JP2012135866A - 複合砥粒とその製造方法およびそれを用いた研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な研磨を高効率よく、かつ低コストで行える複合砥粒の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複合砥粒の製造方法は、無機粒子からなる無機粉末と有機粒子からなる有機粉末とを混合して混合粉末とする混合工程と、この混合粉末を加熱しつつ混練する加熱混練工程とを備え、有機粒子の表面に無機粒子が付着した複合砥粒が得られることを特徴とする。ここで、例えば、無機粒子はセリア粒子であり、有機粒子はポリマー粒子である。この製造方法により得られる複合砥粒を用いると、セリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合と同等の良好な表面粗さを確保しつつ、高い研磨レートの研磨を行うことができる。しかも本発明の複合砥粒によれば、稀少なレアアースを含むセリア粒子の使用量を抑制でき、砥粒ひいては研磨スラリー等の低コスト化や供給安定性を図れる。
【選択図】図1A
【解決手段】本発明の複合砥粒の製造方法は、無機粒子からなる無機粉末と有機粒子からなる有機粉末とを混合して混合粉末とする混合工程と、この混合粉末を加熱しつつ混練する加熱混練工程とを備え、有機粒子の表面に無機粒子が付着した複合砥粒が得られることを特徴とする。ここで、例えば、無機粒子はセリア粒子であり、有機粒子はポリマー粒子である。この製造方法により得られる複合砥粒を用いると、セリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合と同等の良好な表面粗さを確保しつつ、高い研磨レートの研磨を行うことができる。しかも本発明の複合砥粒によれば、稀少なレアアースを含むセリア粒子の使用量を抑制でき、砥粒ひいては研磨スラリー等の低コスト化や供給安定性を図れる。
【選択図】図1A
Description
本発明は、各種基板やディスプレー用ガラスなどに要求される高精度な研磨を効率的に行うことができる複合砥粒とその製造方法およびそれを用いた研磨用組成物に関する。
電子デバイスを構成する各種基板、液晶ディスプレー等に用いられる各種ガラス、光学用レンズなどは、高精度の平面度や優れた表面粗さ等が求められる。このような精密品の製造には、研磨(特に化学的機械研磨(CMP))が不可欠である。
この研磨の良否や効率は、研磨用組成物(研磨スラリー)、特に砥粒に大きく影響される。このため、従来から種々の砥粒やそれを用いた研磨スラリーが提案され、使用されている。例えば、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化鉄、二酸化ケイ素等を砥粒とする研磨スラリーの他、化学機械研磨(CMP)作用を発揮する酸化セリウム(セリア)を砥粒とする研磨スラリーが最近よく使用されている。また、コロイダルシリカを砥粒とする研磨スラリーも使用されている。これらに関連する事項が、例えば、下記の特許文献に記載されている。
ところで、酸化セリウムを構成するセリウムは稀少なレアアースであり、その供給や価格が不安定である。このため、酸化セリウムの使用を抑制することが求められている。また、略球状で微細なコロイダルシリカを砥粒とする研磨スラリーは、高精度な研磨が可能ではあるが、研磨レートがあまり高くないためその用途が限定的である。いずれにしても従来の砥粒や研磨スラリーでは、レアアースを含む砥粒の使用量の低減を図りつつ、高い研磨レートと良好な表面粗さを両立させることは困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、レアアースの一種であるセリウムの使用を抑制しつつ高精度な研磨を効率的にかつ比較的低コストで行うことを可能とする砥粒およびその製造方法を提供することを目的とする。またその砥粒を用いた研磨用組成物も併せて提供する。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、ポリマー粒子等の有機粒子にセリア粒子等の無機粒子を一体化した複合砥粒を思いつき、実際に、有機粒子と無機粒子とを加熱混練することにより複合砥粒を製造することに成功した。しかも、この複合砥粒を含む研磨スラリーで被研磨材を研磨したところ、高い研磨レートと良好な表面粗さが高次元で両立されることが新たにわかった。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明が完成されるに至った。
《研磨用組成物》
(1)本発明の複合砥粒の製造方法は、無機粒子からなる無機粉末と有機粒子からなる有機粉末とを混合して混合粉末とする混合工程と、該混合粉末を加熱しつつ混練する加熱混練工程とを備え、該有機粒子の表面に該無機粒子が付着した複合砥粒が得られることを特徴とする。
