JP6073740B2 - からくり時計 - Google Patents

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Description

本発明は、からくり時計に関する。
所定の時刻になると、主題曲を出力して装飾体を移動させる移動制御を実行するからくり時計が知られている。特許文献1には、このようなからくり時計が開示されている。例えば、予め記録された複数種類の主題曲にそれぞれ複数種類の装飾体の移動パターンが対応付けられている。複数種類の主題曲から一の主題曲が出力され、出力された主題曲に対応する移動パターンに従って装飾体が移動する。このように、出力される主題曲と装飾体の移動パターンとが対応しているため、鑑賞性が向上している。
特開2008−249643号公報
このようなからくり時計においては、モニタ操作部が設けられている。例えばモニタ操作部が操作されると、上記の移動制御が実行される。移動制御実行中に更にモニタ操作部が操作されると、移動制御中に出力されていた主題曲とは異なる次の主題曲が出力されるとともに、当該主題曲に応じた移動パターンで移動する。このようにモニタ操作部を操作することにより、ユーザはからくり時計が出力可能な複数種類の主題曲および移動パターンを確認することができる。
上述したように、複数種類の主題曲のそれぞれに複数種類の装飾体の移動パターンが対応付けられている。この移動パターンは、装飾体が初期位置から移動を開始する場合を想定して設定されている。移動制御実行中では、装飾体は初期位置から既に移動している場合がある。装飾体が初期位置以外にあって移動制御実行中にモニタ操作部が操作された場合、移動制御実行中の主題曲とは異なる主題曲が出力されるとともに当該異なる主題曲に予め対応付けされた移動パターンに従って装飾体を移動させることが考えられる。しかしながら、装飾体が初期位置以外にある場合に、上記の移動パターンに従って装飾体を移動させると、装飾体の移動が規制される位置にまで装飾体が到達して停止するおそれがある。これにより、装飾体の移動に支障をきたして、鑑賞性が悪化する恐れがある。
そこで本発明は、鑑賞性が向上したからくり時計を提供することを目的とする。
上記目的は、装飾体と、前記装飾体を移動させる駆動機構と、音を出力可能な出力部と、主題曲を出力させて前記装飾体を初期位置から移動させる移動制御、前記移動制御終了後にエンディング曲を出力させて前記装飾体を前記初期位置へ戻す復帰制御、を実行する制御部と、を備え、前記出力部から出力可能な複数種類の主題曲は、それぞれ複数種類の前記装飾体の移動パターンに対応付けられており、前記移動制御では、前記複数種類の主題曲から選択された主題曲が出力され、選択された前記主題曲に対応する移動パターンに従って前記装飾体が移動し、前記復帰制御では、前記移動制御終了時の前記装飾体の停止位置が基準位置の手前か否かに応じて、長さが異なる複数のエンディング曲の中から選択された一の前記エンディング曲が出力される、からくり時計によって達成できる。
鑑賞性が向上したからくり時計を提供できる。
図1は、からくり時計の正面図である。 図2は、からくり時計の正面図である。 図3は、からくり時計の正面図である。 図4は、からくり時計の正面図である。 図5は、からくり時計の駆動機構の説明図である。 図6は、図5のA−A断面図である。 図7は、からくり時計の背面図である。 図8A、8Bは、初期位置検出スイッチの拡大図である。 図9は、からくり時計の機能ブロック図である。 図10Aは、移動制御で出力される主題曲と装飾体の移動パターンとの概念図であり、図10Bは、復帰制御でのエンディング曲と装飾体の移動パターンとの概念図である。 図11は、制御部が実行する制御の一例を示したフローチャートである。
図1は、からくり時計1の正面図である。からくり時計1は、装飾が施された正面板3、正面板3の略中央には開口が形成され、この開口内に回転可能に配置された装飾板5、装飾板5よりも正面側に配置され移動可能な装飾体10、30、50を含む。また、からくり時計1は、時刻を示す分針MH、時針HH、これらに連結された回転軸を保護するための固定部材90、を含む。固定部材90は、からくり時計1の略中心に配置されている。正面板3の下方には、後述するモニタスイッチSWが設けられている。図1は、装飾板5、装飾体10等が初期位置で停止している状態を示している。
装飾板5は、略円板状であり、時刻を示す数字が記載された板部6、板部6よりも内側にあり装飾が施された装飾部7、を含む。板部6には、数字の「2」「6」「10」が等角度間隔に記載されている。装飾部7は、湾曲した複数の棒状の部分が形成されている。
