JP6060166B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリア(記録ビット)の微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。さらに、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの記録再生素子部をさらに突き出すことによって磁気記録層との距離を極めて短くして、情報の記録再生の精度をより高める(S/N比を向上させる)ことも行われている。なお、このような磁気ヘッドの記録再生素子部の制御はDFH(Dynamic Flying Height)制御機構と呼ばれ、この制御機構を搭載した磁気ヘッドはDFHヘッドと呼ばれている。このようなDFHヘッドと組み合わされてHDDに用いられる磁気ディスク用の基板においては、磁気ヘッドやそこからさらに突き出された記録再生素子部との衝突や接触を避けるために、基板の表面凹凸は極めて小さくなるように作製されている。
磁気ディスク用ガラス基板を作製する工程には、プレス成形後に平板状となった板状ガラス素材の主表面に対して固定砥粒による研削を行う研削工程と、この研削工程によって主表面に残留したキズ、歪みの除去を目的として主表面の研磨工程が含まれる。従来、磁気ディスク用ガラス基板の主表面の研磨工程においては、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む研磨砥粒として用いる方法が知られている。
例えば、特許文献1には、ジルコニア砥粒に、アルミン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等を添加した研磨液を使用して磁気ディスク用ガラス基板を研磨する方法が開示されている。特許文献2〜4には、セリウムとジルコニアとを含む複合酸化物粒子を含む研磨液組成物が開示されている。
特許第2783329号 特開2009−7543号公報 特開2010−16063号公報 特開2010−16064号公報
しかし、ジルコニアをガラス素板の遊離砥粒の研磨剤として作製したガラス基板に磁気層を成膜して磁気ディスクを作製し、グライドヘッドを用いてグライド検査を行ったところ、従来の酸化セリウムを研磨剤として用いて作製したガラス基板に比べて、歩留まりの低下(つまり、不良発生率の上昇)が認められた。グライド検査は、磁気ヘッドが磁気ディスクに対する所定の浮上量で安定して動作を維持できるか否かを判別するものである。グライド検査は、圧電素子等を取り付けたグライドヘッドを磁気ディスクの主表面上に対して所定の浮上量で飛行させ、グライドヘッドと磁気ディスク主表面上の異物等の突起物との衝突の有無を圧電素子等によって検出することにより行われる。
そこで、本発明は、ジルコニアを含む研磨剤を含有する研磨液で主表面を研磨するときに、ガラス基板上に異物を残留し難くした磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記グライド検査による歩留まりの低下の原因を究明するために鋭意検討した。その結果、ガラス基板の主表面には、鏡面仕上げの研磨後、主表面が十分に洗浄されて粒子等が取り除かれても、磁性層の成膜時、主表面にジルコニア粒子が付着している場合があることがわかった。この場合、ジルコニア粒子の上方に磁性層等が積層されるため、磁気ディスクの表面に微小凸部が形成される。そして、この微小凸部がヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の原因となる。さらに、ガラス基板の主表面に付着したジルコニア粒子は、研磨に用いたジルコニア砥粒やその一部分であって、ガラス基板の外周面及び内周面の側壁面に付着したものに由来することもわかった。なお、ガラス基板に付着したジルコニア粒子を効果的に除去する洗浄方法は確立されていない。
本願発明者らは、主表面が十分に洗浄されて粒子等が取り除かれても、磁性層の成膜時、主表面にジルコニア粒子が付着している場合がある理由を、以下のとおり考えている。つまり、ジルコニア砥粒による主表面研磨によってガラス素板にジルコニア粒子が残留した場合でも、その後の主表面に対する最終研磨によって主表面に残留したジルコニア粒子は除去されるが、ガラス素板の側壁面に残留あるいは付着したジルコニア粒子は、その後のガラス素板の洗浄によっては除去されない。特に、ジルコニア砥粒による主表面研磨において、ガラス素板をキャリアに保持させて行う場合には、研磨中にガラス素板がキャリアに当接することによってジルコニア粒子がガラス素板の側壁面に固着すると考えられる。そして、ジルコニア砥粒による主表面研磨の後の工程において、側壁面に付着していたジルコニア粒子が離脱してガラス素板あるいは磁気ディスク用ガラス基板の主表面に付着すると推察される。例えば、ガラス素板の主表面研磨の後には、主表面の表面性状を悪化させることがないように、工程上ガラス素板あるいは磁気ディスク用ガラス基板の側壁面が把持されるが、それによってジルコニア粒子が離脱することが考えられる。また、磁気ディスク用ガラス基板に対して成膜する工程において外形の側壁面を把持するときにジルコニア粒子が側壁面から離脱することや、磁気ディスク用ガラス基板の洗浄工程において外形の側壁面からジルコニア粒子が離脱することも考えられる。
本願発明者らは、ガラス素板の主表面研磨の工程においてガラス素板の側壁面にジルコニア粒子が残留あるいは付着する理由が、ジルコニア粒子表面とガラス表面との接着面積が大きく、かつジルコニア粒子とガラス表面との間で高い圧力がかかった状態となっており、ジルコニアとガラス表面との間で何らかのメカニズムが作用してジルコニア粒子がガラス表面に固着することによるものであると推察している。このメカニズムは明らかではないが、本願発明者らは、ジルコニア粒子の表面の一部をジルコニア以外の物質で構成することによって、主表面研磨後の洗浄を、ジルコニア粒子の表面の一部に存在するジルコニア以外の物質が溶解しやすい洗浄液を用いて行うことによりジルコニア砥粒の洗浄除去を促進することで、ジルコニア粒子がガラス素板の側壁面に残留あるいは付着し難くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ジルコニアを主成分とする砥粒を研磨剤として含む研磨液を用いて、ガラス基板の表面の少なくとも一部を研磨する研磨工程と、前記研磨工程後のガラス基板を洗浄する洗浄工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記ジルコニアを主成分とする砥粒の表面の一部には、ジルコニア以外の物質である非ジルコニア物質が形成されており、
前記洗浄工程では、前記ガラス基板の研磨された表面を、前記非ジルコニア物質が可溶な洗浄液と接触させることを特徴とする。
なお、「ジルコニアを主成分とする砥粒」とは、砥粒に含まれる複数の物質のうちジルコニアの成分量が最も大きいことを意味する。
前記ジルコニアを主成分とする砥粒において、前記ジルコニア以外の物質の結晶子径が10nm以上であることが好ましい。
前記研磨工程では、研磨後の前記ガラス基板の主表面における算術平均粗さ(Ra)が1.5nm以下となるように、前記ガラス基板の主表面を研磨してもよい。
前記研磨工程では、研磨後の前記ガラス基板の端面における算術平均粗さ(Ra)が50nm以下となるように、前記ガラス基板の端面を研磨してもよい。
前記非ジルコニア物質は、酸化セリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化銅、及び酸化マンガンからなる群の中から選択された少なくともいずれかの物質であってもよい。
前記非ジルコニア物質は、酸化セリウムであって、前記洗浄液は、フッ素イオンを含有することが好ましい。
前記非ジルコニア物質は、酸化鉄であって、前記洗浄液は、カルボン酸を含む酸と鉄の2価イオンを含むことが好ましい。
上述の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、ジルコニアを含む研磨剤を含有する研磨液で主表面を研磨するときに、ガラス基板上に異物を残留し難くすることができる。