(1)本発明の複合砥粒の製造方法は、無機粒子からなる無機粉末と有機粒子からなる有機粉末とを混合して混合粉末とする混合工程と、該混合粉末を加熱しつつ混練する加熱混練工程とを備え、該有機粒子の表面に該無機粒子が付着した複合砥粒が得られることを特徴とする。
(2)本発明の製造方法によれば、被研磨材を高精度かつ効率的に研磨できる複合砥粒(適宜、単に「砥粒」という。)が得られる。しかも本発明に係る砥粒を用いれば、高価で稀少な無機粒子(セリア粒子等)を用いる場合でも、その使用量を大幅に低減しつつ、その無機粒子のみを砥粒とする場合と同等以上の研磨性を確保し得る。
このような優れた砥粒が本発明の製造方法により得られる理由は必ずしも定かではない。現状では次のように考えられる。無機粉末と有機粉末との混合粉末を加熱混練すると、それら粉末を構成する有機粒子と無機粒子との相互間には、加熱状況下で、剪断力や押圧力等の作用力が働く。これにより無機粒子は、研磨に耐えるほど強固に有機粒子の表面へ付着するようになり、両粒子の一体化が図られると考えられる。また、無機粉末と有機粉末を均一に混合した混合粉末を加熱混練しているため、一方の粒子が凝集等することもなく、無機粉末が有機粒子の全表面にほぼ均一に付着した複合粒子からなる砥粒を、比較的短時間の加熱混練で効率的に得ることができたと考えられる。
このような複合砥粒の一例として、無機粒子がセリア粒子(無機酸化物粒子)で、有機粒子がウレタン粒子(ポリマー粒子)の場合を考える。この複合砥粒は、外殻部(シェル部)がガラス等の研磨に有効なセリア粒子で覆われ、このセリア粒子が中核部(コア部)にあるウレタン粒子により強固に担持された構造となっている。この複合砥粒によれば、一粒子の全体積の約1/3程度が、コア部を構成するウレタン粒子で占められるため、シェル部を構成するセリア粒子の使用量ひいては稀少なレアアースであるセリウム(Ce)の使用量が抑制される。しかもその一方で、複合砥粒全体として観れば、CMP等に有効なセリア粒子が最表面に十分に存在するため、従来のセリア(酸化セリウム)粒子のみからなる砥粒と同等以上の研磨性も確保され得る。
さらにいえば、実際、セリア粒子の使用量が少ない本発明の複合砥粒の方が、従来のセリア粒子のみからなる砥粒よりも、研磨レートが高い。この理由は次のように考えられる。比重が約1g/cm3 という軽いウレタン粒子の表面に、比重が約7g/cm3 であるセリア粒子を複合させることにより、砥粒自体の比重を好ましい範囲にコントロールできる。研磨状況に応じて比重が好ましい範囲に調整された複合砥粒は分散性が良好で、この複合砥粒を含む研磨スラリーは研磨パッドと被研磨材の間に効率よく供給される。こうして本発明に係る複合砥粒を用いると、良好な表面粗さが確保されつつ、研磨レートも向上したと考えられる。
また、セリア粒子を複合させたウレタン粒子は、ミクロな研磨パッドとしても作用する。このため本発明の複合砥粒を用いれば、被研磨材への砥粒(セリア粒子)の付着が抑制され、研磨特性の経時劣化も少なくなる。このことも、本発明の複合砥粒の研磨レートが高くなった要因の一つと考えられる。
このように本発明の製造方法によれば、稀少で高価な無機粉末の使用量を低減しつつ、高精度で効率的な研磨が可能な砥粒が得られる。ここではポリマー粒子の表面にセリア粒子を付着させた複合砥粒を例に取り説明したが、セリア粒子以外の無機粒子をポリマー粒子の表面に付着させた場合にも、同様な作用を適宜生じ得る。例えば、セリウムを全く含まないジルコニア粒子をポリマー粒子の表面に付着させた複合砥粒を用いると、ジルコニア粒子単体からなる砥粒を用いたときよりも、表面粗さが良好で、研磨レートも遥かに高くなり得る。
《複合砥粒および研磨用組成物》
本発明は、上述した製造方法に限らず、それにより得られる複合砥粒としても把握できる。また本発明は、この複合砥粒とこれを分散させる分散媒とからなる被研磨材の研磨に用いられる研磨用組成物としても把握できる。
本発明は、上述した製造方法に限らず、それにより得られる複合砥粒としても把握できる。また本発明は、この複合砥粒とこれを分散させる分散媒とからなる被研磨材の研磨に用いられる研磨用組成物としても把握できる。
《研磨方法》
さらに本発明は、上述した研磨用組成物を用いた研磨方法としても把握される。すなわち本発明は、研磨スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給工程と、該研磨スラリーの供給された研磨パッドにより被研磨材を研磨する研磨工程と、を備える研磨方法であって、この研磨スラリーが上述した本発明の研磨用組成物からなることを特徴とする研磨方法でもよい。