装飾体10は、数字が記載された板部11、板部11から固定部材90側に延びるように形成された装飾部13、を含む。装飾部13は、直線や湾曲した複数の棒状の部分が形成されている。同様に、装飾体30、50も、それぞれ、板部31、51、装飾部33、53を含む。板部11には、数字の「11」「12」「1」が記載されている。板部31には、数字の「3」「4」「5」が記載されている。板部51には、数字の「7」「8」「9」が記載されている。初期状態では、図1に示すように、装飾体5に記載された数字を露出すように装飾体10、30、50が配置され、装飾板5、装飾体10、30、50全体が円形の状態で維持され、これら全体が単一の文字板として機能する。
所定の時刻になると、又は後述するモニタスイッチが押されると、からくり時計1は、パフォーマンス動作を実行する。具体的には、装飾板5、装飾体10等が初期位置から移動する移動制御が実行される。図1の初期状態から、図2に示すように装飾板5は固定部材90を中心として回転し、装飾体10、30、50は、固定部材90回りを公転しながら自転する。具体的には、初期状態から装飾板5が時計方向に回転し、装飾体10、30、50は時計方向に装飾板5の回転中心を中心として公転しながら時計方向に自転する。
図3は、装飾体10等が後述する基準位置にある場合を示し、図4は、装飾体10等が基準位置を超えている場合を示した図である。移動制御中では不図示のスピーカから主題曲が出力される。尚、移動制御中においては、装飾板5は、初期状態から時計方向に回転して途中で一時的に停止したり、途中で逆回転したりしながら、全体として時計方向に回転する。装飾板5が反時計方向に回転する場合は、装飾体10、30、50は反時計方向に公転、自転する。このようにからくり時計1は、装飾板5が回転し、装飾体10、30、50は公転及び自転する。このため、観賞性に優れている。
移動制御が終了すると、装飾体10等を反時計方向に回転して装飾体10等を初期位置に戻す復帰制御が実行される。復帰制御中では、主題曲とは異なるエンディング曲がスピーカから出力される。また、復帰制御では、装飾板5は一定の速度で反時計方向に回転し、装飾体10等も固定部材90周囲を反時計方向に公転しながら反時計方向に自転して初期位置に戻る。
図5は、からくり時計1の駆動機構の説明図である。図6は、図5のA−A断面図である。尚、図5では、装飾板5、装飾体10、30、50は示していないが、図6においては、装飾板5、装飾体10を示している。正面板3の背面側に地板70が配置されている。地板70の背面側には分針MH、時針HHを駆動するためのムーブメントM、装飾板5や装飾体10等を移動させるためのモータm等を収納したギアケースgcが設けられている。地板70の正面側には、回転板80が地板70に対して相対回転可能に配置されている。回転板80は、固定部材90を中心として回転する。モータmにより回転板80が回転し、これに伴い装飾板5が回転し装飾体10等が公転しながら自転する。地板70、回転板80、ギアケースgc、モータm等は、装飾板5、装飾体10等を移動させる駆動機構に相当する。
ギアケースgc内には、モータm、モータmの歯車g1に噛合う歯車g2、歯車g2と同軸上に固定され歯車g2よりもピッチ円径が小さい歯車g3、歯車g3に噛み合う歯車g4、歯車g4と同軸上に固定され歯車g4よりもピッチ円径が小さい歯車g5が配置されている。モータmの回転動力が減速されて歯車g5に伝達される。
歯車g5は、回転板80の外周縁に形成された歯部82に噛合う。これにより回転板80は地板70に対して相対的に回転する。尚、歯部82は、回転板80の回転中心を中心として円形状に形成されている。回転板80は、略円形であり、外周縁部を3つの保持部材Fにより挟持されている。保持部材Fは、地板70の背面側に固定されている。地板70は、回転板80の外周部を逃すための切り欠き70hが形成されている。切り欠き70hを介して、回転板80の外周部が保持部材Fにより支持されている。また、保持部材Fにより、回転板80は地板70から正面方向に若干のクリアランスをあけて支持されている。