第1研磨工程で使用される研磨装置(両面研磨装置)の分解斜視図。 第1研磨工程で使用される研磨装置(両面研磨装置)の断面図。 実施形態の研磨砥粒の構造を模式的に示す図。 実施形態の研磨砥粒の作用を説明するための図。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。アモルファスのアルミノシリケートガラスとするとさらに好ましい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスである。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板は、円環状の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の表面は、一対の主表面と、当該一対の主表面に直交する側壁面と、主表面と側壁面との間に介在する面取り面とを含む。側壁面と面取り面を総称して、端面ともいう。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、工程毎に説明する。ただし、各工程の順番は適宜入れ替えてもよい。
なお、本発明の「研磨工程」は、第1研磨(主表面研磨)工程、及び端面研磨工程の双方、又はいずれか一方に対応する。
(1)ガラス素板の成形およびラッピング工程
例えばフロート法によるガラス素板の成形工程では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、例えば上述した組成の溶融ガラスを連続的に流し入れることで板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状のガラス素板が切り出される。浴槽内の溶融錫の表面は水平であるために、フロート法により得られるガラス素板は、その表面の平坦度が十分に高いものとなる。
また、例えばプレス成形法よるガラス素板の成形工程では、受けゴブ形成型である下型上に、溶融ガラスからなるガラスゴブが供給され、下型と対向ゴブ形成型である上型を使用してガラスゴブがプレス成形される。より具体的には、下型上に溶融ガラスからなるガラスゴブを供給した後に上型用胴型の下面と下型用胴型の上面を当接させ、上型と上型用胴型との摺動面および下型と下型用胴型との摺動面を超えて外側に肉薄ガラス素板の成形空間を形成し、さらに上型を下降してプレス成形を行い、プレス成形直後に上型を上昇する。これにより、磁気ディスク用ガラス基板の元となるガラス素板が成形される。
なお、ガラス素板は、上述した方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。
次に、所定形状に切り出されたガラス素板の両主表面に対して、必要に応じて、遊離砥粒を用いたラッピング加工を行う。具体的には、ガラス素板の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液(スラリー)をガラス素板の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。なお、フロート法でガラス素板を成形した場合には、成形後の主表面の粗さの精度が高いため、このラッピング加工を省略してもよい。
(2)円孔形成工程
円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、ガラス素板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス素板とする。
(3)面取り工程
円孔形成工程の後、端部(外周端部及び内周端部)に面取り部を形成する面取り工程が行われる。面取り工程では、円環状のガラス素板の外周端部及び内周端部に対して、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いた砥石等によって面取りが施され、面取り部が形成される。
(4)端面研磨工程
次に、円環状のガラス素板の端面研磨(エッジポリッシング)が行われる。
端面研磨では、ガラス素板の内周側の側壁面(端面)及び外周側の側壁面(端面)をブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス素板の側壁面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
ガラス素板の端面を平滑にし、それによって後工程の第1の研磨工程においてジルコニア砥粒がガラス素板の側壁面に付着し難くするために、端面研磨工程は、第1の研磨工程の前に行うことが好ましい。例えば、端面研磨工程後のガラス素板の端面の算術平均粗さRaを50nm以下とするように、端面研磨を行うことが好ましい。「ガラス素板の端面の算術平均粗さRaを50nm以下とする」とは、側壁面又は面取り面のいずれか少なくとも一方の算術平均粗さRaを50nm以下とすることを意味する。なお、側壁面については後述のとおり主表面の研磨時にキャリアとの接触により研磨砥粒が押し込まれて固着しやすいため、算術平均粗さRaを50nm以下、より好ましくは10nm以下とすることが好ましい。
なお、端面研磨工程では、後述する第1研磨工程の研磨砥粒を含む研磨液を用いて研磨を行い、その研磨後に後述する第1研磨工程の洗浄液を用いて洗浄を行ってもよい。
(5)固定砥粒による研削工程
固定砥粒による研削工程では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて円環状のガラス素板の主表面に対して研削加工を行う。研削による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間に円環状のガラス素板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス素板と各定盤とを相対的に移動させることで、ガラス素板の両主表面を研削することができる。
(6)第1研磨(主表面研磨)工程
次に、研削されたガラス素板の主表面に第1研磨が施される。第1研磨による取り代は、例えば1μm〜50μm程度である。第1研磨は、固定砥粒による研削により主表面に残留したキズ、歪みの除去、うねり、微小うねりの調整を目的とする。
(6−1)研磨装置
第1研磨工程で使用される研磨装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1研磨工程で使用される研磨装置(両面研磨装置)の分解斜視図である。図2は、第1研磨工程で使用される研磨装置(両面研磨装置)の断面図である。なお、この研磨装置と同様の構成は、上述した研削工程に使用される研削装置においても適用できる。
図1に示すように、研磨装置は、上下一対の定盤、すなわち上定盤40および下定盤50を有している。上定盤40および下定盤50の間に円環状のガラス素板Gが狭持され、上定盤40または下定盤50のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス素板Gと各定盤とを相対的に移動させることで、このガラス素板Gの両主表面を研磨することができる。
図1及び図2を参照して研磨装置の構成をさらに具体的に説明する。
研磨装置において、下定盤50の上面および上定盤40の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド10が取り付けられている。キャリア30は、外周部に設けられて太陽歯車61及び内歯車62に噛合する歯部31と、ガラス素板Gを収容し保持するための1または複数の孔部32とを有する。太陽歯車61、外縁に設けられた内歯車62および円板状のキャリア30は全体として、中心軸CTRを中心とする遊星歯車機構を構成する。円板状のキャリア30は、内周側で太陽歯車61に噛合し、かつ外周側で内歯車62に噛合するともに、ガラス素板G(ワーク)を1または複数を収容し保持する。下定盤50上では、キャリア30が遊星歯車として自転しながら公転し、ガラス素板Gと下定盤50とが相対的に移動させられる。例えば、太陽歯車61がCCW(反時計回り)の方向に回転すれば、キャリア30はCW(時計回り)の方向に回転し、内歯車62はCCWの方向に回転する。その結果、研磨パッド10とガラス素板Gの間に相対運動が生じる。同様にして、ガラス素板Gと上定盤40とを相対的に移動させてよい。