さらに本発明は、上述した研磨用組成物を用いた研磨方法としても把握される。すなわち本発明は、研磨スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給工程と、該研磨スラリーの供給された研磨パッドにより被研磨材を研磨する研磨工程と、を備える研磨方法であって、この研磨スラリーが上述した本発明の研磨用組成物からなることを特徴とする研磨方法でもよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「平均粒径」は体積平均粒径であり、測定対象であるサンプル(破砕粒子の粉末)について、その構成する各粒子の直径(粒径:di)にそれぞれの粒子の体積占有率(重み:vi/V0)をかけて求めた総和(Σdi・vi/V0)として求められる(V0はサンプル全体の体積)。より具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布計(堀場製作所製LA750)を用いてJIS Z8825−1に準じて測定して求まる。
(1)本明細書でいう「平均粒径」は体積平均粒径であり、測定対象であるサンプル(破砕粒子の粉末)について、その構成する各粒子の直径(粒径:di)にそれぞれの粒子の体積占有率(重み:vi/V0)をかけて求めた総和(Σdi・vi/V0)として求められる(V0はサンプル全体の体積)。より具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布計(堀場製作所製LA750)を用いてJIS Z8825−1に準じて測定して求まる。
(2)本明細書でいう「研磨性」は、例えば、研磨面の表面粗さと研磨レートとで指標される。研磨レートは、単位時間あたりの研磨量で表される。研磨量は質量変化であってもよいし、断面が一定の被研磨材なら研磨面の寸法変化であってもよい。例えば、ガラスを被研磨材とする場合なら、研磨レートは0.4μm/min以上、0.5μm/min以上、0.6μm/min以上さらには0.7μm/min以上であると好ましい。但し本発明では、複合砥粒の研磨性が、無機粒子のみからなる単一砥粒の研磨性に対して相対的に向上しているか否かが重要であり、評価指標の絶対値が問題ではない。
(3)本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値や数値範囲内に含まれる数値を新たな下限値または上限値として、「a〜b」のような新たな数値範囲を任意に新設し得る。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明の複合砥粒の製造方法のみならず、その複合砥粒やそれを用いた研磨用組成物にも適宜適用される。上述した本発明の構成に、本明細書に記載した内容から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加することができる。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《原料》
(1)無機粒子は、組成、サイズ、配合等を問わない。無機粒子は、例えば、酸化セシウム(セリア)、酸化ケイ素(シリカ等)、酸化ジルコニウム(ジルコニア等)、酸化アルミニウム(アルミナ等)、酸化鉄等の無機酸化物粒子の一種以上であると好ましい。無機粒子の粒径は、研磨対象(被研磨材)や研磨段階により異なるが、例えば、平均粒径が0.1〜10μmさらには0.5〜5μmであると好ましい。粒径が過小では研磨能率(研磨レート)が低下し、過大ではスクラッチが生じて研磨面の表面粗さが大きくなる。さらに無機粒子は、二種以上の無機粒子が複合化した複合無機粒子でもよい。例えば、無機粒子は、ジルコニアからなる基粒子と基粒子の表面に付着または結合したセリアからなる微粒子とからなる複合無機粒子であると好ましい。
(1)無機粒子は、組成、サイズ、配合等を問わない。無機粒子は、例えば、酸化セシウム(セリア)、酸化ケイ素(シリカ等)、酸化ジルコニウム(ジルコニア等)、酸化アルミニウム(アルミナ等)、酸化鉄等の無機酸化物粒子の一種以上であると好ましい。無機粒子の粒径は、研磨対象(被研磨材)や研磨段階により異なるが、例えば、平均粒径が0.1〜10μmさらには0.5〜5μmであると好ましい。粒径が過小では研磨能率(研磨レート)が低下し、過大ではスクラッチが生じて研磨面の表面粗さが大きくなる。さらに無機粒子は、二種以上の無機粒子が複合化した複合無機粒子でもよい。例えば、無機粒子は、ジルコニアからなる基粒子と基粒子の表面に付着または結合したセリアからなる微粒子とからなる複合無機粒子であると好ましい。
(2)有機粒子は有機高分子化合物からなるが、その組成、サイズ、配合等を問わない。有機粒子は、例えば、ウレタン粒子、アクリル粒子、ポリエチレン粒子、ポリエステル粒子、ポリスチレン粒子等のポリマー粒子の一種以上であると好ましい。特に有機粒子は、少なくともウレタン構造またはエポキシ構造をもつポリマー粒子であると好適である。