回転板80は、径方向外側から径方向内側の順に、歯部82、外側部81、傾斜部83、内側部84が設けられている。傾斜部83は、外側部81から正面側に延びている。内側部84は外側部81よりも正面側に位置している。内側部84と外側部81とは略平行である。内側部84には装飾板5が固定されている。外側部81は、地板70よりも正面側にあり略平面状である。外側部81には、3つの軸部86、軸部86よりも回転板80の回転中心から離れた3つの軸部87が設けられている。3つの軸部86は、回転板80の回転中心からの距離が同じである。3つの軸部87も同様である。3つの軸部86は、等角度間隔で設けられ、具体的には120度間隔である。3つの軸部87も同様である。また、軸部86、87は隣接している。隣接する軸部86、87の角度間隔は、他の隣接する軸部86、87の角度間隔と同じである。隣接する軸部86、87の角度間隔は60度である。
3つの軸部86にはそれぞれ歯車Gが回転可能に支持されている。3つの軸部87には歯車Gは支持されていないが、回転支持可能である。3つの歯車Gには、それぞれ前述した装飾体10、30、50が固定されている。図6に示すように、装飾体10の背面から延びた複数の固定軸12が歯車Gに固定されている。他の装飾体30、50も同様である。回転板80が回転することにより、3つの歯車Gは回転板80の回転中心周りに公転する。また、これに伴って、3つの歯車Gは地板70の外歯部76に噛合う。
外歯部76は、回転板80の回転中心を中心とした円状に形成されている。回転板80の傾斜部83は、地板70の外歯部76周りを囲うように形成されているが、地板70の外歯部76を露出する切り欠き85が部分的に形成されている。切り欠き85を介して、軸部86に支持された歯車Gは地板70の外歯部76に噛合う。従って、例えば回転板80が時計方向に回転すると、歯車Gは時計方向に公転しつつ、歯車Gは外歯部76に噛合って時計方向に自転する。従って、これらの歯車Gに固定された装飾体10、30、50も同様に公転しながら時計方向に自転する。尚、回転板80には装飾板5が固定されているため、回転板80と一体に装飾板5も回転する。
地板70には、外歯部76よりも外側にあり外歯部76と同心円状に内歯部77が形成されている。軸部87は、外歯部76よりも内歯部77に近い位置に設けられている。軸部86は、内歯部77よりも外歯部76に近い位置に設けられている。例えば、軸部87に歯車Gを支持させることにより、歯車Gは内歯部77と噛合う。これにより、軸部87に支持された歯車Gは、回転板80が時計方向に回転することにより、時計方向に公転しつつ反時計方向に自転する。このような歯車Gに装飾体を固定することにより、本実施例のからくり時計1とは装飾体の動きが異なるからくり時計を容易に低コストで製造することができる。
図7は、からくり時計1の背面図である。地板70の背面側には初期位置検出スイッチ100が固定されている。初期位置検出スイッチ100と対向するように、地板70には、回転板80を部分的に露出する切り欠き79が形成されている。初期位置検出スイッチ100は、装飾体10等が初期位置に位置づけられたことを検出する。
図8A、8Bは、初期位置検出スイッチ100の拡大図である。例えば、復帰制御時で装飾体10等が初期位置に戻る場合、回転板80の背面側に形成された突部89が、初期位置検出スイッチ100のレバー102を押す。これにより、装飾体10等が初期位置に位置づけられたことが検出される。また、この際、突部89は地板70に形成されたストッパ78に当接する。これにより、それ以上の回転板80の回転が制限されて回転板80が初期位置に位置づけられる。ストッパ78は規制部の一例である。復帰制御では、初期位置検出スイッチ100により回転板80が初期位置に位置づけられたことが検出されるとモータmが停止される。
このように地板70には、回転板80が初期位置で当接するストッパ78が形成されている。従って、回転板80は、からくり時計1を正面から見た場合に初期位置から時計方向に略一回転のみ回転可能である。即ち、回転板80の回転範囲は一回転に制限されている。尚、移動制御では、初期位置から回転板80が回転を開始することにより、突部89が初期位置検出スイッチ100のレバー102から退避する。
図9は、からくり時計1の機能ブロック図である。からくり時計1は、モータm、ムーブメントM、スピーカSP、モニタスイッチSW、メモリMR、初期位置検出スイッチ100等が電気的に接続された制御部Cを備えている。制御部Cは、ROM、RAM、CPU等を含み、からくり時計1の全体の動作を制御する。制御部Cは、初期位置検出スイッチ100からの出力の変化に応じて、装飾体10等、及び回転板80が初期位置にあるか否かを把握できる。スピーカSPは、音を出力可能な出力部の一例である。
