JP2012121127A - 複合砥粒およびそれを用いた研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の複合砥粒は、第1無機粒子と、第2無機粒子を内包する有機粒子とからなり、この有機粒子の表面に第1無機粒子が付着していることを特徴とする。ここで、例えば、第1無機粒子はセリア粒子であり、第2無機粒子はシリカ粒子であり、有機粒子はウレタン粒子である。この複合砥粒を用いると、セリア粒子のみからなる砥粒を用いた場合と同等な表面粗さを確保しつつ、高い研磨レートの研磨を行うことができる。しかも本発明の複合砥粒によれば、稀少なレアアースを含むセリア粒子等の使用量を抑制でき、砥粒ひいては研磨スラリー等の低コスト化や供給安定性を図れる。
【選択図】図1B
Description
(1)本発明の複合砥粒は、第1無機粒子と、第2無機粒子を内包する有機粒子とからなり、該有機粒子の表面に該第1無機粒子が付着していることを特徴とする。
本発明は、上述した複合砥粒に限らず、この複合砥粒とこれを分散させる分散媒とからなる被研磨材の研磨に用いられる研磨用組成物としても把握できる。
さらに本発明は、上述した研磨用組成物を用いた研磨方法としても把握される。すなわち本発明は、研磨スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給工程と、該研磨スラリーの供給された研磨パッドにより被研磨材を研磨する研磨工程と、を備える研磨方法であって、この研磨スラリーが上述した本発明の研磨用組成物からなることを特徴とする研磨方法でもよい。
(1)本明細書でいう「平均粒径」は体積平均粒径であり、測定対象であるサンプル(破砕粒子の粉末)について、その構成する各粒子の直径(粒径:di)にそれぞれの粒子の体積占有率(重み:vi/V0)をかけて求めた総和(Σdi・vi/V0)として求められる(V0はサンプル全体の体積)。具体的には、レーザー回折散乱式粒度分布計(堀場製作所製LA750)を用いてJIS Z8825−1に準じて測定して求まる。
(1)第1無機粒子または第2無機粒子(両者を併せて単に「無機粒子」という。)は、組成、サイズ、配合等を基本的に問わない。これら無機粒子は、例えば、酸化セリウム(セリア)、酸化ケイ素(シリカ等)、酸化ジルコニウム(ジルコニア等)、酸化アルミニウム(アルミナ等)、酸化鉄、酸化タングステン、酸化チタン(チタニア)、ケイ酸ジルコニウム等の無機酸化物粒子の一種以上であると好ましい。
複合砥粒は、例えば、第1無機粒子の粉末(第1無機粉末)と、その第1無機粒子を担持する有機粒子の粉末(有機粉末)とを混合し(混合工程)、得られた混合粉末を加熱混練すること(加熱混練工程)により得られる。
(1)本発明の研磨用組成物は、複合砥粒を分散媒に均一に分散させた懸濁液(研磨スラリー)からなる。この研磨用組成物によれば、全体を100%としたときに、砥粒濃度が25%以下、15%以下さらには5%以下でも、十分な研磨レートが得られる。もっとも、砥粒濃度が過小では研磨レートの向上を図れないので、砥粒濃度は1%以上さらには2%以上が好ましい。
被研磨材は、その種類や形態を特に問わないが、例えば、一般的なガラス、ディスプレー用パネル、電子デバイス基板(ウエハ)等である。より具体的には、SiO2、Na2CO3、CaCO3等からなる各種ガラス、シリコン、窒化物(GaN等)、炭化物(SiC等)等からなる各種基板などが被研磨材として挙げられる。
《複合砥粒の製造》
(1)原料
第1無機粒子の原料として、無機酸化物粒子である酸化セリウム粒子(セリア粒子)からなる無機粉末(昭和電工株式会社製、SH0ROX A−10 平均粒径1μm)を用意した。
無機粉末と各有機粉末を12:1の質量割合で混合して混合粉末を得た。この混合はプロペラ式のミキサーを用いて、20,000r.p.m.で2分間行った。
この混合粉末をニーダ混練機であるニーダーミル(株式会社トーシン製:TDR100−1型)に投入して、50r.p.m.で4分間、加熱しつつ混練した。このときの混練温度は200℃とした。