有機粒子が合成樹脂粒子である場合、そのガラス転移点は、加熱混練工程の混練温度以下であるとよい。例えば、ガラス転移点は−20〜200℃さらには0〜150℃が好ましい。
有機粒子の粒径は、無機粒子の種類や形態、研磨対象(被研磨材)の種類、研磨段階等により異なるが、例えば、平均粒径が0.5〜20μmさらには1〜15μmであると好ましい。粒径が過小では無機粒子の担持や使用量抑制が十分ではない。その粒径が過大では研磨面の表面粗さが大きくなったりして研磨性が低下する。
《混合工程》
本発明に係る混合工程は、無機粒子の粉末(無機粉末)と、その無機粒子を担持する有機粒子の粉末(有機粉末)とを混合する工程である。有機粉末と無機粉末との混合割合は、混合粉末全体を100質量%(適宜「%」という。)としたときに、有機粉末が3〜20%、5〜15%さらには7〜10%であり、残部が無機粉末であると好ましい。有機粉末が過少でも過多でも、有機粒子の表面に無機粒子が均一に付着した複合砥粒が形成され難い。なお、有機粉末と無機粉末との混合には、例えば、ミキサー、ブレンダー、プロペラ式攪拌機等の混合装置を用いるとよい。
本発明に係る混合工程は、無機粒子の粉末(無機粉末)と、その無機粒子を担持する有機粒子の粉末(有機粉末)とを混合する工程である。有機粉末と無機粉末との混合割合は、混合粉末全体を100質量%(適宜「%」という。)としたときに、有機粉末が3〜20%、5〜15%さらには7〜10%であり、残部が無機粉末であると好ましい。有機粉末が過少でも過多でも、有機粒子の表面に無機粒子が均一に付着した複合砥粒が形成され難い。なお、有機粉末と無機粉末との混合には、例えば、ミキサー、ブレンダー、プロペラ式攪拌機等の混合装置を用いるとよい。
《加熱混練工程》
加熱混練工程は、上記の混合粉末を加熱しつつ混練する工程である。この際の加熱温度(混練温度)は、有機粒子や無機粒子の種類やそれらの組み合わせ等を考慮して選択されるが、少なくとも有機粒子のガラス転移温度以上であると好適である。具体的には、例えば、110℃以上、150℃以上、170℃以上さらには180℃以上であると好ましい。逆に混練温度は、350℃以下、300℃以下さらには280℃以下が好ましい。混練温度が過小では有機粒子(ポリマー粒子)の表面が軟化せず無機粒子(セリア粒子)の複合化が難しく、混練温度が過大では有機粒子(ポリマー粒子)の分解が進行するため好ましくない。
加熱混練工程は、上記の混合粉末を加熱しつつ混練する工程である。この際の加熱温度(混練温度)は、有機粒子や無機粒子の種類やそれらの組み合わせ等を考慮して選択されるが、少なくとも有機粒子のガラス転移温度以上であると好適である。具体的には、例えば、110℃以上、150℃以上、170℃以上さらには180℃以上であると好ましい。逆に混練温度は、350℃以下、300℃以下さらには280℃以下が好ましい。混練温度が過小では有機粒子(ポリマー粒子)の表面が軟化せず無機粒子(セリア粒子)の複合化が難しく、混練温度が過大では有機粒子(ポリマー粒子)の分解が進行するため好ましくない。
本明細書でいう混練は、有機粒子と無機粒子との間に少なくとも剪断力が作用するものであれば足りる。混練の程度は、有機粒子や無機粒子の種類や形態等に応じて適宜調整される。このため混練の程度を具体的に特定することは困難であるが、例えば、混練時のトルクが5N・m以上さらには7N・m以上であると好ましい。実際には、加熱と混練を同時に行うことができるニーダ混練機やロール混練機を用いて行うとよい。それらの軸数やブレード形状等は適宜調整すればよい。
《研磨用組成物》
(1)本発明の研磨用組成物は、複合砥粒を分散媒に均一に分散させた懸濁液(研磨スラリー)からなる。この研磨用組成物によれば、全体を100%としたときに、砥粒濃度が25%以下、15%以下さらには5%以下でも、十分な研磨レートが得られる。もっとも、砥粒濃度が過小では研磨レートの向上を図れないので、砥粒濃度は1%以上さらには2%以上が好ましい。
(1)本発明の研磨用組成物は、複合砥粒を分散媒に均一に分散させた懸濁液(研磨スラリー)からなる。この研磨用組成物によれば、全体を100%としたときに、砥粒濃度が25%以下、15%以下さらには5%以下でも、十分な研磨レートが得られる。もっとも、砥粒濃度が過小では研磨レートの向上を図れないので、砥粒濃度は1%以上さらには2%以上が好ましい。
(2)研磨用組成物中には、本発明の複合砥粒の他、成分、粒度分布、形態等の異なる複数種の粒子(砥粒)が含まれていてもよい。この場合、各種粒子の配合割合は任意であるが、複合砥粒でない無機粒子は、砥粒全体を100質量%としたときに50質量%未満であることは勿論、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下さらには15質量%以下であると好適である。なお、いずれの粒子も、セリウムなどの希土類元素を含まない無機粒子から構成されると好ましい。
