JP6060755B2 - サファイア単結晶育成用坩堝およびその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明のサファイア単結晶育成用坩堝について、坩堝本体と固着防止層に分けて、詳細に説明をする。
本発明のサファイア単結晶育成用坩堝の材質としては、その融点が、サファイアの融点(2040℃)よりも高い、具体的に、2400℃以上の融点を有する、高温耐久性を有するものであることが必要である。
本発明のサファイア単結晶育成用坩堝は、その内周面のうち、サファイア単結晶の育成中において、少なくともサファイア原料融液の上面と接触する部分に、固着防止層が形成されていることを特徴とする。この固着防止層は、タングステンまたはタングステン合金を構成する成分と、5質量%以上の金属元素M(Mは、Pt、Pd、Re、Rh、Irから選択される1種以上の元素)との合金からなる合金層により構成される。この固着防止層の表面におけるタングステンの含有率は20質量%以上であり、金属元素Mの含有率は20質量%以上であり、かつ、固着防止層の厚さは0.05μm〜50μmの範囲にある。
本発明のサファイア単結晶育成用坩堝の製造方法のうち、坩堝本体を製造するための手段については、特に限定されることなく、粉末治金法などの従来の技術によって製造することが可能である。このため、以下、坩堝本体の製造方法の説明は省略し、主として固着防止層を形成するための手段および手順について説明する。
後述する溶解試験実施後に、坩堝に形成した固着防止層を目視で観察することにより、該固着防止層の状態について評価した。具体的には、固着防止層が溶融していたり、剥離していたりしたものは「不良(×)」と評価し、溶融や剥離が生じなかったもの「良(○)」と評価した。
坩堝からサファイア単結晶を取り出した後に、該サファイア単結晶を目視で観察することにより、固着防止層の形成による効果について確認した。具体的には、サファイア単結晶が坩堝に固着したり、取り出す際に割れが生じたりした場合には「不良(×)」と評価し、固着や割れが生じなかった場合は「良(○)」と評価した。
[サファイア単結晶育成用坩堝の作製]
図1に示すような形状を有する、サファイア単結晶育成用のタングステン坩堝(1)を用意した。この坩堝(1)は、開口側(2)の内径が153mm、底面側(3)の内径が150mm、厚さが5mm、高さが150mmであり、開口側(2)の内径が、底面側(3)の内径よりも2%広くなるようにテーパが付けられているものであった。なお、この坩堝(1)は、粉末治金法により製造されたものであった。
このようにして得られたサファイア単結晶育成用坩堝に、2kgのアルミナを入れて、カーボンヒータを用いた抵抗加熱式の溶解炉を用いて、約2100℃まで加熱することにより溶解した。その後、炉内で除冷することにより、サファイア単結晶を得た。
坩堝材料、被覆層を構成する金属、加熱処理の温度および時間を表1に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、サファイア単結晶育成用坩堝を、それぞれ製造した。
実施例1〜18は、本発明の技術的範囲に属するサファイア単結晶育成用坩堝を使用した例である。実施例1〜18により得られたサファイア単結晶は、坩堝に固着していなかったため、容易に坩堝から取り出すことができた。また、取り出したサファイア単結晶には割れなども生じていなかった。さらに、サファイア単結晶を取り出した後、坩堝の内周面を観察した結果、固着防止層の溶融や剥離などは生じていないことが確認された。
2 開口側
3 底面側
4 内周面
5 サファイア原料融液
6 接触部
7 固着防止層
Claims (6)
- 融点が2400℃以上で、かつ、2040℃における熱膨張係数が8×10-6/℃以下であるタングステンまたはタングステンを含む合金からなり、内周面のうち、サファイア単結晶の育成中において、少なくともサファイア原料融液の上面と接触する部分に、前記内周面と該サファイア原料融液との固着を防止するための固着防止層が形成されており、
該固着防止層は、タングステンまたはタングステン合金を構成する成分と、5質量%以上の金属元素Mとの合金により構成されており、Mは、Pt、Pd、Re、Rh、Irから選択される1種以上の元素であり、
該固着防止層の表面におけるタングステンの含有率が20質量%以上、かつ、金属元素Mの含有率が20質量%以上であって、
該固着防止層の厚さが0.05μm〜50μmである、
サファイア単結晶育成用坩堝。
- 前記坩堝本体は、タングステンを含む合金からなり、該タングステンを含む合金は、タングステンとモリブデンとの合金からなる、請求項1に記載のサファイア単結晶育成用坩堝。
- 前記固着防止層の厚さは0.1μm〜10μmである、請求項1に記載のサファイア単結晶育成用坩堝。
- 前記固着防止層の表面におけるタングステンの含有率は、20質量%〜50質量%である、請求項1に記載のサファイア単結晶育成用坩堝。
- 前記タングステンとモリブデンとの合金におけるタングステンの含有率は、30質量%以上である、請求項2に記載のサファイア単結晶育成用坩堝。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のサファイア単結晶育成用坩堝の製造方法であって前記坩堝本体の内面の全面または一部に、Pt、Pd、Re、Rh、Irから選択される1種以上の元素である金属元素M、または金属元素Mとタングステンとからなる被覆層を形成し、該被覆層に対して、加熱温度を1100℃〜2300℃、加熱時間を1時間〜10時間とした熱処理を施し、前記坩堝本体に金属元素Mを拡散させることにより、前記固着防止層を形成する、サファイア単結晶育成用坩堝の製造方法。
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