JP6064854B2 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、より特定的には、コモンモードチョークコイルを内蔵している電子部品及びその製造方法に関する。
従来の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の電子部品が知られている。該電子部品では、複数の絶縁体層が積層された積層体と、前記絶縁体層上に設けられた螺旋状の内部導体と、積層体において積層方向に延在する稜線を覆っている外部電極と、を備えている。螺旋状の内部導体の端部は、積層体の稜線まで引き出されることにより、外部電極と接続されている。
ところで、特許文献1に記載の電子部品では、内部導体と外部電極との間に断線が発生するおそれがある。より詳細には、電子部品の実装時のはんだのリフロー工程では、外部電極が加熱及び冷却される。そのため、外部電極は、加熱によって膨張した後、冷却によって収縮する。外部電極の材料には、比較的に線膨張係数の大きなCu等の導電性材料が用いられることが多い。そのため、冷却時における外部電極及び引き出し導体の収縮によって、外部電極と引き出し導体とが断線するおそれがある。
特開2005−217345号公報
そこで、本発明の目的は、断線の発生を抑制できる電子部品及びその製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する直方体状の第1の磁性体基板であって、該第1の主面と該第2の主面とを繋ぐ第1の切り欠き部及び第2の切り欠き部が設けられている第1の磁性体基板と、前記第1の主面上に積層されている複数の絶縁体層からなる積層体と、前記積層体内に設けられているコイルであって、コイル部、及び、該コイル部の両端のそれぞれに接続され、かつ、積層方向から平面視したときに前記第1の切り欠き部及び前記第2の切り欠き部のそれぞれと重なる第1の引き出し部及び第2の引き出し部を含んでいるコイルと、前記第2の主面上に設けられている第1の外部電極及び第2の外部電極と、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極と前記第1の引き出し部及び前記第2の引き出し部のそれぞれとを接続する第1の接続部及び第2の接続部であって、前記第1の切り欠き部の内周面及び前記第2の切り欠き部の内周面のそれぞれに設けられている第1の接続部及び第2の接続部と、前記第1の引き出し部と前記第1の接続部との接合部分、及び、前記第2の引き出し部と前記第2の接続部との接合部分に設けられ、かつ、該第1の引き出し部、該第2の引き出し部、該第1の接続部及び該第2の接続部の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有する粒子と、を備えており前記第1の引き出し部及び前記第2の引き出し部は、Cuであり、前記粒子の平均粒径は、1μm以上3μm以下であること、を特徴とする。
前記電子部品の製造方法であって、前記第1の磁性体基板となる第1のマザー基板の前記第1の主面上に前記積層体となるマザー積層体が設けられたマザー本体を準備する準備工程と、前記第1のマザー基板における前記第1の切り欠き部及び前記第2の切り欠き部が形成されるべき位置に、前記粒子を用いたサンドブラスト工法により貫通孔を形成するサンドブラスト工程と、前記貫通孔の内周面に導体層を形成して前記第1の接続部及び前記第2の接続部を形成する接続部形成工程と、前記第1のマザー基板の主面上に導体層を形成して前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極を形成する外部電極形成工程と、前記マザー本体をカットするカット工程と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、断線の発生を抑制できる。
一実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。 図1の電子部品10の分解斜視図である。 図3(a)は、コイル部25及び絶縁体層18cをz軸方向から平面視した図である。図3(b)は、図3(a)のX−Xにおける断面構造図である。 電子部品10の製造時における工程断面図である。 電子部品10の製造時における工程断面図である。 電子部品10の製造時における工程断面図である。 電子部品10の製造時における工程断面図である。 コンピュータシミュレーションの結果を示したグラフである。 コンピュータシミュレーションの結果を示したグラフである。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品及びその製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