(3)分散媒は、その種類やpHを問わないが、それらは複合砥粒や被研磨材の種類に応じて適宜選択されるとよい。水系分散媒を用いる場合、被研磨材の汚染を抑止するために、不純なイオンなどを除去したイオン交換水を用いると好ましい。分散媒は、pH調整剤、砥粒分散剤、キレート剤、酸化剤などの1種以上の添加剤を含有した混合液でもよい。なお、砥粒の分散媒への分散は、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の種々の攪拌装置により行える(分散工程)。
《被研磨材》
被研磨材は、その種類や形態を特に問わないが、例えば、一般的なガラス、ディスプレー用パネル、電子デバイス基板(ウエハ)等である。より具体的には、SiO2、Na2CO3、CaCO3等からなる各種ガラス、シリコン、窒化物(GaN等)、炭化物(SiC等)等からなる各種基板などが被研磨材として挙げられる。
被研磨材は、その種類や形態を特に問わないが、例えば、一般的なガラス、ディスプレー用パネル、電子デバイス基板(ウエハ)等である。より具体的には、SiO2、Na2CO3、CaCO3等からなる各種ガラス、シリコン、窒化物(GaN等)、炭化物(SiC等)等からなる各種基板などが被研磨材として挙げられる。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[第一実施例]
《複合砥粒の製造》
(1)原料
無機粒子の原料として、無機酸化物粒子である酸化セリウム粒子(セリア粒子)からなる無機粉末(昭和電工株式会社製、SH0ROX A−10 平均粒径1μm)を用意した。有機粒子の原料として、ポリマー粒子であるウレタン粒子からなる有機粉末(根上工業株式会社製 アートパールU−600T 平均粒径10μm)を用意した。ちなみに、このウレタン粒子のガラス転移点は約35℃である。
[第一実施例]
《複合砥粒の製造》
(1)原料
無機粒子の原料として、無機酸化物粒子である酸化セリウム粒子(セリア粒子)からなる無機粉末(昭和電工株式会社製、SH0ROX A−10 平均粒径1μm)を用意した。有機粒子の原料として、ポリマー粒子であるウレタン粒子からなる有機粉末(根上工業株式会社製 アートパールU−600T 平均粒径10μm)を用意した。ちなみに、このウレタン粒子のガラス転移点は約35℃である。
(2)混合工程
上記の無機粉末と有機粉末を12:1の質量割合で混合して混合粉末を得た。この混合はプロペラ式のミキサーを用いて、20,000r.p.m.で2分間行った。
上記の無機粉末と有機粉末を12:1の質量割合で混合して混合粉末を得た。この混合はプロペラ式のミキサーを用いて、20,000r.p.m.で2分間行った。
(3)加熱混練工程
上記の混合粉末をニーダ混練機であるニーダーミル(株式会社トーシン製:TDR100−1型)に投入して、50r.p.m.で4分間、加熱しつつ混練した。こうして、混練温度が異なる3種の複合砥粒を得た。すなわち、混練温度が150℃の複合砥粒(試料No.1)、170℃の複合砥粒(試料No.2)および200℃の複合砥粒(試料No.3)である。
上記の混合粉末をニーダ混練機であるニーダーミル(株式会社トーシン製:TDR100−1型)に投入して、50r.p.m.で4分間、加熱しつつ混練した。こうして、混練温度が異なる3種の複合砥粒を得た。すなわち、混練温度が150℃の複合砥粒(試料No.1)、170℃の複合砥粒(試料No.2)および200℃の複合砥粒(試料No.3)である。
(4)比較のため、上記の加熱混練せずに、混合工程だけを行った砥粒(これを便宜上「混合砥粒」という。:試料No.C1)も製造した。つまり、複合砥粒と同じ質量割合の同じ原料粉末をポリエチレン製容器に投入し、それを自転公転ミキサー(株式会社シンキー製)を用いて2000r.p.m.で2分間混合した。混合後の粉体の温度は約80℃であった。この混合粉末を適宜解砕して、上記の混合砥粒を得た。
また原料であるセリア粒子のみからなる砥粒も用意した(試料No.C2)。
《複合砥粒の評価》
上記の各砥粒を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を図1A〜図1Dに示した。先ず、試料No.1〜3の複合砥粒はいずれも、無機粒子が有機粒子上に均一に付着してそれらが一体化(複合化)していることがわかる。また混練具合が同程度なら、混練温度が高いほど、より多くの無機粒子が有機粒子に付着していることもわかる。