上記相対運動の動作中には、上定盤40がガラス素板Gに対して(つまり、鉛直方向に)所定の荷重で押圧され、ガラス素板Gに対して研磨パッド10が押圧される。また、図示しないポンプによって研磨液(スラリー)が、研磨液供給タンク71から1または複数の配管72を経由してガラス素板Gと研磨パッド10の間に供給される。この研磨液に含まれる研磨剤によってガラス素板Gの主表面が研磨される。
なお、この研磨装置では、ガラス素板Gに対する所望の研磨負荷を設定する目的で、ガラス素板Gに与えられる上定盤40の荷重が調整されることが好ましい。荷重は、高研磨速度達成の観点から50g/cm以上が好ましく、70g/cm以上がより好ましく、90g/cm以上がさらに好ましい。またスクラッチ低減及び品質安定化の観点から、研磨荷重は180g/cm以下が好ましく、160g/cm以下がより好ましく、140g/cm以下がさらに好ましい。すなわち、荷重は、50g/cm〜180g/cmが好ましく、70g/cm〜160g/cmがより好ましく、90g/cm〜140g/cmがさらに好ましい。
研磨加工時の研磨液の供給速度は、研磨パッド10、研磨液の組成及び濃度、ガラス素板Gの大きさによって異なるが、研磨速度を向上させる観点から500〜5000ml/分が好ましく、より好ましくは1000〜4500ml/分であり、さらに好ましくは1500〜4000ml/分である。研磨パッド10の回転数は研磨速度の向上とスクラッチ低減の観点から10〜50rpmが好ましく、20〜40rpmがより好ましく、25〜35rpmがさらに好ましい。
(6−2)研磨砥粒(ジルコニア(ZrO)を主成分とする研磨砥粒)
本実施形態の研磨砥粒は、ジルコニア粒子の表面の一部がジルコニア以外の物質(以下、「非ジルコニア物質」という。)で構成される。それによって、主表面研磨中において、ジルコニアとガラス表面との間の接着面積を小さくし、かつ主表面研磨後の洗浄を、ジルコニア粒子の表面の一部に存在する非ジルコニア物質が溶解しやすい洗浄液を用いて行うことによりジルコニア砥粒の洗浄除去を促進する。そのため、ジルコニア粒子がガラス素板Gの側壁面に残留あるいは付着し難くすることができる。
なお、ジルコニア粒子は、乾式法及び湿式法のいずれの方法によって作製したものでもよい。また、研磨液の液性はアルカリ性とすることがスクラッチ低減の観点で好ましい。より具体的にはpHを9以上とすることが好ましい。液性が酸性又は中性の場合、研磨砥粒内のジルコニア部分と非ジルコニア部分におけるゼータ電位の符号が逆になり易いため、砥粒が不安定となって凝集しやすいためと考えられる。
(A)研磨砥粒の構造及びその製造方法
上述したように、図1の研磨装置に使用する研磨液は、ジルコニアを主成分とする研磨砥粒を研磨剤として含み、研磨砥粒の表面の一部が非ジルコニア物質で構成されている。なお、「ジルコニアを主成分とする砥粒」とは、砥粒に含まれる複数の物質のうちジルコニアの成分量が最も大きいことを意味する。このような研磨砥粒の構造の例について、図3を参照して説明する。
図3のE1は、ジルコニア粒子の表面に、非ジルコニア物質の微粒子が付着した構造の例である。図3のE2及び図3のE3は、ジルコニア粒子と非ジルコニア物質が研磨砥粒の一粒単位で複合化した構造の例である。なお、図3のE2及び図3のE3において「非ジルコニア物質」と示した斜線の領域の一つ一つが、結晶子を示す。また、図3のE3において結晶子が複数集まったものが1次粒子である。
なお、本実施形態の研磨砥粒(ジルコニア−非ジルコニア物質の複合粒子)をモル比を用いてZr1−xO2(A:非ジルコニア物質の元素名)と表記した場合、xは0<x<1であればよいが、好ましくは0.50<x<0.98であり、より好ましくは0.70<x<0.92であり、さらに好ましくは、0.75<x<0.90である。また、研磨後の洗浄効果を高める観点で、研磨砥粒における非ジルコニア物質の含有量は、2モル%以上であることが好ましく、8モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましい。また、ジルコニアによる研磨効果を維持するために、研磨砥粒における非ジルコニア物質の含有量は、50%モル以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、25モル%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態の研磨砥粒の大きさは、平均粒子径(D50)で、0.3〜2.0μmとすることが好ましい。D50が0.3μmより小さいと、研磨レートが低下して生産性が悪化する場合がある。一方、2.0μmより大きいとスクラッチが増加する場合がある。
なお、平均粒径(D50)は、粒子径・粒度分布測定装置を用いて光散乱法により測定した。D50とは、粉体の集団において、粉体の体積を粒径が小さい側から累積したとき、その累積体積が粉体の集団の全体積の50%となる粒径である。
また、本実施形態の研磨砥粒におけるジルコニア及び非ジルコニア物質の結晶子径(後述)は、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上がさらに好ましい。結晶子径を大きくすることで、研磨後の洗浄時に、研磨砥粒とガラス表面との接触部分における非ジルコニア物質の溶解量または溶解面積を大きくすることができるので、ガラス表面における接触面積を減らして研磨砥粒を除去しやすくなる。また、結晶子径が大きくなりすぎると研磨時にスクラッチが入り易くなるため、60nm以下とすることが好ましい。また、研磨砥粒内におけるジルコニア部分及び非ジルコニア物質部分の結晶子径は、10nm以上であることが好ましい。10nm以上とすることで研磨レートをさらに高めることが可能となる。
図3のE1に示す構造の複合粒子の製造方法の一例を記載する。非ジルコニア物質のイオンを含む水溶液中にジルコニア粒子を添加し、還流煮沸しながらジルコニア粒子の表面に非ジルコニア物質の水酸化物等を付着させる。ここで用いるジルコニア粒子は、市販品でも自製したものでもよい。また、非ジルコニア物質の水酸化物を生成させる工程で、沈殿曲線を変化させるためにpH調整や添加物を加えてもよい。
還流煮沸で得られたジルコニア粒子−非ジルコニア物質のゾルを、デカンテーション等を数回繰り返して不要なイオン分を除去し、固液分離した後、乾燥させ、焼成することで、図3のE1に示す構造の複合粒子を得ることができる。デカンテーションの際、ジルコニア粒子−非ジルコニア物質のゾルの沈降性を良好にすることや塩化物イオンや硝酸イオン、硫酸イオンなどをジルコニア粒子−非ジルコニア物質のゾルから取り除くことを目的として、pH調整を行ってもよい。また、焼結後の水分凝集を緩和するために、ジルコニア粒子−非ジルコニア物質のゾルを乾燥させる前に、アセトンやアルコール等の水溶性の有機物で置換してもよい。
焼成条件は、非ジルコニア物質の水酸化物が酸化物に化学変化できる焼成条件であればよく、非ジルコニア物質とジルコニア粒子の結合力を高めるために、ジルコニア粒子と非ジルコニア物質とが一部固溶している形態であれば、なお良い。
図3のE2及び図3のE3に示す構造の複合粒子の製造方法の一例を記載する。先ず、ジルコニウムイオンと非ジルコニア物質のイオンが存在する水溶液(水溶液の条件1)、もしくは、水酸化ジルコニウムと非ジルコニア物質のイオンが存在する水溶液(水溶液の条件2)、もしくは、水酸化ジルコニウムと非ジルコニア物質の水酸化物が存在する水溶液(水溶液の条件3)に関して、図3のE1の場合と同様に、還流煮沸等で水酸化ジルコニウム−非ジルコニア物質の水酸化物のゾルを得る。その後、得られたゾルに対してデカンテーションを行い、乾燥させ、焼成することで、図3のE2及び図3のE3に示す構造の複合粒子が得られる。デカンテーションの際は、前述に記載した事項と同様の目的で、pH調整やアセトンやアルコール等で置換しても良い。また、水酸化ジルコニウムや非ジルコニア物質の水酸化物を生成させる工程で、沈殿曲線を変化させるためにpH調整や添加物を加えてもよい。