まず、本発明の一実施形態に係る電子部品の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、図1の電子部品10の分解斜視図である。図3(a)は、コイル部25及び絶縁体層18cをz軸方向から平面視した図である。図3(b)は、図3(a)のX−Xにおける断面構造図である。以下では、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、z軸方向から平面視したときに、長辺が延在している方向をx軸方向と定義し、短辺が延在している方向をy軸方向と定義する。また、z軸方向の正方向側から平面視することを、単に、z軸方向から平面視すると言う。
電子部品10は、図1及び図2に示すように、磁性体基板12a,12b、積層体14、外部電極15(15a〜15d)、接続部16(16a〜16d)及びコイルL1,L2を備えている。
磁性体基板12aは、互いに対向する主面S1,S2を有する直方体状をなしている。磁性体基板12aにおいて、主面S1は、主面S2よりもz軸方向の正方向側に位置している。ただし、磁性体基板12aは、主面S1,S2を接続する4本の稜線が切り欠き部Ca〜Cdにより切り欠かれた形状をなしている。以下に、磁性体基板12aの形状についてより詳細に説明する。
切り欠き部Ca〜Cdは、稜線近傍が削り取られて形成された空間を指す。切り欠き部Caは、x軸方向の負方向側であってy軸方向の正方向側の稜線が削り取られて形成された空間である。切り欠き部Cbは、x軸方向の負方向側であってy軸方向の負方向側の稜線が削り取られて形成された空間である。切り欠き部Ccは、x軸方向の正方向側であってy軸方向の正方向側の稜線が削り取られて形成された空間である。切り欠き部Cdは、x軸方向の正方向側であってy軸方向の負方向側の稜線が削り取られて形成された空間である。
磁性体基板12aは、焼結済みのフェライトセラミックスが削り出されて作製される。また、磁性体基板12aは、フェライト仮焼粉末及びバインダーからなるペーストがアルミナ等のセラミックス基板に塗布されることによって作製されてもよいし、フェライト材料のグリーンシートが積層及び焼成されて作製されてもよい。
磁性体基板12aのz軸方向に延在する稜線近傍は、主面S2から主面S1へと、z軸方向の正方向側に向かって尖った釣鐘状(ドーム状)に削り取られている。したがって、切り欠き部Ca〜Cdをz軸方向から平面視したときの面積は、主面S2から主面S1に近づくにしたがって(z軸方向の正方向側にいくにしたがって)小さくなっている。そして、切り欠き部Ca〜Cdを形成している面は、図3(b)に示すように、主面S2に対して鈍角θをなしている。
積層体14は、主面S1上に積層されている複数の絶縁体層18a〜18c及び有機系接着剤層19からなり、z軸方向から平面視したときに、切り欠き部Ca〜Cdのそれぞれと重なる角C1〜C4を有する長方形状をなしている。絶縁体層18a〜18cは、z軸方向の正方向側からこの順に並ぶように積層されており、主面S1と略同じサイズを有している。但し、絶縁体層18aのy軸方向の負方向側の長辺の両端に位置する角は切り欠かれている。更に、絶縁体層18aには、z軸方向の貫通するビアホールH1,H2が設けられている。絶縁体層18bの4つの角は切り欠かれている。更に、絶縁体層18bには、z軸方向に貫通するビアホールH3が設けられている。ビアホールH3とビアホールH2とは繋がっている。絶縁体層18cの4つの角は切り欠かれている。
絶縁体層18a〜18cは、ポリイミドにより作製されている。また、絶縁体層18a〜18cは、ベンゾシクロブテン等の絶縁性樹脂により作製されていてもよいし、ガラスセラミックス等の絶縁性無機材料で作製されていてもよい。以下では、絶縁体層18a〜18cのz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、絶縁体層18a〜18cのz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
磁性体基板12bは、直方体状をなしており、磁性体基板12aと共に積層体14をz軸方向から挟んでいる。すなわち、磁性体基板12bは、積層体14のz軸方向の正方向側に重ねられている。磁性体基板12bは、焼結済みのフェライトセラミックスが削り出されて作製される。また、磁性体基板12bは、フェライト仮焼粉末及びバインダーからなるペーストがアルミナ等のセラミックス基板に塗布されることによって作製されてもよいし、フェライト材料のグリーンシートが積層及び焼成されて作製されてもよい。
磁性体基板12bと積層体14とは、接着剤によって接合されていてもよい。本実施形態では、磁性体基板12bと積層体14とは、有機系接着剤層19により接着されている。
コイルL1は、積層体14内に設けられており、コイル部20、引き出し部21a,21b及び引き出し部22a〜22cを含んでいる。コイル部20は、絶縁体層18bの表面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、時計回りに旋回しながら中心に向かって近づいていく渦巻状をなしている。コイル部20の中心は、z軸方向から平面視したときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。