上記の各砥粒を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を図1A〜図1Dに示した。先ず、試料No.1〜3の複合砥粒はいずれも、無機粒子が有機粒子上に均一に付着してそれらが一体化(複合化)していることがわかる。また混練具合が同程度なら、混練温度が高いほど、より多くの無機粒子が有機粒子に付着していることもわかる。
次に、試料No.C1の混合砥粒は、試料No.1〜3の複合砥粒と比較すると、無機粒子が有機粒子の表面に斑状に存在しており、表面における均一性に乏しいことがわかる。
《研磨スラリーの調製》
上述した試料No.3の複合砥粒または試料No.C1の混合砥粒を、それぞれイオン交換水に入れて分散させた研磨スラリーを調製した(分散工程)。また、複合砥粒の原料に用いた酸化セリウム粒子(セリア粒子)のみからなる砥粒(試料No.C2)を、同様にイオン交換水に分散させた研磨スラリーも調製した。これらの研磨スラリー中の砥粒濃度は、いずれも3質量%とし、各砥粒の分散にはホモミキサーを用いた。
上述した試料No.3の複合砥粒または試料No.C1の混合砥粒を、それぞれイオン交換水に入れて分散させた研磨スラリーを調製した(分散工程)。また、複合砥粒の原料に用いた酸化セリウム粒子(セリア粒子)のみからなる砥粒(試料No.C2)を、同様にイオン交換水に分散させた研磨スラリーも調製した。これらの研磨スラリー中の砥粒濃度は、いずれも3質量%とし、各砥粒の分散にはホモミキサーを用いた。
《研磨》
上記の各研磨スラリーを用いて、被研磨材であるソーダガラス(直径20mm、厚み10mmを、片面研磨装置(株式会社岡本工作機械製作所製、SPL−15)により研磨した。具体的には、各研磨スラリーを25cc/minの割合で、ウレタン樹脂製の研磨パッド(九重電気株式会社製、KSP66A)上に滴下させ(スラリー供給工程)、この研磨パッドと上記のソーダガラスとを押圧しつつ相対的に摺動させた(研磨工程)。
上記の各研磨スラリーを用いて、被研磨材であるソーダガラス(直径20mm、厚み10mmを、片面研磨装置(株式会社岡本工作機械製作所製、SPL−15)により研磨した。具体的には、各研磨スラリーを25cc/minの割合で、ウレタン樹脂製の研磨パッド(九重電気株式会社製、KSP66A)上に滴下させ(スラリー供給工程)、この研磨パッドと上記のソーダガラスとを押圧しつつ相対的に摺動させた(研磨工程)。
このとき、研磨スラリーを内包した研磨パッドと被研磨材であるソーダガラスとの間の面圧は20kPa、研磨パッド側のヘッド回転数は60r.p.m. 、ソーダガラス側の定盤回転数は60r.p.m.とした。これを30分間行った。
《測定》
(1)研磨レート
各研磨スラリーで研磨した被研磨材(ソーダガラス)の質量を、研磨前および研磨後に測定した。単位時間あたりの研磨前後の質量変化を、ソーダガラスの断面積で除して、被研磨材の厚みの減少量に換算した研磨レート(μm/min)を求めた。この結果を表1に示した。
(1)研磨レート
各研磨スラリーで研磨した被研磨材(ソーダガラス)の質量を、研磨前および研磨後に測定した。単位時間あたりの研磨前後の質量変化を、ソーダガラスの断面積で除して、被研磨材の厚みの減少量に換算した研磨レート(μm/min)を求めた。この結果を表1に示した。
(2)表面粗さ
研磨後のソーダガラスの表面を、非接触表面形状測定機(ザイゴ株式会社製NewView)により測定し、その表面粗さを求めた。この結果を表1に併せて示した。ちなみに、研磨前のソーダガラスの表面粗さは約0.2〜0.3μmRa程度であった。
研磨後のソーダガラスの表面を、非接触表面形状測定機(ザイゴ株式会社製NewView)により測定し、その表面粗さを求めた。この結果を表1に併せて示した。ちなみに、研磨前のソーダガラスの表面粗さは約0.2〜0.3μmRa程度であった。
《評価》
表1に示す結果から明らかなように、無機粒子と有機粒子を加熱混練して得た複合砥粒(試料No.3)を用いると、表面粗さがセリア粒子のみからなる砥粒(試料No.C2)を用いた場合と同程度でありながら、研磨レートは大幅に向上することが明らかとなった。
表1に示す結果から明らかなように、無機粒子と有機粒子を加熱混練して得た複合砥粒(試料No.3)を用いると、表面粗さがセリア粒子のみからなる砥粒(試料No.C2)を用いた場合と同程度でありながら、研磨レートは大幅に向上することが明らかとなった。
一方、加熱混練せずに混合しただけの混合砥粒(試料No.C1)を用いた場合、表面粗さは他の砥粒と大差ないが、研磨レートは、複合砥粒より低いことは勿論、セリア粒子のみからなる砥粒よりもさらに低くなった。この理由として、セリア粒子(表面砥粒)の約10倍の大きさのポリマー粒子が、単独で被研磨材と研磨パッドの間に入り込むようになり、研磨に寄与できない微小なセリア粒子が増えて、研磨レートが低下したと考えられる。