水溶液の条件2では、水酸化ジルコニウムと非ジルコニア物質の水酸化物との結合を促進するために、ジルコニウムイオンを微量添加させてもよい。同様の目的で、水溶液の条件3では、ジルコニウムイオンと非ジルコニア物質のイオンを微量添加しても良い。
ジルコニウムイオンは、ジルコニウムを含有する塩化物や硫酸塩、硝酸塩等を水溶液に溶解して得ればよい。非ジルコニア物質に関しても同様に、非ジルコニア物質を含有する塩化物や硫酸塩、硝酸塩等を水溶液中で溶解させればよい。
図3のE2及び図3のE3は共に、焼成前に水酸化ジルコニウム‐非ジルコニア物質の水酸化物が化学的に結合したゾルを得た後、デカンテーションや乾燥後に焼成させることにより得られ、図3のE2及び図3のE3に示す構造のいずれの状態になるかについては、明確には分かっていないが、水酸化ジルコニウムと非ジルコニア物質の水酸化物を生成させる際の核生成自由エネルギーと熱力学的臨界核の因子に影響されると推測される。
焼成で得られたジルコニア−非ジルコニア物質の粒子は、研磨材として使用する際、粒度分布を適切な範囲に揃えることが必要である。解砕・粉砕に関しては市販のボールミルやハンマーミル、ビーズミル等を用いれば良く、分級に関しても市販の分級機を用いればよく、ふるいや気流を用いた乾式の分級機や液体サイクロン等の湿式分級機を用いればよい。粒度分布や粗大粒子の因子は研磨特性に大きく影響するため、解砕・粉砕工程や分級工程はそれぞれ多段階で行うことが望ましい。
(B)非ジルコニア物質、及び、洗浄液
第1研磨工程において、研磨砥粒の表面の一部を構成する非ジルコニア物質、及び研磨後に使用する洗浄液は、以下の(a)〜(d)の要求特性を満足するように選択されることが好ましい。
(a)非ジルコニア物質が洗浄液で溶解できること
本実施形態の研磨砥粒は、研磨中におけるジルコニアとガラス表面との間の接着面積を小さくするために、ジルコニアの表面の一部に非ジルコニア物質を形成しているが、この非ジルコニア物質が洗浄液に溶解することで、ガラス素板Gのガラス表面に付着した非ジルコニア物質をガラス表面から比較的容易に除去することができるようになる。
(b)その洗浄液がガラス素板Gを大きくエッチングしないものであること
ガラス素板Gを洗浄液に漬すことによりガラス素板Gの表面が大きくエッチングされる場合には、ガラス素板Gの表面性状の悪化(うねりや粗さの悪化、潜傷の発生)を発生させるため好ましくない。
(c)非ジルコニア物質は、人体への有害性が低く、環境負荷が大きくなく、かつ量産に適したものであること
非ジルコニア物質として、公害病の原因となる金属類、人体に有害な物質、及び研磨液の廃液処理で問題となる物質を使用することは好ましくない。
(d)非ジルコニア物質は、ガラス素板Gに対して研磨特性を悪化させるものでないこと
非ジルコニア物質は主表面研磨中にガラス素板Gの表面(主表面及び側壁面)に対して直接接触するものであり、本実施形態の研磨砥粒に含まれる非ジルコニア物質自体の研磨特性(例えば、研磨レートや研磨後のスクラッチの有無)が不良である場合には、研磨砥粒としての研磨特性を良好なものとすることができない。
本願発明者らが、第1研磨工程において、研磨砥粒の表面の一部を構成する非ジルコニア物質、及び研磨後に使用する洗浄液の組み合わせについて考察した結果、以下の組み合わせにより、上記(a)〜(d)の要求特性を満たす点で好ましいことがわかった。
[組み合わせ1]
・非ジルコニア物質:酸化セリウム(CeO
・洗浄液:フッ素イオンを含有する洗浄液(以下、「洗浄液A」という。)
洗浄液Aの例として、例えば、特許第4041110号に記載されている洗浄液を用いることができる。
[組み合わせ2]
・非ジルコニア物質:酸化第二鉄(Fe)、四酸化三鉄(Fe)などの酸化鉄
・洗浄液:カルボン酸を含む酸と鉄の2価イオンを含む洗浄液(以下、「洗浄液B」という。)
洗浄液Bの例として、例えば、国際公開WO2011/125894に記載されている洗浄液を用いることができる。
酸化セリウム(二酸化セリウム)は従来からガラス基板に対して、高研磨レートと高品質の表面性状とを両立できる研磨剤として知られている材料である。酸化第二鉄は、酸化セリウム以前にガラス基板の研磨に使用されていた材料であり、酸化セリウムほどではないが、比較的高研磨レートと高品質の表面性状とを実現できる研磨剤として知られている。例えば、酸化第二鉄は、アルミナよりも高研磨レートと高品質の表面性状とを実現できる研磨剤である。
特許第4041110号に詳細に記載されているため、ここでは詳しく述べないが、洗浄液Aは、酸化セリウム等の希土類酸化物に対する溶解性能に優れていることが確認されている。洗浄液Aにおいてフッ素イオンの含有量を40ppm以下とすることで、ガラス表面のエッチング作用を抑制できることができる。フッ素イオンは、例えばケイフッ酸を洗浄液に含むことで供給することができる。洗浄液Aはさらに、酸を含むことが好ましい。酸によって、エッチング作用を抑制しつつ、酸化セリウム等の希土類酸化物の洗浄性を高めることができる。各種の酸の中では硫酸を用いると洗浄効果が高く好ましい。洗浄液Aはさらにまた、還元剤を含むことが好ましい。還元剤により酸化セリウム等の希土類酸化物の溶解性を高めることができる。還元剤としては、アスコルビン酸、及び硫酸等の強酸のうち少なくともいずれかをさらに含むことが好ましい。例えば、洗浄液は、フッ素イオンを0.001〜0.02[mol/L]、硫酸を0.05〜1[mol/L]、アスコルビン酸を0.001〜0.2[mol/L]、含む。
なお、洗浄液Aの替わりに、酸と還元剤とを含む洗浄液A’を用いてもよい。酸としては、強酸特に硫酸、塩酸及び硝酸の1種又は2種以上が好適である。硫酸濃度は20wt%以上80wt%以下、好ましくは50wt%以上80wt%以下である。硫酸濃度が20wt%よりも低い場合には基板表面がエッチングされて荒れやすくなる。硫酸濃度が80wt%よりも高い場合には上記の酸としての作用が十分に得られない。塩酸、硝酸、リン酸および臭化水素の濃度は10wt%以下、好ましくは5wt%以下である。塩酸、硝酸、リン酸および臭化水素の濃度が10wt%よりも高い場合には基板表面がエッチングされやすくなる。酸としては塩酸、硫酸、硝酸及び臭化水素が好ましく、硫酸が特に好ましい。他方、還元剤としては、水素、過酸化水素水、水素化ホウ素ナトリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、ギ酸、アスコルビン酸、シュウ酸、アセトアルデヒド、ヨウ化水素、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、硫酸第一鉄及び塩化第二スズ並びに還元作用を有するキレート剤(例えばカテコール類の酸化物)の少なくとも1種が好適である。この還元剤の濃度は、過酸化水素水の濃度は1wt%以上10wt%以下、好ましくは3wt%以上10t%以下である。過酸化水素水の濃度が1wt%よりも低い場合には上記の還元剤としての作用が十分に得られない。過酸化水素水の濃度を10wt%よりも高くしても上記の還元剤としての作用はあまり向上しない。過酸化水素水以外の還元剤の濃度は、溶解度の制限があり0.01wt%以上5wt%以下、好ましくは0.1wt%以上5wt%以下である。過酸化水素水以外の還元剤の濃度が0.01wt%よりも低い場合には上記の還元剤としての作用が十分に得られない。過酸化水素水以外の還元剤の濃度を5wt%よりも高くしても上記の還元剤としての作用はあまり向上しない。還元剤としてはアスコルビン酸及び過酸化水素が好ましく、過酸化水素が特に好ましい。酸化剤と還元剤の組み合わせは典型的には濃硫酸および過酸化水素である。なおこのとき、洗浄液の液温は50℃以上100℃以下とするとより好ましい。50℃以上とすることで酸化セリウム等の希土類酸化物の溶解性をさらに高めることができる。