引き出し部21aは、絶縁体層18bの表面上に設けられており、コイル部20の外側の端部に接続されている。また、引き出し部21aは、絶縁体層18bのx軸方向の負方向側であってy軸方向の正方向側の角の切り欠かれた部分に引き出されている。引き出し部21aは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18bをz軸方向に貫通している。
引き出し部21bは、絶縁体層18cのx軸方向の負方向側であってy軸方向の正方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部21bは、引き出し部21aと繋がっている。引き出し部21bは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18cをz軸方向に貫通している。
以上のように構成された引き出し部21a,21bは、コイル部20の端部に接続され、かつ、積層体14のz軸方向の負方向側の主面の角C1に引き出されている。これにより、引き出し部21bは、z軸方向の負方向側から平面視したときに、切り欠き部Caにおいて露出している。
引き出し部22aは、絶縁体層18aの表面上に設けられており、ビアホールH1を介して絶縁体層18aをz軸方向に貫通することにより、コイル部20の内側の端部に接続されている。また、引き出し部22aは、絶縁体層18aのx軸方向の負方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に引き出されている。引き出し部22aは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18aをz軸方向に貫通している。
引き出し部22bは、絶縁体層18bのx軸方向の負方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部22bは、引き出し部22aと繋がっている。引き出し部22bは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18bをz軸方向に貫通している。
引き出し部22cは、絶縁体層18cのx軸方向の負方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部22cは、引き出し部22bと繋がっている。引き出し部22cは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18cをz軸方向に貫通している。
以上のように構成された引き出し部22a〜22cは、コイル部20の端部に接続され、かつ、積層体14のz軸方向の負方向側の主面の角C2に引き出されている。これにより、引き出し部22cは、z軸方向の負方向側から平面視したときに、切り欠き部Cbにおいて露出している。
コイル部20及び引き出し部21a,21b,22a〜22cは、Cuがスパッタ法で成膜されることにより作製される。また、コイル部20及び引き出し部21a,21b,22a〜22cは、Ag、Au等の電気伝導性の高い材料によって作製されてもよい。
コイルL2は、積層体14内に設けられており、コイル部25及び引き出し部26(第3の引き出し部)、及び、引き出し部27a〜27d(第4の引き出し部)を含んでいる。コイル部25は、絶縁体層18cの表面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、時計回りに旋回しながら中心に向かって近づいていく渦巻状をなしている。すなわち、コイル部25は、コイル部20と同じ方向に旋回している。コイル部25の中心は、z軸方向から平面視したときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。よって、コイル部25は、z軸方向から平面視したときにコイル部20と重なっている。更に、コイル部25は、コイル部20よりもz軸方向の負方向側(磁性体基板12aの近く)に設けられている。これにより、コイルL2は、コイルL1と共にコモンモードチョークコイルを構成している。
引き出し部26は、絶縁体層18cの表面上に設けられており、コイル部25の外側の端部に接続されている。また、引き出し部26は、絶縁体層18cのx軸方向の正方向側であってy軸方向の正方向側の角の切り欠かれた部分に引き出されている。引き出し部26は、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18cをz軸方向に貫通している。
以上のように構成された引き出し部26は、コイル部25の端部に接続され、かつ、積層体14のz軸方向の負方向側の主面の角C3に引き出されている。これにより、引き出し部26は、z軸方向の負方向側から平面視したときに、切り欠き部Ccにおいて露出している。