いずれにしても、本発明に係る複合砥粒を用いると、セリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合と同程度の優れた表面粗さを得つつ、研磨レートを大きく向上させられることが明らかとなった。
[第二実施例]
上記の実施例で用いたセリア粒子をジルコニア粒子またはセリア−ジルコニア複合無機粒子に替えた試料も製作し、それらの研磨性を評価した。
上記の実施例で用いたセリア粒子をジルコニア粒子またはセリア−ジルコニア複合無機粒子に替えた試料も製作し、それらの研磨性を評価した。
《試料の製造》
(1)ジルコニア粒子を用いた複合砥粒(試料No.4)
セリア粒子をジルコニア粒子(ユニバーサルフォトニクス製、ZIROX/平均粒径1μm)に替えて、それ以外は試料No.3と同様にしてジルコニア粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を製造した(試料No.4)。
(1)ジルコニア粒子を用いた複合砥粒(試料No.4)
セリア粒子をジルコニア粒子(ユニバーサルフォトニクス製、ZIROX/平均粒径1μm)に替えて、それ以外は試料No.3と同様にしてジルコニア粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を製造した(試料No.4)。
(2)セリア−ジルコニア複合無機粒子を用いた複合砥粒(試料No.5)
セリア粒子を、セリア−ジルコニア複合無機粒子に替えて、それ以外は試料No.3と同様にしてセリア−ジルコニア複合無機粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を製造した(試料No.5)。このセリア−ジルコニア複合無機粒子は次のようにして製造した。
セリア粒子を、セリア−ジルコニア複合無機粒子に替えて、それ以外は試料No.3と同様にしてセリア−ジルコニア複合無機粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を製造した(試料No.5)。このセリア−ジルコニア複合無機粒子は次のようにして製造した。
先ず、上述したジルコニア粒子と酸化セリウムゾル(多木化学株式会社製、B−10、平均粒径20nm)を混合し撹拌した。このときの配合は酸化ジルコニウム:酸化セリウム=78:22(質量比)とした。次にこの混合物を乾燥機に入れ、160℃の下でその水分を除去した。さらに、この乾燥物を電気炉に入れ、1000℃の大気雰囲気下で焼成させた。その後、この焼成物をミキサーで解砕して、セリア−ジルコニア複合無機粒子からなる粉体を得た。この複合無機粒子をSEM観察したところ、ジルコニア粒子(基粒子)の表面にセリア粒子(微粒子)がシェル状に結合していることが確認できた。また、この複合無機粒子は粒径が約1μmであった。
(3)比較のため、ジルコニア粒子のみからなる砥粒も用意した(試料No.C3)。
《複合砥粒の評価》
試料No.4と試料No.5の複合砥粒をSEMで観察した様子を、それぞれ図2および図3に示した。いずれの複合砥粒も、試料No.3と同様に、各無機粒子がポリマー粒子(有機粒子)の表面上にシェル状に付着して、それらが一体化(複合化)していることがわかる。
試料No.4と試料No.5の複合砥粒をSEMで観察した様子を、それぞれ図2および図3に示した。いずれの複合砥粒も、試料No.3と同様に、各無機粒子がポリマー粒子(有機粒子)の表面上にシェル状に付着して、それらが一体化(複合化)していることがわかる。
《研磨スラリーの調製、研磨》
上述した試料No.4、試料No.5または試料No.C3の各砥粒を用いて、試料No.3の場合と同様に、研磨スラリーを調製し、研磨を行った。そのときの研磨レートおよび表面粗さを、前述した方法により測定した。その結果を表1に併せて示した。
上述した試料No.4、試料No.5または試料No.C3の各砥粒を用いて、試料No.3の場合と同様に、研磨スラリーを調製し、研磨を行った。そのときの研磨レートおよび表面粗さを、前述した方法により測定した。その結果を表1に併せて示した。
《評価》
表1に示す結果から明らかなように、試料No.4および試料No.5の複合砥粒を用いると、研磨レートおよび表面粗さが共に、ジルコニア粒子のみからなる砥粒(試料No.C3)を用いた場合よりも改善されることが明らかとなった。特に試料No.5の複合砥粒を用いると、その研磨レートおよび表面粗さは大きく改善され、試料No.C2のセリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合よりも良い結果が得られた。ちなみに試料No.C2の砥粒に替えて試料No.5の複合砥粒を用いると、セリアの使用量を質量換算で約25%に抑制できる。