また、国際公開WO2011/125894に記載されているため、ここでは詳しく述べないが、洗浄液Bは、ガラス基板の表面を粗くすることなく酸化第二鉄、四酸化三鉄等の酸化鉄や水酸化鉄等を溶解させることができる。なお、カルボン酸を含む酸としては、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸などを用いることができるが、特にシュウ酸は還元力が高く好ましい。カルボン酸を含む酸の濃度は、0.01〜0.5mol/Lの範囲内とすることが好ましい。この範囲内より低い濃度だと、洗浄効果が不足する場合がある。また、この範囲内より高いと、洗浄処理のコストが高くなる場合がある。また、鉄の2価イオンの濃度は、0.0001〜0.01mol/Lの範囲内とすることが好ましい。この範囲内より低い濃度だと、洗浄効果が不足する場合がある。また、この範囲内より高いと、洗浄処理のコストが高くなる場合がある。鉄の2価イオンは、例えば硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)などを洗浄液に添加して供給することができる。
本実施形態の研磨砥粒に含まれる非ジルコニア物質は、上述した物質に限られない。例えば、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ、酸化銅(CuO)、二酸化マンガン(MnO)や四三酸化マンガン(Mn)などの酸化マンガンを使用してもよい。二酸化チタンを含有させる場合、研磨後の洗浄液に過酸化水素を含有させれば高い溶解効果を得ることができるので好ましい。また、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ、酸化銅(CuO)、酸化マンガンを含有させる場合は、上述の洗浄液Aを用いれば高い溶解効果を得ることができるので好ましい。
上述したように、本実施形態の主表面研磨工程では、研磨砥粒の主成分であるジルコニア粒子の表面の一部が非ジルコニア物質で構成され、かつ非ジルコニア物質が溶解しやすい洗浄液を用いて研磨後の洗浄を行うために、ジルコニア粒子がガラス素板Gの側壁面に残留あるいは付着し難くすることができる。一方、前述したように特許文献2〜4には、セリウムとジルコニアとを含む複合酸化物粒子を含む研磨液組成物が記載されているが、このような複合酸化物粒子では、本実施形態の研磨砥粒と同様の効果が得られない。その理由は以下のとおりである。すなわち、本実施形態の研磨砥粒において、ジルコニアと非ジルコニア物質の結合部分はジルコニアと非ジルコニア物質が固溶している状態であり、大半は非ジルコニア物質が結晶もしくはアモルファスの状態で残っているため、その非ジルコニア物質を洗浄液で溶解させることで、良好な洗浄性を得ることができる。一方、特許文献2〜4に記載されている複合酸化物粒子は、酸化セリウムと酸化ジルコニウムが均一に溶け合って1つの固相を形成しているため、例えば上述した洗浄液Aを用いて複合酸化物粒子を溶解除去することができない。
本研磨工程において、主成分であるジルコニア粒子の表面の一部が非ジルコニア物質で構成される研磨砥粒を研磨液に含有させることによる作用について、図4を参照して説明する。
図4は、ガラス素板Gがキャリア30の孔部32に収容された状態を示す図である。図4に示すように、研磨装置のキャリア30にガラス素板Gが収容された状態では、ガラス素板Gのキャリア30からの着脱を可能にするために、キャリア30とガラス素板Gの間には、水平方向(つまり、ガラス素板Gの主表面と平行な方向)に僅かな間隙CLが設けられている。つまり、研磨対象であるガラス素板Gの外径をD1、キャリア30の孔部32の径(ガラス素板が当接する当接面の径)をD2としたときにはD2>D1が成立する。それによって、研磨中には、ガラス素板Gの側壁面Gtと、キャリア30の孔部32を形成する側壁面30tとの間の間隙CLには、研磨液中の研磨砥粒が入り込むようになる。
研磨加工中においてガラス素板Gは、板厚方向に定盤による荷重が掛かりつつ、主表面と平行な方向についてはキャリア30の孔部32内を拘束されない状態で運動する。このとき、ガラス素板Gの側壁面Gtは、孔部32を形成する側壁面30tに当接させられるとともに、間隙CLに入り込んだ研磨砥粒がガラス素板Gの側壁面Gtに押し付けられる。このとき、研磨砥粒の主成分であるジルコニア粒子の表面の一部が非ジルコニア物質で構成されているため、研磨砥粒がガラス素板Gの側壁面Gtに押し付けられたとしても、ジルコニア粒子のガラス表面に対する接触面積が少ないために、押し付けられた場合のガラス表面に対する固着力が弱く、研磨砥粒の表面に存在する非ジルコニア物質を溶解除去することで、研磨砥粒をガラス表面から容易に離脱させることができると考えられる。
(6−3)ガラス素板の主表面の表面凹凸
第1研磨工程では、ガラス素板の主表面の表面凹凸について、算術平均粗さ(Ra)を0.5nm以下とし、かつマイクロウェービネス(MW-Rq)を0.5nm以下とするように研磨が行われる。ここで、マイクロウェービネスは、主表面全面の波長帯域100〜500μmの粗さとして算出されるRMS(Rq)値で表すことができ、例えば、光学式表面粗さ計を用いて計測できる。
主表面の粗さは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaで表され、例えば、走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)で計測できる。本願においては、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×512ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
なお、算術平均粗さRaは、触針式表面粗さ測定機を用いて測定してもよい。
(7)化学強化工程
次に、第1研磨後のガラス素板は化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム塩と硫酸ナトリウム塩の混合溶融液等を用いることができる。
このように、ガラス素板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス素板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス素板が強化される。
(8)第2研磨工程
次に、化学強化されて十分に洗浄されたガラス素板に最終研磨が施される。最終研磨による取り代は、5μm以下である。最終研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。最終研磨では例えば、第1研磨で用いた研磨装置を用いる。このとき、第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。最終研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させたコロイダルシリカ等の微粒子(粒子サイズ:直径10〜50nm程度)が用いられる。
研磨されたガラス素板を中性洗剤、純水、IPA等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
以上、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を工程毎に説明したが、工程の順序は、上述した順序に限られない。
なお、第2研磨工程において、ガラス素板とキャリアの孔部との間にコロイダルシリカ等の粒子が供給されるようにして、それによってガラス素板の側壁面を研磨して側壁面に付着しうるジルコニア粒子を除去するようにしてもよい。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
また、付着層と磁気記録層との間には、SUL(軟磁性層)、シード層、中間層などを、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法などの公知の成膜方法を用いて形成してもよい。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドとともに、磁気記録再生装置としてのHDD(Hard Disk Drive)に組み込まれる。
[実施例、比較例]
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の効果を確認するために、以下のガラスの組成からなる磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
[ガラスの組成].