なお、引き出し部30は、絶縁体層18bのx軸方向の正方向側であってy軸方向の正方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部30は、引き出し部26と繋がっている。
引き出し部27aは、絶縁体層18bの表面上に設けられており、ビアホールH3を介して絶縁体層18bをz軸方向に貫通することにより、コイル部25の内側の端部に接続されている四角形状の導体である。
引き出し部27bは、絶縁体層18aの表面上に設けられており、ビアホールH2を介して絶縁体層18aをz軸方向に貫通することにより、引き出し部27aに接続されている。また、引き出し部27bは、絶縁体層18aのx軸方向の正方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に引き出されている。引き出し部27bは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18aをz軸方向に貫通している。
引き出し部27cは、絶縁体層18bのx軸方向の正方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部27cは、引き出し部27bと繋がっている。引き出し部27cは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18bをz軸方向に貫通している。
引き出し部27dは、絶縁体層18cのx軸方向の正方向側であってy軸方向の負方向側の角の切り欠かれた部分に設けられている四角形状の導体である。これにより、引き出し部27dは、引き出し部27cと繋がっている。引き出し部27dは、切り欠かれた部分を介して絶縁体層18cをz軸方向に貫通している。
以上のように構成された引き出し部27a〜27dは、コイル部25の端部に接続され、かつ、積層体14のz軸方向の負方向側の主面の角C4に引き出されている。これにより、引き出し部27dは、z軸方向の負方向側から平面視したときに、切り欠き部Cdにおいて露出している。
コイル部25及び引き出し部26,27a〜27dは、Cuがスパッタ法で成膜されることにより作製される。また、コイル部25及び引き出し部26,27a〜27dは、Ag、Au等の電気伝導性の高い材料によって作製されてもよい。
外部電極15は、磁性体基板12aの主面S2上に設けられており、長方形状をなしている。より詳細には、外部電極15aは、主面S2において、x軸方向の負方向側であってy軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。外部電極15bは、主面S2において、x軸方向の負方向側であってy軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。外部電極15cは、主面S2において、x軸方向の正方向側であってy軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。外部電極15dは、主面S2において、x軸方向の正方向側であってy軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。外部電極15は、Au膜、Ni膜、Cu膜、Ti膜が下層から上層へとスパッタ法により重ねて成膜されることによって作製されている。また、外部電極15の表面には、Niめっき及びSnめっきが施されている。なお、外部電極15は、Cu等の金属を含有するペーストが印刷及び焼き付けされて作製されてもよいし、Cu等が蒸着やめっき工法によって成膜されることによって作製されてもよい。
接続部16a〜16dはそれぞれ、外部電極15a〜15dと引き出し部21b,22c,26,27dとを接続し、切り欠き部Ca〜Cdの内周面に設けられている。接続部16a〜16dはそれぞれ、切り欠き部Ca〜Cdを形成している内周面を覆っている。接続部16a〜16dは、Tiを主成分とする導体膜とCuを主成分とする導体膜とが下層から上層へと重ねてめっき法により成膜されることによって作製されている。なお、接続部16a〜16dは、Ag、Au等の電気伝導性の高い材料により作製されてもよい。
ここで、コイル部25、引き出し部21b,22c,26,27d及び接続部16a〜16dの位置関係について図面を参照しながら説明する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、コイル部25と接続部16dとの最短距離D1は、コイル部25と引き出し部27dとの最短距離D2よりも長い。また、コイル部25と接続部16aとの最短距離D1は、コイル部25と引き出し部21bとの最短距離D2よりも長い。コイル部25と接続部16bとの最短距離D1は、コイル部25と引き出し部22cとの最短距離D2よりも長い。コイル部25と接続部16cとの最短距離D1は、コイル部25と引き出し部26との最短距離D2よりも長い。
更に、図3(b)に示すように、コイル部20,25(コイル部20は図示せず)は、z軸方向から平面視したときに、接続部16a〜16d(接続部16a〜16cは図示せず)に対して重なっていない。