先ず、シリカ粒子を30質量%内包したウレタン粒子(試料No.2)を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を図1Aに示した。このウレタン粒子も、シリカ粒子等を内包しないウレタン粒子単体と同様に、滑らかな球状表面を有していた。
上述した各試料の砥粒を、それぞれイオン交換水に入れて分散させた研磨スラリーを調製した(分散工程)。これらの研磨スラリー中の砥粒濃度は、いずれも3質量%とし、各砥粒の分散にはホモミキサーを用いた。
上記の各研磨スラリーを用いて、被研磨材であるソーダガラス(直径20mm、厚み10mmを、片面研磨装置(株式会社岡本工作機械製作所製、SPL−15)により研磨した。具体的には、各研磨スラリーを25cc/minの割合で、ウレタン樹脂製の研磨パッド(九重電気株式会社製、KSP66A)上に滴下させ(スラリー供給工程)、この研磨パッドと上記のソーダガラスとを押圧しつつ相対的に摺動させた(研磨工程)。
(1)研磨レート
各研磨スラリーで研磨した被研磨材(ソーダガラス)の質量を、研磨前および研磨後に測定した。単位時間あたりの研磨前後の質量変化を、ソーダガラスの断面積で除して、被研磨材の厚みの減少量に換算した研磨レート(μm/min)を求めた。この結果を表1に示した。
研磨後のソーダガラスの表面を、非接触表面形状測定機(ザイゴ株式会社製NewView)により測定し、その表面粗さを求めた。この結果を表1に併せて示した。ちなみに、研磨前のソーダガラスの表面粗さは約0.2〜0.3μmRa程度であった。
表1に示す結果から明らかなように、第2無機粒子を内包する有機粒子の外表面に第1無機粒子を付着させた複合砥粒を用いると(試料No.2および試料No.3)、表面粗さがセリア粒子のみからなる砥粒(試料No.C1)を用いた場合と同程度でありながら、研磨レートがセリア粒子のみからなる砥粒の場合よりも大幅に向上することが明らかとなった。
Claims (9)
- 第1無機粒子と、
第2無機粒子を内包する有機粒子とからなり、
該有機粒子の表面に該第1無機粒子が付着していることを特徴とする複合砥粒。 - 前記第1無機粒子および/または前記第2無機粒子は、無機酸化物粒子である請求項1に記載の複合砥粒。
- 前記第1無機粒子は、セリア粒子である請求項1または2に記載の複合砥粒。
- 全体を100質量%として、前記有機粒子は3〜40質量%である請求項1または3に記載の複合砥粒。
- 前記第2無機粒子は、比重が1.5以上である請求項1または4に記載の複合砥粒。
- 前記有機粒子全体を100質量%として、前記第2無機粒子は5〜90質量%である請求項1または5に記載の複合砥粒。
- 前記有機粒子は、ポリマー粒子からなる請求項1または6に記載の複合砥粒の製造方法。
- 前記ポリマー粒子は、少なくともウレタン構造またはエポキシ構造をもつポリマー粒子である請求項7に記載の複合砥粒。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の複合砥粒と、該複合砥粒を分散させる分散媒とからなり、被研磨材の研磨に用いられることを特徴とする研磨用組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015528031A (ja) * | 2012-07-05 | 2015-09-24 | ジェネラル エンジニアリング アンド リサーチ,エル.エル.シー. | 化学的機械的平坦化スラリーに有用な接触放出型カプセル |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001064630A (ja) * | 1999-08-31 | 2001-03-13 | Ebara Corp | 研磨用複合砥粒 |
JP2001300843A (ja) * | 2000-04-21 | 2001-10-30 | Yasuhiro Tani | 研磨剤及び製造方法並びに研磨方法 |
JP2006315110A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Kyocera Chemical Corp | 研磨剤、その製造方法及び研磨方法 |
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