表1に示す結果から明らかなように、試料No.4および試料No.5の複合砥粒を用いると、研磨レートおよび表面粗さが共に、ジルコニア粒子のみからなる砥粒(試料No.C3)を用いた場合よりも改善されることが明らかとなった。特に試料No.5の複合砥粒を用いると、その研磨レートおよび表面粗さは大きく改善され、試料No.C2のセリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合よりも良い結果が得られた。ちなみに試料No.C2の砥粒に替えて試料No.5の複合砥粒を用いると、セリアの使用量を質量換算で約25%に抑制できる。
以上のことから、ジルコニア粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を用いても、ジルコニア粒子のみからなる砥粒を用いた場合と同程度以上の優れた表面粗さを得つつ、研磨レートを大きく向上させられることが明らかとなった。さらにセリア−ジルコニア複合無機粒子とポリマー粒子からなる複合砥粒を用いると、研磨レートおよび表面粗さはより一層改善され、ジルコニア粒子のみからなる砥粒を用いた場合は勿論、セリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合よりも、良くなることが明らかとなった。従ってセリア粒子の使用量を大きく抑制しつつ、従来よりも高質で高効率な研磨が可能となった。
Claims (9)
- 無機粒子からなる無機粉末と有機粒子からなる有機粉末とを混合して混合粉末とする混合工程と、
該混合粉末を加熱しつつ混練する加熱混練工程とを備え、
該有機粒子の表面に該無機粒子が付着した複合砥粒が得られることを特徴とする複合砥粒の製造方法。 - 前記加熱混練工程は、混練温度が前記有機粒子のガラス転移温度以上である請求項1に記載の複合砥粒の製造方法。
- 前記加熱混練工程は、ニーダ混練機またはロール混練機により行う工程である請求項1または2に記載の複合砥粒の製造方法。
- 前記有機粒子は、ポリマー粒子である請求項1または3に記載の複合砥粒の製造方法。
- 前記無機粒子は、無機酸化物粒子である請求項1または4に記載の複合砥粒の製造方法。
- 前記無機粒子は、セリア粒子、ジルコニア粒子またはセリアとジルコニアからなる複合無機粒子のいずれか一種以上であり、
前記有機粒子は、少なくともウレタン構造またはエポキシ構造をもつポリマー粒子である請求項1、4または5に記載の複合砥粒の製造方法。 - 前記複合無機粒子は、ジルコニアからなる基粒子と該基粒子の表面に付着または結合したセリアからなる微粒子とからなる請求項6に記載の複合砥粒の製造方法。
- 請求項1〜7に記載のいずれかの製造方法により得られることを特徴とする複合砥粒。
- 請求項8に記載の複合砥粒と、該複合砥粒を分散させる分散媒とからなり、被研磨材の研磨に用いられることを特徴とする研磨用組成物。
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WO2014034746A1 (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-06 | Hoya株式会社 | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 |
US10047262B2 (en) | 2013-06-27 | 2018-08-14 | Konica Minolta, Inc. | Cerium oxide abrasive, method for producing cerium oxide abrasive, and polishing method |
WO2018211626A1 (ja) * | 2017-05-17 | 2018-11-22 | 株式会社アドマテックス | 複合粒子材料及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-11-30 JP JP2011262065A patent/JP2012135866A/ja active Pending
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US10619013B2 (en) * | 2017-05-17 | 2020-04-14 | Admatechs Co., Ltd. | Composite particulate material and production process for the same, composite-particulate-material slurry, and resinous composition |
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