また、電子部品10は、図3(b)に示すように、粒子P1〜P3を更に備えている。粒子P1〜P3は、引き出し部27dと接続部16dとの接合部分に設けられている無機材料(アルミナ又はSiC)の粒子である。引き出し部27d及び接続部16dは、例えば、Cuにより作製されている。アルミナ又はSiCの線膨張係数は、Cuの線膨張係数よりも小さい。したがって、粒子P1〜P3の線膨張係数は、引き出し部27d及び接続部16dの線膨張係数よりも小さい。また、粒子P1〜P3は、球状をなしており、粒子P1〜P3の平均粒径は、1μmである。なお、図3(b)では、粒子P1〜P3が図示されているが、実際には更に多数の粒子が存在している。
また、引き出し部21b,22c,26と接続部16a,16b,16cとの接合部分にも、引き出し部27dと接続部16dとの接合部分と同様に、粒子が設けられている。
以上のように構成された電子部品10の動作について以下に説明する。外部電極15a,15cは、入力端子として用いられる。外部電極15b,15dは、出力端子として用いられる。
外部電極15a,15cにはそれぞれ、位相が180度異なる第1の信号及び第2の信号からなる差動伝送信号が入力される。第1の信号及び第2の信号は、デファレンシャルモードであるので、コイルL1,L2を通過する際にコイルL1,L2に互いに逆向きの磁束を発生させる。そして、コイルL1で発生した磁束とコイルL2で発生した磁束とは互いに打ち消し合う。そのため、コイルL1,L2内では、第1の信号及び第2の信号が流れることによる磁束の増減が殆ど生じない。すなわち、コイルL1,L2は、第1の信号及び第2の信号が流れることを妨げる逆起電力を発生しない。よって、電子部品10は、第1の信号及び第2の信号に対しては、非常に小さなインピーダンスしか有さない。
一方、第1の信号及び第2の信号にコモンモードノイズが含まれている場合には、コモンモードノイズは、コイルL1,L2を通過する際にコイルL1,L2に同じ向きの磁束を発生させる。そのため、コイルL1,L2内では、コモンモードノイズが流れることによって、磁束が増加する。これにより、コイルL1,L2は、コモンモードノイズが流れることを妨げる逆起電力を発生する。よって、電子部品10は、第1の信号及び第2の信号に対しては、大きなインピーダンスを有している。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図4ないし図7は、電子部品10の製造時における工程断面図である。
まず、以下に説明するように、磁性体基板12aとなるマザー基板112a(図4参照)の主面S1上に積層体14となるマザー積層体114(図4参照)が設けられ、更に、マザー積層体114上に磁性体基板12bとなるマザー基板112b(図4参照)が設けられたマザー本体110を準備する。
具体的には、マザー基板112aの主面S1上の全面に感光性樹脂であるポリイミド樹脂を塗布する。次に、絶縁体層18cの4つの角に対応する位置を遮光し、露光を行う。これにより、遮光されていない部分のポリイミド樹脂が硬化する。この後、フォトレジストを有機溶剤により除去すると共に、現像を行って、未硬化のポリイミド樹脂を除去し、熱硬化する。これにより、絶縁体層18cが形成される。
次に、絶縁体層18c上にスパッタ法によりCu膜を成膜する。次に、コイル部25及び引き出し部21b,22c,26,27dが形成される部分の上にフォトレジストを形成する。そして、エッチング工法により、コイル部25及び引き出し部21b,22c,26,27dが形成される部分(すなわち、フォトレジストで覆われている部分)以外のCu膜を除去する。この後、フォトレジストを有機溶剤により除去することによって、コイル部25及び引き出し部21b,22c,26,27dが形成される。
以上の工程と同じ工程を繰り返すことにより、絶縁体層18a,18b及びコイル部20、引き出し部21a,21b,22a,22b,27a〜27c,30を形成する。
次に、マザー積層体114上に熱硬化性の有機系接着剤層19によりマザー基板112bを接着する。これにより、図4(a)に示すマザー本体110を得る。
次に、図4(b)に示すように、マザー基板112aのz軸方向の負方向側の主面を研削又は研磨する。
次に、図4(c)に示すように、マザー積層体114内のコイルL1,L2との位置合わせを行って、マザー基板112aのz軸方向の負方向側の主面上にフォトレジストM1を形成する。フォトレジストM1は、切り欠き部Ca〜Cdが形成される領域に開口を有している。
次に、図5(a)に示すように、フォトレジストM1を介してサンドブラスト工法によって、マザー基板112aに対して切り欠き部Ca〜Cdが形成されるべき位置に貫通孔を形成する。サンドブラスト工法では、無機材料(アルミナ又はSiC)の粒子を用いる。粒子の平均粒径は、10μmである。貫通孔の底部には、引き出し部21b,22c,26,27dが露出している。そして、粒子が貫通孔の底部及び引き出し部21b,22c,26,27d上に僅かに残留する。残留した粒子の平均粒径は、サンドブラスト工程において粒子が粉砕されているので、1μm程度である。