次に、パフォーマンス動作について説明する。移動制御では、複数種類の主題曲から一の主題曲が選択されてスピーカSPから出力され、選択された主題曲に対応する移動パターンに従って装飾板5、装飾体10等が移動する。図10Aは、移動制御で出力される主題曲と装飾体10等の移動パターンとの概念図である。メモリMRには、スピーカSPから出力可能な第1〜6主題曲のデータと、第1〜6主題曲にそれぞれ対応付けられた第1〜6移動パターンのデータとが記憶されている。メモリMRは記憶部の一例である。第1〜6移動パターンは、装飾板5、装飾体10等の移動パターンである。
これらの第1〜6移動パターンは、演奏時間、モータmの一時停止のタイミング、一時停止の期間、回転方向が切り替わるタイミング等が異なっている。制御部Cは、第1〜6主題曲の何れかを選択してスピーカSPから出力させ、選択された主題曲に対応する移動パターンに従ってモータmの回転を制御する。これにより、スピーカSPから出力される主題曲に対応して装飾体10等が回転する。例えば、時刻が12時になるたびに、第1〜6主題曲から順に一つの主題曲が選択され、選択された主題曲に対応する移動パターンに従って装飾体10等が移動する。このように、出力される主題曲に応じて装飾体10等が移動するので、鑑賞性に優れている。尚、モータmの回転速度は、回転方向によらずに一定であるが、移動パターン毎に異なっていてもよい。
復帰制御では、制御部Cがモータmを逆回転させることによって、装飾体10等を初期位置に戻す。図10Bは、復帰制御で出力されるエンディング曲と装飾体10等の移動パターンとの概念図である。復帰制御中では、演奏時間が異なる第1、第2エンディング曲の一方が出力される。第1、第2エンディング曲のデータもメモリMRに記憶されている。なお、本実施形態においては第1エンディング曲の方が第2エンディング曲よりも演奏時間が短いものとする。
ここで、移動制御終了時での装飾体10等の停止位置は、移動制御で選択された移動パターンに応じて、異なっている。即ち、移動制御終了時での停止位置から初期位置まで装飾体10等を戻すのに必要な距離は、移動パターン毎に異なっている。モータmの回転速度は一定であるため、装飾体10等を初期位置に戻すのに要する時間も異なってくる。制御部Cは、移動制御終了時での装飾体10等の停止位置に応じて、第1、第2エンディング曲のいずれかを選択してスピーカSPから出力させる復帰制御を実行する。このようにすることにより、復帰制御での装飾体10等が初期位置に到達するタイミングとエンディング曲が終了するタイミングとのずれを抑制している。尚、第1、第2エンディング曲は、演奏時間が異なっていればよく、同じ曲であってもよいし異なる曲であってもよい。
尚、制御部Cは、移動制御終了時での装飾体10等の停止位置を以下のようにして推定する。制御部Cは、装飾体10等が初期位置から移動を開始した時から移動制御終了時までのモータmの通電期間に基づいて、装飾体10等の停止位置を推定する。詳細には、例えば、モータmが正回転するように通電されている期間はカウントを積算し、モータmが逆回転するように通電されている期間はカウントを減算する。そして演奏が終了した時点でのカウント値に基づいた通電時間が印加された場合に、装飾体10等が、初期位置からどれだけ移動するかを推定する。このようにして、制御部Cは、装飾体10等の位置を把握できる。尚、モータmが正回転する場合とは、からくり時計1を正面から見て装飾板5、装飾体10が時計方向に回転する場合である。尚、制御部Cは、装飾体10等が初期位置から移動を開始したことを初期位置検出スイッチ100が検出した時からモータmの通電期間のカウントを開始する。
また、移動制御実行中にモニタスイッチSWが操作されると、からくり時計1はモニタ制御を実行する。モニタスイッチSWはモニタ操作部の一例である。モニタ制御では、移動制御実行中に出力されていた主題曲とは異なる主題曲を第1〜6主題曲の中から選択してスピーカSPから出力され、第1〜6移動パターンとは異なるモニタ移動パターンに従って、装飾体10等が移動する。ユーザは、モニタスイッチSWを操作することにより、からくり時計1がどのような主題曲を出力可能であるかどうかを把握できる。詳しくは後述する。
尚、初期状態でモニタスイッチSWが操作されると、上述した移動制御が実行される。移動制御中にモニタスイッチSWが操作されると、モニタ制御が実行される。
図11は、制御部Cが実行する制御の一例を示したフローチャートである。パフォーマンス動作が実行される時刻又はモニタスイッチSWが操作されると、制御部Cは、移動制御を実行する。即ち、第1〜6主題曲の中から一の主題曲を選択して(ステップS1)、スピーカSPから選択した主題曲を出力させる(ステップS2)。次に、制御部Cは、選択された主題曲に対応付けられた移動パターンで装飾板5、装飾体10等を移動させる(ステップS3)。