質量%表示で、SiOを65.08%、Alを15.14%、LiOを3.61%、NaOを10.68%、KOを0.35%、MgOを0.99%、CaOを2.07%、ZrOを1.98%、Feを0.10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスであり、ガラス転移温度が510℃である。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の各工程を順序通りに行った。
ここで、
(1)のガラス素板の成形は、プレス成形方法を用いた。ラッピングでは、遊離砥粒を用いた。
(4)の端面研磨では、酸化セリウムを遊離砥粒として用いて、研磨ブラシにより研磨した。
(5)の固定砥粒による研削では、ダイヤモンド砥粒をレジンボンドで固めたシートを定盤に貼り付けた研削装置を用いて研削した。
(6)の第1研磨(主表面研磨)では、図1及び図2の研磨装置を用いて60分間研磨した。研磨条件は、研磨パッド:硬質ウレタンパッド(JIS−A硬度:80〜100)、研磨荷重:120g/cm、定盤回転数:30rpmとした。研磨液と洗浄液については後述する。
(7)の化学強化では、化学強化液として硝酸カリウム塩と硝酸ナトリウム塩の混合溶融液等を用いた。
(8)の第2研磨では、図1及び図2と同様の別の研磨装置を用いて研磨した。このとき、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(アスカーC硬度で75の発泡ポリウレタン)を用い、平均粒径30μmのコロイダルシリカを砥粒とした。最終研磨後のガラス素板は、中性洗浄液及びアルカリ性洗浄液を用いて洗浄された。これにより、磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(A)比較例1、2
比較例1、2では、共に以下の研磨液を使用した。比較例1、2に使用した洗浄液については後述する。
研磨液:研磨砥粒は、湿式法で作製したジルコニア砥粒を10重量%含む。ジルコニア砥粒の1次粒子径は110nm、粒度分布計でのジルコニア砥粒の平均粒子径(D50)は、0.5μmとした。
また、ジルコニア粒子の結晶子径は、CuKα1線(λ=1.5405Å)による粉末X線回折装置(マック・サイエンス製MXP−18)を用いて、シェラーの式により算出した。このとき、ジルコニアの結晶構造に着目して、以下のようにして結晶子径を算出した。単斜晶の結晶構造をもつジルコニア粒子の結晶子径の算出に当たっては、2θ領域28.0〜28.3°内に頂点がある第1ピークと、2θ領域31.3〜31.6°内に頂点がある第2ピークに関して結晶子径を算出し、その平均値を結晶子径とした。正方晶又は立方晶の結晶構造をもつジルコニア粒子の結晶子径の算出に当たっては、2θ領域29.6〜30.3°内に頂点がある第1ピークを用いて、結晶子径を算出した。
なお、粉末X線回折スペクトルの解析にはICDD(International Centre for Diffraction Data)のデータを利用した。
(B)実施例1〜4
実施例1〜4は、使用した研磨液が比較例1と異なる。
・研磨液:研磨砥粒は、湿式法で作製したジルコニア砥粒を10重量%含む。ジルコニア砥粒の1次粒子径は110nm、粒度分布計でのジルコニア砥粒の平均粒子径(D50)は
、0.5μmとした。研磨砥粒は、主成分をジルコニア粒子とし、そのジルコニア粒子の表面の一部を酸化セリウムで構成したものである。酸化セリウムの含有量はいずれも15モル%とした。研磨液のpHは10となるように調整した。
具体的には、実施例1〜4の研磨砥粒は以下のようにして作製した。なお、以下の説明において、特記しない限り、過酸化水素水及びアンモニア水の濃度は30%である。
先ずRO水500mLに、塩化酸化ジルコニウム八水和物180gを溶解させ、これに過酸化水素水175mLを添加して撹拌し、続いてアンモニア水55mLを添加し、この溶液を還流冷却器付フラスコ内で約40時間、94〜100度で加熱し、その後、150mLになるまで加熱濃縮し、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S1)を得た。
硝酸セリウム(III)六水和物50gをRO水500mLに溶解させ、これに過酸化水素水175mLを添加して撹拌し、続いてアンモニア水55mLを添加し、この溶液を還流冷却器付フラスコ内で約40時間、94〜100度で加熱し、その後、150mLになるまで加熱濃縮し、水酸化セリウムを含むゾル(S2)を得た。
RO水50mLに塩化酸化ジルコニウム八水和物10gを溶解させた水溶液を調整し、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S1)150mLに添加して、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S3)200mLを得た。
また、RO水50mLに硝酸セリウム(III)六水和物25gを溶解させた水溶液を調整し、水酸化セリウムを含むゾル(S2)150mLに添加し、水酸化セリウムを含むゾル(S4)200mLを得た。
水酸化ジルコニウムを含むゾル(S3)200mLに水酸化セリウムを含むゾル(S4)200mLを徐々に加え、約8時間、40〜50℃に保ちながら還流冷却器付フラスコ内で撹拌した。なおこのとき、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S3)と水酸化セリウムを含むゾル(S4)の混合比率を変えることで、最終的な研磨砥粒における水酸化セリウムの含有量を調整することができる。
その後、過酸化水素水50mLを徐々に加え、続いてアンモニア水20mLを徐々に添加し、この溶液を還流冷却器付フラスコ内で約30時間、94〜100度の範囲で加熱した。その後、150mLになるまで加熱濃縮し、水酸化ジルコニウムと水酸化セリウムを含むゾルを得た。このゾルから塩化物イオン等を除去するために、アンモニア水や水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を添加した。このとき、pHは10〜13であればよい。水溶液をアルカリにすることで、容易にゾルを簡易凝集することができ、固液分離が可能となる。この上澄み液を除去し、5回以上RO水でデカンテーションを繰り返した。デカンテーション後の沈殿物をアセトンもしくはエタノールで置換後、ろ過、乾燥させ、焼成温度1000度で約3時間焼成した。
ここで得られた粉末は、ジルコニア−酸化セリウムの複合酸化物であり、図3(c)に示した構造の複合粒子に相当する。粉末X線回折スペクトルによる解析の結果、ジルコニアの結晶構造は単斜晶であり、正方晶や立方晶に相当する結晶構造のジルコニアは得られなかった。ジルコニアの結晶子径は40nmであった。酸化セリウムの結晶構造は立方晶であり、結晶子径は30nmであった。水酸化ジルコニウムを含むゾル(S1)を作製する際の加熱時間、酸化セリウムを含むゾル(S2)を作製する際の加熱時間、焼成温度を調整することで、異なる大きさの結晶子径を備えたジルコニア及び酸化セリウムを作製することができる。