次に、図5(b)に示すように、有機溶剤によりフォトレジストM1を除去する。
次に、図5(c)に示すように、マザー本体110のz軸方向の負方向側の主面の全面に対して、Ti薄膜150及びCu薄膜152をスパッタ工法により成膜する。
次に、図6(a)に示すように、Ti薄膜150及びCu薄膜152を給電膜として用いて、電界めっき法により、Cuめっき膜154を形成する。
次に、図6(b)に示すように、ウェットエッチング、研削、研磨、CMP等により、貫通孔以外の部分に形成されているTi薄膜150、Cu薄膜152及びCuめっき膜154を除去する。これにより、マザー本体110のz軸方向の負方向側の主面が平坦化される。図5(c)ないし図6(b)の工程により、貫通孔内に導体層が形成されることによって、接続部16a〜16dが形成される。
次に、図6(c)に示すように、Ti膜、Cu膜、Ni膜及びAu膜が下層から上層へとこの順に積層されてなる導体層156をマザー本体110のz軸方向の負方向側の主面の全面にスパッタ工法により形成する。
次に、図6(d)に示すように、マザー本体110のz軸方向の負方向側の主面上にフォトレジストM2を形成する。フォトレジストM2は、外部電極15a〜15dが形成される領域を覆っている。
次に、図7(a)に示すように、エッチング工法により、フォトレジストM2により覆われている部分以外の導体層156を除去する。そして、図7(b)に示すように、フォトレジストM2を有機溶剤により除去する。図6(c)ないし図7(b)の工程により、マザー基板112aのz軸方向の負方向側の主面上に導体層が形成されることにより、外部電極15a〜15dが形成される。
次に、図7(c)に示すように、マザー基板112bのz軸方向の正方向側の主面を研削又は研磨する。
次に、図7(d)に示すように、ダイサーにより、マザー本体110をカットし、複数の電子部品10を得る。図7(d)の工程では、ダイサーを貫通孔内のTi薄膜150、Cu薄膜152及びCuめっき膜154を通過させる。これにより、Ti薄膜150、Cu薄膜152及びCuめっき膜154が接続部16a〜16dに分割される。この後、電子部品10に対して、バレル研磨を行って、面取りを施してもよい。また、外部電極15a〜15dの表面及び接続部16a〜16dの表面には、バレル研磨後に、はんだ濡れ性の向上のために、Niめっき及びSnめっきが施されてもよい。
(効果)
本実施形態に係る電子部品10及びその製造方法によれば、電子部品10において断線の発生を抑制できる。より詳細には、電子部品10の製造方法では、サンドブラスト工法によって、マザー基板112aに対して切り欠き部Ca〜Cdが形成されるべき位置に貫通孔を形成する。サンドブラスト工法では、無機材料(アルミナ又はSiC)の粒子を用いる。貫通孔の底部には、引き出し部21b,22c,26,27dが露出している。そのため、粒子が貫通孔の底部及び引き出し部21b,22c,26,27d上に僅かに残留する。これにより、引き出し部21b,22c,26,27dと接続部16a,16b,16c,16dとの接合部分に該粒子が設けられる。
ここで、引き出し部21b,22c,26,27d及び接続部16a,16b,16c,16dは、例えば、Cuにより作製されている。アルミナ又はSiCの線膨張係数は、Cuの線膨張係数よりも小さい。したがって、粒子の線膨張係数は、引き出し部21b,22c,26,27d及び接続部16a,16b,16c,16dの線膨張係数よりも小さい。このように、粒子の線膨張係数が、引き出し部21b,22c,26,27d及び接続部16a,16b,16c,16dの線膨張係数よりも小さくなると、後述するように、電子部品10の実装時のリフロー工程において、引き出し部21b,22c,26,27dと接続部16a,16b,16c,16dとの間に働く圧縮応力が大きくなる。その結果、引き出し部21b,22c,26,27dと接続部16a,16b,16c,16dとが強固に接合されるようになり、これらの間において断線が発生することが抑制される。
(コンピュータシミュレーション)
本願発明者は、本実施形態に係る電子部品10及びその製造方法が奏する効果をより明確にするために、ムラタソフトウェア株式会社製の解析シミュレーションソフトウェアFemtet(フェムテット(登録商標))を用いて、以下に説明する2種類のコンピュータシミュレーションを行った。
まず、第1のコンピュータシミュレーションについて説明する。本願発明者は、粒子が設けられていない第1のモデル及び粒子が設けられている第2のモデルを作成した。本願発明者は、第2のモデルとして、図3(b)に示すように、球状の3つの粒子P1〜P3が等間隔に配置されたモデルを作成した。粒子P1〜P3の直径は、2μmであり、粒子P1〜P3の材質は、SiCとした。以下に、コンピュータシミュレーションの条件について列挙する。
