の研磨パッドのエッジ部は、比較例1の研磨パッドのエッジ部に比べて研磨パッドの中心部と変形量が近いことがわかる。
(エッジ部の研磨レートの変動)
前記実施例及び後述する比較例2の研磨パッドを使用して、シリコンウエハを研磨した場合の、研磨パッドのエッジ部における研磨レートの変動を測定した。
研磨レートの変動は、実施例および比較例2の研磨パッドを用いて、以下の研磨条件で研磨をした場合の、各エッジ部における研磨レートの変化を表1に示した。
尚、研磨レートの変化は、以下の方法で測定される。
単位時間(表1に記載の各時間)研磨した後のシリコンウエハの中心部および周辺部(周端部から1mm内側の位置)の厚み(RR)を測定する。ここでいう厚み(RR)は、シリコンウエハの研磨していない面(裏面)から、被研磨面までの厚みである。
周辺部の厚み(周縁RR)と中心部の厚み(中心RR)とを、以下の式にあてはめ、研磨レートの変化を%で示す。

研磨レートの変化(%)=(周辺RR−中心RR)/中心RR*100

尚、表中の改善率は、各使用時間における比較例2の研磨レートの変化から実施例の研磨レートの変化を引いて、60で割った場合の数値を%で示した。60とは比較例2の40時間研磨時の研磨レート変化である。
《比較例2》
前記実施例の上層シートと下層シートとを同じ径の円形シートとして突出部を形成しなかった以外は前記実施例と同様の比較例2の研磨パッドを作製した。
《研磨条件》
研磨装置:F−REX300(荏原製作所社製)
研磨パッド:IC1000/SUBA400(ニッタ・ハース社製)
定盤速度:定盤60rpm/ヘッド61rpm
研磨荷重面圧:4psi
研磨スラリーの流量:200ml/min
被研磨物:シリコンウエハ(直径300mm)
表1から明らかなように、実施例の研磨パッドでは長時間研磨を行っても、エッジ部における研磨レートの低下が抑制されている。
これは、比較例2の研磨パッドでは、下層シートに研磨スラリーが浸透して下層シートの圧縮時の変形性が変化して、研磨レートが低下したためと考えられる。
実施例の研磨パッドでは、下層シートへの研磨スラリーの浸透もなく、且つ、エッジ部において圧縮時の変形性に影響を与えることもなく、長時間研磨しても均一に研磨パッドのエッジ部で研磨レートを維持することができた。
1:上層シート、2:下層シート、3:接着層、4:第二接着層、5:突出部、10:研磨パッド、S:研磨スラリー。

Claims (3)

  1. 上面に研磨面を有する上層シートと、
    前記上層シートの下面側に積層された下層シートとを備え、
    前記上層シートの周端縁は前記下層シートの周端縁よりも外側へ突出するように構成され、
    前記下層シートの側面の全面において前記下層シートの材質が現れている研磨パッドであって、
    最外周に段差構造を有し、
    前記上層シートが外側に突出していることにより前記段差構造が構成されていることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記上層シートの硬度は、前記下層シートの硬度よりも高い請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記上層シートの側面は、外方に向かって下傾斜している傾斜面を成すように構成されている請求項1または2に記載の研磨パッド。
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