制御部Cは、主題曲が終了したか否かを判定し(ステップS4)、主題曲が終了すると(ステップS4でYes)、次のように復帰制御を実行する。制御部Cは、モータmへの通電期間に基づいて装飾体10等の停止位置を推定して、推定された停止位置が基準位置よりも手前か否かを判定する(ステップS5)。ここで基準位置とは、図3に示した位置である。即ち、基準位置は、回転板80が約半周した位置である。尚、基準位置はこれに限定されない。
ステップS5で肯定判定の場合、即ち、装飾体10等が基準位置手前で停止した場合、制御部Cは、演奏時間が短い第1エンディング曲を選択する(ステップS6)。例えば、図2に示した状態で移動制御が終了した場合である。このように、装飾体10の停止位置が初期位置に近い場合には、演奏時間が短い第1エンディング曲が選択される。ステップS5で否定判定の場合、即ち、装飾体10等が基準位置を超えて停止した場合には、制御部Cは、演奏時間が長い第2エンディング曲を選択する(ステップS7)。例えば、図4に示した状態で移動制御が終了した場合である。このように、装飾体10等の停止位置が初期位置から離れている場合には、演奏時間が長い第2エンディング曲が選択される。
制御部Cは、選択したエンディング曲をスピーカSPから出力させ(ステップS8)、装飾体10等を初期位置に戻す(ステップS9)。その後、エンディング曲が終了し装飾体10等も初期位置で停止する(ステップS10)。尚、制御部Cは、初期位置検出スイッチ100の出力信号の変化に基づいて、装飾体10等が初期位置に戻ったか否かを判定でき、装飾体10等が初期位置に戻った場合には、制御部Cはモータmを停止させる。これにより、エンディング制御中での装飾体10等が初期位置に戻るタイミングと、エンディング曲が終了するタイミングとのずれを抑制できる。よって、移動制御終了時の装飾体10等の停止位置を考慮することなく、移動制御での装飾体の移動パターンのバリエーションを設定することができる。よって、からくり時計1の鑑賞性が向上する。
ステップS4で否定判定の場合、即ち移動制御実行中で主題曲が出力されている場合、制御部Cは、モニタスイッチSWが押されたか否かを判定する(ステップS11)。否定判定の場合には、制御部Cは再度ステップS4の処理を実行する。肯定判定の場合には、制御部Cは、モニタ制御を実行する(ステップS12)。
モニタ制御では、制御部Cは、移動制御実行中で選択され出力されている主題曲とは異なる主題曲を第1〜6主題曲から選択してスピーカSPから出力させる。また、制御部Cは、新たに選択された主題曲に予め対応付けられた移動パターンとは異なるモニタ移動パターンに従って装飾体10等を移動させる。具体的には、制御部Cは、装飾体10が図3に示した位置を判定の基準として所定範囲を往復するようにモータmの回転を制御する。
例えば、移動制御実行中にモニタスイッチSWが押された場合に、新たに選択された主題曲に予め対応付けられた移動パターンに従って装飾体10等を移動させた場合、次のような問題が生じるおそれがある。第1〜6移動パターンは、それぞれ装飾体10等が初期位置から移動を開始することを前提で設定されている。移動制御実行中では、装飾体10等は既に初期位置から移動している。初期位置以外に位置している装飾体10等を、第1〜6移動パターンの何れかに従って移動させると、回転板80が略一周してストッパ78により回転が規制されるおそれがある。回転板80の回転が規制されて停止すると、装飾体10等も停止する。このため、鑑賞性が低下する。
本実施例では、移動制御実行中にモニタスイッチSWが押された場合の装飾体10等の位置に基づいて装飾体10等の回転方向が決定される。すなわち装飾体10等が図3に示した基準位置を過ぎて、例えば図4に示す状態でモニタスイッチSWが押された場合には、装飾体10等を図3に示した基準位置に戻る方向に移動させる。また、装飾体10等の位置が図3に示した基準位置に達していない状態でモニタスイッチSWが押された場合には基準位置方向に移動を継続する。そして、いずれの場合も装飾体10等は所定の移動量だけ移動される。所定の移動量とは、例えば、本実施形態において6秒間の間に移動できる量である。そして所定の移動量だけ移動し終わったら、今度は逆方向に同じ移動量だけ装飾体10等を移動させる。すなわち逆方向に6秒間だけ移動させる。そうすると装飾体10等はモニタスイッチSWが押された際の位置に復帰する。その後は、選択された主題曲の演奏が終わるまで、往復動を繰り返す。このように、装飾体10等は図3に示した基準位置に基づいて、所定範囲を往復する。これにより、装飾板5、装飾体10等の移動が規制される位置まで移動して、装飾板5、装飾体10等が停止することが防止される。よって、鑑賞性の低下が抑制されている。