焼成後に得られた粉末は、粒度分布を揃えるために、解砕・粉砕を行い、その後、分級を実施した。解砕・粉砕に関しては市販のボールミルやハンマーミル、ビーズミル等を用いれば良く、分級に関しても市販の分級機を用いればよく、ふるいや気流を用いた乾式の分級機や液体サイクロン等の湿式分級機を用いればよい。
比較例の場合と同様にして研磨砥粒の結晶子径を算出した。このとき、研磨砥粒を構成するジルコニアと酸化セリウムの結晶構造に着目して、以下のようにして結晶子径を算出した。単斜晶のジルコニアと立方晶の酸化セリウムからなる研磨砥粒に関し、単斜晶のジルコニアの結晶子径については、比較例と同様にして算出し、立方晶の酸化セリウムについては、2θ領域28.4〜28.7°内に頂点がある第1ピーク、2θ領域32.9〜33.2°内に頂点がある第2ピーク、2θ領域47.3〜47.6°内に頂点がある第3ピークに関して結晶子径を算出し、その平均値をその立方晶の酸化セリウムの結晶子径とした。比較例と同様、粉末X線回折スペクトルの解析にはICDDのデータを利用した。
表1に示すように、実施例1〜4はそれぞれ、酸化セリウム(CeO)の結晶子径が異なる。
実施例1〜4、及び比較例1については、すべて以下の洗浄液とした。
・洗浄液:上述した洗浄液Aであり、硫酸の濃度:0.5mol/L,アスコルビン酸の濃度:0.05mol/L,ケイフッ化水素酸の濃度:0.012mol/Lとした。ガラス表面のエッチング量は片面20nmとした。
(C)実施例5〜8
実施例5〜8は、使用した研磨液が比較例2と異なる。
・研磨液:研磨砥粒は、湿式法で作製したジルコニア砥粒を10重量%含む。ジルコニア砥粒の1次粒子径は110nm、粒度分布計でのジルコニア砥粒の平均粒子径(D50)は、0.5μmとした。研磨砥粒は、主成分をジルコニア粒子とし、そのジルコニア粒子の表面の一部を酸化第二鉄で構成したものである。酸化第二鉄の含有量はいずれも15モル%とした。研磨液のpHは10となるように調整した。
具体的には、実施例5〜8の研磨砥粒は以下のようにして作製した。
先ず上述した実施例の研磨砥粒の作製方法と同様の方法で、水酸化ジルコニウム(S3)を得た。硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物45gをRO水500mLに溶解させ、これに過酸化水素水100mLを添加して撹拌し、続いてアンモニア水40mLを添加し、この溶液を還流冷却器付フラスコ内で約26時間、94〜100度で加熱し、その後、100mLになるまで加熱濃縮し、水酸化鉄を含むゾル(S5)を得た。続いて、RO水100mLに硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物10gを溶解させた水溶液を調整し、水酸化鉄を含むゾル(S5)100mLに添加し、水酸化鉄を含むゾル(S6)200mLを得た。
水酸化ジルコニウムを含むゾル(S3)200mLに水酸化鉄を含むゾル(S6)200mLを徐々に加え、約8時間、40〜50℃に保ちながら還流冷却器付フラスコ内で撹拌した。なおこのとき、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S3)と水酸化鉄を含むゾル(S6)の混合比率を変えることで、最終的な研磨砥粒における水酸化鉄の含有量を調整することができる。
その後、過酸化水素水60mLを徐々に加え、続いてアンモニア水40mLを徐々に添加し、この溶液を還流冷却器付フラスコ内で約30時間、94〜100度の範囲で加熱した。その後、150mLになるまで加熱濃縮し、水酸化ジルコニウムと水酸化鉄を含むゾルを得た。
デカンテーションやアルカリ処理、アセトン処理は、乾燥、焼成、結晶子径の調整、解砕・粉砕、分級は、上述した実施例1〜4の研磨砥粒の作製方法と同様である。
ここで得られた粉末は、ジルコニア−酸化鉄の複合酸化物であり、図3(c)に示した構造の複合粒子に相当する。粉末X線回折スペクトルによる解析の結果、ジルコニアの結晶構造は単斜晶であり、正方晶や立方晶に相当する結晶構造のジルコニアは得られなかった。ジルコニアの結晶子径は40nmであった。酸化鉄の結晶構造は菱面体晶であり、結晶子径は20nmであった。
なお、上述した実施例1〜4の研磨砥粒の作製方法と同様に、水酸化ジルコニウムを含むゾル(S1)を作製する際の加熱時間、水酸化鉄を含むゾル(S5)を作製する際の加熱時間、焼成温度を調整することで、異なる大きさの結晶子径を備えたジルコニア及び酸化鉄を作製することができる。
比較例の場合と同様にして研磨砥粒の結晶子径を算出した。このとき、研磨砥粒を構成するジルコニアと酸化第二鉄の結晶構造に着目して、以下のようにして結晶子径を算出した。単斜晶のジルコニアと菱面体晶の酸化第二鉄とからなる研磨砥粒に関し、単斜晶のジルコニアの結晶子径については、比較例と同様にして算出し、菱面体晶の酸化第二鉄については、2θ領域33.0〜33.3°内に頂点がある第1ピークを用いて計算した値を結晶子径とした。比較例と同様、粉末X線回折スペクトルの解析には、ICDDのデータを利用した。
表2に示すように、実施例5〜8はそれぞれ、酸化第二鉄(Fe)の結晶子径が異なる。
実施例5〜8、及び比較例2については、すべて以下の洗浄液とした。
・洗浄液:上述した洗浄液Bであり、シュウ酸の濃度:0.022mol/L,リンゴ酸の濃度:0.04mol/L,硫酸アンモニウム鉄(II)の濃度:0.00078mol/L,水酸化カリウムでpH2に調整したものである。洗浄工程と並行して、洗浄液に含まれる2価の鉄イオンの錯体が酸化されて生成した3価の鉄イオンの錯体を紫外線照射により還元した。
比較例1、比較例2、実施例1〜8のガラス素板について、第1研磨における洗浄性を評価したところ、表1及び表2に示す結果となった。なお、第一研磨工程後に洗浄及び乾燥を実施したものについて上記評価を行った。
洗浄性の評価に当たって、光学顕微鏡によりガラス素板の表面の欠陥を観察してマーキングを行った。マーキングした欠陥について、走査型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析装置を用いて、元素分析を行った。研磨材に含まれる金属元素(Zr、CeもしくはFe)が検出されたとき、その欠陥は研磨砥粒に起因する粒子であると判断した。
表1及び表2において、洗浄性の評価は、研磨加工後の基板について、光学顕微鏡で20個マーキングした欠陥の中で、研磨砥粒に起因する粒子の数を測定し、下記の基準に基づいて行った。◎、〇、△が合格である。
◎ (Excellent):2個以下
○ (Good):3個又は4個
△ (Fair):5個又は6個
× (Poor):7個以上
表1又は表2の結果から、表面に非ジルコニア物質が形成されていないジルコニア粒子の場合には、洗浄性の評価が不合格となることが確認された。表面に非ジルコニア物質が形成されているジルコニア粒子の場合には、洗浄性の評価が合格となることが確認された。より具体的には、非ジルコニア物質(酸化セリウム又は酸化第二鉄)の結晶子径が10nm以上であれば好ましく、20nm以上であればさらに好ましく、30nm以上であれば一層好ましいことが確認された。これは、非ジルコニア物質の結晶子径が大きくなると、研磨時においてジルコニアのガラス表面に対する接触面積が相対的に小さくなるため、ジルコニアのガラス表面に対する付着力が弱く、洗浄液による非ジルコニア物質の溶解除去により、ガラス表面からジルコニアが離脱しやすくなったためであると考えられる。