SiCのヤング率:4.5×1011Pa
SiCのポアソン比:0.17
SiCの線膨張係数:6.6×10-6/K
Cuのヤング率:1.29×1011Pa
Cuのポアソン比:0.34
Cuの線膨張係数:1.4×10-5/K
Niのヤング率:2.01×1011Pa
Niのポアソン比:0.31
Niの線膨張係数:1.34×10-5/K
Snのヤング率:4.99×1010Pa
Snのポアソン比:0.357
Snの線膨張係数:2.30×10-5/K
フェライトのヤング率:1.47×1011Pa
フェライトのポアソン比:0.2
フェライトの線膨張係数:9.50×10-6/K
ポリイミドのヤング率:3.30×109Pa
ポリイミドのポアソン比:0.458
ポリイミドの線膨張係数:3.60×10-5/K
本願発明者は、第1のモデル及び第2のモデルを用いて、リフロー工程を想定して25℃から260℃まで加熱したときに、第1のモデル及び第2のモデルの各部に発生している応力を計算した。図8は、コンピュータシミュレーションの結果を示したグラフである。図8の縦軸は、応力を示し、図8の横軸は、位置を示している。応力は、正の値の場合には、応力が引っ張り応力であることを示し、負の値の場合には、応力が圧縮応力であることを示す。また、位置は、図3の矢印Bに沿った位置を示す。−93μmの位置に粒子P1が位置し、−89μmの位置に粒子P2が位置し、−85μmの位置に粒子P3が位置している。
図8によれば、第2のモデルにおける粒子P1と粒子P2との間及び粒子P2と粒子P3との間に働く圧縮応力が、第1のモデルにおける対応する位置に働く圧縮応力よりも大きくなっていることが分かる。すなわち、粒子P1〜P3の間において大きな圧縮応力が発生し、引き出し部21b,22c,26,27dと接続部16a,16b,16c,16dとが強固に接合されていることが分かる。
次に、第2のコンピュータシミュレーションについて説明する。本願発明者は、以下に説明する第3のモデルないし第7のモデルを作成した。第3のモデルは、第1のモデルと同じである。第4のモデルでは、粒子として球状のSiC粒子を用いた。第5のモデルでは、粒子として四角形状のSiC粒子を用いた。第6のモデルでは、粒子として球状のアルミナ粒子を用いた。第7のモデルでは、粒子として四角形状のアルミナ粒子を用いた。第4のモデルないし第7のモデルにおける粒子の配置については、第2のモデルにおける粒子の配置と同じであるので説明を省略する。以下に、コンピュータシミュレーションの条件について列挙する。
SiCのヤング率:4.5×1011Pa
SiCのポアソン比:0.17
SiCの線膨張係数:6.6×10-6/K
アルミナのヤング率:2.2×1011Pa
アルミナのポアソン比:0.33
アルミナの線膨張係数:5.4×10-6/K
Cuのヤング率:1.29×1011Pa
Cuのポアソン比:0.34
Cuの線膨張係数:1.4×10-5/K
Niのヤング率:2.01×1011Pa
Niのポアソン比:0.31
Niの線膨張係数:1.34×10-5/K
Snのヤング率:4.99×1010Pa
Snのポアソン比:0.357
Snの線膨張係数:2.30×10-5/K
フェライトのヤング率:1.47×1011Pa
フェライトのポアソン比:0.2
フェライトの線膨張係数:9.50×10-6/K
ポリイミドのヤング率:3.30×109Pa
ポリイミドのポアソン比:0.458
ポリイミドの線膨張係数:3.60×10-5/K
本願発明者は、第3のモデルないし第7のモデルを用いて、リフロー工程を想定して25℃から260℃まで加熱したときに、第3のモデルないし第7のモデルの粒子P1と粒子P2との中間点(すなわち、−91μmの位置)に発生している応力を計算した。この際、粒子の直径を0.5μm、1.0μm、2.0μm、3.0μmに変化させた。図9は、コンピュータシミュレーションの結果を示したグラフである。図9の縦軸は、応力を示し、図9の横軸は、粒子の直径を示している。
図9によれば、粒子にSiC粒子を用いた場合よりも、粒子にアルミナ粒子を用いた場合の方が、圧縮応力が大きくなっていることが分かる。すなわち、粒子にSiC粒子を用いた場合よりも、粒子にアルミナ粒子を用いた場合の方が、断線が効果的に抑制されることが分かる。ここで、アルミナの線膨張係数は、SiCの線膨張係数よりも小さい。したがって、断線の発生を抑制するためには、粒子の線膨張係数は小さい方が好ましいことが分かる。
また、図9によれば、四角形状の粒子を用いた場合よりも、球状の粒子を用いた場合の方が、圧縮応力が大きくなっていることが分かる。すなわち、四角形状の粒子を用いた場合よりも、球状の粒子を用いた場合の方が、断線が効果的に抑制されることが分かる。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品及びその製造方法は、前記実施形態に係る電子部品10及びその製造方法に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