尚、モニタ制御中での装飾体10等の往復についても、制御部Cは、上述したようにモータmへの通電期間に基づいて装飾体10等の位置を随時モニタして、上述したように基準位置と装飾体10等との位置関係に基づいて装飾体10等を往復させる。
モニタ制御により新たに選択された主題曲が終了すると、制御部Cは、装飾体10等の位置を推定し、図3に示す基準位置を過ぎているか否かを判定する。そして、例えば図3に示す基準位置を越えていないと判定した場合には、演奏時間の短い第1エンディング曲を選択して(ステップS6)、復帰制御を実行する。装飾体10等が図3に示す基準位置を超えていると判定した場合、例えば図4に示した位置にいる場合には、演奏時間が長い第2エンディング曲を選択して、復帰制御をする。
尚、モニタ制御実行中に再度モニタスイッチSWが操作されると、再度別の主題曲が選択されて、モニタ移動パターンに従って装飾板5、装飾体10等が移動する。
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
尚、装飾体10等が基準位置にあるか否かの検出は、例えば、装飾板5、装飾体10、30、50、回転板80の少なくとも一つに接触するスイッチによって検出してもよい。
また、フォトインタラプタ、又はフォトリフレクタによって、装飾体10等が基準位置にあるか否かを検出してもよい。例えば、フォトインタラプタを設ける場合、回転板80を挟むように発光素子及び受光素子を配置し、回転板80に透孔を形成し、回転板80が基準位置にある場合に透孔を介して発光素子の光を受光素子が受光するようにしてもよい。フォトリフレクタを設ける場合、回転板80の一方側に発光素子及び受光素子を配置し、回転板80の一部に反射板を貼り付け、回転板80が基準位置に到達した場合に発光素子の光が反射板に反射して受光素子で受光するようにしてもよい。
モータmがステッピングモータの場合、モータmに印加される駆動パルス数をカウントすることにより、装飾体10等の位置を推定してもよい。
基準位置が2つ以上あり、エンディング曲が3以上あってもよい。例えば、初期位置に近い第1基準位置、初期位置から離れた第2基準位置を設定し、演奏時間が最も短い第1エンディング曲、第1エンディング曲よりも演奏時間が長い第2エンディング曲、演奏時間が最も長い第3エンディング曲が記憶されていてもよい。この場合、例えば、移動制御終了時の装飾体10等の停止位置が第1基準位置よりも手前の場合には第1エンディング曲を出力し、停止位置が第1基準位置を越えているが第2基準位置よりも手前の場合には、第2エンディング曲を出力し、停止位置が第2基準位置を越えている場合には、第3エンディング曲を出力してもよい。
装飾体は、文字板を構成するものに限定されない。
1、 からくり時計
5 装飾板
10、30、50 装飾体
70 地板
76 外歯部
78 ストッパ(規制部)
80 回転板
86、87 軸部
90 固定部材
100 初期位置検出スイッチ
G 歯車
m モータ
C 制御部

Claims (1)

  1. 装飾体と、
    前記装飾体を移動させる駆動機構と、
    前記装飾体の移動範囲を規制する規制部と、
    音を出力可能な出力部と、
    モニタ操作部と、
    主題曲を出力させて前記装飾体を初期位置から移動させる移動制御を実行する制御部と、を備え、
    前記出力部から出力可能な複数種類の主題曲は、それぞれ複数種類の前記装飾体の移動パターンに対応付けられており、
    前記移動制御では、前記複数種類の主題曲から一の主題曲が出力され、出力中の前記主題曲に対応した移動パターンに従って前記装飾体が移動し、
    前記装飾体が前記初期位置で停止している状態で前記モニタ操作部が操作されると、前記制御部は、前記移動制御を実行し、
    前記移動制御実行中に前記モニタ操作部が操作されると、前記制御部は、前記移動制御中に出力された前記主題曲とは異なる主題曲を前記複数種類の主題曲から選択して前記出力部から出力させ前記装飾体を前記移動範囲内の所定位置を基準位置とした所定の範囲で往復させるモニタ制御を実行する、からくり時計。
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