なお、非ジルコニア物質が酸化セリウムの場合には、いずれの実施例においても研磨レートが良好であったが、非ジルコニア物質が酸化第二鉄の場合には、結晶子径が40nm以上の場合に、研磨レートの若干の低下が確認された。また、表1において酸化セリウムの結晶子径を5nmとした以外は実施例1と同じ条件で実験したところ、洗浄性は実施例1と同様に△となり合格レベルではあったが、実施例1よりも研磨レートが低下した。同様に表2において酸化鉄の結晶子径を5nmとした以外は実施例5と同じ条件で実験したところ、洗浄性は実施例5と同様に△となり合格レベルではあったが、実施例5よりも研磨レートが低下した。これらの実験より、研磨レートの観点から結晶子径は10nm以上であることが好ましいことがわかる。
さらに、表1において研磨砥粒中の酸化セリウムの含有量をそれぞれ9モル%(実施例4−1)、5モル%(実施例4−2)とした以外は実施例4と同じ条件で実験したところ、実施例4−1の洗浄性は○、実施例4−2の洗浄性は△であった。また、表2において研磨砥粒中の酸化鉄の含有量をそれぞれ9モル%(実施例8−1)、5モル%(実施例8−2)とした以外は実施例8と同じ条件で実験したところ、実施例8−1の洗浄性は○、実施例8−2の洗浄性は△であった。
さらに、研磨液のpHを7、4、2とした以外は実施例4及び実施例8の条件でそれぞれ実験したところ(実施例4−3,4−4,4−5、及び、実施例8−3、8−4、8−5)、洗浄性は同等(◎)であったが、いずれの場合もアルカリ性(pH=10)の場合と比べて、スクラッチの数が増加した。実施例4対する増加量は、実施例4−3:5%,4−4:10%,4−5:15%であり、実施例8に対する増加量は、実施例8−3:3%、8−4:9%、8−5:14%であった。このことから、研磨液をアルカリ性とすることでスクラッチの数が低減することがわかる。なお、スクラッチの数は、レーザー式の表面欠陥検査装置を用いてガラス基板の主表面を走査し、散乱光を検出することにより計測した。
さらに、研磨砥粒中におけるジルコニア部分について、結晶子径を5、10、20、60nmとした以外は、実施例4及び実施例8の条件でそれぞれ実験したところ、洗浄性は同等(◎)であったが、ジルコニア部分の結晶子径を5nmの場合に研磨レートに若干低下が見られた。
次に、実施例1〜8及び比較例の第1研磨工程を経て作製された磁気ディスク用ガラス基板に、付着層、SUL、シード層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層を積層させて磁気ディスクを作製し、グライドヘッドの浮上量を7nmに設定してグライド検査を行った。その結果、実施例1〜8の第1研磨工程を経て作製された磁気ディスク用ガラス基板について100枚を検査したときの歩留まり(検査合格率)が90%以上となり、すべて合格であった。
他方、比較例1、比較例2の第1研磨工程を経て作製された磁気ディスク用ガラス基板については、歩留まりは90%より低くなり、不合格であった。さらに、グライド検査で検出した不良位置をSEM/EDXによって観察したところ、異物が発見された。発見された異物について組成分析を行ったところ、ジルコニアの研磨剤に由来する異物であることがわかった。すなわち、研磨工程で使用したジルコニア粒子が研磨加工中にガラス素板に付着し、その付着したジルコニア粒子が洗浄によって離脱せずに異物として発見されたと考えられる。
なお、実施例1〜8の主表面研磨後のガラス素板の主表面について、AFMを用いて、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×512ピクセルの解像度で算術平均粗さ(Ra)について測定したところ、いずれも1.5nm以下であった。また、研磨後の端面における算術平均粗さ(Ra)について触針式の表面粗さ測定機を用いて測定したところ、いずれも50nm以下であった。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
例えば、上述した実施形態の第1研磨(主表面研磨)工程では、複数のガラス素板をキャリアに収容させ、遊星歯車機構を用いて両面研磨を行う例を示したが、これに限られない。1枚ずつ研磨を行う枚葉方式で研磨を行ってもよい。
また、実施形態の第1研磨工程で述べた研磨液及び洗浄液を用いた研磨及び洗浄は、端面研磨工程において適用してもよい。その場合、ガラス素板の端面の算術平均粗さRaを50nm以下とすることができ、かつジルコニア粒子のみからなる研磨材を使用した場合と比較して洗浄性を良好にすることができる。
10 研磨パッド
30 キャリア
40 上定盤
50 下定盤
61 太陽歯車
62 内歯車
71 研磨液供給タンク
72 配管

Claims (6)

  1. ジルコニアを主成分とする砥粒を研磨剤として含む研磨液を用いて、ガラス基板の表面の少なくとも一部を研磨する研磨工程と、前記研磨工程後のガラス基板を洗浄する洗浄工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ジルコニアを主成分とする砥粒の表面はジルコニアで構成される部分と、ジルコニア以外の物質である非ジルコニア物質で構成される部分と、を有し
    前記非ジルコニア物質の結晶子径が10nm以上であり、
    前記洗浄工程では、前記ガラス基板の研磨された表面を、前記非ジルコニア物質が可溶な洗浄液と接触させることを特徴とする、
    磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記研磨工程では、研磨後の前記ガラス基板の主表面における算術平均粗さ(Ra)が1.5nm以下となるように、前記ガラス基板の主表面を研磨することを特徴とする、
    請求項1に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記研磨工程では、研磨後の前記ガラス基板の端面における算術平均粗さ(Ra)が50nm以下となるように、前記ガラス基板の端面を研磨することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記非ジルコニア物質は、酸化セリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化銅、及び酸化マンガンからなる群の中から選択された少なくともいずれかの物質であることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記非ジルコニア物質は、酸化セリウムであって、
    前記洗浄液は、フッ素イオンを含有することを特徴とする、
    請求項に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記非ジルコニア物質は、酸化鉄であって、
    前記洗浄液は、カルボン酸を含む酸と鉄の2価イオンを含むことを特徴とする、
    請求項に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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