なお、切り欠きCa〜Cdは、磁性体基板12aのz軸方向に延在する稜線近傍に設けられているが、切り欠きCa〜Cdが設けられる位置はこれに限らない。切り欠きCa〜Cdは、磁性体基板12aの主面S1と主面S2とを繋いでいればよく、例えば、磁性体基板12aの側面に設けられていてもよい。また、切り欠きCa〜Cdは、磁性体基板12aを貫通する孔であってもよい。
なお、電子部品10に用いられる粒子は、SiC及びアルミナに限らない。
また、引き出し部21b,22c,26,27d及び接続部16a,16b,16c,16dは、Cu以外の金属により作製されていてもよい。Cu以外の金属としては、例えば、AgやAu等が挙げられる。
なお、電子部品10は、2つのコイルL1,L2を備えているが、電子部品10に設けられるコイルの数はこれに限らない。コイルの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
以上のように、本発明は、電子部品及びその製造方法に有用であり、特に、断線の発生を抑制できる点において優れている。
Ca〜Cd 切り欠き部
L1,L2 コイル
P1〜P3 粒子
S1,S2 主面
10 電子部品
12a,12b 磁性体基板
14 積層体
15a〜15d 外部電極
16a〜16d 接続部
18a〜18c 絶縁体層
20,25 コイル部
21a ,21b,22a〜22c,26,27a〜27d,30 引き出し部
110 マザー本体
112a,112b マザー基板
114 マザー積層体
150 Ti薄膜
152 Cu薄膜
154 Cuめっき膜
156 導体層

Claims (5)

  1. 互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する直方体状の第1の磁性体基板であって、該第1の主面と該第2の主面とを繋ぐ第1の切り欠き部及び第2の切り欠き部が設けられている第1の磁性体基板と、
    前記第1の主面上に積層されている複数の絶縁体層からなる積層体と、
    前記積層体内に設けられているコイルであって、コイル部、及び、該コイル部の両端のそれぞれに接続され、かつ、積層方向から平面視したときに前記第1の切り欠き部及び前記第2の切り欠き部のそれぞれと重なる第1の引き出し部及び第2の引き出し部を含んでいるコイルと、
    前記第2の主面上に設けられている第1の外部電極及び第2の外部電極と、
    前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極と前記第1の引き出し部及び前記第2の引き出し部のそれぞれとを接続する第1の接続部及び第2の接続部であって、前記第1の切り欠き部の内周面及び前記第2の切り欠き部の内周面のそれぞれに設けられている第1の接続部及び第2の接続部と、
    前記第1の引き出し部と前記第1の接続部との接合部分、及び、前記第2の引き出し部と前記第2の接続部との接合部分に設けられ、かつ、該第1の引き出し部、該第2の引き出し部、該第1の接続部及び該第2の接続部の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有する粒子と、
    を備えており
    前記第1の引き出し部及び前記第2の引き出し部は、Cuであり、
    前記粒子の平均粒径は、1μm以上3μm以下であること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記粒子は、無機物からなること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記粒子は、SiC又はアルミナからなること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
  4. 前記粒子は、球状をなしていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品の製造方法であって、
    前記第1の磁性体基板となる第1のマザー基板の前記第1の主面上に前記積層体となるマザー積層体が設けられたマザー本体を準備する準備工程と、
    前記第1のマザー基板における前記第1の切り欠き部及び前記第2の切り欠き部が形成されるべき位置に、前記粒子を用いたサンドブラスト工法により貫通孔を形成するサンドブラスト工程と、
    前記貫通孔の内周面に導体層を形成して前記第1の接続部及び前記第2の接続部を形成する接続部形成工程と、
    前記第1のマザー基板の主面上に導体層を形成して前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極を形成する外部電極形成工程と、
    前記マザー本体をカットするカット工程と、
    を備えていること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
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